JP2011206269A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用中の動作時における股間部の漏れをより好適に防止することができる吸収性物品を提供することである。
【解決手段】吸収体を含む吸収性本体10と、前記吸収性本体の外面側に設けられ、着用時に人体の腹側に位置する腹側部F及び背側に位置する背側部Bを有する外装体20と、を備え、前記外装体の前記腹側部と前記背側部とが、その両側端が接合されることにより腰周り開口部及び左右一対の脚周り開口部が形成されるパンツ型紙おむつ1において、前記吸収体は、前記腹側部と前記背側部との間であって着用時に人体の股間に位置する股間部Mにおいて、前記吸収性本体の長手方向に離間して設けられた腹側吸収体131と背側吸収体132とを備え、前記外装体における前記第1吸収体と前記第2吸収体との離間領域Sに、当該離間領域を横断する伸縮自在な脚周り弾性部材27が配置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
従来、吸収性物品の一つとして使い捨ての紙おむつが知られている。使い捨ての紙おむつとしては、パンツ型及びテープ式紙おむつが知られている。
このうちパンツ型紙おむつは、一般に、吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートと、を備え、製品状態で外装シートにおける腹側部と背側部とが、その両側端の接合部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されている。
パンツ型紙おむつにおいては、着用中の動作時(例えば、脚の開閉時、歩行時、立位と着座位との間の移行動作時など)に生じる人体の股間とパンツ型紙おむつとの隙間から漏れが生じることがある。
また、パンツ型紙おむつにおいては、人体の臀部の形状にフィットせず膨らんだ状態、いわゆる、だぼつきが発生しやすい。
そこで、例えば、吸収性物品において、主として長手方向に沿って収縮力を作用させるように配置された弾性体と、長手方向背側端部の幅方向中心部にスリットが設けられた吸収体とを備え、弾性体が収縮することで吸収体がスリットの形状に沿って変形して、使用者の身体の複雑な3次元形状に好適にフィットさせて漏れを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−105723号公報
しかしながら、上記従来の技術は、スリットの近傍に弾性部材を配置することで吸収体を変形させているに過ぎない。従って、吸収体の変形量はスリット幅に依存するため限度があるので、着用中の動作時における人体の股間に吸収体の形状が追従しきれず、隙間が生じるという問題は依然として残る。
また、同様に、従来の技術のみでは、臀部のように凹凸が大きい部分に好適にフィットさせることは難しいという問題があった。
本発明の課題は、着用中の動作時における股間部の漏れをより好適に防止することができる吸収性物品を提供することである。
また、更なる課題は、臀部によりフィットして臀部のだぼつきの発生を好適に抑制することである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、吸収体を含む吸収性本体と、前記吸収性本体の外面側に設けられ、着用時に人体の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部を有する外装体と、を備え、前記外装体の前記腹側部と前記背側部とが、その両側端が接合されることにより腰周り開口部及び左右一対の脚周り開口部が形成される吸収性物品において、前記吸収体は、前記腹側部と前記背側部との間であって着用時に人体の股間に位置する股間部において、前記吸収性本体の長手方向に離間して設けられた第1吸収体と第2吸収体とを備え、前記外装体における前記第1吸収体と前記第2吸収体との離間領域に、当該離間領域を横断する伸縮自在な離間領域弾性部材が配置されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、吸収体が股間部において第1吸収体と第2吸収体とに分離されるので、吸収体が第1吸収体と第2吸収体とで独立して変形することができることとなって、吸収体の股間部における人体へのフィット性が向上するとともに、離間領域に横断された離間領域弾性部材が収縮することによって、第1吸収体と第2吸収体との離間領域を埋めることができる。
