JP2008188953A - プラスチック製スタンパの製造方法、プラスチック製スタンパ、及び、プラスチック製基板の製造方法 - Google Patents

プラスチック製スタンパの製造方法、プラスチック製スタンパ、及び、プラスチック製基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的特性に優れ、かつ、生産性に優れた、プラスチック成形に使用するスタンパの製造方法を提供する。
【解決手段】板状のプラスチック材料11に、マザースタンパ12を密着して固定する工程と、プラスチック材料11に、マザースタンパ12を指向して赤外線19を照射する工程と、プラスチック材料11にマザースタンパ12のパターンを転写してプラスチック製スタンパ21を形成する工程とからなり、スタンパを形成するプラスチック材料11として、プラスチック成形において成形されるプラスチック材料より、溶融温度の高いプラスチック材料11を用いることにより、プラスチック製スタンパ21を製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラスチック成形に使用するスタンパの製造方法、及び、プラスチック成形に使用するスタンパ、並びに、このスタンパを用いた微細形状を有するプラスチック製基板の製造方法に係わる。
マイクロ流体チップは、化学・生化学分野において、サンプルの前処理、反応、分離、検出等の操作において用いられている。これらのマイクロ流体チップを用いた操作は、チップ上に集積化したマイクロトータル分析システムにより行われている。
このようなマイクロ流体チップとしては、ガラスやプラスチック製の基板にマイクロメートルからミリメートルサイズの溝や孔を流路や液溜として形成したものがある(例えば、特許文献1参照)。例えば、数センチメートル角の光学的に透明なガラスやプラスチック製チップ上に幅10〜500μm、深さ1〜500μmの溝を形成し、この微細流路中で電気泳動操作を行うマイクロ電気泳動チップがある。血液などのサンプルの分析に際しては、該流路にサンプルを注入して、電圧を印加してその反応により分析を行うものである。
マイクロ流体チップを用いたサンプルの観察には、顕微鏡観察を用いるのが主流である。このため、マイクロ流体チップの構成材料がプラスチックである場合、光学的透明性、特に可視光域の透過性を有することが必要となる。このようなプラスチックとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィン共重合体(COC)等のノルボルネン系環状ポリオレフィンがある。
プラスチック製のマイクロ流体チップは、基板上にマイクロメートルサイズの流路を形成したもので、タンパク質やDNA等の分析に用いられる。このようなプラスチック成形品を作製するには、微細な溝等の構造を有する平板に対して、もう一枚の平板を接合する手法がある。
平板又はペレットを溶融した素材に、所定の微細な溝等の構造を与えるためには、最終形状に対し凹凸を反転した型(スタンパ)が必要である。
このようなマイクロ流体チップの製造に使用するスタンパとしては、半導体の製造技術を応用することによって製造されたシリコン基板やガラス基板が知られている。
また、シリコン基板やガラス基板をマザースタンパとして、電気化学的鋳造法(Ni電鋳法)により、金属製のスタンパを作製する方法がある。
また、上述のスタンパとして、赤外線を透過可能な光学特性を有するスタンパが提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
赤外線を透過可能なスタンパを使用することにより、転写面をそなえた基材とスタンパとを密着させた状態で、転写面近傍に赤外線を効率よく吸収させることができる。
このため、赤外線照射によって、プラスチック基材の転写面に、スタンパを通して赤外線照射によるエネルギーを吸収させ、プラスチック基材の転写面近傍を昇温して粘性を低下させることができる。また、スタンパが赤外線を透過することにより、赤外線エネルギーがほとんど吸収されないため、スタンパの冷却を速やかに行うことができ、高速成形に優れる。
特開2000−310613号公報 特開2001−158044号公報 特開2001−158045号公報
しかしながら、シリコン基板やガラス基板は、ガラス及びシリコンの素材が持つ脆弱性という性質のため破損しやすい。また、半導体の製造方法を応用した、フォトリソグラフィ・エッチング法や、マイクロマシーニングプロセスを用いてシリコン基板やガラス基板を製造するため、製造する際の工程数が多く、また、工程が複雑化するため、生産性に劣る。
また、金属製のスタンパでは、フォトリソグラフィ・エッチング法、電気化学的鋳造法、マイクロマシーニングプロセス等を用いて製造するため、スタンパの製造コストが高くなる。
さらに、金属性のスタンパは非透明材料であるため、例えば可視光を利用したスタンパの位置合わせが困難である。
上述した問題の解決のため、本発明においては、低汚染性、離型性に優れ、かつ、安定生産性に優れた、プラスチック成形に使用するプラスチック製スタンパ、スタンパの製造方法、及び、このスタンパを用いた微細形状を有するプラスチック製基板の製造方法を提供するものである。
