以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下の説明では、特定の方向を意味する用語(例えば、「上」、「下」、「左」、「右」、およびそれらを含む他の用語、「時計回り方向」、「反時計回り方向」)を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明は限定的に解釈されるべきものでない。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびそれらの機能を複合的に備えた複合機のいずれであってもよい。画像形成装置1は、静電潜像を担持する像担持体としての感光体12を有する。実施形態において、感光体12は円筒体で構成されているが、本発明はそのような形態に限定されるものでなく、代わりに無端ベルト式の感光体も使用可能である。感光体12は、図示しないモータに駆動連結されており、モータの駆動に基づいて矢印14方向に回転するようにしてある。感光体12の周囲には、感光体12の回転方向に沿って、帯電ステーション16、露光ステーション18、現像ステーション20、転写ステーション22、およびクリーニングステーション24が配置されている。
帯電ステーション16は、感光体12の外周面である感光体層を所定の電位に帯電する帯電装置26を備えている。実施形態では、帯電装置26は円筒形状のローラとして表されているが、これに代えて他の形態の帯電装置(例えば、回転型又は固定型のブラシ式帯電装置、ワイヤ放電式帯電装置)も使用できる。露光ステーション18は、感光体12の近傍又は感光体12から離れた場所に配置された露光装置28から出射された画像光30が、帯電された感光体12の外周面に向けて進行するための通路32を有する。露光ステーション18を通過した感光体12の外周面には、画像光が投射されて電位の減衰した部分とほぼ帯電電位を維持する部分からなる、静電潜像が形成される。実施形態では、電位の減衰した部分が静電潜像画像部、ほぼ帯電電位を維持する部分が静電潜像非画像部である。現像ステーション20は、粉体現像剤を用いて静電潜像を可視像化する現像装置34を有する。現像装置34の詳細は後に説明する。転写ステーション22は、感光体12の外周面に形成された可視像を記録媒体としての用紙38に転写する転写装置36を有する。実施形態では、転写装置36は円筒形状のローラとして表されているが、他の形態の転写装置(例えば、ワイヤ放電式転写装置)も使用できる。クリーニングステーション24は、転写ステーション22で用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残留する未転写トナーを感光体12の外周面から回収するクリーニング装置40を有する。実施形態では、クリーニング装置40は板状のブレードとして示されているが、代わりに他の形態のクリーニング装置(例えば、回転型又は固定型のブラシ式クリーニング装置)も使用できる。
本実施形態では、感光体12の周囲にまた、感光体12上のトナー付着量を検出するトナー付着量検出手段としての光式トナー濃度センサ17と、感光体12上のトナー層の表面電位を検出するトナー層表面電位検出手段としての表面電位センサ19とが現像ステーション20と転写ステーション22との間で感光体12に対向して設けられている。光式トナー濃度センサ17と表面電位センサ19とはそれぞれ、感光体12などの回転駆動、帯電装置26、露光装置28、現像装置34、転写装置36及び後述する電界形成装置110などの作動制御などの画像形成装置1に関係する構成を制御する制御ユニット21に接続され、制御ユニット21は、非画像形成時に感光体12上にトナー帯電量を検出するためのトナー帯電量検出用画像を形成させ、光式トナー濃度センサ17によって検出されるトナー付着量と表面電位センサ19によって検出されるトナー層の表面電位とからトナー帯電量を算出することができるようになっている。また、制御ユニット21には、印字枚数を計数する印字枚数カウンタなどの印字枚数計数手段によって計数される印字枚数が入力されるようになっており、所定の印字枚数毎に検出されるトナー帯電量からトナー帯電量の推移が求められるようになっている。なお、制御ユニット21は、例えばマイクロコンピュータを主要部として構成されている。
図2は、トナー帯電量とトナー層の表面電位との関係を示したグラフである。図2では、トナー帯電量を横軸にとり、トナー層の表面電位を縦軸にとって表示し、トナー付着量が1.5g/m2、3.0g/m2、4.5g/m2の場合について示している。この図に示すように、トナー帯電量とトナー層の表面電位とは比例関係にあり、トナー付着量が大きくなるにつれてその傾きが大きくなっている。トナー層の表面電位は、トナー帯電量とトナー付着量との積に比例することから、トナー帯電量は、トナー付着量とトナー層の表面電位とに基づいて算出することができる。制御ユニット21には、トナー付着量に応じたトナー帯電量とトナー層の表面電位との関係式が記憶されており、制御ユニット21は、かかる関係式に基づいてトナー付着量とトナー層の表面電位とからトナー帯電量を算出する。
現像装置34は、第1の成分粒子である非磁性トナーと第2の成分粒子である磁性キャリアを含む二成分現像剤に第3の成分粒子である荷電粒子を加えた現像剤2と、以下に説明する種々の部材を収容するハウジング42を備えている。図面を簡略化することで発明の理解を容易にするため、ハウジング42の一部は削除してある。本実施形態で用いる現像剤2は、相互の摩擦接触によりトナーが負極性、キャリアが正極性に帯電されるものとする。また、荷電粒子は、トナーが負極性に帯電される場合には正極性に帯電されている荷電粒子であり、トナー6よりも小径であり、トナーの外周面に離脱可能な状態で供給され、トナーと共に補給されるようになっている。ただし、本発明に用いるトナー及びキャリアの帯電性は、そのような組み合わせに限定されるものでなく、相互の摩擦接触によりトナーが正極性、キャリアが負極性に帯電される組み合わせも考えられ、トナーが正極性に帯電される場合、荷電粒子は負極性に帯電される荷電粒子である。
