JP2010151337A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な制御により、快適で省エネな運転を行うことである。
【解決手段】圧縮機(53)と2つの吸着熱交換器(51,52)とが接続され冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、各吸着熱交換器(51,52)へそれぞれ室外空気及び室内空気を通過させて該通過後の調湿された室外空気を室内へ供給し室内空気を室外へ排出する調湿装置(10)と、圧縮機(105)と室内熱交換器(104)を有し冷凍サイクルを行う冷媒回路(110)を備え、室内熱交換器(104)で冷却または加熱された空気を室内へ供給する空調装置(100)とが同一の室内空間を対象としている。室内空気の絶対湿度が室外空気の絶対湿度となるように調湿装置(10)の圧縮機(53)を容量制御すると共に、温熱環境評価指数PMV値が所定の範囲内となるように空調装置(100)の圧縮機(105)を容量制御するコントローラ(60,115)を備えている。
【選択図】図10
【解決手段】圧縮機(53)と2つの吸着熱交換器(51,52)とが接続され冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、各吸着熱交換器(51,52)へそれぞれ室外空気及び室内空気を通過させて該通過後の調湿された室外空気を室内へ供給し室内空気を室外へ排出する調湿装置(10)と、圧縮機(105)と室内熱交換器(104)を有し冷凍サイクルを行う冷媒回路(110)を備え、室内熱交換器(104)で冷却または加熱された空気を室内へ供給する空調装置(100)とが同一の室内空間を対象としている。室内空気の絶対湿度が室外空気の絶対湿度となるように調湿装置(10)の圧縮機(53)を容量制御すると共に、温熱環境評価指数PMV値が所定の範囲内となるように空調装置(100)の圧縮機(105)を容量制御するコントローラ(60,115)を備えている。
【選択図】図10
Description
本発明は、同一の室内空間を対象とする調湿装置および空調装置を備えた空調システムに関するものである。
従来より、同一の室内空間を対象とする空調装置と調湿装置とを備えた空調システムが知られている。
例えば特許文献1に開示されている空調システムの調湿装置は、空気中の水分の吸着と空気中への水分の脱離とを行う吸着剤が表面に担持された2つの吸着熱交換器と、圧縮機とを有し冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えている。この調湿装置では、凝縮器となる吸着熱交換器が加湿側となり、蒸発器となる吸着熱交換器が除湿側となり、冷媒回路の冷媒循環方向の切り換えによって加湿側と除湿側とが交互に切り換わるように構成されている。そして、吸着熱交換器で加湿または除湿された空気が室内へ供給される。また、上記空調システムの空調装置は、圧縮機と室内熱交換器を有し冷凍サイクルを行う冷媒回路を備え、室内熱交換器で冷却または加熱された空気が室内へ供給される。
上記空調システムでは、基本的に、調湿装置(10)は室内の目標湿度に基づいて運転制御され、空調装置は室内の目標温度に基づいて運転制御される。つまり、主として、調湿装置は室内の潜熱負荷を処理し空調装置は室内の顕熱負荷を処理する。
特開2006−329471号公報
ところで、上記特許文献1に開示されているような空調システムとしては、室内の目標湿度および目標温度が設定されずに、快適で且つ消費電力を抑えた運転いわゆる省エネ運転モードを実行可能に構成されたものがある。
このような省エネ運転モードでは、空調装置のCOP(成績係数)が高くなるように行われたり、調湿装置および空調装置の入力が低くなるように運転制御が行われる。COPが高くなるように運転制御する場合では、空調装置に対する入力および出力を算出するために電力値や冷房能力、暖房能力などを検出しなければならない。また、各装置の入力が低くなるように運転制御する場合では、各装置の入力を算出するために電力値等を検出しなければならない。したがって、このような省エネ運転モードでは、空気の温度センサや湿度センサ以外のセンサ類が増えてしまい、制御が煩雑となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、室内の目標湿度および目標温度が設定されない省エネ運転モードにおいて、簡易な制御により、快適で且つ省エネな運転を行うことにある。
第1の発明は、圧縮機(53)と、それぞれ空気の水分を吸着する吸着剤が担持された第1吸着熱交換器(51)および第2吸着熱交換器(52)とが接続され、冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、該冷媒回路(50)の冷媒循環方向を切り換えることによって上記2つの吸着熱交換器(51,52)で吸着剤の吸着動作と再生動作が交互に行われ、該各吸着熱交換器(51,52)へそれぞれ室外空気および室内空気を通過させて該通過後の調湿された室外空気を室内へ供給し室内空気を室外へ排出する調湿装置(10)と、圧縮機(105)および室内熱交換器(104)を有し冷凍サイクルを行う冷媒回路(110)を備え、上記室内熱交換器(104)で冷却または加熱された空気を室内へ供給する空調装置(100)とを備え、上記調湿装置(10)および空調装置(100)が同一の室内へ空気を供給する空調システムを前提としている。そして、本発明の空調システムは、上記室内の空気の絶対湿度が上記調湿装置(10)の吸着熱交換器(51,52)を通過する前の室外空気の絶対湿度となるように、上記調湿装置(10)の圧縮機(53)の容量を制御すると共に、温熱環境評価指数PMV値が所定の範囲内となるように上記空調装置(100)の圧縮機(105)の容量を制御する制御手段(60,115)を備えているものである。
上記第1の発明では、調湿装置(10)の冷媒回路(50)において、蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)では吸着剤が冷却される。この状態の吸着熱交換器(51,52)を空気が通過すると、該吸着熱交換器(51,52)の吸着剤に空気が接触し、空気中の水分が吸着剤に吸着される。つまり、吸着剤の吸着動作が行われて空気が除湿される。一方、凝縮器(放熱器)となる吸着熱交換器(52,51)では吸着剤が加熱される。そうすると、該吸着剤から水分が脱離して空気中へ付与される。つまり、吸着剤の再生動作が行われて空気が加湿される。そして、調湿装置(10)では、除湿された室外空気が室内へ供給され加湿された室内空気が室外へ排出される除湿運転と、加湿された室外空気が室内へ供給され除湿された室内空気が室外へ排出される加湿運転とが可能である。このように、調湿装置(10)は換気しながら室内空間を調湿する。
一方、空調装置(100)では、室内熱交換器(104)で冷却された空気が室内へ供給される冷房運転と、室内熱交換器(104)で加熱された空気が室内へ供給される暖房運転とが可能である。
