JP2016074279A - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐久性を低下させることなく、耐偏摩耗性を向上させることが可能な重荷重用空気入りタイヤを提供する。【解決手段】重荷重用空気入りタイヤであって、周方向ベルト層を有しなく、ベルト層は、1対のベルトプライをそれぞれ積層して構成される交錯ベルト層と、1枚以上のベルトプライで構成される角度付きベルト層とを有し、交錯ベルト層のベルトコードの角度θ1、及び角度付きベルト層のベルトコードの角度θ2を、10°<θ1<25°かつ15°<θ2−θ1<25°とし、カーカスの形状を、曲率半径の互いに異なる2つの円弧をつないで形成し、タイヤ幅方向内側の内側円弧、及びタイヤ幅方向外側の外側円弧の曲率半径の各々を、R1、R2としたとき、曲率半径R1、R2を、R1>R2とし、タイヤ赤道面から内側円弧および外側円弧の交点までをタイヤ幅方向に沿って測った距離は、交錯ベルト層の各ベルトプライが重複する範囲を同様に測った距離の80%以上であることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、重荷重用空気入りタイヤに関し、特には、耐久性を低下させることなく、耐偏摩耗性を向上させた重荷重用空気入りタイヤに関する。
バスやトラック等の重車両に使用されるなど負荷荷重の大きい重荷重用空気入りタイヤでは、偏摩耗が、タイヤのトレッド部のショルダー部分に生じる傾向が有る。そして、そのショルダー部分に生じる偏摩耗を改善させて耐偏摩耗性を向上させるための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1)。
ところで、上述のような従来の技術に基づく重荷重用空気入りタイヤでは、トレッド部のショルダー部分に生じる偏摩耗をまだ十分に低減することができないことがあったり、あるいは、耐偏摩耗性を向上させることができても、他の性能、例えばベルト端部のセパレーションに起因して耐久性などが低下するなど、耐偏摩耗性および他の性能との両立が困難なことがあったりした。
そこで、本発明は、耐久性を低下させることなく、耐偏摩耗性を向上させることが可能な重荷重用空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の重荷重用空気入りタイヤは、カーカスと、トレッド部で、該カーカスのタイヤ径方向外側に配設されるベルト層と、を備え、タイヤ周方向に沿って延びるベルトコードからなるベルトプライで構成される周方向ベルト層を有しない重荷重用空気入りタイヤであって、前記ベルト層は、1対のベルトプライをそれぞれ積層して構成されるとともに、それぞれの該ベルトプライのベルトコードをタイヤ赤道面を挟んで相互に交差させた交錯ベルト層と、1枚以上のベルトプライで構成される角度付きベルト層とを有し、前記交錯ベルト層を構成するそれぞれの前記ベルトプライの前記ベルトコードの、タイヤ赤道面に対する角度θ1、および、前記角度付きベルト層を構成する前記ベルトプライのベルトコードの、タイヤ赤道面に対する角度θ2を、
10°<θ1<25°かつ15°<θ2−θ1<25°
とし、タイヤ幅方向断面における前記カーカスの形状を、該カーカスのタイヤ径方向最外側位置からタイヤ幅方向最外側位置に至るまで、タイヤ内腔側に曲率中心を有する、曲率半径の互いに異なる2つの円弧をつないで形成し、前記2つの円弧のうち、タイヤ幅方向内側に位置する内側円弧、および、タイヤ幅方向外側に位置する外側円弧の曲率半径のそれぞれを、R1、R2としたとき、前記曲率半径R1、R2を、
R1>R2
とし、タイヤ赤道面から前記内側円弧および前記外側円弧の交点までをタイヤ幅方向に沿って測った距離は、交錯ベルト層の各ベルトプライが重複する範囲をタイヤ赤道面からタイヤ幅方向に沿って測った距離の80%以上であることを特徴とする。
この発明の重荷重用空気入りタイヤによれば、耐偏摩耗性を向上させつつ、ベルト層のタイヤ幅方向外端でのセパレーションの防止ひいては耐久性の低下の防止が可能となる。
なお、本発明において、「交錯ベルト層の各ベルトプライが重複する範囲(以下、「重複範囲」ともいう)」とは、交錯ベルト層の各ベルトプライがタイヤ径方向視において重なり合う範囲を指す。
10°<θ1<25°かつ15°<θ2−θ1<25°
とし、タイヤ幅方向断面における前記カーカスの形状を、該カーカスのタイヤ径方向最外側位置からタイヤ幅方向最外側位置に至るまで、タイヤ内腔側に曲率中心を有する、曲率半径の互いに異なる2つの円弧をつないで形成し、前記2つの円弧のうち、タイヤ幅方向内側に位置する内側円弧、および、タイヤ幅方向外側に位置する外側円弧の曲率半径のそれぞれを、R1、R2としたとき、前記曲率半径R1、R2を、
R1>R2
とし、タイヤ赤道面から前記内側円弧および前記外側円弧の交点までをタイヤ幅方向に沿って測った距離は、交錯ベルト層の各ベルトプライが重複する範囲をタイヤ赤道面からタイヤ幅方向に沿って測った距離の80%以上であることを特徴とする。
