JP2010094852A - インクジェット記録方法、インクカートリッジ、並びに記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法、インクカートリッジ、並びに記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】金属箔からなる媒体へ記録した際に、記録皮膜のヒビ割れの発生を抑制し、高品
質の画質を得ることが可能なインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】金属箔からなる媒体に対して、水性インクを付着させて画像を形成するイン
クジェット記録方法であって、前記媒体を40℃〜50℃に加熱しながら画像を形成し、
前記媒体に付着させるインク滴量が1ドット当たり4〜25ngであり、前記水性インク
は、顔料と、水溶性樹脂溶剤を3〜11質量%と、水溶性樹脂を0.5〜1.1質量%と
、樹脂エマルジョンを2.1〜4.5質量%と、界面活性剤と、を含む、インクジェット
記録方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及び記録装置に関する。
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインクの小滴を吐出して飛翔させ
、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装
置で高解像度かつ高品位な画像を、高速で印刷可能であるという特徴を有する。
近年、インクジェット記録方法を用いて、非吸水性のメディアに記録を行う技術が提案
されている。例えば、疎水性基体に直接印刷する使用に適したインクジェット用インキ組
成物(特許文献1)や、非多孔質基材上に印刷することのできるポリマーコロイド含有イ
ンクジェットインク(特許文献2)が提案されている。
特開2000−44858号公報 特開2005−220352号公報
しかし、このようなインクを用いて金属箔に下地が露出しない印刷濃度で印刷した場合
、印刷した数分から数時間後に、記録皮膜にヒビ割れが発生してしまうという問題がある

本発明は、金属箔からなる媒体に対する水性インクを用いた高画質記録を可能とするイ
ンクジェット記録方法、インクカートリッジ、及び記録装置を提供することを目的とする
本発明は、(1)金属箔からなる媒体に対して、水性インクを付着させて画像を形成す
るインクジェット記録方法であって、前記媒体を40℃〜50℃に加熱しながら画像を形
成し、前記媒体に付着させるインク滴量が1ドット当たり4〜25ngであり、前記水性
インクは、顔料と、水溶性樹脂溶剤を3〜11質量%と、水溶性樹脂を0.5〜1.1質
量%と、樹脂エマルジョンを2.1〜4.5質量%と、界面活性剤と、を含む、インクジ
ェット記録方法;
(2)顔料と、水溶性樹脂溶剤を3〜11質量%と、水溶性樹脂を0.5〜1.1質量%
と、樹脂エマルジョンを2.1〜4.5質量%と、界面活性剤と、を含む水性インクを備
えた、インクカートリッジ;
(3)前記(2)記載のインクカートリッジを備えた記録装置;を提供する。
本発明のインクジェット記録方法によれば、金属箔からなるような、例えば印刷面を有
する記録媒体へ記録した際に、記録皮膜のヒビ割れの発生を抑制し、高品質の画質を得る
ことができる。
また、高画質が得られるとともに、耐擦性及び印字安定性にも優れる。
次に、本発明の実施の形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するた
めの例示であり、本発明をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要
旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
本発明のインクジェット記録方法は、金属箔からなる媒体に対して、水性インクを付着
させて画像を形成するインクジェット記録方法であって、前記媒体を40℃〜50℃に加
熱しながら画像を形成し、前記媒体に付着させるインク滴量が1ドット当たり4〜25n
gであり、前記水性インクは、顔料と、水溶性樹脂溶剤を3〜11質量%と、水溶性樹脂
を0.5〜1.1質量%と、樹脂エマルジョンを2.1〜4.5質量%と、界面活性剤と
、を含むことを特徴する。
上記インクジェット記録方法によれば、金属箔からなる媒体へ記録した際に、記録皮膜
のヒビ割れの発生を抑制し、高品質の画質を得ることができ、また、耐擦性及び印字安定
性を維持することができる。
上記媒体としては、表面にアルミ箔、銅箔、ステンレス箔等の金属箔からなる層を備え
る記録媒体が挙げられる。
記録時の前記媒体の温度が40℃〜50℃となるように加熱する。
加熱温度を40℃〜50℃とすることにより、目詰まりを防止し印字安定性を維持しつ
つ、記録皮膜のヒビ割れの発生を抑制することができる。
上記媒体に付着させるインク滴量は1ドット当たり4〜25ngである。
このように、インクのドットサイズを好適範囲とすることにより、記録皮膜のヒビ割れ
を有効に抑制し、高品質な画質を得ることができる。
上記インクジェット記録方法においては、印刷物単位面積当りのインク量が5.42m
g/cm未満とすることにより、記録皮膜のヒビ割れを防止することができる。
例えば、180×360dpiを18回重ねて印刷した場合には、印刷面におけるイン
ク滴量1.812mg/cm2がインクのドットサイズ10ngに相当し、インク滴量3
.62mg/cm2がドットサイズ20ngに相当し、インク滴量5.42mg/cm2
ドットサイズ30ngに相当する。
上記インクジェット記録方法においては、記録後に媒体を加熱乾燥させることが好まし
い。好ましい加熱乾燥の条件は、40〜80℃にて1間分以上である。
