JP2009148248A - 低アレルゲン化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複雑な過程を経ずに穀物の低アレルゲン化を達成することのできる低アレルゲン化剤を提供する。炊飯前に炊飯器内の米及び水に混ぜるだけで、アレルゲンが低減化された米飯を炊くことのできる低アレルゲン化剤を提供する。
【解決手段】タンパク質分解酵素を含有することを特徴とする穀物の低アレルゲン化剤、及び低アレルゲン化剤を穀物を水の存在下で加熱する前に添加しそのまま加熱することにより調理することを特徴とする穀物の調理方法。

【選択図】 なし

Description

本発明は、穀物、特に米の低アレルゲン化剤に関する。
食物アレルギーのアレルゲンとしては、鶏卵、牛乳等が古くから知られているが、小麦、米、ソバ、ダイズ等の穀物についても、アレルギー反応を示す患者が増えている。これらのアレルギー疾患の治療には、薬物療法のほか、アレルゲンを含む食物の摂取を避けるように指導する治療が行われている。しかしながら、米、小麦等、日常的に主食として摂取され、様々な加工食品の成分としても用いられている食材については、摂取を避けることは患者及びその家族にとって大きな負担になっている。特に、米は日本人が主食として最も嗜好する食材であるため、これを摂取することのできない苦痛は計り知れないものである。
このため、従来より米を低アレルゲン化するための方法が提案されている。そのような方法としては、例えば、粉質米を塩水溶液で処理することによりアレルゲンタンパク質を除去する方法(特許文献1)、界面活性剤を含むアルカリ性の水溶液に米を低圧下で浸漬し、タンパク質分解酵素を加えて放置後、酸性溶液に浸漬し中和処理を行い、さらに、パーボイル処理を行うことで米の破砕を防ぎ、低アレルゲン米を作成する方法(特許文献2)、米をアルカリ性水溶液に浸漬し減圧下で撹拌しながら放置した後、酸性溶液に浸漬し、その後、流水による洗浄及び乾燥を行い、低アレルゲン米を作成する方法(特許文献3)、米に高圧処理及び中性塩溶液処理を行うことによりアルブミン、グロブリンを選択的に抽出することで低アレルゲン米を製造する方法(特許文献4)、蛋白質含有量が一般米より少ない酒造好適米を精米し、精米により蛋白質を主に取り除いた後、精米により失われた蛋白質以外の栄養成分を添加する方法(特許文献5)などが挙げられる。
特開平5−292904号公報 特開平2−167040号公報 特開平9−224592号公報 特開平9−182565号公報 特開平7−170922号公報
しかしながら、上記従来の米の低アレルゲン化法は、いずれも製造工程が特殊で複雑であり、製造コストも高い。従って、最終的な商品としての低アレルゲン化米は、消費者が毎日摂取するには高価な食品となっていた。また、消費者は低アレルゲン化された米として購入することになるため、自分の好みの米を選択する自由が制限されていた。
本発明の発明者等は、鋭意研究の結果、タンパク質分解酵素を炊飯の過程で作用させた場合、米飯の味を損なうことなく、低アレルゲン化を達成できることを見出した。これにより、炊飯前に炊飯器内の米及び水に混ぜるだけで、アレルゲンが低減化された米飯を炊くことのできる低アレルゲン化剤を提供することを可能にした。これは、複雑な過程を経なければ米の低アレルゲン化を達成できないと考えられていた従来の常識を覆すものである。
さらに、本発明の発明者等は、本発明の低アレルゲン化剤を用いて炊飯された米飯が、免疫寛容誘導効果を有することを見出した。食物アレルギーの治療においては、アナフィラキシーショックのような重篤な症状を示す患者についてはアレルゲンとなる食物の完全除去が行われるが、通常は、医師の管理下でアレルギー症状に対して適切な処置を行いつつアレルゲンとなる食物を少量ずつ摂取させ、免疫寛容を誘導する治療が試みられる。この時、低アレルゲン化され、且つ免疫寛容誘導効果を有する食物を使用することができれば、アレルギー症状を悪化させることなく免疫寛容を誘導することができる。
(1)タンパク質分解酵素を含有することを特徴とする穀物の低アレルゲン化剤。
(2)前記穀物が米である(1)の低アレルゲン化剤。
(3)前記タンパク質分解酵素が、Streptomyces griseus由来の中性プロテアーゼ、Aspergillus oryzae由来の中性プロテアーゼ、Bacillus subtilis由来の酸性プロテアーゼ、Bacillus subtilis由来の中性プロテアーゼ、Bacillus subtilis由来のアルカリ性プロテアーゼ、Bacillus stearothermophilus由来の中性プロテアーゼ、Bacillus stearothermophilus由来の耐熱性エンド型プロテアーゼ、Aspergillus niger由来の酸性プロテアーゼ、Rhizopus nivers由来の酸性プロテアーゼ、Aspergillus saitoi由来の酸性プロテアーゼ、Aspergillus sp.