JP2012211158A - 細胞外アンタゴニストおよび細胞内アンタゴニストによる受容体チロシンキナーゼの抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、細胞外および細胞内RTKアンタゴニストの両方の組合せを利用することによる受容体チロシンキナーゼの抑制方法を提供することを目的とする。
【解決手段】細胞外RTKアンタゴニストは、受容体の細胞外結合領域と相互作用することにより受容体チロシンキナーゼの活性化を抑制する生物学的分子または小分子である。細胞内RTKアンタゴニストは、キナーゼドメインを保有する受容体の細胞内領域と相互作用することにより、または受容体チロシンキナーゼのシグナル伝達経路に関与する細胞内タンパク質と相互作用することにより、受容体チロシンキナーゼのチロシンキナーゼ活性を抑制する生物学的分子または小分子である。本発明は、細胞外および細胞内RTKアンタゴニストの両方の組合せを投与することによるチロシンキナーゼ依存性疾患の治療方法、ならびにこのような方法において用いるためのその組成物も提供する。
【選択図】なし
【解決手段】細胞外RTKアンタゴニストは、受容体の細胞外結合領域と相互作用することにより受容体チロシンキナーゼの活性化を抑制する生物学的分子または小分子である。細胞内RTKアンタゴニストは、キナーゼドメインを保有する受容体の細胞内領域と相互作用することにより、または受容体チロシンキナーゼのシグナル伝達経路に関与する細胞内タンパク質と相互作用することにより、受容体チロシンキナーゼのチロシンキナーゼ活性を抑制する生物学的分子または小分子である。本発明は、細胞外および細胞内RTKアンタゴニストの両方の組合せを投与することによるチロシンキナーゼ依存性疾患の治療方法、ならびにこのような方法において用いるためのその組成物も提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストによる受容体チロシンキナーゼ(RTK)の抑制方法に関する。特に本発明は、細胞外および細胞内RTKアンタゴニストの両方を投与することによる、哺乳類におけるチロシンキナーゼ依存性疾患および症状の治療方法に関する。
RTKは、いくつかの細胞過程、例えば細胞増殖および分化の制御および調節、細胞生存の促進、ならびに細胞代謝の調整と関連づけられてきた膜貫通型タンパク質である。RTKに関するリガンドは、可溶性または膜結合ペプチドまたはタンパク質ホルモンである。一般にRTKとのリガンドの結合は、受容体チロシンキナーゼ活性を刺激し、これがその後、生化学的および生理学的変化のシグナル伝達カスケードを刺激し、最後にDNA合成および細胞分裂に終わる。このような受容体の例としては、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)、インスリン受容体、血小板由来増殖因子(PDGFR)、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)、肝細胞増殖因子受容体(HGFR)および神経増殖因子受容体(NGFR)が挙げられる。
一般にRTKは、細胞外領域、膜貫通疎水性ドメイン、そしてキナーゼドメインを保有する細胞内領域を有する。リガンドがこのようなRTKの細胞表面の細胞外結合領域と結合する場合、受容体における立体配座変化が生成され、これは細胞内チロシンキナーゼドメインのリン酸化部位を曝露する。受容体における立体配座変化は、関連RTKによるホモまたはヘテロ二量体化合物にも生成され得る。これらのドメインのリン酸化はチロシンキナーゼ活性を刺激して、シグナル伝達経路を開始し、これは次に、遺伝子活性化および細胞周期進行、そして最後に細胞増殖および分化を引き起こす。
さらに、リガンドの結合は、多数のRTKを二量体化させて、そして各受容体モノマーのタンパク質キナーゼはその二量体相手の細胞内領域中の別個の組のチロシン残基をリン酸化する(自己リン酸化と呼ばれる過程)。自己リン酸化は一般に、2段階で起こる。先ず、触媒部位近くのリン酸化lip中のチロシン残基がリン酸化される。これは、ATPまたはタンパク質基質と受容体との結合を促す立体配座変化をもたらす。
次にリン酸化受容体は、RTK媒介性シグナル伝達に関与する他のタンパク質のためのドッキング部位として役立つ。これらのタンパク質としては、活性化RTK上の特定のホスホチロシンと結合しそしてSosと結合するアダプタータンパク質GRB2、次に不活性Ras−GDP複合体(Rasは、結合GTPを伴う活性「オン」状態と結合GDPを伴う不活性「オフ」状態との間を交替するGTP−結合スイッチタンパク質である)と相互作用する別の細胞内タンパク質が挙げられる。次にSosのグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)活性は、活性Ras−GTP複合体の形成を促す。Rasは次に、MAPキナーゼの活性化に終わるキナーゼカスケードを誘導する。特に活性化Rasは、セリン−トレオニンキナーゼであるRafのN末端ドメインと結合する。Rafは次に、チロシンおよびセリン残基の両方をリン酸化し、別のセリン−トレオニンキナーゼであるMAPキナーゼを活性化する二重特異性タンパク質キナーゼであるMEKと結合し、リン酸化する。MAPキナーゼは、細胞性応答を媒介する多数の異なるタンパク質、例えば核転写因子をリン酸化する。
RTKに関連したシグナル伝達経路における異常は、多数の病理学的結果、例えば癌、心臓血管性疾患、炎症性疾患およびその他の増殖性疾患に関与すると考えられる。例えばいくつかのRTKは、増殖因子の非存在下でさえ、細胞に増殖シグナルを送る増殖因子受容体の突然変異体形態と関連付けられるヒト癌に関する試験で同定されている。neu遺伝子座でコードされるこのような一突然変異体受容体は、ある種のヒト乳癌の非制御増殖に関与すると考えられる。RTKの特定の成員も、種々のヒト癌と関連づけられてきた。
腫瘍形成に関与する一RTKはEGF受容体ファミリーであり、この例としては、EGF受容体(EGFR、erbB−1/HER1としても既知である)、HER2(c−neu/erbB−2としても既知である)、erbB−3/HER3およびerbB−4/HER4が挙げられる。例えばEGFRおよびHER2は、腫瘍細胞増殖および生存を調節する過程において重要な役割を演じると考えられる。特にEGFRは、生存およびアポトーシスからの防御、分化、転移(例えば細胞移動および侵襲)に関連づけられてきており、そしてEGFRは、新規血管を形成することによりそれら自身の血管系を作製する固形腫瘍の能力である新脈管形成にも関連づけられてきた。
多数のヒト腫瘍は受容体のEGFファミリーの1つまたは複数の成員を発現するかまたは過剰発現する、ということが報告されている。特にEGFR存在は、不十分な予後、腫瘍拡散の危険性増大、ならびにある種の腫瘍型の全体的生存短縮と相関すると思われる。後期疾患における標準化学療法および放射線照射に対する不十分な全体的応答は、このような標準アプローチにより殺されない腫瘍細胞における損傷を修復するEGFRの能力のためであり得る、ということも考えられる。さらにHER2陽性転移性乳癌は特に攻撃的な疾患であり、HER2陰性乳癌と比較して、再発のより大きな可能性、不十分な予後ならびにほぼ半分の余命を生じる、ということを研究は示している。HER2タンパク質過剰発現は、原発性乳癌の25〜30%で観察されている。
VEGFRファミリーの成員も、腫瘍形成と関連づけられてきた。例えばこれらの受容体は、腫瘍形成、新脈管形成および腫瘍増殖において一役を演じる、と考えられる。VEGFRは、例えば胚形成および腫瘍形成中に内皮細胞上に選択的に発現され、そして腫瘍増殖を低減するために内皮細胞上で発現されるVEGF受容体によりシグナル伝達を遮断するVEGFRアンタゴニストが開発されてきた。VEGF受容体は、いくつかの非内皮細胞、例えばVEGFを産生する腫瘍細胞上にも見出されており、この場合、内皮細胞非依存性自己分泌ループが生成されて、腫瘍増殖を抑制する。
