JP2013057720A - 光モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバーからの光信号を受光素子で受ける構成、発光素子からの光信号を光ファイバーで受ける構成のいずれであっても、光結合効率が向上する光モジュールを提供する。
【解決手段】第1溝1aと、第1溝1aよりも深い略台形状の第2溝1bとが表面に連なって形成された基板1と、この基板1の第1溝1a内に設けられた内部導波路16とを備えている。第1溝1aの先端部に形成された光路変換用のミラー部15と、このミラー部15と対向するように基板1の表面に実装され、ミラー部15を介して内部導波路16のコア部17に光信号を出射する発光素子12aとを備えている。第2溝1b内にファイバークラッド部22が設置され、内部導波路16のコア部17と光学的に接続されるファイバーコア部21を有する光ファイバー2を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光信号を送信あるいは受信する光モジュールに関する。
従来の光モジュールとしては、特許文献1に記載されている光モジュールが知られている。この光モジュールでは、図20に示すように、基板30に形状の異なる2つのV溝31,32が形成されている。一方のV溝31には、光ファイバー33のクラッド部33bが固定されている。クラッド部33bは、V溝31,32の境部分の立ち上がり傾斜部36によって位置決めされている。他方のV溝32の先端には、ミラー(反射面)34が形成されている。このミラー34によって、光ファイバー33のコア部33aの光軸が変えられる。そして、基板30に実装される受光素子35は、光ファイバー33からの光信号を受光する。
特開平9−54228号公報
しかしながら、上記の光モジュールでは、光ファイバー33のコア部33aの先端33cからミラー34までの距離が長い。そのため、コア部33aから出射された光束が広がるので、光結合効率が低下するという問題があった。
本発明は、前記問題を解消するためになされたものである。本発明の目的は、光ファイバーからの光信号を受光素子で受ける構成、および発光素子からの光信号を光ファイバーで受ける構成のいずれであっても、光結合効率が向上する光モジュールを提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、表面において、少なくとも1本の第1溝と前記第1溝よりも深い第2溝とが連続して形成された基板と、前記基板の第1溝内に設けられた内部導波路と、前記第1溝の先端部に設けられた光路変換用のミラー部と、前記ミラー部と対向するように前記基板の前記表面に実装され、前記ミラー部を介して前記内部導波路の前記コア部に光信号を出射し、若しくは前記ミラー部を介して前記内部導波路の前記コア部からの光信号を受光する光素子と、前記第2溝内に設置されたファイバークラッド部および前記内部導波路の前記コア部と光学的に接続されるファイバーコア部を有する光ファイバーとを備え、前記第2溝は、所定の幅で形成された底面と、前記底面の幅方向の両端の夫々に接続し前記ファイバークラッド部の外周を支持した傾斜面とを備えていることを特徴とする光モジュールを提供するものである。
前記内部導波路の前記コア部は、前記光素子が発光素子である場合において、前記ミラー部から前記光ファイバーの前記ファイバーコア部との接続端部に向かって、前記コア部の幅が徐々に細くなるような斜面を有する構成とすることができる。
前記内部導波路の前記コア部は、前記光素子が受光素子である場合において、前記光ファイバーの前記ファイバーコア部との接続端部から前記ミラー部に向かって、前記コア部の幅が徐々に細くなるような斜面を有する構成とすることができる。
前記内部導波路の前記コア部の幅は、前記第1溝の上端の幅よりも狭い構成とすることができ、好ましくは、前記ファイバーコア部の幅と略同幅である構成とすることができる。
前記第1溝は断面形状が略台形状であり、前記第1溝の底面は前記内部導波路の前記コア部よりも幅が広い構成とすることができる。
前記基板の前記表面に、前記第2溝に連続して、前記第2溝よりも深い断面形状が略V字形状の第3溝が形成され、前記第3溝は、所定の幅で形成された底面と、前記第3溝の底面の幅方向の両端の夫々に接続し前記光ファイバーの被覆部の外周を支持した傾斜面とを備えている構成とすることができる。
前記基板は、前記基板よりもサイズが大きい別基板に設置され、前記別基板に、前記光ファイバーの被覆部が固定されている構成とすることができる。
また、前記基板の前記表面に、前記第2溝に連続して、前記第2溝よりも深い断面形状が略V字形状の第3溝が形成され、前記第3溝には、光ファイバーの被覆部が設置される構成において、前記基板よりもサイズが大きい別基板に設置され、前記別基板に、前記光ファイバーの前記被覆部が固定されている構成とすることができる。
前記基板は、前記基板よりもサイズが大きい別基板に設置され、前記光ファイバーの被覆部の外周に被覆体が固定されて、前記別基板に、前記光ファイバーの被覆体が固定されている構成とすることができる。
複数の前記第1溝の各々は、互いに分離して前記基板に配置されている構成とすることができる。
本発明によれば、基板の第1溝にコア部を有する内部導波路を設け、基板の第2溝内に設置した光ファイバーのファイバーコア部を内部導波路のコア部と光学的に接続するようにしている。そして、光素子が発光素子である場合においてミラー部を介して内部導波路のコア部に光信号を出射し、光素子が受光素子である場合においてミラー部を介して内部導波路のコア部からの光信号を受光するようになる。
このように、光ファイバーのファイバーコア部の先端とミラー部との間に内部導波路を介在させているから、発光素子から出射された光束、および光ファイバーのファイバーコア部から出射された光束のいずれも広がらない。したがって、光ファイバーのファイバーコア部の先端とミラー部との間の光信号の伝搬ロスがほとんど無くなるため、光結合効率が向上するようになる。
