JP2015029151A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光の取り出し効率を高くする発光装置を提供する。【解決手段】発光装置1000は、LTCC基板の上部にある発光領域、および、LTCC基板の上部のうち発光領域の周囲にある周辺領域を有するLTCC基板1と、LTCC基板の発光領域上に設けられた光反射層と、光反射層上に設けられた複数のLEDチップと、周辺領域においてそれぞれLTCC基板の任意の縁から離れて位置する、正電極外部接続端子8および負電極外部接続端子7と、複数のLEDチップを正電極外部接続端子および負電極外部接続端子に接続する、LTCC基板の上部の上に設けられた複数の配線パターンと、周辺領域を覆わずに発光領域を覆い、かつ、複数のLEDチップを封止する封止樹脂6とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)チップと、当該LEDチップからの光を効率よく外部に取り出すための反射層とを備えた発光装置に関し、特に、上記反射層の変質、劣化、ならびに反射率の低下を防ぐ発光装置に関するものである。
図11は、LTCC(低温同時焼成セラミックス)基板を使用した従来の発光装置を示す断面図である(特許文献1参照)。上記発光装置は、LTCC基板50、銀エポキシ52、反射障壁51、透明エポキシ53、およびLEDダイ54から成っている。本従来例において、LEDダイ54からの出射光は反射障壁51によって反射され、出射光のロスが低減されている。またLEDダイ54からの熱は、反射障壁51によって、関連する熱拡散部(図示せず)、及びLTCC基板50に放熱される。LTCC基板を用いた発光装置のLTCCパッケージングは、密に詰め込まれたLEDダイまたはLEDアレイによって発生した熱を分散するのに特に適する。
図12は、ワイヤボンディングを有するLTCCチップキャリアを示す断面図である(特許文献2参照)。このLTCCチップキャリアはマザーボード65上に順にヒートスプレッダ67、第2層LTCC61、及び頂部層LTCC60を備えている。頂部層LTCC60は中央に空洞を有している。空洞内には第2層LTCC61を貫くように形成された熱的ビア62上に、1つのLEDチップ4が接着剤等で固定されている。LEDチップ4は第2層LTCC61上に形成された第2層端子64に、ワイヤ90によりワイヤ・ボンディング接続されている。第2層端子64は、頂部層LTCC60上に形成された頂部端子63にビア68を介して接続されている。さらに頂部端子63は、マザーボード65上に形成された外部端子66に、ワイヤ91によりワイヤ・ボンディング接続されている。頂部端子63、第2層端子64、外部端子66、及びヒートスプレッダ67は同時焼成可能な導体により形成される。LEDチップを含む頂部層LTCC60内の空洞は、エポキシ樹脂69または他の有機材料によって封止される。さらに熱散逸のために、マザーボード65の下側に、種々の方法によってヒートシンク70が設置される。
LTCCは、有機材料より高い固有の熱伝導率を有している。また熱的ビア62及びメタライゼーションされた導体面を備えることでさらに熱伝導率を高め、発光装置の放熱性を改善することができる。
また、LEDの発光効率を向上するための技術として、LEDの発光層と支持基板との間に、金属反射層を設ける技術が提案されている(非特許文献1参照)。これは、LEDから照射される支持基板側への光を金属反射層が反射することにより、LEDの発光量を高めることができるというものである。
特表2007−533082号公報(2007年11月15日公表) 特開2007−129191号公報(2007年5月24日公開)
HITACHI Cable(日立電線株式会社)、"65ルーメン/ワットの高輝度赤色LEDチップを開発"、ニュースリリース:製品、[online]、2007年12月17日、日立電線株式会社、[2008年5月1日検索]、インターネット(https://www.hitachi-cable.co.jp/products/news/20071217.html)
しかしながら、上記従来の構成では、下記の問題を生じる。
LTCC基板は、セラミックスとガラスとの複合材料から成る基板である。材料によってはLTCC基板がLEDチップからの光を透過または吸収することにより、発光出力の低下を招く。しかしながら、特許文献1、2に挙げた上記従来の構成では、LTCC基板表面での光反射および光透過対策については何ら対策がとられていない。また、上記従来の構成では、LEDチップ搭載面の横に段差がある構造をとっているため出射光のロスとなる。そのため、上記従来の構成は、ハイパワーLEDを実現する構成になっていない。
また、非特許文献1が示す構成では、上記金属反射層は、例えば外界の水分または酸素等により、変質または劣化、さらにはそれに起因した反射率の低下が生じるという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光の取り出し効率を高くし、かつ、反射層の変質、劣化、ならびに反射率の低下を防ぐ発光装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る発光装置は、セラミックス基板の上部にある発光領域、および、上記セラミックス基板の上部のうち上記発光領域を囲む周辺領域を有する上記セラミックス基板と、上記セラミックス基板の上記発光領域上に設けられた光反射層と、上記光反射層上に設けられた複数の発光ダイオードチップと、上記周辺領域においてそれぞれ上記セラミックス基板の任意の縁から離れて位置する、正電極外部接続端子および負電極外部接続端子と、上記複数の発光ダイオードチップを上記正電極外部接続端子および上記負電極外部接続端子に接続する、上記セラミックス基板の上部の上に設けられた複数の配線パターンと、上記周辺領域を覆わずに上記発光領域を覆い、かつ、上記複数の発光ダイオードチップを封止する封止樹脂とを備える。
本発明の一態様によれば、出射光のロスを減少させ有効に活用できるため、発光装置の発光量を高めることができるという効果を奏する。
実施の形態1の発光装置を示す概略平面図である。 上記発光装置の発光部の配線パターンを示す概略平面図である。 上記発光装置の製造工程を示す概略断面図である。 上記発光装置を示す概略断面図である。 上記発光装置を用いた蛍光灯形LED照明器具を示す斜視図である。 上記発光装置を用いた電球形LED照明器具を示す側面図である。 (a)は実施の形態2の発光装置を示す概略断面図であり、(b)はその概略平面図である。 実施の形態3の発光装置を示す概略断面図である。 実施の形態4の発光装置を示す概略断面図である。 実施の形態5の発光装置を示す概略断面図である。 従来の発光装置を示す概略断面図である。 従来の発光装置を示す概略断面図である。 実施の形態6の発光装置の構造を示す平面図および断面図である。 発光装置の製造方法を示すフローチャートである。 積層体の構成を示す断面図である。 発光装置の製造方法を示す断面図である。 実施の形態7の発光装置の構造を示す断面図である。 実施の形態8の発光装置の構造を示す断面図である。 実施の形態9の面光源の構造を示す模式図である。
[実施の形態1]
図1に本発明の実施の形態の一つによる発光装置1000を上面から見た模式図を示す。発光装置1000は、低温同時焼成セラミックス(LTCC)基板1上に、順に銀反射層(図示せず)及びガラス層(被覆層)3が形成された構造を持ち、その上に発光部1001を備えている。発光部1001は蛍光体含有封止樹脂6で封止されている。LTCC基板1上にはさらに、正電極外部接続端子8及び負電極外部接続端子7が設けられており、それぞれの外部接続端子には外部配線15が接続されている。外部配線15はLTCC基板1に設けられた外部配線用穴16を通って外部に配線される。LTCC基板1は発光装置1000をネジによって他の装置へ固定するための取り付け部13を有する。ここで、発光装置1000の外形形状をほぼ正方形状にし、発光部1001の形状はほぼ長方形状とした。
図2は発光装置1000の配線パターン等を示す平面図である。LTCC基板1上に形成されたガラス層3の上に、細長い長方形状の配線パターン(接続部)9が互いに平行に、かつ、互いに距離をおいて複数形成されている。配線パターン9は正電極外部接続端子8と、負電極外部接続端子7とに接続されている。配線パターン9間にはLEDチップ(半導体装置)を搭載するためのチップ載置部41が設けられている。
図3(a)〜図3(d)及び図4は発光装置1000の製造方法を示す概略断面図である。
(a)厚さ2mmのLTCC基板1上に、メッキ法を用いて銀膜を形成し、厚さ0.2mmの銀反射層(光反射層)2を形成する。
前記銀反射層2上に厚さ0.006mmのガラス層3を形成する。
前記ガラス層3上にスクリーン印刷法を用いて配線パターン9(厚さ0.07mm、幅0.45mm、間隔2mm)を形成する。ここではガラス層の表面粗化を行うことなくガラス表面を清浄化して湿潤性を与え、次に化学的結合を強化する特殊な処理をした後、触媒活性化し、ガラス素材用に調整された無電解ニッケルめっきを直接施す方法を用いた。