本発明の空調システムでは、例えば目標湿度および目標温度が設定されない省エネ運転モードにおいて、室内空気の絶対湿度が室外空気の絶対湿度となるように調湿装置(10)が運転制御される。これにより、図12や図13に示すように、調湿装置(10)の圧縮機(53)を最大周波数で運転する場合に比べてシステム全体の消費電力が抑えられる。同等の快適性を求める場合、潜熱負荷を処理するよりも顕熱負荷を処理する方が有効である。また、システム全体の負荷に占める調湿装置(10)の換気負荷(潜熱負荷)の割合は大きく、その換気負荷を低減することが省エネに繋がる。したがって、換気負荷(潜熱負荷)を最小にすることで、快適性と省エネ性の双方を得ることができる。そこで本発明では、換気風量(即ち、室外空気の室内への供給風量および室内空気の室外への排出風量)を低減するのではなく、室内空気の絶対湿度を室外空気の絶対湿度に近づけることで、換気負荷(潜熱負荷)の低減を図り、快適性と省エネ性を得ることが可能である。さらに、快適性を示す温熱環境評価指数であるPMV(Predicted Mean Vote, 予測温冷感申告)値が所定の範囲内となり、快適性が得られる。PMVは、所定の快適方程式に室内の温度や室内の相対湿度などの6つの要素を代入して定められる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記制御手段(60,115)は、上記室内の空気の相対湿度が所定の範囲内となるように、上記調湿装置(10)の圧縮機(53)の容量または上記空調装置(100)の圧縮機(105)の容量を制御するように構成されているものである。
上記第2の発明では、室内の相対湿度が所定の範囲内となり、室内における快適性が一層向上する。
以上のように、本発明によれば、目標湿度および目標温度が設定されずに快適で省エネな省エネ運転を行う場合、室内空気の絶対湿度が室外空気の絶対湿度となるように調湿装置(10)の圧縮機(53)を容量制御するようにしたため、省エネ性を向上させることができる。さらに、省エネを図るために、例えば、空調装置(100)のCOPを1つの制御パラメータとして運転制御する場合、空調装置(100)に対する入力および出力を算出する必要があり、そのために電力値や冷房能力、暖房能力などを検出しなければならない。また、調湿装置(10)および空調装置(100)の入力を1つの制御パラメータとして運転制御する場合、各装置(10,100)の入力を算出するために電力値等を検出しなければならない。このように、空調装置(100)のCOPや各装置(10,100)の入力をパラメータとした場合、空気の温度センサや湿度センサ以外のセンサ類が増え、制御が煩雑となる。これに対し、本発明は、室内空気および室外空気の絶対湿度を制御パラメータとして用いるので、調湿装置(10)や空調装置(100)に通常設けられている湿度センサや温度センサを利用することができる。よって、本発明は、簡易な制御により省エネ性を向上させることができる。さらに、PMV値が所定の範囲内となるように空調装置(100)の圧縮機(105)を容量制御するようにしたため、室内の快適性を確保することができる。
さらに、第2の発明によれば、上記に加えて、室内空気の相対湿度が適切な範囲内となるように調湿装置(10)および空調装置(100)の圧縮機(53,105)を容量制御するようにしたため、快適性をさらに確保することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
図1に示すように、本実施形態の空調システム(1)は、調湿運転を行う調湿装置(10)と、空調運転を行う空調装置(100)とを備えている。この空調システム(1)では、調湿装置(10)で処理された空気と、空調装置(100)で処理された空気との双方が同一の室内(3)に供給される。また、調湿装置(10)と空調装置(100)とは、伝送ライン(2)で接続され、計測値データ等を互いに送信可能に構成されている。
〈調湿装置の構成〉
上記調湿装置(10)について、図2および図3を適宜参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿装置(10)を前面側から視た場合の方向を意味している。
上記調湿装置(10)について、図2および図3を適宜参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿装置(10)を前面側から視た場合の方向を意味している。
上記調湿装置(10)は、室内の湿度調節と共に室内の換気を行うものであり、取り込んだ室外空気OAを湿度調節して室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気RAを室外に排出するように構成されている。
上記調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、電動膨張弁(55)および四路切換弁(54)が配管接続されている。冷媒回路(50)の詳細については後述する。
上記ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。図2に示すケーシング(11)では、左手前の側面(即ち、前面)が前面パネル部(12)となり、右奥の側面(即ち、背面)が背面パネル部(13)となり、右手前の側面が第1側面パネル部(14)となり、左奥の側面が第2側面パネル部(15)となっている。
上記ケーシング(11)には、排気口(21)と、給気口(22)と、内気吸込口(23)と、外気吸込口(24)とが形成されている。外気吸込口(24)および内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)に開口している。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に配置されている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に配置されている。給気口(22)は、第1側面パネル部(14)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、第2側面パネル部(15)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
上記ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)と、第1仕切板(74)と、第2仕切板(75)とが設けられている。これらの仕切板(71〜75)は、何れもケーシング(11)の底板に立設されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
上記上流側仕切板(71)および下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)および背面パネル部(13)と平行な状態で、ケーシング(11)の前後方向に所定の間隔をおいて配置されている。上流側仕切板(71)は背面パネル部(13)寄りに配置され、下流側仕切板(72)は前面パネル部(12)寄りに配置されている。
