JP2010016285A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧環境に耐えるブロワーやファンが不要であり、装置を大型化・複雑化することなく、被処理物の冷却速度を向上させることができる熱処理装置を提供する。
【解決手段】熱処理装置1Aは、処理容器2と、両端に開口部を有するヒータ3と、壁面冷却機構10を有する外容器8と、被処理物Wの冷却時に、外容器8の内部のガスが、ヒータ3の開口部3aを経由してヒータ3の周囲を循環するように外容器8の内部に外容器用ガス12を導入する外容器用ガス導入ノズル11と、被処理物Wの冷却時に、処理容器2の内部のガスが、処理容器2の内面に沿った流れを形成するように処理容器2の内部に処理容器用ガス15を導入する処理容器用ガス導入ノズル14と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理物に各種の熱処理を行うための熱処理装置に関し、特に加圧状態で加熱する熱処理装置に関する。
半導体関連部品の製造において、シリコン基板やガラス基板に不純物拡散や熱酸化などの処理を行う工程では熱処理装置が用いられる。このような熱処理装置の中で例えば酸化炉では処理室の雰囲気圧力を高圧にすることによって高い酸化レートを実現するものがある。熱処理装置では、内部に設けられたヒータにより被処理物(ワーク)を所定時間加熱して熱処理を行い、熱処理が完了したら、被処理物を所定の温度まで冷却してから装置内から取り出す。
熱処理装置の冷却手段として、さまざまな提案がなされている。
特許文献1の冷却手段は、真空熱処理炉の冷却に関し、処理室の上下に蓋を設け、冷却時にはその蓋を開け、上から下へ貫通する冷媒ガスの流れを強制的に作り、被処理物に冷媒ガスを直接接触させて冷却するものである。
特許文献2の冷却手段は、高圧熱処理装置に関し、ヒータ容器上部の穴を蓋で開閉できる構成とし、蓋をあけた場合、ヒータ容器内外の温度差により生じる自然対流にてヒータの周囲に循環流を形成し、循環流によって被処理物の冷却を促進するものである。
特許文献3の冷却手段は、高圧熱処理装置に関し、ヒータの内側に配置する処理容器を二重構造とし、二重構造の中間に冷媒を流し、二重構造の処理容器を冷却することにより被処理物を冷却するものである。
特許文献4の冷却手段は、処理容器とこれを囲むヒータとの間をブロワーにて強制換気して処理容器を急速冷却することで、処理容器内の被処理物を冷却するものである。
特許文献5の冷却手段は、加熱コイル列(ヒータ)と加熱壁反応管(処理容器)との間に冷媒ガスを流し、加熱された冷媒ガスを炉外に設けた熱交換器で冷却し、ファンで炉に再循環させるものである。
特許第2656839号公報 特許第3874151号公報 特開2005−235962号公報 特開2006−66590号公報 特開2000−3918号公報
半導体関連ワーク(シリコン基板、液晶・プラズマディスプレイなどのガラス基板、太陽電池用のシリコン基板・ガラス基板)の処理は、処理雰囲気に不純物が含まれた場合、そのデバイス特性に影響を及ぼすため、清浄な雰囲気中での処理が必要となり、このため、被処理物を不純物を含む雰囲気から隔離するために、ヒータと被処理物との間には石英などで構成された処理容器を配置する必要がある。
特許文献1の冷却手段は、冷媒ガスにより被処理物を直接冷却するものであり、被処理物の清浄度を考えると、好ましい冷却手段ではない。
特許文献2の冷却手段は、循環流を自然対流のみで形成するため、冷却速度の向上には限度がある。
特許文献3の冷却手段は、処理容器が二重構造であるため容器構造が複雑となる。また、高圧処理又は真空処理を行う場合、容器の耐圧性を得るため容器の肉厚を厚くするか、あるいは処理容器の内部、二重構造の中間部、処理容器の外部の3層にわたる差圧制御が必要となるなど、ハードウエア面、ソフトウエア面で複雑な構成となる。
特許文献4の冷却手段は、ブロワーにより強制換気を行うものであるが、高圧用(例えば20気圧)の熱処理装置に対しては、高圧環境に耐えるブロワーが存在しないため適用が困難である。
特許文献5の冷却手段は、ファンにより冷媒ガスを再循環させるものであるが、高圧用の熱処理装置に対しては、高圧環境に耐えるファンが存在せず、また外部に熱交換器を追加することにより装置が大型化、複雑化するという問題があり、適用が困難である。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、高圧環境に耐えるブロワーやファンが不要であり、装置を大型化・複雑化することなく、被処理物の冷却速度を向上させることができる熱処理装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の熱処理装置は、以下の技術的手段を採用する。