例えば光素子の発光面が基板側にあるフリップチップ実装では、光素子の真下に光ファイバを近づけることが望ましいが、ファイバ外径の寸法によっては光素子の下に近づけ難く、また、溝を深くすると光素子との距離が長くなる。このような場合でも、上記のように内部導波路を介在させているから、光ファイバーのファイバーコア部の先端とミラー部との間の光信号の伝搬ロスをほとんど無くすことが可能になり、光結合効率を向上できる。
又、第2溝は底面を備えたものとされているため、断面V字形状のように溝を深くして傾斜面を長くせずに済み、例えば第2溝をエッチングにより形成する場合には、上記断面V字形状のものに比べて容易に短時間で形成できる。
本発明の実施形態に係る光モジュールの概略側面図である。 図1の発光側の光モジュールの第1基板を示す図であり、図2(a)は側面断面図、図2(b)は図2(a)のI−I線断面図、図2(c)は図2(a)のII−II線断面図である。 第1基板を示す図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は内部導波路を形成した斜視図である。 第1基板を示す図であり、図4(a)は発光素子を実装した斜視図、図4(b)は光ファイバーを挿入した斜視図である。 図5(a)は第1基板に押さえブロックを固定した斜視図、図5(b)は光ファイバーの斜視図である。 第1溝の底面と内部導波路のコア部との関係を示す正面断面図である。 第1変形例の第1基板を示す図であり、図7(a)は斜視図、図7(b)は正面断面図である。 第2変形例の第1基板の正面断面図である。 第3変形例の第1基板を示す図であり、図9(a)は斜視図、図9(b)は側面断面図である。 発光素子側の内部導波路のコア部の変形例を示す図であり、図10(a)は平面図、図10(b)は図10(a)の正面断面図、図10(c)、(d)はそれぞれ別変形例の平面図である。 受光素子側の内部導波路のコア部の変形例を示す図であり、図11(a)は平面図、図11(b)は図11(a)の正面断面図、図11(c)、(d)はそれぞれ別変形例の平面図である。 第2基板に光ファイバーの被覆部を接着固定した第1例の側面断面図である。 第2基板に光ファイバーの被覆部を接着固定した第2例の側面断面図である。 本発明の他の実施形態である第1基板を示す図であり、図14(a)は斜視図、図14(b)は正面断面図である。 本発明のさらに他の実施形態である第1基板を示す図であり、基板表面全体に酸化膜層が形成された第1基板の断面図である。 本発明のさらに他の実施形態である第1基板を示す図であり、基板の表面に形成された酸化膜層を遮蔽部の表面だけ部分的に除去することによって除去部分が形成された第1基板の断面図である。 本発明のさらに他の実施形態である第1基板を示す図であり、遮蔽部に光吸収体が配置された第1基板の断面図である。 (a)は、第2溝の他の実施形態の断面図、(b)は、第2溝の更に他の実施形態の断面図である。 光モジュールの他の実施形態に係り、(a)は、第2基板の上面にコネクタを配設した断面図、(b)は、第2基板の上面に電気端子を配設した断面図である。 特許文献1の光モジュールを示す図であり、図20(a)は側面断面図、図20(b)は正面断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係る光モジュールの概略側面図である。図2(a)〜(c)は図1の発光側の光モジュールの第1基板1を示す図であり、図2(a)は側面断面図、図2(b)は図2(a)のI−I線断面図、図2(c)は図2(a)のII−II線断面図である。図3(a)〜(b)は第1基板1を示す図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は内部導波路を形成した斜視図である。図4(a)〜(b)は第1基板1を示す図であり、図4(a)は発光素子12aを実装した斜視図、図4(b)は光ファイバー2を挿入した斜視図である。図5は押さえブロック24を固定した斜視図である。
図1において、光モジュールは、発光側の基板である第1基板(マウント基板)1と、受光側の基板である第1基板(マウント基板)3と、この第1基板1,3を光学的に結合する光ファイバー2とを備えている。なお、以下の説明においては、図1の上下方向(矢印Yの方向)を上下方向(高さ方向)、紙面と直交する方向を左右方向(幅方向)、図1の左側を前方、右側を後方という。
実装時の熱の影響や使用環境による応力の影響を避けるために、第1基板1、3には、剛性が必要である。また、光伝送の場合には、発光素子から受光素子までの光伝送のために所定割合以上の効率が必要になるので、光素子を高精度に実装することや使用中の位置変動を極力抑制する必要がある。このため、第1基板1,3として、本実施形態ではシリコン(Si)基板が採用されている。
第1基板1、3がシリコン基板であれば、第1基板1、3は、シリコンの結晶方位を利用して表面に高精度のエッチング溝加工が可能である。この溝を利用して高精度なミラー部15(後述)を形成することが可能である。この溝の内部に内部導波路16(後述)を形成することが可能になる。また、シリコン基板の平坦性は、良好である。
第1基板1,3は、それよりもサイズが大きい第2基板(別基板、例えば、インタポーザ基板)6の表面(上面)にそれぞれ設置されている。各第2基板6の裏面(下面)には、他の回路装置に電気的に接続するためのコネクタ7がそれぞれ取付けられている。
第1基板1の表面(上面)には、電気信号を光信号に変換する発光素子12aが発光面を下向きとしてバンプ12c(図2参照)で実装されている。また、第2基板6の表面には、この発光素子12aに電気信号を送信するためのIC回路が形成されたIC基板(信号処理部)4aが実装されている。
発光素子12aとして、本実施形態では、半導体レーザである面発光レーザ〔VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)〕が採用されている。この発光素子12aはLED等でもよい。
IC基板4aは、前記VCSELを駆動するドライバICであり、発光素子12aの近傍に配設されている。そして、発光素子12aおよびIC基板4aは、第1基板1の表面と第2基板6の表面に形成された配線パターンに接続されている。
第1基板1の表面(上面)には、図3(a)に示すように、断面形状が略台形状の第1溝(導波路形成用溝)1aと、第1溝1aよりも深い第2溝1bが前後方向に連続して形成されている。