本発明のプラスチック製スタンパの製造方法は、プラスチック成形に使用するスタンパの製造方法であって、板状のプラスチック材料に、マザースタンパを密着して固定する工程と、プラスチック材料に、マザースタンパを指向して赤外線を照射する工程と、プラスチック材料にマザースタンパのパターンを転写してスタンパを形成する工程とからなり、スタンパを形成するプラスチック材料として、プラスチック成形において成形されるプラスチック材料より、溶融温度の高いプラスチック材料を用いることを特徴とする。
また、本発明のプラスチック製スタンパは、少なくとも一部がフッ素樹脂によって形成されていることを特徴とする。
また、本発明の微細形状を有するプラスチック製基板の製造方法は、板状の第1のプラスチック材料に、マザースタンパを密着して固定する工程と、第1のプラスチック材料に、マザースタンパを指向して赤外線を照射する工程と、第1のプラスチック材料にマザースタンパのパターンを転写してプラスチック製スタンパを形成する工程と、板状の第2のプラスチック材料に、プラスチック製スタンパを密着して固定する工程と、第2のプラスチック材料にプラスチック製スタンパのパターンを転写して、微細形状を有するプラスチック製基板を形成する工程とを有し、第1のプラスチック材料に、第2のプラスチック材料よりも溶融温度の高いプラスチックを用いることを特徴とする。
ここで、本発明で用いるプラスチック材料の溶融温度とは、プラスチック材料が、結晶性樹脂のように融点を持つ場合には融点を意味し、非晶性樹脂のように融点を持たない場合にはガラス転移点を意味する。
本発明のプラスチック製スタンパの製造方法によれば、マザースタンパとプラスチック材料とを密着させた状態で、マザースタンパを指向して赤外線を照射する。これにより、マザースタンパ及びプラスチック材料を加熱することができる。そして、加熱によって粘度が低下したプラスチック材料に、マザースタンパのパターンを転写することができる。
また、本発明のプラスチック製スタンパによれば、溶融温度が高く、赤外線を透過し、離型性にすぐれたフッ素樹脂を用いてスタンパを形成している。このため、成形したプラスチック材料とスタンパとの剥離が容易であり、かつ、汚染し難いため、安定した成形が可能である。
また、本発明の微細形状を有するプラスチック製基板の製造方法によれば、まず、マザースタンパと第1のプラスチック材料とを密着させた状態で、マザースタンパ及びプラスチック材料を指向して赤外線を照射する。これにより、プラスチック材料を加熱し、粘度が低下したプラスチック材料に、マザースタンパのパターンを転写して、プラスチック製スタンパを作製する。そして、このプラスチック製スタンパを第2のプラスチック材料に転写することによって、微細形状を有するプラスチック製基板を製造することができる。
本発明によれば、プラスチック成形に使用するためのスタンパをプラスチック材料で製造することができる。このため、低コストで生産性に優れたプラスチック製スタンパを製造することができる。
また、このプラスチック製スタンパを用いることにより、安定して微細形状を有するプラスチック製基板を製造することができる。
まず、本発明のプラスチック製スタンパの製造方法の一実施の形態を、図1及び図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態のプラスチック製スタンパの製造方法にかかる、プラスチック製スタンパの製造装置10の構成毎の斜視図である。
製造装置10は、上部支持枠14と下部支持枠15とを有する。そして、上部支持枠14と下部支持枠15は、図示しない押圧手段と合わせて精密油圧プレス装置を構成し、上部支持枠14と下部支持枠15と間に組みこまれた部材をプレス成形することができる。
製造装置10の上部支持枠14と下部支持枠15との間には、この装置によって成形されてプラスチック製スタンパとなる、円板状のプラスチック材料11が配置されている。
そして、プラスチック材料11の上部には、プラスチック材料11に型を転写するためのパターンを有するマザースタンパ12が配置されている。さらに、マザースタンパ12に上部に、透明ヒートシンク13が接続されている。そして、マザースタンパ12と透明ヒートシンク13とを、上部支持枠14が内側で保持する構造となっている。
さらに、製造装置10には、上部支持枠14及び透明ヒートシンク13の上方に、マザースタンパ12のパターンをプラスチック材料11に転写する際に用いる、赤外線照射用の光源16が設けられている。そして、光源16からの赤外線が、ランプシェード17及び光導路18を通過して、装置の下方に照射される構成となっている。
次に、図2を用いて、上述の製造装置10を使用し、マザースタンパ12のパターンをプラスチック材料11に転写して、プラスチック製スタンパ21を製造する方法を説明する。
図2は、図1に示した製造装置10の構成のうち、プラスチック材料11、マザースタンパ12、透明ヒートシンク13、上部支持枠14、下部支持枠15のみを断面図で表している。
まず、図2Aに示すように、上部支持枠14と下部支持枠15との間に、プラスチック材料11を配置する。
