JP2014515033A - [4,6−ビス−ジメチルアミノ−2−[4−(4−トリフルオロメチルベンゾイル−アミノ)ベンジル]ピリミジン−5−イル]酢酸の調製方法 - Google Patents

[4,6−ビス−ジメチルアミノ−2−[4−(4−トリフルオロメチルベンゾイル−アミノ)ベンジル]ピリミジン−5−イル]酢酸の調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は式 (I)
【化1】
Figure 2014515033

の化合物の調製方法に関する。

Description

本発明は式 (I)の化合物の調製方法に関する。
Figure 2014515033
WO 2004096777 はCRTH2 アンタゴニストとしての式 (I)の化合物の使用だけでなく、前記化合物を少量で調製するための方法を開示している。
本発明の目的は式 (I)の化合物の大規模製造に適した方法を提供することである。前記方法は高収率及び高純度で式 (I)の化合物を提供するべきである。前記方法は更に成果、エネルギー及び費用に関して効率的であるべきである。
本発明は式 (I)
Figure 2014515033
の化合物の調製方法に関するものであり、式 (I)の化合物は第一の塩基及び溶媒又は溶媒の混合物の存在下の式(II)
Figure 2014515033
の加水分解(また工程Aと称される)から得られる。
本発明の方法は式 (I)の化合物の大規模製造に特に適している。前記方法は高収率及び高純度で式 (I)の化合物を提供する。前記方法は更に成果、エネルギー及び費用に関して効率的である。
工程 A:
本明細書に使用される“加水分解”という用語は水の分子の形式的添加によるエステル官能基の開裂を表す。従って、溶媒又は溶媒の混合物は式(II)の化合物の完全な加水分解を行なうのに充分な量の水、即ち、式(II)の化合物1モル当り少なくとも1モルの水、好ましくは式(II)の化合物1モル当り少なくとも5モルの水、更に好ましくは式(II)の化合物1モル当り少なくとも10モルの水、特に式(II)の化合物1モル当り30〜50モルの水を少なくとも含む。
更に、工程Aで使用される溶媒又は溶媒の混合物は水とエーテル及び/又はアルコール、好ましくはテトラヒドロフラン及び/又はメタノールから選ばれた少なくとも一種の水混和性溶媒の混合物であることが好ましい。特に、工程Aで使用される溶媒又は溶媒の混合物が40〜55容量%のテトラヒドロフラン、10〜40容量%のメタノール及び15〜50容量%の水からなる混合物である。
一般に、工程Aで使用される溶媒又は溶媒の混合物は式(II)の化合物1モル当り1.0 〜3.0 リットルの量、好ましくは式(II)の化合物1モル当り1.0 〜2.0 リットルの量で使用される。
工程Aで使用される塩基(また、第一の塩基と称される)はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩、例えば、NaOH、LiOH、Na2CO3、K2CO3 、Cs2CO3又はLi2CO3から選ばれてもよい。工程Aで使用される塩基がLiOH、特にLiOHの一水和物であることが好ましい。
一般に、工程Aで使用される塩基は式(II)の化合物1モル当り少なくとも1モルの量、好ましくは式(II)の化合物1モル当り1.0 〜2.0 モルの量、特に式(II)の化合物1モル当り1.3 〜1.7 モルの量で使用される。
本発明の方法の工程Aは通常大気圧で行なわれる。
本発明の方法の工程Aは大気圧で通常15℃〜溶媒又は溶媒の混合物の沸点の温度で行なわれる。特に、工程Aは40〜55容量%のテトラヒドロフラン、40〜55容量%のメタノール及び5〜20容量%の水からなる混合物が溶媒の混合物として使用される場合に約60℃の温度で行なわれる。
本発明の方法の工程Aについての反応時間は使用される反応条件に依存する。一般に、反応条件は反応時間が1〜10時間、好ましくは2〜4時間であるように選ばれる。
本発明の方法の工程Aを行なうのに適した装置、例えば、二重ジャケット付き容器が、当業界で知られている。