ここで、LTCC基板1は、ほう珪酸ガラス(NaO−B−SiO)とSiOとの混合材料から成っている。銀反射層2は、銀、または銀を主成分とする銀合金(Ag、AgPt、Ag−Bi、Ag−Nd系合金)から成っている。ガラス層3は、透明ほう珪酸ガラス(NaO−B−SiO)をドクターブレード法(セラミックスをシート状に成形する方法の一つ。キャリヤ(キャリヤフィルム、エンドレスベルト)上に載せて運ばれるスリップ(原料粉末を溶剤に分散してスラリー化したその泥漿)の厚さをナイフエッジ(ドクターブレード)とキャリヤとの間隔を調節することによって精密に制御して作製できる成形方法。参考:https://www.oit.ac.jp/www-ee/server/aplab/res/slurry.html)を用いて作製した。
(b)ガラス層3上の配線パターン9の間にLEDチップ4(短辺幅0.24mm、長辺0.48mm、厚み0.14mm、36個)をシリコーン樹脂を用いて固定する。次いで、LEDチップ4と配線パターン9をボンディングワイヤ(接続部)Wを用いて電気的に接続する。なお、LEDチップ4は、一般的に用いられているLEDチップの構成を備えている。
(c)LEDチップ4が設置された領域を囲うように略長方形状のシリコーンゴムシート5を配置し、ガラス層3上に密着させる。
(d)次に、シリコーンゴムシート5内に蛍光体(Eu:BOSE((Ba・Sr)SiO:Eu))を含む封止樹脂(シリコーン)6を注入し、この蛍光体を含む封止樹脂を熱硬化させる。
蛍光物質と透光性樹脂であるシリコーン樹脂とが混合されたものを前記シリコーンゴムシート5の枠内に注入した後、30分間温度を150℃に保持し樹脂を硬化させ、蛍光体を含む封止樹脂6を形成する。その後シリコーンゴムシート5を取り除く。
図4は、こうしてLTCC基板1上に形成された発光部1001を示す断面図である。
蛍光体を含有した封止樹脂6から、CIEの色度表でx、y=(0.345、0.35)となる光が得られるように形成した。こうして、発光部1001が製造される。
前記のように構成することで、LEDチップ4からの出射光のうち、特に、下面(基板側)方向からの光はLTCC基板1とガラス層3とで挟まれた銀反射層2で反射されるので、LEDチップ4からの出射光がロスなく有効に活用される。したがって発光装置1000の発光量を高めることができる。また、銀反射層2は、光反射層としての機能と、LEDチップ4で発生した熱をパッケージの面方向(LTCC基板1に対し水平方向)に放散させる機能とを持つ。また、熱伝導率が高く放熱性のよいLTCC基板1を用いているために、LEDチップ4の集積化が可能となる。したがって、熱による発光装置の変形を抑えることができ、色ズレなどを抑制することができる。
また本実施の形態では、銀反射層2をガラス層3で覆っているので、反射層の変質、劣化、及び反射率の低下を抑制することができる。ガラス層3は一般の樹脂に比べ酸素または水分等に対する隔絶性が高く、銀反射層2の経年変化を抑制することができる。またLTCC基板1及びガラス層3がともにガラスを含んでおり、基板とガラス層との密着性が良好になるため、銀反射層2を酸素または水分等から隔絶する効果がさらに高い。
反射層の材料としては前記した銀または銀合金の他に、LEDチップからの出射光を反射する任意の金属または非金属の材料を用いることができる。例えば、90%以上の光反射率を有する任意の金属または非金属の材料を用いると、LTCC基板1側への出射光を有効に活用でき、発光部1001の発光量を高めることができる。
また、配線パターン9としては化学的に安定な金を含む材料をもちいることが好ましい。さらに本実施の形態では配線パターン9とガラス層3との間にニッケル層を形成しているので、金から成る配線パターン9とガラス層3との密着性が向上し、配線パターン9の劣化等による経年変化をさらに抑制することができる。またニッケル層の代わりにクロム層を形成してもよい。
ここで、ガラス層3及びLTCC基板1の材料としてのガラス粉末は、NaO−B−SiOの組成から成るホウケイ酸ガラスが好ましい。熱膨張係数が小さく、熱衝撃温度が高く、酸化ホウ素が多く含まれているため化学的に大変耐久性があるためである。
シリコーンゴムシート5(図3(d)参照)は蛍光体を含有した透光性樹脂を塗布する際のダム(樹脂漏れを防ぐ)のような機能を有している。従って、前記シリコーンゴムシート5はダムシートと呼べるような特徴を有している。また、前記ダムシートは、何度も使用することが可能である。また、前記ダムシートの形状を変えることにより発光部1001の形状(蛍光体含有封止樹脂6の形状)を容易に様々な形状に変えられることを特徴としている。
ガラス層3及び銀反射層2は、シリコーンゴムシート5で囲われているLEDチップ4の搭載面全面にわたって形成されている。
ここで、LEDチップ4の載置領域を本構成のようにすることにより、LEDチップ4の載置ピッチを配線パターン9との平行方向に沿って自在に決めることができるために、発光装置の輝度調整、色度調整、及び発熱対策が容易にできる。
発光装置1000を用いて作製した照明器具の応用例として、図5に蛍光灯形LEDランプ7000、図6に電球形LEDランプ9000の模式図を示す。電球形LEDランプ9000は口金14を有している。蛍光灯形LEDランプ7000ならびに電球形LEDランプ9000の構成は、発光装置1000を備えていること以外は一般的な蛍光灯形LEDランプならびに電球形LEDランプの構成と同様である。
[実施の形態2]
図7(a)は本発明の他の実施の形態による発光装置1002を示す模式断面図であり、図7(b)はその平面図である。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。発光装置1002は、低温同時焼成セラミックス(LTCC)基板10、LTCC基板10上に形成された銀反射層2、銀反射層2を覆うガラス層3、ガラス層3の上に設置されたLEDチップ4、及びガラス層3の上に形成された正電極外部接続端子81と負電極外部接続端子71と、から成る。LEDチップ4とそれぞれの外部接続端子81、71はボンディングワイヤWで電気接続されている。LEDチップ4とボンディングワイヤWとはドーム状の蛍光体含有封止樹脂61で封止されている。外部接続端子81、71はLTCC基板10のそれぞれ反対側の側面まで延びて形成されている。
LTCC基板10は多層(10層)のLTCC層10a〜10jから成っており、銀で形成された複数の放熱ビア21が、LTCC基板10の各層を貫通して、すなわちLTCC基板10に対して垂直方向に、それぞれ形成され、かつ、それぞれ銀反射層2に接続されている。ここで、LTCC基板10はグリーンシートを10枚積層して作製される。尚、本実施の形態はLEDチップ4を4個設置したものであるが、図7(a)には簡単のため1つのLEDチップの断面を示す。
以下に発光装置1002の製造方法を示す。
工程(1):セラミックス粉末(Al粉末 30重量%)とガラス粉末(ほう珪酸ガラス粉末 70重量%)とを一定比率で配合・混合し原料とする。混合された原料に有機系のバインダ(アクリル樹脂)と溶剤(トルエン)とを加え、均一になるまで分散させ、スラリーと呼ばれるグリーンシートのもとになる材料を作製する。スラリーはドクターブレード成形機でPETフィルム上に一定の厚さで塗布され、乾燥工程を経て巻き取られる。ここで作製されたシート状の材料はグリーンシート(厚さ0.1mm)と呼ばれる。前記グリーンシートを最適な大きさに切断する。放熱ビア21用のビアとなる穴開け加工(パンチング加工)を施す。前記の穴へ放熱材料(銀ペースト)を充填し、一層のLTCC層(厚さ0.1mm)を作製する。こうして作製された各LTCC層(10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10h,10i,10j)を積層(10層)し、加熱圧着し、焼成工程(850℃)を経てLTCC基板10が作製される。
工程(2):LTCC基板10(厚さ1mm)上に、銀膜(厚さ0.25mm)をメッキ法を用いて形成し、銀反射層2を形成する。ここで、グリーンシートのガラス粉末としてほう珪酸ガラス(NaO−B−SiO)、セラミックス粉末としてAlを用いた。
工程(3):前記銀反射層2上にガラス層3(厚さ0.01mm)を形成する。ここで、ガラス層3は、透明ほう珪酸ガラス(NaO−B−SiO)をドクターブレード法を用いて作製した。
工程(4):前記ガラス層3上にスクリーン印刷法を用いて外部接続端子71、81(厚さ0.7mm、幅0.45mm)を金で形成する。
工程(5):ガラス層3上にLEDチップ4(短辺幅0.24mm、長辺0.48mm、厚み0.14mm、4個)をシリコーン樹脂(図示せず)を用いて固定する。次いでLEDチップ4と外部接続端子71、81とを、ボンディングワイヤWを用いて電気的接続する。
工程(6)次に、蛍光体(Eu:BOSE)を含む封止樹脂(シリコーン)61を形成し、この蛍光体含有封止樹脂61を熱硬化させる。蛍光体含有封止樹脂61は、蛍光物質と透光性樹脂であるシリコーン樹脂とを混合したものを、30分間温度を150℃に保持し樹脂を硬化させ形成される。尚、本実施の形態では蛍光体含有封止樹脂61がCIEの色度表でx、y=(0.345、0.35)となる光が得られるように形成した。こうして発光部が製造される。