このとき、上部支持枠14の内側には、図2Aに示すように、マザースタンパ12上に透明ヒートシンク13が接続した状態で固定されている。また、上部支持枠14と下部支持枠15とを、あらかじめ図示していないヒーターによって室温以上溶融温度未満に制御することによって、プラスチック材料11を予熱加熱しておく。
次に、上部支持枠14と下部支持枠15とを精密油圧プレス装置によって、圧力0.07〜0.26MPaでプラスチック材料11を型締めする。
このとき、図1に示した光源16、例えばハロゲンランプ(40W/cm)、から所定時間(例えば、10〜50秒)、赤外線19を放射する。そしてこの赤外線によって、プラスチック材料11をふく射加熱することにより、プラスチック材料11を昇温し、粘度を低下させる。
これにより、図2Bに示すようにプラスチック材料11を型締めし、マザースタンパ12に設けられたパターンを、プラスチック材料11に転写することができる。
次に、図2Cに示すように、光源16からの赤外線照射を停止し、プラスチック材料11を型締めしたまま所定時間(例えば、約180秒)、保持することによって、プラスチック材料11を冷却する。
これにより、プラスチック材料11は、パターンが転写された状態で固化し、プラスチック製スタンパ21となる。
そして、図2Dに示すように、上部支持枠14及び下部支持枠15にかかる圧力を解き、マザースタンパ12から離型することにより、冷却したプラスチック製スタンパ21を製造装置10から取り出す。
このようにして、プラスチック製スタンパ21を製造することができる。
上述の製造装置10において、赤外線をマザースタンパ12及びプラスチック材料11を指向して照射し、プラスチック材料11を加熱するため、透明ヒートシンク13は、赤外線に対して高い透過性を有する材料で構成する必要がある。
また、マザースタンパ12は、プラスチック材料11を加熱、成形するためには、プラスチック材料11よりも充分に融点の高い材料によって形成されていなければならない。
このため、マザースタンパ12は、プラスチック材料11よりも充分に融点が高い、無機材料から形成されていることが好ましい。例えば、セレン亜鉛(ZnSe)、ガラス、シリコン、サファイア、マグネシア等が好ましい。特に、半導体の製造方法の応用による微細加工が可能なシリコンによって形成されていることが好ましい。
また、透明ヒートシンク13としては、可視光及び赤外線の透過性とともに、機械的強度、熱拡散性に優れたサファイア、マグネシアを用いることが好ましい。
また、上部支持枠14及び下部支持枠15は、マザースタンパ12のパターンを、プラスチック材料11に転写する際に加わる圧力に耐える強度を有することが好ましい。また、冷却の際、赤外線によって加熱されたプラスチック材料の熱を速やかに取り除くために、優れた熱伝導性、放熱性を有することが好ましい。この上部支持枠14及び下部支持枠15としては、例えば、金属材料によって構成することができる。
上部保持枠14、及び、下部保持枠15が、放熱性の高い金属材料によって構成され、さらに、透明ヒートシンク13としてサファイアを用いることにより、図2Cで示したプラスチック材料11の冷却を短時間で行うことができる。
このため、製造時間を短縮することが可能になり、プラスチック製スタンパの生産性を向上させることができる。
上述の製造装置10において、赤外線の光源16としては、マザースタンパ12又はプラスッチック材料11を加熱することができる放射波長、及び、放射強度を発生する光源を使用することができる。例えば、光源16がレーザーである場合、固体レーザーとしては、発振波長が0.8以上1.6μm以下の範囲にある半導体レーザー、発振波長が1.06μmのNd(ネオジウム)をドープしたYAGレーザー、発振波長が1.8μm以上3.0μm以下の範囲にあるHo(ホルミウム)、Tm(ツリウム)、及び、Er(エルビウム)をドープしたYAGレーザー、ファイバーレーザー等を使用することができる。また、ガスレーザーとしては、一酸化炭素レーザー、炭酸ガスレーザー等を適宜使用することができる。さらに、量子カスケードレーザー、光パラメトリック発振器からなるレーザー等を使用してもよい。
この他、光源16としては、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンワイヤーを石英管に封入したカーボンランプ、発光ダイオード等を適宜使用することができる。
照射する赤外線の波長は、照射対象のマザースタンパ12及びプラスチック材料11を構成する材料の吸収波長の範囲内で、適宜選択することができる。
また、上述の製造装置10は、プラスチック材料11を、光を用いて成形できる構成であるため、安全で使いやすい製造装置を比較的安価に構成することができる。
また、上述のプラスチック製スタンパ21の製造方法は、光源16と、透明ヒートシンク13を用いた赤外線ふく射加熱を用いている。このため、マザースタンパ12及びプラスチック材料11の加熱、及び、冷却を効率的に行うことができ、プラスチック製スタンパ21を短時間で製造することができる。
なお、上述のプラスチック製スタンパ21の製造方法において使用しているプラスチック材料11は、円板状でなくてもよく、例えば、長方形や正方形等のシートやフィルム状のプラスチック材料であっても使用することができる。
