JP2011239539A - スイッチング電源装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハーフブリッジ型のスイッチング素子を共有して、力率改善部と電流共振コンバータ部を組み合わせたスイッチング電源装置において、PFC電圧と出力電圧を制御して、力率改善動作を確実に行うスイッチング電源装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】ハーフブリッジ型の第1,第2スイッチング素子Q1,Q2を共有して、力率改善部2と電流共振コンバータ部3を組み合わせたスイッチング電源装置1において、PFC電圧検出部4と、第1基準電圧発生部5と、第1誤差増幅器6と、スイッチング制御部7とを含み、第1基準電圧発生部5からの出力信号を交流入力電圧の実効値(Vac-in)の少なくとも2√2倍に相当する電圧値に設定して、PFC電圧と交流入力電圧の実効値が、VPFC>2√2Vac-in の関係を満足するように、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハーフブリッジ型のスイッチング素子を共有した力率改善(PFC)部と電流共振(LLC)コンバータ部を備えるAC/DCコンバータにおいて、力率改善部の力率改善動作を確実に行いつつPFC電圧を制御する方式のスイッチング電源装置及びその制御方法に関するものである。
従来、ノートパソコン、液晶テレビ、プラズマテレビ、ゲーム機等のデジタル機器や家庭用娯楽機器用として、力率を改善するためのAC/DCコンバータを備えるスイッチング電源装置が利用されている。この力率改善機能つきAC/DCコンバータは、一般に全波整流ブリッジ、昇圧型の力率改善部およびDC/DCコンバータ部で構成される。
DC/DCコンバータ部としては、フライバックコンバータ、フォワードコンバータ、電流共振(LLC)コンバータなどが挙げられるが、高効率が要求される電源では電流共振コンバータが広く採用されている。
図9は、特許文献1の中で開示された、力率改善機能つきスイッチング電源装置を示すもので、全波整流ブリッジ18、力率改善部20、及びハーフブリッジ型の電流共振コンバータ部30で構成されている。
この装置の回路構成において、力率改善部20は、全波整流ブリッジ18と電流共振コンバータ部30の入力側に設けた2つのスイッチング素子31,32との間に、インダクタ21、ダイオード22、スイッチング素子23を含むアクティブフィルタと平滑コンデンサ26とを有する。
また、電流共振コンバータ部30は、スイッチング素子31,32の直列回路の中間点とトランスTの一次巻線との間に直列共振回路(共振コンデンサ33及び共振インダクタ34)が接続され、トランスTの二次巻線に流れる電流を整流ダイオード35,36とコンデンサ37にて、整流かつ平滑することによって所定の出力電圧を得る。
このスイッチング電源装置は、電流共振コンバータ部30の変換効率は高いものの、全波整流ブリッジ18、力率改善部20、及び電流共振コンバータ部30からなる3つの多段回路構成であるため、一般的に総合効率が85〜90%程度に低下する。
このような状況の中、本出願人は、図10に示すように、全波整流ブリッジを無くし、かつ力率改善部と電流共振コンバータ部のスイッチング素子を共通化して変換効率を向上させたハーフブリッジ型のスイッチング電源回路を開発した。
このスイッチング電源装置は、力率改善(PFC)部2と電流共振コンバータ(LLC)部3から構成されるAC/DCコンバータ回路を有するものである。
力率改善部2は、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2の直列回路に対して第1,第2ダイオードD1,D2を順方向に接続した直列回路を並列接続し、両直列回路の中間点間に昇圧インダクタL1と交流電源Vacが直列に接続されている。また、第1平滑コンデンサCiの正極側が第1,第2ダイオードD1,D2の直列回路のカソード側に、負極側がアノード側にそれぞれ接続されている。
電流共振コンバータ部3は、力率改善部2の第1,第2スイッチング素子Q1,Q2を共有したハーフブリッジ回路と、このハーフブリッジ回路の後段に、高周波トランスTを挟んで、高周波トランスTの一次側に共振インダクタLrと共振コンデンサCrを含む直列共振回路6と、高周波トランスTの二次側に整流ダイオードD3、D4と第2平滑コンデンサCoを含む整流回路とを有している。
力率改善部2は、交流入力電圧の正の半周期(以後、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2の中間点側が正電圧のときを正の半周期と定義する)では、第2スイッチング素子Q2のオン時に昇圧インダクタL1に蓄積されたエネルギーを、第2スイッチング素子Q2のオフ時に第1平滑コンデンサCiに移送する昇圧回路として動作する。また、交流入力電圧の負の半周期では、第1スイッチング素子Q1のオン時に昇圧インダクタL1に蓄積されたエネルギーを、第1スイッチング素子Q1のオフ時に第1平滑コンデンサCiに移送する昇圧回路として動作する。
電流共振コンバータ部3は、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のハーフブリッジ駆動により、第1平滑コンデンサCiに蓄えられたエネルギーを、共振コンデンサCr、共振インダクタLr、および高周波トランスTで構成される共振回路を介して負荷に供給する。
