JP2010256470A - 画像形成装置、および制御構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の構造体が組み合わされて構成された画像形成装置において、各構造体に電力を供給する電源構造体の電力供給能力の範囲内で各構造体を動作させる。
【解決手段】画像形成動作を行う交換可能な画像形成ユニット10および画像形成動作に関連した動作を行う構造体(供給ユニット40、排出ユニット50、読み取りユニット60、操作ユニット70、増設供給ユニット80)が組み付けられることで画像形成ユニット10および構造体に電力を供給する電源ユニット30は、画像形成ユニット10および構造体の合算消費電力が電源ユニット30の電力供給能力の範囲内に設定されるように画像形成ユニット10および構造体の動作を制御する。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置、および制御構造体に関する。
特許文献1には、従来の画像形成装置では大多数のユーザが最適な状態で使用できるように装置構成やアクセサリ構成などの商品性を想定して装置設計を行っているため、個々のユーザの希望に柔軟に対応できる装置構成になっていなかったことに着目し、サブシステムおよびプラットフォームを交換可能とする技術が示されている。
また、特許文献2では、1つの作像ユニットと1つの基体ユニットとの組合せを基本として作像ユニットを増設することにより適宜の画像記録装置を形成するために、1つの基体ユニットに同じ種類の複数の作像ユニットを重ねて組み付ける技術が示されている。
特開2007−102187号公報 特開平4−118271号公報
複数の構造体が組み合わされて構成された画像形成装置において、各構造体に電力を供給する電源構造体の電力供給能力の範囲内で各構造体を動作させることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、画像形成動作を行う機能要素を有する画像形成構造体と、前記画像形成構造体での画像形成動作に関連した動作を行う構造体と、前記画像形成構造体および前記構造体が組み付けられることで当該画像形成構造体および当該構造体に電力を供給する電源構造体と、前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力が前記電源構造体の電力供給能力の範囲内に設定されるように当該画像形成構造体および当該構造体の動作を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、画像形成命令を実行するに際して動作する前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力を算出し、当該合算消費電力と前記電源構造体の電力供給能力との差分に応じて、当該画像形成構造体および当該構造体のプロセス速度を調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、画像形成命令を実行するに際して動作する前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力を算出し、当該合算消費電力と前記電源構造体の電力供給能力との差分に応じて、当該画像形成構造体に設けられた定着手段に設定する定着温度を調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、前記画像形成構造体および前記構造体が前記電源構造体に組み付けられることにより、前記画像形成構造体および前記構造体各々の消費電力と前記画像形成構造体および前記構造体でのプロセス速度との関係に関する情報を取得することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記画像形成構造体が前記電源構造体に組み付けられることにより、前記画像形成構造体の消費電力と前記画像形成構造体に設けられた定着手段での定着温度との関係に関する情報を取得することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記画像形成構造体、前記構造体、前記電源構造体は、各々が画像形成装置の装置外観の少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、画像形成動作を行う画像形成構造体と当該画像形成構造体での画像形成動作に関連した動作を行う構造体とが組み付けられる枠体と、前記枠体に組み付けられた前記画像形成構造体および前記構造体に電力を供給する電力供給部と、前記画像形成構造体および前記構造体の積算消費電力が前記電力供給部の電力供給能力の範囲内に設定されるように当該画像形成構造体および当該構造体の動作を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする制御構造体である。
請求項8に記載の発明は、前記制御手段は、画像形成命令を実行するに際して動作する前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力を算出し、当該合算消費電力と前記電力供給部の電力供給能力との差分に応じて、当該画像形成構造体および当該構造体のプロセス速度を調整することを特徴とする請求項7記載の制御構造体である。
請求項9に記載の発明は、前記制御手段は、画像形成命令を実行するに際して動作する前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力を算出し、当該合算消費電力と前記電力供給部の電力供給能力との差分に応じて、当該画像形成構造体に設けられた定着手段に設定する定着温度を調整することを特徴とする請求項7記載の制御構造体である。
請求項1の発明によれば、複数の構造体に対し電力を供給する電源構造体の電力供給能力の範囲内で各構造体を動作させることができる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像品質を維持しながら画像形成構造体および構造体の合算消費電力が電源構造体の電力供給能力の範囲内となるように抑えることができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像生産性を維持しながら画像形成構造体および構造体の合算消費電力が電源構造体の電力供給能力の範囲内となるように抑えることができる。
請求項4の発明によれば、各構造体での構成や設定状態の変更に対応させて、電源構造体の電力供給能力の範囲内での各構造体に対する動作制御を行うことができる。
請求項5の発明によれば、画像形成構造体に備えられた定着手段での構成や設定状態の変更に対応させて、電源構造体の電力供給能力の範囲内での各構造体に対する動作制御を行うことができる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像形成装置を小型化することができる。
請求項7の発明によれば、複数の構造体に対し電力を供給する電源構造体の電力供給能力の範囲内で各構造体を動作させることができる。