従って、着用中の動作時における股間部からの漏れをより好適に防止することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の吸収性物品において、前記第1吸収体は、前記股間部において前記背側部に向けて凸形状となるように設けられた凸状部を備え、前記第2吸収体は、着用時に人体の臀部に位置する部分において前記腹側部に向けて凹形状となるように設けられた凹状部を備え、前記凸状部が、前記凹状部内に位置していることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、凸状部が人体の股間の底面にフィットし、凹状部が脚の付け根にフィットすることなって、吸収体が人体の股間により好適にフィットすることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の吸収性物品において、前記離間弾性部材は、前記第1吸収体の幅方向内側から前記背側部に向かって幅方向外側に傾斜する方向に沿って配置されることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、離間弾性部材が第1吸収体の幅方向内側から背側部に向かって幅方向外側に傾斜する方向に沿って配置されるので、脚の付け根の形状に沿った方向に離間弾性部材が伸縮することとなって、吸収体の人体の股間へのフィット性をより向上させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品において、前記第2吸収体は、前記腹側部側の長手方向端部の幅方向中心から前記背側部に向かって設けられたスリットを備え、前記外装体における前記スリットの配置領域に、前記吸収性本体の幅方向に沿って伸縮自在なスリット部弾性部材を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られることは無論のこと、特に、スリット部弾性部材が収縮することによって、第2吸収体がスリットを頂点として人体側に凸となるように変形させることができることとなって、臀部の割れ目に沿って吸収体をフィットさせることができる。
従って、臀部のだぼつきの発生を好適に抑制することができる。
本発明によれば、吸収体が股間部において第1吸収体と第2吸収体とに分離されるので、吸収体が第1吸収体と第2吸収体とで独立して変形することができることとなって、吸収体の股間部における人体へのフィット性が向上するとともに、離間領域に横断された離間領域弾性部材が収縮することによって、第1吸収体と第2吸収体との離間領域を埋めることができる。従って、着用中の動作時における股間部の漏れをより好適に防止することができる。
実施形態の紙おむつの製品状態外観図である。 図1の紙おむつの分解斜視図である。 図1の紙おむつの展開図である。 図1の紙おむつの吸収性本体の平面図である。 図3のV-V線における断面図である。 図3のVI-VI線における断面図である。 図3のVII-VII線における断面図である。 吸収体の変形の状態を説明するための説明図である。 装着時を模式した図8(b)のIX-IX線における断面図である。 装着時を模式した図8(b)のX-X線における断面図である。 装着時を模式した図8(b)のXI-XI線における断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
また、本実施の形態においては、吸収性物品としてパンツ型使い捨て紙おむつ(以下、「紙おむつ」という。)を例示して説明する。
図1から図7に示すように、紙おむつ1は、吸収体13を含む吸収性本体10と、この吸収性本体10の外面側に設けられ、着用時に人体の腹側に位置する腹側部F及び背側に位置する背側部Bを有する外装体20と、を備えている。
この紙おむつ1は、外装体20の腹側部Fと背側部Bとが、その両側端の接合部(21、22)において接合されることにより腰周り開口部W、左右一対の脚周り開口部Lが形成されるとともに、左右一対の脚周り開口部Lの間に股間部Mが形成されるようになっている。
ここで、特に断りが無い場合、「長手方向」とは、吸収性本体10の長手方向を意味し、「幅方向」とは、吸収性本体10の幅方向を意味するものとする。
紙おむつ1は、図2に示すように、外装体20の紙おむつ着用時の身体側となる内面に、吸収性本体10の外面側がホットメルト等の接着剤によって接着されて、吸収性本体10と外装体20が一体化される。そして、外装体20の股間部Mを吸収性本体10とともに折り曲げるようにして外装体20の腹側部Fと背側部Bを折り重ね、接合部21と接合部22を左右同士でヒートシール又は超音波シールによって接合することにより、図1に示す、紙おむつ1に組み立てられる。
