JP2009223011A - トナーの製造方法 - Google Patents

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剛 大津
Takeshi Naka
毅 中
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和幸 恒岡
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敬志 香川
Shinichi Iwata
信一 岩田
Yuichi Mizoo
祐一 溝尾
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Abstract

【課題】回転子内部に冷却用の冷媒流路を具備する大型粉砕機においても、回転子の高速回転に伴う、粉砕室内温度の昇温や冷却効率の低下を低減できるトナーの製造方法を提供することである。
【解決手段】粗粉砕物を粉砕手段によって粉砕し、得られた粉砕物を分級手段によって分級する工程を有するトナーの製造方法において、
該粉砕手段に用いられる粉砕機は、固定子と、中心回転軸に取り付けられた回転子とを有し、
該固定子は該回転子を内包し、該固定子表面と該回転子表面とは、間隙を有するように配置されて粉砕ゾーンを形成しており、
該粉砕ゾーンにおいて、該回転子の回転に伴って被粉砕物が粉砕され、該固定子及び回転子は、複数の凸部と凹部とを有し、
該凹凸が該中心回転軸に対して平行に設けられており、該回転子の冷媒流路に導入された冷媒の温度Trin(℃)が−20.0≦Trin≦20.0であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法、またはトナージェット方式記録法の如き画像形成方法に用いられるトナーを製造する方法に関する。
電子写真法、静電写真法及び静電印刷法の如き画像形成方法では、静電荷像を現像するためのトナーが使用される。トナーを製造する方法の一つに以下の方法がある。
まず、被転写材に定着させるための結着樹脂、トナーとしての色味を出させる各種着色剤、粒子に電荷を付与させるための荷電制御剤を原料とし、更に必要に応じて、例えば、離型剤及び流動性付与剤等の他の添加剤を加えて乾式混合を行う。
しかる後、ロールミル、エクストルーダー等の汎用混練装置にて溶融混練し、冷却固化した後、混練物を各種粉砕装置により微細化し、得られた粗粉砕物を各種風力分級機に導入して分級を行うことにより、トナーとして必要な粒径に揃えられた分級品を得る。
更に、必要に応じて流動化剤や滑剤等を外添し、乾式混合して、画像形成に供するトナーとしている。
また、二成分現像方法に用いるトナーの場合には、各種磁性キャリアと上記トナーとを混ぜ合わせた後、画像形成に供される。
粉砕手段としては各種粉砕装置が用いられるが、特に近年、CO2排出量削減への対応から、装置の省エネルギー化が求められており、電力消費の少ない図6に示すような粉砕機が用いられることが多い。
図6に示す粉砕機では、高速回転する回転子314と、回転子314の周囲に配置されている固定子310との間に形成された粉砕ゾーンに粉体原料を導入することにより被粉砕物を粉砕する。
従って該粉砕機によれば、粉砕の際にジェット気流式粉砕機の様に多量のエアーを必要としない。
そのため電力消費が極めて少なくてすみ、ジェット気流式粉砕機より格段に省エネルギーで微粉砕できる。しかもジェット気流式粉砕機に比べ、過粉砕されることが少ないため微粉の発生が少なく、後工程の分級工程において分級収率を向上させることが可能となる。
またこれらの粉砕機によって粉砕されたトナー微粒子の形状に着目すると、で粉砕されたトナー微粒子は不定形で角張った形状であり、図6に示す粉砕機で粉砕されたトナー粒子は角が取れ、丸みを有する形状であることが知られている。
このため、図6に示す粉砕機で粉砕されたトナー粒子は、ジェット気流式粉砕機で粉砕されたトナー粒子より比表面積が小さくなるため、流動性が良好になり、また空隙が小さくなるため、充填性に優れ、更に外添剤の添加量が少量で済むというメリットがある。
即ち、図6に示す粉砕機によれば、優れた品質のトナーを省エネルギー且つ高収率で生産することができる。
しかしながら、図6に示す粉砕機は、高速回転する回転子314と、回転子314の周囲に配置されている固定子310との間に形成された粉砕ゾーンに粉体原料を導入することにより粉砕するという構成のため、トナー粒子径を決める因子の大部分は、回転子314の回転数と、回転子314と固定子310の最小間隔で決まると考えられる。
そのため、図6に示す粉砕機で、重量平均粒径6μm以下の小粒径のトナー粒子を得ようとすると、回転子314の高速化及び回転子314と固定子310の最小間隔の狭化が必要となる。
しかしながら、回転子314の回転数や、回転子314と固定子310の最小間隔は装置構成上おのずと限界点があり、そのため図6に示す粉砕機において、重量平均粒径6μm以下の小粒径のトナー粒子を得るのは非常に困難であった。
また、回転子314を高速回転させた状態で、単位時間当りの処理量を上げると、粉砕時の摩擦熱等によって被粉砕物の温度や粉砕室内の空気等の温度が上昇し、品質弊害や機内融着を発生させるため、トナー生産性上好ましくない。
対応として、粉砕室内温度上昇による品質弊害や機内融着を防止するために、回転子314と固定子310の最小間隔を広く取ることが上げられるが、単位時間当りの処理量は上げられるものの、所望するトナー粒子径を保持できない。
その結果、次工程の分級工程への負担が大きくなり、トナー生産性上好ましくない。
上述した粉砕室内温度上昇を抑えるために、特許文献1に開示されている粉砕機では、回転子内部に冷媒を循環して、回転子を冷却する内側冷媒循環路が形成されている粉砕機が提案されている(図4及び図7参照)。
図4に示す粉砕機は、回転子614自体が同じ形状のディスク322を複数個組み合わされた一個のユニットとなっている。
該ユニットには、それぞれ、外周部に沿って、該内側冷媒循環路を構成する冷媒貯留部616と、この冷媒貯留部を相互に連通する連通孔とが形成されている。
更に、該冷媒貯留部616を相互に連通する該連通孔が、該ユニットの外周部に沿って複数個設けられており、該ユニットの該冷媒貯留部616の内側には、該冷媒貯留部を該ユニットの外周部のみに限定するための冷媒遮蔽部615が形成されている。
特許文献1によれば回転子614内部に冷媒を循環することによって極めて高い冷却効果を得ることができるとしている。
従って、粉砕時に、被粉砕物が溶融して相互に融着し、或いは回転子614や固定子610が融着して粉砕不能になることや、被粉砕物が熱によって劣化したりすることが防止されるとしている。
更に、熱に弱い粉粒体原料を効率よく微粉砕することができるので、生産性を向上させることができるとしている。
しかしながら、上述した回転子614の構成で装置を大型化すると、回転子614の高速回転域での本体振動値が高く、粉砕機の安定稼動という点で問題がある。
理由として、回転子614の大型化及び高速回転に伴う、該冷媒貯留部616での冷媒の偏りが原因と考えられる。
上述したように回転子614を安定的に高速回転できないと、所望するトナー粒子径を得るためには、単位時間当たりの処理量を下げざるを得ず、トナー生産性という点から満足できるものではない。
また、特許文献1に開示されている粉砕機は、回転子614の凹部及び固定子610の凹部の、少なくとも一方は、被粉砕物の流れを妨げる方向に傾斜させる構成となっている(図5参照)。
図5に示す構成により、粉砕粒子が粉砕室に滞留する時間を長くとれるため、過粉砕を防止できると共に、粒子径を小さくでき、同時に粗大粒子の発生を防止することができるとしている。
これは、回転子614の凹部及び固定子610の凹部の、少なくとも一方が、被粉砕物の流れを妨げる方向に傾斜していることで、被粉砕物の空気流の方向への円滑な移動が妨げられ、被粉体物の流れを妨げるように作用するためである。
しかしながら、上述した回転子614及び固定子610の構成で装置を大型化し、単位時間当たりの処理量を上げていくと、回転子614の高速回転域での粉砕室内における温度上昇が早く、粉砕機の安定稼動という点で問題がある。
理由として、装置の大型化に伴って、回転子614の高速回転域で、被粉体物が粉砕室に滞留する時間を過剰に長くなることが原因と考えられる。
上述した粉砕室内温度の昇温は、トナーの品質弊害や機内融着に直結する。従って、トナーの品質弊害や機内融着を防止するためには、単位時間当りの処理量を下げざるを得ず、こちらもトナー生産性という点から満足できるものではない。
特開2004−42029号公報
本発明の目的は、従来技術の問題点を解消し、回転子内部に冷却用の冷媒流路を具備する大型粉砕機においても、回転子の高速回転に伴う、粉砕室内温度の昇温や本体振動値の増大、及び冷却効率の低下を低減できるトナーの製造方法を提供することである。
本発明者等は、上記した従来技術の課題を解決すべく検討の結果、上述した回転子614の構成で装置を大型化した際発生する高速回転域での本体振動値の増大の原因を、冷媒通水時における冷媒自体の重量変化による偏りにあると考え本発明に至った。
更に、上述した回転子614及び固定子610の構成で装置を大型化した際発生する粉砕室内温度昇温の原因を、被粉体物が粉砕室に滞留する滞留時間の超過にあると考え本発明に至った。
更に、冷却効率低下の原因を、回転子と、粉砕機に具備されたジャケットに流される冷媒の温度と流量の関係にあると考え本発明に至った。