請求項8の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像品質を維持しながら画像形成構造体および構造体の合算消費電力が電源構造体の電力供給能力の範囲内となるように抑えることができる。
請求項9の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、画像生産性を維持しながら画像形成構造体および構造体の合算消費電力が電源構造体の電力供給能力の範囲内となるように抑えることができる。
本実施の形態が適用される画像形成装置の構成の一例を示した図である。 (a)、(b)は、電源ユニットと、この電源ユニットに画像形成ユニットが組み付けられた状態を説明するための図である。 画像形成ユニットの外装天面に形成された排出トレイ構造を説明するための図である。 読み取りユニットを備えていない、例えばプリンタ仕様として用いられる画像形成装置の組み付け構造を説明するための図である。 読み取りユニットを備えた、例えば複写機やファクシミリ仕様として用いられる画像形成装置の組み付け構造を説明するための図である。 電源ユニットと各構造体との接続を説明する図である。 電源ユニットの主制御部が電力供給部の電力供給能力の範囲内となるように実行する各構造体に対する動作制御の内容を示すフローチャートの前半部分である。 電源ユニットの主制御部が電力供給部の電力供給能力の範囲内となるように実行する各構造体に対する動作制御の内容を示すフローチャートの後半部分である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の全体説明>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置1の構成の一例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、画像形成を行う機能要素を有する画像形成構造体の一例としての画像形成ユニット10と、各構造体に電力を供給し、また各構造体に関する制御機能を有する電源構造体および制御構造体の一例としての電源ユニット30とを備えている。また、記録材である用紙を画像形成ユニット10に向けて搬送する記録材搬送構造体の一例としての供給ユニット40と、画像形成後の用紙を搬送して排出する排出記録材搬送構造体の一例としての排出ユニット50とを備えている。更に、原稿を読み取る画像読み取り構造体の一例としての読み取りユニット60を備えている。また、所謂コントロールパネルを有し使用者の操作入力を受け付ける使用者操作構造体の一例としての操作ユニット70を備えている。また更に、供給ユニット40に増設可能に設けられ用紙を供給して搬送する増設供給構造体の一例としての増設供給ユニット80を備えている。これらの構造体の一例である画像形成ユニット10、電源ユニット30、供給ユニット40、排出ユニット50、読み取りユニット60、操作ユニット70、増設供給ユニット80は、各々、画像形成装置1の装置外観の少なくとも一部を形成している。図1に示す画像形成装置1では、後述する図2に示すように、電源ユニット30は画像形成ユニット10の底面と、図1の背面との2面で接触した状態で組み付けられている。
これらの各ユニット(構造体)によって構成される画像形成装置1は、例えば電子写真方式を用いた所謂タンデム型のデジタルカラープリンタ、デジタルカラー複写機、ファクシミリ等として機能している。画像形成ユニット10は、その画像形成を行う機能要素として、像保持体、露光手段、帯電手段、現像手段、用紙へ画像を転写する転写手段、転写した画像を用紙へ定着させる定着手段を有している。
<画像形成ユニット10の説明>
画像形成ユニット10は、画像形成装置1に組み込まれた際、画像形成装置1の装置外観の一部を形成する。単体として独立取引の対象となり、独立取引の対象となっている外観が、組み込まれた画像形成装置1の外観の一部をそのまま構成する。
この画像形成ユニット10は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色毎に設けられ画像形成を行う画像形成部の一例としての複数の画像形成部20(20Y,20M,20C,20K)、例えば、電源ユニット30から受信した画像データに予め定めた画像処理を施す画像処理部11、画像形成ユニット10の動作を制御する動作制御部12を備えている。また、複数の画像形成部20に対して各色毎の画像データに基づく露光処理を行う露光手段の一例としてのレーザ露光器13を備えている。各々の画像形成部20には、像保持体としての感光体ドラム21、帯電手段の一例としての帯電ロール22、現像手段の一例としての現像器23、ドラムクリーナ24を備えている。この帯電ロール22は、感光体ドラム21の表面を予め定めた電位で一様に帯電する。現像器23は、画像形成部20のそれぞれにおいて、例えば、各色トナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を保持して、感光体ドラム21上に形成された静電潜像を各色トナーで現像する。ドラムクリーナ24は、例えば板状部材を感光体ドラム21表面に接触させて、感光体ドラム21上に付着したトナーや紙粉等を除去する。
また、画像形成ユニット10には、各画像形成部20それぞれに配置された感光体ドラム21を露光する露光手段の一例としてのレーザ露光器13が設けられている。レーザ露光器13は、各色毎の画像データを画像処理部11から取得し、取得した画像データに基づいて点灯制御されたレーザ光により、各画像形成部20の感光体ドラム21をそれぞれ走査露光する。さらに、各画像形成部20の感光体ドラム21と接触しながら移動して用紙を搬送する用紙搬送ベルト14が配置されている。用紙搬送ベルト14は、用紙を静電吸着するフィルム状の無端ベルトで形成されている。そして、用紙搬送ベルト14の内側であって各感光体ドラム21と対向する位置には、それぞれ転写手段の一例としての転写ロール15が配置されている。転写ロール15は、感光体ドラム21との間に転写電界を形成し、用紙上に、各画像形成部20で形成された各色トナー像を順次転写する。さらに、用紙搬送ベルト14の用紙搬送方向の下流側には、用紙上の未定着トナー像に対して熱および圧力による定着処理を施す定着手段の一例としての定着器16が設けられている。
これらの機能要素を有する画像形成ユニット10は、画像形成ユニット10単体として交換可能に構成される。何れかの画像形成部20にて、例えば現像器23に供給されるトナーが消費されて画像が形成できなくなった場合等には、画像形成ユニット10を引き抜いて取り外し、例えば新品の画像形成ユニット10がこの画像形成ユニット10のまま組み付けられることで、画像形成ユニット10が交換される。