(吸収性本体)
吸収性本体10は、図4〜7に示すように、不織布などからなる透液性表面シート11と、ポリエチレン等からなる防水シート12との間に、綿やパルプ等の吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材と高吸水性樹脂とが組み合わされて形成された吸収体13を介在させた構造を有しており、体液としての尿等の水様成分を吸収保持するものである。
高吸水性樹脂としては、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸およびその塩類、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド等の水膨欄性ポリマーを部分架橋したもの、あるいはイソブチレンとマレイン酸との共重合体等が好適に用いられる。
この吸収性本体10は、外装体20の腹側部Fから背側部Bに亘り、着用時に人体の股間に位置する股間部Mに備えられており、当該吸収性本体10の幅方向の両端部には、長手方向に延在する左右一対の立体ギャザーBSが備えられている。
吸収体13は、股間部Mにおいて、吸収性本体10の長手方向に離間して設けられた腹側吸収体(第1吸収体)131と、背側吸収体(第2吸収体)132とを備えている。吸収性本体10における腹側吸収体131と背側吸収体132との間には、吸収体13が配置されていない離間領域Sが設けられている。
腹側吸収体131は、腹側部Fと背側部Bとの間であって股間部Mの中央よりもやや背側部Bよりにおいて、背側部Bに向けて凸形状となるように設けられている。
より具体的には、腹側吸収体131は、吸収性本体10の腹側部F側の端部に位置して幅広で略矩形の腹側幅広部131aと、幅広部131aの背側端部に連続して設けられ、背側部Bに向かって漸次幅が狭くなるように突出した凸状部131bと、を備えている。
凸状部131bの先端は、外装体20の長手方向中央よりもやや背側部Bよりに位置している。
背側吸収体132は、着用時に人体の臀部に位置する部分において腹側部Fに向けて凹形状となるように設けられている。
より具体的には、腹側吸収体131の凸状部131bの先端が収容される凹状部132aと、凹状部132aの背側端部に連続して背側部B側に延在する幅広の背側幅広部132bと、を備えている。
凸状部131bと凹状部132aとの間には、離間領域Sが形成されている。
凹状部132aの幅方向の長さは、凹状部132aの先端から背側幅広部132bに至るまで漸次長くなるようになっている。
背側吸収体132の凹状部132aには、腹側部F側の長手方向端部の幅方向中心から背側部Bに向かって設けられたスリット132cが設けられている。
なお、吸収体13は、形状保持と透液性表面シート11を透過した体液の拡散性の向上のためにクレープ紙(図示省略。)によって囲繞することとしても良い。
吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う透液性表面シート11を形成する不織布の素材としてとしては、天然繊維、合成繊維のいずれを用いても良い。天然繊維の例としては、綿、セルロース(木材パルプ)、羊毛、絹等が挙げられる。また合成繊維としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエステル(PET)、アクリル等が挙げられ、またPE/PP混合不織布、PE/PET混合不織布、また、上記素材を適宜組み合わせたバイコンポーネント繊維(混合繊維)も用いることができる。
また、これらの繊維性素材から不織布を製造する方法としては、公知の方法を適宜用いることができ、例えば、ケミカルボンド、サーマルボンド、スパンレース等のいずれの方法を用いてもよく、また合成繊維等では、スパンボンド法、メルトブロー法、またこれらと上記の接着方法の組み合わせ等、いずれの方法を用いて製造しても良い。
これらの加工法のうち、スパンレース法による不織布は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法による不織布は嵩高でソフトである点で優れている。