由来の中性プロテアーゼ、Aspergillus sp.由来のアルカリ性プロテアーゼ、Bacillus amyloliquefaciens由来の中性プロテアーゼ、Aspergillus sojea由来の中性プロテアーゼ、Bacillus licheniformis由来のアルカリ性プロテアーゼ、Bacillus clausii由来のアルカリ性プロテアーゼ、Ananas comosus M.由来の中性プロテアーゼ、Aspergillus melleus由来のアルカリ性プロテアーゼ、豚の膵臓由来の中性プロテアーゼ、パパイヤ由来の中性プロテアーゼ、パパイヤラテックス由来の中性プロテアーゼ及びパイナップル由来の中性プロテアーゼからなる群より選択される1種またはそれ以上のタンパク質分解酵素である(1)または(2)の低アレルゲン化剤。
(4)穀物の重量100gに対してタンパク質分解酵素の量として0.0005〜5.0gの量で使用される(1)〜(3)のいずれかの低アレルゲン化剤。
(5)生米の重量100gに対してタンパク質分解酵素の量として0.001〜1.0gの量で使用される(2)〜(4)のいずれかの低アレルゲン化剤。
(6)米の低アレルゲン化剤であって、浸漬開始時から炊飯開始までの間に米を浸漬した水に添加し、そのまま炊飯を行うための(2)〜(5)のいずれかの低アレルゲン化剤。
(7)米の低アレルゲン化剤であって、炊飯開始の2時間前から炊飯開始までの間に米を浸漬した水に添加し、そのまま炊飯を行うための(2)〜(5)のいずれかの低アレルゲン化剤。
(8)低アレルゲン化され、且つ免疫寛容誘導効果を有する米飯の製造のための(2)〜(7)のいずれかの低アレルゲン化剤。
(9)米アレルギーの治療のための(2)〜(8)のいずれかの低アレルゲン化剤。
(10)(1)〜(9)の低アレルゲン化剤を、穀物を水の存在下で加熱する前に添加し、そのまま加熱することにより調理することを特徴とする穀物の調理方法。
(11)(2)〜(9)の低アレルゲン化剤を炊飯前に米と水の混合物に添加し、炊飯することを特徴とする低アレルゲン化米飯の製造方法。
(12)(2)〜(9)の低アレルゲン化剤を、米または米粉を水の存在下で加熱する前に米または米粉と水の混合物に添加し、加熱することを特徴とする米加工食品の製造方法。
本発明により、調理前、例えば炊飯前に、穀物、例えば米に添加するだけで、酵素処理後の反応物を分離する等の操作を行うことなくそのまま調理することによりアレルゲンを低減することのできる低アレルゲン化剤が提供される。この低アレルゲン化剤を米に使用する場合、家庭において炊飯時に米の低アレルゲン化を行うことが可能になり、低アレルゲン化された米飯を従来よりも安価に摂取することができ、また好みのブランド米を選択することも可能になるため、米アレルギー患者の食生活が著しく改善される。
さらに、本発明の低アレルゲン化剤を用いて炊飯された米飯を食することにより、免疫寛容を誘導することができる。これにより、アレルギー症状を抑えつつ、米アレルギー患者の治療を有効に行うことが可能になる。本発明による低アレルゲン化剤によると、米アレルギーの治療を、安全性の確立されたタンパク質分解酵素からなる低アレルゲン化剤の添加により低アレルゲン化された米飯を食することにより行うことができ、本発明の低アレルゲン化剤を用いて炊飯された米飯の食味は通常の米飯と同等以上であるため、患者や家族の負担を伴わずに治療を行うことが可能となる。
本発明の低アレルゲン化剤によりアレルゲンを低減化すべき穀物としては、米、ソバ、ムギ等が挙げられる。米の場合にはジャポニカ米でもインディカ米でもよく、品種を問わない。また、精米度は問わないが、好ましくは白米である。
本発明の低アレルゲン化剤は、特に加熱調理直前、米の場合には炊飯直前に添加することができ、酵素及び分解されたペプチドを分離することなく、そのまま調理することができる。
本発明の低アレルゲン化剤に使用されるタンパク質分解酵素は、例えばStreptomyces griseus由来の中性プロテアーゼ(例えば科研ファルマにより販売されているアクチナーゼAS(登録商標))、Aspergillus oryzae由来の中性プロテアーゼ(例えば天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼA「アマノ」G、ナガセケムテックスにより販売されているデナチームAP、新日本化学工業により販売されているスミチームLP、スミチームFP、スミチームLPL、エイチビィアイにより販売されているオリエンターゼONS、ヤクルト薬品工業により販売されているパンチダーゼ等)、Bacillus subtilis由来の酸性プロテアーゼ(例えばジェネコンコア協和により販売されているプロモッド223LP)、Bacillus subtilis由来の中性プロテアーゼ(例えば天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼN「アマノ」G、大和化成により販売されているプロチンSD−NY−10、プロチンSD−PC−10F、ノボザイムズジャパンにより販売されているニュートラーゼ、エイチビィアイにより販売されているヌクレイシン、オリエンターゼ10NL、オリエンターゼ90N、樋口商会により販売されているCOROLASE