上記第1仕切板(74)および第2仕切板(75)は、第1側面パネル部(14)および第2側面パネル部(15)と平行な状態で設置されている。第1仕切板(74)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を右側から塞ぐように、第1側面パネル部(14)から所定の間隔をおいて配置されている。第2仕切板(75)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左側から塞ぐように、第2側面パネル部(15)から所定の間隔をおいて配置されている。
上記中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)および下流側仕切板(72)と直交する姿勢で、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間に配置されている。中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)から下流側仕切板(72)に亘って設けられ、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左右に区画している。
上記ケーシング(11)内において、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間は、上下2つの空間に仕切られており、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。内気側通路(32)は、内気吸込口(23)に接続するダクトを介して室内と連通している。内気側通路(32)には、内気側フィルタ(27)と内気湿度センサ(96)と内気温度センサ(97)とが設置されている。外気側通路(34)は、外気吸込口(24)に接続するダクトを介して室外空間と連通している。外気側通路(34)には、外気側フィルタ(28)と外気湿度センサ(98)と外気温度センサ(99)とが設置されている。
上記内気湿度センサ(96)および内気温度センサ(97)は、それぞれ内気吸込口(23)から内気側通路(32)に取り込まれた室内空気RAの相対湿度および温度(乾球温度)を検出するものである。外気湿度センサ(98)および外気温度センサ(99)は、それぞれ外気吸込口(24)から外気側通路(34)に取り込まれた室外空気OAの相対湿度および温度(乾球温度)を検出するものである。
上記ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されており、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している。第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第1吸着熱交換器(51)は、本発明に係る第1の吸着ユニットを構成するものである。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。第2吸着熱交換器(52)は、本発明に係る第2の吸着ユニットを構成するものである。また、図示しないが、第1熱交換器室(37)には、冷媒回路(50)の電動膨張弁(55)が収容されている。
上記各吸着熱交換器(51,52)は、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器の表面に吸着剤が担持されたものであって、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。各吸着熱交換器(51,52)は、その前面および背面が上流側仕切板(71)および下流側仕切板(72)と平行となる状態で、熱交換器室(37,38)内に立設されている。
上記ケーシング(11)の内部空間において、下流側仕切板(72)の前面に沿った空間は、上下に仕切られており、この上下に仕切られた空間のうち、上側の部分が給気側通路(31)を構成し、下側の部分が排気側通路(33)を構成している。
上流側仕切板(71)には、開閉式のダンパ(41〜44)が4つ設けられている。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。
上記下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパ(45〜48)が4つ設けられている。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。
上記ケーシング(11)内において、給気側通路(31)および排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間は、仕切板(77)によって左右に仕切られており、仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。
上記給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)および排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。給気ファン(26)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を給気口(22)へ吹き出す。排気ファン(25)は、下流側仕切板(72)側から吸い込んだ空気を排気口(21)へ吹き出す。給気ファン室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四路切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)および四路切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と仕切板(77)との間に配置されている。
上記ケーシング(11)内において、第1仕切板(74)と第1側面パネル部(14)の間の空間は、第1バイパス通路(81)を構成している。第1バイパス通路(81)の始端は、外気側通路(34)だけに連通しており、内気側通路(32)からは遮断されている。第1バイパス通路(81)の終端は、仕切板(78)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、および給気ファン室(36)から区画されている。仕切板(78)のうち給気ファン室(36)に臨む部分には、第1バイパス用ダンパ(83)が設けられている。
