JP2013192414A - 駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源を遮断する前にサーボモータの動作状態を報知する。
【解決手段】サーボシステムは、サーボモータと、セーフティユニットとを備える。セーフティユニットは、サーボモータの速度、位置、加速度、移動量、移動方向、トルクのうちの少なくともいずれか1つが第1動作範囲外にあると、サーボモータへの給電を遮断する。また、セーフティユニットは、速度、位置、加速度、移動量、移動方向、トルクのうちの少なくともいずれか1つが第1動作範囲に含まれ、かつ第1動作範囲よりも狭い第2動作範囲外にあると、警告を出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動制御装置に関し、特に、駆動部への給電を遮断する前に、警告を出力する機能を備えた駆動制御装置に関する。
従来より、工作機械や産業用ロボットなどの各種機械と作業者とが共存する生産現場などにおける安全を確保するために、種々の安全システムが提案されている。
特許第4817084号公報(特許文献1)は、第85段落等において、産業機械の周囲に設けられた安全柵が開かれた場合において、産業機械を駆動するモータの減速制御または停止制御を行なうモータ駆動システムを開示する。また、特許第4817084号公報の第97段落には、モータの駆動状態量が動作監視パターンを超過した際に、モータへの給電を遮断することが記載されている。
また、IEC61800のPart5−2(以下「IEC61800−5−2」と呼ぶ)は、2007年の7月に発行され、機能面での安全要求、すなわちセーフティモーション機能に関する要求事項が規定されている。
特許第4817084号公報
IEC61800−5−2
しかしながら、上記の文献に記載の技術では、モータ等の駆動部の動作状態が所定の範囲を超えると何ら予告されること無しにモータへの給電が遮断される。そのため、たとえば、点検あるいは修理作業のために作業者がスイッチ等を操作して装置を動かしているときに、モータへの給電が突然遮断され得る。モータへの給電が遮断されると、装置の再起動に所定の時間を要するため、作業が中断され得る。したがって、モータへの給電を遮断しないようにすることが好ましい。そのためには、モータへの給電が遮断される前に何らかの処置を行なうことができるように、給電を遮断する前にモータ等の駆動部の動作状態を報知することが望まれる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、給電を遮断する前に駆動部の動作状態を報知することである。
ある実施例において、駆動制御装置は、駆動部の動きを表す物理量として速度、位置、加速度、移動量、移動方向、トルクのうちの少なくともいずれか1つを検出する検出部と、検出された物理量が第1の上限から第1の下限までの第1の範囲外にあると、駆動部への給電を遮断する遮断部と、を有する。この駆動制御装置は、検出部からの信号を入力として、検出された物理量が第1の範囲に含まれ、かつ第2の上限から第2の下限までの、第1の範囲よりも狭い第2の範囲外にあると、警告を出力する。
別の実施例において、駆動制御装置は、物理量の監視の有効期間と無効期間とを切り替え、監視有効期間内に警告を出力する。
さらに別の実施例において、駆動制御装置は、警告信号として警告を出力する。
さらに別の実施例において、駆動制御装置は、光および音のうちの少なくともいずれか一方として警告を出力する。
さらに別の実施例において、警告信号は物理信号と論理信号のうちの少なくとも1つである。
さらに別の実施例において、駆動制御装置は、駆動部を制御する制御部をさらに備える。警告信号は、制御部に向けて出力される。制御部は、警告信号を受信した後、駆動部の作動を許容しつつ、警告信号を受信する前に比べて、駆動部の作動を制限する。
さらに別の実施例において、駆動制御装置は、警告信号を受信して警告を表示する表示器をさらに備える。
さらに別の実施例において、駆動制御装置は、第2の範囲を利用者の操作に応じて設定する。
