JP2012148561A - 積層防湿フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高温条件に曝された後であっても、防湿性及び層間強度が低下しない優れた積層防湿フィルムを提供する。
【解決手段】基材上に無機薄膜層を有し、該無機薄膜層上に下記(1)及び(2)を満足するポリウレタン系接着剤を介して、プラスチックフィルムを有する積層防湿フィルムである。
(1)−0.1≦E21≦+0.5
(2)−0.3≦E23≦+0.3
[上記式中、E21は(E2−E1)/E2を、E23は(E2−E3)/E2を表す。E1は150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示し、E2は150℃で30分間熱処理した後の150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示し、E3は150℃で30分間熱処理し更にJIS C 60068−2−66に準じるプレッシャークッカーテスト(条件:120℃、32時間)後の150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池等の電子デバイスに用いられる防湿フィルム積層体に関し、特に、太陽電池モジュール等の電子デバイスに組み込む際の高温条件下に曝された後であっても、防湿性、層間強度が保持される優れた積層防湿フィルムに関する。
プラスチックフィルム基材の表面に酸化珪素等の無機薄膜を形成した防湿フィルムは、他のプラスチックフィルムと積層され、さまざまな包装用途に用いられてきた。近年は、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、有機TFT、有機半導体センサー、有機発光デバイス、電子ペーパー、フィルムコンデンサー、無機EL素子、カラーフィルター等で使用する基材フィルムや真空断熱材としての新しい用途にも使用されている。
これらの用途において、積層防湿フィルムは、より厳しい性能が求められるようになり、長期使用や高温条件に曝された後であっても、防湿性の低下が少ない優れた防湿性フィルムの開発がなされてきた。
例えば、特許文献1では、二軸延伸ポリエステルフィルムを基材とする防湿フィルムにポリウレタン系接着剤(主剤タケラックA511/硬化剤タケネートA50=10/1溶液)を使用して接着剤層を設け、順次フィルムを積層し太陽電池用表面保護材を製作し、85℃、85%湿度下で1000時間加速試験後のバリアと層間強度を評価し、両特性の劣化防止の提案を行なっている。
また、特許文献2では、同じく二軸延伸ポリエステルフィルムを基材とする防湿フィルムにニ液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いてPVFフィルムを貼り合わせた後、プレッシャークッカーテスト(PCT)(高温高圧による過酷環境試験、105℃、92時間)前後の防湿性能と層間強度を評価、特性の劣化防止の提案を行なっている。
特開2009−188072号公報 特開2009−49252号公報
例えば、表面保護材を太陽電池に組み込む際には、表面保護材を他の部材と積層し、例えば、温度130℃〜180℃、時間10分〜40分の条件で、真空ラミネーションにより接着一体化させる。該表面保護材の防湿性や層間強度の長期耐久性を調べる場合には、真空ラミネーションの後、更に、85℃で85%湿度での試験やプレッシャークッカー試験等の加速試験が行なわれる。この130℃以上での熱処理と高温高湿度下の加速試験、すなわち連続する高熱処理は表面保護材にダメージを与え、表面保護材の防湿性や層間強度の劣化をもたらすものである。しかしながら、これまで、太陽電池等の電子デバイス製造における連続的な高熱環境、すなわち、高熱処理を伴う真空ラミネーションプロセスとその後の加速試験が相乗して、積層防湿フィルムの防湿性と層間強度に影響を与えることについては知られていなかった。
また、上記の何れの特許文献に記載される方法を用いても、連続する高熱処理による表面保護材の防湿性能と層間強度劣化を十分に防止することはできなかった。
したがって、従来の発明においては、前記の連続する熱処理を通じても、十分な防湿性や層間強度を有する防湿積層フィルムを実現するための具体的な提案は何らなされていないのが実情であった。
すなわち、本発明の課題は、連続する高熱環境、すなわち、高熱処理を伴う真空ラミネーションとその後の加速試験を通じても、防湿性及び層間強度が劣化しない優れた積層防湿フィルムを提供することにある。
本発明者らは、検討を重ねる中で、前記連続する高熱環境が、積層防湿フィルムにおける無機薄膜層上の接着剤層に対して構造、組成等の変化を引き起し、この接着剤層の変化が無機薄膜層に応力を与えることにより防湿性能が劣化することを見出した。特に、高い防湿性をもった積層防湿フィルムの場合、この接着剤層からの応力の伝播による防湿性能の劣化は著しいものである。
しかしながら、接着剤は多くの成分から構成されており、各組成が有する挙動は複雑に影響し合いながら各特性を発現すること、更には接着剤が有する特性には種々の機械的特性・化学的物性があり、いずれの指標が前記課題を解決することにつながるのかを見出すことは至難の業であった。
かくして、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、積層防湿フィルムに対する真空ラミネーション条件に相当する温度130℃〜180℃、時間10〜40分(以下、前記温度と前記時間を「熱ラミネート条件」と称す)での引っ張り貯蔵弾性率変化と、その後の高温高湿加速試験条件での引っ張り貯蔵弾性率変化がいずれも特定範囲である接着剤を使用し、かつ該接着剤を介して、無機薄膜層とプラスチックフィルムとを積層することにより、防湿性の劣化防止及び層間強度劣化防止を同時に満足できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の積層防湿フィルムに関する。
1. 基材上に無機薄膜層を有し、該無機薄膜層上に下記(1)及び(2)を満足するポリウレタン系接着剤を介して、プラスチックフィルムを有する積層防湿フィルム。
(1)−0.1≦E21≦+0.5
(2)−0.3≦E23≦+0.3
[上記式中、E21は(E2−E1)/E2を、E23は(E2−E3)/E2を表す。E1は150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示し、E2は150℃で30分間熱処理した後の150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示し、E3は150℃で30分間熱処理し更にJIS C 60068−2−66に準じるプレッシャークッカーテスト(条件:120℃、32時間)後の150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示す。]
2. 前記ポリウレタン系接着剤の主剤が、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリウレタンポリオールから選ばれる少なくとも1種を20〜70質量%含有するものである前記1に記載の積層防湿フィルム。
3. 前記150℃で30分間熱処理し更にプレッシャークッカーテスト後の層間強度が、7.0N/15mm以上である前記1又は2に記載の積層防湿フィルム。
4. 下記条件(3)で表される防湿性能の劣化度が15倍以内である前記1〜3のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
(3)防湿性能の劣化度は、初期水蒸気透過率(a)と、150℃で30分間熱処理し更にプレッシャークッカーテスト後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率(b)において、(b/a)で表される。
5. 初期防湿性能が、水蒸気透過率で0.1g/m2・日未満である前記1〜4のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
6. 初期防湿性能が、水蒸気透過率で0.05g/m2・日以下である前記1〜5のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
7. 前記プラスチックフィルムが、ポリエステルフィルム、アクリルフィルム及びポリカーボネートフィルムから選ばれる少なくとも1種である前記1〜6のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
8. 前記プラスチックフィルムが、ポリエステル樹脂に紫外線吸収剤を混合し成形したフィルムである前記1〜6のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
9. 前記プラスチックフィルムが、フッ素樹脂フィルムである前記1〜6のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
10. 前記基材が、ポリエステルフィルムである前記1〜9のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