このスイッチング電源回路では、全波整流ブリッジが無いため、図9で示された特許文献1によるスイッチング電源回路よりも高効率であり、かつ部品点数が少ないため、安価に回路を構成できる。
特開2008−283818号公報
本出願人が開発した、図10に示すハーフブリッジ型のスイッチング電源装置では、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のオンデューティが略50%で固定であるため、スイッチング素子を共有している力率改善部2の制御が難しいという課題があった。
例えば、交流入力電圧の瞬時値とPFC電圧の値が近くなると、第2スイッチング素子Q2のオン期間中に昇圧インダクタL1に蓄えられたエネルギーを第1スイッチング素子Q1のオフ期間中に全て第1平滑コンデンサCiに放出することができなくなり、昇圧インダクタL1が電流連続モードに移行し、過大な電流が流れ、高力率を維持することが難しくなる。
さらに、軽負荷時でもスイッチング素子のオンデューティを狭くできないため、力率改善部2のPFC電圧が過剰に上昇し、電解コンデンサやスイッチング素子が破壊する恐れがある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、オンデューティが固定のハーフブリッジ回路において力率改善部のPFC電圧を制御しつつ、確実かつ安定した力率改善動作を行えるスイッチング電源装置及びその制御方法を提供することにある。
上記目的を解決するために、本発明は、第1、第2スイッチング素子の直列回路に対して第1、第2ダイオードが順方向に接続された直列回路が並列に接続され、両直列回路の中間点間に昇圧インダクタと交流電源が直列に接続され、第1平滑コンデンサの正極側が前記第1、第2ダイオードの直列回路のカソード側に、負極側がアノード側にそれぞれ接続され、前記第1、第2スイッチング素子のオン/オフ動作により、昇圧インダクタを介して、前記交流電源からの交流入力電圧を、力率を改善しつつ昇圧して前記第1平滑コンデンサに直流のPFC電圧(VPFC)を出力する力率改善(PFC)部と、前記第1、第2スイッチング素子を共通としたハーフブリッジ回路と、高周波トランスと、前記ハーフブリッジ回路と前記高周波トランスの一次巻線との間に備えられた共振インダクタと共振コンデンサとを含む共振回路と、前記高周波トランスの二次巻線と負荷部の間に備えられた整流ダイオードと第2平滑コンデンサを含む整流平滑回路とを含み、前記共振回路と前記高周波トランスとによる共振動作によって前記第1、第2スイッチング素子のソフトスイッチング動作を行うとともに、前記PFC電圧を入力電圧として、前記高周波トランスを介して、前記第1、第2スイッチング素子のオン/オフ動作によって得られる一次側の高周波電圧を二次側の前記整流平滑回路で整流平滑して得られる直流の出力電圧を前記負荷部に供給する電流共振コンバータ部と、を備えたスイッチング電源装置において、前記PFC電圧を検出するPFC電圧検出部と、第1基準電圧を発生する第1基準電圧発生部と、前記PFC電圧と前記第1基準電圧との差を増幅して出力する第1誤差増幅器と、前記第1誤差増幅器からの出力信号に基づき、前記第1、第2スイッチング素子をオン/オフ制御するための駆動信号を出力するスイッチング制御部とを含み、前記第1基準電圧発生部からの出力信号を前記交流入力電圧の実効値の少なくとも2√2倍に相当する電圧値に設定して、前記PFC電圧と前記交流入力電圧の実効値(Vac-in)が、
PFC>2√2Vac-in
の関係を満足するように、前記第1、第2スイッチング素子を制御することを特徴としている。
また、本発明の好ましい実施形態では、前記整流平滑回路から出力される前記出力電圧を検出する出力電圧検出部と、第2基準電圧を発生する第2基準電圧発生部と、前記出力電圧と前記第2基準電圧との差を増幅して出力する第2誤差増幅器とをさらに含み、前記スイッチング制御部は、前記第1誤差増幅器と第2誤差増幅器からのそれぞれの出力信号に基づいて前記第1、第2のスイッチング素子を制御して前記出力電圧を定電圧制御することを特徴とする。
また、前記スイッチング制御部は前記高周波トランスの二次側に設置されるとともに、前記第1誤差増幅器の出力信号を、第1絶縁手段を介して、二次側の前記スイッチング制御部に伝達するとともに、前記スイッチング制御部から出力される前記駆動信号を、第2絶縁手段を介して、前記第1、第2スイッチング素子に伝達することを特徴とする。
また、前記スイッチング制御部は前記高周波トランスの一次側に設置されるとともに、前記第2誤差増幅器の出力信号を、第3絶縁手段を介して一次側の前記スイッチング制御部に伝達することを特徴としている。また、前記第1、第2、第3絶縁手段は、フォトカプラまたは絶縁トランスであることを特徴とする。
また、前記共振インダクタを、前記高周波トランスの漏れインダクタンスで代替することを特徴とする。