この発明の重荷重用空気入りタイヤによれば、耐偏摩耗性を向上させつつ、ベルト層のタイヤ幅方向外端でのセパレーションの防止ひいては耐久性の低下の防止が可能となる。
なお、本発明において、「交錯ベルト層の各ベルトプライが重複する範囲(以下、「重複範囲」ともいう)」とは、交錯ベルト層の各ベルトプライがタイヤ径方向視において重なり合う範囲を指す。
ここで、本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、前記曲率半径R1、R2を、
R1/R2≧9.5
とすることが好ましい。これによれば、カーカスのショルダー部分付近でのタイヤ径方向への径成長量をさらに低減することができるので、タイヤの耐久性の低下をより確実に抑制することができる。
R1/R2≧9.5
とすることが好ましい。これによれば、カーカスのショルダー部分付近でのタイヤ径方向への径成長量をさらに低減することができるので、タイヤの耐久性の低下をより確実に抑制することができる。
なお、本発明において、角度および諸寸法、例えば、ベルト層のベルトコードのタイヤ赤道面に対する角度、重複範囲のタイヤ赤道面からの距離等は、特に断りのない限り、適用リムに組み付けたタイヤに規定の空気圧を充填した無負荷状態での角度および諸寸法を指す。ちなみに、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)YEAR BOOK、欧州ではETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation) STANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズにおける標準リム(または、“Approved Rim”、“Recommended Rim”)を指す。また、「適用リムに組み付けたタイヤに規定の空気圧を充填し」た状態とは、タイヤを上記の適用リムに装着し、JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)とした状態を指す。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
また、本発明の重荷重用空気入りタイヤでは、前記交錯ベルト層を構成する前記1対のベルトプライのタイヤ幅方向端部の間に配設されたスペースゴムと、前記カーカスのタイヤ径方向外側かつ前記ベルト層のタイヤ幅方向端部のタイヤ径方向内側に配設されたクッションゴムと、前記トレッド部で前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配設され、トレッド踏面を形成するトレッドゴムと、を備え、前記スペースゴムの弾性率E1および前記クッションゴムの弾性率E2を、
0.3<E1/E2<0.5
とすることが好ましい。これによれば、タイヤの転がり抵抗を低減させることができる。
0.3<E1/E2<0.5
とすることが好ましい。これによれば、タイヤの転がり抵抗を低減させることができる。
ここで、本発明において、「弾性率」は、「100%モジュラス」を指し、「100%モジュラス」とは、JISダンベル状3号形サンプルを用意し、JIS K6251に準拠して、温度30℃、速度500±25mm/minの条件下で引張試験を行って測定した、100%伸長時の引張応力である。
この本発明によれば、耐久性を低下させることなく、耐偏摩耗性を向上させることが可能な重荷重用空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、図面を参照しつつ、この発明の実施形態について例示説明する。
図1は、本発明に従う重荷重用空気入りタイヤ(以下、タイヤともいう)のトレッド部(半部)周辺を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填した無負荷状態で示すタイヤ幅方向の一部拡大断面図である。
図1は、本発明に従う重荷重用空気入りタイヤ(以下、タイヤともいう)のトレッド部(半部)周辺を、適用リムに装着したタイヤに規定の空気圧を充填した無負荷状態で示すタイヤ幅方向の一部拡大断面図である。
ここで、図1に示す重荷重用空気入りタイヤ1は、バスやトラックに装着するタイヤであって、一部図示を省略するが、トレッド部2と、トレッド部2の両側に連なる1対のサイドウォール部と、各サイドウォール部に連なる図示しないビード部とを備えている。さらに、重荷重用空気入りタイヤ1は、各ビード部内に埋設されたビードコアの間をトレッド部2、サイドウォール部およびビード部にわたってトロイド状に延在するカーカス3を有している。なお、図1に示すカーカス3は1枚のプライからなっているが、本発明のタイヤ1では、必要に応じて2枚以上のプライ数に変えることができる。