そして、図1に示す例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成部20Y,20M,20C,20Kを備えていたが、更に所謂コーポレートカラーなどの特色を印刷するための画像形成部20を加えて5つの画像形成部20を設ける形態もある。また、黒(K)についての機能を強化するために、黒(K)のエンジンを2つ備え、全体で5つの画像形成部20を構成する形態もある。更に、多色ではなく、単色に対応した形態とすることもある。かかる場合には、画像形成部20の数が単体(例えば、画像形成部20Kのみ)となる場合もある。そして、これらを構成する画像形成ユニット10を交換ユニットとして準備する形態もある。更には、画像形成ユニット10として、画像処理部11および動作制御部12を有さない、または画像処理部11および動作制御部12の何れか一方だけを有している形態を採用することもできる。
なお、画像形成装置1において画像形成構造体として如何なる形態の画像形成ユニット10が組み込まれても、電源ユニット30は組み込まれた画像形成ユニット10に対応して動作する。それにより、電源ユニット30は如何なる形態の画像形成ユニット10にも共通して使用される。
<電源ユニット30の説明>
電源ユニット30は、その主たる機能を実現する機能部として、各構造体(画像形成ユニット10、供給ユニット40、排出ユニット50、読み取りユニット60、操作ユニット70、増設供給ユニット80)に対して電力を供給する電力供給手段の一例としての電力供給部を備えている(後段の図6参照)。電源ユニット30の外観構成については、後述する図2(a)に詳細に示している。電源ユニット30では、電力供給部が商用電源から例えば交流100Vを受け取って予め定めた電圧の電力を生成し、各構造体(各ユニット)の駆動系や動作系へ電力を供給する。そのために、例えば感光体ドラム21等の回転駆動のための低電圧電力(例えば、24V)を生成する低電圧供給部や、高電圧電力(数KV)を生成する高電圧供給部(後段図6参照)を備えている。各構造体に対しては、接続手段の一例であるコネクタ(後段図2参照)を介して電力を供給する。配線手段は、例えば、各構造体が電源ユニット30に組み付けられることで、各構造体と電源ユニット30とが電気的に接続されるように構成される。
また、電源ユニット30は、画像形成装置1全体の動作や各構造体へ供給する電力を制御する制御手段の一例としての主制御部(後段の図6参照)を備えている。主制御部は、例えば図示しないパーソナルコンピュータ(PC)や読み取りユニット60から取得した画像データの編集や蓄積、画像形成ユニット10へ受け渡す画像データに対する画像処理も行う。尚、上述したように、画像形成ユニット10にて画像処理部11や動作制御部12を設けない場合には、画像形成ユニット10にて制限(排除)したこれらの機能は電源ユニット30に備えられることとなる。
さらに、電源ユニット30は、画像形成ユニット10の各機構部材を駆動する駆動モータなどの駆動源を備えている。即ち、画像形成ユニット10には各種駆動源は備えられていない。そして、電源ユニット30に画像形成ユニット10が組み付けられることで、電源ユニット30の駆動源と画像形成ユニット10の各機構部材とが機械的に連結される。例えば、各感光体ドラム21や各感光体ドラム21周りの機構部材に合わせ、ボールジョイントなどの機構を用いた継手であるカップリングを用いて電源ユニット30の駆動源と連結する。また用紙搬送ベルト14、用紙搬送のための各種搬送ロールなどの駆動位置に合わせ、個々に、または幾つかの機構を集約させてカップリングを用いて電源ユニット30の駆動源と連結する。このようにして、画像形成ユニット10に例えば駆動源が備えられないことから、交換可能な画像形成ユニット10の構成部品の数が低減される。
更に、本実施の形態において、電源ユニット30は、画像形成装置1の装置外観の一部を形成している。また、電源ユニット30は、供給ユニット40、排出ユニット50、読み取りユニット60を組み付ける際の基準構造体となる。また、画像形成ユニット10を組み付ける際の基準構造体とすることができる。後述するように、図1に示す操作ユニット70は読み取りユニット60に取り付けられているが、例えば読み取りユニット60を備えない場合には、電源ユニット30に操作ユニット70が取り付けられる(後段図4参照)。尚、電源ユニット30の更なる構成例については、後段の図2の説明の中でも詳述する。
<供給ユニット40の説明>
供給ユニット40は、画像形成ユニット10に向けて用紙を搬送する。図1に示す例では、電源ユニット30の外側底面に接触し、画像形成ユニット10の一側から画像形成ユニット10に向けて用紙を搬送する。供給ユニット40は、この給紙と捌きと搬送のための各種ロール類等を備えている。そして、供給ユニット40は、画像形成装置1として組み込まれた際に、画像形成装置1の装置外観の一部を形成するとともに、図1に示すように、画像形成ユニット10の少なくとも一方の側面に接触し、画像形成ユニット10のこの一方の側面を覆うように配置される。但し、必要な機構部分だけを構成するのであれば、この一方の側面の全面を覆わず、例えば略中央部程度までの高さ等、一部だけに接触させることもできる。供給ユニット40は、記録材である用紙を収容する用紙収容部41と、この用紙収容部41から繰り出された用紙を画像形成ユニット10に向けて搬送するための搬送路42とが設けられている。画像形成ユニット10が画像形成装置1に組み込まれた際、搬送路42から連続する供給ユニット40の用紙排出口は、画像形成ユニット10の用紙受入口と位置合わせがなされ、搬送のための経路が連結される。
<排出ユニット50の説明>
排出ユニット50は、画像形成ユニット10にて画像が形成された用紙を受け入れ、排出口55に向けて用紙を搬送する。排出ユニット50は、画像形成装置1として組み込まれた際に、画像形成装置1の装置外観の一部を形成するとともに、図1に示すように、画像形成ユニット10の他方(供給ユニット40側を一方とした場合)の側面に接触し、画像形成ユニット10のこの他方の側面を覆うように配置される。即ち、画像形成ユニット10の他方の側面にて下方から上方に延びる筐体構造を有している。この排出ユニット50は、画像形成ユニット10にて画像が形成された用紙を搬送する搬送路51と、この搬送路51に設けられて用紙を搬送する複数組の搬送ロール52が設けられている。また、画像形成ユニット10にて画像が印刷された用紙を排出する排出口55と、この排出口55から用紙を勢いよく排出するための排出ロール53とが設けられている。本実施の形態では、画像形成ユニット10の筐体構造の上方(天面)が、排出された用紙を積載する排出トレイとなっている。
<読み取りユニット60の説明>
読み取りユニット60は、例えばシート材などの原稿に存在する画像を読み取る画像読み取り装置として機能する。読み取りユニット60は、画像形成装置1に組み込まれた際に、画像形成装置1の装置外観の一部を形成する。この読み取りユニット60が増設されるシステム構成では、読み取りユニット60の一部に操作ユニット70が取り付けられる。読み取りユニット60として、シート状の原稿を搬送する原稿搬送装置を備える構成を備えることができる。また、本などの厚みのある原稿を平面上のガラス(プラテンガラス)に置き、読み取り部やランプ、ミラーなどを走査させるスキャン構造を採用したり、このスキャン構造を備えず、シート原稿移動型だけの読み取り装置とした構成を採用することもできる。読み取りユニット60は、例えば、支持部材61を介して電源ユニット30に支持されて固定され、また、排出ユニット50にも支持される。そして、画像形成ユニット10の天面に設けられた排出トレイ部の空間を保ち、ユーザ(使用者)の手が入るなど、その操作性を阻害しない位置に配置される。また、画像形成ユニット10の交換作業などを行う際にも、ユーザ(使用者)が画像形成ユニット10の天面を持って作業することができる位置に配置されている。