さらに別の実施例において、駆動制御装置は、第2の範囲の上限と下限との各々に対応する警告を出力する。
駆動部の速度、位置、加速度、移動量、移動方向、トルクのうちの少なくともいずれか1つが第1の範囲から外れて駆動部への給電が遮断される前に、駆動部の速度、位置、加速度、移動量、移動方向、トルクのうちの少なくともいずれか1つが、第1の範囲よりも狭い第2の範囲から外れたことが警告によって示される。これにより、駆動部への給電が遮断される前に、駆動部の動作状態を示す物理量が第1の範囲の上限あるいは下限に近付いていることを報知できる。
本発明の実施の形態に係るサーボシステムの概略構成図である。 サーボモータの回転速度の動作範囲を示す図(その1)である。 サーボモータの回転速度の動作範囲を示す図(その2)である。 サーボモータの回転速度の動作範囲を示す図(その3)である。 サーボモータの回転速度の動作範囲を示す図(その4)である。 図1に示したサーボドライバおよびセーフティユニットの一例を示す図である。 図1に示したサーボドライバおよびセーフティユニットの構成を説明するための機能ブロック図である。 サーボシステムが実行する処理を示すフローチャートである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明の実施の形態に係るサーボシステム100の概略構成図である。図1を参照して、サーボシステム100は、図示しない各種の機械装置(たとえば産業用ロボットのアーム)を駆動するためのシステムとして用いられる。サーボシステム100は、ネットワーク1と、サーボモータ2と、エンコーダ3と、サーボドライバ4と、コントローラ5と、セーフティユニット10とを備える。
サーボモータ2は、たとえばACサーボモータである。エンコーダ3は、サーボモータ2の動作状態を示す物理量を検出するためにサーボモータ2に取り付けられる。エンコーダ3は、検出された物理量を示すフィードバック信号を生成するとともに、そのフィードバック信号をサーボドライバ4に送信する。フィードバック信号は、たとえばサーボモータ2の回転軸の回転位置(角度)についての位置情報、その回転軸の回転速度の情報等を含む。すなわち、本実施の形態においては、サーボモータ2の動作状態を示す物理量としてサーボモータ2の回転軸の回転位置および回転速度が検出される。なお、回転位置および回転速度に加えてもしくは代わりに、加速度、変化量(移動量)、変化方向(移動方向)等を検出するようにしてもよい。さらに、エンコーダ3とは別にトルク検出器を設けてサーボモータ2のトルクを検出してもよい。
エンコーダ3には一般的なインクリメンタル型エンコーダ、アブソリュート型エンコーダを適用することができる。その他、エンコーダ3には、サーボモータ2に付属のエンコーダ、サーボモータ2に付属のレゾルバ、外付けのエンコーダ、外付けのレゾルバ、近接センサと歯車、リニアエンコーダ等の種々のエンコーダあるいはレゾルバを用いることができる。なお、エンコーダ3の種類は上記したものに限定されない。また、電流計を設けてサーボモータ2の電流を検出し、検出された電流からサーボモータ2の回転速度を検出するようにしてもよい。さらに、検出された電流からサーボモータ2のトルクを算出してもよい。
サーボドライバ4は、ネットワーク1を介してコントローラ5から指令信号を受けるとともに、エンコーダ3から出力されたフィードバック信号を受ける。サーボドライバ4は、コントローラ5からの指令信号およびエンコーダ3からのフィードバック信号に基づいて、サーボモータ2を駆動する。また、サーボドライバ4は、内部の異常を示す異常情報を、ネットワーク1を通じてコントローラ5に送信する。
サーボドライバ4は、コントローラ5からの指令信号に基づいて、サーボモータ2の動作に関する指令値を設定する。さらにサーボドライバ4は、サーボモータ2の動作が指令値に追従するようにサーボモータ2を駆動する。具体的には、サーボドライバ4は、その指令値に従って、サーボモータ2の駆動電流を制御する。