また、トレッド部2のカーカス3のタイヤ径方向外側に、より具体的には後述のベルト層4のタイヤ径方向外側には、トレッド踏面を形成するトレッドゴム21が配設されている。トレッド踏面には、タイヤ周方向に延びる周方向溝22が形成されている。なお、図示では、周方向溝22が示されているが、タイヤ幅方向に延びる幅方向溝等を形成させることもでき、また、任意のトレッドパターン、例えばリブ状パターン、ブロック状パターン等とすることができる。
さらに、図1に示すように、トレッド部2のカーカス3のタイヤ径方向外側には、ベルトコード、例えばスチールコードをゴムで被覆して形成されるベルトプライ4aを、複数枚積層して構成されるベルト層4が配設されている。また、本実施形態のタイヤ1は、タイヤ周方向に沿って延びるベルトコードからなるベルトプライで構成される周方向ベルト層を有しない。なお、「タイヤ周方向に沿って延びる」とは、実質的にタイヤ赤道面Eに対して角度θが0°であり、タイヤ赤道面Eに対してわずかに傾くこと(例えば、5°以内)は許容されることを意味する。
そして、ベルト層4は、1対のベルトプライ4aをそれぞれ積層して構成されるとともに、それぞれのベルトプライ4aのベルトコードを、タイヤ赤道面Eを挟んで相互に交差させた交錯ベルト層41と、1枚以上、図示では1枚のベルトプライ4aで構成される角度付きベルト層42とを有している。なお、交錯ベルト層41を構成するそれぞれのベルトプライ4aのベルトコードは、タイヤ赤道面Eに対して角度θ1を有するとともに、実質的に対称に配列されている。なお、タイヤ赤道面Eを挟んで相互に交差していれば、対称でなくとも(θ1が異なっても)よい。また、角度付きベルト層42を構成するベルトプライ4aのベルトコードは、タイヤ赤道面Eに対して角度θ2を有している。
そして、ベルト層4は、1対のベルトプライ4aをそれぞれ積層して構成されるとともに、それぞれのベルトプライ4aのベルトコードを、タイヤ赤道面Eを挟んで相互に交差させた交錯ベルト層41と、1枚以上、図示では1枚のベルトプライ4aで構成される角度付きベルト層42とを有している。なお、交錯ベルト層41を構成するそれぞれのベルトプライ4aのベルトコードは、タイヤ赤道面Eに対して角度θ1を有するとともに、実質的に対称に配列されている。なお、タイヤ赤道面Eを挟んで相互に交差していれば、対称でなくとも(θ1が異なっても)よい。また、角度付きベルト層42を構成するベルトプライ4aのベルトコードは、タイヤ赤道面Eに対して角度θ2を有している。
なお、図1および2に示すところでは、タイヤ径方向内側からタイヤ径方向外側に向かって1枚のベルトプライ4aからなる角度付きベルト層42および1対のベルトプライ4aからなる交錯ベルト層41の順でそれぞれ積層されているが、その積層の順は任意に変更することができる。
ところで、従来の重荷重用空気入りタイヤでは、一般に、トレッド部に配設したベルト層の張力が、タイヤ転動時にトレッド部のセンター部分で最も大きくなり、トレッド部のタイヤ幅方向外側のショルダー部分にかけて減少するため、ショルダー部分の路面への接地圧が低くなり、タイヤが転動して路面を蹴り出す際、ショルダー部分が路面に対して滑ることがあり、その結果、ショルダー部分に偏摩耗が生じていた。
そこで、本発明の重荷重用空気入りタイヤ1では、交錯ベルト層41と角度付きベルト層42とを有するベルト層4を備え、周方向ベルト層を有しなく、交錯ベルト層41を構成するそれぞれのベルトプライ4aのベルトコードのタイヤ赤道面Eに対する角度θ1、および角度付きベルト層42を構成するベルトプライ4aのベルトコードのタイヤ赤道面Eに対する角度θ2を、
10°<θ1<25°かつ15°<θ2−θ1<25°
としている。
この構成によれば、交錯ベルト層41の角度θ1を上記範囲にすることで、タイヤ転動時に、ショルダー部分でのベルト層4の張力が、センター部分でのベルト層4の張力と比して相対的に大きくなり、それゆえに、タイヤ転動時に、ショルダー部分でのベルト層4の張力を向上することができる。ところで、交錯ベルト層41の角度θ1を上記範囲にすると、センター部分でのベルト層4の張力が不足することとなる。これに対しては、角度付きベルト層42の角度θ2を交錯ベルト層41よりも大きい上記範囲にすることにより、タイヤ転動時に、角度付きベルト層42が、ショルダー部分でのベルト層4の張力を低下させることなく、センター部分でのベルト層4の張力を補うことができる。したがって、ベルト幅方向で、ベルト層4の張力が全体としてセンター部分からショルダー部分にかけて大きくなり、またはベルト層4の張力がタイヤ幅方向で均一になり、その結果、センター部分の路面への接地圧を確保しつつ、ショルダー部分の路面への接地圧が増し、耐偏摩耗性を向上させることができる。
そこで、本発明の重荷重用空気入りタイヤ1では、交錯ベルト層41と角度付きベルト層42とを有するベルト層4を備え、周方向ベルト層を有しなく、交錯ベルト層41を構成するそれぞれのベルトプライ4aのベルトコードのタイヤ赤道面Eに対する角度θ1、および角度付きベルト層42を構成するベルトプライ4aのベルトコードのタイヤ赤道面Eに対する角度θ2を、
10°<θ1<25°かつ15°<θ2−θ1<25°
としている。
