JP2011143917A - 鞍乗り型車両の前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヘッドライト41のレンズ41Bには、車両後方側へ凹むレンズ側凹部51が設けられ、このレンズ側凹部51を、ウインカーランプ43の前方かつ車幅方向内側で車両後方に凹むと共に上下方向に延びる凹条にした。
【選択図】図8
Description
また、フロントカウルに、ヘッドランプと、ウインカーランプと、ヘッドランプとウインカーランプとの前方に連続するレンズとを一体的に配したコンビネーションランプを設けた自動二輪車が知られている。この種のコンビネーションランプには、ヘッドランプよりも左右の上方にウインカーランプを配置し、前側の各灯火器をコンパクトに配した構造がある(例えば、特許文献2参照)。
ところで、特許文献2記載の従来の構造では、フロントカウルが車体前方から後方へ向かって車幅方向外側へ拡がる形状を有し、このフロントカウルに沿ってヘッドライトの左右にウインカーランプが配置されるので、左右のウインカーランプが、ヘッドライトのレンズ部分やヘッドライト周囲のカウル部分よりも奥に位置する。
このため、車両の右斜め前から見ると、左側のウインカーランプがレンズ部分やカウル部分に隠れて見えにくくなり、車両の左斜め前から見ると、右側のウインカーランプが見えにくくなる。車両を右又は左から見る場合に、その反対側のウインカーランプも視認できるとより望ましい。
この構成によれば、レンズにおけるウインカーランプの前方かつ車幅方向内側には、車両後方に凹むと共に上下方向に延びる凹条が設けられるので、フロントカウルにコンビネーションランプを設けた構造で、車両の左右一側から他側のウインカーの視認性を向上することができる。
また、上記構成において、前記凹条(51)は、車両後方にいくに従って幅狭に形成され、車体後方に最も奥の最奥部(51A)が、車幅方向外側に偏って設けられるようにしてもよい。この構成によれば、凹部の車幅方向外側部分を、車幅方向内側に極力傾けることでき、より左右一側から他側のウインカーの視認性を向上することができる。
また、上記構成において、前記凹条(51)の後方にはポジションランプ(44)が設けられるようにしてもよい。この構成によれば、凹部後方のデッドスペースを有効利用できる。
この構成によれば、ヘッドランプとウインカーランプとの間に露出するフロントカウルと、ウインカーランプを覆うレンズとによって、ウインカーランプの前方かつ車幅方向内側にて車両後方に凹むと共に上下方向に延びる凹条が設けられるので、車両の左右一側から他側のウインカーの視認性を向上することができる。
また、凹条は、ウインカーランプが収容されるウインカー室の上下幅全体に渡って設けられるようにすれば、ウインカーの発光面を可及的に縦長にすることができ、より視認性を高めることができる。
また、凹条は、車両後方にいくに従って幅狭に形成され、車体後方に最も奥の最奥部が、車幅方向外側に偏って設けられるようにすれば、凹部の車幅方向外側部分を、車幅方向内側に極力傾けることでき、より左右一側から他側のウインカーの視認性を向上することができる。
また、凹条の後方にはポジションランプが設けられるようにすれば、凹部後方のデッドスペースを有効利用できる。
また、ヘッドランプとウインカーランプとの間に露出するフロントカウルと、ウインカーランプを覆うレンズとによって、ウインカーランプの前方かつ車幅方向内側にて車両後方に凹むと共に上下方向に延びる凹条が設けられるので、車両の左右一側から他側のウインカーの視認性を向上することができる。
<第1実施形態>
図1は、本発明の鞍乗り型車両の第1実施形態に係る自動二輪車の前部を示す側面図である。この自動二輪車1は、車体フレーム2と、車体フレーム2のヘッドパイプ20に操舵自在に支持される左右一対のフロントフォーク3と、これらフロントフォーク3の上端部に取り付けられて車体前部の上部に位置する操舵用のハンドル4と、フロントフォーク3に回転自在に支持された前輪5と、前輪5の上方を覆うフロントフェンダ6と、車体を覆う車体カウル(カウリングとも言う)11とを備えている。