次に、上述の製造方法によって製造された、プラスチック製スタンパ21の一例を図3に示す。
図3に示すプラスチック製スタンパ21は、円板状のプラスチック製スタンパ基体23と、プラスチック製スタンパ基体23の一方の表面上の凸パターン22とからなる。
プラスチック製スタンパ21の凸パターン22は、図1に示したマザースタンパ12のパターンの転写によって形成される。そして、この凸パターン22を、マイクロ流体チップの基板に転写することによって、マイクロ流体チップにおける流路を構成する溝を形成することができる。
凸パターン22の形状は、目的とするマイクロ流体チップの溝形状に合わせて適宜設計することができる。また、凸パターン22の形状は、マザースタンパ12のパターンを目的の形状に変更することによって、適宜変更することができる。
プラスチック製スタンパ21の大きさは、目的とするマイクロ流体チップの大きさに合わせて適宜設計することができ、例えば、プラスチック製スタンパ基体23の直径を22mm程度、厚さを1mm程度としたとき、凸パターン22の幅は10〜500μm、高さは1〜500μm程度で形成することができる。
また、図3において、円板状のプラスチック製スタンパ21を示しているが、プラスチック製スタンパ21の形状はこれに限られない。例えば、マイクロ流体チップの形状に、プラスチック製スタンパ21の形状を合わせることによって、マイクロ流体チップの製造を容易に行うことができる。例えば、プラスチック製スタンパ21は、円板状以外に、長方形や正方形等のシートやフィルム状の形状で形成することができる。
また、図3に示したプラスチック製スタンパ21は、後述するマイクロ流体チップの製造において、スタンパとして使用されるため、溶融温度がマイクロ流体チップを構成する材料よりも充分に高い材料が好ましい。また、マイクロ流体チップを連続して製造するため、プラスチック製スタンパ21は、離型性に優れた材料で構成することが好ましい。
溶融温度が高い材料としては、エンジニアリングプラスチック(EP)、スーパーエンジニアリングプラスチック(SEP)等を使用することができる。エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリブチレンテレフタレート(PPB)等を挙げることができる。また、スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリアリレート(PAR)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)等を挙げることができる。
また、溶融温度が高く、離型性に優れた材料としてはフッ素樹脂が挙げられ、例えば、
テフロン(登録商標)(融点367℃)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、融点327℃)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、融点260〜270℃)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF、融点172〜175℃)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、融点300〜310℃)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA、融点300〜310℃)等を挙げることができる。
また、上述の性質を有する物質の中でも、特に、高い溶融温度と高い離型性の両方の性質を有するPFAを用いることが好ましい。
なお、スタンパ21は、単一のプラスチック材料によって製造することも、複数のプラスチック材料によって製造することもできる。
例えば、上述した種類のプラスチック材料を単独で使用してもよく、また、複数のフッ素樹脂同士を混合、ないし積層化することや、フッ素樹脂とEP、SEPとを混合、ないし積層化することによって製造してもよい。
複数のプラスチック材料を混合、ないし積層化した場合は、単一の材料を用いる場合よりもプラスチック製スタンパとして必要となる、融点や離型性等の物性値を広い範囲で制御することができる。
また、離型性の低いエンジニアリングプラスチック(EP)、スーパーエンジニアリングプラスチック(SEP)を用いてプラスチック製スタンパ21を形成した場合には、離型性の高いフッ素樹脂などを、プラスチック製スタンパ21の表面に塗布することによって、離型性を確保することができる。例えば、プラスチック製スタンパ21の表面に、テフロン(登録商標)を塗布することによって、プラスチック製スタンパ21に高い離型性を与えることができる。
プラスチック製スタンパ21は、脆弱なシリコンやガラスに比べて、柔軟な性質を有するプラスチックを原料としているため、割れ等の損傷が起こりづらく、汚染も生じ難い点で優れている。
また、プラスチック材料の中から可視域の光に対して透明である材料を選択することにより、後述のマイクロ流体チップの成形時において、位置合わせ等を容易にできる。このため、マイクロ流体チップの製造において、操作性を向上させることができる。