上記水性インクは、顔料と、水溶性樹脂溶剤を3〜11質量%と、水溶性樹脂を0.5
〜1.1質量%と、樹脂エマルジョンを2.1〜4.5質量%と、界面活性剤と、を含む

本発明のインクカートリッジは、上記水性インクを含む。このようなインクカートリッ
ジを上記インクジェット記録方法に用いれば、金属箔からなる媒体へ記録した際に、記録
皮膜のヒビ割れを抑制し、高品質な画質を得ることができる。
上記顔料としては、公知の無機顔料、有機顔料およびカーボンブラックのいずれも用い
ることができる。これらの中でも、発色が良好であって、比重が小さいために分散時に沈
降しにくい観点から、カーボンブラック、有機顔料が好ましい。
好ましいカーボンブラックの具体例としては、ファーネスブラック、ランプブラック、
アセチレンブラック、もしくはチャンネルブラック等(C.I.ピグメントブラック7)
、また市販品としてNo.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、
No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等
(以上全て商品名、三菱化学株式会社製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、
FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、1
40U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250等(以上全て商品名、デグサ社製
)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、350
0、1255、700等(以上全て商品名、コロンビアカーボン社製)、リガール400
R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、100
0、1100、1300、1400、エルフテックス12等(以上全て商品名、キャボッ
ト社製)が挙げられる。なお、これらは本発明に好適なカーボンブラックの一例の記載で
あり、これらによって本発明が限定されるものではない。これらのカーボンブラックは単
独あるいは二種類以上の混合物として用いてもよい。これらのカーボンブラックの含有量
は、ブラックインク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%、好ましくは1質量%
〜10質量%である。
好ましい有機顔料としては、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジオキ
サジン系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラピリミジン系顔料、アンサンスロン系顔
料、インダンスロン系顔料、フラバンスロン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロ
ール系顔料、ペリノン系顔料、キノフタロン系顔料、アントラキノン系顔料、チオインジ
ゴ系顔料、ベンツイミダゾロン系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料また
はアゾ系顔料等が挙げられる。
水性インク組成物に用いられる有機顔料の具体例としては、下記のものが挙げられる。
シアンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3
、15:3、15:4、15:34、16、22、60等;C.I.バットブルー4、6
0等が挙げられ、好ましくは、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、および6
0からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔
料の含有量は、シアンインク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%程度、好まし
くは1質量%〜10質量%程度である。
マゼンタインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントレッド5、7、
12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123
、168、184、202、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、好まし
くはC.I.ピグメントレッド122、202、209、およびC.I.ピグメントバイ
オレット19からなる群から選択される単独あるいは二種類以上の混合物である。また、
これらの顔料の含有量は、マゼンタインク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%
程度、好ましくは1質量%〜10質量%程度である。
イエローインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、2
、3、12、13、14C、16、17、73、74、75、83、93、95、97、
98、119、110、114、128、129、138、150、151、154、1
55、180、185、等が挙げられ、好ましくはC.I.ピグメントイエロー74、1
09、110、128、138、180、および185からなる群から選択される単独あ
るいは二種類以上の混合物である。また、これらの顔料の含有量は、イエローインク組成
物全量に対して0.5質量%〜20質量%程度、好ましくは1質量%〜10質量%程度で
ある。
オレンジインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ36も