即ち、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粗粉砕し、得られた粗粉砕物を粉砕手段によって粉砕し、得られた粉砕物を分級手段によって分級する工程を少なくとも有するトナーの製造方法において、
該粉砕手段に用いられる粉砕機は、少なくとも粗粉砕物を粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、固定子と、中心回転軸に取り付けられた回転子と、粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口とを有し、
該固定子は該回転子を内包しており、該固定子表面と該回転子表面とは、間隙を有するように該回転子は配置されて粉砕ゾーンを形成しており、
該粉砕ゾーンにおいて、該回転子の回転に伴って被粉砕物が粉砕され、該固定子及び回転子は、複数の凸部と凹部とを有し、
該凹凸が該中心回転軸に対して平行に設けられており、該回転子が、内部に冷却用の冷媒流路を具備し、
該冷媒流路に導入された冷媒の温度Trin(℃)が
−20.0≦Trin≦20.0
であることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
本発明によれば、回転子314内部に冷却用の冷媒流路を具備する大型粉砕機においても、回転子314の高速回転に伴う冷却効率の低下や機内融着を防止し、単位時間当りの処理量を向上させることができる。更には、シャープな粒度分布を有し、丸みを帯びたトナー粒子を、効率良く、安定的に、トナー生産性上良好に得ることができる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明者等は、上記した従来技術の課題を解決すべく検討の結果、大型粉砕機において回転子の高速回転に伴う、粉砕室内温度の昇温、本体振動値の増大の原因を、冷媒通水時における冷媒自体の重量変化による偏りと、回転子内部の冷却面積の不足にあると考えた。
更に、大型粉砕機において回転子の高速回転に伴う、粉砕室内温度昇温の原因を、回転子614内部の冷却面積の不足と同時に、被粉体物が粉砕室に滞留する滞留時間の超過にあると考えた。
つまり、冷媒自体の重量変化による偏りを解消でき、且つ、冷却面積を稼ぐことができる冷媒流路を構成すれば、回転子の高速回転に伴う、粉砕室内温度の昇温や本体振動値を低減でき、高い冷却効率を得ることができると考えた。
更に、該固定子及び回転子表面における、複数の凹凸部の構成を、被粉体物が粉砕室に過度に滞留しないような構成とすれば、回転子の高速回転に伴う、粉砕室内温度の昇温を低減できると考えた。
本発明において上述した目的を達成するために好ましい装置の構成を、図1、図2、図3を用いて説明する。
図1は本発明に使用する粉砕機の回転子及び固定子の概略図の一例を示し、図2及び図3は本発明に使用する回転子の概略的断面図の一例を示す。
本発明の粉砕機は、被粉砕物を粉砕手段内に投入するための粉体投入口311と、固定子310と、少なくとも中心回転軸312に取り付けられた回転子314と、粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口302とを少なくとも有し、
(1)該固定子310は該回転子314を内包しており、
(2)該固定子310表面と該回転子314表面とは、所定の間隙を有するように該回転 子314は配置されて粉砕ゾーンを形成しており、
(3)該粉砕ゾーンにおいて、該回転子314の回転に伴って被粉砕物が粉砕され、
(4)該固定子310表面及び回転子314表面は、いずれも複数の凸部と凹部とを有する粉砕機において、
(5)図1に示す通り、該凹凸部が、該中心回転軸312に対して平行に設けられており 、
(6)図2に示す通り、該回転子314は内部に冷却用の冷媒流路Nを具備する
ことが好ましい。
更に本発明の粉砕機は、図2に示す通り、
(1)該回転子314は、外周面に複数の凹部を有し、
(2)該回転子314は内部に冷却用の冷媒流路Nを具備し、
(3)該回転子314の中心点pから該回転子314の凹部底面rまでを直線で結んだ長 さをDprとし、
(4)該回転子314の中心点pから該冷媒流路の最外殻qまでを直線で結んだ長さをD pqとした場合、
(5)以下の式(1)となるように、冷却用の冷媒流路Nを設ける
ことが好ましい。
式(1) 1.0mm≦Dpr−Dpq≦25.0mm
更に、本発明の回転子314内部における該冷媒流路は、図3に示す通り、
(1)粉体投入口311側或いは、粉体排出口302側の一方向から、中心回転軸312 を介して、冷媒を導入するための冷媒流路L、
(2)該回転子314において外層部へ冷媒を搬送するための冷媒流路M、
(3)該回転子314外層部を中心回転軸312と並行に冷媒を搬送するための冷媒流路 N、
(4)該回転子314外層部から中心回転軸312に向けて冷媒を搬送するための冷媒流 路P、
(5)冷媒導入方向に対して同方向域または逆方向への冷媒を排出するための冷媒流路Q
の構成であることが好ましい。
本発明の回転子314は、図3に示す通り、独立した複数個のディスク322を繋ぎ合せた構成となっている。
つまり本発明の回転子314は、該各ディスク322内において外層部へ冷媒を搬送するための冷媒流路Mを、該ディスク322の枚数に合せて独立して設けている。
更に、該ディスク322の枚数に合せて独立して設けた該冷媒流路Mに、該冷媒流路Lから冷媒を別々に導入することが可能な構成となっている。
更に本発明の回転子314は、該各ディスク322外層部から中心回転軸312に向けて冷媒を搬送するための冷媒流路Pを、該ディスク322の枚数に合せて独立して設けている。
更に、該ディスクの枚数に合せて独立して設けた該冷媒流路Pから、冷媒流路Qに冷媒を別々に戻すことが可能な構成となっている。
本発明者等が検討した結果、上述した構成の回転子314とすることにより、内部に冷却用の冷媒流路を具備する大型粉砕機においても、回転子314の高速回転に伴う、粉砕室内温度の昇温や本体振動値の増大を低減できる。
更に、粉砕室内温度上昇による品質弊害や機内融着を防止することができ、更には、単位時間当りの処理量を向上させることができ、シャープな粒度分布を有するトナー粒子を、効率良く、安定的に、トナー生産性上良好に得ることができる。
尚、本発明の回転子314は、該各ディスク322内において外層部へ冷媒を搬送するための冷媒流路Mは、独立した複数個のディスク322毎に、複数本から構成されることが好ましい。
更に、本発明の回転子314は、該各ディスク322外層部から中心回転軸312に向けて冷媒を搬送するための冷媒流路Pは、独立した複数個のディスク322毎に、複数本から構成されることが好ましい。
更に、本発明の回転子314は、該各ディスク322内において外層部へ冷媒を搬送するための冷媒流路Mにおける流路数と、各ディスク322外層部から中心回転軸312に向けて冷媒を搬送するための冷媒流路Pにおける流路数が、同数であることが好ましい。
更に、上記流路M、及び上記流路Pのサイズは、各々の径と長さを等しくする事で遠心力による抵抗を相殺し、回転子314の回転数に影響されることなく安定した冷媒流量を得ることができる。
尚、上記流路M、及び上記流路Pの加工は、表層から軸中心に向けドリルで掘り込み、後に冷却孔に交わる位置までプラグを挿し熔接にて表層を埋め戻し、後に刃の加工を施す。
更に、本発明者等が検討した結果、図2に示す、
(1)回転子314の中心点pから回転子314の凹部底面rまでを直線で結んだ長さを Dpr、
(2)回転子314の中心点pから該冷媒流路の最外殻qまでを直線で結んだ長さをDp qとした場合、
(3)以下の式(1)となるように、冷却用の冷媒流路を設けることにより、該回転子3 14の高速回転においても、振動値を低減でき、高い冷却効率を得ることができる ことが分かった。
式(1)1.0mm≦Dpr−Dpq≦25.0mm
本発明者等が検討した結果、式(1)において、Dpr−Dpqが1.0mm未満の場合、該回転子314の高速回転に伴う振動値が高くなり、該回転子314の高速回転時の安定運転という点から十分満足できるものではない。
更に、本発明者等が検討した結果、Dpr−Dpqが25.0mmを超える場合、今度は充分な冷却効果が得られないことから、単位時間当りの処理量を向上させることができず、こちらも十分満足できるものではない。
次に本発明のトナーの製造方法に用いる粉砕機による粉砕方法の概略を、図6を用いて説明する。
図6は、本発明に使用する粉砕機を組込んだ粉砕システムの一例を示す。
図6では、横型の一般的な粉砕機の概略断面図を示している。本発明者が検討した結果、縦型の粉砕機と比較して、横型の粉砕機の方が、回転子314内部に冷却用の冷媒流路を具備する構成とした際、振動面において有利であることが分かった。
理由として、回転子314は、内部に冷却用の冷媒流路を具備し、冷媒流路に通水すると、必然的に重量増となる。この増加分が縦型の粉砕機の場合、荷重がどうしても回転子314下部にかかるため、振動面で不利となる。
しかしながら、横型の粉砕機の場合、回転子314の重量が増加しても、この増加分が回転子314左右均等に掛かるため、振動面において有利であると考えている。
図6における粉砕機は、ケーシング313、ケーシング313内にあって冷媒を通水できるジャケット316、ケーシング313内にあって中心回転軸312に取り付けられた回転体からなる表面に多数の溝が設けられている回転子314とから構成されている。