N、COROLASE7089、ヤクルト薬品工業により販売されているアロアーゼAP−10、アロアーゼNP−10、アロアーゼNS、エンチロンNBS)、Bacillus subtilis由来のアルカリ性プロテアーゼ(例えばナガセケムテックスにより販売されているビオプラーゼSP−4FG等)、Bacillus stearothermophilus由来の中性プロテアーゼ(例えば天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼS「アマノ」G)、Bacillus stearothermophilus由来の耐熱性エンド型プロテアーゼ(例えば大和化成により販売されているサモアーゼPC10F)、Aspergillus niger由来の酸性プロテアーゼ(例えば天野エンザイムにより販売されているニューラーゼA、新日本化学工業により販売されているスミチームAP、ナガセケムテックスにより販売されているデナプシン2P、エイチビィアイにより販売されているオリエンターゼ20A、ヤクルト薬品工業により販売されているプロテアーゼYP−SS)、Rhizopus nivers由来の酸性プロテアーゼ(例えば天野エンザイムにより販売されているニューラーゼF3G)、Aspergillus saitoi由来の酸性プロテアーゼ(例えばキッコーマンにより販売されているモルシンF)、Aspergillus sp.由来の中性プロテアーゼ(例えばヤクルト薬品工業により販売されているパンチダーゼP)、Aspergillus sp.由来のアルカリ性プロテアーゼ(例えば新日本化学工業により販売されているスミチームMP)、Bacillus amyloliquefaciens由来の中性プロテアーゼ(例えばジェネンコア協和により販売されているプロテックス7L)、Aspergillus sojea由来の中性プロテアーゼ(例えばキッコーマンにより販売されているIP酵素)、Bacillus licheniformis由来のアルカリ性プロテアーゼ(例えば大和化成により販売されているプロチンSD−AC−10F、プロチンSD−AY−10、ジェネンコア協和により販売されているプロテックス6L、ノボザイムズジャパンにより販売されているアルカラーゼ、ノボザイムFM)、Bacillus clausii由来のアルカリ性プロテアーゼ(例えばナガセケムテックスにより販売されているビオブラーゼOP)、Ananas comosus M.由来の中性プロテアーゼ(例えば天野エンザイムにより販売されているブロメラインF)、Aspergillus melleus由来のアルカリ性プロテアーゼ(例えば天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼPアマノ3G)、豚の膵臓由来の中性プロテアーゼ(例えばノボザイムズジャパンにより販売されているPTN、樋口商会により販売されているTrypsin4.0T)、パパイヤ由来の中性プロテアーゼ(例えばナガセケムテックスにより販売されている食品用精製パパイン)、パパイヤラテックス由来の中性プロテアーゼ(例えば天野エンザイムにより販売されているパパインW−40、ジェネンコア協和により販売されているパパイン)及びパイナップル由来の中性プロテアーゼ(例えばジェネンコア協和により販売されているブロメライン)から選択される。

低アレルゲン化剤が米のアレルゲンを低減化するためのものである場合、タンパク質分解酵素は、好ましくは、Streptomyces griseus由来の中性プロテアーゼ(科研ファルマより市販のアクチナーゼAS)、Aspergillus oryzae由来の中性プロテアーゼ(天野エンザイムより市販のプロテアーゼA「アマノ」G、ナガセケムテックスより市販のデナチームAP)、Bacillus subtilis由来の中性プロテアーゼ(天野エンザイムより市販のプロテアーゼN「アマノ」G)、Bacillus subtilis由来のアルカリ性プロテアーゼ(ナガセケムテックスより市販のビオプラーゼSP−4FG)、Bacillus stearothermophilus由来の中性プロテアーゼ(天野エンザイムより市販のプロテアーゼS「アマノ」G)、Aspergillus melleus由来のアルカリ性プロテアーゼ(天野エンザイムより市販のプロテアーゼPアマノ3G)、パパイヤラテックス由来の中性プロテアーゼ(天野エンザイムより市販のパパインW−40)、特に好ましくは、Streptomyces griseus由来の中性プロテアーゼ(科研ファルマより市販のアクチナーゼAS)、Aspergillus oryzae由来の中性プロテアーゼ(ナガセケムテックスより市販のデナチームAP)、Bacillus subtilis由来の中性プロテアーゼ(天野エンザイムより市販のプロテアーゼN「アマノ」G)、Bacillus subtilis由来のアルカリ性プロテアーゼ(ナガセケムテックスより市販のビオプラーゼSP−4FG)、Bacillus stearothermophilus由来の中性プロテアーゼ(天野エンザイムより市販のプロテアーゼS「アマノ」G)、パパイヤラテックス由来の中性プロテアーゼ(天野エンザイムより市販のパパインW−40)から選択される。