したがって、RTKの適切な阻害薬、調節物質またはモジュレーターを開発することにより、RTKのシグナル伝達経路が調整されて、これらの病理学的結果を治療または予防し得る。腫瘍形成におけるEGFRおよびVEGFRの関与のため、これらのRTKは抗癌薬療法に関して特異的に標的にされてきた。この療法は、リガンドと受容体の細胞外ドメインとの結合を遮断するモノクローナル抗体、あるいはRTKの細胞内領域に直接作用してシグナル伝達を妨げる合成チロシンキナーゼ阻害薬を主に包含する。
一般的に臨床試験において種々のモノクローナル抗体阻害薬が存在する。このような一例は、EGFRとのリガンド結合を遮断し、受容体活性化を防止し、そして培養中の細胞の増殖を抑制するキメラ(ヒト/マウス)モノクローナル抗体であるセツキシマブである。別の例はABX−EGFであり、これはEGFおよびTFG−αの結合を遮断すると報告されているEGFRに特異的な完全ヒトモノクローナル抗体である。ヘルセプチン(登録商標)(トラスツズマブ)は、HER2陽性転移性乳癌の治療のために認可されたヒト化抗体であり、これはHER2タンパク質過剰発現の機能を標的にし、そして遮断するよう意図される。
さらに臨床試験は一般的に、種々の小分子阻害薬に関して実行されている。チロシンキナーゼ阻害薬の一例は、EGFRチロシンキナーゼ活性を抑制すると報告されている小分子上皮増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害薬であり、機能性EGFRを発現する一連のヒト癌細胞に対して細胞分裂抑制的であり、p27の上向き調節を介して腫瘍細胞増殖を抑制し得るイレッサTMである。
RTKを標的にする一般的小分子療法は、投薬が継続する間、感受性腫瘍の増殖を抑制することが見出されたが、しかしそれらは時々、重症副作用と関連する。一旦小分子を用いた投与が終結されると、腫瘍再増殖が起こり、これは、治療前よりなおいっそう大きい比率で起こり得る、ということが報告されている。さらに小分子チロシンキナーゼ阻害薬の連続投与は、その他の副作用、例えば発疹、下痢、粘膜炎および好中球減少症を生じることが示されている。
本発明は、細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストを用いることによる受容体チロシンキナーゼ(RTK)の抑制方法を提供する。特に本発明は、細胞外および細胞内RTKアンタゴニストの両方を投与することによる、哺乳類におけるチロシンキナーゼ依存性疾患および症状、例えば腫瘍増殖の治療方法を提供する。このような治療は、単独での細胞外RTKアンタゴニストまたは単独での細胞内RTKアンタゴニストの投与と比較して、腫瘍増殖抑制に及ぼす増強されたまたは相乗的な作用を生じる。本発明は、細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストを含む製剤組成物も提供する。
本発明は、細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストを用いたRTKの抑制方法を提供する。RTKは、細胞外領域、膜貫通疎水性ドメイン、ならびにキナーゼドメインを保有する細胞内領域を有する膜貫通型細胞表面受容体である。リガンド結合、あるいは別のRTKとのホモまたはヘテロ二量体形成により起こり得る細胞外領域の活性化後、細胞内キナーゼドメインが活性化される。RTKシグナル伝達経路は、細胞内ドメインが活性化され、チロシンキナーゼ活性が刺激されると開始され、それにより種々の遺伝子を活性化し、細胞周期進行を開始し、そして最後に細胞増殖および分化を開始する。
好ましくはRTKは、EGFRファミリーの一成員、例えばEGFRまたはerbB−1、erbB−2、erbB−3またはerbB−4である。さらに好ましくはRTKはEGFRであり、これは、例えばEGF、TNF−α、アムフィレグリン、ヘパリン結合EGF(HB−EGF)、ベータセルリン、エピレグリンおよびNRG2−αと結合する170 kDa膜貫通型糖タンパク質である。さらにまた好ましくはRTKは、185 kDaの膜貫通受容体タンパク質をコードする癌原遺伝子HER2である。RTKは、VEGF受容体(VEGFR)ファミリーの一成員でもあり、この例としてはVEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3、ニューロピリン−1およびニューロピリン−2が挙げられる。VEGFR−1およびVEGFR−2と結合するリガンドとしては、VEGFのアイソフォーム(VEGF121、VEGF145、VEGF165、VEGF189およびVEGF206)が挙げられる。
本発明のアンタゴニストが結合し得る他のRTKの例としては、PDGF受容体(PDGFR)ファミリーの成員、例えばPDGFR−α(PDGF−AA、PDGF−BBおよびPDGF−ABと結合する)およびPDGFR−β(PDGF−BBと結合);FGF受容体(FGFR)ファミリーの成員、例えばFGRF−1およびFGFR−2;HGF受容体(HGFR)ファミリーの成員;NGR受容体(NGFR)ファミリーの成員、例えばCD27およびCD40;ならびにインスリン受容体ファミリーの成員、例えばインスリン受容体(IR)、1型インスリン様増殖因子I受容体(IGF−IR)およびインスリン受容体関連受容体(IRR)が挙げられるが、これらに限定されない。
細胞外RTKアンタゴニストは、本発明との関係では、チロシンキナーゼ活性が抑制されるよう、RTKアンタゴニストと受容体の細胞外結合領域との間の十分な物理的または化学的相互作用によりRTKの細胞外結合領域と相互作用する。会合または結合を包含するこのような化学的相互作用の例は当該技術分野で既知であり、例としてはRTKアンタゴニストおよび細胞外結合領域間の共有結合、イオン結合、水素結合等が挙げられる、と当業者は理解する。
細胞内RTKアンタゴニストは、本発明との関係では、受容体リン酸化および/または種々のRTKシグナル伝達経路に関与するその他のタンパク質のリン酸化を防止することにより、RTKのチロシンキナーゼ活性を抑制する。細胞内RTKアンタゴニストは、キナーゼドメインを保有する細胞内領域と結合するかまたはその活性化を抑制することにより、あるいはRTKのシグナル伝達経路に関与する任意の細胞内タンパク質と結合するかまたはその活性化を抑制することにより、RTKのチロシンキナーゼ活性を抑制し得る。
もちろん、細胞外アンタゴニストおよび細胞内アンタゴニストはともに同一RTK経路を抑制するよう機能すべきであるが、しかしこれらの経路は別個のシグナル伝達経路であり得る、と理解されるべきである。したがって経路は互いに完全に独立して機能し得るし、細胞外経路は、細胞内経路が存在しない場合に活性化され、そしてその逆も同じである。さらに各経路の作用メカニズムは異なり得る;したがって異なる活性化およびシグナル伝達を生じ得る。
理論に結び付けて考えたくはないが、細胞外RTKアンタゴニストは、RTK活性化後のRTKの細胞外領域における立体配座変化により開始される全てのシグナル伝達カスケードを抑制する。この抑制は、表面RTK、ならびに細胞内にインターナライズされたRTKを包含する。例えば活性化RTKは、依然としてそれらのシグナル伝達活性を保持しながら、クラテリン被覆ピットによりエンドソーム中にインターナライズされ得る、と考えられる。インターナライゼーション後、このような受容体は、細胞表面にリサイクルされ戻されるか、あるいはエンドソームまたはリソソーム中で分解される。リガンドと受容体との結合は受容体の再利用を促し得るが、一方、別の受容体(即ちホモまたはヘテロ二量体)とあるいはアンタゴニストと受容体との結合はRTKの分解を促進し得る。
細胞外および細胞内RTKアンタゴニストは、本発明との関係では、受容体の細胞外結合領域との相互作用によりRTKの活性化を抑制(即ち、細胞外アンタゴニスト)するか、あるいはその経路に関与する細胞内チロシンキナーゼドメインまたは任意のその他の細胞内タンパク質との相互作用によりリン酸化を抑制(即ち、細胞内アンタゴニスト)して、それにより最終的に遺伝子活性化または細胞増殖を抑制する生物学的分子、小分子または任意のその他の物質であり得る。一般にRTKアンタゴニストはRTKの活性化を低減するが、RTKの活性化を必ずしも完全に防止または停止しない。