第2溝1bは、所定の幅で形成された底面1fと、後述の光ファイバー2のファイバークラッド部22の外周と当接して支持した2つの傾斜面1eとを備えている。これらの傾斜面1eは、夫々、底面1fの幅方向の両端夫々に接続しそれらの両端夫々から、上方に行くに従い互いの距離が漸次大きくなるように、斜め上方に向かって第1基板1の表面(上面)まで延ばされている。これらの傾斜面1eに光ファイバー2のファイバークラッド部22の外周を当接させることにより、ファイバークラッド部22のセンターリングを行うことができる。
また、底面1fは、傾斜面1eと光ファイバー2のファイバークラッド部22の外周とが当接した際、そのファイバークラッド部22の外周と非接触になるように形成されている。
第1溝1aの先端部には、発光素子12aの真下となる位置に、光路を90度屈曲させるための光路変換用のミラー部15が形成されている。
第1基板1の第1溝1a内には、図3(b)に示すように、第1基板1の発光素子12aと光学的に結合する内部導波路16が設けられている。この内部導波路16は、ミラー部15から第2溝1bの方向に延在していて、第1溝1aの後端部1dからミラー部15側に少し後退している。
内部導波路16は、光が伝播する屈折率の高い断面略正方形状のコア部17と、それよりも屈折率の低いクラッド部18とから構成されている。
図2(c)のように、コア部17の左右の両面(両側面)は、クラッド部18で覆われている。また、図示されていないが、コア部17の上面も、クラッド部18で薄く覆われている。
図4(a)に示されるように、内部導波路16が設けられた第1基板1の表面の所定位置には、発光素子12aが実装されている。この発光素子12aとコア部17との間の空間には、図2(a)に示されるように、接着性の光学透明樹脂13が充填されている。
ここで、この発光側の光モジュールの製造方法について説明する。なお、発光側の光モジュールと受光側の光モジュールとを別々に製造することが可能であり、それらの製造方法は同じであるため、代表して発光側の光モジュールの製造方法を説明する。
シリコンウエハ(シリコン基板)を用いて、複数個のマウント基板1を同時に形成し、最終的にシリコンウエハを切断して図3に示すマウント基板1を個片化する。シリコンウエハとしては、次工程のエッチングを行うために、結晶方位を選定したものを準備する。
次に、シリコンウエハに、第1溝(導波路形成用溝)1aおよびミラー部15形成用の45°傾斜面を形成する。これらは、シリコン結晶のエッチング速度の違いを利用した異方性エッチングにより形成する。45°傾斜面を形成するためには、エッチングマスク形状とエッチャント濃度、組成を調整して形成する。異方性エッチング以外にも、第1溝1aの形成には、反応性イオンエッチング等のドライエッチングの形成方法がある。
第1溝1aを45°傾斜面と同時に形成するときには、第1溝1aの断面形状が略台形状になって第1溝1aの溝幅が大きくなる。第1溝1aは、次工程で形成する発光素子12a用のボンディングパッドにかからなければ問題ないため、このようにすることも可能である。
また、第2溝1bは、上記異方性エッチングにより形成できるが、第2溝1bは、第1溝1aを形成する際に同時に形成し、或いは、第1溝1aとは別に行ってもよい。
シリコンウエハ上に発光素子12aを実装するための配線パターン(図示せず)を形成する。配線は、シリコンウエハ上に金を蒸着することによりパターンニングを行う。このとき、45°傾斜面にも金を同時に蒸着し、ミラー部15を形成する。なお、使用する波長にもよるが、45°傾斜面に金を蒸着せずに45°傾斜面をそのままミラー部15とすることも可能であるが、例えば近赤外線の光源を用いる場合には、45°傾斜面に金を蒸着すれば、反射率が上がり、光結合効率が上がる。なお、金以外にも配線材料として、後工程の半田実装の簡便さや接続信頼性の観点で、マウント基板上にチタン、ニッケル、金、アルミニウムあるいは、クロム、ニッケル、金等の多層構造を形成することもある。多層時の厚みは、例えばそれぞれ0.5μm、1μm、0.2μmである。
次に、図3に示すように第1溝1a内に内部導波路16を形成する。まず、コア材と第1基板1上に塗布し、平坦な金型を用いてコア材を第1基板1上に平坦になるようにならす。その後、マスクを用いてコア部分のみに紫外線を照射してコア部を硬化させて、コア部以外の不要な部分を現像して除去する。次にコア部が形成された第1溝1aにコア材よりも屈折率の低いクラッド材を塗布して、コア材と同様に第1基板1上にクラッド材を平坦にする。平坦にした状態で、マスクを用いて、第1溝1a部分に紫外線が照射されるように遮蔽して、クラッド材を硬化させる。マスクは、コア部外周部を覆う領域のみを硬化するように調整されており、光素子12aの実装部分の回路にクラッド材が覆い被さらないように設計されている。
そして、シリコンウエハに、図4に示すように発光素子12aを実装する。発光素子12aに、スタッドバンプボンディングによりバンプを形成し、シリコンウエハ、発光素子12aを200℃に加熱して超音波接合を行う。
なお、図示は省略するが、発光素子12aの実装後は、発光素子12aと第1基板1の間に、アンダーフィル材を充填して、発光素子12aと第1基板1との接合強度の補強を行う。また、ファンダーフィル材には、光素子と内部導波路間の空気層をなくし、光結合効率高める効果もある。また、耐環境性を向上させるために、全体を弾性のある封止材で封止してもよい。
そして、図1に示すように第2基板6の表面(上面)に、発光素子12aが実装された第1基板1が実装されるとともに、IC基板4aが実装され、更に、第2基板6の下面に、コネクタ7が取付けられる。
上述のように、この実施形態では、第2基板6の上面に実装した第1基板1の上面に、発光素子12aを実装するとともに、第2基板6の上面にIC基板4aを実装し、その下面にコネクタ7を実装したものである。
これにより、第2基板6の上面に第1基板1を実装する前に、第1基板6のIC基板4aと、第1基板1の発光素子12aとは、個別に検査することが容易になる。
また、発光素子12aとIC基板4aのいずれかが不良であっても、第2基板6または第1基板1の一方が不良となるだけであるので、基板全体がロスにならなくなる。