本発明の好ましい実施態様において、式 (I)の化合物の塩を含む本発明の方法の工程Aで得られた反応混合物はその後に酸、好ましくは酢酸の如き有機酸で中和される。
一般に、酢酸は式(II)の化合物1モル当り0.5 〜5モルの量、好ましくは式(II)の化合物1モル当り1〜3モルの量で使用される。
式 (I)の化合物は通常の手段、例えば、濾過及び式 (I)の化合物が不十分に可溶性である溶媒、例えば、メタノールによる粗生成物の洗浄により固体として単離し得る。
工程 B:
本発明の特別な実施態様は式(II)の化合物が式 (III)の化合物を第二の塩基及び溶媒又は溶媒の混合物の存在下で4-トリフルオロメチルベンゾイルクロリドと反応させること(工程Bと称される)により得られる、既に記載された方法に関する。
Figure 2014515033
工程Bにおいて、4-トリフルオロメチルベンゾイルクロリドは一般に式 (III)の化合物のモル量に対して少なくとも等モル比で使用される。4-トリフルオロメチルベンゾイルクロリドが式 (III)の化合物1モル当り1〜1.5 モルの量、特に式 (III)の化合物1モル当り1.01〜1.15モルの量で使用されることが好ましい。
工程Bで使用される塩基(また第二の塩基と称される)は無機塩基、例えば、Na2CO3もしくはK2CO3 、又は有機塩基、例えば、三級アミンもしくは窒素含有ヘテロ芳香族化合物、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンもしくはピリジンから選ばれてもよい。工程Bで使用される塩基がジイソプロピルエチルアミンであることが好ましい。
一般に、工程Bで使用される塩基は式 (III)の化合物1モル当り少なくとも1モルの量、好ましくは式 (III)の化合物1モル当り1.0 〜1.5 モルの量、更に好ましくは式 (III)の化合物1モル当り1.05〜1.2 モルの量で使用される。
工程Bで使用される溶媒又は溶媒の混合物は極性非プロトン性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミドもしくはN-メチル-2-ピロリドン、又はアルコール、例えば、メタノール、エタノールもしくはイソプロパノールから選ばれてもよい。
驚くことに、工程Bの反応は非常に速く、しかも高度に選択性であることがわかった。従って、工程Bで使用される好ましい溶媒又は溶媒の混合物は特にメタノールである。
一般に、工程Bで使用される溶媒又は溶媒の混合物は式(II)の化合物1モル当り1〜5リットルの量、好ましくは式(II)の化合物1モル当り2.0 〜3.0 リットルの量で使用される。
本発明の方法の工程Bは通常大気圧で行なわれる。
本発明の方法の工程Bは大気圧で通常15℃〜溶媒又は溶媒の混合物の沸点の温度で行なわれる。特に、工程Bはメタノールが溶媒として使用される場合には約40〜60℃の温度で行なわれる。
本発明の方法の工程Bについての反応時間は4-トリフルオロメチルベンゾイルクロリドの添加速度に依存する。一般に、反応条件は添加時間が0.1 〜5時間、好ましくは0.5 〜1.5 時間であるように選ばれる。
本発明の方法の工程Bを行なうのに適した装置、例えば、二重ジャケット付き容器が、当業界で知られている。
式(II)の化合物は濾過の如き通常の手段により固体として単離し得る。濾過特性を改良するために、結晶の熟成が4-トリフルオロメチルベンゾイルクロリドの添加後かつ冷却前に還流まで加熱することにより行ない得る。精製のために、粗生成物はその後に式(II)の化合物が不十分に可溶性である溶媒、例えば、イソプロパノールで洗浄し得る。
工程 C:
本発明の別の特別な実施態様は、式(III) の化合物が式(IV)の化合物の水素化(工程Cと称される)により得られる、既に記載された方法に関する。
Figure 2014515033
工程Cにおける式(IV)の化合物の水素化は一般に水素化触媒の存在下で行なわれる。好適な水素化触媒が当業界で知られている。特に、本発明の方法の工程Cはパラジウム/活性炭の存在下で行なわれる。
