JP2016078350A - 発泡積層体の製造方法及びその発泡積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
(i)紙基材の片面又は両面に水を塗布する工程
(ii)(A)層を構成するポリエチレン系樹脂(a)、(B)層を構成する高圧法低密度ポリエチレン(b)を紙基材に積層する工程
(iii)ポリエチレン系樹脂(a)/紙基材/高圧法低密度ポリエチレン(b)からなる積層体に加熱処理を施し、高圧法低密度ポリエチレン(b)を発泡する工程
(iv)少なくとも(i)及び(ii)がロール・ツー・ロールプロセスで製造される。
(v)少なくとも(i)及び(ii)の工程で得られる紙基材又は積層体を防湿性を有するコアに巻き取る。
(i)紙基材の片面又はは両面に水を塗布する工程
(ii)(A)層としてポリエチレン系樹脂(a)、(B)層として高圧法低密度ポリエチレン(b)を紙基材に積層する工程
(iii)ポリエチレン系樹脂(a)/紙基材/高圧法低密度ポリエチレン(b)からなる積層体に加熱処理を施し、高圧法低密度ポリエチレン(b)を発泡する工程
水を塗布する手法は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、ロールコート装置、リップコート装置、スプレー装置、ダイコート装置、グラビア装置、ダンプニング装置などを用いた手法が例示することができる。水の塗布量が均一になるため、ダンプニング装置を用いた手法が好ましい。
この水の減少速度定数k(分−1)は、具体的には、紙基材/ポリエチレン系樹脂の順に積層され、ポリエチレン系樹脂の密度が940kg/m3、ポリエチレン系樹脂の厚みが40μmである積層体の加熱時の重量変化を用いて求めることができる。紙基材/ポリエチレン系樹脂からなる積層体を加熱処理した時に得られるある時間t(分)における加熱後の単位面積当たりの重量減少量ΔWt(g/m2)と式(1)から導出される下式(4)を計算して得られるある時間t(分)における単位面積当たりの重量減少量ΔWt,cal(g/m2)を各々0.5分毎に0.5分から6分まで算出した時に、下式(5)で表されるある時間t(分)における誤差εtの0.5分から6分までの合計値が最少となるように水の減少速度定数k(分−1)を求める。
εt=[(ΔWt−ΔWt,cal)/ΔWt]2 (5)
ここで、W0は紙基材/ポリエチレン系樹脂における加熱前の単位面積あたりの水分量(g/m2)である。
(1)密度
密度は、JIS K6922−1(2010年)に準拠して測定した。
(2)メルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922−1(2010年)に準拠して測定した。
(3)加熱発泡
実施例により得られた積層体を10cm×20cmに切り出し円筒状に成形したサンプルを、所定の温度に加熱したギア式老化試験機(安田精機製作所製 No.102−SHF−77)中で熱風をあてながら所定の時間静置した後、取り出して空気中で室温まで冷却した。また、加熱時の風量について「AGING」ボタンの「HIGH」と「LOW」で調節した。
(4)紙基材の水分量
ポリエチレン系樹脂の積層前後の紙基材について、カールフィッシャー法水分測定装置(三菱化学(株)製、商品名CA−05)を使用し測定した。測定温度は165℃である。
(5)水の減少速度定数k
水分量が24.0g/m2であり、坪量320g/m2である紙基材に、MFRが7g/10分、密度が940kg/m3である高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン LW04−1)を直径90mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター(ムサシノキカイ(株)製)へ供給し、320℃の温度でTダイより押し出し、紙基材上に引き取り速度が60m/分、エアギャップ長さが130mmで40μmの厚さになるよう押出ラミネート成形を行った後、恒温恒湿槽(日立アプライアンス(株)製、EC−25MHHP)を使用して実施例及び比較例に記載の水分量に調湿した積層体を用いた。これらの積層体を(3)加熱発泡と同様の手法で0.5分毎に6分まで加熱処理を行い、小数点第4桁まで測定できる電子天秤(ザルトリウス(株)製、BP210S)を用いて、加熱処理前後の重量変化を測定し、重量減少量ΔWt(g/m2)を算出した。このΔWtを用いて、水の減少速度定数k(分−1)を明細書中に例示した方法を用いて算出した。
(6)発泡層厚み
実施例により得られた発泡体、及びブランクとして発泡させる前のラミネート積層体をサンプル取りし、光学顕微鏡により断面写真を撮影した。断面写真から発泡層の厚みを測定し、5箇所で測定した。発泡層の厚みが1000μm未満であれば×、1000μm以上1200μm未満であれば△、1200μm以上であれば○とした。なお、発泡層厚みが1000μm以上であれば、良好であると評価した。
(7)発泡表面の状態
得られた発泡体の表面の平滑性を目視で観測した。表面の平滑性が良好である場合を○、良好であるもののやや劣る場合を△、不良の場合を×とした。
(8)生産効率
実施例により得られた発泡前の積層体のロールサンプルについて、23℃・55%Rhの環境下で15日間放置した後、最も再表面(以後、巻外と表記)の積層体と最も再内面(以後、巻内と表記)の積層体を切出し、(4)紙基材の水分量測定と同様の手法で紙基材の水分量を測定した。この水分量が高いほど保管時の水分率低下が少なく生産効率が高いこととなり、その水分量が巻内、巻外共に24g/m2以上で◎、23g/m2以上で〇、22g/m2以上で△、22g/m2未満で×とした。
ポリエチレン系樹脂(a)として、MFRが7g/10分、密度が940kg/m3である高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン LW04−1)(A1)を、高圧法低密度ポリエチレン(b)として、MFRが13g/10分、密度が919kg/m3である高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 212)(B1)、紙基材として水分量が21.0g/m2、坪量が280g/m2、幅530mmであるロール状の紙基材を、ロールサンプルを巻き取るコアとして幅530mmである田中紙管(株)製シームレス紙管(C1)を使用した。