なお、車体フレーム2には、前輪5後方位置にエンジンが支持され、エンジン後方にはスイングアーム(リアフォークとも言う)を介して駆動輪である後輪が支持される。また、ハンドル4後方には、車体フレーム2に支持される乗員用シートが設けられ、この乗員用シートに運転者が着座することにより運転者がハンドル操舵等の運転操作を行う。
このフロントカウル31は、ヘッドパイプ20の前方を覆うように配設され、前面の車幅方向中央位置にヘッドライト41が設けられると共に、このヘッドライト41上方であるフロントカウル31上部にウインドスクリーン35が設けられている。
このフロントカウル31は、前端から後方へ向かって車幅方向外側に拡がる前方凸形状を有し、空気抵抗の低減に有利な形状に形成されている。
ウインドスクリーン35は、透明樹脂等の透明材料で形成されており、図1及び図2に示すように、左右一対のスクリーン支持ステー(ステー部)36及びボルト37を介してフロントカウル31に取り付けられる。図1に示すように、このウインドスクリーン35は、フロントカウル31のヘッドライト41の上縁41X近傍からフロントカウル31の前面に沿って後上方へ延出し、フロントカウル31の上縁31Xよりも上方へ延びて乗員の上半身前方に位置する。
図2に示すように、このウインドスクリーン35は、フロントカウル31の前面幅とほぼ同じ幅広形状で上下に延出する幅広大型ウインドスクリーンに形成されている。このため、このウインドスクリーン35は、乗員の上半身を広く覆い、十分なウインドプロテクション効果(乗員への風圧や風切り音の低減、空気の流れを整流する効果)を奏することができる。
これに対し、本構成では、従来の構成に比して、ウインドスクリーン35とフロントカウル31との間の隙間、つまり、ウインドスクリーン35裏面とフロントカウル31前面との間の隙間を従来よりも小さくしており、この隙間は、車体走行時の振動によりウインドスクリーン35がフロントカウル31に擦れるのを防止可能な最小隙間に設定されている。
なお、上記振動による傷つきを回避可能であれば、ウインドスクリーン35とフロントカウル31を近接させる構成に限らず、ウインドスクリーン35とフロントカウル31を密着させてもよい。
このヘッドライト41は、ヘッドライト41の幅方向中心を車幅方向中心に揃えて配置されており、車体正面視でフロントカウル31前面にて車幅方向中心から左右に延びると共に、ヘッドライト41の発光面(レンズ面)とフロントカウル31の前面とがほぼ同一面で連続し、フロントカウル31の面一化(フラッシュサーフェース化)が図られている。
そこで、本構成では、ヘッドライト41のレンズ41Bには、車両後方側へ凹む左右一対のレンズ側凹部51L,51Rを設ける構成とし、フロントカウル31には、上記左右一対のレンズ側凹部51L,51Rに連続してウインドスクリーン35裏側で上方に延出する左右一対のカウル側凹部61L,61Rを設ける構成としている。以下、本構成の導風構造を周辺構成と共に詳述する。
図2及び図3に示すように、このヘッドライト41は、車幅方向中央に前方を照らす灯体であるヘッドランプ42を有し、このヘッドランプ42の左右に、ウインカー用灯体であるウインカーランプ43を有する単一のコンビネーションランプに構成されている。
このヘッドライト41は、ヘッドランプ42及びウインカーランプ43が装着される樹脂製の横長ケースであるハウジング41Aと、ハウジング41Aの前面を覆うように取り付けられる透明樹脂製(或いはガラス製)のレンズ41Bとを備えている。
ハウジング41Aには、ヘッドランプ42が収容されるヘッドランプ室42Aと左右のウインカーランプ43が収容される左右のウインカー室43Aとを各々仕切る左右の仕切り壁41L,41Rが一体に形成されている。
仕切り壁41L、41Rの表面(左右両面)には、アルミ蒸着等が施されてリフレクタ面(反射面)が形成されており、各ランプ42,43の照射光を反射して効率よく外部(車体前方)に照射させる。