11. 太陽電池用表面保護部材として用いられる前記1〜10のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
12. 化合物系発電素子太陽電池モジュール又はフレキシブル太陽電池モジュールの表面保護部材に用いられる前記11に記載の積層防湿フィルム。
13. 電子ペーパーの表面保護部材として用いられる前記1〜10のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
14. 前記1〜10のいずれかに記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池モジュール。
本発明によれば、連続する高熱環境、すなわち、真空ラミネーションとその後の加速試験を通して防湿性及び層間強度が劣化しない、防湿性及び層間強度に優れた積層防湿フィルムを提供することができる。これにより、太陽電池等の電子デバイスの性能低下を防止し、耐久性の向上に有効な積層防湿フィルムを提供することができる。
本発明の積層防湿フィルムは、防湿性に優れ、湿気の透過に対する内面側保護のために用いられるフィルムであり、基材上に無機薄膜層を有し、該無機薄膜層上に前記条件(1)及び(2)を満足するポリウレタン系接着剤を介して、プラスチックフィルムを有するものである。
<基材>
上記基材としては、樹脂フィルムであることが好ましく、その材料としては、通常の包装材料に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。
上記樹脂として具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体又は共重合体等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリル系樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。これらの中では、熱可塑性樹脂が好ましく、また、フィルム物性、コスト等の点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましい。中でも、表面平滑性、フィルム強度、耐熱性等の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が特に好ましい。
また、上記基材フィルムは、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
上記基材フィルムは、上記の原料を用いて成形してなるフィルムであるが、基材として用いる際は、未延伸であってもよいし延伸したものであってもよい。また、2種類以上のプラスチックフィルムが積層されたものであってもよい。
かかる基材は、従来公知の方法により製造することができ、例えば、原料樹脂を押出機により溶融し、環状ダイやTダイにより押出して、急冷することにより実質的に無定型で配向していない未延伸フィルムを製造することができる。また、多層ダイを用いることにより、1種の樹脂からなる単層フィルム、1種の樹脂からなる多層フィルム、多種の樹脂からなる多層フィルム等を製造することができる。
この未延伸フィルムを一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、フィルムの流れ(縦軸)方向及び/又はフィルムの流れ方向とそれに直角な(横軸)方向に延伸することにより、少なくとも一軸方向に延伸したフィルムを製造することができる。延伸倍率は任意に設定できるが、150℃熱収縮率が、0.01〜5%、更には0.01〜2%であることが好ましい。中でもフィルム物性の点から、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムや、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレンナフタレートと他の樹脂の共押出二軸延伸フィルムが好ましい。
また、上記基材の厚さは、一般に5〜100μm程度であり、生産性や取り扱いやすさの点から8〜50μmが好ましく、12〜25μmが更に好ましい。
なお、上記基材には、無機薄膜との密着性向上のため、アンカーコート剤を塗布することが好ましい。アンカーコート剤としては、溶剤性又は水性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、変性ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂、ビニルブチラール樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ニトロセルロース樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、カルボジイミド基含有樹脂、メラミン基含有樹脂、エポキシ基含有樹脂、変性スチレン樹脂、及び変性シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは1種で用いることもでき、2種以上組合せて用いることもできる。
また、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、紫外線吸収剤、安定剤、潤滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有したり、それらを上記樹脂と共重合させたものを使用することができる。
アンカーコート層の厚みは無機薄膜との密着性向上の観点から、10〜200nmであることが好ましく、10〜100nmであることがより好ましい。その形成方法としては、公知のコーティング方法が適宜採択される。例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター、又は、スプレイを用いたコーティング方法等の方法がいずれも使用できる。また、基材フィルムを樹脂液に浸漬して行ってもよい。塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥等の加熱乾燥や、赤外線乾燥等の公知の乾燥方法を用いて溶媒を蒸発させることができる。また、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行う事もできる。また、アンカーコート層の形成は、基材フィルムの製造ラインの途中で行う方法(インライン)でも、基材フィルム製造後に行う(オフライン)方法でも良い。
<無機薄膜層>
前記基材上に形成される無機薄膜層を構成する原料としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン、水素化炭素等、あるいはこれらの酸化物、炭化物、窒化物又はそれらの混合物が挙げられる。これらのうち、例えば、透明の無機薄膜を形成する場合は、酸化珪素、酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボンが好ましく、高いガスバリア性を安定に維持する必要がある場合は、酸化珪素、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化アルミニウムが好ましい。
上記無機薄膜層の形成方法としては、蒸着法、コーティング法等の方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、物理気相蒸着(PVD)、あるいは化学気相蒸着(CVD)等の方法がいずれも含まれる。物理気相蒸着法には、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等が挙げられ、化学気相蒸着法には、プラズマを利用したプラズマCVD、加熱触媒体を用いて材料ガスを接触熱分解する触媒化学気相成長法(Cat−CVD)等が挙げられる。また、上記無機薄膜層は単一の層であっても、複数の層からなる多層構造であってもよい。
上記無機薄膜層の厚さは、安定な防湿性能の発現の点から、30〜1000nmであることが好ましく、40〜800nmがより好ましく、50〜600nmが更に好ましい。
<ポリウレタン系接着剤>
本発明の積層防湿フィルムを構成するポリウレタン系接着剤は、下記条件(1)及び(2)を満足するものである。
(1)−0.1≦E21≦+0.5
(2)−0.3≦E23≦+0.3
上記式中、E21は(E2−E1)/E2を表し、E1は150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示し、E2は150℃で30分間熱処理した後の150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示す。
また上記式中、E23は(E2−E3)/E2を表し、E3は150℃で30分間熱処理し更にプレッシャークッカーテスト(条件:120℃、32時間)後の150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示す。
上記(1)の条件を満たすことで、接着剤は加熱に対する組成変化が少なく、その結果真空ラミネーション工程での無機薄膜層への応力の負荷や積層体の接着界面での残留ひずみを抑制し、防湿性の低下を防止することができる。この観点から、E21は−0.1以上、+0.5以下であり、0以上、+0.3以下であることが好ましく、0以上、+0.1以下であることがより好ましい。