工程Cで使用される溶媒又は溶媒の混合物は不活性溶媒、例えば、アルコール、エステル、飽和炭化水素、ハロゲン化飽和炭化水素、エーテル又は環状エーテル及びこれらの混合物から選ばれてもよい。特に、工程Cで使用される好ましい溶媒はメタノールと酢酸イソプロピルの混合物である。
一般に、工程Cで使用される溶媒又は溶媒の混合物は式(IV)の化合物1モル当り0.01〜5リットルの量、好ましくは式(IV)の化合物1モル当り1〜3リットルの量で使用される。
本発明の工程Cの反応は通常1〜5バールの水素圧力、好ましくは2.0 〜3.0 バールの水素圧力で行なわれる。
本発明の方法の工程Cは通常15℃〜60℃の温度、好ましくは25℃〜40℃の温度で開始される。水素化中に、温度が70℃に上昇するかもしれない。
本発明の方法の工程Cについての反応時間は使用される反応条件に依存する。一般に、反応条件は反応時間が0.05〜5時間、好ましくは0.5 時間〜3時間であるように選ばれる。
本発明の方法の工程Cを行なうのに適した装置、例えば、二重ジャケット付き容器又はオートクレーブは、当業界で知られている。
式 (III)の化合物は工程Cで使用される溶媒を式 (III)の化合物が不十分に可溶性である新しい溶媒、例えば、イソプロパノールと交換することにより精製されてもよい。イソプロパノールは式 (III)の化合物1モル当り1〜10リットルの量、好ましくは式 (III)の化合物1モル当り1〜4リットルの量で添加されてもよい。
式 (III) の化合物は通常の手段、例えば、濾過及び式 (III)の化合物が不十分に可溶性である溶媒、例えば、イソプロパノールによる粗生成物の洗浄により固体として単離し得る。
式 (III)の化合物はこうしてその遊離塩基として得られる。
工程 D:
本発明の別の特別な実施態様は式(IV)の化合物が式 (V)の化合物を溶媒又は溶媒の存在下で過剰のジメチルアミンと反応させること(工程Dと称される)により得られる、既に記載された方法に関する。
Figure 2014515033
工程Dにおいて、ジメチルアミンは一般に式 (V)の化合物1モルについて少なくとも4モルの量で使用される。ジメチルアミンが式 (V)の化合物1モル当り5〜20モルの量、特に式 (V)の化合物1モル当り7〜15モルの量で使用されることが好ましい。ジメチルアミンが反応混合物にニートで添加されることが好ましい。
工程Dで使用される溶媒又は溶媒の混合物は極性溶媒、例えば、エーテル、エステル、アミド及びこれらの混合物から選ばれてもよい。特に、工程Dで使用される好ましい溶媒は酢酸イソプロピルである。
一般に、工程Dで使用される溶媒又は溶媒の混合物は式 (V)の化合物1モル当り0.3 〜5リットルの量、好ましくは式 (V)の化合物1モル当り0.7 〜2リットルの量で使用される。
本発明の工程Dの反応は通常1〜5バールの圧力、好ましくは2.0 〜3.5 バールの圧力で行なわれる。
本発明の方法の工程Dは通常40℃〜100 ℃の温度、好ましくは60℃〜80℃の温度で行なわれる。
本発明の方法の工程Dについての反応時間は使用される反応条件に依存する。一般に、反応条件は反応時間が1〜12時間、好ましくは4〜10時間であるように選ばれる。
本発明の方法の工程Dを行なうのに適した装置、例えば、二重ジャケット付き容器は、当業界で知られている。
式(IV)の化合物は通常の技術を使用して単離されてもよい。しかしながら、工程Dで得られる式 (IV) の化合物の水素化は前記化合物を先に単離しないで行なわれることが好ましく、即ち、工程Dで得られた粗反応混合物が工程Cについての出発物質として使用される。この特別な実施態様において、工程Dで得られた反応混合物が水素化を行なう前に水で洗浄されることが好ましい。工程Dで得られた反応混合物の洗浄後に、反応混合物がプロトン性極性溶媒、例えば、メタノールで希釈されてもよい。
工程 E:
本発明の別の特別な実施態様は式(V) の化合物が式(VI)の化合物を第三の塩基の存在下で塩素化剤と反応させること(工程Eと称される)により得られる、既に記載された方法に関する。