なお、このハウジング41Aでは、仕切り壁41L、41Rの表面に限らず、各ランプ室42A,43Aに露出するハウジング内面(ハウジング後壁41Cの前面、ハウジング側壁41DL,41DRの車幅方向内側面等)にも、アルミ蒸着等が施されてリフレクタ面(反射面)が形成される。
図2及び図3に示すように、このレンズ41Bの前面には、車体後方側へ凹む左右一対のレンズ側凹部51L,51Rが設けられている。これらレンズ側凹部51L,51Rは、レンズ41Bを樹脂成形する際に一体に形成され、レンズ41Bの下縁よりも上方位置から上方へ延びてレンズ41Bの上縁まで延在する。そして、これらレンズ側凹部51L,51Rの上端は、フロントカウル31とウインドスクリーン35との間の隙間を形成し、後上方へ延出する左右一対のカウル側凹部61L,61Rの下側開放端部61Yに連続する。
すなわち、左右のレンズ側凹部51L,51Rは、ウインドスクリーン35裏側へ導風する導風凹部として機能し、これによって、導風構造が形成される。
なお、上記レンズ側凹部51L,51Rは、レンズ41Bの下縁41Yよりも上方位置から上方へ延びるので、レンズ41Bの下縁41Y側には凹凸がない。このため、レンズ41Bの下縁41Yとフロントカウル31との間を段差無く容易に連続させることができる。
また、左右一対のレンズ側凹部51は、水平断面視で、車体後方側ほど幅狭となる断面視V字形状を有し、最も車体後方側に位置する最奥部51Aから車幅方向内側かつ前方へ傾斜して中央レンズ部41B1につながる内側傾斜面(第1傾斜面)を構成する内側傾斜部(第1傾斜部)51Bと、最奥部51Aから車幅方向外側かつ前方へ傾斜して外側レンズ部41B2につながる外側傾斜面(第2傾斜面)を形成する外側傾斜部(第2傾斜部)51Cとを備えている。
更に、左右一対の外側レンズ部41B2は、車幅方向外側かつ後方へ傾斜する傾斜面を形成する。
この場合、中央レンズ部41B1及び左右の内側傾斜部51Bによって左右に拡がる前方凸形状のレンズ面が形成されるので、ヘッドランプ42の照射範囲を左右に広く設定することができ、ヘッドランプ光の効果的な拡散が可能となる。
また、左右の外側レンズ部41B2及び左右の外側傾斜部51Cによっても、左右に拡がる前方凸形状のレンズ面が形成されるので、ウインカーランプ光の効果的な拡散が可能となり、周囲からの視認性を向上することができる。
この構成により、レンズ側凹部51を形成する一対の傾斜面を構成する内側傾斜部51Bと外側傾斜部51Cを利用して、ヘッドランプ42及びウインカーランプ43の照射範囲を左右に拡げつつ、左右の最奥部51Aによって外部から仕切り壁41L,41Rを目立たなくすることができ、外観性を向上することができる。
これらカウル側凹部61は、フロントカウル31を樹脂成形する際に一体に形成され、図1及び図2に示すように、レンズ41Bの上縁41Xからフロントカウル31の上縁31Xに渡って連続し、車体後方側へ凹む凹形状を有している。これらカウル側凹部61は、レンズ41B側のレンズ側凹部51と同じ断面形状を有しており、フロントカウル31におけるスクリーン支持ステー36の左右を上下に延び、上方かつ車幅方向外側に傾斜する傾斜導風凹部に形成されている。
このため、レンズ41B左右のレンズ側凹部51から導入された走行風を、ウインドスクリーン35裏側の左右に流して乗員との間の空間に幅広く供給することができる。また、左右のカウル側凹部61がフロントカウル31の上縁31Xまで延在するので、フロントカウル31裏側へ十分に走行風を供給することができる。
これにより、ウインドスクリーン35と乗員との間の空間が負圧になる事態を効果的に防ぐことができ、走行風の巻き込みを抑えることができる。また、スクリーン支持ステー36の左右スペースを利用して、フロントカウル31側にカウル側凹部61を設けるので、かかる空きスペースの範囲内でカウル側凹部61の幅や形状等の設計変更が容易である。
しかも、この構成は、ヘッドライト41のレンズ41Bそのものが導風構造を兼用するので、導風構造が、ヘッドライト41の発光面積、形状及びレイアウト等のいずれも制約することがなく、ヘッドライト41の発光面積の拡大、及び、形状やレイアウトの自由度を確保することが可能となる。