さらに、サーボドライバ4は、フィードバック信号から得られたフィードバック値をセーフティユニット10に送信する。一例として、上記フィードバック値は、サーボモータ2の回転速度であるが、フィードバック値はこれに限定されず、変化量(移動量)、回転位置、加速度、トルクおよび変化方向(移動方向)等であってもよい。
さらに、サーボドライバ4は、停止信号としてのSTO信号がサーボドライバ4に入力された場合に、サーボモータ2によるトルクの出力を停止させる。具体的には、サーボドライバ4にSTO信号が入力された場合、サーボドライバ4は、サーボモータ2への給電を停止する。
なお、サーボドライバ4への給電停止機能を、サーボドライバ4とは別体で設けられた外部遮断装置によって実現するようにしてもよい。
コントローラ5は、たとえばプログラマブルコントローラ(PLC)、位置制御ユニット等を含んで、サーボモータ2を制御するように構成され、サーボモータ2の駆動制御(たとえば位置決め制御など)のための指令信号を送る。
また、本実施の形態において、コントローラ5は、セーフティユニット10から後述する警告信号を受信した後は、サーボモータ5の作動を許容しつつ、警告信号を受信する前に比べてサーボモータ5の作動を制限する。より具体的には、サーボモータ5の回転速度、加速度、可動範囲(移動可能量)、トルクおよび変化方向(移動方向)のうちの少なくともいずれか1つが低減された状態でサーボモータ5が駆動される。ここで、「制限する」とは、サーボモータ5の回転速度を零にして、静止させることも含み得る。
セーフティユニット10は、監視機能が有効にされた状態において、サーボドライバ4から送られたフィードバック値により示される、サーボモータ2の動作状態を示す物理量が所定の第1動作範囲外にあると、上述したSTO信号を発生させるとともに、そのSTO信号をサーボドライバ4に送信する。
また、セーフティユニット10は、サーボモータ2の動作状態を示す物理量が上記の第1動作範囲に含まれ、かつ第1動作範囲よりも狭い第2動作範囲外にあると、警告を出力する。一例として、コントローラ5に向けた警告信号として警告が出力される。例えば、サーボドライバ4を介して、セーフティユニット10からコントローラ5に向けて警告信号が送信される。警告信号は、物理信号と論理信号のうちの少なくとも1つである。より具体的には、警告信号は、外部出力、インターフェース(コントローラ5あるいは後述する安全コントローラ50のI/Oマップのビット)、あるいは通信メッセージとして出力される。なお、警告信号の形式はこれらに限定されない。
その他、LED(Light Emitting Diode)またはLCD(Liquid Crystal Display)を利用して、光として警告を出力したり、スピーカからの音として警告を出力してもよい。また、警告信号を受信して警告を表示する表示器を設けるようにしてもよい。
図2に、検出されるサーボモータ2の物理量を回転速度としたときの一例について説明する。図2においては、時間t1からt2までの間において監視機能が有効にされていると想定する。
図2に示すように、時間t1からt2までの間において、サーボモータ2の回転速度の絶対値がしきい値を超えると、サーボモータ2の回転速度が第2動作範囲外にあるとして警告が出力される。すなわち、図2においては、第2動作範囲の上限のみが定められている。なお、しきい値よりも大きい制限値を、サーボモータ2の回転速度の絶対値が超えると、回転速度が第1動作範囲外にあるとしてSTO信号が出力される。
図3に示すように第2動作範囲(ならびに第1動作範囲)の上限および下限を設定し、サーボモータ2の回転速度が第2動作範囲の上限を超えた場合、あるいは第2動作範囲の下限を下回った場合に警告を出力するようにしてもよい。このとき、第2動作範囲の上限と下限との各々に対応する警告を出力するようにしてもよい。すなわち、サーボモータ2の回転速度が第2動作範囲の上限を超えた場合と、第2動作範囲の下限を下回った場合とを区別して警告を出力するようにしてもよい。たとえば、警告信号に、回転速度が上限を超えたことを示す情報、あるいは回転速度が下限を下回ったことを示す情報が含められる。
また、サーボモータ2の回転速度が第2動作範囲の上限を超えた場合と、第2動作範囲の下限を下回った場合とで、LEDあるいはLCDの発光パターンを異ならせたり、スピーカから発せられる音の変化パターンを異ならせてもよい。