<操作ユニット70の説明>
操作ユニット70は、画像形成装置1に組み込まれた際に、画像形成装置1の装置外観の一部を形成する。読み取りユニット60が画像形成装置1に組み込まれる装置構成の場合には、読み取りユニット60に取り付けられ、または埋め込まれる。読み取りユニット60が組み込まれない装置構成の場合には、例えば、電源ユニット30に組み込まれる。
<増設供給ユニット80の説明>
増設供給ユニット80は、画像形成装置1に組み込まれた際、画像形成装置1の装置外観の一部を形成する。図1に示す例では、供給ユニット40の底面に接触し、画像形成装置1の底面と、その底面に続く画像形成装置1の側面の装置外観を形成している。この増設供給ユニット80は、記録材である用紙を収容する用紙収容部81と、この用紙収容部81から繰り出された用紙を供給ユニット40に向けて搬送するための搬送路82とが設けられている。また増設供給ユニット80は、この給紙と捌きと搬送のための各種ロール類等を備えている。供給ユニット40には、増設供給ユニット80から供給される用紙を受け入れる用紙受入口と、この用紙を搬送するためのスリット状の搬送経路が設けられている。用紙収容部81から繰り出された用紙は、搬送路82と、供給ユニット40のスリット状の搬送経路、搬送路42を経由し、画像形成ユニット10に向けて供給される。
<各構造体に共通した構成の説明>
また、各構造体(画像形成ユニット10、供給ユニット40、排出ユニット50、読み取りユニット60、操作ユニット70、増設供給ユニット80)は、電源ユニット30との間で電力および電気信号の伝送経路を形成する接続手段を備えている。さらに、各構造体は、各構造体それぞれに関する各種情報(例えば、構造体の種類、構造体における設定や構成等に関する情報)を記憶する記憶手段を備えている。そして、各構造体が電源ユニット30に組み込まれた際に、各構造体と電源ユニット30とは接続手段により電気的に接続され、電源ユニット30からの電力および相互間での電気信号の伝送が可能となる。またそれにより、各構造体に備えられた記憶手段は、電源ユニット30に備えられた主制御部と接続される。それによって、主制御部は各構造体の記憶手段から各構造体それぞれに関する各種情報を取得して、各構造体の動作を制御するに際しての動作パラメータを設定する。また、主制御部は各構造体に供給する電力量を調整する。
なお、記憶手段は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等で構成される。
<各構造体の外観構成と組み立て例の説明>
次に、各構造体の組み立て構成について説明する。
図2(a)、(b)は、電源ユニット30と、この電源ユニット30に画像形成ユニット10が組み付けられた状態を説明するための図である。図2(a)は電源ユニット30の外観を示し、図2(b)は電源ユニット30に画像形成ユニット10が組み付けられた状態を示している。
図2(a)に示すように、電源ユニット30は、枠体として、内側縦面30a、内側底面30b、天面30c、一方側面(右側面)30d、他方側面(左側面)30e、外側底面30f、一方面(前面)30g、他方面(後面)30hを有し、その筐体構造に、連結される各構造体との連結機構を備えている。より詳しくは、電源ユニット30の内側縦面30aに、画像形成ユニット10に向けて駆動力を伝達する駆動伝達機構31と、画像形成ユニット10との電力および電気信号の伝送経路を形成する接続手段の一例としてのコネクタ37とを備えている。また、内側底面30bに、装着される画像形成ユニット10の機械的結合を行うラッチ構造33を有し、一方面(前面)30gに、ラッチ構造33の解除を行うラッチ解除機構としてのラッチボタン34を有している。また、内側底面30bには、画像形成ユニット10を滑り移動(スライド)させながら画像形成装置1に組み込むためのレール機構などの滑り移動構造機構38が設けられている。
電源ユニット30の天面30cには、読み取りユニット60または操作ユニット70との電力および電気信号の伝達を行う接続部35を有している。図2(a)では、この接続部35に、操作ユニット70が組み込まれている。更に、電源ユニット30の一方側面(右側面)30dには供給ユニット40との電力および電気信号の伝達を行うコネクタ36が設けられ、他方側面(左側面)30eには排出ユニット50との電力および電気信号の伝達を行うコネクタ39が設けられている。
図2(b)に示すように、画像形成ユニット10は電源ユニット30と結合し、画像形成装置1に装着される。画像形成ユニット10は、底面に、電源ユニット30の滑り移動構造機構38に対応して設けられ画像形成ユニット10の滑り移動(スライド)を可能とするレール機構である移動機構19が設けられている。また、画像形成ユニット10の底面に、電源ユニット30のラッチ構造33に対応して設けられ、滑り移動(スライド)するラッチ凹部25を有している。このラッチ凹部25は、画像形成ユニット10のラッチ構造33を用いた位置決め固定を行う。
また、画像形成ユニット10は、その筐体の一側面(一側面)に、供給ユニット40の用紙排出口に対峙し用紙排出口の位置に対応して設けられ供給ユニット40からの用紙を受け入れる用紙受入口17を有している。また、画像形成ユニット10は、その筐体の他方の側面(他側面)に、排出ユニット50の用紙受入口に対峙し用紙受入口の位置に対応して設けられ排出ユニット50に向けて用紙を排出する用紙排出口18を有している。更に、画像形成ユニット10は、組み付け方向(矢印S方向)に滑り移動(スライド)し電源ユニット30に組み付けられた際、電源ユニット30の内側縦面30aに対峙する側(裏面側)に、電源ユニット30の駆動伝達機構31と連結する伝達機構26と、電源ユニット30のコネクタ37と連結する接続手段の一例としてのコネクタ27とを有している。
図3は、画像形成ユニット10の外装天面に形成された排出トレイ構造を説明するための図である。画像形成ユニット10の外装天面には、図1にて説明した排出ユニット50の排出口55から排出される用紙の排出方向と同方向に、リブ28が設けられている。また、外装天面の中央部、または、画像形成ユニット10を持ち上げたときに画像形成ユニット10の傾きが組み付け作業に支障とならない位置(例えば重心箇所)に、持ち上げ部の一例としての取っ手29が形成されている。この取っ手29は、排出される用紙の搬送に支障とならないように、例えば外装天面の凹部として形成される。この取っ手29は、外装天面の曲面形状を利用し、使用者(ユーザ)の指を引っかけるための引っ掛け部29aが形成されている。尚、取っ手29の構成としては、収納可能な飛び出し形状とし、画像形成ユニット10の挿入・取り出し作業時には筐体から突出させ、用紙排出時には突出した部位を収納するような構造とすることもできる。