さらに、IC基板4aを実装した第2基板6ではなく、第1基板1に発光素子12aが実装され、ミラー部15および内部導波路16が形成されている。これにより、IC基板4aからの熱影響が発光素子12aに及びにくくなって、発光特性が安定するようになる。
図1に戻って、受光側の第1基板3について説明する。この受光側の第1基板3の基本的な構成は、発光側の第1基板1と同様に構成されている。ただし、受光側の第1基板3の表面(上面)に、光信号を電気信号に変換する受光素子12bが受光面を下向きとしてバンプで実装されている。また、第2基板6の表面に、この受光素子12bに電気信号を送信するためのIC回路が形成されたIC基板(信号処理部)4bが実装されている点で、発光側の第1基板1と異なる。この受光素子12bとしては、PDが採用されており、IC基板4bは、電流・電圧の変換を行うTIA(Trans−impedance Amplifier)などの素子である。
発光側の第1基板1と受光側の第1基板3およびIC基板4a,4bは、第2基板6の表面に取付けられたシールドケース8によってそれぞれシールドされている。光ファイバー2は、シールドケース8の貫通孔8aを貫通している。
次に、光ファイバー2を説明する。光ファイバー2は、図1および図5に示すように、発光側の第1基板1の内部導波路16のコア部17と受光側の第1基板3の内部導波路16のコア部17とを光学的に結合可能なファイバーコア部21を内部に有している。光ファイバー2は、ファイバーコア部21と、このファイバーコア部21の外周を包囲するファイバークラッド部22と、このファイバークラッド部22の外周を被覆する被覆部23とで構成されるコードタイプである。このファイバーコア部21とファイバークラッド部22と被覆部23は、同心状に配置され、これらで構成される光ファイバー2は、円形断面を有する。
光ファイバー2は、図1に示されるように、シールドケース8の貫通孔8aを貫通しており、第1基板1の第2溝1bの手前付近で被覆部23が剥がされている。したがって、この剥がされた部分において、ファイバークラッド部22が露出されている。
図2(a)(c)および図4(b)に示されるように、第1基板1の第2溝1bには、光ファイバー2のファイバークラッド部22が設置され、第1溝1aとの境部分の立ち上がり傾斜部によって、ファイバークラッド部22は、位置決めされている。このときに、第1基板1の内部導波路16のコア部17と光ファイバー2のファイバーコア部21の光軸が一致した位置決め状態で光学的に結合される。
第1基板1の内部導波路16のコア部17の端面と光ファイバー2のファイバーコア部21の端面との間の隙間は、0〜200μmの範囲である。好適な範囲は両コア部17,21の大きさに依るが、一般的には、隙間は0〜60μmが好ましい。
第1基板1の上側には、図2(a)および図5に示されるように、光ファイバー2のファイバークラッド部22の上部には押えブロック24が配置されている。この押えブロック24と第2溝1bとの間の空間には、接着剤14が充填されている。
このように、光ファイバー2のファイバークラッド部22の先端側の部位は、押えブロック24によって第2溝1bに押え付けられた状態となっている。この先端側の部位は、押えブロック24とともに第1基板1に接着剤14によって接着固定される。
前記のように構成した光モジュールでは、第1基板1の第1溝1aにおいて、コア部17とクラッド部18とからなる内部導波路16が設けられている。また、第1基板1の第2溝1b内に設置された光ファイバー2のファイバーコア部21は、内部導波路16のコア部17と光学的に接続されている。そして、光素子が発光素子12aである発光側の第1基板1では、ミラー部15を介して内部導波路16のコア部17に光信号を出射し、光素子が受光素子12bである受光側の第1基板3では、ミラー部15を介して内部導波路16のコア部17からの光信号を受光する。
このように、光ファイバー2のファイバーコア部21の先端とミラー部15との間に内部導波路16が介在しているから、発光素子12aから出射された光束、および光ファイバー2のファイバーコア部21から出射された光束のいずれもが広がることがない。したがって、光ファイバー2のファイバーコア部21の先端とミラー部15との間の光信号の伝搬ロスがほとんど無くなるため、光結合効率が向上する。
また、第1溝1aの底面を内部導波路16のコア部17よりも広い幅にすれば、図6に示されるように、コア部17の成形時において、内部導波路16のコア部17をパターニング(光硬化)する際、底面での不要な反射がなくなる。したがって、この場合、高精度なコア形状を得ることができる。
図1〜図6に示される実施形態の内部導波路16では、第1基板1の導波路形成用溝である第1溝1aを断面略台形状とし、コア部17を断面略正方形状として、コア部17の左右の両面がクラッド部18で覆われている。
しかしながら、内部導波路16は、このタイプに限られるものではない。例えば、図7(a)(b)に示す内部導波路16のように、第1基板1の第1溝1aは、第2溝1bよりも浅い断面形状が略V字形状に形成され、コア部17は、第1溝1aに適合した断面略五角形形状に形成されて、コア部17の左右の両面がクラッド部18で覆われてもよい。
また、図8に示す内部導波路16のように、第1基板1の表面とともに第1溝1a内の表面にも絶縁のためのシリコン酸化膜40が形成されている場合には、このシリコン酸化膜40がコア部17よりも屈折率の低いクラッド部18として機能する。したがって、シリコン酸化膜(クラッド部18に相当)40が形成された第1溝1a内の全体にコア用樹脂を充填することにより、断面略逆三角形状のコア部17を形成してもよい。
図8に示される内部導波路16では、第1溝1a内の全体がコア部17となることから、発光素子12aからの光束がコア部17で幅方向に広がって、光束の一部が光ファイバー2のファイバーコア部21に至らないおそれがある。