なお、図3においては、第2動作範囲(ならびに第1動作範囲)の上限が正の値として設定され、下限が負の値として設定されている。
図4に示すように、第2動作範囲(ならびに第1動作範囲)の上限および下限は共に正の値であってもよい。この場合、サーボモータ2の回転速度が第2動作範囲の上限を超えた場合と、第2動作範囲の下限を下回った場合とを区別せずに警告を出力するようにしてもよい。
一方、図5に示すように、サーボモータ2の回転速度が第2動作範囲の上限を超えた場合と、第2動作範囲の下限を下回った場合とを区別して警告を出力するようにしてもよい。
なお、図4,5に示す例において、第2動作範囲(ならびに第1動作範囲)の上限および下限は共に負の値であってもよい。また、図2〜5に示す例において、回転速度の代わりにもしくは加えて回転位置、加速度、変化量(移動量)、変化方向(移動方向)、トルクのうちの少なくともいずれか1つを用いるようにしてもよい。
本実施の形態において、セーフティユニット10は、国際規格IEC61800−5−2において規定された下記の機能に対応可能であるように構成される。
SS2: Safe Stop 2
SOS: Safe Operating Stop
SLA: Safely-Limited Acceleration
SAR: Safe Acceleration Range
SLS: Safely-Limited Speed
SSR: Safe Speed Range
SLT: Safely-Limited Torque
STR: Safe Torque Range
SLP: Safely-Limited Position
SLI: Safely-Limited Increment
SDI: Safe DIrection
SMT: Safe Motor Temperature
また、規格で規定されてはいないSMS (Safe Maximum Speed)機能にもセーフティユニット10が対応可能であるように構成される。
図6は、図1に示したサーボドライバ4およびセーフティユニット10の一形態を示した図である。図6を参照して、本実施の形態では、サーボドライバ4およびセーフティユニット10は、個別の装置として実現される。図示しないが、セーフティユニット10はコネクタ、ケーブル等の接続手段を介してサーボドライバ4に接続されることによって、サーボドライバ4から指令値およびフィードバック値を受けるだけでなく、サーボドライバ4にSTO信号も送信する。
サーボドライバ4のオプションユニットとして、サーボドライバ4のスロットにセーフティユニット10を差し込むようにしたり、サーボドライバ4の横にセーフティユニット10を取り付けるようにしてもよい。
セーフティユニット10がサーボドライバ4と一体化されていてもよい。たとえば1つの筐体にサーボドライバ4およびセーフティユニット10が収納されていてもよい。セーフティユニット10を、サーボドライバ4から独立した監視ユニットとして構成してもよい。モーションコントローラにセーフティユニット10を内蔵するようにしてもよい。
図7は、図1に示したサーボドライバおよびセーフティユニットの構成を説明するための機能ブロック図である。図7を参照して、サーボドライバ4は、フィードバック処理部21と、指令部22と、停止部23と、PWM(Pulse Width Modulation)駆動部24と、インバータ回路部25とを備える。
フィードバック処理部21は、エンコーダ3からのフィードバック信号に基づいてフィードバック値を生成する。たとえばエンコーダ3からパルスが出力される場合、フィードバック処理部21は、そのパルスをカウントすることによりサーボモータ2の回転速度を算出するとともに、その速度を示す値を含むフィードバック値を生成する。フィードバック値は、サーボモータ2の回転速度だけでなく、サーボモータ2の回転軸の回転位置(角度)に関する値を含んでいてもよい。
フィードバック処理部21はそのフィードバック値を指令部22に送るとともに、サーボドライバ4の外部に出力する。サーボドライバ4から出力されたフィードバック値はセーフティユニット10に送られる。