さらに、本発明のスイッチング電源装置の制御方法は、第1、第2スイッチング素子の直列回路に対して、第1、第2ダイオードが順方向に接続された直列回路が並列に接続され、両直列回路の中間点間に昇圧インダクタと交流電源が直列に接続され、第1平滑コンデンサの正極側が前記第1、第2ダイオードの直列回路のカソード側に、負極側がアノード側にそれぞれ接続され、前記第1、第2スイッチング素子のオン/オフ動作により、前記昇圧インダクタを介して、前記交流電源からの交流入力電圧を、力率を改善しつつ昇圧して前記第1平滑コンデンサに直流のPFC電圧(VPFC)を出力する力率改善(PFC)部と、前記第1、第2スイッチング素子を共通としたハーフブリッジ回路と、高周波トランスと、前記ハーフブリッジ回路と前記高周波トランスの一次巻線との間に備えられた共振インダクタと共振コンデンサとを含む共振回路と、前記高周波トランスの二次巻線と負荷部の間に備えられた整流ダイオードと第2平滑コンデンサを含む整流平滑回路とを含み、前記共振回路と前記高周波トランスとによる共振動作によって前記第1、第2スイッチング素子のソフトスイッチング動作を行うとともに、前記PFC電圧を入力電圧として、前記高周波トランスを介して、前記第1、第2スイッチング素子のオン/オフ動作によって得られる一次側の高周波電圧を二次側の前記整流平滑回路で整流平滑して得られる直流の出力電圧を前記負荷部に供給する電流共振コンバータ部と、を備えたスイッチング電源装置の前記PFC電圧の制御方法であって、前記PFC電圧と前記交流入力電圧の実効値(Vac-in)が、
PFC>2√2Vac-in
の関係を満足するように制御されることを特徴としている。
また、本発明のスイッチング電源装置の制御方法は、前記PFC電圧を検出する工程と、前記交流入力電圧の実効値の少なくとも2√2倍に相当する第1基準電圧を発生する工程と、前記PFC電圧と前記第1基準電圧を比較して両者の差を増幅した第1誤差増幅信号を出力する工程と、前記第1誤差増幅信号に基づいて、前記第1、第2スイッチング素子をオン/オフ制御する工程とを含んでいることを特徴とする。
さらに、好ましい実施形態では、前記整流平滑回路から出力される前記出力電圧を検出する工程と、所定の第2基準電圧を発生する工程と、前記出力電圧と前記第2基準電圧を比較して両者の差を増幅した第2誤差増幅信号を出力する工程と、前記第1、第2誤差増幅信号に基づいて前記第1、第2のスイッチング素子をオン/オフ制御する工程とを含んでいることを特徴とする。
そして、前記第1誤差増幅信号の出力結果に応じて、前記第1、第2スイッチング素子のスイッチング休止期間を設けて前記PFC電圧を制御し、かつ前記第2誤差増幅信号の出力結果に応じて前記第1、第2スイッチング素子のスイッチング周波数を変化させることによって前記電流共振コンバータ部の前記出力電圧を制御することを特徴とする。
また、本発明のスイッチング電源装置の上記制御方法において、第1、第2スイッチング素子の一方のスイッチング休止期間直後のオンデューティを所定のオンデューティの略2分の1のハーフパルスとし、かつ第1、第2スイッチング素子の他方のスイッチング休止期間直前のオンデューティを所定のオンデューティの略2分の1のハーフパルスとすることを特徴とする。
本発明に係るスイッチング電源装置は、ハーフブリッジ型のスイッチング素子を共有して力率改善部と電流共振コンバータ部とを組み合わせたスイッチング電源装置において、PFC電圧VPFCを2√2Vac-in(ここで、Vac-inは、交流入力電圧の実効値)以上に制御している。これにより、スイッチング電源装置の力率改善動作を確実に行い、高力率を維持できる。
また、本発明では、力率改善部のPFC電圧はスイッチングの休止期間を変えることにより、電流共振コンバータ部からの出力電圧はスイッチング周波数を変化させることにより、両者を独立に制御している。これにより、高力率を維持しつつ、負荷部に所定の出力電圧を確実に供給することができる。
さらに、本発明におけるスイッチング素子の制御方法によれば、高周波トランスの寸法を小さく抑えることができ、安価なスイッチング電源装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に係るスイッチング電源装置の回路構成図である。 本発明の力率改善部の昇圧動作を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係るスイッチング電源装置の回路構成図である。 本発明の第3実施形態に係るスイッチング電源装置の回路構成図である。 本発明の第4実施形態に係るスイッチング電源装置の回路構成図である。 図3における本発明の実施形態において、(a)は、制御ブロック図を示し、(b)は、その制御方法におけるスイッチング素子の動作波形を示す図である。 本発明におけるハーフパルス制御の一形態とその効果を説明するための図である。 本発明におけるハーフパルス制御のより好適な形態とその効果を説明するための図である。 従来例のスイッチング電源装置の回路構成図である。 本発明における基本構成である力率改善部と電流共振コンバータ部を組み合わせたハーフブリッジ型のスイッチング電源装置の回路構成図である。
以下に、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るスイッチング電源装置1の基本構成を示している。
なお、図1および以下の説明において、上記従来技術で説明した構成と共通する構成要素には、同一符号を付している。
力率改善部2は、第1,第2ダイオードD1,D2の直列回路と第1,第2スイッチング素子Q1,Q2の直列回路とが並列接続され、両直列回路の中間点間に昇圧インダクタL1と交流電源Vacが直列に接続されており、さらに、第1,第2ダイオードD1,D2の直列回路の両端に第1平滑コンデンサCiが並列接続されている。
電流共振コンバータ部3は、力率改善部2の第1,第2スイッチング素子Q1,Q2を共有したハーフブリッジ回路と、このハーフブリッジ回路の中間点と高周波トランスTの一次巻線の一端の間に接続される共振インダクタLrと共振コンデンサCrの直列共振回路とを有し、高周波トランスTの他端は第1平滑コンデンサCiの負極側に接続されている。また、高周波トランスTの二次側に整流ダイオードD3,D4と第2平滑コンデンサCoを含む整流回路を有している。