そこで、図7(b)に示されるように、コア部17の幅W1をファイバーコア部21の幅W2と略同幅とすることで、光束のほぼ全部を光ファイバー2のファイバーコア部21に至らせることができるので、光結合効率が向上する。なお、コア部17の幅W1は、必ずしもファイバーコア部21の幅W2と略同幅とする必要はなく、第1溝1aの上端の幅W3よりも狭いものであればよい。これらのことは、図2(c)に示されるように、コア部17が断面略正方形状のものでも同様である。
内部導波路16のコア部17は、光素子が発光素子12aである発光側の第1基板1では、図10(a)(b)に示されるように、ミラー部15から光ファイバー2のファイバーコア部21との接続端部に向かって、その幅W(両側面17a間の距離)が直線的に徐々に細くなるような斜面状に形成することができる。また、両側面17aは、図10(c)に示されるような段階的な直線の斜面状、あるいは図10(d)に示されるような曲線の斜面状に形成することもできる。
逆に、光素子が受光素子12bである受光側の第1基板3では、図11(a)(b)に示されるように、内部導波路16のコア部17は、光ファイバー2のファイバーコア部21との接続端部からミラー部15に向かって、その幅W(両側面17a間の距離)が直線的に徐々に細くなるような斜面状に形成するこができる。また、両側面17aは、図11(c)に示されるような段階的な直線の斜面状、あるいは図11(d)に示されるような曲線の斜面状に形成することもできる。
このようにすれば、光素子が発光素子12aのときは、内部導波路16のコア部17を先細り(すなわち、前方へ行くにしたがって細くなる形状)とすることによって、発光素子12aから出射された光束が収束される。また、光素子が受光素子12bのときは、内部導波路16のコア部17を後細り(すなわち、後方へ行くにしたがって細くなる形状)とすることによって、光ファイバー2のファイバーコア部21から出射された光束が収束される。したがって、いずれの場合でも光結合効率がより向上するようになる。
図9(a)(b)に示すように、第1基板1の表面(上面)には、第2溝1bに連続して、第2溝1bよりも深い断面形状が略台形状の第3溝1cが形成されている。その第3溝1cには、光ファイバー2の被覆部23が設置されることが可能である。
詳しくは、この実施形態の第3溝1cは、所定の幅で形成された底面1hと、光ファイバー2の被覆部23の外周と当接して支持する2つの傾斜面1gとを備えている。これらの第3溝の傾斜面1gは、夫々、第3溝1cの底面1hの幅方向の両端夫々と接続しそれらの両端夫々から、互いの距離が上方に行くに従い漸次大きくなるように、斜め上方側に向かって第1基板1の表面まで延ばされている。また、第3溝1cの底面1hは、傾斜面1gと光ファイバー2の被覆部23の外周とが当接した際、その被覆部23の外周と非接触になるように形成されている。
このようにすれば、光ファイバー2の被覆部23も第1基板1の第3溝1cに設置できるから、ファイバークラッド部22の被覆部23との境界部分に光ファイバー2からの応力が集中するのを防止することができる。又、第3溝1cの傾斜面1gに光ファイバー2の被覆部23の外周が当接することにより、光ファイバー2の被覆部23のセンターリングを行うことができる。
ファイバークラッド部22と同様に、被覆部23を第3溝1cに接着剤で接着固定すれば、光ファイバー2の固定強度が向上する。また、モジュール外部から光ファイバー2に曲げ力や引っ張り力が作用しても、内部導波路16との光結合部に影響しないために、光結合効率が低下することがない。
また、被覆部23が第3溝1cに接着固定されない場合には、図12に示すように、第2基板6の表面に肉盛り(すなわち、上方へ突出するように付与)された接着剤20によって、光ファイバー2の被覆部23が第2基板6に固定されることが可能である。
このようにすれば、光ファイバー2の被覆部23を第2基板6に設置して固定できるから、光ファイバー2の固定強度が向上する。また、モジュール外部から光ファイバー2に曲げ力や引っ張り力が作用しても、内部導波路16との光結合部に影響しないために、光結合効率が低下しなくなる。さらに、光ファイバー2の被覆部23を第1基板1の第3溝1cに設置して固定する構造を併用すれば、より固定強度が向上する。
図13に示すように、光ファイバー2の被覆部23にチューブ状の被覆体25が嵌め込まれる場合には、第2基板6に、光ファイバー2の被覆部23と被覆体25とを接着剤20で固定することができる。この被覆体25は、各基板1,6に光ファイバー2を平行状態に維持できる外径に設定されている。なお、被覆体25は、被覆部23の外周を覆うものであれば、被覆部23に嵌め込むものに限らない。
また、被覆体25を第1基板1の第3溝1c部分で接着してもよい(図示せず)。
被覆部23は、例えばUV硬化性樹脂で形成された厚さ5〜100μm程度の層であり、被覆体25は、例えばPVCやナイロン、または熱可塑性ポリエステルエラストマー(例えば、ハイトレル(登録商標))で形成され、単心では外径が900ミクロン程度のものである。
このように構成すれば、被覆体25は、第2基板6に設置され、光ファイバー2の被覆部23とともに第2基板6に固定されることが可能である。それによって、光ファイバー2の固定強度が向上する。また、モジュール外部から光ファイバー2に曲げ力や引っ張り力が作用しても、内部導波路16との光結合部に影響しないために、光結合効率が低下しなくなる。さらに、光ファイバー2の被覆部23を第1基板1の第3溝1cに設置して固定する構造を併用すれば、より固定強度が向上する。加えて、光ファイバー2の自重による撓みを被覆体25の厚みによって抑制することができ、光ファイバー2を各基板1,6に平行状態で固定できる。それによって、光ファイバー2と内部導波路16との光結合部に応力が発生しにくいので、光結合効率が低下しにくくなる。なお、第2基板6に被覆体25のみを接着剤20で固定しても、同様の作用効果を奏することができる。
被覆体25は、シールドケース8の貫通孔8aから外部に出る光ファイバー2の被覆部23の曲げに対する保護のために、貫通孔8aの前後部分の被覆部23に嵌め込む短いタイプ(例えば20〜40mm長さ)がある。また、被覆体25は、光ファイバー2の全体の強度保護および難燃対応のために、モジュール間を繋ぐ被覆部23の全長を覆う長いタイプがある。
前記実施形態において、ミラー部15の傾斜角度を45度とすれば、光結合効率が良好になる。
