JP2009020291A - 音声処理装置および通信端末装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】音声信号に対して、音声信号に応じた最適な処理を行うことができる音声処理装置および通信端末装置を提供する。
【解決手段】声紋抽出部3は、音声信号の特徴を示す特徴データを生成する。音声信号処理モジュール8は、信号処理パラメータによって規定される処理内容に応じて音声信号を処理する。記憶部4は、特徴データと信号処理パラメータとを関連付けて記憶する。パラメータ設定部6は、記憶部4に記憶された特徴データの中から、声紋抽出部3によって生成された特徴データに類似するものを選択し、選択した特徴データと関連付けられている信号処理パラメータを音声信号処理モジュール8に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、音声信号を処理する音声処理装置および通信端末装置に関する。
音声を聞き取り易くする技術として、例えば特許文献1には、通話相手の電話番号に応じて受話音質を自動的に切り替えることができるようにして、受話音声を聞き取り易い状態に調整することが可能な通信端末装置が記載されている。
特開2005−136788号公報
しかし、上記の通信端末装置では、電話番号に対応させて受話音の調整状態を登録しておく必要があるため、電話番号が登録されていない相手から電話が掛かってきた場合には、受話音を調整することができない。すなわち、従来技術では、受信された音声信号に対して、音声信号に応じた最適な処理を行うことができない状況が存在していた。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、音声信号に対して、音声信号に応じた最適な処理を行うことができる音声処理装置および通信端末装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、音声信号に基づいて、当該音声信号の特徴を示す特徴データを生成するデータ生成手段と、信号処理パラメータによって規定される処理内容に応じて前記音声信号を処理する信号処理手段と、予め用意された複数の前記特徴データと、該複数の特徴データのそれぞれと関連付けられた前記信号処理パラメータとを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記特徴データの中から、前記データ生成手段によって生成された前記特徴データに類似するものを選択し、選択した前記特徴データと関連付けられている前記信号処理パラメータを前記信号処理手段に設定する設定手段と、を備えたことを特徴とする音声処理装置である。
また、本発明の音声処理装置は、外部から音声を入力し、音声信号を出力する音声入力手段と、ユーザからの指示に応じて前記信号処理パラメータを編集するパラメータ編集手段と、をさらに備え、前記データ生成手段は、前記音声入力手段から出力された前記音声信号の特徴を示す前記特徴データを生成し、前記記憶手段は、前記音声入力手段から出力された前記音声信号の特徴を示す前記特徴データと、前記編集手段によって編集された前記信号処理パラメータとを関連付けて記憶することを特徴とする。
また、本発明は、上記の音声処理装置と、外部の通信装置と通信を行い、前記音声信号を受信する受信手段と、を備えたことを特徴とする通信端末装置である。
本発明によれば、予め記憶された特徴データの中から、音声信号に基づいて生成された特徴データに類似するものが選択され、その特徴データと関連付けられている信号処理パラメータが設定されるので、音声信号に対して、音声信号に応じた最適な処理を行うことができるという効果が得られる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態による音声処理装置(例えば携帯電話等の通信端末装置)の構成を示している。なお、図1は、音声通信(特に音声信号の受信)に係る構成のみを示しており、他の構成は本実施形態の説明に不要であるので図示していない。
音声通信部1は外部の通信装置と通信を行い、音声信号を受信する。音声コーデック2は、音声通信部1によって受信された、符号化されている音声信号をリニアの音声信号へ変換(デコード)するモジュールである。音声信号の符号化方式として、例えばQCELP(Qualcomm Code Excited Linear Prediction)やAMR(Advanced Multi Rate Codec)等がある。
声紋抽出部3は、音声コーデック2から出力されたリニアの音声信号を分析し、音声信号の特徴を示す声紋データ(特徴データ)を抽出する。声紋データは長時間スペクトル法により求められる。つまり、音声信号に対して、FFT(Fast Fourier Transform)により周波数分析を逐次行い、周波数値を毎回累積加算していく。これをある区間まで続け、最後にその区間までの累積回数で周波数値を除算することにより、声紋データを生成することができる。
記憶部4は、声紋データと、音声信号処理モジュール8による処理の内容を規定する信号処理パラメータとを関連付けて予め記憶している。類似度判定部5は、声紋抽出部3によって抽出された声紋データと、記憶部4に予め記憶されている声紋データとの類似度を判定する。類似度の判定方法にはどのような方法を用いてもよく、例えばメルケプストラム分析を用いて求めたメルケプストラムを時系列特徴ベクトルとし、そのベクトル距離を算出する方法等がある。