Figure 2014515033
工程Eで使用される塩素化剤はSOCl2 、PCl3、PCl5又はPOCl3 から選ばれてもよい。塩素化剤がPOCl3 であることが好ましい。
工程Eにおいて、塩素化剤は一般に式(VI)の化合物1モルについて少なくとも1.5 モルの量で使用される。塩素化剤が式(VI)の化合物1モル当り1.5 〜3.5 モルの量、特に式(VI)の化合物1モル当り2.3 〜2.8 モルの量で使用されることが好ましい。
工程Eで使用される塩基(また第三の塩基と称される)は三級アミン又は窒素含有ヘテロ芳香族化合物、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はピリジンから選ばれてもよい。工程Dで使用される塩基がトリエチルアミンであることが好ましい。
一般に、工程Eで使用される塩基は式(VI)の化合物1モル当り少なくとも1モルの量、好ましくは式(VI)の化合物1モル当り1〜3モルの量、更に好ましくは式(VI)の化合物1モル当り1.2 〜1.8 モルの量で使用される。
工程Eで使用される溶媒又は溶媒の混合物は溶媒、例えば、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エステル、エーテル及びこれらの混合物から選ばれることが好ましい。特に、工程Eで使用される好ましい溶媒又は溶媒の混合物はトルエンである。
一般に、工程Eで使用される溶媒又は溶媒の混合物は式(VI)の化合物1モル当り1〜3リットルの量、好ましくは式(VI)の化合物1モル当り1.1 〜1.5 リットルの量で使用される。
本発明の方法の工程Eは通常大気圧で行なわれる。
本発明の方法の工程Eは通常大気圧で15℃〜溶媒又は溶媒の混合物の沸点の温度で行なわれる。特に、工程Eはトルエンが溶媒として使用される場合には90℃〜110 ℃の温度で行なわれる。
本発明の方法の工程Eについての反応時間は使用される反応条件に依存する。一般に、反応条件は反応時間が1〜10時間、好ましくは2〜4時間であるように選ばれる。
本発明の方法の工程Eを行なうのに適した装置、例えば、二重ジャケット付き容器は、当業界で知られている。
本発明の好ましい実施態様において、本発明の方法の工程Eで得られた反応混合物が、過剰の塩素化剤の真空除去後に、無機塩基、好ましくは水酸化ナトリウムの水溶液で中和される。
一般に、水酸化ナトリウムが式(VI)の化合物1モル当り1.5 〜5モルの量、好ましくは式(VI)の化合物1モル当り2.5 〜3.5 モルの量で使用される。
式 (V)の化合物は通常の手段、例えば、濾過及び式 (V)の化合物が不十分に可溶性である溶媒、例えば、メタノール及び/又は水による粗生成物の洗浄により固体として単離し得る。
工程 F:
本発明の別の特別な実施態様は、式(VI)の化合物が式 (VII)の化合物又はそのハロゲン化水素塩を第四の塩基の存在下でトリメチル 1,1,2-エタントリカルボキシレートと反応させること(工程Fと称される)により得られる、既に記載された方法に関する。
Figure 2014515033
式 (VII)の化合物がその塩酸塩として使用されることが好ましい。
本発明の方法の工程Fにおいて、トリメチル 1,1,2-エタントリカルボキシレートは一般に式 (VII)の化合物1モルについて少なくとも1モルの量で使用される。トリメチル 1,1,2-エタントリカルボキシレートが式 (VII)の化合物1モル当り1〜5モルの量、特に式 (VII)の化合物1モル当り1.1 〜1.5 モルの量で使用されることが好ましい。
工程Fで使用される塩基(また第四の塩基と称される)はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の低級アルカノレート、例えば、NaOCH3、KOCH3 又はLiOCH3から選ばれてもよい。工程Fで使用される塩基がナトリウムメチレート(NaOCH3)であることが好ましい。