この構成によれば、交錯ベルト層41の角度θ1を上記範囲にすることで、タイヤ転動時に、ショルダー部分でのベルト層4の張力が、センター部分でのベルト層4の張力と比して相対的に大きくなり、それゆえに、タイヤ転動時に、ショルダー部分でのベルト層4の張力を向上することができる。ところで、交錯ベルト層41の角度θ1を上記範囲にすると、センター部分でのベルト層4の張力が不足することとなる。これに対しては、角度付きベルト層42の角度θ2を交錯ベルト層41よりも大きい上記範囲にすることにより、タイヤ転動時に、角度付きベルト層42が、ショルダー部分でのベルト層4の張力を低下させることなく、センター部分でのベルト層4の張力を補うことができる。したがって、ベルト幅方向で、ベルト層4の張力が全体としてセンター部分からショルダー部分にかけて大きくなり、またはベルト層4の張力がタイヤ幅方向で均一になり、その結果、センター部分の路面への接地圧を確保しつつ、ショルダー部分の路面への接地圧が増し、耐偏摩耗性を向上させることができる。
なお、交錯ベルト層41の角度θ1を10°以下にすると、タイヤ転動時にセンター部分でのベルト層4の張力が大きく低下することとなり、センター部分での偏摩耗が生じるおそれがある。また、交錯ベルト層41の角度θ1を25°以上にすると、タイヤ転動時にショルダー部分でのベルト層4の張力が、耐偏摩耗性の向上に寄与する程に増加しない。
また、角度θ1およびθ2の関係で、θ2−θ1≦15°にすると、タイヤ転動時にセンター部分でのベルト層4の張力が大幅に低下し、25°≦θ2−θ1にすると、センター部分でのベルト層4の張力は向上するものの、交錯ベルト層41の角度θ1を上記範囲にして上昇したショルダー部分でのベルト層4の張力が低下する。
また、角度θ1およびθ2の関係で、θ2−θ1≦15°にすると、タイヤ転動時にセンター部分でのベルト層4の張力が大幅に低下し、25°≦θ2−θ1にすると、センター部分でのベルト層4の張力は向上するものの、交錯ベルト層41の角度θ1を上記範囲にして上昇したショルダー部分でのベルト層4の張力が低下する。
さらになお、耐偏摩耗性の向上と、後述のタイヤ耐久性の両立の観点からは、14°<θ1<20°かつ15°<θ2−θ1<20°がより好ましい。
また、タイヤ耐久性の観点からは、35°<θ2<50°であることが好ましい。なお、角度θ2を35°以下とすると、後述のように、曲率半径R1をR2よりも大きくし、距離Diを、距離Dに近づけても、ベルト層4のタイヤ幅方向外端の径成長量が大きくなりやすい傾向があり、ベルト層4のタイヤ幅方向外端でのセパレーションの発生の可能性が高くなる虞がある。また、角度θ2を50°以上とすると、角度付きベルト層42への圧縮入力が大きくなる傾向があり、ベルトコードが損傷する可能性が高くなる虞がある。
ここで、図1に示すように、本発明の重荷重用空気入りタイヤ1では、タイヤ幅方向断面におけるカーカス3の形状を、カーカス3のタイヤ径方向最外側位置からタイヤ幅方向最外側位置に至るまで、タイヤ内腔側に曲率中心を有する、曲率半径の互いに異なる2つの円弧をつないで形成している。なお、2つの円弧のうち、タイヤ幅方向内側に位置する内側円弧の曲率半径をR1とし、また、タイヤ幅方向外側に位置する外側円弧の曲率半径をR2とする。
なお、図1ではタイヤ半部しか示していないが、本実施形態のタイヤでは、タイヤ幅方向断面において、一方側のタイヤ幅方向最外側位置からタイヤ径方向最外側位置を経由し他方側のタイヤ幅方向最外側位置までのカーカス3の形状は、カーカス3のタイヤ径方向最外側位置を含む曲率半径R1の内側円弧と、タイヤ幅方向外側の両方の曲率半径R2の外側円弧との3つの円弧をつないで形成されている。ここで、後述する曲率半径R1、R2の関係を満たせば、タイヤ幅方向外側のそれぞれの外側円弧の曲率半径は、相互に異なるものとすることも可能である。
なお、図1ではタイヤ半部しか示していないが、本実施形態のタイヤでは、タイヤ幅方向断面において、一方側のタイヤ幅方向最外側位置からタイヤ径方向最外側位置を経由し他方側のタイヤ幅方向最外側位置までのカーカス3の形状は、カーカス3のタイヤ径方向最外側位置を含む曲率半径R1の内側円弧と、タイヤ幅方向外側の両方の曲率半径R2の外側円弧との3つの円弧をつないで形成されている。ここで、後述する曲率半径R1、R2の関係を満たせば、タイヤ幅方向外側のそれぞれの外側円弧の曲率半径は、相互に異なるものとすることも可能である。
そして、上述のように交錯ベルト層41の角度θ1および角度付きベルト層42の角度θ2を規定の範囲にすることで耐偏摩耗性を向上させることが可能であるが、一方で、タイヤ1に内圧を充填すると、ベルト層4のタイヤ幅方向外端付近で、具体的には交錯ベルト層41のタイヤ幅方向外端付近で、ショルダー部分でのベルト層4の張力が向上したことに起因してトレッドゴム21に歪が生じることによるセパレーションが発生しやすくなり、それゆえにタイヤ1の耐久性が悪化する傾向がある。