現像装置34のハウジング42は感光体12に向けて開放された開口部44を備えており、この開口部44の近傍に形成された空間46にトナー搬送部材である現像ローラ48が設けてある。現像ローラ48は、円筒状の部材であり、感光体12と平行に且つ感光体12の外周面と所定の現像ギャップ50を介して、回転可能に配置されている。
現像ローラ48としては、例えばアルミニウム等の金属からなる導電性ローラや導電性ローラの最表面層部である外周面にコーティングを施したものが用いられる。前記表面処理としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂コーティングや、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム等のゴムコーティングが用いられるが、これらに限定されない。
現像ローラ48の背後には、別の空間52が形成されている。空間52には、現像剤搬送部材である搬送ローラ54が、現像ローラ48と平行に且つ現像ローラ48の外周面と所定の供給回収ギャップ56を介して配置されている。搬送ローラ54は、回転不能に固定された磁石体58と、磁石体58の周囲を回転可能に支持された円筒スリーブ60を有する。スリーブ60の上方には、ハウジング42に固定され、スリーブ60の中心軸と平行に延びる規制板62が、所定の規制ギャップ64を介して対向配置されている。
磁石体58は、スリーブ60の内面に対向し、搬送ローラ54の中心軸方向に延びる、複数の磁極を有する。実施形態では、複数の磁極は、規制板62の近傍にあるスリーブ60の上部内周面部分に対向する磁極S1、供給回収ギャップ56の近傍にあるスリーブ60の左側内周面部分に対向する磁極N1、スリーブ60の下部内周面部分に対向する磁極S2、スリーブ60の右側内周面部分に対向する、2つの隣接する同極性の磁極N2,N3を含む。
搬送ローラ54の背後には、現像剤攪拌室66が形成されている。攪拌室66は、搬送ローラ54の近傍に形成された前室68と搬送ローラ54から離れた後室70を有する。前室68には図面の表面から裏面に向かって現像剤2を攪拌しながら搬送する前攪拌搬送部材である前スクリュー72が回転可能に配置され、後室70には図面の裏面から表面に向かって現像剤2を攪拌しながら搬送する後攪拌搬送部材である後スクリュー74が回転可能に配置されている。図示するように、前室68と後室70は、両者の間に設けた隔壁76で分離してもよい。この場合、前室68と後室70の両端近傍にある隔壁部分は除かれて連絡通路が形成されており、前室68の下流側端部に到達した現像剤が連絡通路を介して後室70へ送り込まれ、また後室70の下流側端部に到達した現像剤が連絡通路を介して前室68に送り込まれるようにしてある。
後室70の上方にはトナー補給部98が設けられ、トナー補給部98は、トナー6を収容するための容器100を有する。容器100の底部には開口部102が形成されており、この開口部102に補給ローラ104が配置されている。補給ローラ104は図示しないモータに駆動連結されており、ハウジング42に収容されている現像剤2中のトナー6の比率(重量比)を測定する手段(不図示)の出力に基づいてモータが駆動し、トナー6が後室70に落下補給するようにしてある。
また、搬送ローラ54と現像ローラ48はそれぞれ電界形成装置110に電気的に接続されている。電界形成装置110は、搬送ローラ54と現像ローラ48とが対向する領域(供給回収領域)88のうち、主に搬送ローラ54の回転方向において上流側の領域(供給領域)90で、搬送ローラ54に保持された現像剤2中のトナー6を現像ローラ48に移動させ、供給回収領域88のうち、主に搬送ローラ54の回転方向において下流側の領域(回収領域)92で、現像後に現像ローラ48上に残留するトナー6を搬送ローラ54に回収させるように、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に所定の電界を形成するようになっている。
図3は、電界形成装置110の一実施形態を示す図であり、図4は、図3に示す電界形成装置110から搬送ローラ54と現像ローラ48に供給されている電圧の関係を示す図である。図3に示す電界形成装置110は、現像ローラ48に接続された第1の電源112と、搬送ローラ54に接続された第2の電源114とを有する。
第1の電源112は、現像ローラ48とグランド116との間に直列に接続された直流電源118および交流電源160を有しており、直流電源118は、トナー6の帯電極性と同一極性の第1の直流電圧VDC1(例えば、−300ボルト)を現像ローラ48に印加し、交流電源160は、図4に示すように、現像ローラ48とグランド116との間に交流電圧VAC(交流ピーク間電圧VP−Pが、例えば1,400ボルト)を印加する。第2の電源114は、搬送ローラ54とグランド116との間に接続された直流電源120を有しており、直流電源120は、トナー6の帯電極性と同一極性の第2の直流電圧VDC2(例えば、−250ボルト)を搬送ローラ54に印加する。
図4に示すように、搬送ローラ54に直流電圧VDC2:−250ボルトを印加し、現像ローラ48に直流電圧VDC1:−300ボルトと交流電圧VACを印加し、この交流電圧VACが、交流ピーク間電圧VP−P:1,400ボルト、交流電圧デューティ比:40%、すなわち、マイナスデューティ比(トナー回収デューティ比):40%、プラスデューティ比(トナー供給デューティ比):60%の矩形波である場合、搬送ローラ54と現像ローラ48との間には振動電界(第1の電界)が形成される。この振動電界の作用を受けて、供給領域90では、負極性に帯電しているトナー6が搬送ローラ54から現像ローラ48に電気的に吸引される。このとき、正極性に帯電されているキャリアは、搬送ローラ54の内部の固定磁石体58の磁力によって搬送ローラ54に保持され、現像ローラ48に供給されることはない。また、現像領域96では、現像ローラ48に保持されている負極性トナーは、現像ローラ48(VDC1+VAC)と静電潜像画像部(VL:−50ボルト)との間に形成される振動電界(第2の電界)の作用を受けて、静電潜像画像部に付着する。ここで、第1の電源112が、第2の電界形成手段を構成し、第1の電源112と第2の電源114とが、第1の電界形成手段を構成し、第1の電界形成手段及び第2の電界形成手段の作動は、制御ユニット21によって制御される。