一般に、工程Fで使用される塩基は式 (VII)の化合物1モル当り少なくとも1モルの量、好ましくは式 (VII)の化合物1モル当り1.5 〜5モルの量、更に好ましくは式 (VII)の化合物1モル当り2〜3モルの量で使用される。
工程Fで使用される溶媒又は溶媒の混合物は極性プロトン性溶媒、例えば、アルコール、又は極性非プロトン性溶媒、例えば、エーテル、エステルもしくはアミド、例えば、N-メチル-2-ピロリドンもしくはジメチルホルムアミド、及びこれらの混合物から選ばれることが好ましい。特に、工程Fで使用される溶媒又は溶媒の混合物はメタノールである。
一般に、工程Fで使用される溶媒又は溶媒の混合物は式 (VII)の化合物1モル当り1〜10リットルの量、好ましくは式 (VII)の化合物1モル当り2〜5リットルの量で使用される。
本発明の方法の工程Fは通常大気圧で行なわれる。
本発明の方法の工程Fは通常大気圧で15℃〜溶媒又は溶媒の混合物の沸点の温度で行なわれる。特に、工程Fはメタノールが溶媒として使用される場合には35℃〜55℃の温度で行なわれる。
本発明の方法の工程Fについての反応時間は使用される反応条件に依存する。一般に、反応条件は反応時間が1〜10時間、好ましくは3〜6時間であるように選ばれる。
本発明の方法の工程Fを行なうのに適した装置、例えば、二重ジャケット付き容器は、当業界で知られている。
本発明の好ましい実施態様において、本発明の方法の工程Fで得られた反応混合物が反応混合物を水で洗浄する前に酢酸で6〜7のpH値に調節される。
式(VI)の化合物は通常の手段、例えば、濾過及び式(VI)の化合物が不十分に可溶性である溶媒、例えば、メタノール及び/又は水による粗生成物の洗浄により固体として単離し得る。
工程 G:
本発明の別の特別な実施態様は式(VII) の化合物又はそのハロゲン化水素塩が4-ニトロフェニルアセトニトリルをメタノールの存在下で塩化アセチルと反応させ、続いて得られた中間体をアンモニアと反応させること(工程Gと称される)により得られる、既に記載された方法に関する。
本発明の方法の工程Gにおいて、塩化アセチルは一般に4-ニトロフェニルアセトニトリル1モルについて少なくとも2モルの量で使用される。塩化アセチルが4-ニトロフェニルアセトニトリル1モルについて2.5 〜3.5 モルの量で使用されることが好ましい。
本発明の方法の工程Gにおいて、メタノールは一般に4-ニトロフェニルアセトニトリル1モルについて少なくとも2モルの量で使用される。メタノールが4-ニトロフェニルアセトニトリル1モルについて4〜6モルの量で使用されることが好ましい。
使用される溶媒又は溶媒の混合物は非プロトン性溶媒、例えば、芳香族炭化水素から選ばれることが好ましい。特に、使用される溶媒又は溶媒の混合物はトルエンである。
本発明の方法の工程Gにおいて、反応混合物が一般にアンモニアの添加の前に真空で或る程度まで濃縮される。
アンモニアは一般に4-ニトロフェニルアセトニトリル1モルについて少なくとも1モルの量で使用される。アンモニアが4-ニトロフェニルアセトニトリル1モル当り1〜10モルの量、特に4-ニトロフェニルアセトニトリル1モル当り2〜5モルの量で使用されることが好ましい。
本発明の方法の工程Gにおいて、アンモニアが有機溶媒、例えば、メタノール中のアンモニアの溶液として使用されることが好ましい。
工程Gで使用される溶媒又は溶媒の混合物はプロトン性溶媒、例えば、アルコールから選ばれることが好ましく、これは芳香族炭化水素又はその他の非プロトン性溶媒と混合されてもよい。特に、工程Gで使用される溶媒又は溶媒の混合物がメタノールとトルエンの混合物である。
一般に、工程Gにおけるアミノ化に使用される溶媒又は溶媒の混合物は4-ニトロフェニルアセトニトリル1モル当り0.5 〜5リットルの量、特に4-ニトロフェニルアセトニトリル1モル当り0.7 〜3リットルの量で使用される。
本発明の方法の工程Gは通常大気圧で行なわれる。
本発明の方法の工程Gは通常15℃〜50℃の温度で行なわれる。特に、工程Gが18℃〜30℃の温度で行なわれる。
本発明の方法の工程Gについての反応時間は使用される反応条件に依存する。一般に、反応条件は反応時間が1〜10時間、好ましくは5〜8時間であるように選ばれる。