また、透液性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う防水シート12は、遮水性を有し、吸収体13を通過した水様成分が外装体20側に漏れることを防止する働きをなすものであり、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの不透液性プラスチックシートが用いられる。また、ムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。微多孔性シートであれば、仮にシート厚が同じである場合に、無孔シートよりも剛性が低下するため、柔軟性の点でも勝るものとなる。
かかる防水シート12としては、排便や尿などの褐色が視認しにくいように不透明なものを用いることが好ましい。防水シート12の不透明化としては、オレフィン樹脂やプラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を添加してフィルム化したものが好適に使用される。
立体ギャザーBSは、不透液性のギャザー不織布15を二つ折りにしてその基端部にて防水シート12の側縁部を挟みこみ、折り合わされた面を、例えば、ホットメルトや、ヒートシール、超音波シール等により固着させることにより形成されている。折り返しによって二重にされたギャザー不織布15の基端部の上面側には、透液性表面シート11の側縁部が接着されている。
また、ギャザー不織布15は、吸収性本体10の長手方向中間部においては、立体ギャザーBSを形成する自由端部(起立端部)となっており、長手方向前後端部においては、吸収性本体10の上面側に内側に折り畳まれてホットメルト接着剤等により接着された固定部となっている。
また、ギャザー不織布15の起立先端部には、複数本の糸状弾性伸縮部材16・・・が配設されている。糸状弾性伸縮部材16・・・は、弾性伸縮力によりギャザー不織布15を起立させて立体ギャザーBSとするためのものである。
また、ギャザー不織布15を構成する素材繊維は、上記した透液性表面シート11を形成する不織布と同様の素材から構成され、また、これら不織布の製造方法もほぼ等しくなっているが、特に、ムレを防止するために秤量を抑えて通気性に優れた不織布を用いることが好ましい。さらに、ギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止し且つ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水材などをコーティングした撥水処理不織布を用いてもよい。
(外装体)
外装体20は、図1から図7に示すように、当該外装体20を形造る外層シート20Aを備えている。外層シート20Aは、上層不織布20aと下層不織布20bとの2枚の不織布を貼着して構成され、上層不織布20a及び下層不織布20bの間には、後述する各種の糸状の弾性部材が配設されて、伸縮性が付与されるようになっている。
また、外層シート20Aの内側(肌当接面側)には、腹側部F及び背側部Bにおいて、上層不織布20aの上面に胴周りシート20B、20Bが備えられ、良好な着用感を実現するようになっている。
この外装体20は、その中間両側部にそれぞれ脚周り開口部Lを設けるための凹状の脚周りカットライン23が形成され、紙おむつ1の着用者の股間周囲を覆う股間部Mと、股間部Mの前端側に位置し着用者の腹部を覆う腹側部Fと、股間部Mの後端側に位置し着用者の背部を覆う背側部Bと、を有しており、その平面形状は全体として擬似砂時計形状を成している。
腹側部Fの幅方向両端部には、背側部Bと接合するための接合部21が形成されており、背側部Bの幅方向両端部には、腹側部Fと接合するための接合部22が形成されている。
接合部21、22は、それぞれ腹側部Fと背側部Bにおいて、腰周り開口部Wの開口端部側から脚周りカットライン23を有する脚周り開口部Lに亘る上下方向に所定の幅を有している。
この接合部21と接合部22とは、左右同士でヒートシール又は超音波シールによって接合されている。
また、外装体20は、腹側部F及び背側部Bのそれぞれにおいて、腰周り開口部Wの開口端部側(上側)に配置される複数のウエスト弾性部材24・・・と、腹側部F及び背側部Bのそれぞれにおいて、一方の接合部21、22から他方の接合部21、22に亘り、腰周りに沿う方向に延在するよう配設された複数の腰周り弾性部材25・・・と、股間部Mにおいて、一方の脚周り開口部Lから他方の脚周り開口部Lに亘り、直線状に吸収体本体10を幅方向に横断するように配設された複数の股間部弾性部材26・・・と、腹側部F及び背側部Bのそれぞれにおいて、接合部21、22から脚周り開口部Lの脚周りカットライン23(縁部)に沿って股間部M側に延びるように配設された複数の脚周り弾性部材27・・・と、を備えている。