なお、本実施形態では、現像ローラ48に直流電圧VDC1に交流電圧VACを重畳した振動電圧(VDC1+VAC)を印加し、搬送ローラ54に直流電圧VDC2を印加するものとして例示しているが、これに限定されるものでなく、現像ローラ48に直流電圧又は振動電圧を印加し、搬送ローラ54に振動電圧を印加することで、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に振動電界を形成し、供給領域90において搬送ローラ54から現像ローラ48へトナー6を供給するようにしてもよい。
このようにして構成された現像装置34の動作について説明する。画像形成時、図示しないモータの駆動に基づいて、現像ローラ48とスリーブ60はそれぞれ矢印78、80方向に回転する。前スクリュー72は矢印82方向に回転し、後スクリュー74は矢印84方向に回転する。これにより、現像剤攪拌室66に収容されている現像剤2は、前室68と後室70を循環搬送されながら、攪拌される。その結果、現像剤に含まれるトナーとキャリアが摩擦接触し、互いに逆の極性に帯電される。キャリア粒子は、トナー粒子に比べて大きく、正極性に帯電したキャリアの周囲に、負極性に帯電したトナーが、主として両者の電気的な吸引力に基づいて付着している。また、荷電粒子8は、トナー6の表面に保持されている。
帯電された現像剤2は、前スクリュー72によって前室68を搬送される過程で搬送ローラ54に供給される。前スクリュー72から搬送ローラ54に供給された現像剤2は、磁極N3の近傍で、磁極N3の磁力によって、搬送ローラ54、具体的にはスリーブ60の外周面に保持される。スリーブ60に保持された現像剤2は、磁石体58によって形成された磁力線に沿って磁気ブラシを構成しており、スリーブ60の回転に基づいて反時計周り方向に搬送される。規制板62の対向領域(規制領域)86で磁極S1に保持されている現像剤2は、規制板62により、規制ギャップ64を通過する量が所定量に規制される。規制ギャップ64を通過した現像剤2は、磁極N1が対向する、現像ローラ48と搬送ローラ54が対向する領域(供給回収領域)88に搬送される。
前述したように、供給回収領域88のうち、主にスリーブ60の回転方向に関して上流側の領域(供給領域)90では、現像ローラ48と搬送ローラ54との間に形成された電界の存在により、キャリア4に付着しているトナー6が現像ローラ48に電気的に供給され、搬送ローラ54から現像ローラ46に移動する。
供給領域90で現像ローラ48に保持されたトナー6は、現像ローラ48の回転と共に反時計周り方向に搬送され、現像領域96で、感光体12の外周面に形成されている静電潜像画像部に付着する。画像形成装置1では、感光体12の外周面は帯電装置26で負極性の所定の電位VH(例えば−450ボルト)が付与され、露光装置28で画像光30が投射された静電潜像画像部が所定の電位VL(例えば−50ボルト)まで減衰し、露光装置28で画像光30が投射されていない静電潜像非画像部はほぼ帯電電位VHを維持している。したがって、現像領域96では、感光体12と現像ローラ48との間に形成されている電界の作用を受けて、負極性に帯電したトナー6が静電潜像画像部に付着し、この静電潜像をトナー画像として可視像化する。なお、現像領域96では、現像ローラ48上のトナー6が感光体12に直に接触する接触現像であってもよい。
一方、現像に供されることなく現像後に現像ローラ48上に残留するトナー6は、現像ローラ48の回転に従って矢印78に示す方向に搬送され、供給回収領域88のうち、主にスリーブ60の回転方向に関して下流側の領域(回収領域)92において、磁極N1の磁力線に沿って形成されている磁気ブラシに掻き取られて搬送ローラ54に回収される。この搬送ローラ54に回収されたトナー6を含む現像剤2は、磁石体58の磁力に保持され、搬送ローラ54の回転と共に磁極S2の対向部を通過して磁極N2とN3の対向領域(放出領域)94に到達すると、磁極N2とN3によって形成される反発磁界によって搬送ローラ54の外周面から前室68に放出され、前室68を搬送されている現像剤2に混合される。
現像装置34において、トナーとキャリアとを主成分とする二成分現像剤に添加された荷電粒子8は、トナー6やキャリア4とともに、ハウジング42の中を搬送された後、スリーブ60に保持されて規制領域86、供給回収領域88、放出領域94を移動する。この搬送過程で、トナー6の表面に保持されて正極性に帯電している荷電粒子8は、供給回収領域88の電界中に置かれると、トナー6に作用する電気的な力とは逆の方向の電気的な力を受けてトナー6の外周面から離脱する。
図5は、供給回収領域におけるトナーと荷電粒子との動きを模式的に示す図である。図5に示すように、供給回収領域88において、搬送ローラ54から現像ローラ48に移動するトナー6の表面から離脱した荷電粒子8は、分離した荷電粒子8とキャリアとの間に作用するストレスによってキャリア4の外周面に保持される、あるいは打ち込まれる。キャリア4の外周面の一部又は全体が、トナーが付着してできる汚れ(スペント)で覆われている場合には、荷電粒子8は、スペントに打ち込まれる。