更に図6における粉砕機は、該回転子314の外周に一定間隔を保持して配置されている表面に多数の溝が設けられている固定子310、更に、被処理原料を導入するための粉体投入口311、処理後の粉体を排出するための粉体排出口302とから構成されている。
尚、前述したように、回転子314は独立した複数個のディスク322を繋ぎ合せた構成となっている。
以上のように構成してなる粉砕機では、図6に示した定量供給機315から機械式粉砕機の粉体投入口311へ所定量の粉体原料が投入されると、被粉砕物は、回転子314と固定子310との間隙である粉砕処理室である粉砕ゾーン内に導入される。
そして、該粉砕処理室内で高速回転する表面に多数の溝が設けられている回転子314と、表面に多数の溝が設けられている固定子310との間に発生する衝撃と、この背後に生じる多数の超高速渦流によって瞬間的に粉砕される。
その後、粉体排出口302を通り、排出される。粒子を搬送しているエアー(空気)は粉砕処理室を経由し、補集サイクロン229、バグフィルター222、及び吸引ブロワー224を通って装置システムの系外に排出される。
本発明においては、この様にして、粉体原料の粉砕が行われるため、微粉及び粗粉を増やすことなく所望の粉砕処理を容易に行うことができる。
本発明のトナーの製造方法においては、該凹凸部が、該中心回転軸312に対して平行に設けられていることが好ましい。
該凹凸部を、該中心回転軸312に対して平行に設けることにより、回転子314の高速回転時における粉砕室内温度上昇による品質弊害や機内融着を防止することができる。
これは、該凹凸部を、該中心回転軸312に対して平行に設けることにより、被粉体物が粉砕室に滞留する時間を過度に長くなることを防止できるためである。
また、本発明のトナーの製造方法においては、該凹凸によって形成される歯間距離は1.0以上6.0mm以下であることが好ましく、更には2.0以上5.0mm以下とすることが更に好ましい。
また、該凹凸によって形成される歯間距離が1.0mm未満の場合、単位時間当りの処理量を向上させることが出来ない。更に粉砕されずにショートパスを起こしてしまう可能性も有り、トナー生産性という点から十分満足できるものではない。
また、該凹凸によって形成される歯間距離が6.0mmを超える場合、該回転子314を高速回転させても得られる粒径が大きくなり、所望の小粒径のトナー粒子が得られずトナー品質という点から十分満足できるものではない。
また、本発明のトナーの製造方法においては、該粉砕機内の回転子314表面と固定子310表面との間の最小間隔は0.5乃至10.0mmであることが好ましく、0.5乃至5.0mmとすることが更に好ましい。
該粉砕機内の回転子314と固定子310との間の最小間隔が0.5mm未満の場合、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に過粉砕され、トナーの熱変質や機内融着を起こしやすいのでこちらもトナー生産性という点から十分満足できるものではない。
また、該粉砕機内の回転子314と固定子310との間の最小間隔が10.0mmを超える場合、粉砕されずにショートパスを起こしてしまいトナー生産性という点から十分満足できるものではない。
更に、本発明のトナーの製造方法においては、回転子314の回転周速は30m/sec乃至175m/secとすることが好ましく、更には40m/sec乃至160m/secとすることが好ましい。
本発明者が検討した結果、回転子314の回転周速を30m/sec未満とすると、小粒径のトナーを得るためには単位時間当りの処理量を落とさなければならず、トナー生産性上十分満足できるものではない。
また、回転子314の回転周速を175m/secを超えるものとすると、装置自体の負荷が大きくなるのと同時に、粉砕時に被粉砕物が過粉砕されると同時に、熱による表面変質や機内融着を起こしやすいので、こちらもトナー生産性という点から十分満足できるものではない。
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中の着色剤等を分散させる。該溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。
近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。
更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、粗粉砕工程を経て、微粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。
粗粉砕工程では、通常、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等の粉砕機が使用されるが、本発明のトナーの製造方法においては、微粉砕工程へ供給する粗砕品の粒径を50μm以上300μm以下とすることが好ましい。
微粉砕工程へ供給する粗砕品の粒径が300μmを超えると、微粒子化に対して生産性向上効果がでない場合がある。また、粗砕品の粒径が50μm未満の場合には、粉砕工程以降への影響は少ないが、粗粉砕工程で使用する粉砕機における温度管理が困難となり、トナーの生産上好ましくない。
従って、本発明のトナーの製造方法において、粗粉砕工程で使用する粉砕機は、同軸上に配列した、一次粉砕用の複数の回転打撃子(ハンマー)と粉流を制御する邪魔板を介して、二次粉砕用の少なくとも中心回転軸に取り付けられた凹凸を有する回転体からなる回転子と、該回転子表面と一定間隔を保持して回転子(ローター)の周囲に配置されている凹凸を有する固定子とを具備する2つ以上の粉砕ゾーンを有し、且つ、粉砕ゾーンは1ユニット内に収められ、同一の動力源により、同一回転数で運転される粗粉砕機を用いることがより好ましい。
次いで、粉砕工程では、上述した本発明の粉砕機で微粉砕される。
本発明のトナーの製造方法は、結着樹脂および着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粗粉砕し、得られた粗粉砕物を粉砕手段によって粉砕し、得られた粉砕物を分級手段によって分級する工程を少なくとも有するトナーの製造方法において、
該粉砕手段に用いられる粉砕機は、少なくとも被粉砕物を粉砕手段内に投入するための粉体投入口311と、固定子310と、中心回転軸312に取り付けられた回転子314と、粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口302とを有し、該固定子310は該回転子314を内包しており、該固定子310表面と該回転子表314面とは、所定の間隙を有するように該回転子314が配置されて粉砕ゾーンを形成しており、該粉砕ゾーンにおいて、該回転子314の回転に伴って被粉砕物が粉砕され、該固定子310及び回転子314は、複数の凸部と凹部とを有し、
該凹凸が該中心回転軸に対して平行に設けられており、該回転子314が、内部に冷却用の冷媒流路を具備し、
該冷媒流路に流す冷媒の温度Trin(℃)が
−20.0≦Trin≦20.0
であることを特徴とする。
該冷媒流路に流す冷媒の温度Trin(℃)がTrin>20.0であると、回転子314の温度を低下させることができず、高速回転に伴う粉砕室内温度上昇を低減できず好ましくない。
また、該冷媒流路に流す冷媒の温度Trin(℃)をTrin<−20.0にしようとすると、ハイスペックな冷媒製造装置が必要となり、装置の省エネルギー化の観点から好ましくない。
また、本発明のトナーの製造方法は、該冷媒流路に導入された冷媒温度Trin(℃)と該冷媒流路に排出された冷媒温度Trout(℃)の関係が
5.0≦Trout−Trin≦25.0
であることが好ましい。
該冷媒流路に導入された冷媒温度Trin(℃)と該冷媒流路外部に排出された冷媒温度Trout(℃)の関係は、導入された冷媒が排出されるまでに回転子314から受け取った熱量による変化であると考えられる。つまり、該冷媒流路に導入された冷媒温度Trin(℃)と該冷媒流路外部に排出された冷媒温度Trout(℃)の関係がTrout−Trin>25.0であると、回転子314に過剰な熱がかかっていることを示し、回転子314自身の温度を低下させることができず、好ましくない。
また、該回転子314は高速回転しているため、粉砕室の温度は少なからず上昇している。このため、該冷媒流路に導入された冷媒温度Trin(℃)と該冷媒流路外部に排出された冷媒温度Trout(℃)の関係をTrout−Trin<5とするには該回転子314内部に大量の冷媒を流したり、過度に冷却された除湿気体を装置内に導入したりしなくてはならず、上述のようにハイスペックな冷媒製造装置や冷風装置が必要となるため、装置の省エネルギー化の観点から好ましくない。
更に本発明のトナーの製造方法は、該粉砕機が、固定子の外周に冷却用のジャケット316を具備しており、該ジャケット316内に導入された冷却用冷媒温度Tjin(℃)が
−10.0≦Tjin≦10
であることが好ましい。
該ジャケット316内に導入された冷却用冷媒温度Tjin(℃)がTjin>10.0であると、ジャケット316内の冷媒温度が高すぎて、冷却能を持たせることができず、粉砕室の温度上昇を防ぐことができないので好ましくない。また、Tjin<−10.0であると、粉砕されたトナー微粒子の形状が不定形で角張った形状となるため、トナーの品質上好ましくない。