さらに、可視域〜赤外域の光に対して透明な材料を選択することにより、赤外線ふく射加熱を利用したプラスチック成形の型として使用することが可能である。
次に、上述のプラスチック製スタンパ21を用いた、マイクロ流体チップ用のプラスチック製基板の製造方法を、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、プラスチック製基板の製造装置20の構成毎の斜視図である。
なお、図4に示したプラスチック製基板の製造装置20は、図1に示したプラスチック製スタンパの製造装置10と共通の装置を使用することができる。このため、図4及び図5において、図1及び図2と共通する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
製造装置20の上部支持枠14と下部支持枠15との間には、この装置によって成形されてプラスチック製基板となる、円板状のプラスチック材料34が配置されている。
そして、プラスチック材料34の上部には、プラスチック材料34にパターンを転写するためのプラスチック製スタンパ21が配置されている。さらに、プラスチック製スタンパ21の上部に、透明ヒートシンク13が接続されている。そして、プラスチック製スタンパ21と透明ヒートシンク13とを、上部支持枠14が内側で保持する構造となっている。
さらに、製造装置20には、上部支持枠14及び透明ヒートシンク13の上方に、プラスチック製スタンパ21のパターンをプラスチック材料34に転写する際に用いる、赤外線照射用の光源16が設けられている。そして、光源16からの赤外線が、ランプシェード17及び光導路18を通過して、装置の下方に照射される構成となっている。
次に、図5を用いて、上述の製造装置20を使用し、プラスチック製スタンパ21のパターンをプラスチック材料34に転写して、プラスチック製基板31を成形する方法を説明する。
図5は、図4に示した製造装置20の構成のうち、プラスチック材料34、プラスチック製スタンパ21、透明ヒートシンク13、上部支持枠14、下部支持枠15のみを断面図で表している。
まず、図5Aに示すように、上部支持枠14と下部支持枠15との間に、プラスチック材料34を配置する。
このとき、上部支持枠14の内側には、図5Aに示すように、プラスチック製スタンパ21上に透明ヒートシンク13が接続した状態で固定されている。また、上部支持枠14と下部支持枠15とを、あらかじめ図示していないヒーターによってプラスチック材料34の溶融温度未満に制御することによって、プラスチック材料34を予熱加熱しておく。
次に、上部支持枠14と下部支持枠15とを精密油圧プレス装置によって、圧力約0.1MPaでプラスチック材料34を型締めする。
このとき、図4に示した光源16、例えばハロゲンランプ(40W/cm)から所定時間(例えば、8〜28秒)、赤外線29を放射する。そしてこの赤外線によって、プラスチック材料34を加熱することにより、プラスチック製スタンパ21及びプラスチック材料34を昇温し、粘度を低下させる。
これにより、図5Bに示すようにプラスチック材料34を型締めし、プラスチック製スタンパ21に設けられたパターンを、プラスチック材料34に転写することができる。
次に、図5Cに示すように、光源16からの赤外線照射を停止し、プラスチック材料34を型締めしたまま所定時間(例えば、約10秒)、保持することによって、プラスチック材料34を冷却する。
これにより、プラスチック材料34は、パターンが転写された状態で固化し、マイクロ流体チップ用のプラスチック製基板31となる。
そして、図5Dに示すように、上部支持枠14及び下部支持枠15にかかる圧力を解き、プラスチック製スタンパ21から離型することにより、冷却されたプラスチック材料34を製造装置20から取り出す。
このようにして、マイクロ流体チップ用のプラスチック製基板31を製造することができる。
上述の図5Bで示した工程において、プラスチック製スタンパ21及びプラスチック材料34に照射する赤外線29の波長は、照射対象のプラスチック製スタンパ21及びプラスチック材料34を構成する材料の吸収波長の範囲内で、適宜選択することができる。
なお、上述のプラスチック製基板31の製造方法において、使用しているプラスチック材料34は、円板状でなくてもよい。例えば、プラスチック材料34の形状は、プラスチック製スタンパ21の形状と同様の形状を用いることにより、成形の際の位置合わせ等が容易になる。このため、プラスチック材料34の形状は、プラスチック製スタンパ21の形状に合わせて、円板状や、長方形、正方形等のシートやフィルム状のプラスチック材料を適宜選択することが好ましい。
次に、上述の成形方法によって製造された、プラスチック製基板31の一例を図6に示す。
図6に示すプラスチック製基板31は、円板状のプラスチック基体33と、プラスチック基体33の一方の表面に形成された凹パターン32とからなる。
プラスチック製基板31の凹パターン32は、図3に示したプラスチック製スタンパ21の凸パターン22の転写によって形成される。
そして、この凹パターン32が、マイクロ流体チップにおいて、流路となる溝を形成する。