このキャリア4の外周面に保持される、あるいは打ち込まれた荷電粒子8は次に、トナー6との摩擦接触によりトナー6と逆の極性、実施形態では正極性に帯電される。その結果、荷電粒子8が打ち込まれたキャリア4は、たとえその外周面の少なくとも一部がスペントに被覆されていても、キャリア4の表面に固定された荷電粒子8がトナー6を所定の極性に帯電するので、キャリアの荷電性の減少を補うことにより、キャリアの荷電性が減少することを抑制することができる。なお、現像装置34では、搬送ローラ54から現像ローラ48に移動するトナー6の表面に保持されている荷電粒子8の一部が、トナー6から分離して搬送ローラ54に移動してキャリア4に保持され、トナー6の表面に保持された状態で現像ローラ48に供給された荷電粒子8が、現像領域20においてトナー6と共に感光体12に移動して消費されるようにしてもよい。
ここで、現像剤2に含まれるトナー、キャリア、および荷電粒子の具体的な材料について説明する。
トナーには、画像形成装置において従来から一般に使用されている公知のトナーを使用できる。トナー粒径は、例えば約3〜15μmである。バインダー樹脂中に着色剤を含有させたトナー、荷電制御剤や離型剤を含有するトナー、表面に添加剤を保持するトナーも使用できる。トナーは、例えば、粉砕法、乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法で製造できる。
キャリアは、従来から一般に使用されている公知のキャリアを使用できる。バインダー型キャリアやコート型キャリアのいずれを用いてもよい。キャリア粒径は、限定的ではないが、約15〜100μmが好ましい。
バインダー型キャリアは、磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散させたものであり、表面に正極性または負極性に帯電する微粒子又はコーティング層を有するものが使用できる。バインダー型キャリアの極性等の帯電特性は、バインダー樹脂の材質、帯電性微粒子、表面コーティング層の種類によって制御できる。
コート型キャリアは、磁性体からなるキャリアコア粒子を樹脂で被覆したキャリアであり、バインダー型キャリア同様に、キャリア表面に正極性または負極性に帯電する帯電性微粒子を固着することができる。コート型キャリアの極性等の帯電特性は、表面コーティング層の種類や帯電性微粒子の選択により調整できる。コーティング樹脂は、バインダー型キャリアのバインダー樹脂と同様の樹脂が使用可能である。
トナーとキャリアの混合比は所望のトナー帯電量が得られるよう調整されれば良く、トナー比はトナーとキャリアとの合計量に対して3〜50重量%、好ましくは6〜30重量%が好ましい。
トナーに外添される荷電粒子は、前述したように、キャリアの表面にトナーが付着してできる汚れなどによってキャリアの荷電性が減少してもトナーを所定の極性に帯電するように添加するものであり、トナーに対して逆極性に荷電される微粒子が用いられる。
好適に使用される荷電粒子は、トナーの帯電極性に応じて適宜選択される。キャリアとの摩擦接触により負極性に帯電するトナーを用いる場合、荷電粒子は、トナーとの接触により正極性に帯電する微粒子が用いられる。そのような微粒子は、例えば、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、アルミナ等の無機微粒子やアクリル樹脂、ベンゾグァナミン樹脂、ナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成できる。
キャリアとの摩擦接触により正極性に帯電するトナーの場合、荷電粒子は、トナーとの接触により負極性に帯電する微粒子が用いられる。このような微粒子は、例えば、シリカ、酸化チタン等の無機微粒子、また、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂等の、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂で構成された微粒子が使用できる。
このような構成を有する現像装置34を備えた画像形成装置1の画像形成時には、感光体12はモータ(図示せず)の駆動に基づいて時計回り方向に回転する。このとき、帯電ステーション16を通過する感光体外周部分は、帯電装置26で所定の電位に帯電される。帯電された感光体外周部分は、露光ステーション18で画像光30が露光されて静電潜像が形成される。静電潜像は、感光体12の回転と共に現像ステーション20に搬送され、そこで現像装置34によってトナー画像として可視像化される。可視像化されたトナー画像は、感光体12の回転と共に転写ステーション22に搬送され、そこで転写装置36により用紙38に転写される。トナー画像が転写された用紙38は図示しない定着ステーションに搬送され、そこで用紙38にトナー画像が固定される。転写ステーション22を通過した感光体外周部分はクリーニングステーション24に搬送され、そこで用紙38に転写されることなく感光体12の外周面に残存する現像剤が回収される。
前述したように、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤に荷電粒子を加えることにより、キャリアの荷電性が減少することを抑制することができるものの、印字比率の変更が頻繁に行われたり現像剤の製造時のバラツキが大きかったりすると、キャリアの荷電性に変動が生じる場合があるが、本実施形態に係る画像形成装置1では、所定印字枚数毎に検出されるトナー帯電量に基づいて、第1の電界形成手段及び第2の電界制御手段の作動を制御することで、キャリアの荷電性を安定化させる。
以下に、第1の電界形成手段及び第2の電界形成手段の作動制御について図6〜図12を参照して説明する。なお、本実施形態に係る画像形成装置1では、これに限定されるものではないが、トナー比率(現像剤全体の重量に対するトナーの重量の割合)が8wt%に設定された現像剤2が用いられ、規制ギャップ64が0.45mmに設定され、供給回収ギャップ50が0.3mmに設定され、現像ローラの周速度に対する搬送ローラの周速度の割合が1.5に設定され、搬送ローラ54に保持される現像剤量が200g/m2に設定されている。