力率改善部2は、交流電源Vacの第1,第2スイッチング素子Q1,Q2との中間点側が正の半周期の場合、第2スイッチング素子Q2がオンのときに昇圧インダクタL1にエネルギーを蓄え、第1スイッチング素子Q1がオンのときに昇圧インダクタL1にたまったエネルギーを第1平滑コンデンサCiに昇圧しつつ蓄積する。同様に、交流電源Vacが負の半周期の場合、第1スイッチング素子Q1がオンのときに昇圧インダクタL1にエネルギーを蓄え、第2スイッチング素子Q2がオンのときに昇圧インダクタL1にたまったエネルギーを第1平滑コンデンサCiに昇圧しつつ蓄積する。
また、電流共振コンバータ部3は、ハーフブリッジ型の第1,第2スイッチング素子Q1,Q2と、高周波トランスTの一次側の共振コンデンサCrと共振インダクタLrとの共振動作によってソフトスイッチング動作を行っている。第1,第2スイッチング素子Q1,Q2はスイッチング制御部7により制御され、交互にオン/オフ動作する。このオン/オフ動作に基づいて発生する交流の高周波電圧が高周波トランスTの一次巻線の両端に印加され、高周波トランスTの二次巻線に流れる電流を整流ダイオードD3、D4と第2平滑コンデンサCoにて、整流かつ平滑することによって所定の出力電圧を得ることができる。
なお、図1で、高周波トランスTの他端は第1平滑コンデンサCiの負極側に接続されているが、正極側への接続に変更することもできる。
また、共振コンデンサをコンデンサCr1とコンデンサCr2の直列回路とし、この直列回路を第1,第2スイッチング素子Q1,Q2の直列回路に並列接続し、両直列回路の中間点間に共振インダクタLrと高周波トランスTの一次巻線を直列に接続する構成に変更することもできる。
その他、同様のハーフブリッジ回路の変形回路に対しても本発明は適用可能である。
本発明では、図1に示すように、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2を制御するために、第1平滑コンデンサCiに蓄えられた力率改善部2のPFC電圧(VPFC)を検出するPFC電圧検出部4と、PFC電圧を所定の電圧値に制御するための基準電圧を発生する第1基準電圧発生部5と、PFC電圧VPFCと第1基準電圧との差を増幅して出力する第1誤差増幅器6とをさらに含み、スイッチング制御部7は、この第1誤差増幅器6の出力信号に基づいて第1,第2スイッチング素子Q1,Q2をオン/オフ制御する。
ここで、交流電源Vacからの交流入力電圧の実効値をVac-inとするとき、第1基準電圧発生部5は、PFC電圧VPFCを2√2Vac-in以上とするために、少なくとも2√2Vac-in以上に相当する基準電圧値に設定される。尚、ここで、「相当する」とは、検出されるPFC電圧値が実際のPFC電圧の分圧値として検出される場合も含んでおり、この場合、実際の基準電圧値は2√2Vac-inに分圧比を乗算した値となる。
上述のように、PFC電圧VPFCを2√2Vac-in以上に制御することの効果を、以下により詳細に説明する。
このスイッチング電源装置1では、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2は電流共振コンバータ部3のハーフブリッジ回路を構成している。従って、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のオンデューティは略50%で固定になる。一方、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2は力率改善部2のスイッチング素子としての役割も兼ねているため、これに伴って力率改善部2のスイッチング素子のオンデューティも略50%で固定になる。
一方、一般的な力率改善回路である連続モードPFCや臨界モードPFCでは、いずれの場合もオンデューティを交流電源Vacの位相角に応じて変化させることによって(前者ではオン幅の変化により、後者ではスイッチング周波数の変化により)、力率改善動作を実現している。例えば連続モードPFCでは、交流電源Vacの位相角が0°付近のとき(交流入力電圧の瞬時値が小さいとき)にはオン幅を大きく、位相角が90°付近(交流入力電圧の瞬時値が大きいとき)ではオン幅が小さくなるように制御して、交流電源Vacからの電流が交流入力電圧の瞬時値に略比例するようにして、力率改善動作を実現している。
しかし、本発明では、上述のとおりオンデューティが略50%固定であるため、昇圧インダクタL1を連続モードで動作させた場合、上記連続モードPFCのようにオン幅を変化させることによる力率改善動作ができない。従って、本発明のような力率改善部2と電流共振コンバータ部3のスイッチング素子を共有したスイッチング電源装置1では、常に昇圧インダクタL1を不連続モードで動作させる必要がある。もし、連続モードでの動作を行うと、急激に昇圧インダクタL1に流れるチョーク電流が増加し、力率の悪化やチョークコアの飽和につながるため、好ましくない。
従って、本発明では、この不具合を生じないように不連続モードで制御を行う必要がある。
さらに、本発明のスイッチング電源装置1において、昇圧インダクタL1を不連続モードで動作させるための条件を説明する。図2に、本発明のスイッチング電源装置1における第1,第2スイッチング素子Q1,Q2の動作を簡略化して説明する。
図2の昇圧コンバータは、入力電圧Vin(交流入力電圧の瞬時値に相当)で、昇圧インダクタL1に流れるインダクタ電流iは、昇圧インダクタL1に印加される電圧をV、電圧が印加されている時間をtとすると、