<プリンタ仕様の組み付け構造>
図4は、読み取りユニット60を備えていない、例えばプリンタ仕様として用いられる画像形成装置1の組み付け構造を説明するための図である。図4に示すように、電源ユニット30、供給ユニット40、および排出ユニット50が組み付けられており、この状態では画像形成ユニット10は組み付けられていない。そして、電源ユニット30、供給ユニット40、および排出ユニット50が組み付けられている状態で、画像形成ユニット10を図の組み付け方向(矢印S方向)に滑り移動(スライド)させることで、画像形成ユニット10を画像形成装置1に組み付けることが可能である。
供給ユニット40の組み付けについて説明する。
図2(a)に示した電源ユニット30の一方側面(右側面)30dに供給ユニット40の内側縦面40a(図4参照)が接触し、また、電源ユニット30の外側底面30f(図2(a)参照)に供給ユニット40の内側底面(図示せず)が接触する状態で、供給ユニット40を電源ユニット30に組み付ける。両者の固定には、例えばネジやラッチ機構(図示せず)を用いることができる。また、供給ユニット40の組み付けに際し、電源ユニット30のコネクタ36(図2(a)参照)に供給ユニット40のコネクタ45(図4参照)が連結し、電源ユニット30から供給ユニット40に対して、電力の供給と、これらの間の電気信号の伝達が可能となる。尚、供給ユニット40は、図4に示す画像形成装置1の例では、画像形成装置1の一方側面、前面(画像形成ユニット10の組み込み方向)の一部、この前面とは反対面となる背面の一部、上面の一部、および底面の装置外観を形成している。
排出ユニット50の組み付けについて説明する。
図2(a)に示した電源ユニット30の他方側面(左側面)30eおよび天面30cの一部に排出ユニット50の内側縦面50a(図4参照)が接触する状態で、排出ユニット50が電源ユニット30に組み付けられる。固定には、例えばネジやラッチ機構(図示せず)を用いることができる。また、排出ユニット50の組み付けに際し、電源ユニット30のコネクタ39(図2(a)参照)に排出ユニット50のコネクタ56(図4参照)が連結し、電源ユニット30から排出ユニット50に対して、電力の供給と、これらの間の電気信号の伝達が可能となる。尚、排出ユニット50は、図4に示す画像形成装置1の例では、画像形成装置1の他方側面、前面(画像形成ユニット10の組み込み方向)の一部、この前面とは反対面となる背面の一部、および上面の一部の装置外観を形成している。
図4に示すように読み取りユニット60が組み付けられない態様では、操作ユニット70は、電源ユニット30の接続部35に挿入されて用いられる。図5にて説明する読み取りユニット60が組み付けられる態様では、操作ユニット70が電源ユニット30から取り外され、接続部35に読み取りユニット60の一部である支持部材61が挿入されて、電源ユニット30と読み取りユニット60との電力および電気信号の伝達が行われる。
上記のようにして電源ユニット30、供給ユニット40、および排出ユニット50が組み付けられた状態にて、それらの構造体によって形成される空間に(図4参照)、画像形成ユニット10が組み付けられる。画像形成ユニット10は、取っ手29(図3参照)によって持ち上げられ、電源ユニット30の滑り移動構造機構38(図2参照)に案内されて、使用者(ユーザ)が画像形成ユニット10の前面10aを押すことで、この空間に挿入される。挿入により組み付け位置まで到達すると、図2に示すように、電源ユニット30のラッチ構造33が画像形成ユニット10のラッチ凹部25に嵌めこまれ、ラッチ動作によって画像形成ユニット10が固定される。
この画像形成ユニット10の組み付けによって、図4に示す画像形成ユニット10の裏面10bが電源ユニット30の内側縦面30aに接触し固定される。それにより、裏面10bに設けられて電源ユニット30との電力および電気信号の伝送経路を形成する接続手段の一例としてのコネクタ27が電源ユニット30のコネクタ37と連結する。また、一方側面10cが供給ユニット40の内側縦面40aに接触して固定される。さらに、画像形成ユニット10の他方側面10dと天面10eの一部とが排出ユニット50の内側縦面50aに接触し、底面10fが電源ユニット30の内側底面30bに接触して固定される。このように、画像形成ユニット10は、組み付けられた際、図4の例では5面方向、即ち、少なくとも3面方向にて接触していることとなる。図2(b)に示すように2面方向では固定状態が安定的ではないのに対し、図4の形態では、少なくとも3面方向の安定的な固定状態を維持している。
また、画像形成ユニット10が組み付けられた際、画像形成ユニット10の用紙受入口17は供給ユニット40の用紙排出口44と対峙する。また、画像形成ユニット10の用紙排出口18は排出ユニット50の用紙受入口54に対峙する。このようにして、供給ユニット40から画像形成ユニット10、および画像形成ユニット10から排出ユニット50への用紙搬送路が形成される。
尚、画像形成ユニット10の前面10aは、画像形成装置1の装置外観の一部である前面部分を形成する。
尚、画像形成装置1に組み込まれた画像形成ユニット10を取り出す際には、ラッチボタン34を押し、画像形成ユニット10のラッチ凹部25からラッチ構造33を解除する。このラッチ構造33を解除した状態で画像形成ユニット10を矢印S方向とは反対方向に引き抜くことで、画像形成ユニット10を取り出すことが可能となる。
<スキャナ付き仕様の組み付け構造>
図5は、読み取りユニット60を備えた、例えば複写機やファクシミリ仕様として用いられる画像形成装置1の組み付け構造を説明するための図である。図5に示す画像形成装置1では、図4にて示した画像形成装置1と同様に、電源ユニット30に、供給ユニット40、排出ユニット50が組み付けられ、この電源ユニット30と排出ユニット50の上部に読み取りユニット60が組み付けられている。このとき、図4に示した電源ユニット30の接続部35から操作ユニット70が取り外され、この接続部35に支持部材61の一部が取り付けられる。この支持部材61は読み取りユニット60を支える構造物としての機能に加え、電源ユニット30からの電力供給と、電源ユニット30との電気信号の伝達を可能としている。操作ユニット70は、読み取りユニット60の一部に設けられる。
画像形成ユニット10の組み付けについては、図4にて説明したものと同様であるが、図4のプリンタ仕様に対して更に読み取りユニット60が組み付けられた状態にて画像形成ユニット10の組み付けが可能である。即ち、電源ユニット30、供給ユニット40、排出ユニット50、および読み取りユニット60が組み付けられた状態にて、画像形成ユニット10を画像形成装置1に組み付けることが可能である。そして、この態様においても、組み付けられた画像形成ユニット10は、構造体である電源ユニット30、供給ユニット40、および排出ユニット50により、少なくとも3面方向にて接触し、安定状態が保たれた組み付けが実現されている。