図6は、前記画像形成装置1において、画像形成時に搬送ローラと現像ローラに供給される電圧の設定値の波形を示す図であり、図6の(a)は、搬送ローラと現像ローラに印加される電圧の設定値を示し、図6の(b)は、現像ローラを基準とした搬送ローラの電位を示している。なお、図6(a)及び後述する図8(a)、図9(a)、図11(a)、図12(a)では、搬送ローラに印加される直流電圧を二点鎖線で示し、現像ローラに印加される直流電圧及び該直流電圧に交流電圧が重畳された振動電圧をそれぞれ破線及び実線で示し、図6(b)及び後述する図8(b)、図9(b)、図11(b)、図12(b)では、現像ローラを基準とした搬送ローラの電位を実線で示し、現像ローラを基準とした搬送ローラの電位の平均値を一点鎖線で示している。
図6(a)に示すように、画像形成時に、現像ローラ48には直流電圧VDC1:−300Vに周波数:3kHz、交流ピーク間電圧VP−P:1400V、交流電圧デューティ比:40%、すなわち、マイナスデューティ比:40%、プラスデューティ比:60%の交流電圧VACを重畳した矩形波状の振動電圧(VDC1+VAC)が印加され、搬送ローラ54には直流電圧VDC2:−250Vが印加され、搬送ローラ54と現像ローラ48との間には振動電界が形成され、図6(b)に示すように、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位は、最高値VMAX:+750V、最小値VMIN:−650V、平均値VAVG:−90Vとなっている。
また、静電潜像非画像部の電位VH:−450V、静電潜像画像部の電位VL:−50Vに設定され、現像ギャップ50が0.15mmに設定され、感光体12の周速度に対する現像ローラ48の周速度の割合が2.0に設定されている。これにより、感光体12上に単位面積当りのトナー付着量5g/m2のトナー画像が形成される。
画像形成装置1では、画像形成時に、現像ローラ48を基準とした搬送ローラ54の電位が最小値VMIN:−650Vであるときに、搬送ローラ54に保持されている現像剤2中のトナー6が現像ローラ48に移動するとともに、搬送ローラ54から現像ローラ48に移動するトナー6の表面に保持されている荷電粒子8の一部がトナー6から分離し、搬送ローラ54に移動してハウジング42内に回収され、キャリア4の表面に保持されるとトナー6との摩擦接触によってトナー6を帯電させる。一方、現像ローラ48を基準とした搬送ローラ54の電位が最高値VMAX:+750Vであるときに、現像ローラ48から搬送ローラ54へ現像ローラ48に保持されたトナー6が移動するとともに、現像ローラ48から搬送ローラ54へ移動するトナー6に保持された荷電粒子8が、トナー6から分離して現像ローラ48に移動する。なお、図6(b)では、トナー回収領域に密な斜線ハッチングを施し、トナー供給領域に疎な斜線ハッチングを施している。
また、画像形成装置1では、5000枚、10000枚などの5000枚毎などの所定の印刷枚数毎に、非画像形成時にトナー帯電量検出用画像であるパッチ画像を形成し、このパッチ画像をトナー濃度センサ17及び表面電位センサ19によって測定し、制御ユニット21でトナー帯電量が算出され、前述したように、所定の印字枚数毎に算出されるトナー帯電量からトナー帯電量の推移、すなわち、トナー帯電量が減少傾向、増加傾向であるかが判定される。
図7は、トナー帯電量が減少傾向である場合におけるトナー帯電量の推移を示すグラフである。図7では、印字枚数を横軸にとり、トナー帯電量を縦軸にとって表示している。なお、図7では、所定の印字枚数をP1、P2として示し、かぶりやトナー飛散が生じ得るトナー帯電量の上限値をQHとして示している。
図7に示すように、所定印字枚数毎に検出されたトナー帯電量が減少傾向を示す場合、すなわち、印字枚数P2におけるトナー帯電量Q2と印字枚数P1におけるトナー帯電量Q1とのトナー帯電量の差(Q2−Q1)が負である場合、画像形成装置1では、制御ユニット21によって、少なくとも交流ピーク間電圧VP−Pを変更することを含み、交流ピーク間電圧VP−P、交流電圧デューティ比及び直流電圧VDC1のうちの少なくとも1つを変更するように第1の電界形成手段の作動が制御される。
図8は、トナー帯電量が減少傾向にある場合に変更される搬送ローラと現像ローラに供給される電圧の波形の一例を示す図であり、図8の(a)は、搬送ローラと現像ローラに印加される電圧を示し、図8の(b)は、現像ローラを基準とした搬送ローラの電位を示している。なお、図8(b)並びに後述する図9(b)、図11(b)及び図12(b)では、トナー回収領域に密な斜線ハッチングを施し、トナー供給領域に疎な斜線ハッチングを施している。
画像形成装置1では、トナー帯電量が減少傾向である場合には、少なくとも交流ピーク間電圧VP−Pを大きくするように第1の電界形成手段の作動が制御される。図8(a)に示すように、現像ローラ48に印加する交流電圧VACの交流ピーク間電圧VP−Pを1600Vに変更するとともに、現像ローラ48に印加する直流電圧VDC1を−320Vに変更し、交流ピーク間電圧VP−Pを大きくするとともに直流電圧VDC1を大きくして、図8(b)に示すように、現像ローラ48を基準とした搬送ローラ54の電位の平均値VAVGを−90Vに維持した状態で、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位を最高値VMAX:+870V、最小値VMIN:−730Vとし、画像形成時におけるトナーの供給電界強度を大きくする。
これにより、供給回収領域88において、より多くの荷電粒子をトナーから分離させてキャリアに付着させることができ、トナー帯電量が減少傾向である場合にキャリアの帯電性を高めることができ、キャリアの荷電性を安定化させることができる。なお、トナー帯電量が減少傾向である場合に、交流ピーク間電圧VP−Pのみを大きくしてトナーの供給電界強度を大きくするようにしてもよいが、図8に示すように、交流ピーク間電圧VP−Pを大きくしてトナーの供給電界強度を大きくするとともに、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位の平均値VAVGが維持されるように直流電圧VDC1を変更することで、搬送ローラ54から現像ローラ48へのトナー供給量を維持することができ、トナー供給量が多くなって画像メモリが生じることがなく、良好な画像品質を確保することができる。