生物学的分子は、本発明との関係では、一般に650 Dより大きい分子量を有する全てのアミノ酸、ヌクレオチド、脂質および単糖類のポリマーを包含する。したがって生物学的分子としては、例えばオリゴペプチド、ポリペプチド、ペプチドおよびタンパク質、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチド、例えばDNAおよびRNA、ならびにオリゴ糖および多糖が挙げられる。生物学的分子はさらに、上記の分子のいずれかの誘導体を包含する。例えば生物学的分子の誘導体としては、脂質およびグリコシル化誘導体またはオリゴペプチド、ポリペプチド、ペプチドおよびタンパク質が挙げられる。生物学的分子の誘導体はさらに、オリゴ糖および多糖の脂質誘導体、例えばリポ多糖を包含する。最も典型的には生物学的分子は、抗体またはその機能的誘導体である。
本発明のこのような抗体は、抗原と特異的に結合する例えば天然抗体、二価断片、例えば(Fab‘)2、一価断片、例えばFab、一本鎖抗体、例えば一本鎖Fv(scFv)、単一ドメイン抗体、多価一本鎖抗体、二重特異性抗体、三重特異性抗体等(これらは一または二特異的である)であり得る。本発明の抗体は、効率的結合を提供する単一抗体可変ドメインを効率的に結合しそして包含する単一ドメイン抗体でもあり得る。重鎖のホモ二量体でありそして軽鎖および第一定常ドメインを欠く抗体も用いられ得る。
概して本発明の抗体は、ヒトVHおよびVLフレームワーク領域(FW)ならびにヒト相補性決定領域(CDR)を含む。好ましくは全VHおよびVL可変ドメインは、ヒト配列であるかまたはヒト配列に由来する。さらにまた本発明の抗体の可変ドメインは完全抗体重鎖または軽鎖可変ドメインであり得るし、あるいはそれは天然ドメインの機能的等価物または突然変異体または誘導体、あるいは当業者に既知の技法を用いて構築された合成ドメインであり得る。例えば少なくとも1つのアミノ酸を失っている抗体可変ドメインに対応するドメインを一緒に連結することが可能である。重要な特性を成す特徴は、相補的ドメインと会合して抗原結合部位を形成する各ドメインの能力である。
選定供給源からのVLおよびVHドメインは、機能性ヒト定常ドメインを有するキメラ抗体中に組み入れられ得る。本発明の抗体は「ヒト化」もされ、そしてヒトフレームワーク領域(FR)にグラフトされた非ヒト起源の1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)を含む。あるいはヒト結合ドメインまたは抗体は、非整列ヒトIg遺伝子セグメントが導入され、そして内因性マウスIg遺伝子が不活性化されたトランスジェニック動物から得られる(Bruggemann and Taussig (1997) Curr. Opin. Biotechnol. 8, 455-458で再検討されている)。このようなマウスから産生されるモノクローナル抗体は、ヒトである。
抗体の機能的等価物も本発明により意図され、そして全長抗体の可変または超可変部のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを包含する。「実質的に同一の」アミノ酸配列は、本明細書中では、Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85, 2444-8 (1988)に従ってFASTA検査方法により確定した場合、別のアミノ酸配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも約80%、さらに好ましくは少なくとも約90%の相同性を有する配列と定義される。本発明の抗体は、結合特質(例えば親和性および特異性)が直接的突然変異、親和性成熟の方法、ファージ表示または鎖シャッフリングにより改良されたものも包含する。
抗体または抗体の混合物は、好ましくは細胞外RTKアンタゴニストとして用いられる。抗体は細胞外ドメインと結合し、そして好ましくは、例えば受容体二量体化および/またはリガンド結合を遮断することにより、RTK活性化を中和する。さらに好ましくは細胞外RTKアンタゴニストは、EGFR抗体である。
このようなEGFR抗体の一例は、セツキシマブ(IMC−C225)であり、これはキメラ(ヒト/マウス)IgGモノクローナル抗体である(例えば米国特許第4,943,533号(Mendelsohn等);米国特許第6,217,866号(Schlessinger等);米国特許出願08/973,065号(Goldstein等)および09/635,974(Teufel);WO 99/60023(Waksal等)およびWO 00/69459参照)。セツキシマブはEGFRと特異的に結合し、そしてリガンド、例えばEGFの結合を遮断する。この遮断は、EGFR活性化の作用を妨げ、そして腫瘍増殖、腫瘍侵襲、転移、細胞修復および新脈管形成の抑制を生じる。さらにまたは代替的に、セツキシマブは受容体−抗体複合体のインターナライゼーションを促して、そのリガンドによる、または任意のその他のメカニズムによる受容体のさらなる刺激を防止し得る。
EGFR抗体の別の例はABX−EGFであり、これは、EGFRに特異的な完全ヒトIgG2モノクローナル抗体である。ABX−EGFは高特異性でEGFRを結合し、そのリガンド、EGFおよびTGF−αの何れもとのEGFRの結合を遮断する(例えばFiglin et al., Abstract 1102(37th Annual Meeting of ASCO, San Francisco, CA, 12-15 May 2001に提示)参照)。以前はクローンE7.6.3として既知であったABX−EGFの配列および特性化は、米国特許第6,235,883号(Abgenix, Inc.)のカラム28の62行〜カラム29の36行に、そして図29〜34に開示されている(参照Yang et al., Critical Rev. Oncol./Hematol., 38 (1): 17-23, 2001)。
ヘルセプチン(登録商標)(トラスツズマブ)は、細胞ベースの検定において高親和性(5 nMのKd)で、ヒトEGFR2タンパク質HER2の細胞外ドメインと選択的に結合する組換えDNA由来ヒト化モノクローナル抗体である。抗体は、HER2と結合するネズミ抗体(4D5)の相補性決定領域とともにヒトフレームワーク領域を含有するIgG1κである(例えば国際特許公告WO 01/89566(Mass)参照)。
本発明の細胞外RTKとして用いられ得るその他のEGFR抗体としては、EMD72000(MerckKGaA)(これは、ネズミ抗EGFRモノクローナル抗体EMD55900のヒト化バージョンである);h−R3(TheraCIM)(これは、ヒト化抗EGFRモノクローナル抗体である);Y10(これは、ネズミモノクローナル抗体であり、ヒトEGFRvIII突然変異のネズミ相同体に対して産生された);ならびにMDX−447(Medarex)が挙げられる(米国特許第5,558,864号(Bendig等)、第5,884,093号(Kettleborough等)、第5,891,996号(Mateo de Acosta del Rio等)参照)。
本発明の細胞外RTKアンタゴニストは、VEGFR抗体でもあり得る。VEGFR抗体を産生する細胞株としては、ラット抗マウスVEGFR−2モノクローナル抗体を産生するDC101ハイブリドーマ細胞株(ATCC HB11534);マウス抗マウスVEGFR−2モノクローナル抗体MAb25を産生するM25.18A1ハイブリドーマ細胞株(ATCC HB12152);マウス抗マウスVEGFR−2モノクローナル抗体MAb73を産生するM73.24ハイブリドーマ細胞株(ATCC HB12153);ならびに可溶性および細胞表面発現VEGFR−1と結合するMAb6.12を産生する細胞株(ATCC PTA−3344)が挙げられる。抗VEGFR−1抗体を産生するその他のハイブリドーマとしては、WO 98/22616、WO 99/59636、オーストラリア国受理出願AU1998 50666 B2、およびカナダ国出願CA 2328893に開示されたハイブリドーマKM1730(FERM BP−5697として寄託);KM1731(FERM BP−5718として寄託);KM1732(FERM BP−5698として寄託);KM1748(FERM BP−5699として寄託);およびKM1750(FERM BP−5700として寄託)が挙げられるが、これらに限定されない。VEGFR−2特異的抗体のさらなる例としては、IMC−1C11(WO 00/44777(Zhu等);WO 01/90192(Zhu)参照)およびIMC−2C6(Lu et al., 2002;PCT/US02/20332(Zhu)参照)が挙げられる。