上記ケーシング(11)内において、第2仕切板(75)と第2側面パネル部(15)の間の空間は、第2バイパス通路(82)を構成している。第2バイパス通路(82)の始端は、内気側通路(32)だけに連通しており、外気側通路(34)からは遮断されている。第2バイパス通路(82)の終端は、仕切板(79)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、および排気ファン室(35)から区画されている。仕切板(79)のうち排気ファン室(35)に臨む部分には、第2バイパス用ダンパ(84)が設けられている。
これら給気側通路(31)、内気側通路(32)、排気側通路(33)、外気側通路(34)、第1バイパス通路(81)および第2バイパス通路(82)が空気通路を構成する。また、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1排気側ダンパ(47)、第2排気側ダンパ(48)、第1バイパス用ダンパ(83)および第2バイパス用ダンパ(84)が開閉ダンパを構成する。なお、図3の右側面図および左側面図では、第1バイパス通路(81)、第2バイパス通路(82)、第1バイパス用ダンパ(83)、および第2バイパス用ダンパ(84)の図示を省略している。
上記冷媒回路(50)は、図4に示すように、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四路切換弁(54)および電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
上記冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出側が四路切換弁(54)の第1のポートに、その吸入側が四路切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。また、冷媒回路(50)では、第1吸着熱交換器(51)と電動膨張弁(55)と第2吸着熱交換器(52)とが、四路切換弁(54)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に接続されている。
上記四路切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通し且つ第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図4(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通し且つ第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図4(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。つまり、四路切換弁(54)は、第1状態と第2状態とに切り換わることによって、冷媒回路(50)の冷媒循環方向を可逆に切り換える冷媒流路切換手段を構成している。
上記圧縮機(53)は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動機とが1つのケーシングに収容された全密閉型の圧縮機である。圧縮機(53)の電動機へ供給する交流の周波数(即ち、圧縮機(53)の運転周波数)を変化させると、電動機により駆動される圧縮機構の回転速度が変化し、単位時間当たりに圧縮機(53)から吐出される冷媒の量が変化する。つまり、この圧縮機(53)は、容量可変に構成されている。
上記冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吐出側と四路切換弁(54)の第1のポートとを繋ぐ配管には、高圧圧力センサ(91)と吐出管温度センサ(93)とが取り付けられている。高圧圧力センサ(91)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の圧力を検出する。吐出管温度センサ(93)は、圧縮機(53)から吐出された冷媒の温度を検出する。また、冷媒回路(50)において、圧縮機(53)の吸入側と四路切換弁(54)の第2のポートとを繋ぐ配管には、低圧圧力センサ(92)と吸入管温度センサ(94)とが取り付けられている。低圧圧力センサ(92)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の圧力を検出する。吸入管温度センサ(94)は、圧縮機(53)へ吸入される冷媒の温度を検出する。
また、上記調湿装置(10)には、該調湿装置(10)の運転制御を行う調湿コントローラ(60)が設けられている。この調湿コントローラ(60)の詳細については後述する。
〈空調装置の構成〉
上記空調装置(100)は、冷却した空気を室内へ供給する冷房運転と、加熱した空気を室内へ供給する暖房運転とが切り換え可能に構成されている。
上記空調装置(100)は、冷却した空気を室内へ供給する冷房運転と、加熱した空気を室内へ供給する暖房運転とが切り換え可能に構成されている。
図1および図5に示すように、上記空調装置(100)は、室外に配置された室外ユニット(101)および室内に配置された室内ユニット(102)を備えている。この室外ユニット(101)には、熱源側熱交換器である室外熱交換器(103)、圧縮機(105)、膨張機構である電動膨張弁(106)、四路切換弁(109)および室外ファン(107)が収納されている。室内ユニット(102)には、利用側熱交換器である室内熱交換器(104)と室内ファン(108)とが収納されている。
上記室内ユニット(102)と室外ユニット(101)とは、2本の連絡配管で互いに接続されている。そして、空調装置(100)には、閉回路である冷媒回路(110)が構成されている。この冷媒回路(110)は、充填された冷媒を循環させることによって蒸気圧縮冷凍サイクルを行うよう構成されている。
上記四路切換弁(109)の切換動作により、上記冷媒回路(110)は、冷房運転状態から暖房運転状態、または暖房運転状態から冷房運転状態への切り換えが可能に構成されている。ここで、冷房運転状態とは、四路切換弁(109)の第1ポートと第3ポートとが連通すると同時に第2ポートと第4ポートとが連通する第1状態(図5(A)で示す状態)に切り換えられた場合の運転状態である。暖房運転状態とは、四路切換弁(109)の第1ポートと第4ポートとが連通すると同時に第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(図5(B)で示す状態)に切り換えられた場合の運転状態である。
また、上記空調装置(100)の室内ユニット(102)には、冷媒回路(110)における冷媒蒸発温度を検出する熱交温度センサ(112)と、室内空気RAの温度を検出する室内温度センサ(111)とが設けられている。熱交温度センサ(112)は、室内熱交換器(104)の電動膨張弁(106)側の端部に設けられている。室内温度センサ(111)は、室内空気を吸い込む吸込口に設けられている。