指令部22は、コントローラ5から指令信号を受けるとともに、フィードバック処理部21からフィードバック値を受ける。指令部22は、指令信号およびフィードバック値に基づくフィードバック制御により、位置制御、速度制御およびトルク制御を実行するための指令値を生成する。なお、以下では速度制御について説明する。指令部22は、指令信号およびフィードバック値(回転速度)に基づくフィードバック制御により、速度指令値を生成する。速度指令値は停止部23に送られる。
停止部23は、セーフティユニット10からSTO信号を受けた場合において、電気的にPWM信号を通過させないことで、インバータ回路部25を停止する。これにより、サーボモータ2への給電が遮断されて、サーボモータ2によるトルクの出力が停止する。一方、停止部23にSTO信号が入力されない場合、停止部23は指令部22から出力された速度指令値を通過させる。
インバータ回路部25は、停止部23を介して、PWM駆動部24からの信号を受ける。図示しないが、インバータ回路部25は、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子で構成される。PWM駆動部24は、その速度指令値に基づいて、スイッチング素子をPWM方式に従ってオン・オフさせるための信号を生成するとともに、インバータ回路部25は、その信号に従ってスイッチング素子をオン・オフさせる。これによりサーボモータ2に電力が供給されるとともに、速度指令値に従ってサーボモータ2が駆動される。一方、停止部23が作動している場合、PWM駆動部24からの信号がオフに固定される。これによりサーボモータ2への電力供給が停止されるので、サーボモータ2が停止する。サーボモータ2が停止することでサーボモータ2からのトルクの出力が停止する。
セーフティユニット10は、固定値記憶部31と、比較部32と、信号発生部33と、監視有効部34とを備える。固定値記憶部31は、上述した第1動作範囲と第2動作範囲とを予め記憶する。
第1動作範囲および第2動作範囲は、利用者の操作に応じて設定することができる。たとえば、利用者がコンピュータのディスプレイ上に表示されたユーザーインターフェースを用いて第1動作範囲の上限および下限と、第2動作範囲の上限および下限とが設定され得る。なお、第1動作範囲および第2動作範囲の設定方法はこれに限定されず、その他、セーフティユニット10に設けられたスイッチを操作することによってなど、様々は方法を用いて設定することができる。
比較部32は、サーボドライバ4からフィードバック値を受ける。比較部32は、フィードバック値を第1動作範囲および第2動作範囲と比較して、その比較結果を出力する。
信号発生部33は、比較部32の出力に基づいて、フィードバック値、すなわちサーボモータ2の動作状態を示す物理量が第1動作範囲外にあるか否か、ならびに第2動作範囲外にあるか否かを判断する。
一例として、安全コントローラ50から入力された信号によって監視機能が有効にされ、監視有効部34の動作状態が監視中の状態に設定された場合、信号発生部33は、サーボモータ2の動作状態を示す物理量が第1動作範囲外にあるか否か、ならびに第2動作範囲外にあるか否かを判断する。上述したように、サーボモータ2の動作状態を示す物理量が第1動作範囲外にあればSTO信号が生成され、STO信号がサーボドライバ4に出力される。サーボモータ2の動作状態を示す物理量が第1動作範囲内にあるものの、第2動作範囲外にあれば、警告信号が生成され、警告信号がコントローラ5に出力される。
監視有効部34の監視機能が無効である場合には、信号発生部33は、サーボモータ2の動作状態を示す物理量が第1動作範囲外にあってもSTO信号を生成せず、第2動作範囲外にあっても警告信号を生成しない。
監視有効部34は、監視機能が有効であるかまたは無効であるかを示すフラグを信号発生部33に出力する。監視有効部34が監視中である場合(すなわち監視機能が有効である場合)にはフラグが0となり、監視有効部34の監視機能が無効である場合(監視中ではない場合)にフラグが1となる。