凹パターン32の形状は、目的とするマイクロ流体チップの溝形状に合わせて適宜変更することができる。また、凹パターン32の形状は、図3に示したプラスチック製スタンパ21の凸パターン22の形状を変更することによって、目的とするマイクロ流体チップの溝形状に適宜変更することができる。
プラスチック製基板31の大きさは、目的とするマイクロ流体チップの大きさに合わせて適宜設計することができる。例えば、プラスチック基体33の直径を24mm程度、厚さを1mm程度としたとき、凹パターンの幅を10〜500μm程度、深さを1〜500μm程度で形成することができる。
また、図6において、円板状のプラスチック製基板31を示しているが、プラスチック製基板31の形状はこれに限られない。
プラスチック製基板31は、これに蓋部材が接合されることによってマイクロ流体チップが形成される。このため、マイクロ流体チップの形状に合わせて、プラスチック製基板31を形成することで、マイクロ流体チップの製造を容易にすることができる。例えば、プラスチック製基板31は、円板状以外に、長方形や正方形等のシートやフィルム状の形状で形成することができる。
また、図6に示す、プラスチック製基板31は、上述のプラスチック製スタンパ21よりも充分に溶融温度の低い材料を使用する必要がある。
プラスチック製基板31には、プラスチック材料としては、例えば、非晶性環状オレフィンコポリマー(COC、ガラス転移点40〜180℃)、ポリメチルメタクリレート(PMMA、ガラス転移点105℃)、ポリカーボネート(PC、ガラス転移点150℃)等の光学的透明性に優れたプラスチック材料を用いることができる。
次に、上述のマイクロ流体チップ用のプラスチック製基板31を用いる、マイクロ流体チップの溶着方法の実施の形態を、図7及び図8を用いて説明する。
図7は、本実施の形態のマイクロ流体チップの溶着方法にかかる、マイクロ流体チップの溶着装置30の構成毎の斜視図である。
なお、図7に示したマイクロ流体チップの溶着装置30は、図1及び図4に示したプラスチック製スタンパ21の製造装置10、プラスチック製基板31の製造装置20と共通の装置を使用することができる。このため、図7及び図8において、図1、図2、図4、及び、図5と共通する構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
溶着装置30の上部支持枠14と下部支持枠15との間には、この装置によって成形されてマイクロ流体チップとなる、プラスチック製基板31と蓋部材35とを配置している。
そして、プラスチック製基板31の下部には、透明ヒートシンク13Bが設けられ、蓋部材35の上部には、透明ヒートシンク13Aが設けられている。
さらに、透明ヒートシンク13Aの上部には、プラスチック製基板31の表面に設けられた溝部分に合わせて、赤外線を遮蔽するパターンマスク38が設けられている。
そして、透明ヒートシンク13Aが上部支持枠14の内側で保持され、下部の透明ヒートシンク13Bが下部支持枠15の内部で保持される構造となっている。
さらに、溶着装置30には、上部支持枠14及びパターンマスク38の上方に、プラスチック製基板31と蓋部材35とを接合する際に用いる、赤外線照射用の光源16が設けられている。そして、光源16からの赤外線が、ランプシェード17及び光導路18を通過して、装置の下方に照射される構成となっている。
蓋部材35の形状は、プラスチック製基板31と同じ円板状であり、プラスチック製基板31に形成された溝(凹部)の端部に合わせた位置で、蓋部材35の厚さ方向に貫通した孔が設けられている。
パターンマスク38は、箔、めっき、蒸着等によって製膜された薄膜状の部品であり、赤外線を遮蔽できる金、アルミニウム、クロム、ニッケル等によって形成される。
そして、パターンマスク38を、プラスチック製基板31の溝部分の形状に合わせて設けることにより、プラスチック製基板31の溝部分への赤外線の照射を防ぐことができる。このため、プラスチック製基板31の溝部分に赤外線が直接照射されることによる溝形状の変形を防ぐことができる。
次に、図8を用いて、上述の溶着装置30を使用する、プラスチック製基板31と蓋部材35との溶着によるマイクロ流体チップの溶着方法を説明する。
なお、図8は、図7に示した溶着装置30の構成のうち、プラスチック製基板31、蓋部材35、透明ヒートシンク13A,B、マスクパターン38、上部支持枠14、下部支持枠15のみを断面図で表している。
まず、図8Aに示すように、上部支持枠14と下部支持枠15との間に、プラスチック製基板31と、蓋部材35とを配置する。
このとき、図8Aに示すように、上部支持枠14内には、透明ヒートシンク13Aが固定され、下部支持枠15に内に、透明ヒートシンク13Bが固定されている。
また、上部支持枠14と下部支持枠15とを、あらかじめ図示していないヒーターによってプラスチック製基板31の熱変形温度未満の温度に制御することによって、プラスチック製基板31と蓋部材35とを加熱しておく。
次に、上部支持枠14と下部支持枠15との間に、プラスチック製基板31と蓋部材35とを組み込み、精密油圧プレス装置によって上下から圧力0.1MPa程度に加圧する。
このとき、図7に示した光源16、例えばハロゲンランプ(放射照度12W/cm)、から所定時間(例えば、8〜20秒)、赤外線39を放射する。そして、この赤外線によってプラスチック製基板31及び蓋部材35の接触面をふく射加熱することにより、プラスチック材料を昇温し、粘度を低下させる。