これらのタンパク質分解酵素は酵素粉末または酵素液として市販されているものを使用することができる。また、酵素を含む細菌培養抽出物または植物抽出物から遠心分離または濾過により分離された酵素液、またはこれを凍結乾燥等、塩析、乾燥等により粉末化してなる酵素粉末をそのまま利用することができ、前記酵素液をさらにクロマトグラフィー等の慣用の精製手段により精製した酵素精製物を使用することもできる。
本発明の低アレルゲン化剤は、酵素液、酵素粉末または酵素精製物のみを含有していてもよいが、他の成分、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム等の塩類、及び/または賦形剤、希釈剤、滑沢剤、pH調整剤、保存料等の医薬分野で慣用の助剤を含有していてもよい。塩化ナトリウムを含有する場合は、例えば製剤に対して0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%の量で含有する。塩化カリウムを含有する場合は、例えば製剤に対して0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%の量で含有する。
本発明の低アレルゲン化剤が米の低アレルゲン化のためのものである場合、低アレルゲン化剤は、炊飯の開始前、米を研いで又は研がずに、炊飯に必要な量の水に浸漬した後に添加し、そのまま炊飯することができる。添加は、炊飯に必要な量の水に浸漬した後、炊飯を開始するまでの間であればいつでもよく、例えば浸漬開始時〜炊飯開始時まで、通常は炊飯開始の2時間前〜炊飯開始時までである。本発明の低アレルゲン化剤は、通常の炊飯工程により、米を水に浸漬した後、炊飯開始の直前、通常は炊飯開始の1秒前〜10分前、例えば炊飯開始の1分前〜5分前に炊飯器に入れた場合でも、低アレルゲン化され、且つ免疫寛容誘導効果を有する米飯を提供することができる。
本発明の低アレルゲン化剤は、米加工食品の製造において使用することもできる。その場合、当該分野で慣用の米加工食品の製造工程において、米または米粉を水の存在下で加熱する際に、本発明の低アレルゲン化剤を添加することができ、その後、分離することなくそのまま加熱することができる。米加工食品としては、餅;レトルトまたは冷凍米、レトルトまたは冷凍粥、レトルトまたは冷凍チャーハン、レトルトまたは冷凍ピラフ、レトルトまたは冷凍ドリア、レトルトまたは冷凍炊き込みご飯もしくは混ぜご飯、レトルトまたは冷凍リゾット等の米を材料とするレトルト食品または冷凍食品;麺類;ビーフン;煎餅、餅菓子、団子等の米菓等が挙げられる。

本発明の低アレルゲン化剤は、一種類のタンパク質分解酵素を含有していても、二種類以上のタンパク質分解酵素の混合物を含有していてもよい。
本発明の低アレルゲン化剤は、タンパク質分解酵素の量として、穀物、例えば生米の重量100gに対して0.0005〜5.0g、好ましくは0.001〜2.0g、より好ましくは0.01〜2.0g、例えば0.1〜1.0gの量で使用される。米の低アレルゲン化の場合、本発明の低アレルゲン化剤は、より好ましくは生米100gに対してタンパク質分解酵素の重量として0.0005〜2.0g、好ましくは0.001〜1.0g、例えば0.01〜0.1gの量で使用される。そのような範囲の量とすることにより、米飯の味を低下させることなく、低アレルゲン化され且つ免疫寛容誘導効果を有する米飯を提供することができる。
炊飯は、電気炊飯器、ガス炊飯器、鍋等を使用して、通常の炊飯方法により行うことができる。
電気炊飯器の場合、通常の加熱方式の炊飯器であってもよく、IH式の炊飯器であってもよく、加圧式の炊飯器であってもよく、またIH式且つ加圧式の炊飯器であってもよい。
本発明の低アレルゲン化剤は、粉末、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、液剤の形態で製剤化されたものであり得るが、好ましくは粉末、顆粒剤、液剤の形態である。製剤化は、医薬、食品等の分野で周知の製剤技術により行うことができる。
本発明の低アレルゲン化剤が米の低アレルゲン化のためのものである場合、好ましくは、炊飯する米1合(約180g)当たりの使用量、例えばタンパク質分解酵素の量として0.0009〜9.0g、好ましくは0.0018〜1.8g、例えば0.018〜0.18gの量の使用単位で製剤化される。粉末、顆粒剤、液剤の場合は、これらの使用単位毎に、袋状、スティック状等の包装材に包装するのが好ましい。