(1)被処理物を収容する処理容器と、該処理容器を間隔を空けて囲む筒型であり両端に開口部を有するヒータと、該ヒータを間隔を空けて囲み壁面冷却機構を有する外容器と、被処理物の冷却時に、外容器の内部のガスが、ヒータの開口部を経由してヒータの周囲を循環するように外容器の内部に外容器用ガスを導入する外容器用ガス導入ノズルと、被処理物の冷却時に、処理容器の内部のガスが、処理容器の内面に沿った流れを形成するように処理容器の内部に処理容器用ガスを導入する処理容器用ガス導入ノズルと、を備えることを特徴とする。
上記の本発明の構成によれば、外容器に導入される外容器用ガスによりヒータの周囲を循環する循環流が形成され、この循環流は外容器の内壁面と熱交換することで冷却され、この冷却された循環流により処理容器が冷却される。また、処理容器の内部に導入される処理容器用ガスにより処理容器内の循環流が形成され、この循環流が処理容器の内壁面で冷却されて、この冷却されたガスにより被処理物が冷却される。
したがって、本発明によれば、外容器内の循環流によって処理容器を急速冷却し、急速冷却された処理容器で処理容器内のガスを冷却することにより被処理物の冷却を促進できる。
また、処理容器を二重構造とする必要がなく、外部に熱交換器やファンを追加する必要もないので、装置の構成が大型化・複雑化することがない。
(2)また、上記の熱処理装置において、前記外容器用ガス導入ノズルは外容器用ガスを間欠的に導入する。
上記の構成によれば、外容器用ガスを間欠的に導入することで、連続的に導入する場合よりも、外容器用ガスの使用量を節減できる。
(3)また、上記の熱処理装置において、前記処理容器用ガス導入ノズルは処理容器用ガスを間欠的に導入する。
上記の構成によれば、処理容器用ガスを間欠的に導入することで、連続的に導入する場合よりも、処理容器用ガスの使用量を節減できる。
(4)また、上記の熱処理装置において、前記ヒータは前記開口部が上下に設けられており、前記外容器用ガス導入ノズルは、外容器内のガスが、処理容器とヒータとの間を上昇して上側の開口部を通り、ヒータと外容器との間を下降し、再び処理容器とヒータとの間に流入する循環流を形成するように、外容器用ガスの導入位置及び方向が設定されている。
上記の構成によれば、自然対流の方向と循環流の方向が一致するので、循環流を効率よく形成することができる。
(5)また、上記の熱処理装置において、被処理物の冷却時における外容器の内部圧力より高い圧力に加圧された外容器用ガスが収容された外容器用ガスボンベと、被処理物の冷却時における処理容器の内部圧力より高い圧力に加圧された処理容器用ガスが収容された処理容器用ガスボンベとをさらに備え、前記外容器用ガスボンベは加圧された外容器用ガスを前記外容器用ガス導入ノズルに供給し、前記処理容器用ガスボンベは加圧された処理容器用ガスを前記処理容器用ガス導入ノズルに供給する。
上記の構成によれば、外容器用ガス及び処理容器用ガスはボンベから供給されるので、高圧環境に耐えるブロワーを用いることなく、外容器用ガス及び処理容器用ガスを導入することができる。
本発明によれば、高圧環境に耐えるブロワーやファンが不要であり、装置を大型化・複雑化することなく、被処理物の冷却速度を向上させることができる、という優れた効果が得られる。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる熱処理装置1Aの構成を示す図である。熱処理装置1Aは、被処理物W(ワーク)に各種の熱処理(不純物拡散や熱酸化など)を行うための装置であり、図1の構成例では、高圧酸化熱処理炉として構成されている。被処理物Wは、例えば、シリコン基板やガラス基板である。
図1において熱処理装置1Aは、処理容器2と、ヒータ3と、外容器8と、外容器用ガス導入ノズル11と、処理容器用ガス導入ノズル14と、を備える。
処理容器2は、石英ガラスなどの、ヒータ3からの輻射線を透過する材料によって構成されており、内部に被処理物Wを収容できるようになっている。被処理物Wは図示しない保持具によって支持される。例えば、シリコン基板やガラス基板の場合、他数枚が水平姿勢で支持されて、上下方向に間隔を置いた状態で処理容器2の内部に設置される。
処理容器2には図示しない処理用ガス導入機構により処理用ガスが導入されるようになっており、内部圧力の調整及び、内部ガスの排気を行うための排気ライン27が設けられている。処理容器2の内部ガスの排気量は、排気ライン27に設けられた流量調整弁28によって調整される。