本発明においては、E1の値は、安定な接着力と接着膜の維持の点で0.4〜4.0MPaであることが好ましく、0.4〜3.6MPaであることがより好ましく、0.8〜3.0MPaであることが更に好ましい。
また、上記(2)の条件を満たすことで、接着剤は真空ラミネーションでの熱処理後において、更に高温高湿下の条件に曝されても組成変化が少なく、その結果加速試験での無機薄膜層への応力の負荷を抑制し、防湿性の劣化を引き続き防止することができる。この観点から、E23は、−0.3以上、+0.3以下であり、−0.2以上、+0.2以下であることが好ましく、−0.1以上、+0.1以下であることがより好ましい。
本発明においては、E3の値は、安定な接着力と接着膜の維持の点で、0.4〜4.0MPaであることが好ましく、0.4〜3.6MPaであることがより好ましく、0.8〜3.0MPaであることが更に好ましい。
なお、E3の値は用いる加速試験条件により変化し、従って最適なE23の範囲も加速試験条件により変化する。本発明における上記E23の範囲は、加速試験条件120℃、湿度100%、32時間でのプレッシャークッカーテストによるものである。
上記E1、E2及びE3は、いずれも市販の粘弾性測定装置(例えば、アイティ計測(株)製の粘弾性測定装置、商品名「粘弾性スペクトロメーターDVA−200」)等を用いて測定することができる。
上記(1)及び(2)の条件を満たす接着剤の調製は、接着剤の組成として後述する主剤及び硬化剤を適切に選択し、また、主剤と硬化剤の配合を後述の範囲で選択して行うことができる。ドライラミネートの養生条件において飽和架橋度に到達できない組成の接着剤や、真空ラミネーション温度で新たに架橋が起こる組成の接着剤は、150℃で30分加熱時に接着剤層で追加的な架橋反応が進行すると、熱処理後の引っ張り弾性率E2は熱処理前より高くなり、すなわちE21が1に近づく。これを防止するためには、実用性のある温度と時間の養生条件終了時にフィルム間の接着剤の未架橋成分量を抑えることが必要である。
一方、架橋に必要な官能基が不足すると、十分な養生を行なった場合でもポリマーネットワークが十分形成されず、この場合接着層は加熱時に凝集力不足から弾性率E2の低下を引き起こし、その結果E21はマイナスの値となる。
接着剤層内の構造変化を表す上記E21の増加・減少、構造、組成変化は、接着層自身の収縮、膨張に対応する。
また、上記条件を満たすためには、接着剤塗布、硬化によって架橋が十分に進行し、かつ残存する未架橋の官能基が少ないことが望ましい。ポリウレタン系接着剤の主剤としては、塗膜形成性と硬化時の反応性のバランスを考慮し、分子量400〜20,000のポリオールを好ましく使用でき、更に分子量600〜10,000のポリオールをより好ましく使用することができる。
接着剤硬化時に架橋反応が十分に進行するためには、主剤のポリオールの水酸基と硬化剤のイソシアネート基とが互いに十分接近することが好ましい。そのためには、硬化剤の分子量はポリオールより小さい方が好ましく、硬化剤に含まれるジイソシアネート又はポリイソシアネートの分子量は100〜10,000が好ましく、より好ましくは分子量1,000〜5,000である。また、逆に、主剤のポリオールの分子量を、硬化剤ポリイソシアネートの分子量より小さくすることも可能である。
十分な架橋密度を得、かつ残存する官能基数を抑えるために、異なる分子量の主剤と硬化剤を用いるという考え方に基づいて、例えば、主剤として分子量の異なるポリオールを複数種混合して用いる方法も用いることができる。
以上のような設計に基づいた接着剤の物性としては、(主剤の粘度/硬化剤の粘度)若しくは(硬化剤の粘度/主剤の粘度)が5以上であることが好ましく、より好ましくは10以上である。また主剤の粘度は、100〜1,500(mPa・s25℃)が好ましく、より好ましくは400〜1,300(mPa・s25℃)である。硬化剤の粘度は、30〜3,000(mPa・s25℃)が好ましい。
接着剤の主剤として、具体的には、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリウレタンポリオール又はポリエステルポリオール等が挙げられる。特に、熱安定性、耐加水分解性向上等の観点から、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリウレタンポリオールが好ましい。
また、接着剤の主剤は、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリウレタンポリオールから選ばれる少なくとも1種を20〜70質量%含むものが好ましく、30〜50質量%含むものがより好ましい。なお上記含有量は、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリウレタンポリオールから選ばれる2種以上を併用する場合、それらの合計量を意味する。接着剤の耐加水分解性が向上できるという観点から、主剤に含むポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリウレタンポリオールから選ばれる少なくとも1種を、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上含有するものが使用される。また、分子構造がリジッドとなることを防ぎ、接着剤の応力緩和効果を十分発揮できるという観点から、主剤に含まれるポリオールとして、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリウレタンポリオールから選ばれる少なくとも1種を、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下含有するものが使用される。
ポリカーボネートポリオールは、例えば、ジフェニルカーボネートと、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール(NPG)、シクロヘキサンジオール等のジオールとを原料として得ることができる。
ポリエーテルポリオールは、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドを、アルカリ触媒又は酸触媒を触媒として開環重合を行うことで得ることができる。開環重合の出発物質となる活性水素含有化合物としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−へキサンジオール等の多価アルコールを用いることができる。
ポリアクリルポリオールは、水酸基をもった(メタ)アクリル酸エステルと他のモノマーとを共重合させて得ることができる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、脂環式構造を有するシクロヘキシルメタクリレート等を挙げることができる。好ましくは、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、脂環式構造を有するシクロヘキシルメタクリレート等のモノマーを重合させたポリアクリルポリオール、もしくは、これらのモノマーを共重合させたポリアクリルポリオールが挙げられる。
ポリウレタンポリオールは、ジオールとジイソシアネートを、イソシアネート基に対する水酸基の比が1以上の割合でウレタン化反応させることにより得ることができる。ポリウレタンポリオールの成分として、ジオール成分、ジイソシアネート成分を任意に選ぶことができる。
ジオール成分、ジイソシアネート成分は、ポリウレタンポリオールの流動性や溶剤への溶解性等を考慮して選択することができる。ジオール成分として好ましくは、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の1級水酸基を有するジオールが挙げられる。また、イソシアネート成分としては、脂肪族ジイソシアネート、脂環系ジイソシアネート、芳香族イソシアネートが挙げられる。
ポリエステルポリオールは、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、イソフタル酸(IPA)、テレフタル酸(TPA)等のジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール等のジオール、又はポリテトラメチレングリコール等とから構成されるものが挙げられる。
ポリエステルポリオールを原料とする接着剤は基材との密着性が高いという点で好ましいが、エステル結合の加水分解による熱劣化を抑制する観点から、加水分解点となり得るエステル結合基数が少ないポリエステルポリオールを選択することが望ましい。例えばネオペンチルグリコール(NPG)等のアルキル鎖の長いグリコール、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環構造をもつグリコールを有することが望ましい。
更に、例えばポリテトラメチレングリコール(PTMG)のように主鎖構造にポリエーテル構造を含む、耐加水分解ポリエステルポリオールを選択することが望ましい。このようなポリエステルポリオールとしては、エステル基1個当たりの分子量が、好ましくは100〜5,000、より好ましくは120〜3,000である。