そこで、本発明の重荷重用空気入りタイヤ1では、内側円弧および外側円弧のそれぞれの曲率半径R1、R2を、R1>R2とし、タイヤ赤道面Eからそれら円弧の交点Iまでをタイヤ幅方向に沿って測った距離Diを、交錯ベルト層41の各ベルトプライ4aが重複する範囲をタイヤ赤道面Eからタイヤ幅方向に沿って測った距離Dの80%以上とする。
曲率半径R1をR2よりも大きくし、距離Diを、距離Dに近づけることにより、タイヤ内圧充填時において、ベルト層4のタイヤ幅方向外端がタイヤ径方向外側へ径成長するのを低減させることができる。そして、距離Diを、距離Dに対して80%以上にすれば、ベルト層4のタイヤ幅方向外端の径成長量を低減させて、トレッドゴム21内の歪みを十分に抑制することができ、ベルト層4のタイヤ幅方向外端でのセパレーションの防止ひいては耐久性の低下の防止が可能となる。
曲率半径R1をR2よりも大きくし、距離Diを、距離Dに近づけることにより、タイヤ内圧充填時において、ベルト層4のタイヤ幅方向外端がタイヤ径方向外側へ径成長するのを低減させることができる。そして、距離Diを、距離Dに対して80%以上にすれば、ベルト層4のタイヤ幅方向外端の径成長量を低減させて、トレッドゴム21内の歪みを十分に抑制することができ、ベルト層4のタイヤ幅方向外端でのセパレーションの防止ひいては耐久性の低下の防止が可能となる。
また、本発明の重荷重用空気入りタイヤ1では、曲率半径R1、R2が、R1/R2≧9.5であることが好ましい。これによれば、タイヤ内圧充填時において、ベルト層4のタイヤ幅方向外端の、タイヤ径方向外側への径成長量がさらに低減するので、トレッドゴム21の歪みをより十分に抑制することができ、ベルト層4のタイヤ幅方向外端でのセパレーションの防止ひいては耐久性の低下の防止がより効果的に可能となる。
なお、距離Diの上限値は、距離Dの80%以上とすることによって耐久性の低下を防止することが可能であることから限定されるものではないが、製造上の観点から、距離Dの105%(すなわち80%≦Di/D×100≦105%)が好ましい。
ここで、交錯ベルト層41は、図1および2に示すところでは、タイヤ径方向内側のベルトプライ4aの幅が、タイヤ径方向外側のベルトプライ4aの幅よりも大きくして形成されているが、それらの幅の大小関係を逆にし、または同じにすることも可能である。ただし、それぞれのベルトプライ4aのタイヤ幅方向外端が、タイヤ幅方向位置で同一の位置にならないことが好ましい。それぞれのベルトプライ4aのタイヤ幅方向外端が、タイヤ幅方向位置で同一の位置になると、当該外端付近にセパレーションを発生しやすくなる。
ところで、本実施形態では、図示のように、交錯ベルト層41を構成する1対のベルトプライ4aのタイヤ幅方向端部の間に、スペースゴム5を配設することができる。具体的には、スペースゴム5のタイヤ幅方向内端は、交錯ベルト層41の1対のベルトプライ4aの間であって、当該1対のベルトプライ4aのうち狭幅のベルトプライ4aのタイヤ幅方向外端よりもタイヤ幅方向内側に位置している。また、図示の例では、スペースゴム5のタイヤ幅方向外端は、例えば当該1対のベルトプライ4aのうち広幅のベルトプライ4aのタイヤ幅方向外端よりもタイヤ幅方向外側に位置している。なお、スペースゴム5は、図示のように、断面台形状とすることができるが、シート状とすることもできる。
また、本実施形態では、図示のように、カーカス3のタイヤ径方向外側かつベルト層4のタイヤ幅方向端部のタイヤ径方向内側に、クッションゴム6を配設することができる。具体的には、クッションゴム6のタイヤ幅方向内端は、ベルト層4の中でも最も広幅のベルトプライ4aのタイヤ幅方向外端よりもタイヤ幅方向内側に位置し、図示の例では、角度付きベルト層42のタイヤ幅方向外端よりタイヤ幅方向内側に位置している。また、クッションゴム6のタイヤ幅方向外端は、図示のように、ベルト層4のタイヤ幅方向外端よりタイヤ幅方向外側に位置している。図示のクッションゴム6は、カーカス3とベルト層4の間に挟まれるように配置されている。
そして、スペースゴム5の弾性率E1およびクッションゴム6の弾性率E2を、0.3<E1/E2<0.5とすることが好ましい。
この構成によれば、タイヤ1の転がり抵抗を低減させることができる。具体的には、交錯ベルト層41と角度付きベルト層42とを有するベルト層4を備え、周方向ベルト層を有しないタイヤ1において、スペースゴム5およびクッションゴム6を配設しない場合、上述のように交錯ベルト層41の角度θ1および角度付きベルト層θ2を所定の範囲にし、また、曲率半径R1、R2を、R1>R2とし、さらに、距離Diを、距離Dの80%以上とすると、ベルト層4の張力、特にタイヤ1を低偏平率化したときのベルト層4の張力が増加するためベルト層4が剛性をもったリングとして機能する。それゆえに、タイヤ転動時に、トレッド部2のタイヤ径方向の圧縮変形が増加し(トレッド部2が変形しやすくなり)、その結果として、トレッドゴム21の歪エネルギーロスが発生し、転がり抵抗が悪化する虞があった。そこで、クッションゴム6やスペースゴム5を配設することによって、トレッド部2の変形をベルト層4の周辺のクッションゴム6やスペースゴム5で吸収させることで、転がり抵抗の増加を抑制することができる。また、クッションゴム6やスペースゴム5を上記のような関係の弾性率とすることにより、タイヤ転動時のベルト層4の変形をトレッド部2でなく、スペースゴム5が吸収し、転がり抵抗を低減させることができる。