i =(V/L1)・t
である。従って、第2スイッチング素子Q2がオン動作時のインダクタのピーク電流ip は、第2スイッチング素子Q2のオン時間をTonとすると、
ip =(Vin/L1)・Ton
となり、また、第2スイッチング素子Q2のオフ時間をToffとすると、
ip =[(VPFC―Vin)/L1]・Toff
となる。
そして、不連続モードで動作させるためには、第2スイッチング素子Q2のオフ期間中にインダクタ電流iが0Aまで低下する必要がある。
即ち、この条件は、
(VPFC―Vin)・Toff>Vin・Ton
であり、オンデューティは略50%で固定であるため、Toff=Tonであることから、
(VPFC―Vin)>Vin
となる。従って、常にVPFC>2Vin とすれば、不連続モードでの動作が可能になる。
この条件が一番厳しい所は、交流入力電圧の瞬時値Vinが最大のときであり、交流入力電圧の実効値をVac_inとすれば、√2Vac_inになる。従って、
PFC>2√2Vac_in
の関係式を満たすPFC電圧VPFCを設定すれば、不連続モードでの動作が可能になる。
以上のように、本発明によってVPFC>2√2Vac_inを満たすようにPFC電圧を制御することによって、力率改善部2と電流共振コンバータ部3でスイッチング素子を共有したスイッチング電源装置1において、昇圧インダクタL1を不連続モードで動作させることが可能になる。このことにより、交流電源Vacから出力される電流を、交流入力電圧に略比例した電流値にすることができ、高力率での力率改善動作を実現できる。
また、図3は、本発明の第2実施形態に係わるスイッチング電源装置1aの構成を示しており、図1で示したスイッチング電源装置1に加え、電流共振コンバータ部3の整流平滑回路を介して負荷部に出力される出力電圧を検出する出力電圧検出部8と、出力電圧を所定の電圧値に設定するための第2基準電圧発生部9と、この両者からの出力信号の差を増幅して出力する第2誤差増幅器10とで構成され、スイッチング制御部7は、第1誤差増幅器6および第2誤差増幅器10からの出力信号に基づき、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフ制御を行う。
以上の構成にしたことにより、力率改善部2のPFC電圧と、電流共振コンバータ部3の出力電圧を同時に制御することが可能となり、高力率を維持しつつ、負荷部に所定の出力電圧を供給することができる。
また、図4は、本発明の第3実施形態に係わるスイッチング電源装置1bの構成を示している。
パソコン用およびTV用などのスイッチング電源装置では、一般に安全のために一次側回路と二次側回路の間に絶縁手段が設けられる。従って、図4のようにスイッチング制御部7が高周波トランスTを挟んで二次側に配置されている場合には、一次側の第1誤差増幅器6からの出力信号は第1絶縁手段11を介して二次側のスイッチング制御部7に伝達される。さらに、スイッチング制御部7から出力されるスイッチング素子の駆動信号は、第2絶縁手段12を介して一次側の第1,第2スイッチング素子Q1,Q2に伝達される。
また、図5は、本発明の第4実施形態に係るスイッチング電源装置1cの構成を示している。この場合、スイッチング制御部7が一次側に配置されており、二次側の第2誤差増幅器10からの出力信号は、第3絶縁手段13を介して一次側のスイッチング制御部7に伝達される。
なお、上述の第1、第2、第3絶縁手段は、フォトカプラまたは絶縁トランスで構成されるのが好適である。
以上、第3実施形態、第4実施形態のように、絶縁手段(第1、第2、第3絶縁手段)を設けることにより、安全なスイッチング電源装置を提供できる。
なお、以上の説明における共振インダクタLrは、高周波トランスTの漏れインダクタンスで代替することも可能である。
また、以上の説明における第1、第2基準電圧発生部、第1、第2誤差増幅器、スイッチング制御部は、これらの機能の全てまたは一部をマイコン内部に取り込み、これらの機能をマイコン内部での演算によって代替することも可能である。
次に、本発明の上記制御方法について、そのステップを以下で説明する。
本発明の第1実施形態に係るスイッチング電源装置の制御方法は、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のハーフブリッジ回路に並列接続された第1平滑コンデンサCiに蓄えられた力率改善部2のPFC電圧を検出する工程と、交流入力電圧の実効値Vac-inの少なくとも2√2倍に相当する第1基準電圧を発生する工程と、検出されたPFC電圧値と第1基準電圧とを比較して両者の差を増幅した第1誤差増幅信号を出力する工程と、この出力信号に基づいて、スイッチング制御部7から制御信号を出力して、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフを制御する工程とを含んでいる。
これらの各工程を順次行うことにより、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2は、PFC電圧VPFCが交流入力電圧の実効値の2√2倍以上の電圧値になるようにオン/オフ制御されるため、力率改善部2の昇圧インダクタL1を常に電流不連続モードで動作させることができる。
もし、PFC電圧VPFCが2√2Vac-inよりも低く設定されていると、昇圧インダクタL1が電流連続モードに移行し、交流入力電流波形がひずむため、力率が悪化する。しかし、本発明によって、PFC電圧VPFCを2√2Vac-in以上に保持できるので、高力率を実現できる。