また、プラスチック基板31の凹パターン32に合わせて設けられたマスクパターン38によって、赤外線39を遮蔽することができる。このため、赤外線ふく射加熱による凹部パターン32の変形を防ぐことができる。
これにより、図8Bに示すように、凸パターン32の変形を抑制した上で、プラスチック製基板31と蓋部材35とを短時間で溶着することができる。
次に、図8Cに示すように、プラスチック製基板31と蓋部材35とを固定した状態で所定時間(例えば、約10秒)、保持することによって冷却する。
これにより、プラスチック製基板31と蓋部材35とが溶着した状態で固化し、マイクロ流体チップ40となる。
そして、図8Dに示すように、上部支持枠14及び下部支持枠15にかかる圧力を解き、プラスチック製スタンパ21から離型することにより、冷却されたマイクロ流体チップ40を溶着装置30から取り出す。
このようにして、マイクロ流体チップ40を製造することができる。
上述の図8Bで示した工程において、プラスチック製基板31及び蓋部材35に照射する赤外線39の波長は、照射対象のプラスチック製基板31及び蓋部材35を構成する高分子の吸収波長の範囲内で、適宜選択することができる。
なお、上述のマイクロ流体チップ40の溶着方法において、使用しているプラスチック製基板31及び蓋部材35は、円板状でなくてもよい。プラスチック製基板31及び蓋部材35の形状は、目的のマイクロ流体チップ40の形状に合わせて、円板状や、長方形、正方形等のシートやフィルム状のプラスチック材料を適宜選択することが好ましい。
また、上述のマイクロ流体チップ40の溶着方法において、パターンマスク38を用いた構成としている。しかし、赤外線照射によるプラスチック製基板31の溝形状の変形を問題としない場合や、プラスチック製基板31の材料又は赤外線照射量を選択することによって、溝形状の変形を無視できる程度まで軽減することにより、パターンマスク38を用いずにマイクロ流体チップ40を溶着することができる。
また、上述の溶着装置30において、パターンマスク38を透明ヒートシンク13Aの上部に設ける構成としている。しかし、パターンマスク38の位置は、光源16とマイクロ流体チップ40と透明ヒートシンク13Aの接触面との間であれば、どの位置に設けてもよい。
例えば、透明ヒートシンク13Aを複数層から構成する場合には、複数の透明ヒートシンク13Aの層と層の間に設けることもできる。
また、上述の溶着装置30では、下部支持枠15内に、透明ヒートシンク13Bを設けた構成としている。しかし、溶着装置30は、図1及び図4に示した製造装置10,20のように、下部支持枠15内に、透明ヒートシンク15を設けない構成とすることもできる。
赤外線を照射することによってプラスチック材料をふく射加熱する場合に、プラスチック材料を透明ヒートシンク13A,Bで挟むことにより、放熱性を高めることができる。このため、溶着時間の短縮が可能となり、マイクロ流体チップの生産性を向上させることができる。
次に、上述の溶着方法によって製造された、マイクロ流体チップ40の一例を図9に示す。
図9に示すマイクロ流体チップ40は、プラスチック製基板31の凹パターン(溝)32が形成された面に、蓋部材35が溶着することによって構成されている。そして、プラスチック製基板31に設けられた溝32の端部と、蓋部材35の貫通孔36との位置がほぼ一致した状態で溶着されている。
プラスチック製基板31の溝32は、マイクロ流体チップにおいて分析試料の流路となる。そして、蓋部材35の貫通孔36は、分析試料がマイクロ流体チップの流路へ投入、又は、流路から排出されるための開口部である。さらに、マイクロ流体チップの流路へ投入される分析試料の液溜め部となる。貫通孔36は、作業性の観点から、内径が0.5〜10mmの範囲であることが好ましく、さらに、1〜5mmの範囲であることが好ましい。
図9に示したマイクロ流体チップ40には、2本の溝32が交差し、溝32のそれぞれの端部において、4つの貫通孔36と連結する構成となっている。しかし、マイクロ流体チップ40に設けられた、溝32及び貫通孔36の数や形状は、必要に応じて任意に設計することができる。
なお、マイクロ流体チップ40に設けられる流路は、試料の分析のためには、少なくとも1本以上必要である。このため、プラスチック製基板31には、少なくとも1本以上の溝32を形成する必要がある。
また、マイクロ流体チップ40の流路は、複数本の溝32によって形成されてもよい。そして、複数本の溝32を形成する場合には、それぞれの溝32を交差させることが好ましい。また、複数本の溝32の端部には、貫通穴36をそれぞれ連結させることが好ましい。
また、蓋部材35は、上述のプラスチック製基板31を構成する材料と同様に、例えば、非晶性環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等の透明性プラスチック材料を用いることができる。さらに、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体(SEPS)等のスチレン系熱可塑性エラストマーや、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の透明性を有するエラストマーを用いることができる。