この構成によれば、タイヤ1の転がり抵抗を低減させることができる。具体的には、交錯ベルト層41と角度付きベルト層42とを有するベルト層4を備え、周方向ベルト層を有しないタイヤ1において、スペースゴム5およびクッションゴム6を配設しない場合、上述のように交錯ベルト層41の角度θ1および角度付きベルト層θ2を所定の範囲にし、また、曲率半径R1、R2を、R1>R2とし、さらに、距離Diを、距離Dの80%以上とすると、ベルト層4の張力、特にタイヤ1を低偏平率化したときのベルト層4の張力が増加するためベルト層4が剛性をもったリングとして機能する。それゆえに、タイヤ転動時に、トレッド部2のタイヤ径方向の圧縮変形が増加し(トレッド部2が変形しやすくなり)、その結果として、トレッドゴム21の歪エネルギーロスが発生し、転がり抵抗が悪化する虞があった。そこで、クッションゴム6やスペースゴム5を配設することによって、トレッド部2の変形をベルト層4の周辺のクッションゴム6やスペースゴム5で吸収させることで、転がり抵抗の増加を抑制することができる。また、クッションゴム6やスペースゴム5を上記のような関係の弾性率とすることにより、タイヤ転動時のベルト層4の変形をトレッド部2でなく、スペースゴム5が吸収し、転がり抵抗を低減させることができる。
また、0.3<E1/E2とすることにより、スペースゴム5に大きな歪が生じないので、スペースゴム5ひいてはタイヤ1の耐久性が低下するのを防止することができる。E1/E2<0.5とすることにより、クッションゴム6やスペースゴム5などのベルト層4の周辺ゴムによってタイヤ転動時のベルト層4の変形を吸収しきれなくなるのを防止し、その結果としての転がり抵抗の悪化を防止することができる。
なお、クッションゴム6の弾性率E2をスペースゴム5の弾性率E1よりも低くすることで、タイヤ転動時のベルト層4の変形を吸収し、転がり抵抗の悪化を抑制することもできるが、弾性率E2を相対的に低くすると、スペースゴム5よりもクッションゴム6に変形が集中しやすくなり、クッションゴム6ひいてはタイヤ1の耐久性が低下する虞がある。
なお、クッションゴム6の弾性率E2をスペースゴム5の弾性率E1よりも低くすることで、タイヤ転動時のベルト層4の変形を吸収し、転がり抵抗の悪化を抑制することもできるが、弾性率E2を相対的に低くすると、スペースゴム5よりもクッションゴム6に変形が集中しやすくなり、クッションゴム6ひいてはタイヤ1の耐久性が低下する虞がある。
また、スペースゴム5の弾性率E1、クッションゴム6の弾性率E2、およびトレッドゴム21の弾性率E3は、それぞれ、1.5〜8.0MPa、1.5〜8.0MPa、1.0〜5.0MPaであることが好ましい。
ここで、図1に示すように、トレッド部2には、ベルト層4のタイヤ径方向外側に、ベルト層4に比して幅が狭い補助ベルト層43を配設することができ、それにより、タイヤ1が路面上に存在する石等を乗り越えたとしてもトレッド部2の損傷を防止し、タイヤ1の耐久性を向上させることができる。なお、図示では、補助ベルト層43は、1枚のベルトプライ4aから構成され、その幅が、角度付きベルト層42の略半分であり、また、その補助ベルトコードが交錯ベルト層41の角度θ1と同等の角度を有しているが、補助ベルト層43のベルトプライ4aの枚数、幅、および補助ベルトコードの角度等は、当該補助ベルトコードのタイヤ赤道面Eに対する角度が実質的に0°でない限り任意に変更することができる。
ところで、本発明の重荷重用空気入りタイヤ1は、偏平率を60〜100%とすることが好ましい。偏平率を60%未満にしたタイヤでは、タイヤ転動時にベルト層に加わる張力が、偏平率を60%〜100%としたタイヤと比して大きくなる傾向があり角度付きベルト層に負担がかかる虞があり、本願発明の構成を、偏平率を60〜100%としたタイヤに適用することがより好適である。
また、カーカスが2枚以上のプライからなる場合には、タイヤ幅方向断面におけるカーカスの形状とは、適用リムに組み付けたタイヤ1に規定の空気圧を充填した無負荷状態での、カーカス内の引張−圧縮の中立軸線を指す。
以上、図面を参照して本発明の一実施形態を説明したが、本発明の重荷重用空気入りタイヤは、上記一例に限定されることはなく、上記した本発明の実施形態には、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例になんら限定されるものではない。
実施例1のタイヤは、サイズが295/75R22.5であって、図1および2に示すような、カーカスの形状を形成する2つの円弧の曲率半径R1、R2がR1>R2となる構造を有し、またタイヤの各寸法は表1に示す諸元で構成されている。また、実施例1のタイヤは、トレッド踏面の幅が117mmであり、交錯ベルト層の重複範囲の幅が95mmであり、角度付きベルト層が1枚のベルトプライで構成され、角度付きベルト層の幅が95mmであり、偏平率が75%である。また、実施例1のタイヤは、1枚のベルトプライからなる、幅が34mmでタイヤ赤道面に対する角度が72°の補助ベルト層が配設されている。