パラメータ設定部6は、類似度判定部5による類似度判定の結果に基づいて、記憶部4に記憶された声紋データの中から、声紋抽出部3によって抽出された声紋データとの類似度が高い声紋データを選択し、その声紋データと関連付けられている信号処理パラメータを記憶部4から読み出して音声信号処理モジュール8に設定する。パラメータ編集部7は、例えば通信端末装置の操作キー(図示せず)の操作に応じてディスプレイ(図示せず)上に表示されるGUI(Graphical User Interface)機能を利用して入力されたユーザからの指示に応じて信号処理パラメータを編集する。なお、パラメータ編集部7は、通信端末装置のインターフェース(図示せず)を介して接続されたPC等の外部機器により実現されてもよい。音声信号処理モジュール8は、音声コーデック2から出力された音声信号に対して、パラメータ設定部6によって設定された信号処理パラメータによって規定される処理内容に応じた処理を行うモジュールである。これによって、音質が改善され、音声が聞き取りやすくなる。
マイクロフォン9は音声を入力して音声信号に変換し、出力する。AD変換部10は、マイクロフォン9から出力されたアナログ音声信号をディジタル音声信号に変換する。声紋抽出部11は、AD変換部10から出力された音声信号を分析し、声紋抽出部3と同様に声紋データ(特徴データ)を抽出する。声紋抽出部11によって抽出された声紋データは、パラメータ編集部7によって編集された信号処理パラメータと共に記憶部4に格納される。スピーカ12は、音声信号処理モジュール8によって処理された音声信号に基づいた音声を発生する。
図2は音声信号処理モジュール8の構成を示している。高音域補填処理部81は、入力された音声信号に対して、音声コーデック2の帯域制限で失われた高域部分を補完すると共に、音声全体のざらつき感をなくす処理を行う。エンハンサー処理部82は、高音域補填処理部81から出力された音声信号に対して、高域倍音を強調することで、音にメリハリをつけ、音が前に出るような効果を出す処理を行う。
ダイナミックレンジコンプレッサー83は、エンハンサー処理部82から出力された音声信号に対して、特定のレベル(閾値)を超えた信号レベルを動的に減衰させる処理を行う。音量が大きい場合には、音量を押し下げ、その分、全体の音量レベルを持ち上げることで、トータルの音量差が均一になる。前段のエンハンサー処理部82によって、ピーク値が上がってしまう処理が行われた場合でも、音量を確保しつつ歪感のない音声を得ることができる。イコライザー84は、ダイナミックレンジコンプレッサー83から出力された音声信号の周波数帯域をバンド単位で補正する。上記の高音域補填処理部81〜イコライザー84に対し、信号処理パラメータを設定し、その信号処理パラメータによって規定される処理を行わせることができるようになっている。
図3は、記憶部4に記憶される声紋データと信号処理パラメータの対応関係を示している。図3に示すように、声紋データ300に対して、高音域補填処理部81の処理内容を規定する信号処理パラメータ310(図4(a)参照)と、エンハンサー処理部82の処理内容を規定する信号処理パラメータ320(図4(b)参照)と、ダイナミックレンジコンプレッサー83の処理内容を規定する信号処理パラメータ330(図4(c)参照)と、イコライザー84の処理内容を規定する信号処理パラメータ340(図4(d)参照)とがそれぞれ関連付けられている。
例えば、「Type A」の声紋データ300に対して、図4(a)に示す各パラメータで構成される「DB_set A」の信号処理パラメータ310と、図4(b)に示す各パラメータで構成される「EH_set A」の信号処理パラメータ320と、図4(c)に示す各パラメータで構成される「DR_set A」の信号処理パラメータ330と、図4(d)に示す各パラメータで構成される「EQ_set A」の信号処理パラメータ340とが関連付けられている。
次に、図5を参照しながら、音声通信時(通話時)の音声処理装置の動作を説明する。音声処理装置を使用するユーザからのダイヤル発信または通話相手からのダイヤル発信を検知することで通話が開始される。音声通信部1は音声信号を受信し、音声コーデック2へ出力する。音声コーデック2は、符号化されている音声信号をリニアの音声信号へ変換する(ステップS100)。声紋抽出部3はこの音声信号から声紋データを抽出する(ステップS110)。
類似度判定部5は、声紋抽出部3によって抽出された声紋データと、記憶部4に予め記憶されている声紋データとの類似度を判定する。パラメータ設定部6は、この判定の結果に基づいて、記憶部4に記憶された声紋データの中から、声紋抽出部3によって抽出された声紋データとの類似度が高い(類似度が所定値以上の)声紋データを検索する(ステップS120)。
判定された類似度が所定値以上の声紋データが見つかった場合(ステップS130でYESの場合)、処理はステップS140に進む。また、判定された類似度が所定値以上の声紋データが見つからなかった場合(ステップS130でNOの場合)、処理はステップS170に進む。
ステップS140では、パラメータ設定部6は、最も類似度が高い声紋データに関連付けられている信号処理パラメータを記憶部4から読み出す(ステップS140)。また、ステップS170では、パラメータ設定部6は、予め用意されているデフォルトの信号処理パラメータを記憶部4から読み出す(ステップS170)。続いて、パラメータ設定部6は、読み出した信号処理パラメータを音声信号処理モジュール8に設定する(ステップS150)。
通話終了の合図があるまで、ステップS140またはステップS170で取得された信号処理パラメータが音声信号処理モジュール8に設定された状態が維持される。あるいは、通話の途中で通話相手が変わった場合でも音声の聞き取り易さを維持するため、所定時間毎にステップS100へ戻って上記の処理を再度行うようにしてもよい。通話終了の合図があった場合、音声信号の受信が終了し(ステップS160)、通話に係る一連の処理が終了する。