また、上記レンズ側凹部51を、ヘッドランプ室42Aとウインカー室43Aとを仕切る仕切り壁41L,41Rに沿うように設けるので、レンズ側凹部51を形成する一対の傾斜面を構成する内側傾斜部51Bと外側傾斜部51Cとを利用して、ヘッドランプ42及びウインカーランプ43の照射範囲を拡げることができ、照射光の効果的な拡散が可能である。また、レンズ側凹部51によって外部から仕切り壁41L,41Rを目立たなくすることができる。
このように、本構成では、上記凹部51,61によりウインドスクリーン35裏側への導風路を確実に確保できるので、ウインドスクリーン35とフロントカウル31との間の隙間(クリアランス)を従来よりも小さくし、或いは、該隙間をほぼ零にしても、ウインドスクリーン35裏側へ十分に導風を行うことが可能である。つまり、本構成によれば、ウインドスクリーン35とフロントカウル31との間の隙間の設計自由度を向上させることも可能である。
図4及び図5は、第2実施形態を示す。
なお、上記実施形態と同じ構成は同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態では、左右のレンズ側凹部51には、その表面(前面)から突出するリブ(水切りリブ)81,82が一体的に各々設けられている。
これらリブ81,82は、レンズ41Bを樹脂成形する際に一体に形成され、上下一対で設けられている。図4に示すように、上側リブ81は、レンズ側凹部51の上縁近傍にて、レンズ側凹部51の幅一杯に渡って延在する凸条リブに形成され、下側リブ82は、上側リブ81下方でレンズ側凹部51の幅一杯に渡って延在する凸条リブに形成される。
また、図5に二点鎖線で示すように、各リブ81,82は、レンズ側凹部51を全て塞ぐものではなく、レンズ側凹部51内に走行風通路を確保しつつこの走行風に混在する雨水のそれ以上の上方への流れを堰き止める所定高さ(前方への突出量に相当)のリブに形成され、本構成では、レンズ側凹部51に沿ってV字状に延びるリブ形状に形成されている。
これによって、水切り用のリブ81,82を簡易な構成で部品点数を増やすことなく設けることができ、コストをかけずに設けることができる。
なお、リブ81,82の形状は、上記V字状に限らず、走行風通路を確保しながら水切りが可能な範囲で、様々な形状を広く適用することが可能である。
図6は、本発明の鞍乗り型車両の第3実施形態に係る自動二輪車1の前部を示す側面図であり、図7は、フロントカウル31を周辺構成と共に示す正面図である。なお、上記実施形態と同じ構成は同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
この自動二輪車1のフロントカウル31には、前面の車幅方向中央位置にヘッドライト41が設けられると共に、このヘッドライト41上方であるフロントカウル31上部にウインドスクリーン35が設けられている。
このヘッドライト41は、車幅方向中央に前方を照らす灯体であるヘッドランプ42と、ウインカー用灯体である左右一対のウインカーランプ43と、これらランプ42,43の前方に連続するレンズ41Bとを有するコンビネーションランプ(以下、コンビランプという)101に構成されている。
このコンビランプ101は、当該ランプ101の幅方向中心を車幅方向中心に揃えて配置されており、車体正面視でフロントカウル31前面にて車幅方向中心から左右に延び、レンズ41Bとフロントカウル31の前面とがほぼ同一面で連続し、フロントカウル31の面一化(フラッシュサーフェース化)が図られている。
このコンビランプ101のレンズ41Bには、ウインカーランプ43の前方かつ車幅方向内側に、車両後方側へ凹むと共に上下方向に延びる左右一対のレンズ側凹部51L,51Rが設けられている。このため、レンズ側凹部51L,51Rが、フロントカウル31とウインドスクリーン35との間の隙間の下側開放端部61Yに連続し、車体が走行した場合には、車体前方からの走行風が、左右のレンズ側凹部51L,51Rを通って、フロントカウル31とウインドスクリーン35との間を流れ、ウインドスクリーン35裏側の空間に円滑に導入することができる。