図9は、トナー帯電量が減少傾向にある場合に変更される搬送ローラと現像ローラに供給される電圧の別の波形を示す図であり、図9の(a)は、搬送ローラと現像ローラに印加される電圧を示し、図9の(b)は、現像ローラを基準とした搬送ローラの電位を示している。
トナー帯電量が減少傾向である場合に、図8に示す搬送ローラと現像ローラに供給される電圧に代え、図9(a)に示すように、現像ローラ48に印加する交流電圧VACの交流ピーク間電圧VP−Pを1600Vに変更するとともに、交流電圧デューティ比を45%、すなわち、マイナスデューティ比:45%、プラスデューティ比:55%に変更し、現像ローラ48に印加する直流電圧VDC1を−240Vに変更し、現像ローラ48に印加する交流電圧VACの交流ピーク間電圧VP−Pを大きくするとともに、交流電圧デューティ比を大きくし、現像ローラ48に印加する直流電圧VDC1を小さくすることも可能である。
かかる場合においても、図9(b)に示すように、現像ローラ48を基準とした搬送ローラ54の電位の平均値VAVG:−90Vを維持した状態で、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位を最高値VMAX:+790V、最小値VMIN:−810Vとし、トナーの供給電界強度を大きくすることができる。これにより、供給回収領域88において、より多くの荷電粒子をトナーから分離させてキャリアに付着させることができ、トナー帯電量が減少傾向である場合にキャリアの帯電性を高めることができ、キャリアの荷電性を安定化させることができる。
このように、トナー帯電量が減少傾向である場合に、交流ピーク間電圧VP−Pを大きくしてトナーの供給電界強度を大きくするとともに、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位の平均値VAVGが維持されるように交流電圧デューティ比及び直流電圧VDC1を変更することで、トナー供給量を維持することができ、トナー供給量が多くなって画像メモリが生じることがなく、良好な画像品質を確保することができる。
本実施形態に係る画像形成装置1では、トナー帯電量が減少傾向である場合に、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される振動電界の交流ピーク間電圧VP−Pを大きくすることを含み、交流ピーク間電圧VP−P、交流電圧デューティ比及び直流電圧VDC1のうちの少なくとも1つを変更するように第1の電界形成手段の作動を制御することで、キャリアの帯電性を高めることができ、キャリアの荷電性を安定化させることができる。また、交流ピーク間電圧VP−Pを大きくするように変更する際に、交流ピーク間電圧VP−P、交流電圧デューティ比及び直流電圧VDC1を、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位の平均値VAVGが維持されるように変更することで、トナー供給量を維持することができ、良好な画像品質を確保することができる。
前述した実施形態では、トナー帯電量が減少傾向である場合、感光体12の非画像形成時に、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される電界の交流ピーク間電圧VP−Pを大きくするように第1の電界形成手段の作動を制御し、その条件にて画像形成が行われるが、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される電界の交流ピーク間電圧VP−Pを大きくするように第1の電界形成手段の作動を制御するとともに、現像ローラ48から感光体12へ現像ローラ48に保持しているトナーを移動させるように第2の電界形成手段の作動を制御し、感光体12の非画像形成時に所定時間、現像を行うようにしてもよい。
トナー帯電量が減少傾向である場合に、図8(a)に示すように、現像ローラ48に印加する交流電圧VACの交流ピーク間電圧VP−Pを1600Vに変更するとともに、現像ローラ48に印加する直流電圧VDC1を−320Vに変更し、交流ピーク間電圧VP−Pを大きくするとともに直流電圧VDC1を大きくし、図8(b)に示すように、現像ローラ48を基準とした搬送ローラ54の電位の平均値VAVGを−90Vに維持した状態で、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位を最高値VMAX:+870V、最小値VMIN:−730Vとし、トナーの供給電界強度を大きくし、さらに感光体12の電位を静電潜像画像部VH:−50Vに設定し、現像ローラ48から感光体12へ現像ローラ48に保持しているトナーを移動させるように第2の電界形成手段の作動を制御し、例えば3分間などの所定時間、現像を行うようにしてもよい。
なお、感光体12を静電潜像画像部の電位に設定して現像を行う際には、転写装置36に印加される印加電圧の極性が反転され、感光体12に担持されたトナーは、転写装置36によって用紙38に転写されることなくクリーニング装置40まで搬送され、クリーニング装置40によって回収される。そして、所定時間の現像後には、図6(a)に示す搬送ローラ54と現像ローラ48に印加される電圧の設定値に戻される。
このように、トナー帯電量が減少傾向である場合に、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される振動電界の交流ピーク間電圧VP−Pを大きくするように第1の電界形成手段の作動を制御するとともに、現像ローラ48から感光体12へ現像ローラ48に保持しているトナーの表面に保持された荷電粒子を移動させるように第2の電界形成手段の作動を制御して、感光体12の非画像形成時に所定時間、現像を行うことで、非画像形成時に、供給回収領域88において、より多くの荷電粒子をトナーから分離させてキャリアに付着させることができ、トナー帯電量が減少傾向である場合にキャリアの帯電性を高めることができ、キャリアの荷電性を安定化させることができる。