実施例2〜8および比較例1のタイヤは、表1に示す諸元で各構成を変化させた以外、実施例タイヤ1と同様の構成を有している。
上記のそれぞれの供試タイヤについて、後述の、初期〜中期耐偏摩耗性試験、中期〜末期耐偏摩耗性試験、耐久性試験、および転がり抵抗試験を実施し、その結果を表1に示す。
実施例2〜8および比較例1のタイヤは、表1に示す諸元で各構成を変化させた以外、実施例タイヤ1と同様の構成を有している。
上記のそれぞれの供試タイヤについて、後述の、初期〜中期耐偏摩耗性試験、中期〜末期耐偏摩耗性試験、耐久性試験、および転がり抵抗試験を実施し、その結果を表1に示す。
[初期〜中期耐偏摩耗性試験]
初期〜中期耐偏摩耗性試験は、上記のそれぞれの供試タイヤをサイズ8.25×22.5のリムに装着し、内部に690kPaの空気圧を適用した。その供試タイヤを、室内ドラム試験機に取り付けて、荷重27kNを負荷し、速度80km/hで距離10000kmを走行させた。そして、走行後の供試タイヤのトレッド部のショルダー部分での、偏摩耗量を測定した。偏摩耗量は、トレッド踏面端からの偏摩耗深さ(mm)と偏摩耗のタイヤ幅方向の長さとを乗じて2で除して得られた値を逆数にし、比較例1のタイヤについての値を100とする指数で表し、それを表1に示す。この指数が大きいほど耐偏摩耗性がよいことを意味する。
[中期〜末期耐偏摩耗性試験]
中期〜末期耐偏摩耗性試験は、新品の上記のそれぞれの供試タイヤについて、溝深さが約7mmとなるようにトレッドゴムを削り、溝を浅くしたタイヤを作成し、走行中期〜末期の状態を再現した。そして、そのタイヤを前記「初期〜中期耐偏摩耗性試験」と同様の方法で、偏摩耗量を測定した。偏摩耗量は、トレッド踏面端からの偏摩耗深さ(mm)と偏摩耗のタイヤ幅方向の長さとを乗じて2で除して得られた値を逆数にし、比較例1のタイヤについての値を100とする指数で表し、それを表1に示す。この指数が大きいほど耐偏摩耗性がよいことを意味する。
[耐久性試験]
耐久性試験は、上記のそれぞれの供試タイヤをサイズ8.25×22.5のリムに装着し、内部に690kPaの空気圧を適用した。その供試タイヤを、室内ドラム試験機に取り付けて、荷重30kNを負荷し、速度60km/hで距離10000kmを走行させた。そして、走行後の供試タイヤの交錯ベルト層のタイヤ幅方向外端でのセパレーション長さを測定した。それぞれの供試タイヤの当該長さを逆数にし、比較例1のタイヤのセパレーション長さを100とする指数で表し、それを表1に示す。この指数が大きいほどセパレーション長さが短く、耐久性がよいことを意味する。
[転がり抵抗性能]
転がり抵抗性能は、上記のそれぞれの供試タイヤをサイズ8.25×22.5のリムに装着し、内部に690kPaの空気圧を適用した。その供試タイヤを、直径1.7mの鉄板表面を有する室内ドラム試験機に取り付けて、荷重30kNを負荷し、速度80km/hで走行させたときの転がり抵抗力(転がり抵抗値)を測定した。比較例1のタイヤの転がり抵抗値を100とする指数で表し、それを表1に示す。この指数が小さいほど転がり抵抗が小さく、転がり抵抗性能がよいことを意味する。誤差を除きなおかつ市場優位性の観点から2%以上の改良を有意差とみなす。特に5%以上の効果が見られる場合は大きな効果であるといえる。
初期〜中期耐偏摩耗性試験は、上記のそれぞれの供試タイヤをサイズ8.25×22.5のリムに装着し、内部に690kPaの空気圧を適用した。その供試タイヤを、室内ドラム試験機に取り付けて、荷重27kNを負荷し、速度80km/hで距離10000kmを走行させた。そして、走行後の供試タイヤのトレッド部のショルダー部分での、偏摩耗量を測定した。偏摩耗量は、トレッド踏面端からの偏摩耗深さ(mm)と偏摩耗のタイヤ幅方向の長さとを乗じて2で除して得られた値を逆数にし、比較例1のタイヤについての値を100とする指数で表し、それを表1に示す。この指数が大きいほど耐偏摩耗性がよいことを意味する。
[中期〜末期耐偏摩耗性試験]
中期〜末期耐偏摩耗性試験は、新品の上記のそれぞれの供試タイヤについて、溝深さが約7mmとなるようにトレッドゴムを削り、溝を浅くしたタイヤを作成し、走行中期〜末期の状態を再現した。そして、そのタイヤを前記「初期〜中期耐偏摩耗性試験」と同様の方法で、偏摩耗量を測定した。偏摩耗量は、トレッド踏面端からの偏摩耗深さ(mm)と偏摩耗のタイヤ幅方向の長さとを乗じて2で除して得られた値を逆数にし、比較例1のタイヤについての値を100とする指数で表し、それを表1に示す。この指数が大きいほど耐偏摩耗性がよいことを意味する。
[耐久性試験]
