JP2010273424A - 電動機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ステータ21は、ステータホルダ30を介してモータハウジング11に収納され、ステータホルダ30は、内周面にステータ21の外周面が密着配置された円筒部61と、円筒部61を形成する壁部内に形成されたウォータージャケット65と、ウォータージャケット65に連通し、ウォータージャケット65内に冷却液を流通させるポンプに接続される冷却液の導入口31及び排出口32とを備え、ステータホルダ30は、円筒部61の外周面とモータハウジング11の内壁との間に間隙部70ができるようにモータハウジング11に固定されていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
上述した問題に対処するために、例えば特許文献2に示されるように、ステータをステータホルダ内に固定し、このステータホルダをハウジングにボルト等により締結固定する構成が知られている。この構成によれば、ステータホルダを介してステータをハウジングに固定することで、ステータからハウジングに伝達される磁歪振動を緩和することができ、ノイズを低減することができるようになっている。
特に、本実施形態では、冷媒が流通する中空部をステータホルダに形成することで、冷媒とステータとはステータホルダの内壁面を介して熱交換が行われる。すなわち、ステータと冷媒との間で間隙(空気)を介さずに熱伝達が行われるので、冷媒が流通する中空部をハウジングに設ける従来の構成に比べて、ステータと冷媒との間で熱交換を効率的に行い、ステータの冷却効率を向上させることができる。その結果、モータ性能の低下を防止することができる。
本発明によれば、電動機の組付時において、分割ハウジングの切欠き部内に導入口及び排出口の少なくとも一方を収容することができるので、その後分割ハウジングの分割面同士を突き合わせることで、導入口及び排出口の少なくとも一方を簡単に孔部内に配置することができる。これにより、導入口及び排出口の少なくとも一方をハウジング外へ案内することができるので、組付容易性を向上させ、製造効率の向上を図ることができる。
本発明によれば、ステータホルダがハウジングにガタツキなく、確実に保持されることになるので、ノイズの発生をより低減することができる。
本発明によれば、ステータホルダの導入口及び排出口の少なくとも一方と孔部とが、弾性材料からなるシール部材を介して接触しているので、孔部からハウジング内への水分等の侵入を防ぐとともに、ステータホルダからハウジングに伝達される磁歪振動を緩和することができる。
本発明によれば、ステータホルダにステータを固定した状態で、ステータホルダをハウジングに固定することで、ハウジングへの組付時に各分割コア間のずれやガタツキを発生させることなく、ステータホルダとハウジングとを固定することができる。
その結果、組付容易性を向上させ、製造効率の向上を図ることができる。
特に、本実施形態では、冷媒が流通する中空部をステータホルダに形成することで、冷媒とステータとはステータホルダの内壁面を介して熱交換が行われる。すなわち、ステータと冷媒との間で間隙(空気)を介さずに熱伝達が行われるので、冷媒が流通する中空部をハウジングに設ける従来の構成に比べて、ステータと冷媒との間で熱交換を効率的に行い、ステータの冷却効率を向上させることができる。その結果、モータ性能の低下を防止することができる。
(車両用駆動モータユニット)
図1は車両用駆動モータユニットの断面図であり、図2は車両用駆動モータユニットの分解斜視図である。なお、図2においては、説明を分かり易くするためモータを省略する。
図1,2に示すように、車両用駆動モータユニット(以下、モータユニットという。)10は、ステータ21及びロータ22を備えたモータ23と、モータ23を収納するモータハウジング11と、ステータ21を保持した状態でモータハウジング11に固定されたステータホルダ30とを備えている。
図3はステータホルダが第1ハウジングに固定された状態を示すモータユニットの分解斜視図であり、図4は図3の状態から各ハウジングが一体化された状態を示すモータユニットの斜視図である。
図1〜4に示すように、モータハウジング11は、ダイキャスト法等で形成されたアルミ等からなる円筒形状のものであって、第1ハウジング(分割ハウジング)12と第2ハウジング(分割ハウジング)13とで軸方向に沿って分割構成されている。すなわち、モータハウジング11は、各ハウジング12,13の一体化時(軸方向内側の端面を当接させた状態)において、モータ23全体を覆うように形成されている。各ハウジング12,13は、開口部8を有する円筒形状のものであって、各ハウジング12,13における軸方向内側の端面(モータハウジング11の分割面)には、径方向外側に向けて張り出す外フランジ部14,15が形成されている。各外フランジ部14,15には、周方向に沿って複数の取付片16.17が形成されている。第1ハウジング12における外フランジ部14の取付片16には軸方向に沿って雌ネジ部18が形成される一方、第2ハウジング13における外フランジ部15の取付片17には軸方向に沿って貫通孔19が形成されている。そして、第2ハウジング13の各貫通孔19から第1ハウジング12の各雌ネジ部18に向けてボルト20を螺入することで、ハウジング12,13同士が締結されてモータハウジング11が構成されるようになっている。
