JP2009180148A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハウジング3は収容室を有する。ベーンロータ5は、油圧によりハウジング3に対して遅角側または進角側に相対回動するように駆動される。ブッシング10は、有底筒状に形成される。回り止めピン9は、ベーンロータ5とブッシング10との相対回転を規制する。アシストスプリング8は、ブッシング10に収容され、ハウジング3に対しベーンロータ5を進角側または遅角側に付勢する。ブッシング10の底部12は、回り止めピン9を係止する第一凹溝部14と、アシストスプリング8を係止する第二凹溝部17とを有する。第一凹溝部14と第二凹溝部17とは、ブッシング10の軸線と平行な方向に連通する。
【選択図】図1
Description
しかし、バルブタイミング調整装置の小型化に伴い、支持部材が小型化されると、支持部材の孔を焼結の金型で形成することが困難となる。このため、切削加工により支持部材の孔を形成すると、支持部材を製造する工程が増し、製造コストが高くなる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1〜図5に示す。本実施形態のバルブタイミング調整装置1は作動流体として作動油を用いる油圧制御式であり、内燃機関の排気弁について始動時の位相を進角側に制御するバルブタイミングを調整するものである。
まず、バルブタイミング調整装置1の機械的構成を説明する。本実施形態のバルブタイミング調整装置1は、ハウジング3と、ベーンロータ5と、支持部材としてのブッシング10と、付勢手段としてのアシストスプリング8と、規制手段としての回り止めピン9等から構成される。
従動軸としてのカムシャフト2は、チェーンスプロケット32に対し相対回転可能にチェーンスプロケット32に挿入され、チェーンスプロケット32に対し所定の位相差をおいて回転する。チェーンスプロケット32およびカムシャフト2は、図3に示す矢印II方向から見て時計回りに回転する。以下、この回転方向を進角方向とし、反回転方向を遅角方向とする。
シュー37、38、39は周壁36の回転方向に略等間隔に設けられる。シュー37とシュー38との間に収容室41が設けられ、シュー38とシュー39との間に収容室42が設けられ、シュー39とシュー37との間に収容室43が設けられる。
フロントプレート31は、円盤状に形成され、ハウジング3の外側に固定ピン35を設ける。フロントプレート31は、円盤の中心でハウジング3の外側から内側に通じる円孔40を有する。
ベーン56、57、58は、収容室41、42、43内に回転可能に収容される。ベーン56は、収容室41を進角室44と遅角室47とに仕切っている。ベーン57は、収容室42を進角室45と遅角室48とに仕切っている。ベーン58は、収容室43を進角室46と遅角室49とに仕切っている。図3に示す進角方向、遅角方向を表す矢印は、ハウジング3に対するベーンロータ5の進角方向、遅角方向を表している。
筒部11は筒状に形成され、内側にアシストスプリング8を収容する。筒部11は、筒部11の壁面を周方向に所定の範囲で切り欠く切欠部13を有する。切欠部13は、アシストスプリングの一端82を挿通させる。切欠部13の切り欠き範囲は、ベーンロータ5がハウジング3に対し相対回動する角度範囲に対応している。
底部12は、ブッシング10の開口する側に突き出る突出部16を設ける。突出部16は、筒部11の内壁面と径方向に所定の間隔を置いて設けられる。突出部16と筒部11との間にアシストスプリング8のスプリング本体86が収容される。
第二凹溝部17は、突出部16の径方向外側及び座面19側に開口し、径方向内側でボルト孔15と連通する。突出部16は、第二凹溝部17に面する径方向外側で丸みを帯びた案内部18を設ける。案内部18はアシストスプリング8の他端83を第二凹溝部17に案内する。
<内燃機関停止時>
内燃機関停止状態ではストッパピストン71は嵌合リング72に嵌合している。内燃機関を始動した直後の状態では、進角室44、45、46、遅角室47、48、49、油圧室73、74に油圧ポンプから十分に作動油が供給されないので、ストッパピストン71は嵌合リング72に嵌合した状態を維持し、クランクシャフトに対しカムシャフト2は最進角位置に保持されている。これにより、作動油が各油圧室に供給されるまでの間、カムシャフトが受けるトルク変動によりハウジング3とベーンロータ5とが揺動振動して衝突し、打音が発生することを防止する。
内燃機関始動後、油圧ポンプから作動油が十分に供給されると、油圧室73、74に供給される油圧によりストッパピストン71が嵌合リング72から抜け出すので、ハウジング3に対しベーンロータ5は相対回動自在となる。そして、各進角室および各遅角室に加わる油圧を制御することにより、クランクシャフトに対するカムシャフト2の位相差を調整する。
バルブタイミング調整装置1が進角作動するとき、内燃機関の制御装置(ECU)は、切換弁に供給する駆動電流を制御する。切換弁は、油圧ポンプと進角通路64、65、66を接続し、遅角通路61、62、63とオイルパンとを接続する。油圧ポンプから吐出される作動油は、進角通路64、65、66を経由し、進角室44、45、46に供給される。進角室44、45、46の油圧は、ベーン56、57、58に作用し、ベーンロータ5を進角側に付勢するトルクを発生する。このとき、遅角室47、48、49の作動油は、遅角通路61、62、63を経由し、オイルパンに排出される。進角室44、45、46の油圧の発生するトルクと、アシストスプリング8の復元力がベーンロータ5を進角側へ回動させるトルクとの合力により、ベーンロータ5は、ハウジング3に対し進角側に回転する。