本発明の方法の工程Gを行なうのに適した装置、例えば、二重ジャケット付き容器は、当業界で知られている。
本発明の好ましい実施態様において、過剰のアンモニア及び反応溶媒の少なくとも一部が真空で除去され、残渣がアセトンで希釈され、周囲温度に冷却されて、式 (VII)の化合物の沈澱を促進する。
式 (VII)の化合物は通常の手段、例えば、濾過及び式 (VII)の化合物が不十分に可溶性である溶媒、例えば、アセトンによる粗生成物の洗浄により固体として単離し得る。
下記の実施例は本発明を更に説明することを目的とするものであり、その範囲を限定するものではない。
実施例1: [4,6-ビス-ジメチルアミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンゾイル-アミノ)ベンジル]ピリミジン-5-イル]酢酸 (式 (I)の化合物)の調製方法
工程 G:
2500 mL の二重ジャケット付き容器中のトルエン (900 mL) 中の4-ニトロフェニルアセトニトリル (150.0 g)の撹拌溶液に25±5℃でメタノール (182 mL) を添加する。25℃の葉の温度を超えないためにこの懸濁液に塩化アセチル (217.9 g)を1時間の期間にわたって徐々に添加する。続いてその懸濁液を約4時間にわたって25±5℃で撹拌する。その反応混合物を45℃に加熱し、真空で濃縮して約950 mLの容積の残渣を得る。その残渣をトルエン (450 mL) で希釈し、再度真空で濃縮して約1000 mL の容積を得る。20±5℃に冷却した後、メタノール中のアンモニアの溶液 (7 M, 308.7 g) を10分間の期間にわたって添加する。得られた懸濁液を更に2時間撹拌し、45℃に加熱し、真空で濃縮して約600 mLの容積の残渣を得る。その残渣を20±5℃に冷却し、アセトン (450 mL) で処理する。その反応混合物を30分間撹拌する。固体を濾過し、洗浄し、真空で35℃で乾燥させて2-(4-ニトロフェニル)アセトアミジン塩酸塩を185.8 gの量で無色の結晶として得る (収率: 95%;HPLC純度: 99.95%)。
工程 F:
2500 mL の二重ジャケット付き容器中のメタノール (850 mL)中の2-(4-ニトロフェニル)アセトアミジン塩酸塩 (100 g, 工程 Gに従って得られた) の撹拌溶液に約65℃の温度を有する融解されたトリメチル-1,1,2-エタントリカルボキシレートを添加する。その反応混合物を40±5℃に加熱する。ナトリウムメタノレートの溶液 (メタノール中30%, 230g)を10分間の期間にわたって添加する。その反応混合物を更に4時間にわたって40±5℃で撹拌する。その反応混合物を酢酸 (76.6g)で6.2 のpH値に調節する。水500 mLを添加し、その反応混合物を40±5℃で約2時間撹拌する。20±5℃に冷却した後、固体を濾過し、メタノール (225 mL) 及びメタノールと水の混合物 (175 mL) で洗浄する。固体を60℃で真空で乾燥させて119.3 g (収率: 81%; HPLC純度: 97.5%) の量の [4,6-ジヒドロキシ-2-(4-ニトロベンジル)-ピリミジン-5-イル]-酢酸メチルエステルを含む粗生成物238.6 gを得る。
工程 E:
2500 mL の二重ジャケット付き容器中のトルエン (800 mL)中の[4,6-ジヒドロキシ-2-(4-ニトロベンジル)-ピリミジン-5-イル]-酢酸メチルエステル (200 g, 工程 Fに従って得られた) の撹拌溶液に20±5℃でPOCl3 245 gを添加する。この反応混合物にトリエチルアミン (95 g) を5分間の期間にわたって添加する。その反応混合物を103 ±2℃(還流条件)に加熱し、3時間撹拌する。過剰のPOCl3 を真空で除去する。得られる懸濁液を25±5℃に冷却し、メタノール800 mLを添加する。続いてNaOHの水溶液 (13% 質量%, 164 g)を添加し、その反応混合物を20±5℃で30分間撹拌する。固体を濾過し、メタノール (600 mL) 、脱イオン水 (440 mL) そして再度メタノール (200 mL) で連続して洗浄する。結晶性生成物を30℃で真空で乾燥させて[4,6-ジクロロ-2-(4-ニトロベンジル)ピリミジン-5-イル]酢酸メチルエステルを201 g (収率: 90%; HPLC純度: 98,2%) の量で得る。
