JP2008213284A - 不織布積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性エラストマー(A)の長繊維:10〜90重量%と熱可塑性樹脂(B)の長繊維:90〜10重量%(但し、(A)+(B)=100重量%とする)を含む混繊スパンボンド不織布の少なくとも片面に透湿性フィルムが積層されている不織布積層体。
【効果】衛生材用をはじめ、医療材用、産業資材用等に好適に用い得る。具体的には、衛生材用としては、使い捨ておむつあるいは生理用品等の吸収性物品があげられる。展開型使い捨ておむつあるいはパンツ型使い捨ておむつには、バックシート、ウェストバンド(延長テープ、サイドフラップ)、ファスニングテープ、立体ギャザー、レッグカフ、またパンツ型使い捨ておむつのサイドパネル等の部位に好適に用いることができる。
【選択図】なし
Description
しかしながら、耐水性、透湿性、伸縮性がより改善された不織布積層体の需要は依然として強い。
本発明の不織布積層体を構成する混繊スパンボンド不織布を形成する繊維成分の一つである熱可塑性エラストマー(A)の長繊維の原料である熱可塑性エラストマー(A)としては、種々公知の熱可塑性エラストマーを用いることができ、2種類以上の熱可塑性エラストマーを併用してもよい。
前記熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(A1)の中でも、凝固開始温度が65℃以上、好ましくは75℃以上、最も好ましくは85℃以上の熱可塑性ポリウレタン系エラストマーが好ましい。凝固開始温度の上限値は195℃が好ましい。
a/(a+b)×100≦80 (1)
の関係を満たすことが好ましく、
下記式(2)
a/(a+b)×100≦70 (2)
の関係を満たすことがさらに好ましく、
下記式(3)
a/(a+b)×100≦55 (3)
の関係を満たすことが最も好ましい。
前記オレフィン系共重合体エラストマー(A2)の中でも、非晶性もしくは低結晶性、好ましくはX線回折により測定される結晶化度が20質量%以下の、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数が3〜20の1種以上のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマー、およびプロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数が2〜20(但し3を除く)の1種以上のα−オレフィンとの共重合体であるプロピレン・α−オレフィン共重合体エラストマーが好ましい。また、ポリオレフィン系エラストマーは、上記α―オレフィンの他に、少量のノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン等の環状オレフィン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロへキサジエン、1,4−シクロへキサジエン等の環状ジエン等、あるいは酢酸ビニル、メタアクリル酸エステル等のビニル化合物を含んでいてもよい。(なお、上記ポリオレフィンが共重合体の場合、最初に記載された単量体からなる構成単位が、この共重合体の主成分である。)
かかるエチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーとしては、具体的には、エチレン・プロピレンランダム共重合体エラストマー、エチレン・1−ブテンランダム共重合体エラストマー等を例示することができる。また、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーのメルトフローレート(MFR)は紡糸性を有する限りとくに限定はされないが、通常、MFR(ASTM D1238 190℃、2160g荷重)が1〜1000g/10分、より好ましくは5〜500g/10分、さらに好ましくは10〜100g/10分の範囲にある。
本発明の不織布積層体を構成する混繊スパンボンド不織布を形成する成分の一つである熱可塑性樹脂からなる長繊維の原料となる熱可塑性樹脂(B)としては、前記熱可塑性エラストマー(A)以外の種々公知の熱可塑性樹脂を用い得る。例えば、融点(Tm)が100℃以上の結晶性の重合体、あるいはガラス転移温度が100℃以上の非晶性の重合体などが挙げられるが、これら熱可塑性樹脂(B)でも結晶性の熱可塑性樹脂が好ましい。
前記熱可塑性樹脂の中でも、プロピレン系重合体(B1)が得られる混繊スパンボンド不織布の加工性、強度などの点から好ましい。