更に本発明のトナーの製造方法は該ジャケット316内に導入された冷媒温度Tjin(℃)と該ジャケット316外部に排出された冷媒温度Tjout(℃)の関係が
1.0≦Tjout−Tjin≦10.0
であることが好ましい。
該ジャケット316内に導入された冷媒温度Tjin(℃)と該ジャケット316外部に排出された冷媒温度Tjout(℃)の関係は、該ジャケット316内に導入された冷媒が、該回転子314の高速回転により温度上昇した粉砕室や固定子310などから受け取った熱量に値するものと考えられる。
このため、該ジャケット316内に導入された冷媒温度Tjin(℃)と該ジャケット316外部に排出された冷媒温度Tjout(℃)の関係がTjout−Tjin>10.0であると、粉砕室や固定子310に過剰な熱がかかっていることを示し、粉砕室の温度上昇を防ぐことができず、好ましくない。
また、上述のように、該回転子314は高速回転しているため、粉砕室の温度は少なからず上昇している。このため、Tjout−Tjin<1.0とするには該ジャケット316内部に大量の冷媒を流したり、粉砕機に過度に冷却された除湿気体を装置内に導入したりしなくてはならず、上述のようにハイスペックな冷媒製造装置や冷風装置が必要となるため、装置の省エネルギー化の観点から好ましくない。
更に本発明のトナーの製造方法は、該回転子314内の冷却用冷媒の流量Ar(m3/min)が
1.0≦Ar≦15.0
であることが好ましく、2.0≦Ar≦12.0であることが更に好ましい。
該回転子314内の冷却用冷媒の流量Ar(m3/min)がAr>15.0であると、該回転子314における高速回転域での本体振動値が高く、粉砕機の安定稼動という点で問題があり、好ましくない。また、該回転子314内の冷却用冷媒の流量Ar(m3/min)がAr<1.0であると回転子314の温度を低下させることができない場合があり、高速回転に伴う粉砕室内温度上昇を低減できず好ましくない。
更に本発明のトナーの製造方法は、該粉砕機に、粗粉砕物とともに装置内へ除湿気体を導入し、該導入された除湿気体の温度Thin(℃)が
−10.0≦Thin≦40.0
であることが好ましく、10.0≦Thin≦30.0であることが更に好ましい。
該粉砕機に、粗粉砕物とともに装置内へ除湿気体を導入することで、粉砕機内の結露が防止される。また、該導入除湿気体の温度Thin(℃)は、Thin>40.0であると、粉砕室の温度が上昇し、冷却効率の低下や機内融着を引き起こしてしまうことがあり、好ましくない。更にThin<−10.0であると、粉砕されたトナー微粒子の形状が不定形で角張った形状となるため、トナーの品質上好ましくない。
更に本発明のトナーの製造方法は、該粉砕機外部に排出された該除湿気体の温度Thout(℃)が
20.0≦Thout<60.0
であることを特徴とする。
該粉砕機外部に排出された該除湿気体の温度Thout(℃)がThout≧60.0であると、粉砕室の温度が上昇していることを示しているので、機内融着を引き起こしてしまうことがあり、好ましくない。また、Thout<20.0であると、粉砕されたトナー微粒子の形状が不定形で角張った形状となるため、トナーの品質上好ましくない。
粉砕工程で所定のトナー粒度まで粉砕した後、分級工程を経てトナー粒子を得る。尚、便宜に応じて、分級工程の前後に表面改質工程を設け、該トナー粒子を表面改質しても構わない。
更に得られたトナー粒子に、必要に応じて無機微粒子等の外添剤を外添することでトナーを得る。
粉砕工程で得られた微粉砕物を、分級工程にて、所望の粒径を有するトナー粒子に分級される。分級機としては、ターボプレックス、TSPセパレータ、TTSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)等がある。
更に必要に応じて、表面改質工程で表面改質=球形化処理を行い、表面改質粒子とすることもできる。表面改質機の一例としては、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製);ノビルタ(ホソカワミクロン社製)等がある。
表面改質後、必要に応じて、粗粒等を篩い分けるために、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ハイボルター(東洋ハイテック社製)等の篩分機を用いても良い。
得られたトナー粒子に、必要に応じて無機微粒子等の外添剤を外添することでトナーを得る。
トナー粒子に外添剤を外添処理する方法としては、トナー粒子と公知の各種外添剤を所定量配合し、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(三井鉱山社製);スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合する。
次に、本発明においてその目的を達成するに好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
本発明に用いられる結着樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でもビニル系樹脂とポリエステル系樹脂が帯電性や定着性でより好ましい。特にポリエステル系樹脂を用いた場合には本装置の導入による効果は大きい。
本発明において、ビニル系モノマーの単重合体または共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を、必要に応じて前述した結着樹脂に混合して用いることができる。
2種以上の樹脂を混合して、結着樹脂として用いる場合、より好ましい形態としては分子量の異なるものを適当な割合で混合するのが好ましい。
結着樹脂のガラス転移温度は好ましくは45乃至80℃、より好ましくは55乃至70℃であり、数平均分子量(Mn)は2,500乃至50,000、重量平均分子量(Mw)は10,000乃至1,000,000であることが好ましい。
結着樹脂としては以下に示すポリエステル樹脂も好ましい。ポリエステル樹脂は、全成分中45乃至55mol%がアルコール成分であり、55乃至45mol%が酸成分である。
ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは90mgKOH/g以下、より好ましくは50mgKOH/g以下であり、OH価は好ましくは50mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下であることが良い。これは、分子鎖の末端基数が増えるとトナーの帯電特性において環境依存性が大きくなる為である。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は好ましくは50乃至75℃、より好ましくは55乃至65℃であることが良い。さらに数平均分子量(Mn)は好ましくは1,500乃至50,000、より好ましくは2,000乃至20,000であり、重量平均分子量(Mw)は好ましくは6,000乃至100,000、より好ましくは10,000乃至90,000であることが良い。
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
具体的には、磁性材料としては、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、
酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。
上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄またはγ−三二酸化鉄の微粉末である。
これらは結着樹脂100質量部に対して、磁性体20乃至150質量部、好ましくは50乃至130質量部、更に好ましくは60乃至120質量部使用するのが良い。
本発明のトナーに使用できる非磁性の着色剤としては、任意の適当な顔料または染料が挙げられる。
例えば顔料として、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルー等がある。
これらは結着樹脂100質量部に対し0.1乃至20質量部、好ましくは1乃至10質量部の添加量が良い。また、同様に染料が用いられ、例えば、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、メチン系染料があり、結着樹脂100質量部に対し0.1乃至20質量部、好ましくは0.3乃至10質量部の添加量が良い。
本発明のトナーは、その帯電性をさらに安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100質量部当り0.5乃至10質量部使用するのが好ましい。
0.5質量部未満となる場合には、十分な帯電特性が得られない場合があり好ましくなく、10質量部を超える場合には、他材料との相溶性が悪化したり、低湿下において帯電過剰になったりする場合があり好ましくない。
荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーを負荷電性に制御する負荷電性制御剤として、例えば有機金属錯体またはキレート化合物が有効である。モノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸の金属錯体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、その無水物、またはそのエステル類、または、ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御する正荷電性制御剤としては、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の4級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのキレート顔料として、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等)、
高級脂肪酸の金属塩として、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキシド等のジオルガノスズオキサイドやジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等のジオルガノスズボレートが挙げられる。
本発明において、必要に応じて一種または二種以上の離型剤を、トナー粒子中に含有させてもかまわない。離型剤としては次のものが挙げられる。
即ち、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また、酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;
カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
更に、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;
ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;
リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;
エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;
ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの)、また、脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;
また、ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物、また、植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
離型剤の量は、結着樹脂100質量部あたり0.1乃至20質量部、好ましくは0.5乃至10質量部が好ましい。
また本発明においては、該離型剤の示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の最大吸熱ピーク温度で規定される融点は、60乃至130℃(より好ましくは80乃至125℃)であることが好ましい。融点が60℃未満の場合は、トナーの粘度が低下し、感光体へのトナー付着が発生しやすくなり、融点が130℃超の場合は、低温定着性が悪化してしまう場合があり好ましくない。
本発明のトナーには、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得る微粉体を流動性向上剤として用いてもかまわない。
例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ等をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施し、疎水化処理したものである。メタノール滴定試験によって測定された疎水化度が30乃至80の範囲の値を示すように処理したものが特に好ましい。
流動化剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。
本発明のトナーには、研摩効果に加え、帯電性付与性及び流動性付与、クリーニング助剤として、上述以外の無機微粉体を添加しても良い。無機微粉体は、トナー粒子に外添することにより、添加前後を比較するとより効果が増加し得るものである。
本発明に用いられる無機微粉体としては、マグネシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、ストロンチウム、セリウム、カルシウム、バリウム等のチタン酸塩及び/またはケイ酸塩が挙げられる。
本発明における無機微粒子は、トナー100質量部に対して、0.1乃至10質量部、好ましくは0.2乃至8質量部用いるのが良い。
次に、以下の実施例中で測定した各種物性データの測定方法に関して以下に説明する。
<重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<微粉量の算出方法>
トナー中の個数基準の微粉量(個数%)は、以下のようにして算出する。
例えば、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は、前記のMultisizer 3の測定を行った後、(1)専用ソフトでグラフ/個数%に設定して測定結果のチャートを個数%表示とし、(2)書式/粒径/粒径統計画面における粒径設定部分の「<」にチェック、その下の粒径入力部に「4」を入力する。そして、(3)分析/個数統計値(算術平均)画面を表示したときの「<4μm」表示部の数値が、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%である。
<ワックスの融点測定>
示差熱分析測定装置(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定する。測定はASTM D3418−82に準じて行う。測定試料2乃至10mgを精秤してアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。
この昇温過程で、温度30乃至200℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。この吸熱メインピークの温度をもってワックスの融点とする。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は5乃至20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。
この昇温過程で、温度40乃至100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発明におけるガラス転移温度Tgとする。
<結着樹脂及の分子量分布の測定>
GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。試料をTHFに溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。試料濃度として0.05乃至0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50乃至200μl注入して測定する。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9×105,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては、103乃至2×106の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組合せるのが良い。例えば、Waters社製のμ−styragel 500,103,104,105の組合せや、昭和電工社製のshodex KA−801,802,803,804,805,806,807の組合せが好ましい。
<樹脂の酸価の測定>
結着樹脂の「酸価」は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
試料1g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価といい、次によって試験を行う。
(1)試薬
(a)溶剤エチルエーテル−エチルアルコール混液(1+1または2+1)またはベンゼン−エチルアルコール混液(1+1または2+1)で、これらの溶液は使用直前にフェノールフタレインを指示薬としてN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和しておく。
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)N/10水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム7.0gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2乃至3日放置後ろ過する。標定はJIS K 8006(試薬の含量試験中滴定に関する基本事項)に準じて行う。
(2)操作 試料1乃至20gを正しくはかりとり、これに溶剤100mlおよび指示薬としてフェノールフタレイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に振る。固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。冷却後これをN/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微紅色が30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3)計算式 つぎの式によって酸価を算出する。