しくは43またはこれらの混合物である。また、これらの顔料の含有量は、オレンジイン
ク組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%程度、好ましくは1質量%〜10質量%
程度である。
グリーンインク組成物に使用される顔料としては、C.I.ピグメントグリーン7もし
くは36またはこれらの混合物である。また、これらの顔料の含有量は、グリーンインク
組成物全量に対して0.5質量%〜20質量%程度、好ましくは1質量%〜10質量%程
度である。
上記の顔料は、水性インク組成物中でより安定的に分散保持されやすくするために、各
種の方法を適用することができる。その方法としては、たとえば、樹脂分散剤を用いて分
散させる方法、界面活性剤を用いて分散させる方法、顔料粒子表面に親水性官能基を化学
的・物理的に導入し、分散および/または溶解可能とする方法等が挙げられる。本実施形
態に係る記録方法に使用される水性インク組成物には、前記のいずれの方法も用いること
ができ、必要に応じて各方法を組み合わせた形態で用いることもできる。本実施形態の水
性インク組成物は、後述の水溶性樹脂を含み、該水溶性樹脂が上記の樹脂分散剤としても
機能するため、樹脂分散剤を用いる方法の説明は省略する。
顔料を分散させるために用いることができる界面活性剤としては、アルカンスルホン酸
塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレン
スルホン酸塩、アシルメチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アルキル硫酸エ
ステル塩、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ア
ルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、モノ
グリセライトリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルピリジウム塩、アル
キルアミノ酸塩、アルキルジメチルベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステル、ソ
ルビタンアルキルエステル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
上記樹脂分散剤または上記界面活性剤の顔料に対する添加量は、顔料1質量%に対して
好ましくは1質量%〜100質量%であり、より好ましくは5質量%〜50質量%である
。この範囲であることにより、顔料の水中への分散安定性が確保できる。
顔料粒子表面に親水性官能基を化学的・物理的に導入し、分散および/または溶解可能
とする方法としては、顔料に親水性官能基として、−OM、−COOM、−CO−、−S
O3M、−SO2NH2、−RSO2M、−PO3HM、−PO3M2、−SO2NHC
OR、−NH3、−NR3(但し、式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム
又は有機アンモニウムを表し、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していて
もよいフェニル基または置換基を有していてもよいナフチル基を表す。)等を導入する方
法が挙げられる。これらの官能基は、顔料粒子表面に直接および/または他の基を介して
グラフトされることによって、物理的および/または化学的に導入される。多価の基とし
ては、炭素数が1〜12のアルキレン基、置換基を有していてもよいフェニレン基又は置
換基を有していてもよいナフチレン基等を挙げることができる。
また、前記の表面処理方法としては、硫黄を含む処理剤によりその顔料粒子表面に−S
O3Mおよび/または−RSO2M(Mは対イオンであって、水素イオン、アルカリ金属
イオン、アンモニウムイオン、又は有機アンモニウムイオンを示す。)が化学結合するよ
うに表面処理されたもの、すなわち、前記顔料が、活性プロトンを持たず、スルホン酸と
の反応性を有せず、顔料が不溶ないしは難溶である溶剤中に、顔料を分散させ、次いでア
ミド硫酸、又は三酸化硫黄と第三アミンとの錯体によりその粒子表面に−SO3Mおよび
/または−RSO2Mが化学結合するように表面処理され、水に分散および/または溶解
が可能なものとされたものであることがより好ましい。
前記官能基またはその塩を顔料粒子の表面に直接または多価の基を介してグラフトさせ
る表面処理手段としては、種々の公知の表面処理手段を適用することができる。例えば、
市販の酸化カーボンブラックにオゾンや次亜塩素酸ソーダ溶液を作用し、カーボンブラッ
クをさらに酸化処理してその表面をより親水化処理する手段(例えば、特開平7−258
578号公報、特開平8−3498号公報、特開平10−120958号公報、特開平1
0−195331号公報、特開平10−237349号公報)、カーボンブラックを3−
アミノ−N−アルキル置換ピリジウムブロマイドで処理する手段(例えば、特開平10−
195360号公報、特開平10−330665号公報)、有機顔料が不溶又は難溶であ
る溶剤中に有機顔料を分散させ、スルホン化剤により顔料粒子表面にスルホン基を導入す
る手段(例えば、特開平8−283596号公報、特開平10−110110号公報、特
開平10−110111号公報)、三酸化硫黄と錯体を形成する塩基性溶剤中に有機顔料
を分散させ、三酸化硫黄を添加することにより有機顔料の表面を処理し、スルホン基又は
スルホンアミノ基を導入する手段(例えば、特開平10−110114号公報)等が挙げ
られるが、用いられる表面処理顔料のための作製手段はこれらの手段に限定されるもので
はない。