かかるプロピレン系重合体としては、融点(Tm)が155℃以上、好ましくは157〜165℃の範囲にあるプロピレンの単独重合体若しくはプロピレンと極少量のエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2以上(但し、3を除く)、好ましくは2〜8(但し、3を除く)の1種または2種以上のα−オレフィンとの共重合体であり、プロピレン単独重合体が好ましい。
本発明の不織布積層体を構成する混繊スパンボンド不織布は、熱可塑性エラストマー(A)の長繊維〔以下、「熱可塑性エラストマー(A)長繊維」とも呼ぶ。〕と熱可塑性樹脂(B)の長繊維〔以下、「熱可塑性樹脂(B)長繊維」とも呼ぶ。〕が10〜90重量%:90〜10重量%の割合(但し、(A)+(B)=100重量%とする)で含まれている混繊スパンボンド不織布である。混繊スパンボンド不織布としては、伸縮性や柔軟性の観点からは、熱可塑性エラストマー(A)長繊維が20重量%以上であることが好ましく、30重量%以上であることがより好ましく、加工性(耐べたつき性)の観点からは、70重量%以下が好ましく、60重量%以下であることがより好ましい。
本発明の不織布積層体を構成する透湿性フィルムは、熱可塑性エラストマー(混繊スパンボンド不織布層に含まれる熱可塑性エラストマー(A)と区別するために、熱可塑性エラストマー(C)と表す。)からなるフィルムであり、30μmでの膜厚にてJIS L1099 A−1法(40℃、相対湿度90%、CaCl2法の条件)による透湿度が通常、2000g/m2・day以上、好ましくは3000g/m2・day更に好ましくは4000g/m2・day以上の水蒸気透過率を示すフィルムである。
本発明に係る熱可塑性エラストマー(C)としては、熱可塑性エラストマーであってフィルムを形成させた際に透湿性を有するものであれば種々のものを用いうる。透湿性を有することを確認するには、例えばJIS L1099 A−1法(40℃、相対湿度90%、CaCl2法の条件)による測定法によって、水蒸気の透過性が認められることをもって透湿性を有するものとすることができる。この場合、好ましくは、同JIS L1099 A−1法によって、厚さ30μmのフィルムが2000g/m2・day以上、好ましくは3000g/m2・day以上の水蒸気透過率を示すものが、本発明において好ましく使用される。
熱可塑性エラストマー(C)には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常用いられる酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、滑剤、核剤、顔料等の添加剤或いは他の重合体を必要に応じて配合することができる。
ポリエステル系エラストマー(C1)としては、芳香族ポリエステルに由来する下記式(I)で表される構造単位をハードセグメントに、脂肪族ポリエーテルに由来する下記式(II)で表される構造単位をソフトセグメントにし、それらがブロック共重合したブロックコポリマーが例示される。
−O−G−O−CO−R−CO− (II)
上記式中、Dは分子量が約250以下のジオールから2つのヒドロキシル基を除いた2価の残基であり、Rは分子量が約300以下のジカルボン酸から2つのカルボキシル基を除いた2価の残基であり、Gは平均分子量が約400〜約3500のポリ(アルキレンオキサイド)グリコールから両末端のヒドロキシル基を除いた2価の残基である。ここで、ポリ(アルキレンオキサイド)グリコールのコポリエーテルエステルである式(II)で表される構造単位に挿入されるエチレンオキシド基の量は、コポリエーテルエステルの全質量に対して約25〜68質量%である。
ポリアミド系エラストマー(C2)としては、ポリアミドをハードセグメントに、ガラス転移温度の低いポリエステルまたはポリオールのジオールをソフトセグメントに用いたマルチブロックコポリマーが例示される。ここで、ポリアミド成分としては、ナイロン6、66、610、11、12等があげられる。これらの中では、ナイロン6、ナイロン12が好ましい。ポリエーテルジオールとしては、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等があげられ、ポリエステルジオールとしては、ポリ(エチレン・1,4−アジペート)グリコール、ポリ(ブチレン・1,4−アジペート)グリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。具体例として、ナイロン12/ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体等が挙げられる。市販品としては、具体的には、例えば、ダイアミド(ダイセルヒュルス社製)、PEBAX(アトケム社製)〔いずれも商標名〕等の商品名で製造・販売されている。
