JP2011146082A - 光情報媒体用硬化性組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬度、耐反り、耐光性、耐腐食に優れた光情報媒体用硬化性組成物を提供する。
【解決手段】2以上のイソシアネート基を有する脂環骨格イソシアネート化合物(a1)、式(1)[R=アルキレンオキサイド基、m+n=0〜15]のポリオール(a2)及び水酸基と (メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(a3)を反応させて得たウレタン(メタ)アクリレート(A)15-80質量%[樹脂成分100質量%]、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格化合物(B)、溶解性試験1のΔHzが10以上で非水溶性の(メタ)アクリロイルオキシ化合物(C)並びに光重合開始剤(E)を含む光情報媒体用硬化性組成物。(溶解性試験1)PC基板上に試験対象を0.3ml滴下し20℃10分間後の拭取り後のヘイズ値と試験前ヘイズ値の差ΔHzを算出する。
【化1】
【選択図】なし
【解決手段】2以上のイソシアネート基を有する脂環骨格イソシアネート化合物(a1)、式(1)[R=アルキレンオキサイド基、m+n=0〜15]のポリオール(a2)及び水酸基と (メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(a3)を反応させて得たウレタン(メタ)アクリレート(A)15-80質量%[樹脂成分100質量%]、(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格化合物(B)、溶解性試験1のΔHzが10以上で非水溶性の(メタ)アクリロイルオキシ化合物(C)並びに光重合開始剤(E)を含む光情報媒体用硬化性組成物。(溶解性試験1)PC基板上に試験対象を0.3ml滴下し20℃10分間後の拭取り後のヘイズ値と試験前ヘイズ値の差ΔHzを算出する。
【化1】
【選択図】なし
Description
本発明は、再生専用光ディスク、記録型光ディスク等の光情報媒体に使用する硬化性組成物に関する。更に詳しくは、高硬度であり、硬化後の反りが小さく、常温と低温環境下での反り変化量が小さく、経時で光透過層が黄変しないという耐光性に優れ、かつ経時で金属膜が腐食しない光情報媒体の光透過層に好適な硬化性組成物に関する。
近年、情報記録媒体の分野では高密度化に関して様々な研究が進められている。光ディスクの分野においても、動画が記録できる0.6mm厚の基板を貼り合わせた構造のDVDが普及期を迎えている。また、デジタルハイビジョン放送が広まるにつれ、さらなる大容量の光ディスクが必要とされている。そこで記録・再生側の基板(光透過層)を0.1mm厚とした高密度光ディスクシステムが提案され、実用化されている。この0.1mm厚の光透過層の形成方法として、例えば、液状の紫外線硬化型樹脂をスピンコートし、活性エネルギー線照射により硬化させる方法が開発されている(例えば特許文献1)。
また、光情報媒体等の光学物品に使用する為の各種の硬化性組成物が開発されている(例えば特許文献2〜5)。
しかしながら、特許文献2に記載の組成物を上述した高密度光ディスクの光透過層に使用すると、含まれるウレタン(メタ)アクリレートのために、太陽光や蛍光灯等からの光に長期間晒されると黄色に変色する場合がある。したがって、400nm程度の記録、再生のレーザー光の透過性改善が望まれる。また、特許文献3に記載の組成物をその光透過層に使用すると、含まれるポリエーテルポリウレタンのために、硬度が比較的低く、光透過層としての機械特性が不十分である。また、特許文献4に記載の組成物をその光透過層に使用すると、含まれるポリエーテルポリウレタンのため、常温と低温環境下での光ディスクの反り変化量が大きくなってしまう場合がある。さらに、特許文献5に記載の組成物をその光透過層に使用すると、含まれるN−ビニルピロリドンのため、経時で金属膜が腐食してしまう場合がある。
本発明の目的は、高硬度であり、硬化後の反りが小さく、常温と低温環境下での反り変化量が小さく、経時で光透過層が黄変しないという耐光性に優れ、かつ経時で金属膜が腐食しない光情報媒体の光透過層に使用する硬化性組成物を提供することにある。
本発明は、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環骨格のイソシアネート化合物(a1)、少なくとも下記一般式(1)で表わされる化合物を含むポリオール(a2)、および、1分子中に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(a3)を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)15〜80質量%[樹脂成分合計100質量%基準]、
前記(A)成分以外の化合物であって、少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格の化合物(B)、
前記(A)成分および(B)成分以外の化合物であって、下記溶解性試験1による増加ヘイズ値ΔHzが10以上であり、かつ非水溶性の少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(C)、並びに、
光重合開始剤(E)
を含有する光情報媒体用硬化性組成物である。
前記(A)成分以外の化合物であって、少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格の化合物(B)、
前記(A)成分および(B)成分以外の化合物であって、下記溶解性試験1による増加ヘイズ値ΔHzが10以上であり、かつ非水溶性の少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(C)、並びに、
光重合開始剤(E)
を含有する光情報媒体用硬化性組成物である。
(式中、Rはアルキレンオキサイド基を示し、mおよびnはR単位の繰返し数を示し、mとnの合計は0〜15である。)
(溶解性試験1)
ポリカーボネート樹脂板(5cm×5cm×3mm)上に試験対象(モノマー)を0.3ml滴下し、20℃環境下にて10分間静置し、その後モノマーをふき取り、滴下した箇所のヘイズ値を測定し、増加ヘイズ値ΔHz=Hza−Hzbを算出する。Hzaは溶解性試験後のヘイズ値(%)、Hzbは溶解性試験前のヘイズ値(%)である。
(溶解性試験1)
ポリカーボネート樹脂板(5cm×5cm×3mm)上に試験対象(モノマー)を0.3ml滴下し、20℃環境下にて10分間静置し、その後モノマーをふき取り、滴下した箇所のヘイズ値を測定し、増加ヘイズ値ΔHz=Hza−Hzbを算出する。Hzaは溶解性試験後のヘイズ値(%)、Hzbは溶解性試験前のヘイズ値(%)である。
また本発明は、上記の光情報媒体用硬化性組成物の硬化物からなる層を有する光情報媒体である。
さらに本発明は、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環骨格のイソシアネート化合物(a1)、少なくとも下記一般式(1)で表わされる化合物を含むポリオール(a2)、および、1分子中に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(a3)を反応させてウレタン(メタ)アクリレート(A)を合成し、その(A)成分15〜80質量%[樹脂成分合計100質量%基準]、
前記(A)成分以外の化合物であって、少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格の化合物(B)、
前記(A)成分および(B)成分以外の化合物であって、前記溶解性試験1による増加ヘイズ値ΔHzが10以上であり、かつ非水溶性の少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(C)、並びに、
光重合開始剤(E)