Figure 2009223011
[A:酸価
B:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/10水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)]
<結着樹脂の水酸基価の測定>
結着樹脂の「水酸基価」は以下のように求められる。基本操作は、JIS=K0070に準ずる。
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、操作および計算式によって試験を行う。
(1)試薬
(a)アセチル化試薬 無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる(場合によっては、ピリジンを追加しても良い)。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液 フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95v/v%)100mlに溶かす。
(c)N/2水酸化カリウム−エチルアルコール溶液 水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95v/v%)を加えて1リットルとし、2乃至3日間放置後ろ過する。標定はJIS K 8006によって行う。
(2)操作
試料0.5乃至2.0gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95乃至100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけて温度が上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付根にかぶせる。
1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を完全にするため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬としてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。
尚、本試験と並行して空試験を行う。場合によっては、指示薬としてKOH−THF溶液にしても構わない。
(3)計算式 つぎの式によって水酸基価を算出する。
Figure 2009223011
[A:水酸基価
B:空試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
C:本試験のN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量(ml)
f:N/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクター
S:試料(g)
D:酸価]
<トナーの比表面積BETの測定>
BET比表面積は、比表面積測定装置Tristar3000(島津製作所社製)を用いて行う。
トナーの比表面積は、BET法にしたがって、試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて、比表面積を算出する。比表面積の測定前には、試料管に資料を約2g精秤し、室温で、24時間真空引きを行う。真空引き後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。
BET測定装置のバランスポート及び分析ポートに空のサンプルセルをセットする。次に、所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量及びP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
<トナー中の粗粒の個数の計測>
本発明において粗粒の個数(j)は以下のようにして計測した。トナー粒子0.5gを掃除機で吸引することにより、直径10mmの金属メッシュ(400メッシュ)に通す。このときメッシュ上に残ったトナー粒子を粗粒とし、これをテーピングし、紙に貼り付けたものをキーエンス製マイクロスコープにて拡大し、粗粒の個数(j)を数える。
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(トナーの製造例)
・結着樹脂(ポリエステル樹脂): 100質量部
(Tg60℃、酸価19.5mgKOH/g、水酸基価24.8mgKOH/g、分子量:Mp7200、Mn2900、Mw56500)
・酸化鉄粒子: 90質量部
(平均粒子径0.18μm、795.8kA/m磁場での特性Hc11.2kA/m、σs83.6Am2/kg、σr13.2Am2/kg)
・アゾ系鉄錯体化合物: 2質量部
(保土ヶ谷化学社製、商品名T−77)
・フィッシャートロプシュワックス: 3質量部
(日本精蝋社製、商品名FT−100、融点98℃)
上記の処方の材料を、ヘンシェルミキサーでよく混合した後、温度130℃に設定した2軸混練機にて混練した。得られた混練物を冷却し、粗粉砕装置で粗粉砕し、粗粉砕物を得た。
得られた粗粉砕物を本実施例においては、図3に示す回転子314を設置した粉砕機を用いて粉砕を行い、下記の条件で粉砕を行った。
図3に示す回転子314は、表1に示す通り、外径を750mmとし、全長を440mmとした。尚、ディスク322の段数は2段とした。
また、該回転子314表面及び固定子310表面に波型形状の複数の凸部と凹部を有し、該凹凸によって形成される歯間距離を3mとした。また図1に示す該回転子314と固定子310との間隔を1mmとした。
更に、図3に示す通り回転子314は、内部に冷却用の冷媒流路Nを具備し、該冷媒流路Nはその形状を冷却孔Hとした。更に、該冷却孔Hの外径を10mmとし、該冷却孔の断面積Dを79mm2とした。
また、該冷却孔の本数を75本、該冷媒流路Nの全長を360mmとした。更に冷却孔を等間隔に、一列に配列させた。また、該冷媒流路M及びPの本数を4本とし、系統数をディスク322の段数に合せて2系統とした。
更に、図2に示す該回転子314中心点Pから、該回転子314表面凹部底面rまでの距離であるDprを373mmとし、同じく該回転子314中心点Pから、該冷媒流路Nの最外殻qまでの距離であるDpqを357mmとした。
従って、本実施例におけるDpr−Dpqは16mmとなった。
また粉砕条件として、吸引ブロワーの流量を25m3/minとし、定量供給機315からの被粉砕物の供給量を270kg/hrとした。
更に、該ジャケット316に導入する冷媒温度Tjin(℃)及び該冷媒流路Lに導入する冷媒温度Trin(℃)は該ジャケット316に通す冷媒流量及び該冷媒流路Lに通す冷媒流量Ar(m3/min)により、該導入される除湿気体の温度は除湿気体発生手段319により温度を変化させた。尚、上述した除湿気体温度とは、図6に示す粉体投入口311の口内温度を示し、除湿気体の排出温度とは粉砕時の粉砕室内温度であり、同じく図1に示す粉体排出口302の口内温度を示す。
上述した粉砕機構成及び粉砕条件で被粉砕物を粉砕した後、以下の項目で粉砕機の粉砕状態、トナーの品質を評価した。
(評価−1:本体振動値評価)
回転子314の回転周速10m/secにおける振動値(S−0)を測定する。次に回転周速50m/sec、100m/sec、150m/secにおける各振動値(S−1)を測定する。各回転周速におけるS−1とS−0との振動差を確認し、以下の基準で評価した。
A:25μm未満
B:25μm以上50μm未満
C:50μm以上75μm未満
D:75μm以上100μm未満
E:100μm以上
尚、振動測定は、IMV社製ポータバイブロ(型式VM−3004SI)を用いて行った。
(評価−2:トナーの粒度に対する評価)
粉砕物の所望の重量平均径(D4)を5.5±0.2μmとし、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%を以下の基準で評価した。
A:55個数%未満
B:55個数%以上60個数%未満
C:60個数%以上65個数%未満
D:65個数%以上70個数%未満
E:70個数%以上
(評価−3:トナーの粗粒に対する評価)
得られた粉砕物の粗粒の個数(j)を計測し、下記の基準で判断した。
A:0≦j<50
B:50≦j<100
C:100≦j<150
D:150≦j<200
E:200≦j
(評価−4:トナー粒子の比表面積の測定)
得られた粉砕物を、コアンダ効果を利用した多分割分級機により分級し、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%を25個数%以上、32個数%未満となるようした後、トナーのBET比表面積(BET)を測定し、以下の基準で評価した。
A:BET≦1.05
B:1.05<BET≦1.10
C:1.10<BET≦1.15
D:1.15<BET≦1.20
E:BET>1.20
<実施例1>