一つの顔料粒子にグラフトされる官能基は単一でも複数種であってもよい。グラフトさ
れる官能基の種類及びその程度は、インク中での分散安定性、色濃度、及びインクジェッ
トヘッド前面での乾燥性等を考慮しながら適宜決定されてよい。
顔料を水中に分散させる方法としては、樹脂分散剤については顔料と水と樹脂、界面活
性剤については顔料と水と界面活性剤、表面処理された顔料については該顔料と水、また
各々に必要に応じて水溶性有機溶剤・中和剤等を加えて、ボールミル、サンドミル、アト
ライター、ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホ
モジナイザー、ジェットミル、オングミル等の従来用いられている分散機にて行なうこと
ができる。この場合、顔料の粒径としては、平均粒径で20nm〜500nmの範囲にな
るまで、より好ましくは50nm〜200nmの範囲になるまで分散することが、顔料の
水中での分散安定性を確保する点で好ましい。
上記水溶性樹脂溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリ
ドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ブチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピ
ロリドン等が挙げられる。水溶性樹脂溶剤は水性インクに配合される樹脂エマルジョンお
よび水溶性樹脂の溶解剤として作用する。水溶性樹脂溶剤はインク乾燥時に水性インク組
成物に配合される樹脂エマルジョンおよび水溶性樹脂による皮膜形成を促進して、インク
非吸収性の金属箔媒体上でのインクの固化・定着を促進する作用を有する。水溶性樹脂溶
剤の含有量が3質量%未満であると、印刷物の耐擦性を維持することができず、一方、水
溶性樹脂溶剤の含有量が11質量%を超えると、記録皮膜のヒビ割れが発生する場合があ
る。
水溶性樹脂溶剤を水性インク全量に対して3〜11質量%含むことにより、記録皮膜の
ヒビ割れを防止することができ、また、印刷物の耐擦性を維持することができる。
上記水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリア
クリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共
重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、ス
チレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体
、スチレン−α―メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α―メチルスチレン
−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン
−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロト
ン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等およびこれらの塩が挙げられる。これ
らの中で、特に疎水性官能基を有するモノマーと親水性官能基を持つモノマーとの共重合
体、疎水性官能基と親水性官能基とを併せ持つモノマーからなる重合体が好ましい。共重
合体の形態としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、グラフト共
重合体のいずれの形態でも用いることができる。
上記の塩としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、
プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリ−iso−プロパノールアミン
、アミノメチルプロパノール、モルホリン等の塩基性化合物との塩が挙げられる。これら
塩基性化合物の添加量は、上記水溶性樹脂の中和当量以上であれば特に制限はない。
上記水溶性樹脂の分子量は、重量平均分子量として1,000〜100,000の範囲
であることが好ましく、3,000〜10,000の範囲であることがより好ましい。分
子量が上記範囲であることにより、着色剤の水中での安定的な分散が得られ、また水性イ
ンク組成物に適用した際の粘度制御等がしやすい。また、酸価としては50〜300の範
囲であることが好ましく、70〜150の範囲であることがより好ましい。酸価がこの範
囲であることにより、着色剤粒子の水中での分散性が安定的に確保でき、またこれを用い
た水性インク組成物にて印刷された印刷物の耐水性が良好である。
以上述べた水溶性樹脂としては市販品を用いることもできる。詳しくは、ジョンクリル
67(重量平均分子量:12,500、酸価:213)、ジョンクリル678(重量平均
分子量:8,500、酸価:215)、ジョンクリル586(重量平均分子量:4,60
0、酸価:108)、ジョンクリル611(重量平均分子量:8,100、酸価:53)
、ジョンクリル680(重量平均分子量:4,900、酸価:215)、ジョンクリル6
82(重量平均分子量:1,700、酸価:238)、ジョンクリル683(重量平均分
子量:8,000、酸価:160)、ジョンクリル690(重量平均分子量:16,50
0、酸価:240)(以上商品名、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
水溶性樹脂の機能の1つは、上述した顔料の分散性を高めることである。また、水溶性
樹脂の他の機能の1つとしては、水性インク組成物が媒体に付着したときに、媒体とイン
ク組成物、および/または、インク組成物中の固形分間の密着性を高めつつ、記録皮膜の