さらに、本発明の第2実施形態に係るスイッチング電源装置の制御方法では、電流共振コンバータ部3の出力電圧を検出する工程と、所定の第2基準電圧を発生する工程と、検出された出力電圧値と第2基準電圧を比較して両者の差を増幅した第2誤差増幅信号を出力する工程と、スイッチング制御部が、第1、第2誤差増幅器からの出力信号に基づいて第1,第2スイッチング素子Q1,Q2を制御する工程とを含んでいる。
これらの各工程を順次行うことにより、力率改善部2のPFC電圧VPFCおよび電流共振コンバータ部3の出力電圧Voをそれぞれ独立に制御することができる。
以上の制御方法は、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2を共有して、力率改善部2と電流共振コンバータ部3を組み合わせたハーフブリッジ型のスイッチング電源装置1,1a及び絶縁手段(第1、第2、第3絶縁手段)を設けたスイッチング電源装置1b,1cにおいて、実施されるものである。
さらに、力率改善部2のPFC電圧VPFCおよび電流共振コンバータ部3の出力電圧Voをそれぞれ独立に制御するための、より好適な工程を、図6を用いて以下に説明する。
図6(a)は、力率改善部2のPFC電圧VPFCおよび電流共振コンバータ部3の出力電圧Voを制御するための制御ブロック図を示している。ただし、説明上、図6では力率改善部2と電流共振コンバータ部3を分離したブロック図で記述しているが、実際は第1,第2スイッチング素子Q1,Q2は両者で共通である。
即ち、交流電源Vacからの交流入力電圧が力率改善部2に入力され、力率改善部2から出力されるPFC電圧VPFCを電流共振コンバータ部3に供給すると共に、PFC電圧と第1基準電圧との差を増幅して出力し、その出力信号に基づいて、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のスイッチングを休止する期間を変化させる。さらに、電流共振コンバータ部3の出力電圧Voと第2基準電圧の差を増幅して出力し、その出力信号に基づいて第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を変化させる。
次に、上記の制御方法の効果を説明する。まず、電流共振コンバータ部3の出力電圧Voの制御については、一般的な電流共振コンバータと同じく、スイッチング周波数を変化させることによって、出力電圧Voを変化させることができる。従って、図6のように、所定の第2基準電圧と出力電圧Voとの誤差増幅信号(第2誤差増幅信号)に基づいてスイッチング周波数を変調すれば、出力電圧Voを第2基準電圧値で決まる所定の電圧値に制御できる。
一方、PFC電圧VPFCの制御に関しては、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のオンデューティが略50%で固定のため、オンデューティの変化によって制御することができない。そこで、図6(b)に示すように、スイッチングの休止期間を設けることによって、PFC電圧VPFCを制御する。
例えば、図6(b)に示すように、(1)全負荷の場合、第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のオンデューティは、略50%で一定であり、休止期間はなく、常にオン/オフ動作を維持している。
しかし、(2)負荷が軽くなった場合、スイッチングの休止期間がないとPFC電圧VPFCは上昇する。この電圧上昇によって第1誤差増幅器6の出力信号が変化するため、この誤差増幅信号(第1誤差増幅信号)に基づいてスイッチングの休止期間の割合を、PFC電圧VPFCが一定になるように変化させる。
(3)更に負荷が軽くなったとき、更にスイッチング休止期間の割合を増やして、PFC電圧VPFCを一定に保つようにする。
以上のように、PFC電圧VPFCと第1基準電圧との誤差増幅信号(第1誤差増幅信号)に基づいて第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング休止期間を設けることによって、PFC電圧を制御し、一方、出力電圧Voと第2基準電圧との誤差増幅信号(第2誤差増幅信号)に基づいて第1,第2スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を変化させることで出力電圧を制御することができる。
なお、上述ではスイッチング素子の休止期間を説明するために図6(b)を用いたが、スイッチング素子の休止期間の形態はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
次に、図7を用いて、より好適なスイッチング素子の休止期間による制御方法の形態を説明する。図7(a)は、スイッチング素子の休止期間が終わり、再びスイッチングが始まるとき、最初から略50%のオンデューティでスイッチングを始める場合(ハーフパルス制御無し)の各部波形を示している。
この場合、図7(a)のように、スイッチングが開始された直後では高周波トランスTの励磁電流は略0A(アンペア)になっており(A点)、スイッチング開始直後からオンデューティ50%でオンすると、励磁電流が大きくなるため(B点)、巻数を多くして高周波トランスTの寸法を大きくしなければならず、スイッチング電源装置が高価になる。
一方、図7(b)のように、スイッチング開始直後の最初のスイッチングのみ、オンデューティを所定のオンデューティ(略50%)の2分の1のハーフパルス(略25%)にした場合、高周波トランスの励磁電流の増加を抑制できる(D点)。