上記圧縮機(105)は、冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構を駆動する電動機とが1つのケーシングに収容された全密閉型の圧縮機である。圧縮機(105)の電動機へ供給する交流の周波数(即ち、圧縮機(105)の運転周波数)を変化させると、電動機により駆動される圧縮機構の回転速度が変化し、単位時間当たりに圧縮機(105)から吐出される冷媒の量が変化する。つまり、この圧縮機(105)は、容量可変に構成されている。
また、上記空調装置(100)には、該空調装置(100)の運転制御を行う空調コントローラ(115)が設けられている。この空調コントローラ(115)の詳細については後述する。
〈各コントローラの構成〉
上記調湿コントローラ(60)と空調コントローラ(115)は、本発明に係る制御手段を構成している。調湿コントローラ(60)と空調コントローラ(115)は、互いに伝送ライン(2)を介して接続されている。
上記調湿コントローラ(60)と空調コントローラ(115)は、本発明に係る制御手段を構成している。調湿コントローラ(60)と空調コントローラ(115)は、互いに伝送ライン(2)を介して接続されている。
上記調湿コントローラ(60)は、圧縮機制御部(61)と、絶対湿度算出部(62)と、PMV算出部(63)とを備えている。また、調湿コントローラ(60)には、内気湿度センサ(96)、内気温度センサ(97)、外気湿度センサ(98)および外気温度センサ(99)の検出値が入力される。
上記絶対湿度算出部(62)は、室内空気RAおよび室外空気OAの絶対湿度を算出するように構成されている。室内空気RAの絶対湿度は、内気湿度センサ(96)と内気温度センサ(97)の各検出値から算出される。室外空気OAの絶対湿度は、外気湿度センサ(98)と外気温度センサ(99)の各検出値から算出される。
上記PMV算出部(63)は、快適性を示す温熱環境評価指数であるPMV(Predicted Mean Vote, 予測温冷感申告)を算出するように構成されている。このPMVは、所定の快適方程式に人体の熱的快適感に影響する6つの要素を代入することにより算出される。6つの要素とは、室内の温度、室内の相対湿度、平均放射温度、平均風速、在室者の着衣量、在室者の作業量である。本実施形態では、室内の温度および相対湿度はそれぞれ内気温度センサ(97)および内気湿度センサ(96)の検出値を用い、平均放射温度、平均風速、在室者の着衣量および作業量は一定値を用いる。なお、ISOの標準(ISO7730(1994))では、PMVが±0.5以内となるような温熱環境が快適であると推奨されている。
上記調湿コントローラ(60)の圧縮機制御部(61)は、「通常運転モード」では、内気湿度センサ(96)の検出値が設定湿度Rsとなるように、調湿装置(10)の圧縮機(53)の運転周波数(容量)を調節する。また、調湿コントローラ(60)の圧縮機制御部(61)は、「省エネ運転モード」では、絶対湿度算出部(62)の室内空気RAの絶対湿度が室外空気OAの絶対湿度となるように、調湿装置(10)の圧縮機(53)の運転周波数(容量)を調節する。
上記空調コントローラ(115)は、圧縮機制御部(116)を備えている。また、空調コントローラ(115)には、室内温度センサ(111)の検出値が入力されると共に、調湿コントローラ(60)から内気湿度センサ(96)の検出値とPMV算出部(63)の算出値とが伝送ライン(2)を通じて入力される。
上記空調コントローラ(115)の圧縮機制御部(116)は、「通常運転モード」では、室内温度センサ(111)の検出値が設定温度Tsとなるように、空調装置(100)の圧縮機(105)の運転周波数(容量)を制御する。また、空調コントローラ(115)の圧縮機制御部(116)は、「省エネ運転モード」では、調湿装置(10)の内気湿度センサ(96)の検出値が所定の範囲となるように、且つ、PMVが所定の範囲となるように、空調装置(100)の圧縮機(105)の運転周波数(容量)を制御する。
〈調湿装置の運転動作〉
上記調湿装置(10)の基本的な運転動作である、除湿運転と加湿運転について図6〜図9を参照しながら説明する。
上記調湿装置(10)の基本的な運転動作である、除湿運転と加湿運転について図6〜図9を参照しながら説明する。
−除湿運転−
除湿運転中の調湿装置(10)では、後述する第1調湿動作と第2調湿動作が所定の時間間隔(例えば3〜4分間隔)で交互に繰り返される。この除湿運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)および第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
除湿運転中の調湿装置(10)では、後述する第1調湿動作と第2調湿動作が所定の時間間隔(例えば3〜4分間隔)で交互に繰り返される。この除湿運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)および第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
除湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気OAが外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれ、室内空気RAが内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれる。
先ず、除湿運転の第1調湿動作について説明する。図6に示すように、この第1調湿動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)および第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)および第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第1調湿動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第1状態(図4(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気(室外空気OA)は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気(室内空気RA)は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