ここで銀反射層2はLEDチップ4からLTCC基板10の方向へ出射された光を外部へ取り出すのに有効である。また本実施の形態では、銀反射層2をガラス層3で覆っているので、反射層の変質、劣化、及び反射率の低下を抑制することができる。ガラス層3は一般の樹脂に比べ酸素または水分等に対する隔絶性が高く、銀反射層2の経年変化を抑制することができる。
また、銀で形成された放熱ビア21はLEDチップ4から生じる熱を基板の垂直方向へ伝えるために、効果的に外部に放熱させることができる。この効果は、銀反射層2と放熱ビア21とが接触していることによって、LEDチップ4から発生した熱が銀反射層2を介して放熱ビア21に効率よく伝わるために、より顕著となる。放熱ビア21は、銀だけでなく、任意の金属で形成することができる。また銀反射層2と同じように銀を主成分とする銀合金(AgPt、Ag−Bi、Ag−Nd系合金)によって形成してもよい。
また、発光装置1002のLTCC基板10の下側にヒートシンク(図示せず)を設置してもよい。それにより、さらに発光装置の放熱性を高め、発熱による色ズレを抑制することができる。その際、放熱ビア21はヒートシンクと接触していることが好ましい。
なお、放熱ビア21は、LTCC基板10内に透過してきたLEDチップ4からの光を反射する効果があり、LTCC基板10表面から見て銀反射層2が形成されていない領域に放熱ビア21を延ばして配置することで、LTCC基板10表面側への光の取り出しをさらに改善できる。
[実施の形態3]
図8は本発明の他の実施の形態による発光装置1005を示す模式断面図である。なお、説明の便宜上、実施の形態2で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。本実施の形態が実施の形態2と違うのは、蛍光体含有封止樹脂の代わりに、蛍光体を含んだ蛍光体含有樹脂部63と、蛍光体含有樹脂部63を覆うように形成された透明樹脂部64とからなるドーム形状の封止樹脂によって、LEDチップ4とボンディングワイヤWとが封止されている点である。蛍光体含有樹脂部63及び透明樹脂部64はそれぞれドーム形状をしている。
前記のように構成することで、蛍光体含有樹脂部63を透明樹脂部64によって保護することができる。また、封止樹脂及び各樹脂部がドーム形状であるため、LEDチップ4からの照射光の屈折方向は連続的に変化する。そのため、照射光の強度の空間的なむらを低減することができる。
透明樹脂部64としては、透明度が確保でき、かつ硬度の高い素材を用いるのが好ましいが、材料に特に限定はない。
[実施の形態4]
図9は本発明の他の実施の形態による発光装置1003を示す模式断面図である。なお、説明の便宜上、実施の形態2で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。発光装置1003は、低温同時焼成セラミックス(LTCC)基板11、LTCC基板11上に形成された銀反射層2、LTCC基板11上で銀反射層2だけを覆うガラス層3、ガラス層3の上に設置されたLEDチップ4、及びLTCC基板11上に形成された正電極外部接続端子81と負電極外部接続端子71と、から成る。LEDチップ4とそれぞれの外部接続端子81、71とはボンディングワイヤWで電気接続されている。LEDチップ4とボンディングワイヤWと外部接続端子81,71とは蛍光体含有封止樹脂62で封止されている。LTCC基板11は多層(10層)のLTCC層11a〜11jから成り、銀で形成された複数の放熱ビア21が、各層を貫通して、すなわちLTCC基板11に対して垂直方向に、それぞれ形成され銀反射層2に接続されている。また、外部接続端子81、71はLTCC基板11を貫通する2つの配線ビア(放熱ビア)22にそれぞれ接続されており、各配線ビア22はLTCC基板11の下面側に形成された外部端子82、72にそれぞれ接続されている。ここで、LTCC基板11はグリーンシートを10枚積層して作製される。尚、本実施の形態はLEDチップ4を4個設置したものであるが、図9には簡単のため1つのLEDチップの断面を示す。
以下に発光装置1003の製造方法を示す。
工程(1):セラミックス粉末(Al粉末 30重量%)とガラス粉末(ほう珪酸ガラス粉末 70重量%)を一定比率で配合・混合する。混合された原料に有機系のバインダ(アクリル樹脂)と溶剤(トルエン)とを加え、均一になるまで分散させ、スラリーと呼ばれるグリーンシートのもとになる材料を作製する。スラリーはドクターブレード成形機でPETフィルム上に一定の厚さで塗布され、乾燥工程を経て巻き取られる。ここで作製されたシート状の材料はグリーンシート(厚さ0.1mm)と呼ばれる。前記グリーンシートを最適な大きさに切断する。放熱ビア21及び配線ビア22用のビアとなる穴開け加工(パンチング加工)を施す。放熱ビア21及び配線ビア22となる穴へ材料(銀ペースト)を充填し、一層のLTCC層(厚さ0.1mm)を作製する。こうして作製された各LTCC層(11a,11b,11c,11d,11e,11f,11g,11h,11i,11j)を積層(10層)し、加熱圧着し、焼成工程(850℃)を経てLTCC基板11が作製される。
工程(2):LTCC基板11(厚さ1mm)上に、銀膜2(厚さ0.25mm)をメッキ法を用いて形成し、銀反射層2を形成する。ここで、グリーンシートのガラス粉末としてほう珪酸ガラス(NaO−B−SiO)、セラミックス粉末としてAlを用いた。
工程(3):前記銀反射層2上にガラス層3(厚さ0.007mm)を形成する。ここで、ガラス層3は、透明ほう珪酸ガラス(NaO−B−SiO)をドクターブレード法を用いて作製した。
工程(4):前記LTCC基板11の配線ビア22上に、スクリーン印刷法を用いてガラス層3を挟むように外部接続端子81,71(厚さ0.7mm、幅0.45mm)を金で形成する。
工程(5):ガラス層3上にLEDチップ4(短辺幅0.24mm、長辺0.48mm、厚み0.14mm、4個)をシリコーン樹脂を用いて固定する。LEDチップ4と外部接続端子81,71とをボンディングワイヤWを用いて電気的接続する。
工程(6):次に、蛍光体(Eu:BOSE)を含む封止樹脂(シリコーン)62を形成し、この蛍光体含有封止樹脂62を熱硬化させる。蛍光体含有封止樹脂62は、蛍光物質と透光性樹脂であるシリコーン樹脂とを混合したものを、30分間温度を150℃に保持し樹脂を硬化させ形成される。尚、本実施の形態では、蛍光体含有封止樹脂62がCIEの色度表でx、y=(0.345、0.35)となる光が得られるように形成した。こうして発光部が製造される。
ここで、LEDチップ4からの熱がボンディングワイヤWを介して外部接続端子81,71に伝わる。LTCC基板11の下側に形成された外部端子82,72はそれぞれ外部接続端子81,71と配線ビア22を介して接続している。そのため、外部接続端子81,71に伝わった熱は外部端子82、72に伝わり放熱されることになる。この効果は、外部接続端子81,71と配線ビア22とが接触していることによって、LEDチップ4から発生した熱がボンディングワイヤWを介して配線ビア22に効率よく伝わるために、より顕著となる。配線ビア22は、銀だけでなく、任意の金属で形成することができる。また銀反射層2と同じように銀を主成分とする銀合金(AgPt、Ag−Bi、Ag−Nd系合金)によって形成してもよい。尚、LTCC基板11上の外部接続端子81,71に接続する配線ビア22を設けることができるのは、ガラス層3が銀反射層2だけを覆っているためである。
ここで銀反射層2はLEDチップ4からLTCC基板10の方向へ出射された光を外部へ取り出すのに有効である。また本実施の形態では、銀反射層2をガラス層3で覆っているので、反射層の変質、劣化、及び反射率の低下を抑制することができる。ガラス層3は一般の樹脂に比べ酸素または水分等に対する隔絶性が高く、銀反射層2の経年変化を抑制することができる。
ここで、発光装置1003のLTCC基板11の下側にヒートシンク(図示せず)を設置してもよい。その際、放熱ビア21はヒートシンクと接触していることが好ましい。
[実施の形態5]
図10は本発明の他の実施の形態による発光装置1004を示す模式断面図である。なお、説明の便宜上、実施の形態4で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。発光装置1004は、アルミナ基板12、アルミナ基板12上に形成された銀反射層2、銀反射層2だけを覆うガラス層3、ガラス層3の上に設置されたLEDチップ4、及びアルミナ基板12上に形成された正電極外部接続端子81と負電極外部接続端子71と、から成る。LEDチップ4とそれぞれの外部接続端子81、71とはボンディングワイヤWで電気接続されている。LEDチップ4とボンディングワイヤWと外部接続端子81,71とは蛍光体含有封止樹脂62で封止されているが、図10の奥行き方向に関しては、アルミナ基板12の全面を覆っているわけではない。アルミナ基板12上には正電極接続ランド81及び負電極接続ランド71を表面に露出させ、外部電源(図示せず)と接続できるようするために、封止されていない領域がある。尚、本実施の形態はLEDチップ4を36個設置したものであるが、図9には簡単のため1つのLEDチップの断面を示す。