を混合する光情報媒体用硬化性組成物の製造方法である。
前記(A)成分以外の化合物であって、少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格の化合物(B)、
前記(A)成分および(B)成分以外の化合物であって、前記溶解性試験1による増加ヘイズ値ΔHzが10以上であり、かつ非水溶性の少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(C)、並びに、
光重合開始剤(E)
を混合する光情報媒体用硬化性組成物の製造方法である。
(式中、Rはアルキレンオキサイド基を示し、mおよびnはR単位の繰返し数を示し、mとnの合計は0〜15である。)
本発明によれば、高硬度であり、硬化後の反りが小さく、常温と低温環境下での反り変化量が小さく、経時で光透過層が黄変せず、かつ、経時で金属膜が腐食しない光情報媒体を提供できる。
[(A)成分]
本発明の硬化性組成物に使用する(A)成分は、(a1)成分、(a2)成分および(a3)成分を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである。この(A)成分は、硬化性組成物に低収縮性を付与し、またその硬化物に強靭性や可撓性を付与する。
本発明の硬化性組成物に使用する(A)成分は、(a1)成分、(a2)成分および(a3)成分を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートである。この(A)成分は、硬化性組成物に低収縮性を付与し、またその硬化物に強靭性や可撓性を付与する。
<(a1)成分>
(a1)成分は、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環骨格のイソシアネート化合物である。この(a1)成分は、硬化性組成物の硬化物に可撓性や難黄変性を付与する。
(a1)成分は、1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環骨格のイソシアネート化合物である。この(a1)成分は、硬化性組成物の硬化物に可撓性や難黄変性を付与する。
(a1)成分の具体例としては、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネート類が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して使用できる。これらの中でも、硬化物に優れた靭性を付与する点から、イソホロンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートが好ましい。
<(a2)成分>
(a2)成分は、少なくとも下記一般式(1)で表わされる化合物を含むポリオールである。この一般式(1)で表わされるポリオールは、硬化物の強伸度バランスを向上させ、光透過層として使用した際の光情報媒体の寸法安定性を良好にする。
(a2)成分は、少なくとも下記一般式(1)で表わされる化合物を含むポリオールである。この一般式(1)で表わされるポリオールは、硬化物の強伸度バランスを向上させ、光透過層として使用した際の光情報媒体の寸法安定性を良好にする。
一般式(1)で表わされるポリオールとしては、例えば、市販の各種多価アルコール類を使用できる。その具体例としては、ビスフェノールAに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリオールが挙げられる。このポリオールのアルキレンオキサイドの付加数(すなわちmとnの合計)は0〜15である。これにより、組成物の硬化性が良好となる。特にその付加数が2〜10の場合は、硬化性が良好になると共に、硬化物の強伸度バランスがさらに向上する。
(a2)成分として、一般式(1)で表わされるポリオールと、その他のポリオールを併用することもできる。ただし、一般式(1)で表わされるポリオールの割合は、(a2)成分100モル%を基準として、20モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましい。
その他のポリオールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1−メチルブチレングリコール等のポリエーテルポリオール類;ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類;これら多価アルコール類に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテル変性ポリオール類;これら多価アルコール類と、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸類またはこれら多塩基酸の酸無水物類との反応によって得られるポリエステルポリオール類;これら多価アルコール類と、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類との反応によって得られるポリカプロラクトンポリオール類;これら多価アルコール類および多塩基酸類と、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類との反応によって得られるカプロラクトン変性ポリエステルポリオール類;1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール、トリメチルヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等のジオール類と、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジフェニルカーボネート等の炭酸エステル類とのエステル交換反応により得られるポリカーボネートジオール類;ポリブタジエングリコール類が挙げられる。これらの中でも、ポリテトラメチレングリコール、ポリカプロラクトンポリオール類、ポリカーボネートジオール類は、硬化物の強伸度バランスに優れ、光透過層として使用した際の光情報媒体の寸法安定性に優れるので好ましい。
<(a3)成分>
(a3)成分は、1分子中に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。この(a3)成分は、これらの基を有することにより(A)成分に(メタ)アクリロイルオキシ基を導入出来るものであれば良く、それ以外の構造は特に限定されない。
(a3)成分は、1分子中に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。この(a3)成分は、これらの基を有することにより(A)成分に(メタ)アクリロイルオキシ基を導入出来るものであれば良く、それ以外の構造は特に限定されない。
(a3)成分の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類や、これらのカプロラクトンの付加物が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して使用できる。これらの中でも、(A)成分の低粘度化の点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
<(A)成分の合成法>
(A)成分の合成法は特に限定されず、従来から知られるウレタン(メタ)アクリレート合成法を適用できる。具体的には、例えば、フラスコ内に2モルのジイソシアネート[(a1)成分]を仕込み、ジブチル錫オクテート等の触媒を総仕込量に対して50〜300ppm混合し、フラスコ内温度を40〜70℃に保ちながら、1モルのジオール化合物[(a2)成分]を2〜4時間かけて滴下し反応させて、ウレタンプレポリマーを得る。次いで(a3)成分を滴下する。この(a3)成分の滴下量は、ウレタンプレポリマー末端に残存するイソシアネート基と(a3)成分に含まれる全水酸基が当量となる量にすればよい。フラスコ内温60〜80℃に保ちながら(a3)成分を滴下し付加反応させて、ウレタン(メタ)アクリレート[(A)成分]を得る。その反応終点は、イソシアネート量定量により判定できる。反応率は、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。