実施例1に使用したポリエチレン系樹脂、紙基材、コアを使用し、発泡する際の風量をHIGHとした以外は、実施例1と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表1に示す。
実施例2に使用したポリエチレン系樹脂、紙基材、コアを使用し、紙基材における(A1)を積層する面に4g/m2の水を塗布し、(B1)を積層する面に4g/m2の水を塗布した以外は、実施例2と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表1に示す。
実施例2に使用したポリエチレン系樹脂、紙基材を使用し、コアとして紙管内部にアルミニウム層を積層した田中紙管(株)製防湿性紙管(C2)を用いた以外は、実施例2と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表1に示す。
実施例2に使用したポリエチレン系樹脂、紙基材を使用し、コアとしてポリエチレンからなる田中紙管(株)製ポリエチレンコア(C3)を用いた以外は、実施例2と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表1に示す。
実施例5に使用したポリエチレン系樹脂、紙基材、コアを使用し、積層体を成形した直後に透湿度が19g/m2・24hであり、坪量50g/m2であるクラフト紙に密度920kg/m2である低密度ポリエチレンを25μm積層したフィルム(F1)で包装した以外は、実施例5と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表1に示す。
実施例6に使用したポリエチレン系樹脂、紙基材、コアを使用し、積層体を成形した直後に透湿度が7g/m2・24hであり、坪量50g/m2であるクラフト紙に密度950kg/m2である高密度ポリエチレンを25μm積層したフィルム(F2)で包装した以外は、実施例6と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表1に示す。
水を塗布しなかったこと以外は、実施例2と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表2に示す。発泡後の発泡層厚み及び生産効率に劣っていた。
コアとして防湿処理が施されていない田中紙管(株)製一般紙管を使用したこと以外は、実施例2と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表2に示す。生産効率に劣っていた。
コアとして防湿処理が施されていない田中紙管(株)製一般紙管を使用したこと以外は、実施例6と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表2に示す。生産効率に劣っていた。
コアとして防湿処理が施されていない田中紙管(株)製一般紙管を使用したこと以外は、実施例7と同様の手法により発泡前後の積層体を得た。得られた積層体について、発泡層の厚みを評価した。結果を表2に示す。生産効率に劣っていた。
Claims (12)
- 少なくとも(A)層/紙基材/(B)層の順に積層されてなる発泡積層体の製造方法であって、(A)層がJIS K6922−1(2010年)により測定された密度が930kg/m3以上970kg/m3以下であるポリエチレン系樹脂(a)、(B)層がJIS K6922−1(2010年)により測定された密度が910kg/m3以上930kg/m3以下である高圧法低密度ポリエチレン(b)から構成され、少なくとも下記に示す(i)〜(iii)の工程を経り、(iv)〜(v)の要件を満たすことを特徴とする発泡積層体の製造方法。
(i)紙基材の片面又は両面に水を塗布する工程
(ii)(A)層を構成するポリエチレン系樹脂(a)、(B)層を構成する高圧法低密度ポリエチレン(b)を紙基材に積層する工程
(iii)ポリエチレン系樹脂(a)/紙基材/高圧法低密度ポリエチレン(b)からなる積層体に加熱処理を施し、高圧法低密度ポリエチレン(b)を発泡する工程
(iv)少なくとも(i)及び(ii)がロール・ツー・ロールプロセスで製造される。
(v)少なくとも(i)及び(ii)の工程で得られる紙基材又は積層体を防湿性を有するコアに巻き取る。 - 水の紙基材への塗布量が1.5g/m2以上30g/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡積層体の製造方法。
- ダンプニング装置を用いて、紙基材に水を塗布することを特徴とする請求1又は2に記載の発泡積層体の製造方法。
- 紙基材の坪量が150g/m2以上400g/m2以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
- 防湿性を有するコアが防湿加工が施された紙管であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法。
- 防湿性を有するコアが熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなるプラスチックコアであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法
- 工程(iii)までの各工程間において、得られた紙基材又は積層体を透湿度が50g/m2・24時間以下である防湿性フィルムで包装することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発泡積層体の製造方法
- 防湿性フィルムがポリエチレン系樹脂からなる単層フィルムであることを特徴とする請求項7に記載の発泡積層体の製造方法。
- 防湿性フィルムがポリエチレン系樹脂を少なくとも1層含む積層体であることを特徴とする請求項7に記載の発泡積層体の製造方法。
- 高圧法低密度ポリエチレン(b)を発泡する工程において、水の減少速度定数k(分−1)が0.60以上1.30以下の条件を満たす加熱条件を施すことを特徴とする請求項1〜9のいずかに記載の発泡積層体の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の方法により製造される発泡積層体。
- 請求項11に記載の発泡積層体からなる容器。
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