本発明の低アレルゲン化剤を、米アレルギーの治療に使用する場合、酵素としては、上記の酵素を使用し得るが、好ましくはStreptomyces griseus由来酵素(科研ファルマにより販売されているアクチナーゼAS)、パパイン(天野エンザイムにより販売されているパパインW−40)またはBacillus stearothermophilus由来中性プロテアーゼ(天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼS「アマノ」Gを使用することができる。また、本発明の低アレルゲン化剤による米アレルギーの治療は、本発明の低アレルゲン化剤を添加して炊飯した米飯を一定期間にわたり摂取させることにより行われる。摂取量は医師の指導の下に決定されるのが好ましい。また、治療は、アレルギー症状が現れた場合には摂取を中止し適切な処置を施す等、医師の管理下で行うのが望ましい。
実施例1:
生米を1分間洗米した後、生米重量に対して1.3倍量の水に30分間浸漬した。浸漬終了2分前に、低アレルゲン化剤としてのStreptomyces griseus由来酵素(科研ファルマにより販売されているアクチナーゼAS)を、生米重量の1重量%の量で添加し、約30秒間撹拌して炊飯器(東芝製保温釜RCX−X10A)により炊飯を行った。得られた米飯を試食したところ、味も硬さも良好であった。
得られた米飯100gに、500mlの超純水を加え、室温で2時間撹拌し、9500×g,30分間の遠心分離により沈殿を得た。得られた沈殿に2MのNaClを500ml加え、室温で2時間撹拌し、9500×g,30分間の遠心分離により上清を得た。得られた上清を超純水で透析した後、凍結乾燥して、米グロブリン画分を得た。
実施例2
低アレルゲン化剤としてアクチナーゼASの代わりにBacillus subtilis由来中性プロテアーゼ(天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼN「アマノ」G)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により炊飯を行った。得られた米飯を試食したところ、味も硬さも良好であった。
得られた米飯から、実施例1と同様の方法により米グロブリン画分を得た。
実施例3
低アレルゲン化剤としてアクチナーゼASの代わりにBacillus stearothermophilus由来中性プロテアーゼ(天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼS「アマノ」Gを用いる以外は、実施例1と同様の方法により炊飯を行った。
得られた米飯から、実施例1と同様の方法により米グロブリン画分を得た。
実施例4
低アレルゲン化剤としてアクチナーゼASの代わりにAspergillus oryzae由来中性プロテアーゼ(天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼA「アマノ」G)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により炊飯を行った。得られた米飯を試食したところ、味も硬さも良好であった。
得られた米飯から、実施例1と同様の方法により米グロブリン画分を得た。
実施例5
低アレルゲン化剤としてアクチナーゼASの代わりにAspergillus melleus由来アルカリ性プロテアーゼ(天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼP「アマノ」3G)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により炊飯を行った。得られた米飯を試食したところ、味も硬さも良好であった。

得られた米飯から、実施例1と同様の方法により米グロブリン画分を得た。
実施例6
低アレルゲン化剤としてアクチナーゼASの代わりにパパイン(天野エンザイムにより販売されているパパインW−40)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により炊飯を行った。得られた米飯を試食したところ、味も硬さも良好であった。
得られた米飯から、実施例1と同様の方法により米グロブリン画分を得た。
実施例7
低アレルゲン化剤としてアクチナーゼASの代わりにBacillus subtilis由来アルカリ性プロテアーゼ(ナガセケムテックスにより販売されているビオプラーゼSP−4FG)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により炊飯を行った。得られた米飯を試食したところ、味も硬さも良好であった。
得られた米飯から、実施例1と同様の方法により米グロブリン画分を得た。
実施例8
低アレルゲン化剤としてアクチナーゼASの代わりにAspergillus oryzae由来プロテアーゼ(ナガセケムテックスにより販売されているデナチームAP)を用いる以外は、実施例1と同様の方法により炊飯を行った。得られた米飯を試食したところ、味も硬さも良好であった。