一方、各ハウジング12,13のうち、第2ハウジング13の外フランジ部15には、周方向において雌ネジ部36と同位置に、ボルト35の頭部を避けるための逃げ部37が形成されている。
図1に示すように、本実施形態のモータ23は、インナーロータ型のモータ23であって、筒状のステータ21と、ステータ21の内側に配置された円柱状のロータ22と、ロータ22と同軸状に圧入固定され、図示しない軸受けに回転可能に支持されたシャフト38とを備えている。
ステータ21は、円環状に構成されたステータコア50と、ステータコア50のティース51に巻回されたコイル52とを備えている。ステータコア50は、円環状の外周を構成するヨーク53と、ヨーク53から円環状の中心に指向して突出された上述したティース51とを備えている。また、隣接するティース51同士の間には、スロット54が形成されている。そして、ティース51に巻き回したコイル52をスロット54に配置することで、ステータ21が形成されている。
ステータコア50は、複数の分割コア49が周方向に沿って連結されることで、円環状に構成されている。分割コア49は、上述したヨーク53及びティース51が形成された磁性板材が軸方向に積層されて構成されている。この分割コア49を構成する磁性板材は、プレス成型により容易に製造することができる。ここで、一つの分割コア49には、一つのティース51が形成されている。つまり、ティース51ごとに分割コア49は分割されている。
ロータヨーク44の外周側には、ロータヨーク44を軸方向に貫通する複数の貫通孔42が形成されている。各貫通孔42の内部には、ネオジウム等の希土類からなる永久磁石34が挿入されている。この永久磁石34は、ロータヨーク44の径方向に磁化されている。また、永久磁石34はロータヨーク44の周方向に沿って略等間隔に配置され、周方向に隣接する永久磁石34は交互に逆方向に着磁されている。
図5はステータホルダの平面図であり、図6は図5のA−A線に沿う断面図である。
図5,6に示すように、ステータホルダ30は、ダイキャスト法等により形成されたアルミ等からなる円筒状の部材である。ステータホルダ30は、上述したステータ21を保持した状態でモータハウジング11に固定されるものであり、開口部60を有する円筒部61を備えている。図3に示すように、円筒部61には、開口部60内にステータ21が焼嵌め等により固定されることで、円筒部61の内周面とステータ21の外周面とが同軸上で密着配置されている。円筒部61の外周面には、径方向外側に向けて突出する取付片62a〜62cが周方向に沿って複数(本実施形態では、3箇所)形成されている。各取付片62a〜62cは、円筒部61の外周面において、軸方向に沿う第1ハウジング12側の端面側に配置されている。
そして、第2ハウジング13の貫通孔19から第1ハウジング12の雌ネジ部18に向けてボルト20を螺入することで、各ハウジング12,13が締結されている。
導入口31及び排出口32内には、図示しないポンプとウォータージャケット65との間を連結するためのチューブ(不図示)を接続するためのチューブジョイント71が装着されている。これにより、ポンプ及びウォータージャケット65内を冷却水が循環するようになっている。また、図5に示すように、導入口31及び排出口32における開口縁近傍の外周面には、周方向全周が切り欠かれたOリング収容部72が形成され、このOリング収容部72内に弾性材料からなるOリング(シール部材)73が装着されている。
次に、上述したモータユニットの組付方法について説明する。
まず、上述した第1ハウジング12、第2ハウジング13及びステータホルダ30を予めダイキャスト法等により製造しておく。
そして、図3に示すように、ステータホルダ30の開口部60内にステータ21を焼嵌め固定する。具体的には、ステータホルダ30を加熱膨張させて内径を広げておき、これにステータ21を嵌め込んで常温に戻し、ステータホルダ30の収縮によって両者を結合する。これにより、ステータホルダ30の内周面がステータ21の外周面に隙間なく密着することになる。なお、本実施形態では、上述したように分割コア49が複数連結されてなるステータ21を採用している。そして、このステータ21を焼嵌めによりステータホルダ30に固定することで、ステータ21を圧入等によりステータホルダ30に固定する場合に比べて、ステータ21とステータホルダ30との固定時に各分割コア49間のずれやガタツキを発生させることなく、スムーズに両者を固定することができる。