図8及び図9に示すように、このコンビランプ101は、ヘッドランプ42が装着される樹脂製のヘッドランプ側ハウジング142と、ウインカーランプ43とポジションランプ44とが装着される樹脂製のウインカ側ハウジング143とを独立して備えている。
これらハウジング142,143の前面には、アルミ蒸着等が施されてリフレクタ面(反射面)が形成され、各ランプ42〜44の照射光を反射して車体前方等に効率よく照射させることができる。また、このリフレクタ面により、各ランプ42〜44の照射範囲を適切に調整できる。
これら中央レンズ部41B1と外側レンズ部41B2とは、別体であるが、図7に示すように、中央レンズ部41B1の外縁(車幅方向外側の縁部)と外側レンズ部41B2の外縁(車幅方向内側の縁部)とが密着し、外観上、一体レンズとして認識される。
つまり、本構成では、ヘッドランプ42、ヘッドランプ側ハウジング142及び中央レンズ部41B1によってヘッドランプユニットを構成すると共に、ウインカー/ポジションランプ43,44、ウインカ側ハウジング143及び外側レンズ部41B2によってウインカー/ポジションランプユニットを構成し、これらランプユニットを一体的に配置することによって、コンビランプ101が構成されている。
このため、コンビランプ101を構成する各部品を小型化でき、かつ、ヘッドランプユニット及びウインカー/ポジションランプユニットの各々を独立して着脱自在であり、組立性やメンテナンス性が向上する。
このように、ウインカー専用のインナーレンズ145を設けることによって、インナーレンズ145の色やカット形状の変更によってウインカーデザインを変更でき、ウインカーの設計自由度を向上することができる。
また、本構成では、このインナーレンズ145と外側レンズ部41B2との間の空間が、ポジションランプ44が収容されるポジションランプ室44Aとして利用されている。
また、外側レンズ部41B2は、中央レンズ部41B1の形状に沿って後方へ向かって車幅方向外側に拡がる傾斜面に形成されている。
より具体的には、この外側レンズ部41B2は、ウインカーランプ43の車幅方向内側に延びる仕切り壁41L,41Rを基準にして、車幅方向内側のレンズ部(51L,51R)が、車両後方側へ凹むと共に上下方向に延びる左右一対のレンズ側凹部51L,51Rに形成されており、車幅方向外側のレンズ部151L,151Rが、後方へ向かって車幅方向外側に拡がる傾斜面に形成されている。
このレンズ側凹部51L,51Rは、最も車体後方側に位置する最奥部51Aから車幅方向内側かつ前方へ傾斜して中央レンズ部41B1につながる内側傾斜面(第1傾斜面)を構成する内側傾斜部(第1傾斜部)51Bと、最奥部51Aから車幅方向外側かつ前方へ傾斜して外側のレンズ部151L,151Rにつながる外側傾斜面(第2傾斜面)を形成する外側傾斜部(第2傾斜部)51Cとを備えている。
詳述すると、同図8に示すように、インナーレンズ145を通過する照射光には、前方に向かう照射光、車幅方向外側に向かう照射光、車幅方向内側に向かう照射光が存在する。このうち、前方及び車幅方向外側に向かう照射光は、左右の外側レンズ部41B2を通って車外へ照射され、車幅方向内側に向かう照射光は、左右のレンズ側凹部51の外側傾斜部51Cを通って車外へ照射される。
また、ポジションランプ44の照射光は、左右のレンズ側凹部51の内側傾斜部51Bと外側傾斜部51Cとを通って前方へと照射される。
さらに、左右の外側レンズ部41B2は、インナーレンズ145よりも車幅方向に広いので、上記インナーレンズ145からのウインカーランプ光の照射を妨げず、これによっても、ウインカーランプ43の照射範囲を左右に広く設定することができる。
しかも、この左右の外側レンズ部41B2についても、レンズ側凹部51L,51Rによって左右に拡がる前方凸形状のレンズ面を形成することができ、これによってもウインカーランプ43の照射範囲を左右に広く設定し易くなり、また、ポジションランプ44の照射範囲も左右に広く設定し易くなる。従って、ウインカーランプ光及びポジションランプ光の効果的な拡散が可能となり、周囲からの視認性を向上することができる。