また、第1基板1がシリコン(Si)製であれば、第1溝1aと第2溝1bは、シリコンの異方性エッチングで形成することができる。これによれば、シリコンの結晶方位性を利用した溝加工が可能であり、第1溝1aでは高精度なミラー形状を形成でき、第2溝1bでは光ファイバー2の設置の位置ずれを低減することができる。
また、内部導波路16の材料として感光性樹脂を用いることができる。これによれば、イオンドープや堆積法を繰り返して形成する無機内部導波路と比較すると、安価で形成が容易となる。
さらに、第1溝1aの内部を含む第1基板1の表面にシリコン酸化膜を形成して、内部導波路16のコア部17の屈折率をシリコン酸化膜よりも大きくすることができる。これによれば、第1溝1aに内部導波路16のコア部17となる材料を充填することで、容易に内部導波路16を形成することができる。
また、上記実施形態では、1つの基板上に第1溝および第2溝がそれぞれ1本ずつ形成された例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図14(a)および図14(b)に示されるように、第1溝1aおよび第2溝1bをそれぞれ複数本ずつ形成し、複数本の第1溝1aを平行に配置するとともに複数本の第2溝1bを平行に配置するようにしてもよい。
図14(a)および図14(b)に示される光モジュールでは、第1基板1の表面には、図14(a)に示すように、断面形状が略台形状の複数の第1溝(導波路形成用溝)1aが、互いに第1基板1の材料によって分離された状態で平行に配置されている。
さらに、第1基板1の表面には、第1溝1aよりも深い断面形状が略V字形状の複数の第2溝1bが、各第1溝1aの端部から前後方向に連続して形成されている。
各々の第1溝1aの先端部には、図14(a)に示すように、光路変換用のミラー部15が形成されている。各々の第1溝1aの内部には、図14(b)に示すように、各々の第1溝1aに対応する発光素子12aと光学的に結合する内部導波路16が設けられている。
内部導波路16は、光が伝播する屈折率の高い断面略正方形状のコア部17と、それよりも屈折率の低いクラッド部18とから構成されている。図14(b)に示すように、コア部17の左右の両面(両側面)は、クラッド部18で覆われている。また、コア部17の上面には、クラッド部18が薄く覆われている。
図14(a)および図14(b)に示される構成では、複数の第1溝1aが互いに第1基板1の材料によって分離された状態で配置されているので、第1溝1aの各々を通る光信号が隣接する第1溝1aへ漏洩(クロストーク)することを抑制することが可能である。
また、図14(b)に示されるように、隣接する内部導波路16のコア部17の間隔Pは、本発明ではとくに限定するものではなく、任意に設定することが可能である。例えば、従来公知の光ファイバーアレイの光ファイバーが250μm間隔で配置される場合が多いことを考慮して、コア部17の間隔Pは250μm程度に設定してもよい。
第2溝1bの大きさについても、本発明ではとくに限定するものではない。最も汎用的に用いられる細径の光ファイバーの外径が125μmであることを考慮して、第2溝1bの大きさは、クラッド部22の外径が125μm程度である光ファイバーに対応する大きさに設定してもよい。なおクロストークの抑制のためには、図14のように第2溝1bについても隣接する第2溝1bと分離することが望ましい。
さらに、本発明のさらに他の実施形態として、図15に示される光モジュールでは、第1溝1aが複数本配置された構造において、基板1の表面全体(すなわち、第1溝1aの表面および遮蔽部30の表面の全体)に酸化膜層34が形成されている。遮蔽部30は、基板1における第1溝1aの間において上向きに突出した部分であり、第1溝1aの間のミラー部15の反射光の散乱成分aが漏洩しないように遮蔽する。
酸化膜層34は、光信号を第1溝1aの外へ漏洩しないように反射させることが可能であり、ミラー部15の反射光の散乱成分aの漏洩も抑制することが可能である。この構成によれば、酸化膜層34が光信号を反射する反射層となるので、光信号の漏洩(クロストーク)をより抑制できる。赤外光などからなる光信号は、厳密にいえば、シリコンなどからなる基板1を減衰しながら透過する性質を有しているが、上記のように、光信号を酸化膜層34で反射することによって、クロストーク抑制効果を向上するができる。
なお、図15では、光の経路を視認しやすいように、発光部12aを有する光素子11と基板1との隙間が誇張して大きく図示されているが、実際には、この隙間は微小なものであり、大きなクロストークは発生しない。以下、図16〜17についても同様である。
さらに、本発明のさらに他の実施形態として、図16に示される光モジュールは、図15に示されるように酸化膜層34が基板1の表面に形成された構造において、上向きに突出した遮蔽部30の表面の酸化膜層34が部分的に除去されることによって、除去部分32が形成されている。この構成によれば、発光部12aを有する光素子11とクラッド部18との間を多重反射する漏洩光dが発生した場合、この漏洩光dを酸化膜層34の除去部分32から第1基板1に吸収させることができる。
さらに、本発明のさらに他の実施形態として、図17に示される光モジュールでは、第1基板1の上向きに突出した遮蔽部30の表面に、この遮蔽部30に沿った光吸収体35が配置されている。光吸収体35としては、例えば不透光性のアクリル若しくはエポキシ樹脂が用いられる。この構成によれば、発光部12aを有する光素子11とクラッド部18との間を多重反射する漏洩光dが発生した場合、この漏洩光dを光吸収体35によって吸収させて光の漏洩を遮断することができる。
また光素子11は一体アレイ状のものに限らず、発光素子12aがそれぞれ分離したものでもよいし、発光素子12aと受光素子12bを併載したものでもよい。さらに複数のミラー部15は必ずしも同一線上に配置する必要はなく、例えば、第一溝1aおよび内部導波路16の長さを隣接するチャンネルと異なるようにし、ミラー部15および発光素子12aまたは12bをオフセットして配置することで、クロストーク抑制効果をさらに向上できる。