得られた米飯から、実施例1と同様の方法により米グロブリン画分を得た。
試験例1:米グロブリン画分の抽出
実施例1〜8で得られた米グロブリン画分を各々SDSサンプルバッファーに溶解し、100℃で5分間処理した後、SDS−PAGEを行った。SDS−PAGE後のゲルを、タンパク質を染色するCBB染色液で染色した。対照として、低アレルゲン化剤を添加せずに炊飯した米飯のグロブリン画分を用いた。
結果を図1の電気泳動写真に示す。図1中、Mはマーカー、1は対照の米グロブリン画分、2〜9は各々実施例1〜8で得られた米グロブリン画分のバンドパターンを示す。
これより明らかなように、低アレルゲン化剤を添加して炊飯した米のグロブリン画分では、対照の米グロブリン画分と比較してタンパク質が分解された。また、特に主要なアレルゲンとして報告されている約16kDaのタンパク質や、33kDa,26kDa,56kDa、92kDaなどのアレルゲンタンパク質も分解されていることがわかった。
試験例2:ウェスタンブロッティングによる分析
1.ウサギ抗体の作成:
配列表の配列番号1に示す16kDaの米アレルゲンタンパク質のアミノ酸配列の一部のアミノ酸配列Cys Arg Pro Gly Ile Ser Tyr Pro Thr Tyr Ser Leu Pro Gln(配列番号2)からなるペプチドを合成し、抗体作成のための抗原ペプチドとして使用した。このペプチドは、他の植物体のアレルゲンタンパク質のエピトープ配列と類似している点、データベース上に同様のアミノ酸配列を持つタンパク質が存在しない点、ウサギに免疫した時の抗体のできやすさなどを考慮して、抗原ペプチドとして選択された。
ウサギ(日本白色在来種雌、14週齢、3kg)を環境への馴化のために14日間予備飼育し、耳静脈から少量採血し、初採血とした。その後、初回免疫として、フロイント完全アジュバント及び上記抗原ペプチドを含むエマルジョン2.7ml(抗原ペプチドとして200mg/羽)を背部皮下注射した。免疫後7日目に耳静脈から少量採血し、抗体価を測定した。以後、フロイント不完全アジュバントを用いて2週間毎に追加免疫を行い、各免疫後1週間目に耳から少量採血し、抗体価を測定する操作を繰り返した。採血により得られたウサギ血清の米アレルゲンペプチドに対する抗体価はELISAにより測定した。結果を図2のグラフに示す。
グラフより明らかなように、免疫を重ねるごとに抗体価が上昇し、四次免疫ではほぼプラトーに達した。従って、四次免疫を行った10日後にネンブタール麻酔下で全採血を行った。
採血後、得られた血液を4℃で一晩放置し、遠心分離(3,000xrpm,10分間,20℃)後、抗米アレルゲンペプチドウサギ血清を得た。ここで得られた血清を抗米アレルゲンペプチド抗体として米飯のアレルゲン性の評価に用いた。
2.16kDa米アレルゲンタンパク質の抗原性の評価
上記で製造した抗米アレルゲンペプチドウサギ抗体を用いて、ウェスタンブロッティングにより実施例1〜8で得られた米グロブリン画分における16kDa米アレルゲンタンパク質の存在を調べた。
SDS−PAGE後のゲルをセミドライブロッティング装置に載せ、泳動されたタンパク質をPVDF膜に転写した。転写後のPVDF膜を2%BSA溶液でブロッキングし、上記で作成したウサギ抗米アレルゲンペプチド抗体と37℃で1時間インキュベートした。インキュベート後のPVDF膜を二次抗体(ビオチン標識抗ウサギIgG)と37℃で2時間反応させた後、HRP−ストレプトアビジンを室温で20分間反応させ、DABを添加した。
ウェスタンブロッティングの結果を図3の電気泳動写真に示す。図3中、Mはマーカー、1は対照の米グロブリン画分、2〜9は各々実施例1〜8で得た米グロブリン画分のバンドパターンを示す。
本発明の低アレルゲン化剤を添加して炊飯した米のグロブリン画分では、対照の米グロブリン画分と比較して16kDaのタンパク質を示すバンドが薄くなっており、特にレーン2,3,4,7,8,9では著しく薄くなっており、レーン5,6でも薄くなっていた。
試験例3:患者血清を用いた低アレルゲン化の評価
実施例1〜8で得た米グロブリン画分をマイクロプレートに吸着させ、米アレルギー患者の血漿と反応させて、ELISA法によりその反応性を測定した。反応性は、対照の米グロブリン画分の反応性を100として、下記式により計算した。結果を表1に示す。
Figure 2009148248
Figure 2009148248
表1より明らかなように、タンパク質分解酵素を添加して炊飯した米飯から得られた実施例の米グロブリン画分は、殆ど全ての患者の血漿との反応性が対照の米グロブリン画分に比べて低下した。
試験例4:
低アレルゲン化剤の添加量を0.1重量%とすること以外は実施例1,3,8と同様の方法により得た米グロブリン画分をマイクロプレートに吸着させ、米アレルギー患者の血漿と反応させて、ELISA法によりその反応性を測定した。反応性は、試験例3と同様に計算した。結果を表2に示す