図10に示すように、左側のレンズ側凹部51Lの外側傾斜部51Cは、自動二輪車1のフロントカウル31の右側真横よりも少し前の位置から視認可能である。このため、図10に示すように、フロントカウル31の右側真横に位置する第三者が、外側傾斜部51Cから照射される左側のウインカーランプ光を視認することができる。すなわち、自動二輪車1の右側から左側ウインカーを視認でき、ウインカーの視認性を向上することができる。
さらに、この自動二輪車1の前部構造は、左右対称構造であるため、自動二輪車1の左側から右側ウインカーを視認することもでき、ウインカーの視認性も向上することができる。
特に本構成では、図8に示すように、レンズ側凹部51L,51Rの最奥部51Aが、レンズ側凹部51L,51Rの幅W内で、車幅方向外側に偏って設けられている。このため、外側傾斜部51Cの傾斜角度θWが、左右反対に向けて車幅方向(横方向)に大きく傾き、より左右一側の斜め前から他側のウインカーの視認性を向上することが可能である。
なお、上記第1及び第2実施形態においても、レンズ側凹部51L,51Rが、ウインカーランプ43の前方かつ車幅方向内側にて車両後方に凹むと共に上下方向に延びる凹条である点で同様の構造であり(図3、図5等を参照)、コンビランプ101を設けた構造で、自動二輪車1の左右一側のから他側のウインカーの視認性を向上することが可能である。
また、本実施形態では、レンズ側凹部51L,51Rによって、ウインドスクリーン35裏側へ十分に導風を行うことができるので、上記第1及び第2実施形態と同様に、ヘッドライト41の発光面積、形状及びレイアウト等のいずれも制約することがなく、ヘッドライト41の発光面積の拡大、及び、形状やレイアウトの自由度を確保することが可能となる等の各種効果を奏する。
このため、ウインドスクリーン35裏側へより円滑に導風を行うことができる。なお、これらカウル側凹部71L,71Rには、前後方向に貫通する導風口72が設けられ、これら導風口72によりフロントカウル31内に走行風を導入することができる。
しかも、レンズ側凹部51L,51Rは、車両後方にいくに従って幅狭に形成される断面視V字形状を有し、車体後方に最も奥の最奥部51Aが、レンズ側凹部51L,51Rの全幅内で車幅方向外側に偏って設けられるので、レンズ側凹部51L,51Rの外側傾斜部51Cを、車幅方向内側(横方向)に極力傾けることでき、より左右一側から他側のウインカーの視認性を向上することができる。
図9に示すように、レンズ側凹部51L,51R後方のデッドスペースは、レンズ側凹部51L,51Rが後方に凹むため、前後長が短いスペースとなるが、ポジションランプ44は、他のランプ42,43より小さいランプで良いので、ポジションランプ44のスペースに十分に活用できる。このため、ポジションランプ44のスペースを別途確保する必要なく、ヘッドランプ42、ウインカーランプ43及びポジションランプ44を備えた小型のコンビランプ101を提供することが可能になる。
図11は、第4実施形態に係る自動二輪車1の正面図である。なお、上記実施形態と同じ構成は同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
この自動二輪車1においては、フロントカウル31が、ヘッドランプ42とウインカーランプ43との間で上下に渡って露出しており、このフロントカウル31の露出する部分(フロントカバー部31L、31R)と、ウインカーランプ43を覆うレンズである外側レンズ部41B2とで、ウインカーランプ43の前方かつ車幅方向内側に、車両後方側へ凹むと共に上下方向に延びる凹条となる左右一対の凹部251L,251Rを形成している。
ヘッドライト41は、左右一対のフロントカバー部31L、31Rの間に、単一のヘッドランプ42と、ヘッドランプ42の前方を覆う中央レンズ部41B1とが設けられ、左右一対のフロントカバー部31L、31Rの車幅方向外側に、左右一対のウインカーランプ43と、ウインカーランプ43の前方を覆う左右一対の外側レンズ部41B2とが設けられている。