ヒータ3は、処理容器2を間隔を空けて囲む筒型(例えば円筒型)であり両端に開口部3a、3bを有する。本実施形態では、ヒータ3は上下に開口部3a、3bを有している。上側の開口部3aは、外容器8に取り付けられた駆動装置6によって上下移動可能に構成されたヒータ蓋5によって開閉できるように構成されている。ただし、ヒータ蓋5の設置は任意であり、無くてもよい。
外容器8は、ヒータ3を間隔を空けて囲む容器であり、壁面冷却機構10を有する。図1では詳細な構造は省略されているが、外容器8は上容器と下容器とからなり、上容器と下容器とが分離することにより処理容器2を出し入れできるようになっている。壁面冷却機構10は、図示例では、内部に冷却水が通る水冷チューブが外容器8の外周に取り付けられた構成であるが、この構成に代えて外容器8の外周に水冷ジャケットを設けた構成としてもよい。
外容器8には図示しない容器用ガス導入機構により容器用ガスが導入されるようになっており、内部圧力の調整及び内部ガスの排気を行うための排気ライン25が設けられている。外容器8の内部ガスの排気量は、排気ライン25に設けられた流量調整弁26によって調整される。
外容器用ガス導入ノズル11は、被処理物Wの冷却時に、外容器8の内部のガスが、ヒータ3の開口部を経由してヒータ3の周囲を循環するように外容器8の内部に外容器用ガス12を導入する。図1の構成例において、外容器用ガス導入ノズル11は、外容器8内のガスが、処理容器2とヒータ3との間を上昇して上側の開口部3aを通り、ヒータ3と外容器8との間を下降し、再び処理容器2とヒータ3との間に流入する循環流を形成するように、外容器用ガス12の導入位置及び方向が設定されている。外容器用ガス12は、例えば、空気である。
図1の構成例において外容器用ガス導入ノズル11は、処理容器2とヒータ3との隙間に外容器用ガス12を上向きに噴出するように配置されているが、上記と同様の循環流を形成できる限り、外容器8とヒータ3との隙間に外容器用ガス12を下向きに噴出するように配置されてもよい。
処理容器用ガス導入ノズル14は、被処理物Wの冷却時に、処理容器2の内部のガスが、処理容器2の内面に沿って流れて循環流を形成するように処理容器2の内部に処理容器用ガス15を導入する。図1の構成例において、処理容器用ガス導入ノズル14は、処理容器用ガス15が処理容器2の内壁面に沿って上向きに噴出されるように配置されている。処理容器用ガス15は、被処理物Wを汚染しないように清浄で、かつ被処理物Wと反応しない、例えば、窒素ガスなどの不活性ガスであるのがよい。
熱処理装置1Aは、さらに、外容器用ガスボンベ17と処理容器用ガスボンベ21とを備える。
外容器用ガスボンベ17には、被処理物Wの冷却時における外容器8の内部圧力より高い圧力に加圧された外容器用ガス12が収容されている。外容器用ガスボンベ17は、ガス配管18を介して、加圧された外容器用ガス12を外容器用ガス導入ノズル11に供給する。ガス配管18には流量調整弁19が設けられ、外容器用ガス12の導入/停止、及び導入量が調整される。
処理容器用ガスボンベ21には、被処理物Wの冷却時における処理容器2の内部圧力より高い圧力に加圧された処理容器用ガス15が収容されている。処理容器用ガスボンベ21は、ガス配管22を介して、加圧された処理容器用ガス15を処理容器用ガス導入ノズル14に供給する。ガス配管22には流量調整弁23が設けられ、処理容器用ガス15の導入/停止、及び導入量が調整される。
次に、上記のように構成された熱処理装置1Aの動作、作用について説明する。
処理容器2に被処理物Wを収容したら、処理容器2内に処理用ガスを供給して圧力を上昇させるとともに、ヒータ3により加熱を開始する。ヒータ3による加熱中は、ヒータ3の上側の開口部3aをヒータ蓋5で塞いでおく。これにより、外容器8内でのガスの対流がほとんど起こらず、放熱量が少ないので速やかに昇温することができる。
また、処理容器2内の加圧と並行して、外容器8内に容器用ガスを供給し、外容器8内を処理容器2内とほぼ同じ圧力まで加圧する。
処理容器2内が所定の温度及び圧力に達したら、これを所定時間保持して被処理物Wに対する熱処理を行う。熱処理する温度及び圧力は、例えば600℃〜1200℃、1気圧〜50気圧である。
熱処理が完了したらヒータ3を切り、外容器8に設けられた壁面冷却機構10に通水する。またヒータ蓋5を上昇させて、上側の開口部3aを開放するとともに、外容器用ガス導入ノズル11により外容器用ガス12を連続的又は間欠的に外容器8内に導入する。すると、外容器8内では、処理容器2とヒータ3との隙間に導入された外容器用ガス12により、ヒータ3と処理容器2との間のガスが上昇し、上側の開口部3aから流出して、ヒータ3と外容器8との間を下降し、ヒータ3の下側の開口部3bから再びヒータ3と処理容器2との間に流入する循環流が生じる。なお、外容器用ガス12の導入と並行して、排気ライン25から外容器8内のガスを排出し、外容器8内の圧力を一定に保持する。