本実施例では、回転子314に導入する冷媒温度を−10℃、冷媒流量を10m3/min.とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が15℃となるよう調節した。また、ジャケット316に導入する冷媒温度を0℃とし、その流量を調節することにより、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が5℃となるよう調節した。更に粉砕機に導入する除湿気体の温度を20℃とし、排出温度を40℃となるように調節した。このとき、本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.5μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は54個数%であった。また、粗粒の個数は32個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.04であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例2>
本実施例では、回転子314に導入する冷媒温度を−20℃、冷媒流量を8m3/min.とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が15℃となるよう調節した以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.4μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は57個数%であった。また、粗粒の個数は25個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.08であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例3>
本実施例では、回転子314に導入する冷媒温度を20℃、冷媒流量を12m3/min.とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が15℃となるよう調節した以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.6μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は54個数%であった。また、粗粒の個数は56個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.02であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例4>
本実施例では、回転子314に導入する冷媒温度を−10℃、冷媒流量を15m3/min.とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が5℃となるよう調節した以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.3μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は59個数%であった。また、粗粒の個数は43個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.09であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例5>
本実施例では、回転子314に導入する冷媒温度を−10℃、冷媒流量を5m3/min.とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が25℃となるよう調節した以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.7μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は59個数%であった。また、粗粒の個数は64個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.03であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例6>
本実施例では、回転子314に導入する冷媒温度を−20℃、冷媒流量を1m3/min.とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が20℃となるよう調節した以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価は、回転周速150m/sec.においてBとなった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.4μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は55個数%であった。また、粗粒の個数は114個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.12であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例7>
本実施例では、ジャケット316に導入する冷媒温度を−10℃とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が5℃となるよう冷媒流量を調節した以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.5μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は52個数%であった。また、粗粒の個数は38個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.05であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例8>
本実施例では、ジャケット316に導入する冷媒温度を10℃とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が5℃となるよう冷媒流量を調節した以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.7μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は52個数%であった。また、粗粒の個数は128個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.14であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例9>
本実施例では、ジャケット316に導入する冷媒温度を0℃とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が1℃となるよう冷媒流量を調節した以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.5μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は53個数%であった。また、粗粒の個数は39個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.06であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例10>
本実施例では、ジャケット316に導入する冷媒温度を0℃とし、排出冷媒温度と導入冷媒温度の差が10℃となるよう冷媒流量を調節した以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.7μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は54個数%であった。また、粗粒の個数は107個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.13であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例11>
本実施例では、粉砕機に導入する除湿気体の温度を−10℃とした以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.3μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は58個数%であった。また、粗粒の個数は31個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.06であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例12>
本実施例では、粉砕機に導入する除湿気体の温度を40℃とし、除湿気体の排出温度を55℃とした以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.7μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は55個数%であった。また、粗粒の個数は143個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.15であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例13>