接着剤に用いられる硬化剤としてはジイソシアネートが好ましく、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族系、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族系、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)等の脂環系がいずれも挙げられる。
硬化後に高い耐熱性をもたせる硬化剤として、例えば芳香族系ジイソシアネートであるXDI、及び脂環系ジイソシアネートであるIPDI等が好ましい。更に、接着剤の黄変を防ぐためには脂環系ジイソシアネートであるIPDI等がより好ましい。
主剤がポリカーボネートポリオールを含む場合は、高い耐熱性、高い防湿性という点で優れているが、黄変しにくい点から、HDI系硬化剤として組み合わせることが望ましい。
また、より熱的に安定な接着剤層を得るために、主剤にエポキシ系化合物を含んだものを用いることが好ましい。
本発明における接着剤の主剤と硬化剤の好ましい配合比は、接着剤中に残留する反応性官能基を減らす観点から、質量比で、主剤/硬化剤=5〜25が好ましく、また官能基のモル比で、NCO/OH=0.8〜9が好ましい。
本発明における接着剤には、前記主剤及び硬化剤以外の他の成分を加えることができ、当該他の成分は前記主剤100質量部に対し、0〜30質量部加えることが好ましい。当該他の成分として密着性を向上させるためのアクリル系ポリマー、エポキシ系ポリマー、オレフィン系ポリマー等が好ましい。また、高耐寒性、耐加水分解性に優れたスチレンーブタジエンゴム等を好ましく使用できる。
本発明における接着剤には、紫外線吸収剤を含有することが好ましい。使用しうる紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系等各種タイプのものを挙げることができ、種々の市販品が適用できる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5− クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2− ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
またトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール等を挙げることができる。
サリチル酸エステル系としては、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤は1種で用いることもでき、2種以上組合せて使用することもできる。
上記紫外線吸収剤の添加量は、接着剤中、通常、0.01〜2.0質量%程度であり、0.05〜0.5質量%添加することが好ましい。
上記の紫外線吸収剤以外に耐候性を付与する耐候安定剤として、ヒンダードアミン系光安定化剤が好適に用いられる。ヒンダードアミン系光安定化剤は、紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用することによって著しい相乗効果を示す。
ヒンダードアミン系光安定化剤としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等を挙げることができる。これらは1種で用いることもでき、2種以上組合せて使用することもできる。
上記ヒンダードアミン系光安定化剤の添加量は、接着剤中、通常、0.01〜0.5質量%程度であり、0.05〜0.3質量%添加することが好ましい。
上記接着剤は、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、その他のコート法等によって設けることができ、その塗布量としては、0.1〜10g/m2(乾燥状態)程度が望ましい。また、接着剤層の厚みは、1〜15μmが好ましく、更に好ましくは3〜10μmである。
上記条件(1)及び(2)は、前述の通り、例えば、接着剤主剤に用いられるポリオール成分種類の選択と分子量の最適化等の方法で達成することができるが、本発明においては、そのうち、耐加水分解性の観点から、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を選択し分子量を最適化する方法が好ましく使用できる。
<プラスチックフィルム>
本発明の積層防湿フィルムに使用するプラスチックフィルムは、真空ラミネーション時の温度変化においてもその収縮が小さいことにより接着剤層や無機薄膜層への応力の伝達が抑えられることから、収縮率が小さいことが好ましい。例えば、ポリエチレンナフタレート等の低収縮性耐候基材の使用や、収縮率が大きいポリエチレンテレフタレートフィルムやフッ素系フィルム等の場合は事前の熱処理による低収縮率化等を行うことで達成することができる。
前記プラスチックフィルムは、耐候性に優れたフィルムが好ましく、例えば、フッ素樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、アクリルフィルム及びポリカーボネートフィルム等が好適であるが、これらに限定されるものではない。
フッ素樹脂フィルムとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
また、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂に紫外線吸収剤を混合し成形したフィルムが好ましく用いられる。
長期耐久性の観点から、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)がより好ましく用いられる。
長期耐候性とフィルム収縮率の観点からはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂に紫外線吸収剤を混合し成形したフィルム、又はPET及びPEN等のポリエステルフィルムに紫外線吸収剤を塗布したフィルムが好ましい。
なお、上記紫外線吸収剤としては、前述の接着剤に含有される紫外線吸収剤と同様のものが使用できる。上記樹脂は1種で用いることもできるが2種以上組合せて使用することもできる。
また、太陽電池保護材への使用を考えると可撓性に富み、耐熱性、防湿性、紫外線耐久性に優れる性能を有する耐候性フィルムであることが望ましく、フッ素系フィルムや耐加水分解性ポリエステルフィルムが好ましく用いられる。
上記プラスチックフィルムの厚さは、一般に20〜200μm程度であり、フィルムの取り扱いやすさとコストの点から20〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。
また、積層防湿フィルムには、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、酸化防止剤、耐候安定剤、光拡散剤、造核剤、顔料(例えば白色顔料)、難燃剤、変色防止剤等が挙げられる。本発明においては、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤が添加されていることが後述する理由等から好ましい。また、本発明においては、例えば、高度の耐熱性を要求される場合は架橋剤及び/又は架橋助剤を配合してもよい。
シランカップリング剤の例としては、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のような不飽和基、アミノ基、エポキシ基等とともに、アルコキシ基のような加水分解可能な基を有する化合物を挙げることができる。シランカップリング剤の具体例としては、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を例示することができる。これらは1種で用いることもでき、2種以上組合せて使用することもできる。本発明においては、接着性が良好であり、黄変等の変色が少ないこと等からγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく用いられる。
該シランカップリング剤の添加量は、積層防湿フィルムを構成する各フィルム中、通常、0.1〜5質量%程度であり、0.2〜3質量%添加することが好ましい。また、シランカップリング剤と同様に、有機チタネート化合物等のカップリング剤も有効に活用できる。
酸化防止剤としては、種々の市販品が適用でき、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系等のフェノール系、ホスファイト系等各種タイプのものを挙げることができる。
モノフェノール系としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール等を挙げることができる。ビスフェノール系としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,9,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカン等を挙げることができる。
高分子フェノール系としては、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トリフェノール(ビタミンE)等を挙げることができる。