(A)成分の合成法は特に限定されず、従来から知られるウレタン(メタ)アクリレート合成法を適用できる。具体的には、例えば、フラスコ内に2モルのジイソシアネート[(a1)成分]を仕込み、ジブチル錫オクテート等の触媒を総仕込量に対して50〜300ppm混合し、フラスコ内温度を40〜70℃に保ちながら、1モルのジオール化合物[(a2)成分]を2〜4時間かけて滴下し反応させて、ウレタンプレポリマーを得る。次いで(a3)成分を滴下する。この(a3)成分の滴下量は、ウレタンプレポリマー末端に残存するイソシアネート基と(a3)成分に含まれる全水酸基が当量となる量にすればよい。フラスコ内温60〜80℃に保ちながら(a3)成分を滴下し付加反応させて、ウレタン(メタ)アクリレート[(A)成分]を得る。その反応終点は、イソシアネート量定量により判定できる。反応率は、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。
硬化性組成物中の(A)成分の配合量は、樹脂成分合計100質量%基準で、15〜80質量%、好ましくは25〜70質量%である。ここで樹脂成分とは、樹脂自体および樹脂を構成する為の重合性成分を意味する。すなわち樹脂成分合計100質量%基準とは、具体的には(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の合計量を100質量%とし、これを基準に各成分の配合量を算定することを意味する。(A)成分の配合量の範囲の各下限値は、組成物の硬化収縮率の低減効果を十分に発現し、かつ硬化物の可撓性を良好とする点で意義が有る。また各上限値は、硬化性組成物の液粘度を低くし、基材への塗布作業性を良好とする点で意義が有る。
[(B)成分]
本発明の硬化性組成物に使用する(B)成分は、前記(A)成分以外の化合物であって、少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格の化合物である。この(B)成分は、硬化物に高い引張弾性率を付与し、またその硬化時の反りを小さくする。
本発明の硬化性組成物に使用する(B)成分は、前記(A)成分以外の化合物であって、少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格の化合物である。この(B)成分は、硬化物に高い引張弾性率を付与し、またその硬化時の反りを小さくする。
(B)成分の具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、アダマンチルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して使用できる。これらの中でも、硬化物の引張り弾性率の点から、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
硬化性組成物中の(B)成分の配合量は、樹脂成分合計100質量%基準で、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは5〜45質量%である。これら各範囲は、硬化物の機械物性や組成物の硬化性の点で意義が有る。
[(C)成分]
本発明の硬化性組成物に使用する(C)成分は、前記(A)成分および(B)成分以外の化合物であって、下記溶解性試験1による増加ヘイズ値ΔHzが10以上であり、かつ非水溶性の少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。この(C)成分は、ポリカーボネート樹脂等の基体との密着性を付与する。
本発明の硬化性組成物に使用する(C)成分は、前記(A)成分および(B)成分以外の化合物であって、下記溶解性試験1による増加ヘイズ値ΔHzが10以上であり、かつ非水溶性の少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物である。この(C)成分は、ポリカーボネート樹脂等の基体との密着性を付与する。
(溶解性試験1)
ポリカーボネート樹脂板(5cm×5cm×3mm)上に試験対象(モノマー)を0.3ml滴下し、20℃環境下にて10分間静置し、その後モノマーをふき取り、滴下した箇所のヘイズ値を測定し、増加ヘイズ値ΔHz=Hza−Hzbを算出する。Hzaは溶解性試験後のヘイズ値(%)、Hzbは溶解性試験前のヘイズ値(%)である。
ポリカーボネート樹脂板(5cm×5cm×3mm)上に試験対象(モノマー)を0.3ml滴下し、20℃環境下にて10分間静置し、その後モノマーをふき取り、滴下した箇所のヘイズ値を測定し、増加ヘイズ値ΔHz=Hza−Hzbを算出する。Hzaは溶解性試験後のヘイズ値(%)、Hzbは溶解性試験前のヘイズ値(%)である。
この溶解性試験によって、試験対象(モノマー)のポリカーボネート樹脂板に対する溶解性を評価できる。すなわち、増加ヘイズ値ΔHzが大きいほどポリカーボネート樹脂板に対する溶解性が高いことが分かる。(C)成分の増加ヘイズ値ΔHzは、10以上であり、好ましくは30以上である。これにより硬化物層の基体への密着性が良好となる。
また、非水溶性の少なくとも1つ以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物は、具体的には、水100質量部中にその化合物を50質量部混合したときに白濁または分離する。このような方法により、非水溶性の当該化合物に該当するか否かを簡単に判断できる。
増加ヘイズ値ΔHzが10以上30未満の(C)成分の具体例としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(エチレングリコールの繰り返し数n=13〜14)が挙げられる。
増加ヘイズ値ΔHzが30以上50未満の(C)成分の具体例としては、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
増加ヘイズ値ΔHzが50以上の(C)成分の具体例としては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,11−ウンデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,13−トリデカンジオールジ(メタ)アクリレートおよび1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
これらは1種を単独で、または2種以上を併用して使用できる。これらの中でも、希釈性能が高い点から、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
硬化性組成物中の(C)成分の配合量は、樹脂成分合計100質量%基準で、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは10〜35質量%である。これら範囲の各下限値は、希釈性能の点で意義が有る。また上限値は、硬化性組成物の硬化性の点で意義が有る。
[(D)成分]
本発明の硬化性組成物には必要に応じて、(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の(メタ)アクリレート化合物を配合しても良い。以下これを(D)成分と称す。
本発明の硬化性組成物には必要に応じて、(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の(メタ)アクリレート化合物を配合しても良い。以下これを(D)成分と称す。