なお、図7では、第2スイッチング素子Q2からスイッチングを始めているため、第2スイッチング素子Q2の最初のオンデューティのみハーフパルスとしたが、第1スイッチング素子Q1からスイッチングが開始される場合は、第1スイッチング素子Q1の最初のオンデューティのみハーフパルスとする。
以上のようなハーフパルス制御を行うことにより、高周波トランスTの励磁電流を抑制できるため、高周波トランスTの寸法を小型にすることができ、スイッチング電源装置を低価格にすることができる。
さらに、図8を用いて、より好適なハーフパルス制御の形態を説明する。図8(a)は、スイッチング開始時のみハーフパルス制御する場合の各部波形を示している。
この場合、第2スイッチング素子Q2をハーフパルスにしているため、第1スイッチング素子Q1のオン期間の和と第2スイッチング素子Q2のオン期間の和は第2スイッチング素子Q2の方が大きくなる。このとき、両者のスイッチング素子は力率改善部2のスイッチング素子も兼ねているため、図8(a)のように、交流電源Vacからの電流波形は正負非対称になり、力率が悪化するという問題がある。
一方、図8(b)のように、一方のスイッチング素子(Q2)のスイッチング休止期間直後のオンデューティをハーフパルスとし、かつ他方のスイッチング素子(Q1)の休止期間直前のオンデューティもハーフパルスとすれば、両者のスイッチング素子のオン期間の和が等しくなるため、図8(b)のように、交流電源Vacからの電流波形は正負対称になり、高力率を維持することができる。
なお、図8では、第2スイッチング素子Q2からスイッチングを始めているため、第2スイッチング素子Q2の最初のオンデューティをハーフパルスとし、第1スイッチング素子Q1の終わりをハーフパルスとしたが、第1スイッチング素子Q1からスイッチングが開始される場合は、第1スイッチング素子Q1の最初のオンデューティをハーフパルスとし、第2スイッチング素子Q2の終わりをハーフパルスとする。
以上、図8で説明したハーフパルス制御を行うことにより、高周波トランスTの励磁電流を抑制しつつ、高力率を維持できる。
以上で説明したように、本発明のスイッチング電源装置は、PFC電圧を2√2Vac-in(Vac-inは交流入力電圧の実効値)以上に制御することより、力率改善動作を確実に行い、高力率を維持できる。
また、PFC電圧はスイッチング休止期間を変えることにより、そして、出力電圧はスイッチング周波数を変えることにより、これらを独立に制御できるため、高力率を維持しつつ、負荷部に所定の出力電圧を確実に供給することができる。
さらに、本発明におけるスイッチング素子の制御方法によれば、高周波トランスの寸法を小さく抑えることができ、安価なスイッチング電源装置を提供できる。
1,1a,1b,1c:スイッチング電源装置、 2:力率改善部、 3:電流共振コンバータ部、 4:PFC電圧検出部、 5:第1基準電圧発生部、 6:第1誤差増幅器、 7:スイッチング制御部、 8:出力電圧検出部、 9:第2基準電圧発生部 10:第2誤差増幅器、11:第1絶縁手段、12:第2絶縁手段、13:第3絶縁手段、 Q1:第1スイッチング素子、 Q2:第2スイッチング素子、 D1:第1ダイオード、 D2:第2ダイオード、 D3,D4:整流ダイオード、 Ci:第1平滑コンデンサ、Co:第2平滑コンデンサ、L1:昇圧インダクタ、 Lr:共振インダクタ、Cr:共振コンデンサ、 T:高周波トランス、 Vac:交流電源、 VPFC:PFC電圧

Claims (11)

  1. 第1、第2スイッチング素子の直列回路に対して、第1、第2ダイオードが順方向に接続された直列回路が並列に接続され、両直列回路の中間点間に昇圧インダクタと交流電源が直列に接続され、第1平滑コンデンサの正極側が前記第1、第2ダイオードの直列回路のカソード側に、負極側がアノード側にそれぞれ接続され、前記第1、第2スイッチング素子のオン/オフ動作により、前記昇圧インダクタを介して、前記交流電源からの交流入力電圧を、力率を改善しつつ昇圧して前記第1平滑コンデンサに直流のPFC電圧(VPFC)を出力する力率改善(PFC)部と、
    前記第1、第2スイッチング素子を共通としたハーフブリッジ回路と、高周波トランスと、前記ハーフブリッジ回路と前記高周波トランスの一次巻線との間に備えられた共振インダクタと共振コンデンサとを含む共振回路と、前記高周波トランスの二次巻線と負荷部の間に備えられた整流ダイオードと第2平滑コンデンサを含む整流平滑回路とを含み、前記共振回路と前記高周波トランスとによる共振動作によって前記第1、第2スイッチング素子のソフトスイッチング動作を行うとともに、前記PFC電圧を入力電圧として、前記高周波トランスを介して、前記第1、第2スイッチング素子のオン/オフ動作によって得られる一次側の高周波電圧を二次側の前記整流平滑回路で整流平滑して得られる直流の出力電圧を前記負荷部に供給する電流共振コンバータ部と、
    を備えたスイッチング電源装置において、
    前記PFC電圧を検出するPFC電圧検出部と、第1基準電圧を発生する第1基準電圧発生部と、前記PFC電圧と前記第1基準電圧との差を増幅して出力する第1誤差増幅器と、前記第1誤差増幅器からの出力信号に基づき、前記第1、第2スイッチング素子をオン/オフ制御するための駆動信号を出力するスイッチング制御部とを含み、前記第1基準電圧を前記交流入力電圧の実効値(Vac-in)の少なくとも2√2倍に相当する電圧値に設定して、前記PFC電圧と前記交流入力電圧の実効値が、