その他のVEGFRアンタゴニストが当該技術分野で既知である。VEGFRアンタゴニストのいくつかの例は、米国特許出願第07/813,593号;第07/906,397号;第07/906,507号;第07/977,451号;第08/055,269号;第08/252,517号;第08/601,891号;第09/021,324号;第09/208,786号および第09/919,408号(全てLemischka等);米国特許第5,840,301号(Rockwell等);米国特許出願第08/706,804号;第08/866,969号;第08/967,113号;第09/047,807号;第09/401,163号および第09/798,689号(すべてRockwell等);米国特許出願第09/540,770号(Witte等);ならびにPCT/US01/06966(Liao等)に記載されている。米国特許第5,861,301号(Terman等)、Terman et al. Oncogene 6: 1677-1683 (September 1991)、WO 94/10202(Ferrara等)、およびWO 95/21865(Ludwig)は、VEGFRアンタゴニスト、特に抗VEGFR−2抗体を開示する。さらにPCT/US 95/01678(Kyowa Hakko)は、抗VEGFR−2抗体を記載する。抗VEGFR抗体は、米国特許出願第09/976,787号(Zhu等)にも記載されている。米国特許第6,177,401号(Ullrich等)、第5,712,395号(App等)および第5,981,569号(App等)は、有機分子であるVEGFRアンタゴニストを記載する。さらにKDRおよびVEGFR−1に向けられる2つの異なる抗原結合特異性または部位を有する抗体である二重特異性抗体(BsAbs)が既知である(例えば米国特許出願第09/865,198(Zhu)号;第60/301,299(Zhu)号参照)。
特異的VEGFアンタゴニストの1つが、VEGFに対する組換えヒト化モノクローナル抗体(rhuMAb−VEGF)であるアバスチンTM(ベバシズマブ、Genentech)である。VEGFと結合し、それを抑制するよう意図されるアバスチンは、全体的生存改善の一次終点を示す転移性結腸直腸癌患者におけるIII相臨床試験に関与する。
細胞内RTKアンタゴニストは、好ましくは小分子である。小分子のいくつかの例としては、有機化合物、有機金属化合物、有機化合物および有機金属化合物の塩、ならびに無機化合物が挙げられる。小分子中の原子は、共有およびイオン結合を介して一緒に連結される;前者は小有機化合物、例えば小分子チロシンキナーゼ阻害薬に関して典型的であり、そして後者は、小無機化合物に特徴的である。小有機分子中の原子の配置は、鎖、例えば炭素−炭素鎖または炭素−異種原子鎖を表し得るし、あるいは炭素原子を含有する環、例えばベンゼンまたは多環式系、あるいは炭素および異種原子の組合せ、即ち複素環、例えばピリミジンまたはキナゾリンを表し得る。小分子は任意の分子量を有し得るが、しかしそれらは一般に、それらの分子量が650 D以下である場合を除いて、そうでなければ生物学的分子である分子を包含する。小分子は、天然に見出される化合物、例えばホルモン、神経伝達物質、ヌクレオチド、アミノ酸、糖、脂質およびそれらの誘導体、ならびに伝統的有機合成、生体媒介性合成またはそれらの組合せにより、合成的に製造される化合物の両方を包含する(例えばGanesan, Drug Discov. Today 7(1): 47-55(Jan. 2002); Lou, Drug Discov. Today, 6(24): 1288-1294 (Dec. 2001)参照)。
さらに好ましくは、本発明の細胞内RTKアンタゴニストとして用いられるべき小分子は、キナーゼドメインを有するEGFRの細胞内結合領域と、あるいはEGFR活性化のシグナル伝達経路に関与するタンパク質と結合するためのATPと競合する細胞内EGFRアンタゴニストである。このようなシグナル伝達経路の例としては、ras−分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)経路、ホスファチジルイノシタール−3キナーゼ(PI3K)−Akt経路、ストレス活性化タンパク質キナーゼ(SAPK)経路、ならびに転写のシグナル伝達物質および活性化物質(STAT)経路が挙げられる。このような経路に関与する(そして本発明の小分子EGFRアンタゴニストが結合する)タンパク質の例としては、GRB−2、SOS、Ras、Raf、MEK、MAPKおよびマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)が挙げられるが、これらに限定されない。
小分子EGFRアンタゴニストの一例は、IRESSATM(ZD1939)であり、これは、ATP模倣物として作用してEGFRを抑制するキノザリン誘導体である(米国特許第5,616,582号(Zeneca Limited);WO96/33980(Zeneca Limited)P.4参照;Rowinsky et al., Abstract 5 presented at the 37th Annual Meetnig of ASCO, San Francisco, CA, 12-15 May 2001;Anidio et al., Abstract 1712 presented at the 37th Annual Meetnig of ASCO, San Francisco, CA, 12-15 May 2001も参照)。
小分子EGFRアンタゴニストの別の例はTARCEVATM(OSI−774)であり、これは、4−(置換フェニルアミノ)キノザリン誘導体[6,7−ビス(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン−4−イル]−(3−エチニル−フェニル)アミン塩酸塩]EGFR阻害薬である(WO 96/30347(Pfizer Inc.)の例えば2ページ12行〜4ページ34行および19ページ14-17行参照。Moyer et al., Cancer Res., 57: 4838-48 (1997);Pollack et al., J. Pharmacol., 291: 739-48 (1999)も参照)。TARCEVATMは、EGFRおよびその下流PI3/Aktのリン酸化ならびにMAP(分裂促進因子活性化タンパク質)キナーゼシグナル伝達経路を抑制して、p27媒介性細胞周期休止を生じることにより、機能し得る(Hidalgo et al., Abstract 281 presented at the 37th Annual Meetnig of ASCO, San Francisco, CA, 12-15 May 2001参照)。
その他の小分子もEGFRを抑制することが報告されており、その多くが、EGFRのチロシンキナーゼドメインと結合すると考えられる。これらの例としては、三環式化合物、例えば米国特許第5,679,683号に記載されている化合物;キナゾリン誘導体、例えば米国特許第5,616,582号に記載されている誘導体;およびインドール化合物、例えば米国特許第5,196,446号に記載されている化合物が挙げられる。このような小分子EGFRアンタゴニストの例は、WO 91/116051、WO 96/30347、WO 96/33980、WO 97/27199(Zeneca Limited)、WO 97/30034(Zeneca Limited)、WO 97/42187(Zeneca Limited)、WO 97/49688(Pfizer Inc.)、WO 98/33798(Warner Lambert Company)、WO 00/18761(American Cyanamid Company)およびWO 00/31048(Warner Lambert Company)に記載されている。天然由来EGFRチロシンキナーゼ阻害薬としては、ゲニステイン、ヘルビマイシンA、クエルセチンおよびエルブスタチンが挙げられる。