この(D)成分としては、(A)成分、(B)成分および(C)成分以外の(メタ)アクリレート化合物であって、例えば、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、モノ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート、エポキシポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートを使用できる。
(D)成分として使用できる3官能以上の多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(D)成分として使用できるジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ポリエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加物(付加数;n+m=2〜5)のジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(D)成分として使用できるモノ(メタ)アクリレートの具体例としては、2−エチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−イソブチル−2−メチルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、ノニルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルオキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(D)成分として使用できるポリエステルポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、フタル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸またはその誘導体との反応で得られる化合物が挙げられる。
(D)成分として使用できるエポキシポリ(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ノボラック型エポキシジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
(D)成分として使用できるウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、(a1)成分と(a3)成分から合成される化合物、(a1)成分および(a2)成分以外のポリオールと、(a3)成分とを反応させて得られる化合物が挙げられる。
これら(D)成分は1種を単独で、または2種以上を併用して使用できる。
これら(D)成分は、硬化物に硬化性を付与するための成分である。
硬化物の強靭性の点から、(A)成分以外のウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。また、硬化物の機械物性の点から、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、テトラエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレートが好ましく、特にトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。また、硬化時の反りを小さくするためには、ノニルフェニルポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。
硬化性組成物中の(D)成分の配合量は、樹脂成分合計100質量%基準で、45質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましい。これら上限値は、硬化物の機械物性や組成物の硬化性の点で意義が有る。
[(E)成分]
本発明の硬化性組成物に使用する(E)成分は、光重合開始剤である。この(E)成分は、組成物を活性エネルギー照射により効率よく硬化させる成分である。
本発明の硬化性組成物に使用する(E)成分は、光重合開始剤である。この(E)成分は、組成物を活性エネルギー照射により効率よく硬化させる成分である。
(E)成分の具体例としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンが挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して使用できる。これらの中でも、組成物の硬化性および硬化物の難黄変性の点から、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンが好ましい。
硬化性組成物中の(E)成分の配合量は、樹脂成分合計100質量部に対して、組成物の空気雰囲気中での硬化性の点から0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。また、組成物の深部硬化性、硬化物の難黄変性および光透過層の膜厚安定性の点から、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましい。
[他の成分(添加剤)]
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の成分(添加剤)を適宜配合できる。その具体例としては、熱重合開始剤、酸化防止剤、光安定剤、光増感剤、熱可塑性樹脂、スリップ剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等の添加剤が挙げられる。他の成分の配合量は特に限定されないが、樹脂成分合計100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
本発明の硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の成分(添加剤)を適宜配合できる。その具体例としては、熱重合開始剤、酸化防止剤、光安定剤、光増感剤、熱可塑性樹脂、スリップ剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等の添加剤が挙げられる。他の成分の配合量は特に限定されないが、樹脂成分合計100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
以上の各成分を配合した本発明の硬化性組成物は、光情報媒体の製造に使用するものである。具体的には、光情報媒体を構成する層の少なくとも一つを、この組成物を硬化して形成する。
硬化性組成物中にダストやゲル物等の異物が存在すると、その硬化物からなる層を有する光情報媒体において読み取りまたは書き込みエラーが生じる場合がある。したがって、予め異物を除去する為に、ろ過フィルターを用いて硬化性組成物をろ過することが好ましい。例えば、好ましくは5μm以上、より好ましくは1μm以上の異物を除去できるろ過フィルターを使用すると良い。ろ過フィルターの素材としては、例えば、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロンが挙げられる。
また、光情報媒体の光透過層等の層に気泡が存在すると、これが読み取りまたは書き込みエラーの原因となる場合がある。したがって、予め硬化性組成物を脱気することが好ましい。例えば、真空、超音波振動若しくは遠心回転条件下、またはその組み合わせの条件下において脱気を行えば良い。
この硬化性組成物を、例えば、支持基体上に形成された情報記録層の上に塗布し、その塗膜を硬化させることにより、情報記録層上に本発明の硬化性組成物の硬化物からなる層(以下、「硬化物層」と称す)を形成できる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ブラシコート法等の公知の方法を用いることができる。塗膜の厚さに関しては、その硬化物層が後述の厚さになるように塗布することが好ましい。この塗膜は、活性エネルギー線の照射により硬化できる。この活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、X線、紫外線、可視光線が挙げられる。活性エネルギー線を照射する際の雰囲気は、空気中または窒素、アルゴン等の不活性ガス中の何れでも良い。ただし、製造コストの点から空気中での照射が好ましい。