Figure 2009148248
試験例5:
生米を1分間洗米した後、生米重量に対して1.3倍量の水に30分間浸漬した。浸漬終了2分前に、低アレルゲン化剤としてのパパイン(天野エンザイムにより販売されているパパインW−40)を、生米重量の0.24重量%の量で添加し、約30秒間撹拌して炊飯器(東芝製保温釜RCX−X10A)により炊飯を行った。得られた米飯を試食したところ、味も硬さも良好であった。

炊飯した米飯をO.T.Cコンパウンドに漬け、液体窒素で凍結し、これを凍結ミクロトーム(LeicaCM1510-11、ライカマイクロシステムズ、東京)で切片厚5μmに切削して米切片を作成した。この米切片中のタンパク質をCBB染色により染色し、顕微鏡観察した。顕微鏡写真を図4に示す。対照としてパパインを添加せずに炊飯した米飯の凍結ミクロトーム切片の顕微鏡写真を図5に示す。
顕微鏡観察の結果、パパインを添加して炊飯した米飯は無添加のものよりも全体的な色が薄くなっていた。
試験例6:
低アレルゲン化剤としてアクチナーゼ(科研ファルマにより販売されているアクチナーゼAS)、プロテアーゼS(天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼS「アマノ」G)、パパイン(天野エンザイムにより販売されているパパインW−40)、ビオプラーゼ(ナガセケムテックスにより販売されているビオプラーゼSP−4FG)、デナチーム(ナガセケムテックスにより販売されているデナチームAP)を、生米の重量に対して0.001重量%、0.010重量%、0.100重量%、1.000重量%の量で用いること以外は、実施例1と同様の方法により得た米グロブリン画分をマイクロプレートに吸着させ、米アレルギー患者の血漿と反応させて、ELISA法によりその反応性を測定した。各低アレルゲン化剤についての添加量とアレルギー患者の血漿との反応性の関係を図6のグラフに示す。
図6のグラフより明らかなように、用いた全ての低アレルゲン化剤について、0.001重量%の添加量でアレルゲン性の低下が認められた。
試験例7:
生米を1分間洗米した後、生米重量に対して1.3倍量の水に30分間浸漬した。浸漬終了2分前に、低アレルゲン化剤として、各々アクチナーゼ(科研ファルマにより販売されているアクチナーゼAS)、プロテアーゼS(天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼS「アマノ」G)、パパイン(天野エンザイムにより販売されているパパインW−40)、ビオプラーゼ(ナガセケムテックスにより販売されているビオプラーゼSP−4FG)、デナチーム(ナガセケムテックスにより販売されているデナチームAP)を生米重量に対して0.001重量%の量で添加し、約30秒間撹拌して炊飯器(東芝製保温釜RCX−X10A)により炊飯を行った。
得られた各々の米飯について、日本穀物検定協会で行われている評価法に準拠して15名のパネラーにより官能試験を行った。評価項目は外観、香り、味、粘り、硬さ、総合の6項目とし、+3〜−3の評定尺度で評価した。結果を図7のグラフに示す。
グラフより明らかなように、本発明の低アレルゲン化剤を添加した試験区は、全ての項目において同等または若干の評価の上昇があった。
試験例8:
Brown Norway rat(SPF、4週齢、雌)20匹を環境への馴化のために、一週間予備飼育を行った。飲料水としては水道水を与え、飼料は自由摂取させた。
予備飼育後、ラットを5群(コントロール群、無添加米群、アクチナーゼ群、パパイン群、プロテアーゼS群)に分け、ネンブタール麻酔下で尾静脈より採血を行った。
採血後、本飼育を行った。本飼育において、コントロール群にはPBS0.4mlを10日間経口胃内投与し、無添加米群には、低アレルゲン化剤を添加しない以外は実施例1と同様の方法により製造した米グロブリン画分70mgをPBS0.4mlに溶解した飼料を、10日間経口胃内投与した。アクチナーゼ群、パパイン群、プロテアーゼS群のラットには、各々アクチナーゼ(科研ファルマにより販売されているアクチナーゼAS)、パパイン(天野エンザイムにより販売されているパパインW−40)、プロテアーゼS(天野エンザイムにより販売されているプロテアーゼS「アマノ」G)を生米に対して1.0重量%の量で添加すること以外は実施例1に記載の方法と同様の方法により製造した米グロブリン画分70mgをPBS0.4 mlに溶解した飼料を、10日間経口胃内投与した。
本飼育12日目に、ネンブタール麻酔下で尾静脈より採血を行った。採血後、各ラットの首背部に、米タンパク質グロブリン画分50mg及びアジュバントとしてImject(登録商標)Alum 0.5mlを皮下注射した。また同時に、不活性化百日咳菌懸濁液Bordetella pertussis 6x10cells/PBS0.2mlを腹腔内投与し、1次免疫を行った。1次免疫から1週間後に同様に2次免疫を行い、さらに14日間飼育を行った。14日後、全採血を行い、得られた血清中の米タンパク質特異的IgG、総IgE及び米タンパク質特異的IgEをELIZAにより測定し、経口免疫寛容が誘導されているか否かを検討した。