特定の小分子EGFRアンタゴニストの例としては、C1−1033(Pfizer)(これはチロシンキナーゼ、特にEGFRのキノザリン(N−[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−(3−モルホリン−4−イル−プロポキシ)−キナゾリン−6−イル]−アクリルアミド)阻害薬であり、そしてWO 00/31048の8ページ22-6行に記載されている);PKI166(Novartis)(これはEGFRのピロロピリミジン阻害薬であり、そしてWO 97/27199の10-12ページに記載されている);GW2016(GlaxoSmithKline)(これはEGFRおよびHER2の阻害薬である);EKB569(Wyeth)(これはin vitroおよびin vivoでEGFRまたはHER2を過剰発現する腫瘍細胞の増殖を抑制すると報告されている);AG−1478(Tryphostin)(これはEGFRおよびerbB−2の両方からのシグナル伝達を抑制するキナゾリン小分子である);AG−1478(Sugen, Pharmacia and Repligen)(これはプロテインキナーゼCK2も抑制するに置換阻害薬である);PD153035(Parke-Davis)(これはEGFRキナーゼ活性および腫瘍増殖を抑制し、培養中の細胞においてアポトーシスを誘導し、そして化学療法薬の細胞傷害性を増強することが報告されている);SPM−924(Schwarz Pharma)(これは前立腺癌の治療のために標的化されるチロシンキナーゼ阻害薬である);CP−546,989(OSI Pharmaceuticals)(これは固形腫瘍の治療のための新脈管形成の阻害薬と報告されている);ADL−681(これは、癌の治療のために標的化されるEGFRキナーゼ阻害薬である);PD158780(これはマウスにおけるA4431異種移植片の腫瘍増殖率を抑制すると報告されているピリドピリミジンである);CP−358,774(これはマウスにおけるHN5異種移植片における自己リン酸化を抑制すると報告されているキンゾリンである);ZD1839(これは外陰部、NSCLC、前立腺、卵巣および結腸直腸癌を含めたマウス異種移植片モデルにおいて抗腫瘍活性を有すると報告されているキンゾリンである);CGP59326A(これはマウスにおけるEGFR陽性異種移植片の増殖を抑制すると報告されているピロロピリミジンである);PD165557(Pfizer);ジアニルノフタルイミドであるCGP54211およびCGP53353(Novartis)が挙げられる。
細胞内RTKアンタゴニストは、EGFRのシグナル伝達経路に関与するタンパク質であるrasタンパク質の阻害薬でもあり得る。このような阻害薬は、rasタンパク質を活性化する酵素であるファルネシルトランスフェラーゼを標的化し得る。このような阻害薬としては、例えばR115777ザメストラ(Ortho-Biotech)(これはras依存性腫瘍の治療のためにゲムシタビンと組合せて用いられる);SCH66336(Schering Plough)(これは種々の固形腫瘍、例えば転移性膀胱癌、進行性膵臓癌、ならびに頭部および頚部扁平上皮癌の治療に関して報告されている);BMS−214662 Ptアーゼ(Bristol-Myers Squibb)(これは急性白血病、脊髄形成異常性症候群および慢性骨髄性白血病の治療に関して報告されている);L−778,123(Merck)(これは再発性または難治性固形腫瘍の治療に関して報告されているペプチド模倣性ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(FPTアーゼ)阻害薬である);CP−609−754(OSI PharmaceuticalsおよびPfizer)(これは固形腫瘍癌の治療に関して報告されたrasファルネシル化の阻害薬である);ならびにAZD−3409(AstraZeneca)(これは固形腫瘍の治療のために標的化されるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害薬である)が挙げられる。
細胞内RTKアンタゴニストは、ras−rafモジュレーター、例えば43-9006(Onyx Pharmaceuticals/Bayer)(これは、結腸、肺、膵臓およびその他の癌、ならびにその他の増殖性疾患の治療のために、rafキナーゼを抑制し、そしてrasシグナル伝達経路を遮断するためにras遺伝子における突然変異を有する細胞を標的にする小分子である);rasアンタゴニストFTS(Thyreos)(これは黒色腫、膵臓癌、結腸癌、肺癌、乳癌およびその他の癌の治療のために突然変異体rasタンパク質を不活性化すると報告されている)でもあり得る。
必ずしもEGFRのみに特異的な小分子および/またはアンタゴニストというわけではない細胞内RTKアンタゴニストのその他の例は、スチリル置換ヘテロアリール化合物、例えば米国特許第5,656,655号に記載された化合物;ビスモノ−ならびに二環式アリールおよびヘテロアリール化合物、例えば米国特許第5,646,153号に記載された化合物;PD153035(Fry et al., 265 Science 1093-1095(August 1994)に記載);チルフォスチン、例えばOsherov et al., J. Biol. Chem., Vol. 268, No. 15 pp.11134-11142 (1993)に記載されたもの;PD166285(6−アリール−ピリオド[2,3−d]ピリミジン)(Panek et al., J. Pharm and Exp. Therapeutics, Vo. 283, No. 3, pp. 1433-1444 (1997)に記載)である。
細胞内RTKアンタゴニストは、小分子VEGFRアンタゴニスト、例えばAXD−6474(AstraZeneca)(これは新脈管形成阻害薬であると報告されている);CEP−5214(これはシグナル伝達モジュレーターである);またはZD−6474(これは進行性固形腫瘍の治療のために新脈管形成におけるシグナル伝達経路を中断すると報告されているVEGFRチロシンキナーゼの阻害薬である)でもあり得る。
上記の細胞外および細胞内RTKアンタゴニストは例示であるに過ぎず、チロシンキナーゼ活性を抑制するその他の細胞外および細胞内RTKアンタゴニストが当業者に周知であり、および/または容易に同定可能であり、したがって本発明の範囲内である。このようなその他のアンタゴニストを同定するために、当業者に周知の種々のチロシンキナーゼ抑制検定が実施され得る。
例えば本発明のアンタゴニストは一般にリン酸化事象の抑制または調節に関与するため、本発明との関係で有用なアンタゴニストを確定するに際しては、リン酸化検定が有用であり得る。このような検定は、組換えキナーゼ受容体の自己リン酸化レベルおよび/または天然または合成基質のリン酸化を検出し得る。リン酸化は、例えばELISA検定またはウエスタンブロットにおいてホスホチロシンに特異的な抗体を用いることにより、検出され得る。チロシンキナーゼ活性を確定するためのこのようなリン酸化検定は、Panek et al., J. Pharmacol. Exp. Thera., 283: 1433-44 (1997)およびBatley et al., Life Sci., 62: 143-50 (1998)に記載されている。慣用的検定、例えばリン酸化に用いられるものおよびELISA検定の詳細な説明は、多数の出版物から、例えばSambrook, J. et al.(1989) Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Pressから得られる。