熱可塑性ポリウレタン系エラストマー(C3)としては、ハードセグメントとして短鎖ポリオール(分子量60〜600)とジイソシアナートの反応で得られるポリウレタンと、ソフトセグメントとして長鎖ポリオール(分子量600〜4000)とジイソシアナートの反応で得られるポリウレタンとのブロックコポリマーが例示される。ジイソシアナートとしては、トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等があげられ、短鎖ポリオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ビスフェノールA等があげられる。
本発明の不織布積層体は、前記熱可塑性エラストマー(A)の長繊維10〜90質量%と熱可塑性樹脂(B)の長繊維90〜10質量%が混繊されてなる混繊スパンボンド不織布層と、熱可塑性エラストマー(C)からなる透湿性フィルムを含むことを特徴とする。
また、混繊スパンボンド不織布と透湿性フィルムを積層する場合は、化学的組成によらず、種々用途によって、要求される透湿度および接着強度を考慮して、接着剤等を用いてもよい。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
・ 不織布及び/又は不織布積層体から200mm(MD)×50mm(CD)の試験片を6点採取した。なお、採取場所はMD、CDともに任意の3箇所とした(計6箇所)。次いで、採取した各試験片を上皿電子天秤(研精工業社製)を用いて、それぞれ質量(g)を測定した。各試験片の質量の平均値を求めた。求めた平均値から1m2当たりの質量(g)に換算し、小数点第2位を四捨五入して各不織布サンプルの目付〔g/m2〕とした。
・ 200mm(MD)×50mm(CD)の試験片が採取出来ない場合においてはポンチにて不織布1cm2を5点抜きその質量の平均から1m2当たりの質量(g)に換算し、小数点第2位を四捨五入して各不織布サンプルの目付〔g/m2〕とした。
不織布及び/又は不織布積層体から200mm(MD)×50mm(CD)の試験片を6点採取した。次いで、採取した各試験片を万能引張試験機(インテスコ社製、IM−201型)を用いて、スパン間隔I0=100mm、引張速度100mm/min.で引張試験を行い、最大強度点での伸度(最大点伸度〔%〕)を求めた。なお、最大点伸度は、上記6点(MD、CD各3点)について平均値を求め、小数点第2位を四捨五入した。
不織布及び/又は不織布積層体から200mm(MD)×50mm(CD)の試験片を6点採取した。なお、採取場所はMD、CDともに任意の3箇所とした(計6箇所)。次いで、採取した各試験片を万能引張試験機(インテスコ社製、IM−201型)を用いて、チャック間100mm、引張速度100mm/min.、延伸倍率100%で延伸した後、直ちに同じ速度で原長まで回復させて、回復時のひずみを測定し、残留歪〔%〕とした。なお、残留歪は、上記6点(MD、CD各3点)について平均値を求め、小数点第2位を四捨五入した。
JIS L1099 A−1法に規定される方法に従い、温度40℃、相対湿度90%の条件下でCaCl2法により測定した。なお不織布積層体の大きさが十分得られない場合それに応じた面積を有するカップを用意して測定した。
JIS L1092に準拠して測定した。不織布及び/又は不織布積層体から150mm(MD)×150mm(CD)の試験片を6点採取した。なお、採取場所は得られた不織布の任意の3箇所とした。次いで、採取した各試験片を、耐水度試験装置(テスター産業製)を用いて、試験片の表面を水に当てられるように取り付け、常温水を入れた水準装置を60±30mm/min.または10±5mm/min.の速さで上昇させて試験片に水圧をかけ、試験片の反対側の3箇所から水が漏れたときの水位を測定し、耐水圧〔mmH2O〕を求めた。なお、耐水圧は上限1000として1000を超える場合は1000として、上記3点について平均値を求め、小数点第1位を四捨五入した。
不織布積層体から200mm(MD)×50mm(CD)の試験片を採取し次いで、採取した各試験片を万能引張試験機(インテスコ社製、IM−201型)を用いて、スパン間隔I0=100mm、引張速度100mm/min.で100mm長まで延伸直ちに同速度にて逆行し原点まで戻すサイクルを1サイクルとして20回繰り返し、その際の層間での剥離の有無を観察した。
不織布積層体を20cm×20cmの大きさに切り出し、濾紙の上に透湿性フィルム面が濾紙と接するように積層体を敷き、食紅が適量混入された市販の食用サラダ油を刷毛にて混繊不織布が十分濡れる程度塗りつけ、1時間後濾紙に着色油が付着の有無にてピンホールの有無を調査した。
また、実施例、比較例に用いた熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)の分析および評価は、下記の方法に従って行った。