次に、除湿運転の第2調湿動作について説明する。図7に示すように、この第2調湿動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)および第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)および第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第2調湿動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第2状態(図4(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気(室外空気OA)は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で除湿された第1空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気(室内空気RA)は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で水分を付与された第2空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
−加湿運転−
加湿運転中の調湿装置(10)では、後述する第1調湿動作と第2調湿動作が所定の時間間隔(例えば3〜4分間隔)で交互に繰り返される。この加湿運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)および第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
加湿運転中の調湿装置(10)では、後述する第1調湿動作と第2調湿動作が所定の時間間隔(例えば3〜4分間隔)で交互に繰り返される。この加湿運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)および第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
加湿運転中の調湿装置(10)では、室外空気OAが外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれ、室内空気RAが内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれる。
先ず、加湿運転の第1調湿動作について説明する。図8に示すように、この第1調湿動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)および第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)および第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。また、この第1調湿動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第1状態(図4(A)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気(室内空気RA)は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気(室外空気OA)は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
次に、加湿運転の第2調湿動作について説明する。図9に示すように、この第2調湿動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)および第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)および第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、この第2調湿動作中の冷媒回路(50)では、四路切換弁(54)が第2状態(図4(B)に示す状態)に設定され、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気(室内空気RA)は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で水分を奪われた第1空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気(室外空気OA)は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で加湿された第2空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
〈空調装置の運転動作〉
上記空調装置(100)の基本的な運転動作である、冷房運転と暖房運転について説明する。
上記空調装置(100)の基本的な運転動作である、冷房運転と暖房運転について説明する。
空調装置(100)の冷房運転では、図5(A)に示すように、冷媒回路(110)の四路切換弁(109)が第1状態に設定される。圧縮機(105)を運転すると、冷媒回路(110)内で冷媒が循環する。具体的に、圧縮機(105)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(103)で放熱して凝縮する。室外熱交換器(103)で凝縮した冷媒は、電動膨張弁(106)を通過する際に、減圧され、その後に室内熱交換器(104)で吸熱して蒸発する。室内熱交換器(104)で蒸発した冷媒は、圧縮機(105)へ吸入されて圧縮され、再び圧縮機(105)から吐出される。このように、冷媒回路(110)では、室外熱交換器(103)が凝縮器となり室内熱交換器(104)が蒸発器となる。
一方、室内から室内ユニット(102)に吸い込まれた室内空気RAは、蒸発器である室内熱交換器(104)を通過する。この室内空気RAは、室内熱交換器(104)で冷却された後、室内に供給される。これにより、室内の冷房が行われる。
空調装置(100)が暖房運転では、図5(B)に示すように、冷媒回路(110)の四路切換弁(109)が第2状態に設定される。圧縮機(105)を運転すると、冷媒回路(110)内で冷媒が循環する。具体的に、圧縮機(105)から吐出された冷媒は、室内熱交換器(104)で放熱して凝縮する。室内熱交換器(104)で凝縮した冷媒は、電動膨張弁(106)を通過する際に減圧され、その後に室外熱交換器(103)で吸熱して蒸発する。室外熱交換器(103)で蒸発した冷媒は、圧縮機(105)へ吸入され、再び圧縮機(105)から吐出される。このように、冷媒回路(110)では、室外熱交換器(103)が蒸発器となり、室内熱交換器(104)が凝縮器となる。
一方、室内から室内ユニット(102)に吸い込まれた室内空気RAは、凝縮器である室内熱交換器(104)を通過する。この室内空気RAは、室内熱交換器(104)で加熱された後、室内に供給される。これにより、室内の暖房が行われる。
〈コントローラの制御動作〉
本実施形態の空調システム(1)では、上述した調湿装置(10)および空調装置(100)の運転動作が「通常運転モード」と「省エネ運転モード」とで同時に行われる。また、本実施形態の調湿装置(10)では、排気ファン(25)および給気ファン(26)が容量一定、即ち排気風量および給気風量が一定で各運転が行われる。