ホスファイト系としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(モノ及び/又はジ)フェニルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等を挙げることができる。
上記酸化防止剤は、1種で用いることもでき、2種以上組合せて使用することもできる。
本発明においては、酸化防止剤の効果、熱安定性、経済性等からフェノール系及びホスファイト系の酸化防止剤が好ましく用いられ、両者を組み合わせて用いることが更に好ましい。該酸化防止剤の添加量は、積層防湿フィルムを構成する各フィルム中、通常、0.1〜1質量%程度であり、0.2〜0.5質量%添加することが好ましい。
本発明においては、上記した基材、無機薄膜層、ポリウレタン系接着剤及びプラスチックフィルム以外にその他の層(以下、「その他フィルム」と称す)を、更に設けてもよい。
本発明に用いられるプラスチックフィルム及びその他フィルムを構成する各フィルムの製膜方法としては、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー等の溶融混合設備を有し、Tダイを用いる押出キャスト法やカレンダー法等を採用することができ、特に限定されるものではないが、本発明においては、ハンドリング性や生産性等の面からTダイを用いる押出キャスト法が好適に用いられる。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、用いる樹脂組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね200〜350℃、好ましくは、250〜300℃である。シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤等の各種添加剤は、予め樹脂とともにドライブレンドしてからホッパーに供給しても良いし、予め全ての材料を溶融混合してペレットを作製してから供給しても良いし、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給してもかまわない。
本発明の積層防湿フィルムは、上述の製膜された各フィルムを、前記条件(1)及び(2)を満足するポリウレタン系接着剤を用いて、例えば100〜140℃の温度で接着剤を乾燥させ、0〜80℃の温度下、ドライラミネートにより貼り合わせて製造することができる。また、接着剤を十分飽和架橋度に到達させることの観点から、得られた積層体は30〜80℃の温度で、3〜6日間養生を行うことが好ましい。こうして得られる本発明の積層防湿フィルムは、熱ラミネート条件での熱処理を経ても、防湿性及び層間強度が劣化しない柔軟性と防湿性に優れるものである。
積層防湿フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、通常、25〜300μm程度であり、好ましくは40〜100μm程度あり、より好ましくは40〜80μm程度のシート状で用いられる。
なお、他のフィルムを更に積層する場合、積層防湿フィルム全層の厚みは、30〜500μm程度であり、好ましくは40〜350μm程度あり、より好ましくは40〜300μm程度のシート状で用いられる。
(防湿性能)
このようにして得られる本発明の積層防湿フィルムは、熱処理前の防湿性能である初期防湿性能が水蒸気透過率で好ましくは0.1g/m2・日未満であり、より好ましくは0.05g/m2・日以下である。本発明の積層防湿フィルムは、優れた防湿性能を要求される電子デバイスの表面保護材等として使用されることが可能であるため、初期防湿性能に優れる積層防湿フィルムを用いることで、より顕著に本発明の効果を示すことができ好ましい。
また、下記条件(3)で表される防湿性能の劣化度が、15倍以内であることが好ましく、10倍以内であることがより好ましい。
(3)防湿性能の劣化度は、初期水蒸気透過率(a)と、150℃で30分間熱処理し更にプレッシャークッカーテスト後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率(b)において、(b/a)で表される。なお、上記プレッシャークッカーテストはJIS C 60068−2−66に準ずる(条件:120℃、32時間)。
本発明者らは、高温下で無機薄膜面を劣化させないという点に着目して接着剤を設計し本発明の積層防湿フィルムを得た。無機薄膜面の劣化は、無機薄膜層と接着剤が強い化学結合を形成していると、接着剤の粘弾性の変化や接着剤塗膜の分解、収縮によって無機蒸着層に大きな応力がかかることにより、無機薄膜層にマイクロクラックを形成してしまうと考えられる。これに対して、無機薄膜層と接着剤の密着が弱いと、接着剤塗膜の物性変化による応力は軽減されるのでバリア性能の低下を防止することができる。無機薄膜と接着剤が化学結合を形成する要因は、例えばSiOx層の欠陥部分と接着剤中の水酸基等が反応することによると考えられる。
これを抑制するためには、接着剤中の反応性官能基の数を減らせばよく、まず、例えば、接着剤の塗布、硬化後の未反応の官能基数を抑えることが挙げられる。そのために主剤と硬化剤の配合比を適切に選ぶことが好ましい。
更に高温下で接着剤が熱分解すると、カルボン酸や水酸基が生成し、これらの官能基が無機薄膜層と化学結合を形成し、無機薄膜層の劣化を引き起こすと考えられる。そこで主剤に含まれるポリオールとしては、加水分解しやすいポリエステルポリオールより、耐熱性に優れたポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリウレタンポリオール等が望ましい。したがって、主剤に含まれるポリオールとして、ポリエステルポリオールを含有する場合、その好ましい配合量は50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
このようにして、上記防湿性能を満たすことにより、発電素子の劣化、内部の導線や電極の発錆を防止することができる。
なお、本発明における積層防湿フィルムの初期防湿性能とは、部材が真空ラミート条件等の高温度の熱履歴を受けるまでの防湿性能をいい、熱による防湿性能低下が起こる前の値を意味する。よって、製造直後から熱処理前までの経時的な変化を含むものである、例えば、100℃前後の高温高圧による過酷環境試験、130〜180℃で10分〜40分行われる熱ラミネーション処理等の熱処理が行われていない状態での防湿性能の値を意味する。更に、接着剤の硬化条件としてはラミネート後に数日間の常温保持期間を経て、30〜80℃の条件で3〜6日間養生させる後の値を意味する。
防湿性能はJIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ評価することができる。
(層間強度)
本発明におけるポリウレタン系接着剤の無機薄膜層への接着力が積層防湿フィルムの製造時当初から低い場合や真空ラミネーション中に接着力が低下する場合、当該接着剤から無機薄膜層への応力伝播は緩和され防湿性能の劣化は抑制される。
しかしながら、層間強度が上記特定値を満たさないということは、太陽電池モジュール等への使用が、積層防湿フィルムのデラミを引き起こす可能性があることから、本発明の積層防湿フィルムの層間強度は、150℃で30分間熱処理した後の値が4.0N/15mm以上となることが好ましい。なお、150℃で30分間熱処理した後の層間強度は、より好ましくは7.0N/15mm以上、更に好ましくは7.3N/15mm以上であり、7.5N/15mm以上であることが更に好ましく、更には8.0N/15mm以上であることがより好ましい。
特に、太陽電池モジュールを製造するための熱ラミネート条件であるより高温な130〜180℃の温度で30分間熱処理した後でも、好ましくは4.0N/15mm以上、より好ましくは7.0N/15mm以上、更に好ましくは7.3N/15mm以上であり、7.5N/15mm以上であることが特に好ましい。
更に本発明の積層防湿フィルムは、150℃で30分間熱処理し更にプレッシャークッカーテスト後の層間強度が、7.0N/15mm以上となることが好ましく、より好ましくは8.0N/15mm以上である。なお、プレッシャークッカーテストの条件は前述と同様である。
熱処理後の層間強度を維持する方法は、上述の接着剤選定条件を考慮する以外にも種々あるが、例えば、85℃85%RHでの耐湿熱試験や屋外曝露の場合、接着剤塗膜の150℃での引っ張り貯蔵弾性率が低すぎると層間強度を保つことができないため、接着剤の150℃での引っ張り貯蔵弾性率を0.4MPa以上とすることにより上記の値とすること等が考えられる。また、高温で分子の運動性が上昇することにより凝集力が低下し層間強度が低下する。高温により残存カルボン酸や水酸基が無機蒸着層と相互作用し、新たな結合を生成する場合が考えられる。この場合、層間強度は維持、若しくは増大する。しかし、高温下で部分的に生成した結合は、収縮による応力を受けやすく、均一な密着性が得られない傾向がある。したがって、例えば、主剤に含まれるポリオールとして、密着性に優れるが加水分解しやすいポリエステルポリオールより、密着性が良好で耐熱性に優れたポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールを用いることにより、上記の値とすること等も考えられる。
なお、層間強度は、後述のように、積層フィルムを、所定の短冊状に切り出し、引っ張り試験機を用いて180度剥離試験で測定することができる。