<画像形成ユニット10への高電圧電力の供給に関する説明>
次に、電源ユニット30と各構造体との間の電力および電気信号(制御信号)の伝送について説明する。
図6は、電源ユニット30と各構造体との接続を説明する図である。本実施の形態では、各構造体(画像形成ユニット10、供給ユニット40、排出ユニット50、読み取りユニット60、操作ユニット70、増設供給ユニット80)が組み付けられる場合には、電源ユニット30との間で電力および電気信号(制御信号)の伝送経路を形成する接続手段が相互に結合される。例えば、図6に示したように、電源ユニット30と画像形成ユニット10との間では、電源ユニット30側のコネクタ37と画像形成ユニット10側のコネクタ27とが結合され、電力(図中実線)および制御信号(図中破線)の伝送経路が形成される。また、電源ユニット30と供給ユニット40との間では、電源ユニット30側のコネクタ36と供給ユニット40側のコネクタ45とが結合され、電力および制御信号の伝送経路が形成される。また、電源ユニット30と排出ユニット50との間では、電源ユニット30側のコネクタ39と排出ユニット50側のコネクタ56とが結合され、電力および制御信号の伝送経路が形成される。その他、電源ユニット30と読み取りユニット60との間、電源ユニット30と操作ユニット70との間、および電源ユニット30と増設供給ユニット80との間においても、同様である。
それにより、電源ユニット30の主制御部300は、各構造体の動作を制御する。さらには、パーソナルコンピュータ(PC)や読み取りユニット60から取得した画像データに関する画像処理(情報処理)を行う。また、主制御部300による制御の下で、電源ユニット30の電力供給部350から各構造体に電力が供給される。
主制御部300は、図6に示すように、動作制御や情報処理を実行する際の演算処理を行うCPU301、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM302、CPU301により実行されるプログラム等にて用いられる設定値やテーブル等のデータが格納されるROM303を備えている。
主制御部300のCPU301は、電源ユニット30内に設けられた外部記憶部(不図示)からオペレーティングシステムやアプリケーションソフト等の各種プログラムをRAM302に読み込み、電力供給部350から各構造体に供給する電力の制御、各構造体の機能を実現させる処理、または各構造体に対する動作制御や情報処理等を実行する。
なお、このオペレーティングシステムやアプリケーションソフト等の各種プログラムに関するその他の提供形態としては、予めROM303に格納された状態にて提供され、RAM302にロードされる形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROM303を備えている場合には、主制御部300のCPU301がセッティングされた後に、プログラムだけがROM303にインストールされ、RAM302にロードされる形態がある。また、インターネット等のネットワークを介して主制御部300にプログラムが伝送され、主制御部300のROM303にインストールされて、RAM302にロードされる形態がある。さらにまた、DVD−ROMやフラッシュメモリ等の外部記録媒体からRAM302にロードされる形態がある。
<各構造体に供給する電力の制御に関する説明>
次に、電源ユニット30から各構造体に供給する電力の制御について説明する。
本実施の形態の画像形成装置1では、電源ユニット30に組み付けられる構造体としては、画像形成ユニット10、供給ユニット40、および排出ユニット50を除いて、任意に選択される。また、画像形成ユニット10、供給ユニット40、および排出ユニット50に関しても、その構成内容が異なる形態のものを選択することができる。それにより、電源ユニット30に組み付けられる構造体の数や構造体の構成内容の相違、さらには画像形成装置1にて実行される画像形成動作の内容により、画像形成装置1にて消費される電力量は異なるものとなる。
そこで、電源ユニット30の主制御部300は、電源ユニット30に組み付けられた構造体の数や構造体の構成内容、および画像形成動作の実行内容に応じて、電力供給部350が有する電力供給能力(例えば、1.5kW)を超えない範囲を維持しつつ、画像形成装置1の画像形成能力を最大限に使用するように各構造体の動作を制御する。
そのために、電源ユニット30の主制御部300は、電源ユニット30に組み付けられた各構造体の記憶手段(ROM)から各構造体それぞれに関する各種情報を取得する。それにより、主制御部300は、例えば、各構造体の種類、各構造体の構成内容、各構造体を動作させるに際しての各構造体に設定する動作条件に関する情報を把握する。
例えば、主制御部300は、各構造体(画像形成ユニット10、供給ユニット40、排出ユニット50、読み取りユニット60、操作ユニット70、増設供給ユニット80)それぞれに割り当てられた識別情報と、「各構造体の種類」、「各構造体の構成内容」、および「各構造体を動作させるに際しての各構造体に設定する動作条件」とが対応付けられたテーブルを記憶している。その場合に、各構造体それぞれに割り当てられる識別情報は、例えば画像形成ユニット10が4個の画像形成部20Y,20M,20C,20Kを有するものと、1個の画像形成部20Kを有するものとにそれぞれ別個の識別情報が設定されている。それにより、主制御部300は、各構造体の記憶手段(ROM)から取得した各種情報に含まれる構造体の識別情報とテーブルとに基づいて、電源ユニット30に組み付けられた各構造体と、各構造体の種類、各構造体の構成内容、および各構造体を動作させるに際しての各構造体に設定する動作条件とを一意に対応付けることができる。
そして、主制御部300は、各構造体の種類、各構造体の構成内容、各構造体を動作させるに際しての各構造体に設定する動作条件に関する情報を参照して、画像形成装置1において設定されたプロセス速度(印刷速度)で各構造体を動作させた場合に消費される電力量を各構造体毎に算出する。さらに、主制御部300は、画像形成命令(以下、「印刷ジョブ」)を受け付けた場合に、印刷ジョブの実行時に動作する各構造体での消費電力量の合算値を算出する。その結果、消費電力量の合算値が電力供給部350が有する電力供給能力を超える場合には、電力供給部350の電力供給能力の範囲内となるように、画像形成装置1に設定されたプロセス速度を低減する設定変更を行う。または、画像形成ユニット10に設けられた定着手段の一例としての定着器16に設定する温度(定着温度)を低くする設定変更を行う。さらには、その双方を行う。
ここで、プロセス速度を低減する設定変更を行うか、定着器16に設定する定着温度を低くする設定変更を行うか、さらにはその双方を行うかは、使用者が選択するように構成してもよい。