ウエスト弾性部材24は、腹側部Fと背側部Bとが接合される接合部21、接合部22の上下方向の幅である範囲のうち、腰周り開口部Wの近傍において上下方向に間隔をおいて配設された複数条の糸ゴム状弾性部材であり、身体のウエスト部周りを締め付けるように伸縮力を付与し、紙おむつ1を身体に装着するためのものである。
腰周り弾性部材25は、腹側部Fと背側部Bとのそれぞれにおいて、ウエスト弾性部材24より股間部M側に上下方向に所定の間隔をおいて互いに略平行に配設された複数条の糸ゴム状の弾性伸縮部材であり、腹側部F及び背側部Bの腰周り部分を締め付けるように伸縮力を付与する。この複数の腰周り弾性部材25・・・は、外装体20に所定の幅、範囲に亘って配設されることにより、腹側部Fや背側部Bの全面を身体により密着させるようになっている。
股間部弾性部材26は、股間部Mにおいて、腰周り弾性部材25より股間部M側に上下方向に所定の間隔をおいて互いに略平行に配設された複数条の糸ゴム状の弾性伸縮部材であり、股間部分の吸収体を幅方向に締め付けるように伸縮力を付与する。
この複数の股間部弾性部材26・・・は、背側吸収体132におけるスリット132cの配置領域に、吸収性本体10の幅方向に沿って伸縮自在に設けられたスリット部弾性部材を構成している。
そして、図3に示すように、スリット132cの配置領域の股間部弾性部材26が収縮することによって、背側吸収体132の凹状部132aがスリット132cを頂点として人体側に凸となるように曲がって変形することができるようになっている。これにより、着用時に人体の臀部の割れ目部分に沿って吸収体13をフィットさせることができるようになっている。
脚周り弾性部材27は、腹側部F及び背側部Bにおいて、腰周り弾性部材25とは別に配設された複数本の糸ゴム状の弾性伸縮部材である。この複数の脚周り弾性部材27・・・は、外装体20に所定の幅、範囲に亘って配設されることにより、外装体20の脚周り部分を身体に密着させる。
具体的に、脚周り弾性部材27は、腹側部F及び背側部Bの一方の接合部21、22から、ほぼ脚周りカットライン23に沿うように股間部M側に延び、その股間部Mを迂回するようにして、他方側の脚周りカットライン23にほぼ沿いながら他方の接合部21、22に到達するように配設されている。
また、この脚周り弾性部材27は、腹側吸収体131の幅方向内側から背側部Bに向かって幅方向外側に傾斜する方向に沿って配置され、腹側吸収体131と背側吸収体132の間の離間領域Sを斜めに横断するようになっている。従って、脚周り弾性部材27は、離間弾性部材を構成している。
これにより、着用時の脚の付け根の形状に沿った方向に脚周り弾性部材27が伸縮することとなって、よりフィット性を向上させることができるようになっている。
次に、本紙おむつ1を人体に装着した際の股間部Mにおける、吸収体13の当たり方について、図8〜11を用いて説明する。
図8(a)に示すように、脚周り弾性部材27の収縮により、腹側吸収体131の凸状部131bと背側吸収体132の凹状部132aとが近づいて離間領域Sを埋める。
また、股間部弾性部材26の収縮により、背側吸収体132の凹状部132aがスリット132cを頂点として人体側向けて凸となる。
より具体的には、図8(b)のIX−IX線の断面に対応する位置においては、図9に示すように、腹側吸収体131の凸状部131bの肌当接面が人体Hの股間Kの底面と略平行となって密着する。
また、図8(b)のX−X線の断面図に対応する位置においては、図10に示すように、腹側吸収体131の凸状部131bの人体当接面が人体Hの股間Kの底面と略平行となって密着するとともに、背側吸収体132の凹状部132aの先端部分が人体に向けて凸となるようにハ字状に曲がって、人体の股間Kの付け根に密着する。
また、図8(b)のXI−XI線の断面図に対応する位置においては、図11に示すように、凹状部132aのスリット132cに位置する股間部弾性部材26が収縮することにより、凹状部132aがスリット132cを頂点として人体に向けて凸となるように曲がることで、人体Hの臀部Dの割れ目部分に背側吸収体132を密着させることができる。
以上のように、本実施形態の紙おむつ1によれば、吸収体13が股間部Mにおいて腹側吸収体131と背側吸収体132とに分離されるので、吸収体13が腹側吸収体131と背側吸収体132とで独立して変形することができることとなって、吸収体13の股間部Mにおける人体へのフィット性が向上されるとともに、離間領域Sを横断する脚周り部弾性部材27が収縮することによって、腹側吸収体131と背側吸収体132との離間領域Sを埋めることができる。従って、着用中の動作時における股間部Mからの漏れをより好適に防止することができる。