本実施形態の空調システム(1)では、上述した調湿装置(10)および空調装置(100)の運転動作が「通常運転モード」と「省エネ運転モード」とで同時に行われる。また、本実施形態の調湿装置(10)では、排気ファン(25)および給気ファン(26)が容量一定、即ち排気風量および給気風量が一定で各運転が行われる。
「通常運転モード」では、リモコン等に入力された設定湿度Rsおよび設定温度Tsにに基づいて、調湿装置(10)および空調装置(100)がそれぞれ運転制御されるモードである。具体的に、調湿装置(10)の「通常運転モード」における除湿運転および加湿運転では、調湿コントローラ(60)の圧縮機制御部(61)によって、室内空気RAの相対湿度(即ち、内気湿度センサ(96)の検出値)が設定湿度Rsとなるように圧縮機(53)の容量(運転周波数)が調節される。圧縮機(53)の容量が増大すると、各吸着熱交換器(51,52)における冷媒流量が増加するため、各吸着熱交換器(51,52)の吸着能力および再生能力が増大し、除湿能力および加湿能力が増大する。逆に、圧縮機(53)の容量が減少すると、各吸着熱交換器(51,52)における冷媒流量が減少するため、除湿能力および加湿能力が低下する。一方、空調装置(100)の「通常運転モード」における冷房運転および暖房運転では、空調コントローラ(115)の圧縮機制御部(116)によって、室内空気RAの温度(即ち、室内温度センサ(111)の検出値)が設定温度Tsとなるように圧縮機(105)の容量(運転周波数)が調節される。圧縮機(105)の容量が増大すると、室内熱交換器(104)における冷媒流量が増加するため、その室内熱交換器(104)の冷却能力および加熱能力が増大し、冷房能力および暖房能力が増大する。逆に、圧縮機(105)の容量が減少すると、室内熱交換器(104)における冷媒流量が減少するため、冷房能力および暖房能力が低下する。
「省エネ運転モード」は、設定湿度Rsおよび設定温度Tsが入力(設定)されず、室内を快適に、且つ、空調システム(1)全体の消費電力を抑えることを目的とするモードである。この「省エネ運転モード」では、調湿装置(10)と空調装置(100)が図10に示すフローに基づいて運転制御される。
先ず、室内空気RAの絶対湿度および相対湿度、快適性を示すPMV値が所定の条件([A]、[B]、[C]の3つの条件)を満たすように、調湿装置(10)および空調装置(100)の各圧縮機(53,105)が制御される(ステップST1)。具体的には、調湿コントローラ(60)の圧縮機制御部(61)によって、室内空気RAの絶対湿度が室外空気OAの絶対湿度となるように([A]の条件)、調湿装置(10)における圧縮機(53)の容量(運転周波数)を調節する。また、空調コントローラ(115)の圧縮機制御部(116)によって、室内空気RAの相対湿度が所定の範囲内(40%以上70%以下)となるように([B]の条件)、且つ、PMV値が所定の範囲内(−0.5以上+0.5以下)となるように([C]の条件)、空調装置(100)における圧縮機(105)の容量(運転周波数)が調節される。
上述した各圧縮機(53,105)の容量制御が行われると、所定時間Δt(例えば、10分)が経過するまで待機する(ステップST2)。そして、所定時間Δtが経過すると、ステップST3へ移行し、室内空気RAの相対湿度が上記所定の範囲内(40%以上70%以下)であるか否かが判定される。室内空気RAの相対湿度がその範囲外であるとステップST4へ移行し、室内空気RAの相対湿度およびPMV値が所定の条件([B]および[C]の2つの条件)を満たすように、再び各圧縮機(53,105)の容量制御が行われる。具体的に、調湿コントローラ(60)の圧縮機制御部(61)によって、室内空気RAの相対湿度が上記所定の範囲内(40%以上70%以下)となるように([B]の条件)、調湿装置(10)における圧縮機(53)の容量が調節される。また、空調コントローラ(115)の圧縮機制御部(116)によって、PMV値が上述した範囲よりも大きい所定の範囲内(−1.0以上+1.0以下)となるように([C]の条件)、空調装置(100)における圧縮機(105)の容量が調節される。この各圧縮機(53,105)の容量制御が行われると、再びステップST2へ移行し、所定時間Δtが経過するまで待機する。
そして、ステップST3で室内空気RAの相対湿度が上記所定の範囲内と判定されると、ステップST5へ移行し、PMV値が上記所定の範囲内(−0.5以上+0.5以下)であるか否かが判定される。PMV値がその範囲外であるとステップST6へ移行し、室内空気RAの相対湿度およびPMV値が所定の条件([B]および[C]の2つの条件)を満たすように、再び各圧縮機(53,105)の容量制御が行われる。つまり、調湿コントローラ(60)の圧縮機制御部(61)によって、室内空気RAの相対湿度が上記所定の範囲内(40%以上70%以下)となるように([B]の条件)、調湿装置(10)における圧縮機(53)の容量が調節される。また、空調コントローラ(115)の圧縮機制御部(116)によって、PMV値が上記所定の範囲内(−0.5以上+0.5以下)となるように([C]の条件)、空調装置(100)における圧縮機(105)の容量が調節される。この各圧縮機(53,105)の容量制御が行われると、再びステップST2へ移行し、所定時間Δtが経過するまで待機する。
そして、ステップST5でPMV値が上記所定の範囲内と判定されると、再びステップST1へ移行し、上述したように[A]〜[C]の条件を満たすように各圧縮機(53,105)の容量が制御される。このような制御を繰り返すことによって、室内空気RAの絶対湿度が室外空気OAの絶対湿度と同一またはほぼ同一となる。さらに、図11に示すように、室内空気RAは、相対湿度が40%以上70%以下でPMV値が−0.5以上+0.5以下となる状態(網掛け領域)に収束する。なお、運転開始の時点で室内空気RAの状態が図11の網掛け領域にある場合は、各圧縮機(53,105)は殆ど制御されず、室内空気RAの状態は変化しない。このような制御により、快適で且つ省エネな空調を行うことができる。そのことを示す解析結果を以下に説明する。
〈解析結果〉
図12および図13は、本実施形態の空調システム(1)の「省エネ運転モード」において、室内空気RAの相対湿度が所定の範囲内(40%以上70%以下)に且つPMV値が所定の範囲内(−0.5以上+0.5以下)になるように運転した場合のシステム全体の消費電力について解析した結果である。図12は調湿装置(10)が加湿運転行う場合で図13は調湿装置(10)が除湿運転を行う場合のもので、それぞれ4パターン(第1〜第4)の解析結果を示す。
図12および図13は、本実施形態の空調システム(1)の「省エネ運転モード」において、室内空気RAの相対湿度が所定の範囲内(40%以上70%以下)に且つPMV値が所定の範囲内(−0.5以上+0.5以下)になるように運転した場合のシステム全体の消費電力について解析した結果である。図12は調湿装置(10)が加湿運転行う場合で図13は調湿装置(10)が除湿運転を行う場合のもので、それぞれ4パターン(第1〜第4)の解析結果を示す。