硬化性組成物の硬化反応に関して、その反応率は90%以上が好ましく、93%以上がより好ましく、95%以上が特に好ましい。これらの範囲の各下限値は、層中に残存する未反応の(メタ)アクリレート類や光重合開始剤等の成分が高温高湿条件下で経時的に揮発することを抑制し、硬化物層の層厚変化を防止する点で意義が有る。高い反応率にする為の活性エネルギー線の照射条件は、例えば、活性エネルギー線として紫外線を使用した場合、積算光量を500mJ/cm2以上、好ましくは1,000mJ/cm2以上、より好ましくは2,000mJ/cm2以上である。硬化性組成物の反応率を測定する方法としては、例えば、赤外分光法により(メタ)アクリロイル基の残存量を測定する方法、硬化物の弾性率、Tg等の物理特性の飽和度から測定する方法、ゲル分率により架橋度合いを測定する方法が挙げられる。
この硬化物層は、例えば、光情報媒体の情報記録層上に形成される光透過層である。光透過層は光情報媒体の表面保護層であり、かつ情報記録層へ照射される光を透過する層である。硬化物層(光透過層等)の層厚は、好ましくは0.5〜300μm、より好ましくは1〜200μm、特に好ましくは1.5〜150μmである。これら範囲の各下限値は、光情報媒体の表面保護の点で意義が有る。また各上限値は、光情報媒体の反り抑制の点で意義が有る。また、硬化物層(光透過層等)は、波長400nm程度のレーザー光に対する光透過率が85%以上であることが好ましい。
また、この硬化物層は、2層化した記録層を有する光情報媒体の中間層としても好適に使用できる。具体的には、例えば半透明記録層と他の記録層を所定間隔で隔てる為に、両層の間に所定厚の硬化物層(透明な中間層)を形成できる。
これらの硬化物層を形成する場合は、硬化性組成物の粘度を適宜調整することが好ましい。例えば、100μm厚の光透過層を形成する場合は、硬化性組成物の25℃における粘度は400〜5000mPa・sが好ましい。また、25μm厚の中間層を形成する場合は、その粘度は50〜1000mPa・sが好ましい。
本発明の光情報媒体は、例えば、支持基体上に情報記録層を有し、この情報記録層上に光透過層を有する構造を具備する。この光透過層を通して記録光または再生光が入射し、情報記録層に情報が記録され、情報記録層の情報が読み出される。
光情報媒体の情報記録層を構成する材料は特に限定されず、読み取り専用型媒体、相変化型記録媒体、ピット形成タイプ記録媒体、光磁気記録媒体等に適用可能な材料を必要に応じて使用すれば良い。例えば、金、銀、銀・Pd・Cu合金、銀・In・Te・Sb合金、銀・In・Te・Sb・Ge合金、Sb・Te合金、Tb・Fe・Co合金、色素を使用できる。また、情報記録層の少なくとも一方の面に、情報記録層の保護やレーザー光の反射率を変化させる等の光学的効果を目的として、SiN、ZnS、SiO2等の誘電体層を設けても良い。
光情報媒体の支持基体としては、例えば、金属、ガラス、セラミックス、紙、木材、プラスチック等の材料やこれらの複合材料を使用できる。特に、従来の光ディスク製造プロセスを利用できる点から、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリ乳酸、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が好適である。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。以下の記載中「部」は「質量部」を意味する。実施例の評価項目およびその評価方法を以下に示す。
(1)粘度(単位:mPa・s):
硬化性組成物の粘度を、E型粘度計(商品名TVE−20、東機産業(株)製)を用いて25℃で測定した。
硬化性組成物の粘度を、E型粘度計(商品名TVE−20、東機産業(株)製)を用いて25℃で測定した。
(2)弾性率:
まず、ポリカーボネート樹脂(飽和吸水率0.15%)を射出成型して光ディスク状の透明鏡面基板(直径12cm、板厚1.1mm)を得た。その基板の片面に、Ag98Pd1Cu1(原子比)合金を膜厚20nmとなるようにスパッタリング法にて製膜し、基板の鏡面上に銀合金反射膜を有する評価用光ディスク基材を得た。次いで、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下で、光ディスク基材の銀合金反射膜上に硬化性組成物をスピンコーターを用いて塗布した。次いで、塗布面の上方より、UVランプ(商品名Dバルブランプ、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製)を用いて、積算光量1000mJ/cm2のエネルギー量で紫外線を照射し、塗膜を硬化させて、平均層厚がほぼ100μmの硬化物層を有する評価用光ディスクを得た。なお、紫外線の積算光量は、紫外線光量計(商品名UV−350、オーク(株)製にて測定)を用いて測定した。次いで、評価用光ディスク基材から硬化物層を剥離し、15mm×100mm×100μmの試験片を切り出した。精密万能試験機(商品名オートグラフAG−5kNIS、(株)島津製作所製)を用いて、表線間距離50mm、引張速度20mm/分で、23℃、相対湿度50%の環境下で、試験片の引張弾性率(MPa)を測定した。判定は、光透過層が充分な高弾性率を持つ300MPa以上を基準に行った。
「○」:300MPa以上。
「×」:300MPaを下回る。
まず、ポリカーボネート樹脂(飽和吸水率0.15%)を射出成型して光ディスク状の透明鏡面基板(直径12cm、板厚1.1mm)を得た。その基板の片面に、Ag98Pd1Cu1(原子比)合金を膜厚20nmとなるようにスパッタリング法にて製膜し、基板の鏡面上に銀合金反射膜を有する評価用光ディスク基材を得た。次いで、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下で、光ディスク基材の銀合金反射膜上に硬化性組成物をスピンコーターを用いて塗布した。次いで、塗布面の上方より、UVランプ(商品名Dバルブランプ、フュージョンUVシステムズ・ジャパン(株)製)を用いて、積算光量1000mJ/cm2のエネルギー量で紫外線を照射し、塗膜を硬化させて、平均層厚がほぼ100μmの硬化物層を有する評価用光ディスクを得た。なお、紫外線の積算光量は、紫外線光量計(商品名UV−350、オーク(株)製にて測定)を用いて測定した。次いで、評価用光ディスク基材から硬化物層を剥離し、15mm×100mm×100μmの試験片を切り出した。精密万能試験機(商品名オートグラフAG−5kNIS、(株)島津製作所製)を用いて、表線間距離50mm、引張速度20mm/分で、23℃、相対湿度50%の環境下で、試験片の引張弾性率(MPa)を測定した。判定は、光透過層が充分な高弾性率を持つ300MPa以上を基準に行った。
「○」:300MPa以上。
「×」:300MPaを下回る。
(3)密着性:
上述のようにして作製した評価用光ディスクの硬化物層について、JIS K−5600に準拠してクロスカット法試験(セロテープ(登録商標)、ニチバン社製)を4回行った。判定は、硬化物層が剥離しなかった4回の合計数をもとに行った。
「○」:70/100以上100/100以下。
「△」:40/100以上70/100未満。
「×」:0/100以上40/100未満。
上述のようにして作製した評価用光ディスクの硬化物層について、JIS K−5600に準拠してクロスカット法試験(セロテープ(登録商標)、ニチバン社製)を4回行った。判定は、硬化物層が剥離しなかった4回の合計数をもとに行った。
「○」:70/100以上100/100以下。
「△」:40/100以上70/100未満。
「×」:0/100以上40/100未満。
(4)初期反り角:
上述のようにして作製した評価用光ディスクについて、ドクターシュワブ社製装置(商品名IQPC−blu Tilt)を用いて、23℃、相対湿度50%環境下で反り角を測定した。さらに、この反り角の測定値と、硬化物層を形成する前の評価用光ディスク、すなわち基板の鏡面上に銀合金反射膜のみを有する基材の反り角との差を算出した。判定は、得られる光情報媒体に対して再生・記録が問題なく行える初期反り角である±0.30度以内を基準に行った。
「○」:初期反り角が±0.30度以内。
「×」:初期反り角が±0.30度を上回る。
上述のようにして作製した評価用光ディスクについて、ドクターシュワブ社製装置(商品名IQPC−blu Tilt)を用いて、23℃、相対湿度50%環境下で反り角を測定した。さらに、この反り角の測定値と、硬化物層を形成する前の評価用光ディスク、すなわち基板の鏡面上に銀合金反射膜のみを有する基材の反り角との差を算出した。判定は、得られる光情報媒体に対して再生・記録が問題なく行える初期反り角である±0.30度以内を基準に行った。
「○」:初期反り角が±0.30度以内。
「×」:初期反り角が±0.30度を上回る。
(5)−20℃反り角:
上述のようにして初期反り角を測定した評価用光ディスクを、−20℃環境下に2時間置き、その後、クターシュワブ社製装置(商品名IQPC−blu Tilt)を用いて、−20℃環境下で反り角を測定し、初期反り角と−20℃反り角の差を算出した。判定は1.5度を基準に行った。
「○」:初期反り角と−20℃反り角の差が1.5度以内。
「×」:初期反り角と−20℃反り角の差が1.5度を上回る。
上述のようにして初期反り角を測定した評価用光ディスクを、−20℃環境下に2時間置き、その後、クターシュワブ社製装置(商品名IQPC−blu Tilt)を用いて、−20℃環境下で反り角を測定し、初期反り角と−20℃反り角の差を算出した。判定は1.5度を基準に行った。
「○」:初期反り角と−20℃反り角の差が1.5度以内。
「×」:初期反り角と−20℃反り角の差が1.5度を上回る。
(6)加速試験後反射率:
上述のようにして作製した評価用光ディスクを、80℃、相対湿度85%の環境下に200時間放置した。次いで、これを取り出し、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置した。その後、銀合金反射膜(Ag98Pd1Cu1)の反射率を、光ディスク光学機械特性測定装置(商品名DLD−3000、ジャパンイーエム(株)製)を用いて、23℃、相対湿度50%環境下で測定した。判定は、再生・記録が問題なく行える反射率である80%以上を基準に行った。
「○」:80.0%以上。
「×」:80.0%を下回る。
上述のようにして作製した評価用光ディスクを、80℃、相対湿度85%の環境下に200時間放置した。次いで、これを取り出し、23℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置した。その後、銀合金反射膜(Ag98Pd1Cu1)の反射率を、光ディスク光学機械特性測定装置(商品名DLD−3000、ジャパンイーエム(株)製)を用いて、23℃、相対湿度50%環境下で測定した。判定は、再生・記録が問題なく行える反射率である80%以上を基準に行った。
「○」:80.0%以上。
「×」:80.0%を下回る。
(7)ピンホール:
上述のようにして作製した評価用光ディスクを、80℃、相対湿度85%の環境下に200時間放置した。次いで、これを取り出し、銀合金反射膜(Ag98Pd1Cu1)全面の状態を観察した。判定は、観察されたピンホールの数をもとに行った。
「○」:ピンホールの数が0個。
「△」:ピンホールの数が1〜10個。
「×」:ピンホールの数が11個以上。
上述のようにして作製した評価用光ディスクを、80℃、相対湿度85%の環境下に200時間放置した。次いで、これを取り出し、銀合金反射膜(Ag98Pd1Cu1)全面の状態を観察した。判定は、観察されたピンホールの数をもとに行った。
「○」:ピンホールの数が0個。
「△」:ピンホールの数が1〜10個。
「×」:ピンホールの数が11個以上。
(8)耐光性:
上述のようにして作製した評価用光ディスクの硬化物層(光透過層)を、塗料用退色試験機(FM−1型、スガ試験機(株)製)の光源に向けた状態で配置し、ブラックパネル温度60℃の条件下で100時間耐光性テストを行った。その後、これを取り出し、23℃、相対湿度50%環境下で24時間放置した。次いで、光透過層を剥離して光線透過率を測定した。判定は、再生・記録が問題なく行える光線透過率である85%以上を基準に行った。
「○」:85%以上。
「×」:85%を下回る。
上述のようにして作製した評価用光ディスクの硬化物層(光透過層)を、塗料用退色試験機(FM−1型、スガ試験機(株)製)の光源に向けた状態で配置し、ブラックパネル温度60℃の条件下で100時間耐光性テストを行った。その後、これを取り出し、23℃、相対湿度50%環境下で24時間放置した。次いで、光透過層を剥離して光線透過率を測定した。判定は、再生・記録が問題なく行える光線透過率である85%以上を基準に行った。
「○」:85%以上。
「×」:85%を下回る。
[溶解性試験]
2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート(MEDA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)に対して、以下の通り溶解性試験を行った。
2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート(MEDA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)に対して、以下の通り溶解性試験を行った。
まず、ポリカーボネート樹脂(商品名パンライトL−1225−Z100、帝人化成(株)製)を樹脂温度340℃、金型温度90℃、射出速度120mm/秒にて射出成型し、ポリカーボネート樹脂板(5cm×5cm×3mm)を得た。このポリカーボネート樹脂板上にモノマー0.3mlを滴下し、20℃環境下にて10分間静置した。その後ウェス(商品名キムタオル、日本製紙クレシア(株)製)を用いてモノマーをふき取った。ふき取り後の滴下箇所のヘイズ値を、JIS K−7105に準拠して測定した。溶解性試験後のヘイズ値(Hza(%))と溶解性試験前のヘイズ値(Hzb(%))の差、すなわち増加ヘイズ値ΔHz(%)=Hza−Hzbを以下に示す。
・MEDAのΔHz=87%、
・THFAのΔHz=75%、
・NVPのΔHz=63%。
・MEDAのΔHz=87%、
・THFAのΔHz=75%、
・NVPのΔHz=63%。
[水への溶解性]
23℃の水100部中に、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート(MEDA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)の各々個別に50部添加して溶解性を確認した。その結果、MEDAとTHFAは水と分離し非溶解性であった。一方、NVPは水に溶解し非溶解性ではなかった。
23℃の水100部中に、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート(MEDA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)の各々個別に50部添加して溶解性を確認した。その結果、MEDAとTHFAは水と分離し非溶解性であった。一方、NVPは水に溶解し非溶解性ではなかった。
[合成例1](ウレタンアクリレートUA1(A成分)の製造)