結果を各々図8、図9及び図10のグラフに示す。グラフ中の値は各群の平均値である。また、グラフ中、*はp<0.05であることを示し、**はp<0.01であることを示し、いずれもコントロール群に対して有意差を有していた。従って、アクチナーゼ群、パパイン群、プロテアーゼS群において経口免疫寛容が誘導されていることが明らかである。
試験例1のSDS-PAGEの結果を示す電気泳動写真である。 試験例2で測定したウサギ抗体の抗体価を示すグラフである。 試験例3のウェスタンブロッティングの結果を示す電気泳動写真である。 試験例5で観察されたパパインを添加して炊飯した米飯の切片の顕微鏡写真である。 試験例5で観察された無添加で炊飯した米飯の切片の顕微鏡写真である。 試験例6で測定した低アレルゲン化剤の添加量とアレルギー患者の血漿との反応性の関係を示すグラフである。 試験例7で行った官能試験の結果を示すグラフである。 試験例8で測定した血清中の米タンパク質特異的IgGの量を示すグラフである。 試験例8で測定した血清中の総IgEの量を示すグラフである。 試験例8で測定した血清中の米タンパク質特異的IgEの量を示すグラフである。

Claims (12)

  1. タンパク質分解酵素を含有することを特徴とする穀物の低アレルゲン化剤。
  2. 前記穀物が米である請求項1記載の低アレルゲン化剤。
  3. 前記タンパク質分解酵素が、Streptomyces griseus由来の中性プロテアーゼ、Aspergillus oryzae由来の中性プロテアーゼ、Bacillus subtilis由来の酸性プロテアーゼ、Bacillus subtilis由来の中性プロテアーゼ、Bacillus subtilis由来のアルカリ性プロテアーゼ、Bacillus stearothermophilus由来の中性プロテアーゼ、Bacillus stearothermophilus由来の耐熱性エンド型プロテアーゼ 、Aspergillus niger由来の酸性プロテアーゼ、Rhizopus nivers由来の酸性プロテアーゼ、Aspergillus saitoi由来の酸性プロテアーゼ、Aspergillus sp.由来の中性プロテアーゼ、Aspergillus sp.由来のアルカリ性プロテアーゼ、Bacillus amyloliquefaciens由来の中性プロテアーゼ、Aspergillus sojea由来の中性プロテアーゼ、Bacillus licheniformis由来のアルカリ性プロテアーゼ、Bacillus clausii由来のアルカリ性プロテアーゼ、Ananas comosus M.由来の中性プロテアーゼ、Aspergillus melleus由来のアルカリ性プロテアーゼ、豚の膵臓由来の中性プロテアーゼ、パパイヤ由来の中性プロテアーゼ、パパイヤラテックス由来の中性プロテアーゼ及びパイナップル由来の中性プロテアーゼからなる群より選択される1種またはそれ以上のタンパク質分解酵素である請求項1または2記載の低アレルゲン化剤。
  4. 穀物の重量100gに対してタンパク質分解酵素の量として0.0005〜5.0gの量で使用される請求項1〜3のいずれか1項に記載の低アレルゲン化剤。
  5. 生米の重量100gに対してタンパク質分解酵素の量として0.001〜1.0gの量で使用される請求項2〜4のいずれか1項に記載の低アレルゲン化剤。
  6. 米の低アレルゲン化剤であって、浸漬開始時から炊飯開始までの間に米を浸漬した水に添加し、そのまま炊飯を行うための請求項2〜5のいずれか1項に記載の低アレルゲン化剤。
  7. 米の低アレルゲン化剤であって、炊飯開始の2時間前から炊飯開始までの間に米を浸漬した水に添加し、そのまま炊飯を行うための請求項2〜5のいずれか1項に記載の低アレルゲン化剤。
  8. 低アレルゲン化され、且つ免疫寛容誘導効果を有する米飯の製造のための請求項2〜7のいずれか1項に記載の低アレルゲン化剤。
  9. 米アレルギーの治療のための請求項2〜8のいずれか1項に記載の低アレルゲン化剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の低アレルゲン化剤を、穀物を水の存在下で加熱する前に添加し、そのまま加熱することにより調理することを特徴とする穀物の調理方法。
  11. 請求項2〜9のいずれか1項に記載の低アレルゲン化剤を炊飯前に米と水の混合物に添加し、炊飯することを特徴とする低アレルゲン化米飯の製造方法。
  12. 請求項2〜9のいずれか1項に記載の低アレルゲン化剤を、米または米粉を水の存在下で加熱する前に米または米粉と水の混合物に添加し、加熱することを特徴とする米加工食品の製造方法。
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