一方、図10は、トナー帯電量が増加傾向である場合におけるトナー帯電量の推移を示すグラフである。図10では、印字枚数を横軸にとり、トナー帯電量を縦軸にとって表示している。なお、図10では、所定の印字枚数をP1、P2として示し、濃度減少や画像メモリが生じ得るトナー帯電量の下限値をQLとして示している。
図10に示すように、所定印字枚数毎に検出されたトナー帯電量が増加傾向を示す場合、すなわち、印字枚数P2におけるトナー帯電量Q2と印字枚数P1におけるトナー帯電量Q1とのトナー帯電量の差(Q2−Q1)が正である場合、画像形成装置1では、制御ユニット21によって、少なくとも交流ピーク間電圧VP−Pを変更することを含み、交流ピーク間電圧VP−P、交流電圧デューティ比及び直流電圧VDC1のうちの少なくとも1つを変更するように第1の電界形成手段の作動が制御される。
図11は、トナー帯電量が増加傾向にある場合に変更される搬送ローラと現像ローラに供給される電圧の波形の一例を示す図であり、図11の(a)は、搬送ローラと現像ローラに印加される電圧を示し、図11の(b)は、現像ローラを基準として搬送ローラの電位を示している。
画像形成装置1では、トナー帯電量が増加傾向である場合には、少なくとも交流ピーク間電圧VP−Pを小さくするように第1の電界形成手段の作動が制御される。図11(a)に示すように、現像ローラ48に印加する交流電圧VACの交流ピーク間電圧VP−Pを1200Vに変更するとともに、現像ローラ48に印加する直流電圧VDC1を−280Vに変更し、交流ピーク間電圧VP−Pを小さくするとともに直流電圧VDC1を小さくして、図11(b)に示すように、現像ローラ48を基準とした搬送ローラ54の電位の平均値VAVGを−90Vに維持した状態で、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位を最高値VMAX:+630V、最小値VMIN:−570Vとし、画像形成時におけるトナーの供給電界強度を小さくする。
これにより、供給回収領域88において、トナーから分離させる荷電粒子を少なくしキャリアに付着させる荷電粒子を少なくすることができ、トナー帯電量が増加傾向である場合にキャリアの帯電性を減少させることができ、キャリアの荷電性を安定化させることができる。なお、トナー帯電量が増加傾向である場合に、交流ピーク間電圧VP−Pのみを小さくしてトナーの供給電界強度を小さくするようにしてもよいが、図11に示すように、交流ピーク間電圧VP−Pを小さくしてトナーの供給電界強度を小さくするとともに、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位の平均値VAVGが維持されるように直流電圧VDC1を変更することで、搬送ローラ54から現像ローラ48へのトナー供給量を維持することができ、トナー供給量が少なくなって濃度不足が生じることがなく、良好な画像品質を確保することができる。
図12は、トナー帯電量が増加傾向にある場合に変更される搬送ローラと現像ローラに供給される電圧の別の波形を示す図であり、図12の(a)は、搬送ローラと現像ローラに印加される電圧を示し、図12の(b)は、現像ローラを基準とした搬送ローラの電位を示している。
トナー帯電量が増加傾向である場合に、図11に示す搬送ローラと現像ローラに供給される電圧に代え、図12(a)に示すように、現像ローラ48に印加する交流電圧VACの交流ピーク間電圧VP−Pを1200Vに変更するとともに、交流電圧デューティ比を35%、すなわち、マイナスデューティ比:35%、プラスデューティ比:65%に変更し、現像ローラ48に印加する直流電圧VDC1を−340Vに変更し、現像ローラ48に印加する交流電圧VACの交流ピーク間電圧VP−Pを小さくするとともに、交流電圧デューティ比を小さくし、現像ローラ48に印加する直流電圧VDC1を大きくすることも可能である。
かかる場合においても、図12(b)に示すように、現像ローラ48を基準とした搬送ローラ54の電位の平均値VAVG:−90Vを維持した状態で、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位を最高値VMAX:+690V、最小値VMIN:−510Vとし、トナーの供給電界強度を小さくすることができる。これにより、供給回収領域88において、トナーから分離させる荷電粒子を少なくしキャリアに付着させる荷電粒子を少なくすることができ、トナー帯電量が増加傾向である場合にキャリアの帯電性を減少させることができ、キャリアの荷電性を安定化させることができる。
このように、トナー帯電量が増加傾向である場合に、交流ピーク間電圧VP−Pを小さくしてトナーの供給電界強度を小さくするとともに、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位の平均値VAVGが維持されるように交流電圧デューティ比及び直流電圧VDC1を変更することで、トナー供給量を維持することができ、トナー供給量が少なくなって濃度不足が生じることがなく、良好な画像品質を確保することができる。
本実施形態に係る画像形成装置1では、トナー帯電量が増加傾向である場合に、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される振動電界の交流ピーク間電圧VP−Pを小さくすることを含み、交流ピーク間電圧VP−P、交流電圧デューティ比及び直流電圧VDC1のうちの少なくとも1つを変更するように第1の電界形成手段の作動を制御することで、キャリアの帯電性を減少させることができ、キャリアの荷電性を安定化させることができる。また、交流ピーク間電圧VP−Pを小さくするように変更する際に、交流ピーク間電圧VP−P、交流電圧デューティ比及び直流電圧VDC1を、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位の平均値VAVGが維持されるように変更することで、トナー供給量を維持することができ、良好な画像品質を確保することができる。