<太陽電池用積層防湿フィルム>
本発明の積層防湿フィルムは、長期耐久性を必要とされる太陽電池用途、特に太陽電池用表面保護部材に用いられることが、湿気の透過による発電素子の劣化、内部の導線や電極の発錆を防止することができ、長期に亘る起電力の保持を達成できることから好ましい。
太陽電池用積層防湿フィルムは、該積層防湿フィルムの構成、特に、無機薄膜層に前記特定のポリウレタン系接着剤を介して前記特定のプラスチックフィルムを張り合わせることにより、高温条件下に曝された後であっても防湿性、層間強度が劣化しない柔軟性と防湿性に優れた積層防湿フィルムを実現し、同時に太陽電池の性能低下を防止し、太陽電池の軽量化、耐久性、意匠性の向上を図ることができ、有効な太陽電池用積層防湿フィルムを提供することができる。
<太陽電池モジュール、太陽電池の製造方法>
前記積層防湿フィルムは、そのまま、あるいはガラス板等と貼り合わせて太陽電池用表面保護部材として用いることができる。本発明の積層防湿フィルムを用いて本発明の太陽電池モジュール及び/又は太陽電池を製造するには、公知の方法により、作製すれば良い。
本発明の積層防湿フィルムを太陽電池用フロントシート、バックシート等の表面保護部材の層構成に使用し、太陽電池素子を封止材とともに固定することにより太陽電池モジュールを製作することができる。このような太陽電池モジュールとしては、種々のタイプのものを例示することができ、好ましくは、本発明の積層防湿フィルムを前面保護材として使用した場合、封止材と、太陽電池素子と、下部保護材とを用いて作製された太陽電池モジュールが挙げられ、具体的には、上部保護材(本発明の積層防湿フィルム)/封止材(封止樹脂層)/太陽電池素子/封止材(封止樹脂層)/下部保護材の構成のもの、下部保護材の内周面上に形成させた太陽電池素子上に封止材と上部保護材(本発明の積層防湿フィルム)を形成させるような構成のもの、上部保護材(本発明の積層防湿フィルム)の内周面上に形成させた太陽電池素子、例えばフッ素樹脂系透明保護材上にアモルファス太陽電池素子をスパッタリング等で作製したものの上に封止材と下部保護材を形成させるような構成のもの等を挙げることができる。
太陽電池素子としては、例えば、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、銅−インジウム−ガリウム−セレン、カドミウム−テルル等のIII−V族やII−VI族化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型等が挙げられる。
本発明における表面保護材を用いて、太陽電池モジュールを形成する場合、前記太陽電池発電素子の種類により防湿性が1.0[g/(m2・日)]未満程度の低防湿フィルムから0.01[g/(m2・日)]未満程度の高防湿フィルムまで素子のタイプに応じて適宜選択し、耐候性フィルム等と接着剤を使用し積層して形成する。
本発明の積層防湿フィルムを用いて作製された太陽電池モジュールを構成する各部材については、特に限定されるものではないが、封止材としては、例えば、エチレン− 酢酸ビニル共重合体を挙げることができる。下部保護材としては、金属や各種熱可塑性樹脂フィルム等の単層もしくは多層のシートであり、例えば、錫、アルミ、ステンレス等の金属、ガラス等の無機材料、ポリエステル系樹脂、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の単層もしくは多層の保護材や、これらに無機物が蒸着されたフィルム、その積層体等を挙げることができる。上部及び/又は下部の保護材の表面には、封止材や他の部材との接着性を向上させるためにプライマー処理やコロナ処理等公知の表面処理を施すことができる。
本発明の積層防湿フィルムを用いて作製された太陽電池モジュールを前述した上部保護材(本発明の積層防湿フィルム)/封止材/太陽電池素子/封止材/下部保護材のような構成のものを例として説明する。太陽光受光側から順に、本発明の積層防湿フィルム、封止樹脂層、太陽電池素子、封止樹脂層、バックシートが積層されてなり、更に、バックシートの下面にジャンクションボックス(太陽電池素子から発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)が接着されてなる。太陽電池素子は、発電電流を外部へ電導するために配線により連結されている。配線は、バックシートに設けられた貫通孔を通じて外部へ取り出され、ジャンクションボックスに接続されている。
太陽電池モジュールの製造方法としては、公知の製造方法が適用でき、特に限定されるものではないが、一般的には、本発明の積層防湿フィルム、封止樹脂層、太陽電池素子、封止樹脂層、下部保護材の順に積層する工程と、それらを真空吸引し加熱圧着する工程を有する。また、バッチ式の製造設備やロール・ツー・ロール式の製造設備等も適用することができる。
本発明の積層防湿フィルムを用いて作製された太陽電池モジュールは、適用される太陽電池のタイプとモジュール形状により、モバイル機器に代表される小型太陽電池、屋根や屋上に設置される大型太陽電池等屋内、屋外に関わらず各種用途に適用することができる。
本発明の太陽電池モジュール及び/又は太陽電池は、この太陽電池用保護シート、封止材、発電素子、封止材、裏面保護シートを、常法に従って、真空ラミネーターで、温度が好ましくは130〜180℃、より好ましくは130〜150℃、脱気時間2〜15分、プレス圧力0.05〜0.1MPa 、プレス時間が好ましくは8〜45分、より好ましくは10〜40分で加熱加圧圧着することにより容易に製造することができる。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、これらの実施例及び比較例により本発明は制限を受けるものではない。
なお、本実施例においては、熱ラミネート条件は150℃で30分、加速試験であるプレッシャークッカーテストは120℃、湿度100%で32時間とした。
実施例及び比較例における種々の物性の測定及び評価は次のようにして行った。
(物性測定)
(1)接着剤層貯蔵弾性率E1(熱処理前弾性率)
調製された各接着剤塗液を、シリコーン離型PETフィルムに塗布し、40℃で5日間養生し接着剤層を作製した。その後、接着剤層のみを取り出し、アイティ計測(株)製の粘弾性測定装置、商品名「粘弾性スペクトロメーターDVA−200」を用いて、試料(縦4mm、横60mm、厚み200μm)を周波数10Hz、歪0.1%、昇温速度3℃/分、チャック間25mmで横方向について、−100℃から180℃まで測定し、得られたデータから150℃における引っ張り貯蔵弾性率(E1)(MPa)を求めた。なお、昇温時にサンプル形状変化から150℃での測定が困難な場合、E21を1とした。
(2)接着剤層貯蔵弾性率E2(熱処理後弾性率)
上記(1)と同様に作製した接着剤層を熱ラミネート条件に保持した後、上記(1)と同様に150℃における引っ張り貯蔵弾性率(E2)(MPa)を求めた。
(3)接着剤層貯蔵弾性率E3(プレッシャークッカー後弾性率)
上記(1)と同様に作製した接着剤層を熱ラミネート条件に保持し、続いてプレッシャークッカー条件に保持した後、上記(1)と同様に150℃における引っ張り貯蔵弾性率(E3)(MPa)を求めた。
(4)防湿性能
防湿性能はJIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、次の手法で水蒸気透過率として評価した。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の各積層防湿フィルム(D−1〜D−12)を2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、48時間以上間隔で質量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、質量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出した。
水蒸気透過率(g/m2・日)=(m/s)/t
m; 試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)
s; 透湿面積(g/m2
t; 試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)
・ 初期水蒸気透過率は、ドライラミネートによる貼合と養生により得られた各積層防湿フィルム(D−1〜D−12)の水蒸気透過率である。
・ プレッシャークッカーテスト後の水蒸気透過率は、ガラス、封止材、下記積層防湿フィルム(D-1〜D-12,防湿フィルムが封止材側)を積層し、熱ラミネート条件での熱処理に続くプレッシャークッカーテスト後の各積層防湿フィルム(D−1〜D−12)の水蒸気透過率である。
・ 防湿性能の劣化度は、(プレッシャークッカーテスト後の水蒸気透過率)/(養生後の水蒸気透過率)から算出した。
(5)180度剥離による層間強度測定
(4)と同様にサンプルとして、ドライラミネートによる貼合と熱ラミネート条件での熱処理に続くプレッシャークッカーテスト後の積層防湿フィルムを、測定幅15mmの短冊状に切り出し、引っ張り試験機ORIENTIC製STA−1150を用いて300mm/min、引張り方向は180度で層間ラミネート強度(N/15mm)を測定した。