各解析では、室外空気OAおよび室内空気RAの温度および相対湿度を変数としている。そして、第1の解析結果(図12および図13において左上のグラフ)は、調湿装置(10)の圧縮機(53)を最大周波数で運転することを条件として行ったものである。第2の解析結果(同図において右上のグラフ)は、空調装置(100)のCOP(成績係数)が最大となるように運転することを条件として行ったものである。第3の解析結果(同図において左下のグラフ)は、調湿装置(10)と空調装置(100)の入力が最小となるように運転することを条件として行ったものである。第4の解析結果(同図において右下のグラフ)は、本発明と同様、室内空気RAの絶対湿度が室外空気OAの絶対湿度と同じ(または、ほぼ同じ)となるように運転することを条件として行ったものである。
先ず、この図12および図13の解析結果では、何れも、調湿装置(10)の圧縮機(53)を最大周波数で運転した場合(第1の解析)の方が消費電力が著しく高くなっているのが分かる。したがって、調湿装置(10)における圧縮機(53)の容量を増加させて加湿能力または除湿能力を高くするほど、省エネ性が悪くなることが分かる。
また、図12および図13の何れも、第2〜第4の解析結果においてそれほど消費電力に差はない。つまり、第2〜第4の解析条件においては省エネ性はほぼ同等である。ここで、実際の空調システム(1)において、空調装置(100)のCOPを1つの制御パラメータとして用いる場合、空調装置(100)に対する入力および出力を算出する必要があり、そのために電力値や冷房能力、暖房能力などを検出しなければならない。また、実際の空調システム(1)において、調湿装置(10)および空調装置(100)の入力を1つの制御パラメータとして用いる場合、各装置(10,100)の入力を算出するために電力値等を検出しなければならない。このように、空調装置(100)のCOPや各装置(10,100)の入力をパラメータとした場合、空気の温度センサ(内気温度センサ(97)、外気温度センサ(99))や湿度センサ(内気湿度センサ(96)、外気湿度センサ(98))以外のセンサ類が増え、制御が煩雑となる。これに対し、第4の解析条件のように室内空気RAおよび室外空気OAの絶対湿度を制御パラメータとして用いる場合、内気湿度センサ(96)や内気温度センサ(97)を利用することができる。このように、室内空気RAの絶対湿度を室外空気OAの絶対湿度となるように運転する方が、より簡易な制御で省エネ性を向上させることができる。さらに、室内空気RAの相対湿度が所定の範囲内(40%以上70%以下)に、且つ、PMV値が所定の範囲内(−0.5以上+0.5以下)になるため、快適性も確保することができる。
−実施形態の効果−
以上説明したように、本実施形態によれば、「省エネ運転モード」において室内空気RAの絶対湿度が室外空気OAの絶対湿度となるように調湿装置(10)の圧縮機(53)を容量制御するようにしたため、簡易な制御で省エネ性を向上させることができる。さらに、本実施形態では、室内空気RAの相対湿度が適切な範囲内(40%以上70%以下)に、且つ、快適性を示すPMV値が適切な範囲内(−0.5以上+0.5以下)にそれぞれなるように、調湿装置(10)および空調装置(100)の圧縮機(53,105)を容量制御するようにしたため、快適性をさらに確保することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、「省エネ運転モード」において室内空気RAの絶対湿度が室外空気OAの絶対湿度となるように調湿装置(10)の圧縮機(53)を容量制御するようにしたため、簡易な制御で省エネ性を向上させることができる。さらに、本実施形態では、室内空気RAの相対湿度が適切な範囲内(40%以上70%以下)に、且つ、快適性を示すPMV値が適切な範囲内(−0.5以上+0.5以下)にそれぞれなるように、調湿装置(10)および空調装置(100)の圧縮機(53,105)を容量制御するようにしたため、快適性をさらに確保することができる。
以上説明したように、本発明は、同一室内空間を対象とする調湿装置および空調装置を備えている空調システムについて有用である。
1 空調システム
10 調湿装置
50 冷媒回路
51 第1吸着熱交換器
52 第2吸着熱交換器
53 圧縮機
60 調湿コントローラ(制御手段)
100 空調装置
104 室内熱交換器
105 圧縮機
110 冷媒回路
115 空調コントローラ(制御手段)
10 調湿装置
50 冷媒回路
51 第1吸着熱交換器
52 第2吸着熱交換器
53 圧縮機
60 調湿コントローラ(制御手段)
100 空調装置
104 室内熱交換器
105 圧縮機
110 冷媒回路
115 空調コントローラ(制御手段)
Claims (2)
- 圧縮機(53)と、それぞれ空気の水分を吸着する吸着剤が担持された第1吸着熱交換器(51)および第2吸着熱交換器(52)とが接続され、冷凍サイクルを行う冷媒回路(50)を備え、該冷媒回路(50)の冷媒循環方向を切り換えることによって上記2つの吸着熱交換器(51,52)で吸着剤の吸着動作と再生動作が交互に行われ、該各吸着熱交換器(51,52)へそれぞれ室外空気および室内空気を通過させて該通過後の調湿された室外空気を室内へ供給し室内空気を室外へ排出する調湿装置(10)と、
圧縮機(105)および室内熱交換器(104)を有し冷凍サイクルを行う冷媒回路(110)を備え、上記室内熱交換器(104)で冷却または加熱された空気を室内へ供給する空調装置(100)とを備え、
上記調湿装置(10)および空調装置(100)が同一の室内へ空気を供給する空調システムであって、
上記室内の空気の絶対湿度が上記調湿装置(10)の吸着熱交換器(51,52)を通過する前の室外空気の絶対湿度となるように、上記調湿装置(10)の圧縮機(53)の容量を制御すると共に、温熱環境評価指数PMV値が所定の範囲内となるように上記空調装置(100)の圧縮機(105)の容量を制御する制御手段(60,115)を備えている
ことを特徴とする空調システム。 - 請求項1において、
上記制御手段(60,115)は、上記室内の空気の相対湿度が所定の範囲内となるように、上記調湿装置(10)の圧縮機(53)の容量または上記空調装置(100)の圧縮機(105)の容量を制御するように構成されている
ことを特徴とする空調システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008327564A JP2010151337A (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | 空調システム |
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- 2008-12-24 JP JP2008327564A patent/JP2010151337A/ja active Pending
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