以下に発光装置1004の製造方法を示す。
工程(1):アルミナ基板12(厚さ2mm)上に銀膜2(厚さ0.2mm)をメッキ法を用いて形成し、銀反射層2を形成する。
工程(2):前記銀反射層2上にガラス層3(厚さ0.006mm)を形成する。ここで、ガラス層3は、透明ほう珪酸ガラス(NaO−B−SiO)をドクターブレード法を用いて作製した。
工程(3):前記アルミナ基板12上にスクリーン印刷法を用いて外部接続端子81,71(厚さ0.07mm、幅0.45mm、長さ2mm)を形成する。
工程(4):ガラス層3上にLEDチップ4(短辺幅0.24mm、長辺0.48mm、厚み0.14mm、36個)をシリコーン樹脂を用いて固定する。次いでLEDチップ4と外部接続端子81,71とをボンディングワイヤWを用いて電気的接続する。
工程(5):次に、蛍光体(Eu:BOSE)を含む封止樹脂(シリコーン)62を注入し、この蛍光体含有封止樹脂を熱硬化させる。蛍光体含有封止樹脂62は、蛍光物質と透光性樹脂であるシリコーン樹脂とを混合したものを、30分間温度を150℃に保持し樹脂を硬化させ形成される。尚、本実施の形態では、蛍光体含有封止樹脂62がCIEの色度表でx、y=(0.345、0.35)となる光が得られるように形成した。こうして発光部が製造される。
また本実施の形態では、銀反射層2をガラス層3で覆っているので、反射層の変質、劣化、及び反射率の低下を抑制することができる。ガラス層3は一般の樹脂に比べ酸素または水分等に対する隔絶性が高く、銀反射層2の経年変化を抑制することができる。
また、ガラス層3上の外部接続端子81,71としては化学的に安定な金を含む材料をもちいることが好ましい。
各実施の形態において、ガラス層及びLTCC基板の材料であるガラス粉末としては、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、ほう珪酸亜鉛ガラス、アルミノ珪酸ガラス及び/または燐酸ガラスなどが挙げられ、特に、ほう珪酸系ガラスが好適である。
また、LTCC基板の材料であるセラミック粉末は、SiO、Al、ZrO、TiO、ZnO、MgAl、ZnAl、MgSiO、MgSiO、ZnSiO、ZnTiO、SrTiO、CaTiO、MgTiO、BaTiO、CaMgSi、SrAlSi、BaAlSi、CaAlSi、MgAlSi18、ZnAlSi18、AlN、SiC、ムライト及びゼオライトなどが挙げられる。また、LTCC基板は、セラミックスを基材とする基板に代替可能である。
封止樹脂の材料としては、エポキシ樹脂、ユリア樹脂またはシリコーン樹脂などの耐候性に優れた透明樹脂、または、耐光性に優れたシリカゾルまたは硝子などの透光性無機材料、が好適に用いられる。また、封止樹脂には蛍光体と共に拡散剤を含有させても良い。具体的な拡散剤としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素、炭酸カルシウム、または二酸化珪素等が好適に用いられる。
LEDチップとしては、サファイア基板上に窒化ガリウム系の発光部を形成した青色LEDチップを用いている。
蛍光体としては、Ce:YAG(セリウム賦活イットリウム・アルミニウム・ガーネット)蛍光体、Eu:BOSEあるいはSOSE(ユーロピウム賦活ストロンチウム・バリウム・オルソシリケート)蛍光体、ユーロピウム賦活αサイアロン蛍光体等を好適に用いることができる。
なお、樹脂封止体(蛍光体含有封止樹脂)を形成する際にモールド用の封止樹脂を滴下していてもよい。また、金型を用いて樹脂封止体を形成してもよく、この樹脂封止体の形状として、樹脂封止体を例えば上方に凸となる半球状の形状に形成して樹脂封止体にレンズとしての機能を持たせることも可能である。
ここで、LEDチップの接着は熱硬化性樹脂(接着用樹脂)などによって行うことができる。具体的には、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂及びイミド樹脂などが挙げられる。
前記した各実施の形態においては、LEDチップとして窒化ガリウム系化合物半導体より成る青色系LEDチップを使用したが、ZnO(酸化亜鉛)系化合物半導体より成る青色系のLEDチップを使用してもよい。また、InGaAlP系、AlGaAs系化合物半導体のLEDチップを用いてもよいことは言うまでもない。
なお、各実施の形態においてLEDチップの一方の面にP側電極及びN側電極が形成され、その面を上面として2本のワイヤーボンディングを行った状態を示したが、LEDチップの接続形状はこれに限らない。ガラス層上に配線を形成し、LEDチップの端子をはんだ等で直接配線に接続してもよい。また、LEDチップとして青色発光を示したが、発光色はこれに限定されず、例えば紫外線発光のものや緑色発光のものを用いてもよい。また、LEDチップから発する光を蛍光体によって変換して、白色を得る方法を示したが、蛍光体を用いずに例えば赤、緑、青の3色のLEDチップをそれぞれ用いて白色または電球色など照明に必要な色を得ても良い。
[実施の形態6]
(発光装置)
実施の形態6の発光装置の構造を示す平面図および断面図を図13(a)及び図13(b)に示す。図13(b)において、発光装置2001は、カップ状の凹部108を備えたパッケージ110と、LEDチップ112と、蛍光体114を備える。LEDチップ112は凹部108底面の略中央部であるチップ載置部113にダイボンディングされ、蛍光体114が分散された封止樹脂116により被覆されている。LEDチップ112が発する1次光(例えば波長が400nm以上500nm以下の青色波長領域に発光ピークを有する青色光)と、1次光により励起された蛍光体114が発する2次光(例えば波長が550nm以上600nm以下の黄色波長領域に発光ピークを有する黄色光)とが混合し、凹部108の開口した側の面である出射面118より白色光として出射するように構成されている。
凹部108の内壁面及び底面の表面は高い反射率を備えるようにAgなど金属からなる銀反射層120が被着され、反射率が長期間にわたって維持されるよう、ガラス層121により被覆されている。
図13(a)において、凹部108の底面は、銀反射層120の一部が離間して形成された、一対の電極パッド123を備える。LEDチップ112はチップ載置部113にダイボンディングされるとともに、LEDチップ112の電極パッド122とパッケージ110の電極パッド123とがワイヤボンディングにより電気的に接続される。なお、電極パッド123はワイヤWが接続される部分において表面が露出させられており、ガラス層121による被覆がなされていない。
発光装置2001の下面は、実装基板(図示しない)に相対する実装面126であって、該実装面126には外部接続端子128が形成され、電極パッド123と、外部接続端子128との間に導電性のビア130が介在している。ビア130は、外部接続端子128が実装基板に形成された配線パターンに接続されることにより、LEDチップ112への電流経路をなしている。
(製造方法)
続いて発光装置2001の製造方法について説明する。図14は発光装置の製造方法を示すフローチャート、図15は積層体の構成を示す断面図、図16は発光装置の製造方法を示す断面図である。
以下パッケージの形成方法から順に説明する。本実施の形態に示されるパッケージはグリーンシートと呼ばれるシート状の材料に孔開け、ペースト充填などの加工がなされたものが積層された積層体が焼成されることにより形成された低温同時焼成セラミックスパッケージ(LTCC)である。
以下、グリーンシート150の形成方法から説明する。まず主材料であるアルミナセラミックスの粉末とガラスの混合材料に有機系バインダと溶剤を調合し均一に分散させ、スラリーと呼ばれる材料を準備する。次いで、スラリーは成膜装置によりPETフィルム上に一定の厚さで塗布され、乾燥工程を経て巻き取られることによりグリーンシート150が得られる。次いでグリーンシート150を、所定の大きさに切断の上、凹部108、ビア130、電極パッド123、およびガラス層121などパッケージ110の構成要素が形成されるべき部分に孔開け、ペースト充填などの加工を施す。これらを正確に位置合わせして積層し、積層体155を形成する(図15(d))。
例えば図15に示すように、ビア130、電極パッド123、およびチップ載置部113は、グリーンシート150に設けられた孔にAgなどの金属が分散させられた金属ペーストが充填されたもの(図15(a))を積層することにより形成される。なお金属ペーストは上下に隣り合う層間で導通し、電極パッド123と外部接続端子128とが導通させられている。また一対の電極パッド123は互いに離間され、絶縁分離させられている。
ガラス層121は、金属ペーストの層にガラスペーストの層が積層あるいは被着されることにより形成される。例えばチップ載置部113はグリーンシート150に設けられた孔にガラスペーストが充填されたもの(図15(b))により銀反射層120が被覆され、ガラス層121が形成される。
なお、電極パッド123の表面はガラス被覆されることなく、露出させられている。この部分は、ガラスペーストが充填された部分の、電極パッド123の表面が露出させられるべき部分に孔が設けられたもの(図15(b)、(c))を積層することにより、形成されている。しかして電極パッド123の表面は露出させられているため、変質し難い材質であることが好ましく、金属ペーストとしてAuペーストなどにより形成することが好ましい。