    PFC>2√2Vac-in
    の関係を満足するように、前記第1、第2スイッチング素子を制御することを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記整流平滑回路から出力される前記出力電圧を検出する出力電圧検出部と、第2基準電圧を発生する第2基準電圧発生部と、前記出力電圧と前記第2基準電圧との差を増幅して出力する第2誤差増幅器とをさらに含み、
    前記スイッチング制御部は、前記第1誤差増幅器と第2誤差増幅器からのそれぞれの出力信号に基づいて前記第1、第2のスイッチング素子を制御して前記出力電圧を定電圧制御することを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記スイッチング制御部は前記高周波トランスの二次側に設置されるとともに、前記第1誤差増幅器の出力信号を第1絶縁手段を介して二次側の前記スイッチング制御部に伝達するとともに、前記スイッチング制御部から出力される前記駆動信号を、第2絶縁手段を介して前記第1、第2スイッチング素子に伝達することを特徴とする請求項1または2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記スイッチング制御部は前記高周波トランスの一次側に設置されるとともに、前記第2誤差増幅器の出力信号を、第3絶縁手段を介して一次側の前記スイッチング制御部に伝達することを特徴とする請求項2に記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記第1、第2、第3絶縁手段は、フォトカプラまたは絶縁トランスであることを特徴とする請求項3または4に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記共振インダクタを、前記高周波トランスの漏れインダクタンスで代替することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のスイッチング電源回路。
  7. 第1、第2スイッチング素子の直列回路に対して第1、第2ダイオードが順方向に接続された直列回路が並列に接続され、両直列回路の中間点間に昇圧インダクタと交流電源が直列に接続され、第1平滑コンデンサの正極側が前記第1、第2ダイオードの直列回路のカソード側に、負極側がアノード側にそれぞれ接続され、前記第1、第2スイッチング素子のオン/オフ動作により、前記昇圧インダクタを介して、前記交流電源からの交流入力電圧を、力率を改善しつつ昇圧して前記第1平滑コンデンサに直流のPFC電圧(VPFC)を出力する力率改善(PFC)部と、
    前記第1、第2スイッチング素子を共通としたハーフブリッジ回路と、高周波トランスと、前記ハーフブリッジ回路と前記高周波トランスの一次巻線との間に備えられた共振インダクタと共振コンデンサとを含む共振回路と、前記高周波トランスの二次巻線と負荷部の間に備えられた整流ダイオードと第2平滑コンデンサを含む整流平滑回路とを含み、前記共振回路と前記高周波トランスとによる共振動作によって前記第1、第2スイッチング素子のソフトスイッチング動作を行うとともに、前記PFC電圧を入力電圧として、前記高周波トランスを介して、前記第1、第2スイッチング素子のオン/オフ動作によって得られる一次側の高周波電圧を二次側の前記整流平滑回路で整流平滑して得られる直流の出力電圧を前記負荷部に供給する電流共振コンバータ部と、
    を備えたスイッチング電源装置の前記PFC電圧の制御方法であって、
    前記PFC電圧と前記交流入力電圧の実効値(Vac-in)が、
    PFC>2√2Vac-in
    の関係を満足するように制御されることを特徴とするスイッチング電源装置の制御方法。
  8. 前記PFC電圧を検出する工程と、前記交流入力電圧の実効値の少なくとも2√2倍に相当する第1基準電圧を発生する工程と、前記PFC電圧と前記第1基準電圧を比較して両者の差を増幅した第1誤差増幅信号を出力する工程と、前記第1誤差増幅信号に基づいて、前記第1、第2スイッチング素子をオン/オフ制御する工程とを含んでいることを特徴とする請求項7記載のスイッチング電源装置の制御方法。
  9. 前記整流平滑回路から出力される前記出力電圧を検出する工程と、所定の第2基準電圧を発生する工程と、前記出力電圧と前記第2基準電圧を比較して両者の差を増幅した第2誤差増幅信号を出力する工程と、前記第1、第2誤差増幅信号に基づいて前記第1、第2のスイッチング素子をオン/オフ制御する工程とを含んでいることを特徴とする請求項8に記載の制御方法。
  10. 前記第1誤差増幅出力の出力結果に応じて、前記第1、第2スイッチング素子のスイッチング休止期間を設けて前記PFC電圧を制御し、かつ前記第2誤差増幅出力の出力結果に応じて前記第1、第2スイッチング素子のスイッチング周波数を変化させることによって前記電流共振コンバータ部の前記出力電圧を制御することを特徴とする請求項9に記載のスイッチング電源装置の制御方法。
  11. 前記第1、第2スイッチング素子の一方のスイッチング休止期間直後のオンデューティを所定のオンデューティの略2分の1のハーフパルスとし、かつ前記第1、第2スイッチング素子の他方のスイッチング休止期間直前のオンデューティを所定のオンデューティの略2分の1のハーフパルスとすることを特徴とする請求項10記載のスイッチング電源装置の制御方法。
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