このように、本実施形態では各ハウジング12,13の外フランジ部14,15に切欠き部25,26が設けられているので、各ハウジング12,13の切欠き部25,26同士をそれぞれ突き合わせることでステータホルダ30の導入口31及び排出口32をモータハウジング11外へ突出する孔28,29を形成することができる。この場合、モータユニット10の組付時には、切欠き部25,26内に導入口31及び排出口32をそれぞれ収容することで、その後モータハウジング11の分割面同士を突き合わせることで、導入口31及び排出口32を簡単に孔28,29内に配置することができる。これにより、各孔28,29から導入口31及び排出口32をモータハウジング11外へ案内することができるので、組付容易性を向上させ、製造効率の向上を図ることができる。
以上により、モータユニット10が組み付けられる。
この構成によれば、ステータ21がモータハウジング11との間に間隙部70を挟んで配置されているので、ステータ21の磁歪振動がモータハウジング11に直接伝達されることがなく、ステータホルダ30とモータハウジング11との接触部分(固定箇所)を経由して伝達されることになる。すなわち、ステータ21の外周面が直接、モータハウジング11の内周面に密着配置されている従来の構成に比べて、ステータ21の磁歪振動がモータハウジング11まで伝達され難くなるので、磁歪振動がモータハウジング11に伝達されることにより発生するノイズを低減することが可能になる。
これに対して、本実施形態では、ステータホルダ30にウォータージャケット65を設ける一方、モータハウジング11に潤滑油が流通する潤滑油流路(不図示)を設け、各種流路をそれぞれ別部材に設ける構成であるため、モータハウジング11の簡素化を図ることができる。これにより、ステータホルダ30及びモータハウジング11をそれぞれダイキャスト法等の高速の鋳造法により形成することができるので、製造効率及び製造コストを低減することができ、大量生産も可能になる。
この場合、ステータホルダ30の導入口31及び排出口32と、孔28,29(ジョイントシール75の保持孔76)とが、弾性材料からなるOリング73を介して接触しているので、保持孔76からモータハウジング11内への水分等の侵入と、モータハウジング11内に潤滑油を滞留させる場合にはモータハウジング11から保持孔76外への潤滑油等の流出とを防ぐとともに、ステータホルダ30からモータハウジング11に伝達される磁歪振動を緩和することができる。
例えば、上述した実施形態では、モータユニット10の軽量化等を図るために、ステータホルダ30及びモータハウジング11をアルミにより形成する場合について説明したが、これに限られず、鉄やマグネシウム等により形成することも可能である。鉄により形成した場合、ステータホルダ30をアルミにより形成した場合に比べて、ステータ21とステータホルダ30との熱膨張係数の差を小さく設定することができるので、ステータ21を常温圧入によりステータホルダ30に固定することも可能である。
また、上述した実施形態では、ステータ21に分割コア49を採用する構成について説明したが、これに限らず円環状のヨークと、ヨークから径方向内側に突出する複数のティースとを有する磁性板材を積層して形成された一体型のステータを採用することも可能である。
さらに、上述した実施形態では、本発明の電動機を燃料電池車両に搭載される車両用駆動モータユニット10として採用した場合について説明したが、これに限らず、ハイブリッド式自動車や電気自動車等に採用することも可能である。
Claims (5)
- ロータと、前記ロータの外周側に設けられた円環状のステータと、前記ロータ及び前記ステータが収納されたハウジングとを備えた電動機であって、
前記ステータは、ステータホルダを介して前記ハウジングに収納され、
前記ステータホルダは、内周面に前記ステータの外周面が密着配置された円筒部と、
前記円筒部を形成する壁部内に形成された中空部と、
前記中空部に連通し、前記中空部内に冷媒を流通させるポンプに接続される前記冷媒の導入口及び排出口とを備え、
前記ステータホルダは、前記円筒部の外周面と前記ハウジングの内壁との間に間隔ができるように前記ハウジングに固定されていることを特徴とする電動機。 - 前記ハウジングは、前記ステータの軸方向に沿って複数の分割ハウジングに分割されるとともに、前記分割ハウジングの分割面には切欠き部が形成され、
前記分割ハウジングを組み合わせることで、前記切欠き部が前記ハウジングを径方向に貫通する孔部を構成し、
前記円筒部から径方向外側に向けて突出した前記導入口及び前記排出口のうち、少なくともどちらか一方が前記孔部を貫通していることを特徴とする請求項1記載の電動機。 - 前記孔部を貫通する前記導入口及び前記排出口のうち、少なくともどちらか一方の外周面は前記ハウジングに固定され、前記ステータ及び前記ステータホルダが前記ハウジングに対して保持されていることを特徴とする請求項2記載の電動機。
- 前記孔部を貫通する前記導入口及び前記排出口のうち、少なくともどちらか一方の外周面と、前記孔部との間には、弾性材料からなるシール部材が介在されていることを特徴とする請求項3記載の電動機。
- 前記ステータは、複数の分割コアが周方向に沿って連結されて円環状に構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の電動機。
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