ヒビ割れを防止することである。
水溶性樹脂を水性インク全量に対して0.5〜1.1質量%含むことにより、特定の印
刷条件において記録皮膜のヒビ割れの発生を防止することができる。
上記樹脂エマルジョンは、インクが乾燥することによりインクを固化させ、さらにイン
ク固化物を媒体上に強固に定着させてヒビ割れを防止する作用を有する。上記の樹脂エマ
ルジョンを構成する成分としては、例えばポリアクリル酸エステルもしくはその共重合体
、ポリメタクリル酸エステルもしくはその共重合体、ポリアクリロニトリルもしくはその
共重合体、ポリシアノアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン
もしくはそれらの共重合体、石油樹脂、クロマン・インデン樹脂、テルペン樹脂、ポリ酢
酸ビニルもしくはその共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビ
ニルエーテル、ポリ塩化ビニルもしくはその共重合体、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂
、フッ素ゴム、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピロリドンもしくはその共重合体、
ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリブタジエンもしくはその共重合体、
ポリクロロプレン、ポリイソプレン、天然樹脂等が挙げられる。この中で、特に分子構造
中に疎水性部分と親水性部分とを併せ持つものがより好ましい。
上記のような樹脂エマルジョンとしては、公知の材料・方法で得られるものを用いるこ
ともできる。例えば、特公昭62−1426号公報、特開平3−56573号公報、特開
平3−79678号公報、特開平3−160068号公報、特開平4−18462号公報
等に記載のものを用いてもよい。また、市販品を用いることもでき、例えば、マイクロジ
ェルE−1002、マイクロジェルE−5002(以上商品名、日本ペイント株式会社製
)、ボンコート4001、ボンコート5454(以上商品名、大日本インキ化学工業株式
会社製)、SAE1014(商品名、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−20
0(商品名、サイデン化学株式会社製)、ジョンクリル7100、ジョンクリル390、
ジョンクリル711、ジョンクリル511、ジョンクリル7001、ジョンクリル632
、ジョンクリル741、ジョンクリル450、ジョンクリル840、ジョンクリル74J
、ジョンクリルHRC−1645J、ジョンクリル734、ジョンクリル852、ジョン
クリル7600、ジョンクリル775、ジョンクリル537J、ジョンクリル1535、
ジョンクリルPDX−7630A、ジョンクリル352J、ジョンクリル352D、ジョ
ンクリルPDX−7145、ジョンクリル538J、ジョンクリル7640、ジョンクリ
ル7641、ジョンクリル631、ジョンクリル790、ジョンクリル780、ジョンク
リル7610(以上商品名、BASFジャパン株式会社製)等が挙げられる。
上記の樹脂エマルジョンは、以下に示す方法で得られ、そのいずれの方法でもよく、必
要に応じて複数の方法を組み合わせて得てもよい。その方法としては、所望の樹脂エマル
ジョンを構成する成分の単量体中に重合触媒(重合開始剤)と分散剤とを混合して重合(
すなわち乳化重合)する方法、親水性部分を持つ熱可塑性樹脂を水溶性有機溶剤に溶解さ
せその溶液を水中に混合した後に水溶性有機溶剤を蒸留等で除去することで得る方法、熱
可塑性樹脂を非水溶性有機溶剤に溶解させその溶液を分散剤と共に水溶液中に混合して得
る方法等が挙げられる。上記の方法は、用いる熱可塑性樹脂の種類・特性に応じて適宜選
択することができる。樹脂エマルジョンを分散する際に用いることのできる分散剤として
は、特に制限はないが、アニオン性界面活性剤(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム塩、ラウリルリン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフ
ェートアンモニウム塩等)、ノニオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等)を挙げることができ、こ
れらを単独あるいは二種以上を混合して用いることができる。
樹脂エマルジョンをインク全量に対して2.1〜4.5質量%含むことにより、ヒビ割
れの発生を防止しつつ、ヒーター加熱(40〜50℃)による連続印刷で目詰まりが発生
するのを防止することができる。樹脂エマルジョンがインク全量に対して4.5質量%を
超えるとヒーター加熱(40〜50℃)による連続印刷で目詰まりが発生する場合がある
上記界面活性剤としては、シリコン系界面活性剤であるポリシロキサン系化合物等が好
ましく用いられ、例えば、ポリエーテル変性オルガノシロキサン等が挙げられる。より詳
しくは、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−341、BYK−
345、BYK−346、BYK−348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン株式会
社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−35
5A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、K
F−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、KF−6015