又、上記実施形態では、第1基板の第2溝の底面は、平面状に形成されたが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば図18(a)に示すように、第1基板100の第2溝100bの底面100fは、湾曲状のものとされ、そして、この湾曲状の底面100fの幅方向の両端夫々から傾斜面100eが斜め上方側に向かって形成されたものでもよい。
又、上記実施形態では、第1基板の第2溝の底面と傾斜面とは、互いに直接接続しものであったが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば図18(b)に示すように、傾斜面200eと底面200fとは、接続部200iを介して間接的に接続される形態のものでもよい。
詳しくは、第1基板200の第2溝200bは、その底面200fの幅方向の両端夫々から鉛直方向に延ばされた接続部200iを備えたものとし、そして、傾斜面200eは、夫々、それらの接続部200i夫々から、斜め上方側に向かって形成されたものとする。尚、第3溝についても、上記第2溝と同様に、底面は、湾曲状のものとし、又、底面と傾斜面とを、接続部を介して間接的に接続されるものでもよく、適宜変更できる。
さらに、上記実施形態では、コネクタ7は、第2基板6の裏面(下面)に取付けられたが、この形態のものに限らず、例えば図19(a)に示すように、コネクタ107を、第2基板6の表面(上面)に配設することも可能であり、適宜変更できる。
又、コネクタ7に代え、第2基板6の表面に電気端子207を配設したものとしてもよい。そして、例えば第2基板6の端部に係脱自在に嵌合する他のコネクタ207aに、その電気端子207と接続する電気端子207bを設け、上記他のコネクタ207aを第2基板6に嵌合させる。これにより、電気端子207を他のコネクタ207aの電気端子207bに接続できるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態の光モジュールは、表面において、少なくとも1本の第1溝と前記第1溝よりも深い第2溝とが連続して形成された基板と、この基板の第1溝内に設けられた内部導波路と、第1溝の先端部に設けられた光路変換用のミラー部と、このミラー部と対向するように基板の表面に実装され、ミラー部を介して内部導波路のコア部に光信号を出射し、若しくはミラー部を介して内部導波路のコア部からの光信号を受光する光素子と、前記第2溝内に設置されたクラッド部および内部導波路のコア部と光学的に接続されるファイバーコア部を有する光ファイバーを備え、前記第2溝は、所定の幅で形成された底面と、前記底面の幅方向の両端の夫々に接続し前記ファイバークラッド部の外周を支持した傾斜面とを備えていることを特徴とするものである。
これによれば、基板の第1溝にコア部を有する内部導波路を設け、基板の第2溝内に設置した光ファイバーのファイバーコア部を内部導波路のコア部と光学的に接続するようにしている。そして、光素子が発光素子である場合においてミラー部を介して内部導波路のコア部に光信号を出射し、光素子が受光素子である場合においてミラー部を介して内部導波路のコア部からの光信号を受光する。
このように、光ファイバーのファイバーコア部の先端とミラー部との間に内部導波路を介在させているから、発光素子から出射された光束、および光ファイバーのファイバーコア部から出射された光束のいずれも広がらない。したがって、光ファイバーのファイバーコア部の先端とミラー部との間の光信号の伝搬ロスが何れの方向においてもほとんど無くなるため、光結合効率が向上する。
例えば光素子の発光面が基板側にあるフリップチップ実装では、光素子の真下に光ファイバを近づけることが望ましいが、ファイバ外径の寸法によっては光素子の下に近づけ難い。また、溝を深くすると光素子との距離が長くなる。このような場合でも、上記のように内部導波路を介在させているから、光ファイバーのファイバーコア部の先端とミラー部との間の光信号の伝搬ロスをほとんど無くすことが可能になり、光結合効率を向上できる。
又、第2溝は底面を備えたものとされているため、断面V字形状のように溝を深くして傾斜面を長くせずに済み、例えば第2溝をエッチングにより形成する場合には、上記断面V字形状のものに比べて容易に短時間で形成できる。
また、前記内部導波路のコア部は、光素子が発光素子である場合において、ミラー部から光ファイバーのファイバーコア部との接続端部に向かって、前記コア部の幅が徐々に細くなるような斜面を有する構成とすることができる。
これによれば、光素子が発光素子のときは、内部導波路のコア部を先細りとすることで、発光素子から出射された光束が収束されるようになる。したがって、光結合効率がより向上する。
また、前記内部導波路のコア部は、光素子が受光素子である場合において、光ファイバーのファイバーコア部との接続端部からミラー部に向かって、前記コア部の幅が徐々に細くなるような斜面を有する構成とすることができる。
これによれば、光素子が受光素子のときは、内部導波路のコア部を後細りとすることで、光ファイバーのファイバーコア部から出射された光束が収束されるようになる。したがって、光結合効率がより向上する。
また、前記内部導波路のコア部の幅は、第1溝の上端の幅よりも狭い構成とすることができる。
これによれば、内部導波路のコア部の幅が第1溝の上端の幅と同じである場合には、光素子からの光束がコア部で幅方向に広がって、光束の一部が光ファイバーのファイバーコア部に至らないおそれがある。そこで、コア部の幅を第1溝の上端の幅よりも狭く、好ましくは、ファイバーコア部の幅と略同幅とすることで、光束のほぼ全部を光ファイバーのファイバーコア部に至らせることができるので、光結合効率が向上する。
また、前記第1溝は断面形状が略台形状で、第1溝の底面は内部導波路のコア部よりも幅が広い構成とすることができる。
これによれば、第1溝の底面を内部導波路のコア部よりも広い幅にしたから、コア部の成形時に、内部導波路のコア部をパターニング(光硬化)する際、底面での不要な反射がなくなるので、高精度なコア形状を得ることができる。因みに、特許文献1に示されるようなV溝であると、光が反射してパターニング精度が著しく低下する懸念がある。