特に、COCとスチレン系エラストマー、又は、COCとオレフィン系エラストマーは、互いに溶着し易い材料の組み合わせであるため、プラスチック製基板31と蓋材料35のいずれか一方にCOCを使用し、他方にスチレン系エラストマー又はオレフィン系エラストマーを使用することが好ましい。
また、本実施の形態において、図1、図4で示した製造装置10,20及び図7で示した溶着装置30を共通に使用することができる。このため、マイクロ流体チップを製造するための設備投資を最小限に抑えることができ、また、装置を共通で使用することによりコストを減少させることができる
上述の実施の形態では、本発明の微細形状を有するプラスチック製基板の製造方法を、マイクロ流体チップの製造方法に適用して説明した。しかし、本発明の微細形状を有するプラスチック製基板の製造方法はマイクロ流体チップの製造方法に限らず、例えば、細な凹凸形状を有するプラスチック製基板等、微細形状を有するプラスチック製基板の製造方法に適用することができる。
本発明は、上述の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
プラスチック製スタンパの製造装置を説明する図である。 A〜D 本実施の形態のプラスチック製スタンパの製造方法を説明する図である。 プラスチック製スタンパの一例を示す図である。 マイクロ流体チップ用のプラスチック製基板の製造装置を説明する図である。 A〜D マイクロ流体チップ用のプラスチック製基板の製造方法を説明する図である。 マイクロ流体チップ用のプラスチック製基板の一例を示す図である。 マイクロ流体チップの溶着装置を説明する図である。 A〜D マイクロ流体チップの溶着方法を説明する図である。 マイクロ流体チップを示す図である。
符号の説明
10,20 製造装置、11,34 プラスチック材料、12 マザースタンパ、13,13A,13B 透明ヒートシンク、14、上部支持枠、15 下部支持枠、16 光源、17 ランプシェード、18 光導路、19,29,39 赤外線、21 プラスチック製スタンパ、22 凸パターン、23 プラスチック製スタンパ基体、30 溶着装置、31プラスチック製基板、32 凹パターン、33 プラスチック基体、35 蓋部材、36 貫通孔、38 パターンマスク、40 マイクロ流体チップ

Claims (7)

  1. プラスチック成形に使用するスタンパの製造方法であって、
    板状のプラスチック材料に、マザースタンパを密着して固定する工程と、
    前記プラスチック材料に、前記マザースタンパを指向して赤外線を照射する工程と、
    前記プラスチック材料に前記マザースタンパのパターンを転写してスタンパを形成する工程とからなり、
    前記スタンパを形成するプラスチック材料として、前記プラスチック成形において成形されるプラスチック材料より、溶融温度の高いプラスチック材料を用いる
    ことを特徴とするプラスチック製スタンパの製造方法。
  2. 前記プラスチック成形が、マイクロ流体チップ基板の成形加工であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック製スタンパの製造方法。
  3. 前記プラスチック材料として、少なくとも一部がフッ素樹脂である材料を使用することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック製スタンパの製造方法。
  4. 少なくとも一部がフッ素樹脂によって形成されていることを特徴とするプラスチック成形加工用のプラスチック製スタンパ。
  5. 前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマーであることを特徴とする請求項4に記載のプラスチック製スタンパ。
  6. 板状の第1のプラスチック材料に、マザースタンパを密着して固定する工程と、
    前記第1のプラスチック材料に、前記マザースタンパを指向して赤外線を照射する工程と、
    前記第1のプラスチック材料に前記マザースタンパのパターンを転写してプラスチック製スタンパを成形する工程と、
    板状の第2のプラスチック材料に、前記プラスチック製スタンパを密着して固定する工程と、
    前記第2のプラスチック材料に前記プラスチック製スタンパのパターンを転写して、微細形状を有するプラスチック製基板を形成する工程とを有し、
    前記第1のプラスチック材料に、前記第2のプラスチック材料よりも溶融温度の高いプラスチックを用いる
    ことを特徴とする微細形状を有するプラスチック製基板の製造方法。
  7. 前記微細形状を有するプラスチック製基板を形成する工程の後に、前記微細形状を有するプラスチック製基板に蓋部材を溶着して、マイクロ流体チップを製造する工程を有することを特徴とする請求項6に記載の微細形状を有するプラスチック製基板の製造方法。
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