なお、グリーンシート150には複数のパッケージ110が同時に形成されるように、孔開けやペースト充填などが施された加工パターンが繰り返し複数形成される。
次いで積層体155が700℃から1000℃、例えば850℃から900℃で焼成される。これによりグリーンシート150の素材であるアルミナ粉末、銀反射層120の素材である金属ペースト、銀反射層120を被覆するガラスペースト、電極パッド123の素材であるAuペースト、が同時に焼成され、パッケージ110が完成する。この時ガラスペーストに含まれていたガラスの成分が溶融し銀反射層120の表面を平滑に被覆する。また各素材が同時に焼成されることにより、各層の界面での応力が緩和される効果がある。
なお、パッケージ110を構成する層の、それぞれの層厚の例として、チップ載置部113から実装面126に至る層は0.5mm、銀反射層120は0.005mm、ガラス層121は0.01mmとして形成することができる。
続いてLEDチップ112の実装以降の工程を図16に基づいて説明する。なお図16においてビア130の記載は省略されている。
焼成のなされた積層体155の、各凹部108のチップ載置部113にシリコーンペースト等のロウ材(図示しない)を塗布し、その上にLEDチップ112をダイボンディングする。次いでLEDチップ112の電極パッド122とパッケージ110の電極パッド123とをワイヤボンディングにより接続する。この時パッケージ110の電極パッド123はガラス被覆されていないため、良好にワイヤボンディングすることができる(図16(a)、(b))。
次いで、予め蛍光体114が分散された封止樹脂116を凹部108に充填し硬化させることにより、LEDチップ112を被覆する。封止樹脂116は、耐熱性が高く、ガラスとの密着性が高いジメチルシリコーンやメチルゴムを好適に用いることができる。例えば、ジメチルシリコーンとしてKER2500(信越化学製)を用いた場合、100℃60分の条件により硬化、150℃300分の条件によりアフターキュアされる。ジメチルシリコーンやメチルゴムは有機変性シリコーン等に比べガス封止性が低いが、銀反射層120の表面はガラス被覆されているため、表面の変質を抑制することができる。
最後に、個々の発光装置に分割される。分割の方法として例えば、UVシートを用いる方法がある。これは、実装面126をUVシート158に貼り付けたものをステージに載置し、積層体155の所定の位置をカッターによりダイシングする。次いでUVシート158の粘着材をUV光照射により硬化させ、個片に分離する方法がある。
前述の構成によると、ジメチルシリコーンやメチルゴムとガラスとは密着性が高く、銀反射層120を被覆するガラス層121と封止樹脂116との剥離を抑制することができる。密着性が高い理由の一つは、ガラスの表面は水酸基が露出しており、シリコーン樹脂との結合力が高いためと推定される。また、ジメチルシリコーンやメチルゴムは有機変性シリコーン等に比べ弾力性が高いため、熱膨張や収縮など体積の変化が吸収され易いためと推定される。
また、封止樹脂116の連続耐熱温度は120℃以上であることが好ましい。ここで、パッケージ110の熱抵抗を200℃/W、LEDチップ112の発熱を0.06Wとした場合、パッケージ110の温度上昇は、たかだか12℃に過ぎない。しかしながら発光装置2001に要求される寿命は、例えば4万時間という非常に長期間であり、この信頼性を満足する為に前述のような連続耐熱温度が要求されるのである。
なお、蛍光体114は、例えばBOSE(Ba、O、Sr、Si、Eu)などを好適に用いることができる。またBOSEの他、SOSE(Sr、Ba、Si、O、Eu)、YAG(Ce賦活イットリウム・アルミニウム・ガーネット)、αサイアロン((Ca)、Si、Al、O、N、Eu)、βサイアロン(Si、Al、O、N、Eu)等を好適に用いることができる。また、LEDチップ112を青色発光のものに代え、例えば発光ピーク波長が390nmから420nmの紫外(近紫外)LEDとすることにより、さらなる発光効率の向上を図ることができる。
このように、銀反射層120と、これを被覆するガラス層121と、シリコーン樹脂による樹脂封止とを備えた発光装置2001は、ガス封止性の高さ、耐熱性の高さと密着性の高さとが相まって、信頼性が高い。
なお、本実施の形態は、封止樹脂116に蛍光体114が分散させられた構成であるが、必ずしもこれに限定されない。例えば、蛍光体114をLEDチップ112の近傍のみに被着したものを封止樹脂116で被覆した構成であっても良いし、蛍光体114を備えない構成であってもよい。また、銀反射層120は凹部108の内壁だけではなく出射面118の周縁部を環状に取り囲む土手131の部分まで形成されているが、土手131の部分まで形成されていない構成をとることもできる。要は、封止樹脂116と銀反射層120やパッケージ110の表面との間にガラス層121が介在する構成であれば、信頼性の向上を得ることができる。
[実施の形態7]
図17は実施の形態7の発光装置の構造を示す断面図である。発光装置2002は、ガラス層121に代え、蛍光体114が分散された、蛍光体入りガラス層160を備えることを特徴とし、LEDチップ112が発する青色光である1次光と、1次光により励起された蛍光体114が発する黄色光である2次光とが混合し、凹部108の開口した側の面である出射面118より白色光として出射するように構成されている。
発光装置2002は、蛍光体入りガラス層160が、金属ペーストの層に蛍光体入りガラスペーストの層が積層あるいは被着されることにより形成される点を除き、実施の形態6と同等である。なお蛍光体入りガラスペーストは、ガラスの粉末に、前述のBOSE、SOSE、YAG、αサイアロン、βサイアロン等の蛍光体114が分散されてなるものである。
本実施の形態によると蛍光体114は、蛍光体入りガラスペースト中において沈降が少ないため、蛍光体入りガラス層160における蛍光体114の密度を、より均一に形成することができる。その結果、出射光の色度ばらつきを抑制することができる。蛍光体114の沈降が少ない理由の一つとして、蛍光体入りガラスペースト中に含有されたガラスの粉末が蛍光体114の沈降を抑制させる作用を呈するためと推定される。
なお図17によると、封止樹脂116には蛍光体114が分散されていないが、分散させられた構成とすることもできる。
また蛍光体入りガラス層160の態様として、蛍光体入りガラス層160の全て、あるいは一部分を蛍光体入りとすることができる。好ましくは図17に示すように、封止樹脂116に接する部分に蛍光体が含有され、土手131の部分には蛍光体が含有されていない態様である。これにより、土手131において蛍光体114が外光により励起され黄色光を発するといった作用を抑制することができる。
[実施の形態8]
図18は実施の形態8の発光装置の構造を示す断面図である。本実施の形態は、パッケージ110の凹部108の底面に凹陥部が設けられ、凹陥部の底面に電極パッド123が形成されるとともに、電極パッド123と銀反射層120との間に、絶縁層132が介在することを特徴とする。それ以外の部分については実施の形態1と同等である。
パッケージ110の電極パッド123近傍においては、電極パッド123を互いに離間し絶縁させるため、電極パッド123を取り囲むように、パッケージ110の素材であるセラミックスが露出させられている。従って、この部分で出射光の一部が漏れるため、出射効率が低下する。実施の形態6に示す発光装置2001ではセラミックスの露出部分はチップ載置部113と略同一平面上に形成されている。一方、本実施の形態では、セラミックスの露出部分は出射光の届きにくい凹陥部の奥まった部分に存在する。従って、電極パッド123近傍のセラミックスの露出部分より漏れる光が抑制され、光の取出し効率の向上を図ることができる。
[実施の形態9]
図19(a)、(b)は実施の形態9の面光源の構造を示す模式図である。本実施の形態における面光源2004は、前述の実施の形態6から8の何れかに記載の構成を備えた発光装置305と該発光装置305の出射光を導光し面状発光として出射面316より出射させる導光板310とを備え、発光装置305の出射面118は導光板310の入射端面312に正対されて配置されている。なお、導光板310の入射端面312における屈折等は省略して示されている。
発光装置305の出射光は入射端面312を照射するが、一部は導光板310の入射端面312や終端面314で反射され、発光装置305の出射面118に戻る。一方、発光装置305の銀反射層120は凹部108の内壁だけではなく出射面118を環状に取り囲む土手131の部分まで形成されている。従って、出射光が導光板310の入射端面312で反射した光や、導光板310の終端面314で反射して戻ってきた光を再び反射させて、入射させることができるため、光の利用効率が高い。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔まとめ〕
本発明の一態様に係る発光装置は、セラミックス基板と、外部に露出するように前記セラミックス基板に設けられた複数の外部端子と、前記セラミックス基板の中に位置する金属放熱体と、前記複数の外部端子とは電気的に接続されておらず、かつ、前記金属放熱体上に設けられた光反射層と、前記複数の外部端子と電気的に接続され、かつ、前記光反射層の上面の上に絶縁体を介して設けられた発光ダイオードチップと、前記発光ダイオードチップを封止する封止樹脂とを備え、前記光反射層の厚さは前記金属放熱体の厚さより小さく、前記光反射層の下面の一部は、前記金属放熱体の上面と接続されており、前記金属放熱体の一部は、前記セラミックス基板の表面から見て前記光反射層が形成されていない領域にも延びて配置されており、前記絶縁体は、前記光反射層の上面および前記光反射層の側面を覆い、かつ、前記発光ダイオードチップによって出射され前記光反射層によって反射された光を透過する。
本発明の一態様に係る発光装置は、セラミックス回路基板と、発光ダイオードチップと、前記発光ダイオードチップを封止する封止樹脂とを備え、前記セラミックス回路基板は、(i)セラミックス基板と、(ii)外部に露出するように前記セラミックス回路基板の下面に設けられた、第1外部端子および第2外部端子と、(iii)前記セラミックス基板の中に位置する金属放熱体と、(iv)前記第1外部端子および前記第2外部端子とは電気的に接続されておらず、かつ、前記金属放熱体上に設けられた光反射層と、(v)前記光反射層の上面および前記光反射層の側面を覆い、かつ、前記光反射層によって反射された光を透過する絶縁体と、(vi)前記第1外部端子および前記第2外部端子にそれぞれ電気的に接続された正電極および負電極とを備え、前記正電極および前記負電極のそれぞれの下面は、前記光反射層の下面と同じ高さに位置し、前記発光ダイオードチップは、前記光反射層の上方に位置するように、前記セラミックス回路基板の上面上に設けられており、前記絶縁体は、前記発光ダイオードチップと前記光反射層との間に設けられており、前記発光ダイオードチップは、前記正電極および前記負電極を介して、前記第1外部端子および前記第2外部端子と電気的に接続されており、前記金属放熱体の一部は、前記セラミックス基板の表面から見て前記光反射層が形成されていない領域にも延びて配置されている。
本発明の一態様に係る発光装置は、基板上に光を出射する半導体装置及び複数の外部接続端子を有する発光装置において、前記基板上に形成され、前記半導体装置からの出射光を反射し、前記基板上の周縁部を除く中央領域である半導体装置の搭載面の下方に配されており、前記基板上の周縁部には配されていない光反射層と、少なくとも前記光反射層を被覆し、かつ、前記光反射層にて反射した光を透過する被覆層とを備え、前記半導体装置は、前記被覆層上に形成されるとともに、前記外部接続端子と接続部を介して電気的に接続されており、前記半導体装置と前記接続部とを覆うように封止樹脂で封止されており、前記半導体装置は、発光ダイオードチップであり、前記被覆層は、ガラスから成り、前記接続部は配線パターン及びボンディングワイヤから成り、前記配線パターンは、前記基板上もしくは前記被覆層上に、互いに平行に、かつ、互いに距離をおいて形成され、前記半導体装置は、前記配線パターン間に複数設置されており、前記配線パターンと前記半導体装置とは前記ボンディングワイヤによって接続されている。
本発明の一態様に係る発光装置は、基板上に光を出射する半導体装置及び複数の外部接続端子を有する発光装置において、前記基板上に形成され、前記半導体装置からの出射光を反射する光反射層と、少なくとも前記光反射層を被覆し、かつ、前記光反射層にて反射した光を透過する被覆層とを備え、前記半導体装置は、前記被覆層上に形成されるとともに、前記外部接続端子と接続部を介して電気的に接続されており、前記半導体装置と前記接続部とを覆うように封止樹脂で封止されており、前記半導体装置は、発光ダイオードチップであり、前記被覆層は、ガラスから成り、前記接続部は配線パターン及びボンディングワイヤから成り、前記配線パターンは、前記基板上もしくは前記被覆層上に、互いに平行に、かつ、互いに距離をおいて形成され、前記半導体装置は、前記配線パターン間に複数設置されており、前記配線パターンと前記半導体装置とは前記ボンディングワイヤによって接続されている。
上記の構成によれば、半導体装置から下側(基板側)への出射光を光反射層が反射することにより、出射光のロスを減少させ有効に活用できるため、発光装置の発光量を高めることができ、光反射層を被覆層で被覆しているため光反射層の変質または劣化、さらにはそれに起因した反射率の低下を抑制するという効果を奏する。
加えて、上記の構成によれば、半導体装置の数を自由に調整することができ、発光装置の輝度調整、色度調整、及び発熱対策が容易になる。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記基板内に、前記光反射層、前記外部接続端子、もしくはその双方とそれぞれ接合される、金属から成る放熱ビアを備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、光反射層または外部接続端子、に接続された放熱ビアにより、発光装置の放熱性をさらに高めることができる。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記放熱ビアは、前記基板表面に対して垂直方向に形成されていることが好ましい。
さらに前記放熱ビアは、銀、または銀を主成分とする銀合金から成ることが好ましい。
上記の構成によれば、光反射層による基板平面方向への放熱に加え、基板垂直方向への放熱性が高まるため、発光装置の放熱性がさらに高まる。これにより小領域への半導体装置の集積化が可能となる。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記配線パターンは金から成ることが好ましい。
上記の構成によれば、配線パターンが金で形成されているため、配線パターンの劣化等による経年変化を抑制することができる。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記配線パターンと前記被覆層との間に、ニッケルまたはクロム層が形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、ガラスからなる被覆層と配線パターンとの密着性が向上し、配線パターンの劣化等による経年変化を抑制することができる。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記封止樹脂は、蛍光体を含んでいることが好ましい。
上記の構成によれば、蛍光体が半導体装置からの光を吸収し、別の波長の光を発することにより、単一光を発する半導体装置を用いてそれ以外の光(例えば白色光)を発する発光装置を得ることができる。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記封止樹脂は、蛍光体を含んでいる蛍光体含有樹脂部、及び前記蛍光体含有樹脂部を覆うように形成されている透明樹脂部、により構成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、蛍光体含有樹脂部を透明樹脂部によって保護することができる。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記封止樹脂の外形形状がドーム型であることが好ましい。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記蛍光体含有樹脂部の外形形状、及び前記透明樹脂部の外形形状がドーム型であることが好ましい。
上記の構成によれば、封止樹脂の光照射方向側に角となる部分がないので、照射光の屈折方向が連続的に変化する。よって、照射光の強度のむらが低減できるという効果を奏する。
〔付記事項〕
本発明の一態様に係る発光装置は、基板上に光を出射する半導体装置及び複数の外部接続端子を有し、前記基板上に形成され前記半導体装置からの出射光を反射する光反射層と、少なくとも前記光反射層を被覆し、かつ、前記光反射層にて反射した光を透過する被覆層とを備え、前記半導体装置は、前記被覆層上に形成されるとともに、前記外部接続端子と接続部を介して電気的に接続されており、前記半導体装置と前記接続部とを覆うように封止樹脂で封止されている。
上記の構成によれば、半導体装置から下側(基板側)への出射光を光反射層が反射することにより、出射光のロスを減少させ有効に活用できるため、発光装置の発光量を高めることができ、光反射層を被覆層で被覆しているため光反射層の変質または劣化、さらにはそれに起因した反射率の低下を抑制するという効果を奏する。
前記光反射層は、90%以上の光反射率を有することが好ましい。
上記の構成によれば、光反射層が高い光反射率を有するためさらに発光装置の発光量を増すことができる。
前記光反射層は、銀、または銀を主成分とする銀合金から成ることが好ましい。