工程 D及びC:
a)不活性化オートクレーブ中で [4,6-ジクロロ -2-(4-ニトロベンジル)ピリミジン-5-イル]酢酸メチルエステル (200 g,工程 Eに従って得られた) を酢酸イソプロピルエステル600 mL中で懸濁させる。そのオートクレーブを排気し、撹拌された懸濁液にニートのジメチルアミン (232.5 g)を2.5 バールまでの圧力で20±5℃に冷却された温度で約90分間の期間にわたって添加する。その反応混合物を70±5℃に加熱し、更に4時間撹拌する。脱イオン水 (400 mL) をその反応混合物に添加する。その反応混合物を62±3℃に加熱する。相の分離後、水相を除去して[4,6-ビス-ジメチルアミノ-2-(4-ニトロベンジル)ピリミジン-5-イル]酢酸メチルエステルを含む有機溶液を得る。
b)a)で得られた有機溶液 (800mL, 4,6-ビス-ジメチルアミノ-2-(4-ニトロベンジル)ピリミジン-5-イル)酢酸メチルエステル208 gに相当する) を水素化容器に移し、メタノール400 mL で希釈した。パラジウム/活性炭 (10%質量%のPd, 1000 mg)を添加し、水素化を30-60℃で約3バールの水素圧力で1時間行なった。触媒を濾過により除去し、メタノール300 mLで洗浄した。得られた濾液を二重ジャケット付き容器に移し、60±5℃に加熱し、真空で濃縮して残渣480 mLを得た。その残渣にイソプロパノール1000 mL を添加した。60±5℃に加熱した後、得られる懸濁液を0±5℃に冷却し、1時間加熱する。固体を濾過し、イソプロパノール400 mLで洗浄し、50℃で真空で乾燥させて[4,6-ビス-ジメチルアミノ-2-(4-アミノベンジル)ピリミジン-5-イル]酢酸メチルエステルを164.0 g (収率: 85% (工程D及びEについての総収率); HPLC純度: 98.2%)の量で得る。
工程 B:
1500 mL の二重ジャケット付き容器中のメタノール700 mL中の[4,6-ビス-ジメチルアミノ-2-(4-アミノベンジル)ピリミジン-5-イル]酢酸メチルエステル (100 g, 工程 Cに従って得られた) の撹拌懸濁液に20±5℃でジイソプロピルエチルアミン (41.4 g) を30分間の期間にわたって添加し、その間にその反応混合物を50±5℃に加熱する。4-トリフルオロメチル安息香酸クロリド (63.8 g) を更に30分間の間に添加する。その反応混合物を50±5℃で15分間撹拌し、続いて65±5℃(還流条件)に加熱し、更に30分間撹拌する。得られる懸濁液を2時間の期間にわたって5±5℃に徐々に冷却し、この温度で1時間撹拌する。固体を濾過し、イソプロパノール200 mLで洗浄し、50℃で真空で乾燥させて[4,6-ビス-ジメチルアミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンゾイルアミノ)ベンジル]ピリミジン-5-イル]酢酸メチルエステルを135.8 g (収率: 90%; HPLC純度: 99.5%)の量で得る。
工程 A:
1500 mL の二重ジャケット付き容器中のテトラヒドロフラン100 mLとメタノール50 mL の混合物中の[4,6-ビス-ジメチルアミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチルベンゾイルアミノ)-ベンジル]ピリミジン-5-イル]酢酸メチルエステル (50 g, 工程Bに従って得られた) 及び水酸化リチウム一水和物 (6.3 g) の撹拌懸濁液を1時間の期間にわたって60±5℃に加熱する。脱イオン水 (75mL) を徐々に添加する。得られた溶液を60±5℃で2時間撹拌する。メタノール50 mL 中の酢酸(11.6 g)の溶液を60±5℃で添加する。得られる懸濁液を2時間の期間にわたって5±5℃に徐々に冷却し、この温度で更に30分間撹拌する。固体を濾過し、メタノール200 mLで洗浄し、50℃で真空で乾燥させて[4,6-ビス-ジメチルアミノ-2-[4-(4-トリフルオロメチル-ベンゾイル-アミノ)ベンジル]ピリミジン-5-イル]酢酸 (式 (I)の化合物) を43.65 g (収率: 90%; HPLC純度: 99.6 %) の量で得る。