本実施例では、粉砕機に導入する除湿気体の温度を0℃とし、除湿気体の排出温度を20℃とした以外は実施例1と同様に条件を調節した。このときの本体振動値評価はAであった。
得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.3μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は57個数%であった。また、粗粒の個数は42個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.13であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例14>
本実施例では、図3に示す回転子314を以下のように改造した。
・回転子314中心点Pから、回転子314表面凹部底面rまでの距離Dpr=373m m
・回転子314中心点Pから、冷媒流路Nの最外殻qまでの距離Dpq=348mm
・従って、Dpr−Dpq=25mm
上述した粉砕機構成及び実施例1と同じ粉砕条件で被粉砕物を粉砕し、得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.7μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は56個数%であった。また、粗粒の個数は37個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.03であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<実施例15>
本実施例では、図3に示す回転子314を以下のように改造した。
・回転子314中心点Pから、回転子314表面凹部底面rまでの距離Dpr=373m m
・回転子314中心点Pから、冷媒流路Nの最外殻qまでの距離Dpq=370mm
・従って、Dpr−Dpq=3mm
上述した粉砕機構成及び実施例1と同じ粉砕条件で被粉砕物を粉砕し、得られた粗砕物を粉砕したところ、回転子314の回転周速を150m/secとすることで重量平均径(D4)が5.5μmのトナー粒子が得られ、トナー中の4.0μm以下の粒子の個数%は58個数%であった。また、粗粒の個数は92個であった。
更に、得られた粉砕物を分級した後、トナーのBET比表面積(BET)を測定したところ、トナーのBET比表面積は1.10であった。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<比較例1>
実施例1で得られた粗粉砕物を、実施例1と同様に粉砕した。
その際、本比較例においては、図3に示す冷媒流路Lには冷媒を通水しなかった。
上述した粉砕機構成及び実施例1と同じ粉砕条件で被粉砕物を粉砕し、実施例1と同様に粉砕機の粉砕状態を評価した。
本比較例においても実施例と同様、粉砕物の所望の重量平均径が得られる回転周速を確認しようとした。
その結果、回転子314の周速が125m/secを超えたところから、粉砕室内温度が上昇し、融着の恐れがあることから、粉砕を停止した。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
<比較例2>
実施例1で得られた粗粉砕物を、図4に示す粉砕機を用いて粉砕を行った。本比較例においては、図5に示す回転子614及び固定子610を用いて粉砕を行い、下記の条件で粉砕を行った。
図4に示す回転子614は、外径を750mmとし、全長を600mmとした。ディスク322の段数は5段とした。
また、図5に示す回転子614及び固定子610を用いて粉砕を行い、該回転子614と固定子610との間隔を1mmとした。
更に、図4に示す回転子614は、中心回転軸312の外周部に沿って冷媒遮蔽部を形成し、更に該冷媒遮蔽部の外周部に沿って、該回転子614の内側を冷却するための冷媒循環路を構成する冷媒貯留部を形成した。
更に、該冷媒貯留部を相互に連通する連通孔を形成した。
更に、図4に示す回転子614は、該冷媒貯留部に冷媒を、回転子614軸端部の回転体継手より回転軸内部の通冷媒経路を介して端回転子から導入し、逆の端回転子から再び回転軸の通冷媒経路に戻す冷媒循環を設けた。
上述した粉砕機構成及び実施例1と同じ粉砕条件で被粉砕物を粉砕し、実施例1と同様に粉砕機の粉砕状態を評価した。
本比較例においても実施例と同様、粉砕物の所望の重量平均径を得られる回転周速を確認しようとした。
その結果、回転子614の周速が125m/secを超えたところから粉砕室内温度が上昇し、融着の恐れがあることから、粉砕を停止した。以上の条件を表1にまとめ、結果を表2にまとめた。
Figure 2009223011
Figure 2009223011
本発明において使用される一例の回転子及び固定子の概略図である。 本発明において使用される一例の回転子の概略的断面図である。 本発明において使用される一例の回転子の概略的断面図である。 従来の粉砕工程において使用される一例の回転子の概略的断面図である。 従来の粉砕工程において使用される一例の回転子及び固定子の概略図である。 本発明において使用される一例の粉砕機の概略的断面図である。 比較例及び参考例において使用される一例の粉砕機の概略的断面図である。
符号の説明
222 バグフィルター
224 吸引ブロワー
229 捕集サイクロン
240 ホッパー
301 粉砕機
302 粉体排出口
310 固定子
311 粉体投入口
312 中心回転軸
313 ケーシング
314 回転子
315 定量供給機
316 ジャケット
317 冷媒供給口
318 冷媒排出口
319 除湿気体発生装置
320 ブラインチラー
322 ディスク
359 ディストリビュータ
362 バグフィルター
364 吸引ブロワ
369 捕集サイクロン
380 ホッパー
610 固定子
614 回転子
615 冷媒遮蔽部
616 冷媒貯蔵部

Claims (8)

  1. 結着樹脂および着色剤を少なくとも含有する混合物を溶融混練し、得られた混練物を冷却した後、冷却物を粗粉砕し、得られた粗粉砕物を粉砕手段によって粉砕し、得られた粉砕物を分級手段によって分級する工程を少なくとも有するトナーの製造方法において、
    該粉砕手段に用いられる粉砕機は、少なくとも粗粉砕物を粉砕手段内に投入するための粉体投入口と、固定子と、中心回転軸に取り付けられた回転子と、粉砕された粉体を粉砕手段から排出するための粉体排出口とを有し、
    該固定子は該回転子を内包しており、該固定子表面と該回転子表面とは、間隙を有するように該回転子は配置されて粉砕ゾーンを形成しており、
    該粉砕ゾーンにおいて、該回転子の回転に伴って被粉砕物が粉砕され、該固定子及び回転子は、複数の凸部と凹部とを有し、
    該凹凸が該中心回転軸に対して平行に設けられており、該回転子が、内部に冷却用の冷媒流路を具備し、
    該冷媒流路に導入された冷媒の温度Trin(℃)が
    −20.0≦Trin≦20.0
    であることを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 該冷媒流路に導入された冷媒温度Trin(℃)と該冷媒流路外部に排出された冷媒温度Trout(℃)の関係が
    5.0≦Trout−Trin≦25.0
    であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 該粉砕機は、固定子の外周に冷却用のジャケットを具備しており、該ジャケット内に導入された冷却用冷媒温度Tjin(℃)が
    −10.0≦Tjin≦10.0
    であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  4. 該ジャケット内に導入された冷媒温度Tjin(℃)と該ジャケット外部に排出された冷媒温度Tjout(℃)の関係が
    1.0≦Tjout−Tjin≦10.0
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  5. 該回転子内の冷却用冷媒の流量Ar(m3/min)が
    1.0≦Ar≦15.0
    であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  6. 該粉砕機は、粗粉砕物とともに装置内へ除湿気体を導入し、該導入された除湿気体の温度Thin(℃)が
    −10.0≦Thin≦40.0
    であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  7. 該粉砕機外部に排出された該除湿気体の温度Thout(℃)が
    20.0≦Thout<60.0
    であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナーの製造方法。
  8. 該式粉砕機の該冷却用流路を、
    該回転子の中心点pから該回転子の凹部底面rまでを直線で結んだ長さDpr(mm)
    該回転子の中心点pから該冷媒流路の最外殻qまでを直線で結んだ長さDpq(mm)
    とした場合、
    以下の式となるように設けたことを特徴とする請求項1乃至7に記載のトナーの製造方法。
    1.0≦Dpr−Dpq≦25.0
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