以上のように、予め記憶部4に記憶された声紋データの中から、通話相手の音声信号から抽出した声紋データに類似するものが選択され、その声紋データと関連付けられている信号処理パラメータが音声信号処理モジュール8に設定されるので、受信された音声信号に対して、その音声信号に応じた最適な処理を行うことができる。特に、通話相手から初めて電話が掛かってきた場合でも、その通話相手の音声に係る音声信号から抽出される声紋データに類似したものが記憶部4に記憶されていれば、その音声信号に最適な信号処理パラメータに基づいた処理を行うことができる。
したがって、通話相手個人の声質に応じて、通話相手の声質に最適な信号処理パラメータを音声信号処理モジュール8に与え、音声を聞き取り易くすることができる。例えば、静かに話す相手の声をより強調したり、濁声をより柔らかい音にしたりすることができる。
次に、図6を参照しながら、声紋データを記憶部4に登録するときの音声処理装置の動作を説明する。まず、ユーザからの指示により、声紋データを登録するためのモードに動作モードが変更される(ステップS200)。続いて、登録したい音声がマイクロフォン9に入力される。AD変換部10は、その音声に基づいたアナログ音声信号をディジタル音声信号に変換する。声紋抽出部11はその音声信号を分析し、声紋データを抽出する(ステップS210)。抽出された声紋データは記憶部4に格納される。
続いて、信号処理パラメータを編集するための指示がユーザによって適宜入力される。このとき、信号処理パラメータが、入力した音声に対応した声紋データに最も適したものとなるように、GUI機能を利用して編集の指示が入力される。パラメータ編集部7は、この指示に応じて信号処理パラメータを編集する(ステップS220)。パラメータ編集部7は、編集した信号処理パラメータを、声紋抽出部11によって抽出されて記憶部4に格納された声紋データと関連付けて記憶部4に格納する(ステップS230)。
声紋データの登録を続ける場合(ステップS240でNOの場合)には、ステップS210に戻って、音声の入力から処理が再度実行される。また、声紋データの登録を終了する場合(ステップS240でYESの場合)には、声紋データの登録に係る一連の処理が終了する。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明の一実施形態による音声処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による音声信号処理モジュールの構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による記憶部に記憶される声紋データと信号処理パラメータの対応関係を示す図である。 本発明の一実施形態における信号処理パラメータの内容を示す図である。 本発明の一実施形態による音声処理装置の動作の手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態による音声処理装置の動作の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・音声通信部、2・・・音声コーデック、3,11・・・声紋抽出部(データ生成手段)、4・・・記憶部(記憶手段)、5・・・類似度判定部、6・・・パラメータ設定部(設定手段)、7・・・パラメータ編集部(パラメータ編集手段)、8・・・音声信号処理モジュール(信号処理手段)、9・・・マイクロフォン(音声入力手段)、10・・・AD変換部、12・・・スピーカ、81・・・高音域補填処理部、82・・・エンハンサー処理部、83・・・ダイナミックレンジコンプレッサー、84・・・イコライザー

Claims (3)

  1. 音声信号に基づいて、当該音声信号の特徴を示す特徴データを生成するデータ生成手段と、
    信号処理パラメータによって規定される処理内容に応じて前記音声信号を処理する信号処理手段と、
    予め用意された複数の前記特徴データと、該複数の特徴データのそれぞれと関連付けられた前記信号処理パラメータとを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記特徴データの中から、前記データ生成手段によって生成された前記特徴データに類似するものを選択し、選択した前記特徴データと関連付けられている前記信号処理パラメータを前記信号処理手段に設定する設定手段と、
    を備えたことを特徴とする音声処理装置。
  2. 外部から音声を入力し、音声信号を出力する音声入力手段と、
    ユーザからの指示に応じて前記信号処理パラメータを編集するパラメータ編集手段と、をさらに備え、
    前記データ生成手段は、前記音声入力手段から出力された前記音声信号の特徴を示す前記特徴データを生成し、
    前記記憶手段は、前記音声入力手段から出力された前記音声信号の特徴を示す前記特徴データと、前記編集手段によって編集された前記信号処理パラメータとを関連付けて記憶する
    ことを特徴とする請求項1に記載の音声処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の音声処理装置と、
    外部の通信装置と通信を行い、前記音声信号を受信する受信手段と、
    を備えたことを特徴とする通信端末装置。
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