さらに、測定されているタンパク質がチロシンキナーゼ活性により調節されるタンパク質発現の検出方法が利用され得る。これらの方法としては、タンパク質発現の検出のための免疫組織化学(IHC)、遺伝子増幅の検出のための蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)、競合放射性リガンド結合検定、固体マトリックスブロッティング技法、例えばノーザンおよびサザンブロット、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)およびELISAが挙げられる(例えばGrandis et al., Cancer, 78: 1284-92. (1996); Shimizu et al., Japan J. Cancer Res., 85: 567-71 (1994); Sauter et al., Am. J. Path., 148: 1047-53 (1996); Collins, Glia, 15: 289-96 (1995); Radinsky et al., Clin. Cancer Res., 1: 19-31 (1995); Petrides et al., Cancer Res., 50: 3934-39 (1990); Hoffmann et al., Anticancer Res., 17: 4419-26 (1997); Wikstrand et al., Cancer Res., 55: 3140-48 (1995)参照)。
チロシンキナーゼ抑制を検出するために、in vivo検定も利用され得る。例えば受容体チロシンキナーゼ抑制は、阻害薬の存在下および非存在下で受容体リガンドを用いて刺激された細胞株を用いた分裂促進検定により観察され得る。別の方法は、例えばマウスに注入されたヒト腫瘍細胞を用いて、EGFR−またはVEGF発現腫瘍細胞の増殖の抑制に関して試験することを包含する(米国特許第6,365,157号(Rockwell等)参照)。
別の態様では、本発明は、治療的有効量の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストを投与することにより、哺乳類におけるチロシンキナーゼ依存性疾患および症状を治療する方法を提供する。このような症状および障害の治療は、チロシンキナーゼ依存性疾患の作用を低減し、それを防止し、その増殖を抑制し、またはその症候を軽減することを包含する。当業者は、既知の慣用的試験を用いて、このような症状および障害を容易に診断し得る。
細胞外および細胞内RTKアンタゴニストの投与は、求められる結果を達成し得る任意の方法により哺乳類にRTKアンタゴニストを送達することを包含する。RTKアンタゴニストは、例えば経口的に、非経口的(静脈内または筋肉内)に、局所的に、経皮的にまたは吸入により投与され得る。細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストは、共存的にまたは逐次的に投与され得る。哺乳類という用語は、本明細書中で用いる場合、ヒト、実験室動物、家庭用ペットおよび農場動物を含む(しかしこれらに限定されない)よう意図される。治療的有効量の投与とは、哺乳類に投与される場合、所望の治療効果、例えばキナーゼ活性の抑制を生じるのに有効である本発明の化合物の量を意味する。
任意の特定のメカニズムと結びつけるつもりはないが、本発明の方法により治療されるかまたは予防され得る疾患および症状としては、細胞増殖に関連した疾患および症状、例えば腫瘍、心臓血管性疾患、炎症性疾患およびその他の増殖性疾患が挙げられる。治療され得る腫瘍としては、原発性腫瘍および転移性腫瘍、ならびに難治性腫瘍が挙げられる。難治性腫瘍としては、化学療法薬単独、抗体単独、放射線照射単独またはそれらの組合せに応答できないかまたは耐性である腫瘍が挙げられる。難治性腫瘍は、このような作用物質を用いた治療により抑制されると思われるが、しかし治療が中断されて5年までに、時としては10年までまたはそれより長い間までに再発する腫瘍も包含する。
さらに本発明の細胞外および細胞内RTKアンタゴニストで治療され得る腫瘍としては、正常レベルでRTKを発現し、そして正常レベルのRTK活性により特性化されるものが挙げられる。当該アンタゴニストは、例えば正常レベルの少なくとも10、100または1000倍であるレベルでRTKを過剰発現する腫瘍を治療するためにも有用である。このような過剰発現は、例えば受容体遺伝子増幅、転写増大またはタンパク質代謝回転の低減(受容体安定性増大)のためであり得る。
さらに本発明のアンタゴニストは、例えば非調節化受容体活性を生じる突然変異からの受容体シグナル伝達の欠損のためにRTK活性増大を示す腫瘍を治療するために有用である。このような突然変異体受容体は、刺激のためのリガンド結合に依存し得ない(例えばPedersen et al., Ann. Oncol., 12(6): 745-60 (2001)参照)(III型EGFR突然変異(EGFRvIII、de2−7EGFRまたはAEGFRと様々に呼ばれる)は、エキソン2−7によりコードされる細胞外リガンド結合ドメインの一部分を欠く)(Wikstrand et al., Cancer Res., 55: 3140-8 (1995))も参照)。
例えば、活性増強およびEGFRの過剰発現はしばしば腫瘍進行と関連し、そして腫瘍細胞膜上のEGF受容体の増幅および/または過剰発現は、化学療法に対する低応答率および放射線抵抗性に関連づけられてきた。別の例では、HER2タンパク質過剰発現は、原発性乳癌の25%〜30%において観察された。これはIHC検定(例えばHercep TestTM)を用いて確定され、そして遺伝子増幅は、固定腫瘍ブロックのFISH検定(例えばPathVysionTM)を用いて確定され得る。
したがってEGFRを発現し、そして本発明の細胞外および細胞内アンタゴニストを用いて処理され得るEGFRのリガンドにより刺激される腫瘍としては、癌腫、神経膠腫、肉腫、腺癌、腺肉腫および腺腫が挙げられる。このような腫瘍は、身体の事実上全ての部分、例えば乳房、心臓、肺、小腸、結腸、脾臓、腎臓、膀胱、頭部および頚部、卵巣、前立腺、脳、膵臓、皮膚、骨、骨髄、血液、胸腺、子宮、精巣、子宮頸部または肝臓において生じ得る。本発明に従って処理され得るEGFRを過剰発現することが観察された腫瘍としては、結腸直腸ならびに頭部および頚部腫瘍、特に頭部および頚部の扁平上皮細胞癌、脳腫瘍、例えば神経膠芽細胞腫、ならびに肺、乳房、膵臓、食道、膀胱、腎臓、卵巣、子宮頸部および前立腺の腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。構成的に活性な(即ち非調節性)受容体チロシンキナーゼ活性を有することが観察された腫瘍の非限定例としては、神経膠腫、非小細胞肺癌、卵巣癌および前立腺癌が挙げられる。
本発明の細胞外および細胞内RTKアンタゴニストは、VEGF受容体、特にKDRを発現する腫瘍を治療するためにも有用である。このような腫瘍は、それらの環境中に存在するVEGFに対して特長的に感受性であり、そして自己分泌刺激ループ中のVEGFによりさらに産生され、刺激され得る。したがって本方法は、血管新生されないかまたは未だ実質的に血管新生されない固形または非固形腫瘍を治療するために有効である。それなりに治療され得る固形腫瘍の例としては、乳癌、肺癌、結腸直腸癌、膵臓癌、神経膠腫およびリンパ腫が挙げられる。非固形腫瘍の例としては、白血病、多発性骨髄腫およびリンパ腫が挙げられる。白血病のいくつかの例としては、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、赤芽球性白血病または単球性白血病が挙げられる。リンパ腫のいくつかの例としては、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫が挙げられる。