(構成フィルム)
・無機薄膜層フィルムA
基材フィルムとして、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポン製、商品名「Q51C12」)を用い、そのコロナ処理面に、下記のコート液を塗布乾燥して厚さ0.1μmのコート層を形成した。
次いで、真空蒸着装置を使用して1.33×10-3Pa(1×10-5Torr)の真空下でSiOを加熱蒸発させ、コート層上に厚さ50nmのSiOx(x=1.5)薄膜を有する無機薄膜層フィルムAを得た。
作製した無機薄膜層フィルムAの防湿性能は0.01[g/m2・日]であった。
<コート液>
日本合成(株)製、商品名「ゴーセノール」(ケン化度:97.0〜98.8mol%、重合度:2400)のポリビニルアルコール樹脂220gをイオン交換水2810gに加え加温溶解した水溶液に、20℃で攪拌しながら35質量%塩酸645gを加えた。次いで、10℃でブチルアルデヒド3.6gを攪拌しながら添加し、5分後に、アセトアルデヒド143gを攪拌しながら滴下し、樹脂微粒子を析出させた。次いで、60℃で2時間保持した後、液を冷却し、炭酸水素ナトリウムで中和し、水洗、乾燥し、ポリビニルアセトアセタール樹脂粉末(アセタール化度75mol%)を得た。
また、架橋剤としてイソシアネート樹脂(住友バイエルウレタン(株)製、商品名「スミジュールN−3200」)を用い、水酸基に対するイソシアネート基の当量比が1:2になるように混合した。
<接着剤塗液B-1>
ポリウレタンポリオール成分を含む主剤として、平均分子量2000のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセル210N」)、平均分子量500のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルCD 205」)を質量比60:40となるように混合し、酢酸エチルに溶解させ、固形分約50質量%、粘度400[mPa・s]のポリオール溶液とした。硬化成分としてスミジュールN3300(住化バイエルウレタン(株)製)を(NCO/OH)=2.5となるように配合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液B−1を調製した。
<接着剤塗液B-2>
ポリウレタンポリオール成分を含む主剤として、平均分子量2000のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセル210N」)、平均分子量500のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルCD 205」)を質量比60:40となるように混合し、酢酸エチルに溶解させ、固形分約50質量%、粘度400[mPa・s]のポリオール溶液とした。硬化成分としてスミジュールN3300(住化バイエルウレタン(株)製)を(NCO/OH)=1.3となるように配合し、固形分濃度が35%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液B−2を調製した。
<接着剤塗液B-3>
特開平10−130615号公報記載の「ポリウレタン樹脂合成例2」及び「実施例」を参考に以下のようにして調製した。
数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール((株)ADEKA製、商品名「アデカポリエーテルP−1000」)700質量部、数平均分子量2000((株)ADEKA製、商品名「アデカポリエーテルP−2000」)のポリテトラメチレンエーテルグリコール300質量部、ジプロピレングリコール21.3質量部及びトリレンジイソシアネート150質量部を仕込み、80℃で6時間反応し、ウレタン結合によって鎖伸長を行ったポリエーテルポリオールを得た。
このポリオールを酢酸エチルに溶解させ、粘度900[mPa・s]固形分約50質量%のポリオール溶液とした。硬化成分としてIPDI(住友バイエルウレタン(株)製、商品名「デスモジュールZ−4370」)を酢酸エチルに溶解させ70質量%溶液とした。ポリオール溶液と硬化成分溶液を(NCO/OH)=2.5となるように配合し、固形分濃度が30%になるように酢酸エチルで希釈し接着剤塗液B−3を調製した。
<接着剤塗液B-4>
ポリウレタンポリオール成分を含む主剤として、平均分子量1000のポリカプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセル210N」)、平均分子量1000のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルCD 205」)を質量比60:40となるように混合し、酢酸エチルに溶解させ、固形分約50質量%、粘度500[mPa・s]のポリオール溶液とした。硬化成分としてスミジュールN3300(住化バイエルウレタン(株)製)を(NCO/OH)=2.5となるように配合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液B−4を調製した。
<接着剤塗液B-5>
ポリエステルポリオール成分を含む主剤として、東洋インキ製造(株)製、IS801(商品名、エステル基1つあたりの分子量は105、粘度1700[mPa・s])を用い、脂肪族系のヘキサメチレンジイソシアナート成分と脂環系のイソホロンジイソシアナートを含む硬化剤として東洋インキ製造(株)製、CR001(商品名)を使用し、質量比で10:1となるように混合し、固形分濃度が30質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液B−5を調製した。
<接着剤塗液B-6>
ポリエステルポリオール成分を含む主剤として、三井化学ポリウレタン(株)製、A1143(商品名、エステル基1つあたりの分子量は109、粘度500[mPa・s])を用い、脂環系のイソホロンジイソシアナートと芳香族系のキシリレンジイソシアナートを含む硬化剤として三井化学(株)製、タケネートA−50(商品名)を使用し、質量比で9:1となるように混合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液B−6を調製した。
<接着剤塗液B-7>
ポリカーボネートポリオール成分を含む主剤として、平均分子量1000のポリエステルポリオール(DIC(株)製、商品名「OD−X−210」)、平均分子量1000のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名「プラクセルCD CD210」)を質量比60:40となるように混合し、酢酸エチルに溶解させ、固形分約50質量%、粘度400[mPa・s]のポリオール溶液とした。硬化成分としてスミジュールN3300(住化バイエルウレタン製)を(NCO/OH)=2.5となるように配合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液B−7を調製した。
<接着剤塗液B-8>
ポリエステルポリオール成分を含む主剤としてDIC(株)製、TSB−700(商品名、粘度300[mPa・s])を用い、ヘキサメチレンジイソシアナート成分を含む硬化剤としてDIC(株)製、TSH−900(商品名)を使用し、質量比で12:1となるように混合し、固形分濃度が35質量%となるように酢酸エチルで希釈して接着剤塗液B−8を調製した。
・プラスチックフィルム
C-1:耐加水分解性ポリエステルフィルムとして、三菱樹脂(株)製、耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名P100(厚み:50μm)を使用した。
C-2:フッ素樹脂フィルムとして、アルケマ社製のポリフッ化ビニリデン(PVDF)系フィルム、商品名Kynar 302−PGM−TR(厚み:30μm)を使用した。
実施例1
プラスチックフィルム(C−1)に接着剤塗液B−1を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み68μmの積層防湿フィルムD−1を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−1の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
実施例2
プラスチックフィルム(C−1)に接着剤塗液B−2を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み68μmの積層防湿フィルムD−2を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−2の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
実施例3
プラスチックフィルム(C−1)に接着剤塗液B−3を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み68μmの積層防湿フィルムD−3を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−3の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