外容器8内の循環流において、ヒータ3と処理容器2との間を上昇するガスは、ヒータ3と処理容器2から熱を吸収することで処理容器2を冷却し、ガス自身は昇温する。また、ヒータ3と外容器8との間を下降するガスは、冷却された外容器8と熱交換することで冷却され、この冷却されたガスが再びヒータ3と処理容器2との間を上昇することで、処理容器2を冷却する。
外容器用ガス12を導入しなくても、外容器8の内壁面は相対的に低温であり、処理容器2の外表面は相対的に高温であるので、上側の開口部3aを開放することで、図1に示した外容器8内の循環流と同じ方向の自然対流が生じるが、本発明では外容器用ガス12を導入することで強制的に循環流を発生させるので、熱交換を促進して処理容器2を急速冷却できる。
外容器8内に形成する循環流の流れ方向が、自然対流の方向と逆方向となるように外容器用ガス12の導入位置及び方向を設定することも可能である。しかし、図1の構成例のように、自然対流の方向と循環流の方向が一致するように外容器用ガス12の導入位置及び方向が設定されるのがよい。この構成により、自然対流に逆らわず、循環流を効率よく形成することができる。
外容器用ガス12の導入と並行して、処理容器用ガス導入ノズル14により、処理容器2の内部のガスが、処理容器2の内面に沿った流れを形成するように処理容器用ガス15を連続的又は間欠的に処理容器2内に導入する。すると、処理容器2の内壁面に沿って流れるガスと、冷却された処理容器2との間で熱交換が行われることで処理容器2内のガス流が冷却され、この冷却されたガスが処理容器2内を循環することで被処理物Wが冷却される。したがって、被処理物Wを急速冷却することができる。なお、処理容器用ガス15の導入と並行して、排気ライン27から処理容器2内のガスを排出し、処理容器2内の圧力を一定に保持する。
このように、本発明の熱処理装置1Aによれば、外容器8内の循環流によって処理容器2を急速冷却し、急速冷却された処理容器2で処理容器2内のガスを冷却することにより被処理物Wの冷却を促進できる。
また、処理容器2を二重構造とする必要がなく、外部に熱交換器やファンを追加する必要もないので、装置の構成が大型化・複雑化することがない。
本発明において、外容器用ガス12の導入は、上述した外容器8内の循環流を形成できる限り、間欠的に行ってもよい。外容器用ガス12を間欠的に導入することで、連続的に導入する場合よりも、外容器用ガス12の使用量を節減できる。
本発明において、処理容器用ガス15の導入は、上述した処理容器2内の循環流を形成できる限り、間欠的に行ってもよい。処理容器用ガス15を間欠的に導入することで、連続的に導入する場合よりも、処理容器用ガス15の使用量を節減できる。
また本発明の構成によれば、外容器用ガス12及び処理容器用ガス15はボンベ17、21から供給されるので、高圧環境に耐えるブロワーを用いることなく、外容器用ガス12及び処理容器用ガス15を導入することができる。
図2は、本発明の第2実施形態にかかる熱処理装置1Bの構成を示す図である。上述した第1実施形態の熱処理装置1Aは、処理容器2を縦向きに配置する縦型炉であったが、第2実施形態の熱処理装置1Bは、処理容器2を横向きに配置する横型炉として構成されている。
第2実施形態において、処理容器2を囲むヒータ3は横向きに配置された筒型(例えば円筒型)であり、左右に開口部3c、3dを有している。処理容器2及びヒータ3を格納する外容器8は横向きに配置された筒型(例えば円筒型)であり、その外周面には壁面冷却機構10が設けられている。熱処理装置1Bは、外容器用ガス導入ノズル11と処理容器用ガス導入ノズル14を備えている。
外容器用ガス導入ノズル11は、被処理物Wの冷却時に、外容器8の内部のガスが、ヒータ3の開口部3c、3dを経由してヒータ3の周囲を循環するように外容器8の内部に外容器用ガス12を導入する。
図2の構成例において、外容器用ガス導入ノズル11は、外容器8内のガスが、処理容器2とヒータ3との間を水平方向(図で右方向)に流れ、一方の開口部3cから流出して、ヒータ3と外容器8との間を水平方向(図で左方向)に流れ、他方の開口部3dから再び処理容器2とヒータ3との間に流れ込む循環流を形成するように、外容器用ガス12の導入位置及び方向が設定されている。
図2の構成例において外容器用ガス導入ノズル11は、処理容器2とヒータ3との隙間に外容器用ガス12を噴出するように配置されているが、上記と同様の循環流を形成できる限り、外容器8とヒータ3との隙間に外容器用ガス12を噴出するように配置されてもよい。