すなわち、プロセス速度を低減する設定変更を行い、かつ、定着器16に設定する定着温度を低くする設定変更を行わない設定では、画像形成の生産性は低下するが画像品質(画質)は維持される。そこで、このような設定を「画質優先モード」とする。また、プロセス速度を低減する設定変更を行わず、かつ、定着器16に設定する定着温度を低くする設定変更を行う設定では、画像形成の生産性は維持されるが画像品質は低下する。そこで、このような設定を「生産性優先モード」とする。さらに、プロセス速度を低減する設定変更を行い、かつ、定着器16に設定する定着温度を低くする設定変更を行う設定では、画像形成の生産性は低下し画像品質は低下するが、消費電力量は低減される。そこで、このような設定を「省電力優先モード」とする。そして、画像形成装置1において使用者が選択可能な動作モードとして、このような「画質優先モード」、「生産性優先モード」、および「省電力優先モード」の中から例えば操作ユニット70を介して使用者が選択できるように構成する。
なお、上記の「画像形成命令(印刷ジョブ)」とは、画像データに、例えば印刷部数、用紙サイズ、両面印刷、N−up(用紙の1ページ内に電子文書のNページを割り付ける印刷)、余白の大きさ等の印刷形式を指定する各種属性データが付加されたコマンドやデータからなる1まとまりの集合を意味する。したがって、印刷ジョブの内容によって各構造体の使用の有無や使用状況が異なるため、実行する印刷ジョブの内容に応じて各構造体での消費電力量は異なるものとなる。
<主制御部300による動作制御処理に関する説明>
次の図7および図8は、電源ユニット30の主制御部300が電力供給部350の電力供給能力の範囲内となるように実行する各構造体に対する動作制御の内容を示すフローチャートである。
まず図7に示すように、画像形成装置1のメインスイッチ(不図示)がオンされると(ステップ101)、電源ユニット30の主制御部300は、電源ユニット30に組み付けられた各構造体の記憶手段(ROM)から各構造体それぞれに関する各種情報を取得する(ステップ102)。そして、主制御部300は、取得した各種情報に含まれる構造体の識別情報に基づき、画像形成装置1において設定されたプロセス速度で各構造体を動作させた場合における各構造体毎の消費電力量を算出する(ステップ103)。すなわち、このステップ103では、電源ユニット30に組み付けられた各構造体の識別情報と、識別情報に対応付けられた「各構造体の種類」、「各構造体の構成内容」、および「各構造体を動作させるに際しての各構造体に設定する動作条件」が記憶されたテーブルとに基づいて、主制御部300は電源ユニット30に組み付けられた各構造体の種類、各構造体の構成内容、および各構造体を動作させるに際しての各構造体に設定する動作条件とを把握する。そして、主制御部300は、各構造体の種類、各構造体の構成内容、各構造体を動作させるに際しての各構造体に設定する動作条件に関する情報から、画像形成装置1において設定されたプロセス速度で各構造体を動作させた場合に消費される電力量を各構造体毎に算出する。
その後、主制御部300は、印刷ジョブの送信を待機する(ステップ104でNo)。そして、印刷ジョブを取得すると(ステップ104でYes)、印刷ジョブを実行するために動作する各構造体での消費電力量の合算値を算出する(ステップ105)。そして、各構造体での消費電力量の合算値が電力供給部350が有する電力供給能力を超えない場合には(ステップ106でYes)、画像形成装置1において設定されたプロセス速度により印刷ジョブを実行する(ステップ107)。
一方、各構造体での消費電力量の合算値が電力供給部350が有する電力供給能力以上である場合には(ステップ106でNo)、次の図8のフローチャートに移り、主制御部300は、印刷ジョブを実行する際の各構造体での消費電力量の合算値と電力供給部350が有する電力供給能力との差分を算出する(ステップ108)。
次に、主制御部300は、選択されている動作モードを判定する(ステップ109)。そして、動作モードとして、画像形成の生産性は低下するが画像品質は維持される「画質優先モード」が選択されている場合には(ステップ109でYes)、ステップ108にて算出された各構造体での消費電力量の合算値と電力供給部350での電力供給能力との差分に応じて、プロセス速度の低減量を算出する(ステップ110)。ここで、主制御部300は、プロセス速度と各構造体での消費電力量とを対応付けたテーブルを記憶している。そして、主制御部300は、このテーブルから印刷ジョブを実行するために動作する各構造体についてのプロセス速度毎の消費電力量を参照して、ステップ110におけるプロセス速度の低減量を算出する。
そして、主制御部300は、算出された低減量だけ低減したプロセス速度を画像形成装置1に新たに設定し(ステップ111)、変更(低減)されたプロセス速度により印刷ジョブを実行する(ステップ112)。
次に、動作モードとして、画像形成の生産性は維持されるが画像品質は低下する「生産性優先モード」が選択されている場合には(ステップ109でNo、ステップ113でYes)、ステップ108にて算出された各構造体での消費電力量の合算値と電力供給部350での電力供給能力との差分に応じて、定着器16に設定する定着温度を算出する(ステップ114)。ここで、主制御部300は、定着器16に設定する定着温度と画像形成ユニット10での消費電力量とを対応付けたテーブルを記憶している。そして、主制御部300は、このテーブルから定着温度に対応する画像形成ユニット10の消費電力量を参照して、ステップ114における定着器16に設定する定着温度を算出する。
そして、主制御部300は、算出された定着温度を定着器16に新たに設定し(ステップ115)、変更(低く)された定着温度により印刷ジョブを実行する(ステップ116)。
次に、動作モードとして、画像形成の生産性は低下し画像品質は低下するが消費電力量は低減される「省電力優先モード」が選択されている場合には(ステップ109でNo、ステップ113でNo)、ステップ108にて算出された各構造体での消費電力量の合算値と電力供給部350での電力供給能力との差分に応じて、プロセス速度の低減量と、定着器16に設定する定着温度との双方を算出する(ステップ117)。ここで、主制御部300は、ステップ110と同様にプロセス速度の低減量を算出する。また、ステップ114と同様に定着器16に設定する定着温度を算出する。
そして、主制御部300は、算出された低減量だけ低減したプロセス速度を新たに画像形成装置1に設定する(ステップ118)。さらに、算出された定着温度を定着器16に新たに設定する(ステップ119)。そして、変更されたプロセス速度および定着温度により印刷ジョブを実行する(ステップ120)。
このように、「省電力優先モード」が選択されると、ステップ108にて算出された各構造体での消費電力量の合算値と電力供給部350での電力供給能力との差分に応じて、プロセス速度が低減され、定着器16に設定する定着温度は低く設定される。それにより、各構造体での消費電力量の合算値が電力供給部350での電力供給能力の範囲内に設定されるとともに、画像形成装置1の消費電力量はさらに低減される。