本発明の細胞外および細胞内RTKアンタゴニストは、新脈管形成を抑制するためにも用いられ得る。血管内皮のVEGFR刺激は、新脈管形成性疾患および腫瘍の血管新生化に関連する。典型的には血管内皮は、他の供給源(例えば腫瘍細胞)からのVEGFによりパラ分泌様式で刺激される。したがって本発明の方法は、血管新生化腫瘍または新生物または新脈管形成性疾患を有する被験者を治療するために有効であり得る。このような腫瘍および新生物としては、例えば悪性腫瘍および新生物、例えば芽細胞腫、癌腫または肉腫、ならびに高血管性腫瘍および新生物が挙げられる。本発明の方法により治療され得る癌としては、例えば脳、尿生殖路、リンパ系、胃、腎臓、結腸、喉頭および肺ならびに骨の癌が挙げられる。非限定例としてはさらに、類表皮腫瘍、扁平上皮腫瘍、例えば頭部および頚部腫瘍、結腸直腸腫瘍、前立腺腫瘍、乳房腫瘍、肺腫瘍、例えば肺腺癌ならびに小細胞および非小細胞肺腫瘍、膵臓腫瘍、甲状腺腫瘍、卵巣腫瘍および肝臓腫瘍が挙げられる。
本発明の方法は、悪性ケラチノサイト、例えばヒト悪性ケラチノサイトの増殖を抑制することにより治療され得る血管新生化皮膚癌、例えば扁平上皮細胞癌、基底細胞癌および皮膚癌の治療のためにも用いられ得る。治療され得るその他の癌としては、カポジ肉腫、CNS新生物(神経芽細胞腫、毛細血管性血管芽細胞腫、髄膜腫および大脳転移)、黒色腫、消化管および腎臓癌および肉腫、横紋筋肉腫、神経膠芽細胞腫、例えば多形神経膠芽細胞腫、および平滑筋肉腫が挙げられる。
本発明は、過度の新脈管形成により特性化される病理学的症状、例えば血管新生化および/または炎症、例えばアテローム硬化症、慢性関節リウマチ(RA)、新生血管性緑内障、増殖性網膜症、例えば増殖性糖尿病性網膜症、黄斑変性、血管腫、血管繊維腫および乾癬を治療するかまたは予防するための細胞外および細胞内RTKアンタゴニストの使用も意図する。非新生物性血管新生性疾患のその他の非限定例は、未熟児網膜症(水晶体後方繊維増殖性)、角膜移植片拒絶、インスリン依存性真正糖尿病、多発性硬化症、重症筋無力症、クローン病、自己免疫腎炎、原発性胆汁性肝硬変、急性膵炎、同種異系移植片拒絶、アレルギー性炎症、接触性皮膚炎および遅延型過敏反応、炎症性腸疾患、敗血症性ショック、骨粗鬆症、変形性関節炎、ニューロン性炎症により誘導される認知障害、オスラー・ウェーバー症候群、再狭窄、ならびに真菌、寄生生物およびウイルス感染、例えばサイトメガロウイルス感染である。前記の疾患および症状は例証に過ぎず、本発明の方法は例示された疾患および症状を飲み治療することに限定されず、むしろキナーゼの調節により治療され得る任意の疾患または症状を治療する。
さらに本発明の範囲内に含まれるのは、当該技術分野で周知である研究または診断のためのin vivoおよびin vitroでの本発明の化合物の使用である。
本発明の別の態様は、本発明のアンタゴニストあるいはその製薬上許容可能な塩、水和物またはプロドラッグを、製薬上許容可能な担体と組合せて含有する製剤組成物に関する。このような組成物は、細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストの別個の組成物、あるいは細胞外および細胞内RTKアンタゴニストの両方を含有する単一組成物であり得る。
本発明の組成物は、固体または液体形態、溶液中または懸濁液中であり得る。投与経路としては、例えば経口的、非経口的(静脈内、腹腔内、皮下または筋肉内)、局所的、経皮的経路および吸入による経路が挙げられる。
経口投与のためには、RTKアンタゴニストは、例えば不活性希釈剤または同化可能担体を伴う液体形態で投与され得るし、あるいは固体剤形中に組入れられ得る。経口液体および固体剤形の例としては、例えば溶液、懸濁液、シロップ、乳濁液、錠剤、ロゼンジ、カプセル(例えば軟質ゼラチンカプセル)等が挙げられる。経口剤形は、例えば活性化合物の崩壊を遅延するかまたは拡散を制御するためのコーティングを用いて持放性製品として処方され得る。必要な場合、組成物は可溶化剤も含み得る。
注射用剤形の例としては、滅菌注射液、例えば溶液、乳濁液および懸濁液が挙げられる。注射用剤形としてはさらに、注射前に液体中に再構成され、溶解され、または懸濁される固体、例えば滅菌粉末が挙げられる。滅菌注射溶液は、上記で列挙されたいくつかのその他の成分とともに適切な溶媒中に必要量でRTKアンタゴニストを混入し、必要な場合には、その後、濾過滅菌することにより、調製される。担体としては、典型的には、例えば滅菌水、生理食塩水、注射用有機エステル、落花生油、植物油等が挙げられる。緩衝剤、防腐剤等が、投与可能形態中に含まれ得る。滅菌処方物は、加熱、放射線照射、精密濾過により、および/または種々の抗細菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等の付加により調製され得る。
局所投与のためには、本発明のRTKアンタゴニストは、例えばゲル、クリームまたは軟膏、あるいは顔料の形態で投与され得る。このような適用のための典型的担体としては、疎水性または親水性基剤、油性またはアルコール性液体、および乾燥粉末が挙げられる。RTKアンタゴニストは、パッチでの適用のためにゲルまたはマトリックス基剤中にも混入され、任意に経皮バリアを介して化合物の制御放出を提供する。RTKアンタゴニストは、直腸投与のための既知の方法によっても処方され得る。
吸入による投与のためには、本発明のRTKアンタゴニストは、ネブライザー、エーロゾルまたは乾燥粉末吸入器中で用いるために、適切な担体中に溶解または懸濁され得るし、あるいは担体上に吸着され得る。
適切な投薬量は、医者または有資格医療専門家により確定され、そして治療されている疾病の性質、投与経路、治療持続期間、および患者の状態によっている。本発明のRTKアンタゴニストは、所望の治療効果を得るために必要な頻度で投与され得る。投与頻度は、例えば用いられる剤形のおよび治療されている疾患の性質によっている。一般的細胞外EGFRアンタゴニストの一例示的投薬量は、400 mg/m2負荷および250 mg/m2毎週注入(セツキシマブ);1.5 mg/kg毎週注入(ABX−EGF);ならびに90分注入として投与される4 mg/kg負荷用量、および30分注入として2 mg/kgの維持用量(トラスツズマブ)である。一般的細胞内EGFRアンタゴニストの一例示的投薬量は、250 mg/日経口投与(イレッサ);150 mg/日経口投与(タルセバ);および560 mg/週経口投与(CI−1033)である。
本発明は2つの異なる独立したメカニズムにより機能し得る治療を提供するため、このような治療は、細胞外アンタゴニストまたは細胞内アンタゴニストの単独での投与と比較して、腫瘍抑制に及ぼす増強されたまたは相乗的作用を提供する。さらに本発明は細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストを用いた治療を提供するため、治療的有効用量は、細胞外RTKアゴニスト単独または細胞内RTKアゴニスト単独の治療的有効用量より低い可能性がある。
腫瘍増殖を抑制するために連続投与を必要とする一般的治療とは違って、本発明の組合せ療法は、腫瘍増殖を抑制するための細胞外および細胞内RTKアンタゴニストの断続的投与を可能にする。例えば2つの治療は、同時に施され得る。あるいは2つの治療は、逐次的に施され得る。さらに2つの治療は、周期的に施され得る。したがって2つのアンタゴニストは、ある期間、共在的に投与され、次に一方または他方が単独で投与され得る。もちろん、投与の任意の組合せまたは順序が用いられ得る。
本発明の別の態様では、本発明の細胞外および細胞内RTKアンタゴニストは、他の治療的活性化合物と一緒に用いるために処方され、あるいは治療的技法の適用と関連して投与される。当該技術分野で既知の任意の慣用的療法が、本発明の方法と組合せて用いられ得る。