上記の構成によれば、銀または銀合金層で光反射層を形成することにより、半導体装置の発熱を基板の面方向に放散し、発光装置の放熱性を高めることができる。これにより、発光装置の発熱による色ズレを抑制することができる。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記基板が、セラミックスを基材としてもよい。さらに前記基板は、低温同時焼成セラミックスを基材としてもよい。
上記の構成によれば、低温同時焼成セラミックスは一般の有機材料より熱伝導率が高いため、発光装置の放熱性をさらに高めることができ、半導体装置の集積化を可能とする。
本発明に係る発光装置は、前記基板が、ガラス粉末とセラミック粉末とを材料として焼成したものであることが好ましい。前記ガラス粉末は、例えばシリカガラス、ソーダ石灰ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、ほう珪酸亜鉛ガラス、アルミノ珪酸ガラスまたは燐酸ガラスを含むものを使用することができる。また前記セラミック粉末は、例えばSiO、Al、ZrO、TiO、ZnO、MgAl、ZnAl、MgSiO、MgSiO、ZnSiO、ZnTiO、SrTiO、CaTiO、MgTiO、BaTiO、CaMgSi、SrAlSi、BaAlSi、CaAlSi、MgAlSi18、ZnAlSi18、AlN、SiC、ムライトまたはゼオライトを含むものを使用することができる。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記被覆層がガラスから成り、前記ガラスは、例えばシリカガラス、ソーダ石灰ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、ほう珪酸亜鉛ガラス、アルミノ珪酸ガラスまたは燐酸ガラスを含むものを使用することができる。
上記の構成によれば、基板及び被覆層がガラス粉末を含んでおり、基板と被覆層との密着性が良好になり、光反射層の劣化等による経年変化をさらに抑制し、反射率の低下を抑制することができる。特にほう珪酸ガラス(NaO−B−SiO)は熱膨張係数が小さく、熱衝撃温度が高く、酸化ホウ素が多く含まれているため化学的な耐久性が高いため、さらに光反射層を保護する効果が高い。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記半導体装置が、発光ダイオードチップであり、前記被覆層は、ガラスから成り、前記接続部は配線パターン及びボンディングワイヤから成り、前記配線パターンは、前記基板上もしくは前記被覆層上に、互いに平行に、かつ、互いに距離をおいて形成され、前記半導体装置は、前記配線パターン間に複数設置されており、前記配線パターンと前記半導体装置とは前記ボンディングワイヤによって接続されていてもよい。
上記の構成によれば、半導体装置の数を自由に調整することができ、発光装置の輝度調整、色度調整、及び発熱対策が容易になる。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記基板内に、前記光反射層、前記外部接続端子、もしくはその双方とそれぞれ接合される、金属から成る放熱ビアを備えていることが好ましい。
上記の構成によれば、光反射層または外部接続端子、に接続された放熱ビアにより、発光装置の放熱性をさらに高めることができる。
前記放熱ビアは、前記基板表面に対して垂直方向に形成されていることが好ましい。
さらに前記放熱ビアは、銀、または銀を主成分とする銀合金から成ることが好ましい。
上記の構成によれば、光反射層による基板平面方向への放熱に加え、基板垂直方向への放熱性が高まるため、発光装置の放熱性がさらに高まる。これにより小領域への半導体装置の集積化が可能となる。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記配線パターンは金から成ることが好ましい。
上記の構成によれば、配線パターンが金で形成されているため、配線パターンの劣化等による経年変化を抑制することができる。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記配線パターンと前記被覆層との間に、ニッケルまたはクロム層が形成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、ガラスからなる被覆層と配線パターンとの密着性が向上し、配線パターンの劣化等による経年変化を抑制することができる。
本発明に係る発光装置は、前記半導体装置が、前記被覆層上に接着用樹脂を介して設置されていてもよい。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記封止樹脂は、蛍光体を含んでいることが好ましい。
上記の構成によれば、蛍光体が半導体装置からの光を吸収し、別の波長の光を発することにより、単一光を発する半導体装置を用いてそれ以外の光(例えば白色光)を発する発光装置を得ることができる。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記封止樹脂は、蛍光体を含んでいる蛍光体含有樹脂部、及び前記蛍光体含有樹脂部を覆うように形成されている透明樹脂部、により構成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、蛍光体含有樹脂部を透明樹脂部によって保護することができる。
本発明に係る発光装置は、前記封止樹脂の外形形状がドーム型であることが好ましい。
本発明に係る発光装置は、前記蛍光体含有樹脂部の外形形状、及び前記透明樹脂部の外形形状がドーム型であることが好ましい。
上記の構成によれば、封止樹脂の光照射方向側に角となる部分がないので、照射光の屈折方向が連続的に変化する。よって、照射光の強度のむらが低減できるという効果を奏する。
本発明の一態様に係る発光装置は、発光ダイオードチップと、該発光ダイオードチップをチップ載置部にダイボンディングするとともに、前記発光ダイオードチップの出射光を反射する銀反射層を備えたパッケージと前記発光ダイオードチップを被覆する封止樹脂を備えた発光装置であって、前記銀反射層はガラス層により被覆されてなる。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記封止樹脂の材質がジメチルシリコーンもしくはメチルゴムであることが好ましい。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記封止樹脂は前記発光ダイオードチップから発する1次光の少なくとも一部を吸収して前記1次光よりも長波長の2次光に変換する蛍光体を分散させたものであることが好ましい。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記銀反射層が、前記発光装置の出射面の周縁部に形成されることが好ましい。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記チップ載置部に凹陥部が形成され、前記凹陥部の底面に電極パッドが形成されることが好ましい。
本発明の一態様に係る発光装置用パッケージの製造方法は、アルミナを主材料とする複数のグリーンシートを準備する工程と、前記グリーンシートの一部に孔開け加工する工程と、前記孔に金属ペーストまたはガラスペーストの少なくとも一方を充填する工程と、前記複数のグリーンシートを、前記金属ペーストが前記ガラスペーストにより被覆されるように積層し焼成する工程を順に有する。
以上のように、本発明の一態様に係る発光装置は、基板上に光を出射する半導体装置及び複数の外部接続端子を有し、前記基板上に形成され前記半導体装置からの出射光を反射する光反射層と、少なくとも前記光反射層を被覆し、かつ、前記光反射層にて反射した光を透過する被覆層とを備え、前記半導体装置は、前記被覆層上に形成されるとともに、前記外部接続端子と接続部を介して電気的に接続されており、前記半導体装置と前記接続部とを覆うように封止樹脂で封止されている。
上記の構成によれば、半導体装置から下側(基板側)への出射光を光反射層が反射することにより、出射光のロスを減少させ有効に活用できるため発光装置の発光量を高めることができ、光反射層を被覆層で被覆しているため光反射層の変質、または劣化、さらにはそれに起因した反射率の低下を抑制するという効果を奏する。
また、本発明に係る発光装置は、上記光反射層を被覆層によって十分保護しているため、封止樹脂として、ガス封止性がやや低い場合があるものの、耐熱性が高く、ガラスとの密着性が高いジメチルシリコーンやメチルゴムを好適に用いることができる。
本発明に係る発光装置用パッケージの製造方法は、グリーンシートを積層した基板素材を焼成すると同時に反射層とその被覆層を焼成して発光装置用パッケージを製造するものであるため、焼成工程が1回で済み低コストになる。
本発明の一態様に係る発光装置は以下のように表現することもできる。