Claims (20)

  1. 式 (I)
    Figure 2014515033
    の化合物の調製方法であって、
    式 (I)の化合物が第一の塩基及び溶媒又は溶媒の混合物の存在下の式(II)
    Figure 2014515033
    の化合物の加水分解から得られることを特徴とする、前記式 (I)の化合物の調製方法。
  2. 第一の塩基がLiOHの一水和物である、請求項1記載の方法。
  3. 溶媒又は溶媒の混合物がテトラヒドロフラン、メタノール及び水の混合物である、請求項1から2のいずれかに記載の方法。
  4. 式 (I)の化合物の塩を含む得られた反応混合物を続いて酢酸で中和する、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 式(II)の化合物が式 (III)
    Figure 2014515033
    の化合物を第二の塩基及び溶媒又は溶媒の混合物の存在下で4-トリフルオロメチルベンゾイルクロリドと反応させることにより得られる、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 第二の塩基がジイソプロピルエチルアミンである、請求項5記載の方法。
  7. 溶媒又は溶媒の混合物がメタノールである、請求項5又は6記載の方法。
  8. 式 (III)の化合物が式(IV)
    Figure 2014515033
    の化合物の水素化により得られる、請求項5、6又は7記載の方法。
  9. 水素化をパラジウム/活性炭の存在下で行なう、請求項8記載の方法。
  10. 式 (III)の化合物がその遊離塩基としてイソプロパノールから単離される、請求項8又は9記載の方法。
  11. 式(IV)の化合物が式 (V)
    Figure 2014515033
    の化合物を溶媒又は溶媒の混合物の存在下で過剰のジメチルアミンと反応させることにより得られる、請求項8、9又は10記載の方法。
  12. 溶媒又は溶媒の混合物が酢酸イソプロピルである、請求項11記載の方法。
  13. 請求項8、9又は10のいずれかに記載の式(IV)の化合物の水素化が前記化合物を単離しないで続いて行なわれる、請求項11又は12記載の方法。
  14. 水素化を行なう前に、請求項11又は12記載の得られた反応混合物を水で洗浄する、請求項13記載の方法。
  15. 式 (V)の化合物が式(VI)
    Figure 2014515033
    の化合物を第三の塩基の存在下で塩素化剤と反応させることにより得られる、請求項11から14のいずれかに記載の方法。
  16. 塩素化剤がPOCl3 である、請求項15記載の方法。
  17. 第三の塩基がトリエチルアミンである、請求項15又は16記載の方法。
  18. 式(VI)の化合物が式 (VII)
    Figure 2014515033
    の化合物又はそのハロゲン化水素塩を第四の塩基の存在下でトリメチル 1,1,2-エタントリカルボキシレートと反応させることにより得られる、請求項11から13のいずれかに記載の方法。
  19. 第四の塩基がナトリウムメチレートである、請求項18記載の方法。
  20. 式 (VII)の化合物又はそのハロゲン化水素塩が4-ニトロフェニルアセトニトリルをメタノール及び塩化アセチルの存在下で反応させ、続いて得られた中間体をアンモニアと反応させることにより得られる、請求項18又は19記載の方法。
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