セイコー電子工業(株)製SSC5200Hディスクステーションに接続した示差走査熱量計(DSC220C)により測定した。サンプルとして、粉砕したTPUをアルミ製パンに約8mg採取し、カバーを被せクリンプした。リファレンスとして、同様にアルミナを採取した。サンプルおよびリファレンスをセル内の所定の位置にセットした後、流量40Nml/minの窒素気流下で測定を行った。昇温速度10℃/minで室温から230℃まで昇温し、この温度で5分間ホールドした後、10℃/minの降温速度で−75℃まで降温させた。このときに記録されたTPUの凝固に由来する発熱ピークの開始温度を測定し、凝固開始温度(単位:℃)とした。
細孔電気抵抗法に基づく粒度分布測定装置としてベックマンコールター社製マルチサーザーIIを使用して測定を行った。5リットルのセパラブルフラスコに、ジメチルアセトアミド(和光純薬工業(株)製 特級品)3500gとチオシアン酸アンモニウム(純正化学(株)製 特級品)145.83gとを秤量し、室温にて24時間かけて溶解させた。
次いで、1μmのメンブランフィルターで減圧濾過を行い、試薬Aを得た。200ccのガラス瓶に試薬A180gとTPUペレット2.37gを精秤し、3時間かけてTPU中の可溶分を溶解させ、これを測定用試料とした。マルチサイザーIIに100μmのアパーチャーチューブを取り付け、装置内の溶媒を試薬Aに置換した後、減圧度を約3000mmAqに調節した。十分に洗浄した試料投入用のビーカーに試薬Aを120g秤量し、ブランク測定により発生したパルス量が50個/分以下であることを確認した。最適なCurrent値とGainをマニュアルで設定した後、10μmの未架橋ポリスチレン標準粒子を使用してキャリブレーションを実施した。測定は、十分に洗浄した試料投入用ビーカーに試薬Aを120g、測定用試料を約10g秤量し、210秒間実施した。この測定によりカウントされた粒子数を、アパーチャーチューブに吸引されたTPU重量で除算した値をTPU中の極性溶媒不溶分の粒子数(単位:個/g)とした。なお、TPU重量は次式により算出した。
TPU重量={(A/100)×B/(B+C)}×D
式中、A:測定用試料のTPU濃度(重量%)、B:ビーカーに秤量した測定用試料の重量(g)、C:ビーカーに秤量した試薬Aの重量(g)、D:測定中(210秒間)にアパーチャーチューブに吸引された溶液量(g)である。
セイコー電子工業(株)製SSC5200Hディスクステーションに接続した示差走査熱量計(DSC220C)により測定した。サンプルとして、粉砕したTPUをアルミ製パンに約8mg採取し、カバーを被せクリンプした。リファレンスとして、同様にアルミナを採取した。サンプルおよびリファレンスをセル内の所定の位置にセットした後、流量40Nml/minの窒素気流下で測定を行った。昇温速度10℃/minで室温から230℃まで昇温した。このとき、ピーク温度が90℃以上140℃以下の範囲にある吸熱ピークから求められる融解熱量の総和(a)と、ピーク温度が140℃を超えて220℃以下の範囲にある吸熱ピークから求められる融解熱量の総和(b)を求め、次式によりハードドメインの融解熱量比(単位:%)を求めた。
ハードドメインの融解熱量比(%)=a/(a+b)×100
キャピログラフ(東洋精機(株)製モデル1C)を用いて、TPUの200℃におけるせん断速度100sec-1の時の溶融粘度(単位:単位:Pa・s)を測定した。長さ30mm、直径は1mmのノズルを用いた。
水分量測定装置(平沼産業社製AVQ−5S)と水分気化装置(平沼産業社製EV−6)とを組み合わせてTPUの水分量(単位:ppm)の測定を行った。加熱試料皿に秤量した約2gのTPUペレットを250℃の加熱炉に投入し、気化した水分を予め残存水分を除去した水分量測定装置の滴定セルに導き、カールフィッシャー試薬にて滴定した。セル中の水分量変化に伴う滴定電極の電位変化が20秒間生じないことをもって滴定終了とした。
TPUの硬さは、23℃、50%相対湿度下においてJIS K−7311に記載の方法により測定した。デュロメーターはタイプAを使用した。
ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと記す。)をタンクAに窒素雰囲気下で装入し、気泡が混入しない程度に攪拌しながら45℃に調整した。
数平均分子量2000のポリエステルポリオール(三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケラックU2024)628.6重量部と、イルガノックス1010を2.21重量部と、1,4−ブタンジオール77.5重量部とをタンクBに窒素雰囲気下で仕込み、攪拌しながら95℃に調整した。この混合物をポリオール溶液1という。