安全コントローラ50には、ライトカーテン41、非常停止スイッチ42、ドアセンサ43(ドアセンサ43本体に着脱可能なキー44を含む)、ジョグスイッチ45等から信号が入力され、安全コントローラ50から監視有効部34に信号が入力される。安全コントローラ50から監視有効部34への入力信号は、非常停止(E−STOP)、安全停止1(SS1)、安全停止2(SS2)、SOS、SLS等である。
ジョグスイッチ45は、例えばサーボモータ2を手動操作するために利用者により操作されるスイッチであり、ジョグスイッチ45が操作されると、その間だけサーボモータ2が駆動するとともに、SLS信号が監視有効部34に入力されて、監視機能が有効にされる。
図8を参照して、サーボシステム100が実行する処理について説明する。この処理は、たとえば、指令値が生成される制御周期(特に限定されないが、たとえば2msec)で繰り返して実行される。
ステップ(以下ステップをSと略す)1にて、セーフティユニット10は、サーボドライバ4から送られたフィードバック値が、第1動作範囲外であるかどうかが判断される。フィードバック値が第1動作範囲外であると(S1にてYES)、S2にて、STO信号が生成される。その後、S3にて、サーボモータ2への給電が遮断される。
フィードバック値が第1動作範囲内であると(S1にてNO)、S4にて、フィードバック値が第2動作範囲外であるかどうかが判断される。フィードバック値が第2動作範囲外であると(S4にてYES)、S5にて、警告信号が生成される。その後、S6にて、サーボモータ2の駆動が許容される一方で、警告信号が生成される前に比べてサーボモータ2の駆動が制限される。
なお、ステップS1〜S6の処理は図4に示した順序に従って実行されるものと限定されるものではなく、その順番を適宜入れ替えてもよい。また、ステップS1〜S6の処理が並行で実行されてもよい。
以上のように、本実施の形態においては、サーボモータ2の動作状態を示す物理量が第1動作範囲から外れてサーボモータ2への給電が遮断される前に、サーボモータ2の動作状態を示す物理量が、第1動作範囲よりも狭い第2動作範囲から外れたことが警告によって示される。これにより、サーボモータ2の電源が遮断される前に、サーボモータ2の動作状態を示す物理量が第1動作範囲の上限あるいは下限に近付いていることを報知できる。
そのため、たとえばラダーなどのユーザプログラムを利用することでサーボモータ2の電源が遮断される前に動作を停止させたり、サーボモータ2の電源が遮断される前に利用者がジョグスイッチ45から手を離して、動作を停止させたりできる。そのため、電源が遮断される頻度を減らすことができる。よって、電源遮断による再立ち上げの回数を減らすことができる。よって、メンテナンス時などにおいて作業が中断される回数を減らし、作業効率を向上できる。
また、通常の作動条件下ではSTO信号が生成されることが滅多にない装置においてSTO信号が生成された場合は装置が故障したと考えられるため、修理のために製造ライン等を長期間停止する必要があるが、STO信号が生成される前に警告信号が生成されることで、装置の劣化を検知し、故障する前に、ある程度の余裕を持って前もって部品等の交換をすることができる。そのため、製造ラインを長期間停止させずに、予防保全を実現できる。
さらに、ノイズ耐性に余裕がないために今にも誤動作し得る状態や、設定が誤ってなされたまま作動しているために今にも意図しない態様で動作し得る状態を、警告信号が生成されることによって検知して、STOを信号が生成されて装置が停止する前に事前に対策を施すことができる。
さらに、警告信号が生成される動作状態では、装置の可動部位の位置、速度、トルク、温度などついて種々の安全基準を満たすことが可能である。そのため、警告信号が生成された後も装置を継続して作動させても、安全を確保しつつ効率的なメンテナンスを行なうことができる。メンテナンスを実施するに際し、大きさの異なる2つ以上のしきい値を用いて警告信号を生成するか否かを判断するようにし、駆動部の動作状態を表す物理量があるしきい値を超えるまでは装置を作動させ、別のしきい値を超えると装置を停止させてもよい。