前述した実施形態では、トナー帯電量が増加傾向である場合、感光体12の非画像形成時に、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される電界の交流ピーク間電圧VP−Pを小さくするように第1の電界形成手段の作動を制御し、その条件にて画像形成が行われるが、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される電界の交流ピーク間電圧VP−Pを小さくするように第1の電界形成手段の作動を制御するとともに、現像ローラ48から感光体12へ現像ローラ48に保持しているトナーの表面に保持された荷電粒子を移動させるように第2の電界形成手段の作動を制御し、感光体12の非画像形成時に所定時間、現像を行うようにしてもよい。
トナー帯電量が増加傾向である場合に、図11(a)に示すように、現像ローラ48に印加する交流電圧VACの交流ピーク間電圧VP−Pを1200Vに変更するとともに、現像ローラ48に印加する直流電圧VDC1を−280Vに変更し、交流ピーク間電圧VP−Pを小さくするとともに直流電圧VDC1を小さくし、図11(b)に示すように、現像ローラ48を基準とした搬送ローラ54の電位の平均値VAVGを−90Vに維持した状態で、現像ローラ48に対する搬送ローラ54の電位を最高値VMAX:+630V、最小値VMIN:−570Vとし、トナーの供給電界強度を小さくし、さらに感光体12の電位を静電潜像非画像部VL:−450Vに設定し、現像ローラ48から感光体12へ現像ローラ48に保持しているトナーの表面に保持された荷電粒子を移動させるように第2の電界形成手段の作動を制御し、例えば3分間などの所定時間、現像を行うようにしてもよい。
なお、感光体12を静電潜像非画像部の電位に設定して現像を行う際には、現像ローラ48から感光体12へ移動した荷電粒子は、転写装置36によって用紙38に転写されることなくクリーニング装置40まで搬送され、クリーニング装置40によって回収される。そして、所定時間の現像後には、図6(a)に示す搬送ローラ54と現像ローラ48に印加される電圧の設定値に戻される。
このように、トナー帯電量が増加傾向である場合に、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される振動電界の交流ピーク間電圧VP−Pを小さくするように第1の電界形成手段の作動を制御するとともに、現像ローラ48から感光体12へ現像ローラ48に保持しているトナーの表面に保持された荷電粒子を移動させるように第2の電界形成手段の作動を制御して、感光体12の非画像形成時に所定時間、現像を行うことで、非画像形成時に、供給回収領域88において、トナーから分離させる荷電粒子を少なくしキャリアに付着させる荷電粒子を少なくすることができ、トナー帯電量が増加傾向である場合にキャリアの帯電性を減少させることができ、キャリアの荷電性を安定化させることができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態では、所定印字枚数毎に検出されるトナー帯電量に基づいて、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される振動電界の交流ピーク間電圧、交流電圧デューティ比及び直流電圧のうちの少なくとも1つを変更するように第1の電界形成手段の作動を制御することにより、トナー帯電量の変化に応じて荷電粒子のキャリアへの移行量を制御してキャリアの荷電性を安定化させることができ、長期に亘ってかぶり等の画像ノイズのない良好な画像を得ることが可能である。印字比率の変更が頻繁に行われる場合や現像剤の製造時のバラツキが大きい場合においても、トナー帯電量を安定させることができ、前記効果を得ることができる。
本実施形態では、トナー帯電量を検出するトナー帯電量検出手段としての光式トナー濃度センサ17及び表面電位センサ19が、感光体12に設けられているが、現像ローラ48に、トナー帯電量を検出するトナー帯電量検出手段としての光式トナー濃度センサ及び表面電位センサを設け、現像ローラ48上のトナー帯電量に基づいて、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される振動電界の交流ピーク間電圧、交流電圧デューティ比及び直流電圧のうちの少なくとも1つを変更するように第1の電界形成手段の作動を制御するようにしてもよい。
また、本実施形態では、現像ローラ48に対向する感光体12上に形成された静電潜像が現像されて形成されたトナー画像を用紙38に転写するようにしているが、感光体12上の静電潜像が現像されて形成されたトナー画像を中間転写ベルトなどの中間転写体(不図示)に転写し、該中間転写体に転写されたトナー画像を用紙に転写するようにしてもよく、かかる場合には、トナー帯電量を検出するための光式トナー濃度センサ及び表面電位センサは、現像ローラ、感光体又は前記中間転写体に設けられる。
前記中間転写体を備えた画像形成装置1においても、所定印字枚数毎に検出されるトナー帯電量に基づいて、搬送ローラ54と現像ローラ48との間に形成される振動電界の交流ピーク間電圧、交流電圧デューティ比及び直流電圧のうちの少なくとも1つを変更するように前記第1の電界形成手段の作動を制御することで、トナー帯電量の変化に応じて荷電粒子のキャリアへの移行量を制御してキャリアの荷電性を安定化させることができ、長期に亘ってかぶり等の画像ノイズのない良好な画像を得ることが可能である。
以上のように、本願発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。