なお、このヘッドライト41は、中央レンズ部41B1と外側レンズ部41B2とが互いに近接配置されることによって、ヘッドランプ42とウインカーランプ43とを備えるコンビランプ101を構成しており、第3実施形態のポジションランプ44は備えない構成である。
一方、外側レンズ部41B2には、最奥部51Aから車幅方向外側かつ前方へ傾斜して外側のレンズ部151L,151Rにつながる外側傾斜面(第2傾斜面)を形成する外側傾斜部(第2傾斜部)51Cが形成される。
従って、フロントカバー部31L、31Rの内側傾斜部51Bと、外側レンズ部41B2の外側傾斜部(第2傾斜部)51Cとによって、左右一対の凹部251L,251Rが構成される。
例えば、上記実施形態では、図1等に示す自動二輪車1の前部構造に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、鞍乗り型車両の前部構造に本発明を広く適用することができる。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
2 車体フレーム
11 車体カウル
31 フロントカウル
31L、31R フロントカバー部
35 ウインドスクリーン
41 ヘッドライト
41A,142,143 ハウジング
41B レンズ
41L,41R 仕切り壁
42 ヘッドランプ(灯体)
42A ヘッドランプ室
43 ウインカーランプ(灯体)
43A ウインカー室
44 ポジションランプ(灯体)
51,51L,51R,レンズ側凹部(凹条)
51A 最奥部
61,61L,61R,71L,71R カウル側凹部
61Y 下側開放端部
81,82 リブ(水切りリブ)
251L,251R 凹部(凹条)
Claims (5)
- 車両の前部に配されると共に、ヘッドランプ(42)と、ウインカーランプ(43)と、当該ヘッドランプ(42)とウインカーランプ(43)との前方に連続するレンズ(41B)と、を有するコンビネーションランプを備える鞍乗り型車両の前部構造において、
前記レンズ(41B)における前記ウインカーランプ(43)の前方かつ車幅方向内側には、車両後方に凹むと共に上下方向に延びる凹条(51)が設けられることを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。 - 前記凹条(51)は、前記ウインカーランプ(43)が収容されるウインカー室(43A)の上下幅全体に渡って設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
- 前記凹条(51)は、車両後方にいくに従って幅狭に形成され、車体後方に最も奥の最奥部(51A)が、車幅方向外側に偏って設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の前部構造。
- 前記凹条(51)の後方にはポジションランプ(44)が設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鞍乗り型車両の前部構造。
- 車両の前部を覆うフロントカウル(31)と、
このフロントカウル(31)に配されると共に、ヘッドランプ(42)と、ウインカーランプ(43)と、ヘッドランプ(42)とウインカーランプ(43)との間にフロントカウル(31)を露出させて各ランプを覆うレンズ(41B)と、を有するコンビネーションランプを備える鞍乗り型車両の前部構造において、
前記ヘッドランプ(42)と前記ウインカーランプ(43)との間に露出するフロントカウル(31)と、前記ウインカーランプ(43)を覆うレンズ(41B)とによって、前記ウインカーランプ(43)の前方かつ車幅方向内側にて車両後方に凹むと共に上下方向に延びる凹条(51)が設けられることを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。
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