、KF−6017(以上商品名、信越化学株式会社製)等が挙げられる。更に、上記界面
活性剤としてはアセチレングリコール系界面活性剤を含有することができる。アセチレン
グリコール系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール104、104E、104H
、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、4
20、440、465、485、SE、SE−F、504、61、DF37、CT111
、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上全て商品名、Air Pro
ducts and Chemicals. Inc.社製)、オルフィンB、Y、P、
A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−
003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF
−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上全て商品名、日信化
学工業株式会社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商
品名、川研ファインケミカル株式会社製)等が挙げられる。
水性インクが界面活性剤を含むことにより、印刷面が金属箔である媒体に記録した際に
、媒体に付着した水性インクが乾燥前に流れてマダラ状になる現象を防止することができ
る。
本発明の記録装置は、上記インクカートリッジを備える。
表1に示す組成により各インク組成物を調製した。表中の数値は質量%を表す。
インク組成物の調製では、顔料を水性インク組成物に添加する際には、あらかじめ顔料
を水溶性樹脂で分散させた。
顔料分散液は、以下のようにして調製した。まず、30%アンモニア水溶液(中和剤)
0.6質量部を溶解させたイオン交換水84.4質量部に、水溶性樹脂としてアクリル酸
−アクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量:25,000、酸化:180)3質量
部を加えて溶解させた。そこに、顔料12質量部を加えてジルコニアビーズによるボール
ミルにて10時間分散処理を行なった。その後、遠心分離機による遠心ろ過を行って粗大
粒子やゴミ等の不純物を除去し、顔料濃度が12質量%となるように調整した。
次にこの顔料分散液と、表1に示す材料を容器中に入れ、マグネチックスターラーにて
2時間撹拌混合した後、孔径5μmのメンブランフィルターにて濾過してゴミや粗大粒子
等の不純物を除去することにより各インク組成物を調製した。なお、水は最終的に表1の
配合となるように添加した。
Figure 2010094852
表1において、着色剤はC.I.ピグメントブルー15:3であり、水溶性樹脂はアク
リル酸−アクリル酸エステル共重合体であり、樹脂エマルジョンはスチレン−アクリル酸
共重合体であり、水溶性樹脂溶剤はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)であり、界面
活性剤はBYK348(ビックケミー・ジャパン社製,シリコン系界面活性剤)である。
〔印刷試験〕
インクジェットプリンタPX−G930(セイコーエプソン(株)社製)の紙送り部に
ヒーターを付加した改造プリンタに、上記の各インク組成物を充填して印刷評価を行った

記録メディアとしては、アルミホイル紙(SツヤPW8E,リンテック社製)を用いた
。印刷パターンはベタパターンとした。
(ヒビ割れ)
印刷後、50℃恒温槽において1分間加熱し、その後室温にて放置して完全乾燥させた
。完全乾燥後の記録メディアのヒビ割れの有無を以下の基準により評価した。
◎:ヒビ割れなし
○:下地が露出するヒビ割れなし
×:下地が露出するヒビ割れあり
(耐擦性)
上記完全乾燥後の記録メディアについて、学振型耐擦性試験機を用いて、荷重500g
として、カナキン布で50回擦り、印刷面の傷の有無を調べた。
◎:印刷面に傷なし
○:下地が露出する傷なし
×:下地が露出する傷あり
(連続印刷安定性)
連続12枚印刷後のノズル目詰まり有無を評価した。
◎:ノズル周辺にインク付着無く、ノズルの目詰まりなし
○:ノズル周辺にインク付着が有るが、ノズル目詰まりなし
×:ノズル目詰まりあり
評価結果を表2〜7に示す。
Figure 2010094852
Figure 2010094852
Figure 2010094852
Figure 2010094852
Figure 2010094852
Figure 2010094852
表2〜7に示すように、実施例においては、記録皮膜のヒビ割れの抑制、耐擦性、及び
連続印刷安定性、を両立することができた。

Claims (3)

  1. 金属箔からなる媒体に対して、水性インクを付着させて画像を形成するインクジェット
    記録方法であって、
    前記媒体を40℃〜50℃に加熱しながら画像を形成し、
    前記媒体に付着させるインク滴量が1ドット当たり4〜25ngであり、
    前記水性インクは、顔料と、水溶性樹脂溶剤を3〜11質量%と、水溶性樹脂を0.5
    〜1.1質量%と、樹脂エマルジョンを2.1〜4.5質量%と、界面活性剤と、を含む
    、インクジェット記録方法。
  2. 顔料と、水溶性樹脂溶剤を3〜11質量%と、水溶性樹脂を0.5〜1.1質量%と、
    樹脂エマルジョンを2.1〜4.5質量%と、界面活性剤と、を含む水性インクを備えた
    、インクカートリッジ。
  3. 請求項2記載のインクカートリッジを備えた記録装置。
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