また、前記基板の表面に、第2溝に連続して、第2溝よりも深い第3溝が形成され、前記第3溝は、所定の幅で形成された底面と、前記第3溝の底面の幅方向の両端の夫々と接続され前記光ファイバーの被覆部の外周を支持した傾斜面とを備えている構成とすることができる。
これによれば、光ファイバーの被覆部も第1基板の第3溝に設置できるから、ファイバークラッド部の被覆部との境界部分に光ファイバーからの応力が集中するのを防止することができる。
又、第3溝は底面を備えたものとされているため、断面V字形状のように溝を深くして傾斜面を長くせずに済み、例えば第3溝をエッチングにより形成する場合には、上記断面V字形状のものに比べて容易に短時間で形成できる。
また、前記基板は、この基板よりもサイズが大きい別基板に設置され、この別基板に、前記光ファイバーの被覆部が固定されている構成とすることができる。
これによれば、光ファイバーの被覆部を別基板に設置して固定できるから、光ファイバーの固定強度が向上する。また、モジュール外部から光ファイバーに曲げ力や引っ張り力が作用しても、内部導波路との光結合部に影響しないために、光結合効率が低下しなくなる。
また、前記基板は、この基板よりもサイズが大きい別基板に設置され、前記光ファイバーの被覆部の外周に被覆体が固定されて、前記別基板に、前記被覆体が固定されている構成とすることができる。
これによれば、被覆体を別基板に設置して固定できるから、光ファイバーの固定強度が向上する。また、モジュール外部から光ファイバーに曲げ力や引っ張り力が作用しても、内部導波路との光結合部に影響しないために、光結合効率が低下しなくなる。加えて、光ファイバーの自重による撓みを被覆体の厚みで抑制して、光ファイバーを各基板に平行状態で固定できる。それによって、内部導波路との光結合部に応力が発生しにくいので、光結合効率が低下しにくくなる。
また、複数の前記第1溝の各々は、互いに分離して前記基板に配置されている構成とすることができる。
これによれば、複数の第1溝1aが互いに分離された状態で配置されているので、第1溝1aの各々を通る光信号が漏れて隣接する第1溝1aを通る光信号へ影響を与える現象、いわゆるクロストークの発生を抑えることが可能である。また、それによって、各々の第1溝1aにおける光結合効率が高くなる。
1 第1基板
1a 第1溝
1b、100b 第2溝
1c 第3溝
1e、100e 第2溝の傾斜面
1f、100f 第2溝の底面
2 光ファイバー
6 第2基板(別基板)
12a 発光素子(光素子)
12b 受光素子(光素子)
15 ミラー部
16 内部導波路
17 コア部
18 クラッド部
21 ファイバーコア部
22 ファイバークラッド部
23 被覆部
25 被覆体
W1〜W3 幅

Claims (10)

  1. 表面において、少なくとも1本の第1溝と前記第1溝よりも深い第2溝とが連続して形成された基板と、
    前記基板の第1溝内に設けられた内部導波路と、
    前記第1溝の先端部に設けられた光路変換用のミラー部と、
    前記ミラー部と対向するように前記基板の前記表面に実装され、前記ミラー部を介して前記内部導波路の前記コア部に光信号を出射し、若しくは前記ミラー部を介して前記内部導波路の前記コア部からの光信号を受光する光素子と、
    前記第2溝内に設置されたファイバークラッド部および前記内部導波路の前記コア部と光学的に接続されるファイバーコア部を有する光ファイバーとを備え、
    前記第2溝は、所定の幅で形成された底面と、前記底面の幅方向の両端の夫々に接続し前記ファイバークラッド部の外周を支持した傾斜面とを備えていることを特徴とする光モジュール。
  2. 前記内部導波路の前記コア部は、前記光素子が発光素子である場合において、前記ミラー部から前記光ファイバーの前記ファイバーコア部との接続端部に向かって、前記コア部の幅が徐々に細くなるような斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  3. 前記内部導波路の前記コア部は、前記光素子が受光素子である場合において、前記光ファイバーの前記ファイバーコア部との接続端部から前記ミラー部に向かって、前記コア部の幅が徐々に細くなるような斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
  4. 前記内部導波路の前記コア部の幅は、前記第1溝の上端の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光モジュール。
  5. 前記第1溝は断面形状が略台形状であり、前記第1溝の底面は前記内部導波路の前記コア部よりも幅が広いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光モジュール。
  6. 前記基板の前記表面に、前記第2溝に連続して、前記第2溝よりも深い第3溝が形成され、
    前記第3溝は、所定の幅で形成された底面と、前記第3溝の底面の幅方向の両端の夫々に接続し前記光ファイバーの被覆部の外周を支持した傾斜面とを備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光モジュール。
  7. 前記基板は、前記基板よりもサイズが大きい別基板に設置され、前記別基板に、前記光ファイバーの被覆部が固定されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光モジュール。
  8. 前記基板は、前記基板よりもサイズが大きい別基板に設置され、前記別基板に、前記光ファイバーの前記被覆部が固定されていることを特徴とする請求項6に記載の光モジュール。
  9. 前記基板は、前記基板よりもサイズが大きい別基板に設置され、前記光ファイバーの被覆部の外周に被覆体が固定されて、前記別基板に、前記被覆体が固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光モジュール。
  10. 複数の前記第1溝の各々は、互いに分離して前記基板に配置されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光モジュール。
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