また、凸状部131bが人体の股間の底面にフィットし、凹状部132aが股間部Mの足の付け根にフィットすることとなって、より好適に人体の股間にフィットすることができる。
特に、脚周り弾性部材27が腹側吸収体131の幅方向内側から背側部Bに向かって幅方向外側に傾斜する方向に沿って配置されるので、脚の付け根の形状に沿った方向に脚周り弾性部材27が伸縮することとなって、よりフィット性を向上させることができる。
また、股間部弾性部材26が収縮することによって、背側吸収体132がスリット132cを頂点として人体側に凸となるように変形させることができることとなって、臀部の割れ目に沿って吸収体13をフィットさせることができる。従って、臀部のだぼつきの発生を好適に防止することができる。
また、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
具体的には、第1吸収体と第2吸収体の形状は、実施形態の腹側吸収体131、背側吸収体132の形状に限るものではなく、第1吸収体と第2吸収体が長手方向に離間していれば、適宜変更してよい。
また、離間領域弾性部材は、脚周りをフィットさせる脚周り弾性部材27と兼用する構成するとしたが、脚周り弾性部材27と別の弾性部材を離間領域Sに配置する構成であってもよい。
1 紙おむつ(吸収性物品)
10 吸収性本体
11 透液性表面シート
12 防水シート
13 吸収体
131 腹側吸収体(第1吸収体)
131a 腹側幅広部
131b 凸状部
132 背側吸収体(第2吸収体)
132a 凹状部
132b 背側幅広部
132c スリット
15 ギャザー不織布
16 糸状弾性伸縮部材
20 外装体
20A 外層シート
20B 胴周りシート
20a 上層不織布
20b 下層不織布
21、22 接合部
23 カットライン
24 ウエスト弾性部材
25 腰周り弾性部材
26 股間部弾性部材(スリット部弾性部材)
27 脚周り弾性部材(離間領域弾性部材)
F 腹側部
B 背側部
M 股間部
BS 立体ギャザー
W 腰周り開口部
L 脚周り開口部
S 離間領域

Claims (4)

  1. 吸収体を含む吸収性本体と、
    前記吸収性本体の外面側に設けられ、着用時に人体の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部を有する外装体と、
    を備え、
    前記外装体の前記腹側部と前記背側部とが、その両側端が接合されることにより腰周り開口部及び左右一対の脚周り開口部が形成される吸収性物品において、
    前記吸収体は、
    前記腹側部と前記背側部との間であって着用時に人体の股間に位置する股間部において、前記吸収性本体の長手方向に離間して設けられた第1吸収体と第2吸収体とを備え、
    前記外装体における前記第1吸収体と前記第2吸収体との離間領域に、当該離間領域を横断する伸縮自在な離間領域弾性部材が配置されることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記第1吸収体は、前記股間部において前記背側部に向けて凸形状となるように設けられた凸状部を備え、
    前記第2吸収体は、着用時に人体の臀部に位置する部分において前記腹側部に向けて凹形状となるように設けられた凹状部を備え、
    前記凸状部が、前記凹状部内に位置していることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記離間領域弾性部材は、前記第1吸収体に対して内側から前記背側部に向かって外側に傾斜する方向に沿って配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記第2吸収体は、前記腹側部側の長手方向端部の幅方向中心から前記背側部に向かって設けられたスリットを備え、
    前記外装体における前記スリットの配置領域に、前記吸収性本体の幅方向に沿って伸縮自在なスリット部弾性部材を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品。
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