例えば細胞外および細胞内RTKアンタゴニストは、1つまたは複数のその他の抗新生物性作因と組合せて投与され得る(例えば米国特許第6,217,866号(Schlessinger等)(抗EGFR抗体を抗新生物薬と組合せて);米国特許出願第09/312,286号(Waksal等)(抗EGFR抗体を放射線と組合せて)参照)。任意の適切な抗新生物性作因、例えば化学療法薬または放射線が用いられ得る。化学療法薬の例としては、シスプラチン、ドキソルビシン、パクリタキセル、イリノテカン(CPT−11)、トポテカンおよびオキサリプラチン、またはそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。抗新生物性作因が放射線である場合、放射線源は、治療されている患者に対して外部(外部ビーム照射療法−EBRT)または内部(近接照射療法−BT)であり得る。投与される抗新生物性作因の用量は、多数の因子、例えば作因の種類、治療されている腫瘍の種類および重症度、ならびに作因の投与経路によっている。しかしながら本発明はいかなる特定の用量にも限定されない、ということが強調されるべきである。
さらに細胞外および細胞内RTKアンタゴニストは、1つまたは複数の適切なアジュバント、例えばサイトカイン(例えばIL−10およびIL−13)またはその他の免疫刺激剤と組合せて投与され得る(例えばLarrivee et al., Int’l J. Mol. Med., 5: 447-56 (2000)参照)。
上記の説明は本発明を単に例証するために記述してきたが、本発明を限定するものではない。本発明の精神および物質を組入れている開示実施形態の修正は当業者にとって起こり得ることであり、そしてこのような修正は本発明の範囲内である。さらに本明細書中に引用された参考文献は全て、参照により本明細書中で援用される。
Claims (22)
- 哺乳動物における腫瘍増殖または新脈管形成の阻害に使用するための細胞外受容体チロシンキナーゼ(RTK)アンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。
- 細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストが同じRTKを阻害する、請求項1に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。
- 細胞外RTKアンタゴニストが第1のRTKを阻害し、細胞内RTKアンタゴニストが第2のRTKを阻害する、請求項1に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。
- RTKが、
(a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR);
(b)血小板由来増殖因子(PDGFR);
(c)繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR);
(d)神経増殖因子受容体(NGFR);
(e)上皮細胞増殖因子受容体(EGFR);または
(f)インスリン様増殖因子受容体(IGF−IR)もしくはインスリン受容体関連受容体(IRR)
である、請求項1または2に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。 - 第1のRTKが
(a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR);
(b)血小板由来増殖因子(PDGFR);
(c)繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR);
(d)神経増殖因子受容体(NGFR);
(e)上皮細胞増殖因子受容体(EGFR);または
(f)インスリン様増殖因子受容体(IGF−IR)もしくはインスリン受容体関連受容体(IRR)
である、請求項3に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。 - 細胞内RTKアンタゴニストがZD−6474、ZD1839、OSI774、ras−rafモジュレーター、またはrasタンパク質の阻害剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。
- 細胞外RTKアンタゴニストがセツキシマブ、ABX−EGF、EMD72000、h−R3、Y10、トラスツズマブ、またはベバシズマブである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。
- 第2のRTKが、VEGFR、PDGFR、FGFR、NGFR、EGFR、IGF−R、またはIRRである、請求項3〜6のいずれか1項に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。
- VEGFRがVEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3、ニューロピリン−1、またはニューロピリン−2である、請求項4、5または8に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。
- rasタンパク質の阻害剤がファルネシルチオサリチル酸(FTS)である、請求項6に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。
- 前記使用が、抗新生物薬を投与することをさらに包含する請求項1〜10のいずれか1項に記載の細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニスト。
- 哺乳動物における腫瘍増殖または新脈管形成を阻害するための、細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストの組み合わせ。
- 細胞外RTKアンタゴニストおよび細胞内RTKアンタゴニストが同じRTKを阻害する、請求項12に記載の組み合わせ。
- 細胞外RTKアンタゴニストが第1のRTKを阻害し、細胞内RTKアンタゴニストが第2のRTKを阻害する、請求項12に記載の組み合わせ。
- RTKが、
(a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR);
(b)血小板由来増殖因子(PDGFR);
(c)繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR);
(d)神経増殖因子受容体(NGFR);
(e)上皮細胞増殖因子受容体(EGFR);または
(f)インスリン様増殖因子受容体(IGF−IR)もしくはインスリン受容体関連受容体(IRR)
である、請求項12または13に記載の組み合わせ。 - 第1のRTKが
(a)血管内皮増殖因子受容体(VEGFR);
(b)血小板由来増殖因子(PDGFR);
(c)繊維芽細胞増殖因子受容体(FGFR);
(d)神経増殖因子受容体(NGFR);
(e)上皮細胞増殖因子受容体(EGFR);または
(f)インスリン様増殖因子受容体(IGF−IR)もしくはインスリン受容体関連受容体(IRR)
である、請求項14に記載の組み合わせ。 - 細胞内RTKアンタゴニストがZD−6474、ZD1839、OSI774、ras−rafモジュレーター、またはrasタンパク質の阻害剤である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の組み合わせ。
- 細胞外RTKアンタゴニストがセツキシマブ、ABX−EGF、EMD72000、h−R3、Y10、トラスツズマブ、またはベバシズマブである、請求項12〜14のいずれか1項に記載の組み合わせ。
- 第2のRTKが、VEGFR、PDGFR、FGFR、NGFR、EGFR、IGF−R、またはIRRである、請求項14〜17のいずれか1項に記載の組み合わせ。
- VEGFRがVEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3、ニューロピリン−1、またはニューロピリン−2である、請求項15、16または19に記載の組み合わせ。
- rasタンパク質の阻害剤がファルネシルチオサリチル酸(FTS)である、請求項17に記載の組み合わせ。
- 前記使用が、抗新生物薬を投与することをさらに包含する請求項12〜21のいずれか1項に記載の組み合わせ。
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