5リットルの4つ口フラスコに、(a1)成分としてイソホロンジイソシアネート444.4g(2モル)をジブチル錫ジオクテート0.44gと共に仕込み、ウォーターバスでフラスコ内温が70℃になるように加熱した。次いで、フラスコ内温を70℃に保ち、その混合物を撹拌しながら、(a2)成分として式(1)(R=プロピレンオキサイド基、m+n=10)の多価アルコール(商品名アデカポリエーテルBPX−55、株式会社ADEKA製、数平均分子量779)779g(1モル)を40℃に保温した状態で側管付きの滴下ロートを用いて4時間の等速滴下で加え、更に、同温度で2時間撹拌して反応させた。その後、フラスコ内温を75℃に保ちながら、(a3)成分として2−ヒドロキシエチルアクリレート232g(2.002モル)とハイドロキノンモノメチルエーテル0.73gの均一混合溶液を滴下ロートを用いて2時間の等速滴下で加え、更に、フラスコ内温を75℃に保ちながら、4時間撹拌してウレタンアクリレートUA1を得た。
5リットルの4つ口フラスコに、(a1)成分としてイソホロンジイソシアネート444.4g(2モル)をジブチル錫ジオクテート0.44gと共に仕込み、ウォーターバスでフラスコ内温が70℃になるように加熱した。次いで、フラスコ内温を70℃に保ち、その混合物を撹拌しながら、(a2)成分として式(1)(R=プロピレンオキサイド基、m+n=10)の多価アルコール(商品名アデカポリエーテルBPX−55、株式会社ADEKA製、数平均分子量779)779g(1モル)を40℃に保温した状態で側管付きの滴下ロートを用いて4時間の等速滴下で加え、更に、同温度で2時間撹拌して反応させた。その後、フラスコ内温を75℃に保ちながら、(a3)成分として2−ヒドロキシエチルアクリレート232g(2.002モル)とハイドロキノンモノメチルエーテル0.73gの均一混合溶液を滴下ロートを用いて2時間の等速滴下で加え、更に、フラスコ内温を75℃に保ちながら、4時間撹拌してウレタンアクリレートUA1を得た。
[合成例2](ウレタンアクリレートUA2(A成分)の製造)
(a2)成分として、式(1)(R=エチレンオキサイド基、m+n=3)の多価アルコール(商品名ユニオールDA−400、日油株式会社製、数平均分子量407)407g(1モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA2を製造した。
(a2)成分として、式(1)(R=エチレンオキサイド基、m+n=3)の多価アルコール(商品名ユニオールDA−400、日油株式会社製、数平均分子量407)407g(1モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA2を製造した。
[合成例3](ウレタンアクリレートUA3(A成分)の製造)
(a2)成分として、式(1)(R=プロピレンオキサイド基、m+n=2)の多価アルコール(商品名アデカポリエーテルBPX−11、株式会社ADEKA製、数平均分子量360)360g(1モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA3を製造した。
(a2)成分として、式(1)(R=プロピレンオキサイド基、m+n=2)の多価アルコール(商品名アデカポリエーテルBPX−11、株式会社ADEKA製、数平均分子量360)360g(1モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA3を製造した。
[合成例4](ウレタンアクリレートUA4(D成分)の製造)
(a2)成分の代わりの多価アルコールとして、ポリカプロラクトン骨格のジオール(商品名プラクセル208、ダイセル化学株式会社製、数平均分子量830)830g(1モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA4を製造した。
(a2)成分の代わりの多価アルコールとして、ポリカプロラクトン骨格のジオール(商品名プラクセル208、ダイセル化学株式会社製、数平均分子量830)830g(1モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA4を製造した。
[合成例5](ウレタンアクリレートUA5(D成分)の製造)
(a1)成分としてイソホロンジイソシアネート333.3g(1.5モル)、(a2)成分の代わりの多価アルコールとして、ポリカプロラクトン骨格のジオール(商品名プラクセル208)377.7g(0.455モル)、(a3)成分として2−ヒドロキシエチルアクリレート242.6g(2.091モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA5を製造した。
(a1)成分としてイソホロンジイソシアネート333.3g(1.5モル)、(a2)成分の代わりの多価アルコールとして、ポリカプロラクトン骨格のジオール(商品名プラクセル208)377.7g(0.455モル)、(a3)成分として2−ヒドロキシエチルアクリレート242.6g(2.091モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA5を製造した。
[合成例6](ウレタンアクリレートUA6(D成分)の製造)
ポリカプロラクトン骨格のジオール(商品名プラクセル208)の代わりに、式(1)(但し、R=プロピレンオキサイド基、m+n=30)の多価アルコール(商品名アデカポリエーテルBPX−2000、株式会社ADEKA製、数平均分子量1955)889.5g(0.455モル)を用いたこと以外は、合成例5と同様にしてウレタンアクリレートUA6を製造した。
ポリカプロラクトン骨格のジオール(商品名プラクセル208)の代わりに、式(1)(但し、R=プロピレンオキサイド基、m+n=30)の多価アルコール(商品名アデカポリエーテルBPX−2000、株式会社ADEKA製、数平均分子量1955)889.5g(0.455モル)を用いたこと以外は、合成例5と同様にしてウレタンアクリレートUA6を製造した。
[合成例7](ウレタンアクリレートUA7(D成分)の製造)
(a1)成分の代わりにトリレンジイソシアネート348.3g(2モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA7を製造した。
(a1)成分の代わりにトリレンジイソシアネート348.3g(2モル)を用いたこと以外は、合成例1と同様にしてウレタンアクリレートUA7を製造した。
[実施例1]
(1)硬化性組成物の調製:
(A)成分として上記合成例1で得たウレタンアクリレートUA1を50部、(B)成分としてイソボルニルアクリレートを20部、(C)成分としてテトラヒドロフルフリルアクリレートを10部、(D)成分としてノニルフェニルポリエチレングリコールアクリレートを20部、(E)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン4部を混合溶解し、ろ過精度1μmのフィルターでろ過し、1.3×104Paで脱気して、硬化性組成物を得た。
(1)硬化性組成物の調製:
(A)成分として上記合成例1で得たウレタンアクリレートUA1を50部、(B)成分としてイソボルニルアクリレートを20部、(C)成分としてテトラヒドロフルフリルアクリレートを10部、(D)成分としてノニルフェニルポリエチレングリコールアクリレートを20部、(E)成分として1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン4部を混合溶解し、ろ過精度1μmのフィルターでろ過し、1.3×104Paで脱気して、硬化性組成物を得た。
(2)評価用光ディスクの作製:
上記(1)で調製した硬化性組成物を用い、前記評価法の(2)弾性率に記載の方法に従って、平均層厚がほぼ100μmの硬化物層を有する評価用光ディスクを作製した。得られた硬化性組成物および評価用光ディスクの評価結果を表1に示す。
上記(1)で調製した硬化性組成物を用い、前記評価法の(2)弾性率に記載の方法に従って、平均層厚がほぼ100μmの硬化物層を有する評価用光ディスクを作製した。得られた硬化性組成物および評価用光ディスクの評価結果を表1に示す。
[実施例2〜9および比較例1〜7]