処理容器用ガス導入ノズル14は、被処理物Wの冷却時に、処理容器2の内部のガスが、処理容器2の内面に沿って流れて循環流を形成するように処理容器2の内部に処理容器用ガス15を導入する。
図2の構成例において、処理容器用ガス導入ノズル14は、処理容器用ガス15が処理容器2の内壁面に沿って水平方向に噴出されるように配置されている。
第1実施形態と異なり、本実施形態の熱処理装置1Bにおいてはヒータ蓋5が設けられていないが、熱処理中の外容器8内におけるガスの対流を防止するために、ヒータ3の開口部3c、3dの一方または両方を開閉するヒータ蓋を設けてもよい。
第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同じである。
上記のように構成された第2実施形態の熱処理装置1Bにおいて、被処理物Wの熱処理が完了したら、外容器用ガス導入ノズル11により外容器8内に外容器用ガス12を連続的又は間欠的に供給し、処理容器用ガス導入ノズル14により処理容器2内に処理容器用ガス15を連続的又は間欠的に供給する。
すると、外容器8内において上述した循環流が生じ、この循環流と外容器8との熱交換によって循環流が冷却され、この冷却された循環流と処理容器2との熱交換によって処理容器2が急速冷却される。また、処理容器2の内壁面に沿って流れるガスと、冷却された処理容器2との間で熱交換が行われることで処理容器2内のガス流が冷却され、この冷却されたガスが処理容器2内を循環することで被処理物Wが冷却される。したがって、被処理物Wを急速冷却することができる。
よって、本実施形態によっても、被処理物Wの冷却を促進できる。その他、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明の第1実施形態にかかる熱処理装置の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる熱処理装置の構成を示す図である。
符号の説明
1A、1B 熱処理装置
2 処理容器
3 ヒータ
3a、3b、3c、3d 開口部
5 ヒータ蓋
6 駆動装置
8 外容器
10 壁面冷却機構
11 外容器用ガス導入ノズル
12 外容器用ガス
14 処理容器用ガス導入ノズル
15 処理容器用ガス
17 外容器用ガスボンベ
21 処理容器用ガスボンベ

Claims (5)

  1. 被処理物を収容する処理容器と、
    該処理容器を間隔を空けて囲む筒型であり両端に開口部を有するヒータと、
    該ヒータを間隔を空けて囲み壁面冷却機構を有する外容器と、
    被処理物の冷却時に、外容器の内部のガスが、ヒータの開口部を経由してヒータの周囲を循環するように外容器の内部に外容器用ガスを導入する外容器用ガス導入ノズルと、
    被処理物の冷却時に、処理容器の内部のガスが、処理容器の内面に沿った流れを形成するように処理容器の内部に処理容器用ガスを導入する処理容器用ガス導入ノズルと、を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 前記外容器用ガス導入ノズルは外容器用ガスを間欠的に導入する、請求項1記載の熱処理装置。
  3. 前記処理容器用ガス導入ノズルは処理容器用ガスを間欠的に導入する、請求項1又は2記載の熱処理装置。
  4. 前記ヒータは前記開口部が上下に設けられており、
    前記外容器用ガス導入ノズルは、外容器内のガスが、処理容器とヒータとの間を上昇して上側の開口部を通り、ヒータと外容器との間を下降し、再び処理容器とヒータとの間に流入する循環流を形成するように、外容器用ガスの導入位置及び方向が設定されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱処理装置。
  5. 被処理物の冷却時における外容器の内部圧力より高い圧力に加圧された外容器用ガスが収容された外容器用ガスボンベと、被処理物の冷却時における処理容器の内部圧力より高い圧力に加圧された処理容器用ガスが収容された処理容器用ガスボンベとをさらに備え、
    前記外容器用ガスボンベは加圧された外容器用ガスを前記外容器用ガス導入ノズルに供給し、
    前記処理容器用ガスボンベは加圧された処理容器用ガスを前記処理容器用ガス導入ノズルに供給する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱処理装置。
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