本発明の一態様に係る発光装置は、基板上に光を出射する半導体装置及び複数の外部接続端子を有する発光装置において、前記基板上に形成され、前記半導体装置からの出射光を反射する光反射層と、少なくとも前記光反射層を被覆し、かつ、前記光反射層にて反射した光を透過する被覆層とを備え、前記半導体装置は、前記被覆層上に形成されるとともに、前記外部接続端子と接続部を介して電気的に接続されており、前記半導体装置と前記接続部とを覆うように封止樹脂で封止されている。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記光反射層は、90%以上の光反射率を有する。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記光反射層は、銀、または銀を主成分とする銀合金から成る。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記基板は、セラミックスを基材とする。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記基板は、低温同時焼成セラミックスを基材とする。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記低温同時焼成セラミックスは、ガラス粉末とセラミック粉末を材料として焼成したものである。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記ガラス粉末は、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、ほう珪酸亜鉛ガラス、アルミノ珪酸ガラスまたは燐酸ガラスを含む。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記セラミック粉末は、SiO、Al、ZrO、TiO、ZnO、MgAl、ZnAl、MgSiO、MgSiO、ZnSiO、ZnTiO、SrTiO、CaTiO、MgTiO、BaTiO、CaMgSi、SrAlSi、BaAlSi、CaAlSi、MgAlSi18、ZnAlSi18、AlN、SiC、ムライトまたはゼオライトを含む。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記被覆層はガラスから成り、前記ガラスは、シリカガラス、ソーダ石灰ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス、ほう珪酸亜鉛ガラス、アルミノ珪酸ガラスまたは燐酸ガラスから成る。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記半導体装置は、発光ダイオードチップであり、前記被覆層は、ガラスから成り、前記接続部は配線パターン及びボンディングワイヤから成り、前記配線パターンは、前記基板上もしくは前記被覆層上に、互いに平行に、かつ、互いに距離をおいて形成され、前記半導体装置は、前記配線パターン間に複数設置されており、前記配線パターンと前記半導体装置とは前記ボンディングワイヤによって接続されている。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記基板内に、前記光反射層、前記外部接続端子、もしくはその双方とそれぞれ接合される、金属から成る放熱ビアを備えている。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記放熱ビアは、前記基板表面に対して垂直方向に形成されている。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記放熱ビアは、銀、または銀を主成分とする銀合金から成る。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記配線パターンは金から成る。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記配線パターンと前記被覆層との間に、ニッケルまたはクロム層が形成されている。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記半導体装置は、前記被覆層上に接着用樹脂を介して設置されている。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記封止樹脂は、蛍光体を含んでいる。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記封止樹脂は、蛍光体を含んでいる蛍光体含有樹脂部、及び前記蛍光体含有樹脂部を覆うように形成されている透明樹脂部、により構成されている。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記封止樹脂の外形形状がドーム型である。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記蛍光体含有樹脂部の外形形状、及び前記透明樹脂部の外形形状がドーム型である。
本発明の一態様に係る発光装置では、発光ダイオードチップと、該発光ダイオードチップをチップ載置部にダイボンディングするとともに、前記発光ダイオードチップの出射光を反射する銀反射層を備えたパッケージと、前記発光ダイオードチップを被覆する封止樹脂を備えた発光装置であって、前記銀反射層はガラス層により被覆されてなる。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記封止樹脂の材質がジメチルシリコーンもしくはメチルゴムである。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記封止樹脂は前記発光ダイオードチップから発する1次光の少なくとも一部を吸収して前記1次光よりも長波長の2次光に変換する蛍光体を分散させたものである。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記銀反射層が、前記発光装置の出射面の周縁部に形成されている。
本発明の一態様に係る発光装置では、前記チップ載置部に凹陥部が形成され、前記凹陥部の底面に電極パッドが形成されている。
本発明の一態様に係る発光装置用パッケージの製造方法は、アルミナを主材料とする複数のグリーンシートを準備する工程と、前記グリーンシートの一部に孔開け加工する工程と、前記孔に金属ペーストまたはガラスペーストの少なくとも一方を充填する工程と、前記複数のグリーンシートを、前記金属ペーストが前記ガラスペーストにより被覆されるように積層し焼成する工程を順に有する。
本発明は照明装置または液晶ディスプレイのバックライトに適用することができる。
1、10、11 LTCC基板(基板)
2、120 銀反射層(光反射層)
3、121 ガラス層
4、112 LEDチップ
W ボンディングワイヤ(接続部)
6、61、62 蛍光体含有封止樹脂(封止樹脂)
7、71 負電極外部接続端子(外部接続端子)
8、81 正電極外部接続端子(外部接続端子)
9 配線パターン(接続部)
10a〜10j、11a〜11j LTCC層
12 アルミナ基板(基板)
21 放熱ビア
22 配線ビア
41、113 チップ載置部
63 蛍光体含有樹脂部
64 透明樹脂部
110 パッケージ
114 蛍光体
1000、1002、1003、1004、1005、2001、2002、2003
発光装置
1001 発光部
2004 面光源

Claims (7)

  1. セラミックス基板の上部にある発光領域、および、上記セラミックス基板の上部のうち上記発光領域を囲む周辺領域を有する上記セラミックス基板と、
    上記セラミックス基板の上記発光領域上に設けられた光反射層と、
    上記光反射層上に設けられた複数の発光ダイオードチップと、
    上記周辺領域においてそれぞれ上記セラミックス基板の任意の縁から離れて位置する、正電極外部接続端子および負電極外部接続端子と、
    上記複数の発光ダイオードチップを上記正電極外部接続端子および上記負電極外部接続端子に接続する、上記セラミックス基板の上部の上に設けられた複数の配線パターンと、
    上記周辺領域を覆わずに上記発光領域を覆い、かつ、上記複数の発光ダイオードチップを封止する封止樹脂とを備えることを特徴とする発光装置。
  2. 上記光反射層は、上記正電極外部接続端子および上記負電極外部接続端子のいずれにも接続されていないことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 上記周辺領域には、上記セラミックス基板を貫通する穴があることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  4. 上記正電極外部接続端子は、上記封止樹脂に対して上記負電極外部接続端子の反対側にあることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  5. 上記光反射層は、銀を含むことを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
  6. 上記複数の発光ダイオードチップは、シリコーン樹脂で固定されていることを特徴とする請求項5に記載の発光装置。
  7. 上記複数の発光ダイオードチップと上記光反射層との間に被覆層を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
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