表1及び表2に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして評価用光ディスクを作製し、評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
表1及び表2に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして評価用光ディスクを作製し、評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
表中の略号は、以下の化合物を示す。
・「UA1」:合成例1で得たウレタンアクリレートUA1
・「UA2」:合成例2で得たウレタンアクリレートUA2
・「UA3」:合成例3で得たウレタンアクリレートUA3
・「TCDDA」:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
・「IBXA」:イソボルニルアクリレート
・「DCPA」:ジシクロペンテニルアクリレート
・「DCPOEA」:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート
・「MEDA」:2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート(ΔHz=87%)
・「THFA」:テトラヒドロフルフリルアクリレート(ΔHz=75%)
・「UA4」:合成例4で得たウレタンアクリレートUA4
・「EA」:ビスフェノールAグリシジルエーテルエポキシジアクリレート
・「TAIC」:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
・「NPEGA」:ノニルフェニルポリエチレングリコールアクリレート
・「HCPK」:1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン
・「BHT」:2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール
・「PM−21」:カヤマーPM−21(商品名、日本化薬株式会社製)
・「UA5」:合成例5で得たウレタンアクリレートUA5
・「UA6」:合成例6で得たウレタンアクリレートUA6
・「UA7」:合成例7で得たウレタンアクリレートUA7
・「NVP」:N−ビニル−2−ピロリドン(ΔHz=63%)
・「UA1」:合成例1で得たウレタンアクリレートUA1
・「UA2」:合成例2で得たウレタンアクリレートUA2
・「UA3」:合成例3で得たウレタンアクリレートUA3
・「TCDDA」:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
・「IBXA」:イソボルニルアクリレート
・「DCPA」:ジシクロペンテニルアクリレート
・「DCPOEA」:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート
・「MEDA」:2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート(ΔHz=87%)
・「THFA」:テトラヒドロフルフリルアクリレート(ΔHz=75%)
・「UA4」:合成例4で得たウレタンアクリレートUA4
・「EA」:ビスフェノールAグリシジルエーテルエポキシジアクリレート
・「TAIC」:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
・「NPEGA」:ノニルフェニルポリエチレングリコールアクリレート
・「HCPK」:1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン
・「BHT」:2,6−ジターシャリーブチル−4−メチルフェノール
・「PM−21」:カヤマーPM−21(商品名、日本化薬株式会社製)
・「UA5」:合成例5で得たウレタンアクリレートUA5
・「UA6」:合成例6で得たウレタンアクリレートUA6
・「UA7」:合成例7で得たウレタンアクリレートUA7
・「NVP」:N−ビニル−2−ピロリドン(ΔHz=63%)
Claims (4)
- 1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環骨格のイソシアネート化合物(a1)、少なくとも下記一般式(1)で表わされる化合物を含むポリオール(a2)、および、1分子中に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(a3)を反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)15〜80質量%[樹脂成分合計100質量%基準]、
前記(A)成分以外の化合物であって、少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格の化合物(B)、
前記(A)成分および(B)成分以外の化合物であって、下記溶解性試験1による増加ヘイズ値ΔHzが10以上であり、かつ非水溶性の少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(C)、並びに、
光重合開始剤(E)
を含有する光情報媒体用硬化性組成物。
(溶解性試験1)
ポリカーボネート樹脂板(5cm×5cm×3mm)上に試験対象(モノマー)を0.3ml滴下し、20℃環境下にて10分間静置し、その後モノマーをふき取り、滴下した箇所のヘイズ値を測定し、増加ヘイズ値ΔHz=Hza−Hzbを算出する。Hzaは溶解性試験後のヘイズ値(%)、Hzbは溶解性試験前のヘイズ値(%)である。 - 請求項1記載の光情報媒体用硬化性組成物の硬化物からなる層を有する光情報媒体。
- 1分子中に少なくとも2つのイソシアネート基を有する脂環骨格のイソシアネート化合物(a1)、少なくとも下記一般式(1)で表わされる化合物を含むポリオール(a2)、および、1分子中に少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(a3)を反応させてウレタン(メタ)アクリレート(A)を合成し、その(A)成分15〜80質量%[樹脂成分合計100質量%基準]、
前記(A)成分以外の化合物であって、少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する脂環骨格の化合物(B)、
前記(A)成分および(B)成分以外の化合物であって、下記溶解性試験1による増加ヘイズ値ΔHzが10以上であり、かつ非水溶性の少なくとも1つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(C)、並びに、
光重合開始剤(E)
を混合する光情報媒体用硬化性組成物の製造方法。
(溶解性試験1)
ポリカーボネート樹脂板(5cm×5cm×3mm)上に試験対象(モノマー)を0.3ml滴下し、20℃環境下にて10分間静置し、その後モノマーをふき取り、滴下した箇所のヘイズ値を測定し、増加ヘイズ値ΔHz=Hza−Hzbを算出する。Hzaは溶解性試験後のヘイズ値(%)、Hzbは溶解性試験前のヘイズ値(%)である。 - 請求項3に記載の製造方法で得られた硬化性組成物を、支持基体上に形成された情報記録層の上に塗布し、その塗膜を硬化させる光情報媒体の製造方法。
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JP2013151678A (ja) * | 2011-12-29 | 2013-08-08 | Sanyo Chem Ind Ltd | 活性エネルギー線硬化性組成物 |
JP2013155340A (ja) * | 2012-01-31 | 2013-08-15 | Idemitsu Kosan Co Ltd | ハードコートフィルム及びその製造に用いる樹脂組成物 |
-
2010
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