さらに、サーボモータ等の駆動部を停止させる際に駆動部を制動する外部ブレーキ装置を備えた装置においては、警告信号が生成された後に駆動部を軽めに制動することで、駆動部の作動速度が過剰になってSTO信号が生成される前に、駆動部の作動速度を下げることができる。
さらに、警告信号を生成するか否かを判断するために用いられるしきい値を、上限および下限等の制限値に対する百分率で設定することにより、制限値が変更されたときにしきい値を連動させて自動的に警告範囲を変更することができる。例えば、装置の作動速度についての上限値が高くなると、警告信号が生成される警告範囲が自動的に広くされる。
さらに、大きさの異なる2つ以上のしきい値を用いて警告信号を生成するか否かを判断すれば、駆動部の動作状態を表す物理量があるしきい値と別のしきい値との間にあれば部品を交換したり、物理量があるしきい値を超えると交換部品を確保し(発注し)、別のしきい値を超えると部品を交換したりするといった態様で、装置の予防保全を行なうことができる。
さらに、大きさの異なる2つ以上のしきい値を用いて警告信号を生成するか否かを判断するようにし、駆動部の動作状態を表す物理量があるしきい値を超えると自動で駆動部の作動速度およびトルクを下げれば(制限すれば)、安全を確保しつつ効率的なメンテナンスを行うことができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ネットワーク、2 サーボモータ、3 エンコーダ、4 サーボドライバ、5 コントローラ、10 セーフティユニット、21 フィードバック処理部、22 指令部、23 停止部、24 PWM駆動部、25 インバータ回路部、31 固定値記憶部、32 比較部、33 信号発生部、34 監視有効部、41 ライトカーテン、42 非常停止スイッチ、43 ドアセンサ、44 キー、45 ジョグスイッチ、50 安全コントローラ、100 サーボシステム。

Claims (10)

  1. 駆動部の動きを表す物理量として速度、位置、加速度、移動量、移動方向、トルクのうちの少なくともいずれか1つを検出する検出部と、
    検出された物理量が第1の上限から第1の下限までの第1の範囲外にあると、前記駆動部への給電を遮断する遮断部と、を有する駆動制御装置であって、
    前記検出部からの信号を入力として、検出された物理量が前記第1の範囲に含まれ、かつ第2の上限から第2の下限までの、前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲外にあると、警告を出力する、駆動制御装置。
  2. 物理量の監視の有効期間と無効期間とを切り替え、監視有効期間内に前記警告を出力する、請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. 警告信号として前記警告を出力する、請求項1または2に記載の駆動制御装置。
  4. 光および音のうちの少なくともいずれか一方として前記警告を出力する、請求項1または2に記載の駆動制御装置。
  5. 前記警告信号は物理信号と論理信号のうちの少なくとも1つである、請求項3に記載の駆動制御装置。
  6. 前記駆動部を制御する制御部をさらに備え、
    前記警告信号は、前記制御部に向けて出力され、
    前記制御部は、前記警告信号を受信した後、前記駆動部の作動を許容しつつ、前記警告信号を受信する前に比べて、前記駆動部の作動を制限する、請求項3に記載の駆動制御装置。
  7. 前記警告信号を受信して警告を表示する表示器をさらに備える、請求項3に記載の駆動制御装置。
  8. 前記第2の範囲を利用者の操作に応じて設定する設定部さらに備える、請求項1から7のいずれかに記載の駆動制御装置。
  9. 前記第2の範囲の上限と下限とが設定される、請求項8に記載の駆動制御装置。
  10. 前記出力部は、前記第2の範囲の上限と下限との各々に対応する警告を出力する、請求項9に記載の駆動制御装置。
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