実施例4
プラスチックフィルム(C−1)に接着剤塗液B−4を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み68μmの積層防湿フィルムD−4を作製した。ガラス,封止材,積層防湿フィルムD−4の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
実施例5
プラスチックフィルム(C−2)に接着剤塗液B−1を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み48μmの積層防湿フィルムD−5を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−5の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した.層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
実施例6
プラスチックフィルム(C−2)に接着剤塗液B−4を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み48μmの積層防湿フィルムD−6を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−6の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
比較例1
プラスチックフィルム(C−1)に接着剤塗液B−5を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み68μmの積層防湿フィルムD−7を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−7の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
比較例2
プラスチックフィルム(C−1)に接着剤塗液B−6を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み68μmの積層防湿フィルムD−8を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−8の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
比較例3
プラスチックフィルム(C−1)に接着剤塗液B−7を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み68μmの積層防湿フィルムD−9を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−9の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
比較例4
プラスチックフィルム(C−1)に接着剤塗液B−8を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み68μmの積層防湿フィルムD−10を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−10の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
比較例5
プラスチックフィルム(C−2)に接着剤塗液B−5を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み48μmの積層防湿フィルムD−11を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−11の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
比較例6
プラスチックフィルム(C−2)に接着剤塗液B−6を固形分6g/m2となるよう塗布乾燥し、無機薄膜層フィルムAをドライラミネートによって貼合し、40℃×5日間養生し、厚み48μmの積層防湿フィルムD−12を作製した。ガラス、封止材、積層防湿フィルムD−12の順に積層し150℃×10分の条件で真空ラミネートし、その後プレッシャークッカー試験を実施した。層間強度、防湿性を測定し、結果を表1に示す。
Figure 2012148561
このように、ポリウレタン系接着剤の引っ張り貯蔵弾性率の変化を表す上記E21及びE23の値が特定範囲にある実施例1〜6の積層防湿フィルムは、層間強度と防湿性能のいずれもが保持されることが明らかであった。特に、上記E21及びE23の値がより小さい接着剤を使用する実施例1、4〜6については、層間強度が特に優れるとともに、高熱処理後の防湿性能も保持されるものであった。
一方、引っ張り貯蔵弾性率の変化が規定範囲を越えたポリウレタン系接着剤を用いた各比較例においては、比較例1〜3、5、6についてはプレッシャークッカーテスト後の防湿性能が大きく劣化し不十分となることが、また比較例4については防湿性能が保持されたものの層間強度が劣化することが明らかとなった。
本発明の積層防湿フィルムは、高温条件に曝された後であっても、優れた防湿性及び層間強度を保持することができるため、太陽電池用フロントシート及びバックシート等の表面保護部材として有用である。

Claims (14)

  1. 基材上に無機薄膜層を有し、該無機薄膜層上に下記(1)及び(2)を満足するポリウレタン系接着剤を介して、プラスチックフィルムを有する積層防湿フィルム。
    (1)−0.1≦E21≦+0.5
    (2)−0.3≦E23≦+0.3
    [上記式中、E21は(E2−E1)/E2を、E23は(E2−E3)/E2を表す。E1は150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示し、E2は150℃で30分間熱処理した後の150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示し、E3は150℃で30分間熱処理し更にJIS C 60068−2−66に準じるプレッシャークッカーテスト(条件:120℃、32時間)後の150℃、周波数10Hz、歪0.1%での引っ張り貯蔵弾性率を示す。]
  2. 前記ポリウレタン系接着剤の主剤が、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール及びポリウレタンポリオールから選ばれる少なくとも1種を20〜70質量%含有するものである請求項1に記載の積層防湿フィルム。
  3. 前記150℃で30分間熱処理し更にプレッシャークッカーテスト後の層間強度が、7.0N/15mm以上である請求項1又は2に記載の積層防湿フィルム。
  4. 下記条件(3)で表される防湿性能の劣化度が15倍以内である請求項1〜3のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
    (3)防湿性能の劣化度は、初期水蒸気透過率(a)と、150℃で30分間熱処理し更にプレッシャークッカーテスト後の積層防湿フィルムの水蒸気透過率(b)において、(b/a)で表される。
  5. 初期防湿性能が、水蒸気透過率で0.1g/m2・日未満である請求項1〜4のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  6. 初期防湿性能が、水蒸気透過率で0.05g/m2・日以下である請求項1〜5のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  7. 前記プラスチックフィルムが、ポリエステルフィルム、アクリルフィルム及びポリカーボネートフィルムから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  8. 前記プラスチックフィルムが、ポリエステル樹脂に紫外線吸収剤を混合し成形したフィルムである請求項1〜6のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  9. 前記プラスチックフィルムが、フッ素樹脂フィルムである請求項1〜6のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  10. 前記基材が、ポリエステルフィルムである請求項1〜9のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  11. 太陽電池用表面保護部材として用いられる請求項1〜10のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  12. 化合物系発電素子太陽電池モジュール又はフレキシブル太陽電池モジュールの表面保護部材に用いられる請求項11に記載の積層防湿フィルム。
  13. 電子ペーパーの表面保護部材として用いられる請求項1〜10のいずれかに記載の積層防湿フィルム。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の積層防湿フィルムを有する太陽電池モジュール。
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