バルブタイミング調整装置1が遅角作動するとき、ECUは、切換弁に供給する駆動電流を制御する。切換弁は、油圧ポンプと遅角通路61、62、63を接続し、進角通路64、65、66とオイルパンとを接続する。油圧ポンプから吐出される作動油は、遅角通路61、62、63を経由し、遅角室47、48、49に供給される。遅角室47、48、49の油圧がベーン56、57、58に作用し、ベーンロータ5を遅角側に付勢するトルクを発生する。このとき、進角室44、45、46の作動油は進角通路64、65、66を経由し、オイルパンに排出される。油圧の発生するトルクが、アシストスプリング8の発生するトルクに抗し、ベーンロータ5は、ハウジング3に対し遅角側に回転する。
ベーンロータ5が目標位相に到達すると、ECUは切替弁に供給する駆動電流のデューティ比を制御する。これにより、切替弁は、油圧ポンプと、進角通路64、65、66及び遅角通路61、62、63との接続を遮断し、進角室44、45、46及び遅角室47、48、49からオイルパンに作動油が排出されることを防止する。このため、ベーンロータ5は目標位相に保持される。
また、本実施形態のブッシング10は、第一凹溝部14と第二凹溝部17を一つの工程で形成し、この溝1箇所でアシストスプリング8の回り止めとブッシング10の位置決めを兼ねることができる。これにより、ブッシング10を小型化しても余分な溝を形成する製造工程を増やすことなく、製造コストの増加を抑制することができる。
上記実施形態では、内燃機関の排気弁について始動時の位相を進角側に制御するバルブタイミング調整装置について説明した。これに対し、内燃機関の排気弁について始動時の位相を遅角側に制御するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。また、内燃機関の吸気弁について始動時の位相を遅角側または進角側に制御するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。
このように、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、上記複数の実施形態を組み合わせることに加え、他の種々の実施形態に適用可能である。
Claims (5)
- 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁および前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
前記駆動軸および前記従動軸の一方とともに回転し、回転方向に所定角度範囲で形成される収容室を有するハウジングと、
前記駆動軸および前記従動軸の他方とともに回転し、前記収容室を遅角室および進角室に仕切り、前記遅角室および前記進角室に供給される作動流体の圧力により遅角側または進角側に前記ハウジングに対して相対回動するように駆動されるベーンロータと、
筒状に形成される筒部及び前記筒部の一端を塞ぐ底部からなり、前記ベーンロータの反従動軸側に前記底部を当接し、前記ベーンロータの回動軸と同軸に設けられる支持部材と、
一端が前記ベーンロータに係止され、他端が前記支持部材の前記底部に係止され、前記ベーンロータと前記支持部材との相対回転方向の位置決めをする規制部材と、
前記支持部材の前記筒部の内側に収容され、一端が前記ハウジングに係止され、他端が前記支持部材の前記底部に係止され、前記ハウジングに対し前記ベーンロータを進角側または遅角側に付勢する付勢手段と、
を備え、
前記支持部材は、前記底部の前記ベーンロータ側で前記規制部材の他端を係止する第一凹溝部と、前記底部の前記ベーンロータと反対側で前記付勢手段の他端を係止する第二凹溝部とを有し、
前記支持部材の前記第一凹溝部と前記第二凹溝部とは、前記支持部材の軸線と平行な方向に連通していることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記支持部材は、前記底部の前記ベーンロータ側の面から前記ベーンロータの反対側の面へ通じ、前記ベーンロータと前記従動軸とを結合するボルトが挿入されるボルト孔を有し、
前記支持部材の前記第一凹溝部は、前記ボルト孔と前記支持部材の径方向に連通することを特徴とする請求項1記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記支持部材は、鉄焼結から形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記支持部材の前記底部は、開口方向へ突き出る突出部を有し、
前記支持部材の前記第二凹溝部は、前記突出部に形成され、前記突出部の反従動軸側に開口することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記支持部材の前記筒部は、前記付勢手段の一端を挿通する切欠部を有し、
前記支持部材の前記第二凹溝部は、前記切り欠き部の径方向反対側に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載のバルブタイミング調整装置。
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