これらの反応原料から計算されるハードセグメント量は37.1重量%である。
次に、ギアポンプ、流量計を介した送液ラインにて、MDIを17.6kg/hの流速で、ポリオール溶液3を42.4kg/hの流速で、120℃に調整した高速攪拌機(SM40)に定量的に通液し、2000rpmで2分間攪拌混合した後、スタティックミキサーに通液した。スタティックミキサー部は、管長0.5m、内径20mmφのスタティックミキサーを3本接続した第1〜第3のスタティックミキサー(温度230℃)と、管長0.5m、内径20mmφのスタティックミキサーを3本接続した第4〜第6のスタティックミキサー(温度220℃)と、管長1.0m、内径34mmφのスタティックミキサーを6本接続した第7〜第12のスタティックミキサー(温度210℃)と、管長0.5m、内径38mmφのスタティックミキサーを3本接続した第13〜第15のスタティックミキサー(温度200℃)とを直列に接続したものである。
第15スタティックミキサーから流出した反応生成物を、ギヤポンプを介して、ポリマーフィルター(長瀬産業(株)製、商品名:デナフィルター)を先端に付随した単軸押出機(直径65mmφ、温度180〜210℃)に圧入し、ストランドダイから押出した。水冷後、ペレタイザーにて連続的にペレット化した。次いで、得られたペレットを乾燥機に装入し、100℃で8時間乾燥して、水分値40ppmの熱可塑性ポリウレタンエラストマーを得た。この熱可塑性ポリウレタンエラストマーを単軸押出機(直径50mmφ、温度180〜210℃)で連続的に押出し、ペレット化した。再度、100℃で7時間乾燥して、水分値57ppmの熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A−1)を得た。
A−1の凝固開始温度は103.7℃、極性溶媒不溶分の粒子数は150万個/g、射出成形により調製した試験片による硬度は86A、200℃における溶融粘度は1900Pa・s、ハードドメインの融解熱量比は35.2%であった。
<混繊スパンボンド不織布用の熱可塑性樹脂組成物の調製>
MFR(ASTM D1238に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgで測定)60g/10分、密度0.91g/cm3、融点160℃のプロピレン単独重合体(以下、「PP−1」と略す)96重量%とMFR(ASTM D1238に準拠して、温度190℃、荷重2.16kgで測定)5g/10分、密度0.97g/cm3、融点134℃の高密度ポリエチレン(以下、「HDPE」と略す)4重量%とを混合し、熱可塑性樹脂組成物(B−1)を準備した。
前記熱可塑性ポリウレタンエラストマー(A−1)及び熱可塑性樹脂組成物(B−1)とをそれぞれ独立に75mmφの押出機及び50mmφの押出機を用いて溶融した後、紡糸口金を有するスパンボンド不織布成形機(捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:800mm)を用いて、樹脂温度とダイ温度がとも210℃、冷却風温度20℃、延伸エアー風速3750m/分の条件でスパンボンド法により溶融紡糸し、A−1からなる長繊維AとB−1からなる長繊維Bの混繊比が41:59(重量比)の混合繊維からなるウェッブを捕集面上に堆積させた。前記紡糸口金は、A−1の吐出孔とB−1の吐出孔が交互に配列されたノズルパターンを有し、A−1(繊維A)のノズル径0.75mmφ及びB−1(繊維B)のノズル径0.6mmφであり、ノズルのピッチが縦方向8mm、横方向11mmであり、ノズル数の比は繊維A用ノズル:繊維B用ノズル=1:1.45である。繊維Aの単孔吐出量は0.73g/(分・孔)、繊維Bの単孔吐出量は0.73g/(分・孔)とした。
前記混繊スパンボンド不織布の表面をコロナ処理(30W/m2)した後、コロナ処理面に、透湿性フィルムの原料として、ポリエステル系熱可塑性エラストマー〔E.I.デュポン(株)製 商品名 HYTREL G3548L 密度:1.15g/cm3〕を、先端にT−ダイを備えたT−ダイフィルム成形機を用い、成形温度200℃〜240℃で溶融し、成形温度240℃で、厚さが20μmになるように、フィルム状の押出しラミした後、冷却ロールとニップロールからなる一対のロール間隙へと供給し、混繊スパンボンド不織布/透湿性フィルムからなる不織布積層体を得た。得られた不織布積層体の目付は56g/m2であった。
(延伸加工時歪)={(延伸前積層体目付)÷(延伸後積層体目付)―1}×100(%)
得られた不織布積層体を前記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
<混繊スパンボンド不織布の製造>
実施例1に記載の方法に準じ、長繊維A:長繊維Bの混繊比が25:75(重量比)及び目付38g/m2の混繊スパンボンド不織布を得た。