ところで、本実施の形態では、主制御部300は、主制御部300内のメモリ(記憶手段)にプロセス速度と各構造体での消費電力量とを対応付けたテーブルを記憶しているように構成した。この場合に、電源ユニット30に各構造体が組み付けられた際に、各構造体の記憶手段(ROM)から各構造体それぞれに関する各種情報の一つとしてこのテーブル(プロセス速度と各構造体での消費電力量との関係に関する情報)を取得するように構成してもよい。また、定着器16に設定する定着温度と画像形成ユニット10での消費電力量とを対応付けたテーブルに関しても、電源ユニット30に画像形成ユニット10が組み付けられた際に、画像形成ユニット10の記憶手段(ROM)から画像形成ユニット10に関する各種情報の一つとしてこのテーブル(定着温度と画像形成ユニット10での消費電力量との関係に関する情報)を取得するように構成してもよい。このように構成することで、電源ユニット30の主制御部300が、常にこのようなテーブルを保持する必要がない。また、各構造体での構成や設定状態の変更に柔軟に対応させて、電力供給部350の電力供給能力の範囲内での各構造体に対する動作制御が行われる。
また、定着器16に設定する定着温度を変更する場合には、画像形成装置1のメインスイッチ(不図示)がオンされた後の定着器16を室温から定着温度まで高めるまでの所謂「ウォームアップ」期間において、定着器16に供給する電力量の上限を設定して、定着器16での消費電力を制限するように構成してもよい。
さらに、定着器16に設定する定着温度を変更するに際して、定着器16に配置された消費電力の異なる複数のヒータを選択して使用するように構成してもよい。
また、各構造体での消費電力量の合算値が電力供給部350が有する電力供給能力以上である場合には、予め定められた「画質優先モード」、「生産性優先モード」、および「省電力優先モード」の何れかが自動的に設定されるように構成してもよい。その場合に、各構造体での消費電力量の合算値と電力供給部350での電力供給能力との差分に応じて、「画質優先モード」、「生産性優先モード」、および「省電力優先モード」の何れかが設定されるように構成してもよい。
以上説明したように、本実施の形態の画像形成装置1では、画像形成装置1の装置外観の一部を形成する各構造体(画像形成ユニット10、供給ユニット40、排出ユニット50、読み取りユニット60、操作ユニット70、増設供給ユニット80)が電源ユニット30に組み付けられて構成される。そして、電源ユニット30は、電源ユニット30に組み付けられた構造体の数や構造体の構成内容、および画像形成動作の実行内容に応じて各構造体の動作を制御する。それにより、電力供給部350が有する電力供給能力を超えない範囲を維持しつつ、画像形成装置1の画像形成能力を最大限に使用する。
上述の実施の形態は、説明のために例示したものであって、本発明はそれに限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書及び図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。
1…画像形成装置、10…画像形成ユニット、30…電源ユニット、40…供給ユニット、50…排出ユニット、60…読み取りユニット、70…操作ユニット、80…増設供給ユニット、300…主制御部、350…電力供給部

Claims (9)

  1. 画像形成動作を行う機能要素を有する画像形成構造体と、
    前記画像形成構造体での画像形成動作に関連した動作を行う構造体と、
    前記画像形成構造体および前記構造体が組み付けられることで当該画像形成構造体および当該構造体に電力を供給する電源構造体と、
    前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力が前記電源構造体の電力供給能力の範囲内に設定されるように当該画像形成構造体および当該構造体の動作を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、画像形成命令を実行するに際して動作する前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力を算出し、当該合算消費電力と前記電源構造体の電力供給能力との差分に応じて、当該画像形成構造体および当該構造体のプロセス速度を調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、画像形成命令を実行するに際して動作する前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力を算出し、当該合算消費電力と前記電源構造体の電力供給能力との差分に応じて、当該画像形成構造体に設けられた定着手段に設定する定着温度を調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記画像形成構造体および前記構造体が前記電源構造体に組み付けられることにより、前記画像形成構造体および前記構造体各々の消費電力と前記画像形成構造体および前記構造体でのプロセス速度との関係に関する情報を取得することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記画像形成構造体が前記電源構造体に組み付けられることにより、前記画像形成構造体の消費電力と前記画像形成構造体に設けられた定着手段での定着温度との関係に関する情報を取得することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記画像形成構造体、前記構造体、前記電源構造体は、各々が画像形成装置の装置外観の少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項1乃至5何れか1項に記載の画像形成装置。
  7. 画像形成動作を行う画像形成構造体と当該画像形成構造体での画像形成動作に関連した動作を行う構造体とが組み付けられる枠体と、
    前記枠体に組み付けられた前記画像形成構造体および前記構造体に電力を供給する電力供給部と、
    前記画像形成構造体および前記構造体の積算消費電力が前記電力供給部の電力供給能力の範囲内に設定されるように当該画像形成構造体および当該構造体の動作を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする制御構造体。
  8. 前記制御手段は、画像形成命令を実行するに際して動作する前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力を算出し、当該合算消費電力と前記電力供給部の電力供給能力との差分に応じて、当該画像形成構造体および当該構造体のプロセス速度を調整することを特徴とする請求項7記載の制御構造体。
  9. 前記制御手段は、画像形成命令を実行するに際して動作する前記画像形成構造体および前記構造体の合算消費電力を算出し、当該合算消費電力と前記電力供給部の電力供給能力との差分に応じて、当該画像形成構造体に設けられた定着手段に設定する定着温度を調整することを特徴とする請求項7記載の制御構造体。
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