耐久性試験は、上記のそれぞれの供試タイヤをサイズ8.25×22.5のリムに装着し、内部に690kPaの空気圧を適用した。その供試タイヤを、室内ドラム試験機に取り付けて、荷重30kNを負荷し、速度60km/hで距離10000kmを走行させた。そして、走行後の供試タイヤの交錯ベルト層のタイヤ幅方向外端でのセパレーション長さを測定した。それぞれの供試タイヤの当該長さを逆数にし、比較例1のタイヤのセパレーション長さを100とする指数で表し、それを表1に示す。この指数が大きいほどセパレーション長さが短く、耐久性がよいことを意味する。
[転がり抵抗性能]
転がり抵抗性能は、上記のそれぞれの供試タイヤをサイズ8.25×22.5のリムに装着し、内部に690kPaの空気圧を適用した。その供試タイヤを、直径1.7mの鉄板表面を有する室内ドラム試験機に取り付けて、荷重30kNを負荷し、速度80km/hで走行させたときの転がり抵抗力(転がり抵抗値)を測定した。比較例1のタイヤの転がり抵抗値を100とする指数で表し、それを表1に示す。この指数が小さいほど転がり抵抗が小さく、転がり抵抗性能がよいことを意味する。誤差を除きなおかつ市場優位性の観点から2%以上の改良を有意差とみなす。特に5%以上の効果が見られる場合は大きな効果であるといえる。
表1より、実施例1〜8のタイヤでは、比較例1のタイヤと比較すると、10°<θ1<25°かつ15°<θ2−θ1<25°を満たし、交点距離Di/重複する範囲の距離Dが80%以上であるので、耐偏摩耗性および耐久性が向上していることがわかる。また、実施例1〜5のタイヤでは、実施6、8のタイヤと比較すると、転がり抵抗が減少していることがわかる。
本発明によれば、耐久性を低下させることなく、耐偏摩耗性を向上させることが可能な重荷重用空気入りタイヤを提供することができる。
1 重荷重用空気入りタイヤ; 2 トレッド部; 21 トレッドゴム; 22 周方向溝; 3 カーカス; 4 ベルト層; 4a ベルトプライ; 41 交錯ベルト層; 42 角度付きベルト層; 43 補助ベルト層; 5 スペースゴム; 6 クッションゴム; D (交錯ベルト層の各ベルトプライが重複する範囲をタイヤ赤道面からタイヤ幅方向に沿って測った)距離; Di (交点を、タイヤ赤道面からタイヤ幅方向に沿って測った)距離; E タイヤ赤道面; I (内側円弧および外側円弧の)交点; R1 (内側円弧の)曲率半径; R2 (外側円弧の)曲率半径; θ1 (交錯ベルト層のベルトコードのタイヤ赤道面に対する)角度; θ2 (角度付きベルト層のベルトコードのタイヤ赤道面に対する)角度
Claims (3)
- カーカスと、トレッド部で、該カーカスのタイヤ径方向外側に配設されるベルト層と、を備え、タイヤ周方向に沿って延びるベルトコードからなるベルトプライで構成される周方向ベルト層を有しない重荷重用空気入りタイヤであって、
前記ベルト層は、1対のベルトプライをそれぞれ積層して構成されるとともに、それぞれの該ベルトプライのベルトコードをタイヤ赤道面を挟んで相互に交差させた交錯ベルト層と、1枚以上のベルトプライで構成される角度付きベルト層とを有し、
前記交錯ベルト層を構成するそれぞれの前記ベルトプライの前記ベルトコードの、タイヤ赤道面に対する角度θ1、および、前記角度付きベルト層を構成する前記ベルトプライのベルトコードの、タイヤ赤道面に対する角度θ2を、
10°<θ1<25°かつ15°<θ2−θ1<25°
とし、
タイヤ幅方向断面における前記カーカスの形状を、該カーカスのタイヤ径方向最外側位置からタイヤ幅方向最外側位置に至るまで、タイヤ内腔側に曲率中心を有する、曲率半径の互いに異なる2つの円弧をつないで形成し、
前記2つの円弧のうち、タイヤ幅方向内側に位置する内側円弧、および、タイヤ幅方向外側に位置する外側円弧の曲率半径のそれぞれを、R1、R2としたとき、前記曲率半径R1、R2を、
R1>R2
とし、タイヤ赤道面から前記内側円弧および前記外側円弧の交点までをタイヤ幅方向に沿って測った距離は、交錯ベルト層の各ベルトプライが重複する範囲をタイヤ赤道面からタイヤ幅方向に沿って測った距離の80%以上であることを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。 - 前記曲率半径R1、R2を、
R1/R2≧9.5
とする、請求項1に記載の重荷重用空気入りタイヤ。 - 前記交錯ベルト層を構成する前記1対のベルトプライのタイヤ幅方向端部の間に配設されたスペースゴムと、前記カーカスのタイヤ径方向外側かつ前記ベルト層のタイヤ幅方向端部のタイヤ径方向内側に配設されたクッションゴムと、前記トレッド部で前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配設され、トレッド踏面を形成するトレッドゴムと、を備え、
前記スペースゴムの弾性率E1および前記クッションゴムの弾性率E2を、
0.3<E1/E2<0.5
とする、請求項1または2に記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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