実施例1に記載の方法に準じ、混繊スパンボンド不織布/透湿性フィルムからなる不織布積層体を得た。得られた不織布積層体の目付は61g/m2であった。
また、実施例1に記載の方法に準じ、不織布積層体を延伸した。張力を解放後、目付51g/m2の不織布積層体を得た。延伸加工時の歪は20%であった。
得られた不織布積層体を前記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
<混繊不織布の製造>
実施例1に記載の方法に準じ、長繊維A:長繊維Bの混繊比が60:40(重量比)及び目付25g/m2の混繊スパンボンド不織布を得た。
実施例1に記載の方法に準じ、混繊スパンボンド不織布/透湿性フィルムからなる不織布積層体を得た。得られた不織布積層体の目付は48g/m2であった。
また、実施例1に記載の方法に準じ、不織布積層体を延伸した。張力を解放後、目付41g/m2の不織布積層体を得た。延伸加工時の歪は17%であった。
得られた不織布積層体を前記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
<混繊不織布の製造>
実施例1に記載の方法に準じ、長繊維A:長繊維Bの混繊比が41:59(重量比)及び目付33g/m2の混繊スパンボンド不織布を得た。
実施例1で用いたポリエステル系熱可塑性エラストマーに代えて、ポリエステル系熱可塑性エラストマー〔E.I.デュポン(株)製 HYTREL 8206 密度 1.19g/cm3〕を用いる以外は実施例1と同様に行い、混繊スパンボンド不織布/透湿性フィルムからなる不織布積層体を得た。得られた不織布積層体の目付は57g/m2であった。
また、実施例1に記載の方法に準じ、不織布積層体を延伸した。張力を解放後、目付47g/m2の不織布積層体を得た。延伸加工時の歪は21%であった。
得られた不織布積層体を前記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
実施例4で用いた混繊スパンボンド不織布に代えて、B−1のみからなる目付33g/m2のスパンボンド不織布〔A−1の吐出を停止〕、を用いる以外は実施例4と同様に行い、スパンボンド不織布/透湿性フィルムからなる不織布積層体を得た。得られた不織布積層体の目付は56g/m2であった。
また、実施例1に記載の方法に準じ、不織布積層体を延伸した。張力を解放後、目付41g/m2の不織布積層体を得た。延伸加工時の歪は37%であった。
得られた不織布積層体を前記記載の方法で評価した。評価結果を表1に示す。
Claims (11)
- 熱可塑性エラストマー(A)の長繊維:10〜90重量%と熱可塑性樹脂(B)の長繊維:90〜10重量%(但し、(A)+(B)=100重量%とする)を含む混繊スパンボンド不織布の少なくとも片面に透湿性フィルムが積層されていることを特徴とする不織布積層体。
- 熱可塑性エラストマー(A)の長繊維が、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーの長繊維であることを特徴とする請求項1に記載の不織布積層体。
- 熱可塑性エラストマー(A)の長繊維が、オレフィン系共重合体エラストマーの長繊維であることを特徴とする請求項1に記載の不織布積層体。
- オレフィン系共重合体エラストマーの長繊維が、エチレン・α−オレフィン共重合体エラストマーの長繊維またはプロピレン・α−オレフィン共重合体エラストマーの長繊維であることを特徴とする請求項3に記載の不織布積層体。
- 熱可塑性樹脂(B)の長繊維が、スパンボンド不織布にした際の最大点伸度が50%以上である請求項1に記載の不織布積層体。
- 熱可塑性樹脂(B)の長繊維が、プロピレン系重合体の長繊維であることを特徴とする請求項1に記載の不織布積層体。
- 混繊スパンボンド不織布層と透湿性フィルムが直接貼り合わせてなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の不織布積層体。
- 透湿性フィルムが、熱可塑性エラストマー(C)からなることを特徴とする請求項1に記載の不織布積層体。
- 熱可塑性エラストマー(C)が、ポリエステル系エラストマーであることを特徴とする請求項8に記載の不織布積層体。
- 熱可塑性エラストマー(C)が、ポリアミド系エラストマーであることを特徴とする請求項8に記載の不織布積層体。
- 熱可塑性エラストマー(C)が、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーであることを特徴とする請求項8に記載の不織布積層体。
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