JP2008069658A - 内燃機関のスロットル開度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】減速状態からアクセルペダルが踏み込まれた際に、スロットル開度を増大させる途中で、スロットル開度を一時的にほぼ一定に保持する第1のスロットル開度保持制御を行う(時刻t1〜t2)。第1のスロットル開度保持制御の終了後、スロットル開度を増大させる途中で、再びスロットル開度を一時的にほぼ一定に保持する第2のスロットル開度保持制御を行う(時刻t4〜t5)。第1のスロットル開度保持制御は、機関回転数がタービン回転数(駆動系の入力軸回転数)より低い状態のときに開始される。第2のスロットル開度保持制御は、機関回転数がタービン回転数より高い状態のときに開始される。
【選択図】図2
Description
車両に搭載され、駆動系を介して前記車両を駆動する内燃機関のスロットル開度を制御する装置であって、
減速状態からアクセルペダルが踏み込まれた際に、スロットル開度を増大させる途中で、スロットル開度を一時的にほぼ一定に保持する第1のスロットル開度保持制御を行う第1のスロットル開度保持手段と、
前記第1のスロットル開度保持制御の終了後、スロットル開度を増大させる途中で、再びスロットル開度を一時的にほぼ一定に保持する第2のスロットル開度保持制御を行う第2のスロットル開度保持手段と、
を備えることを特徴とする。
前記第1のスロットル開度保持制御は、機関回転数が前記駆動系の入力軸回転数より低い状態のときに開始され、
前記第2のスロットル開度保持制御は、機関回転数が前記入力軸回転数以上になったときに開始されることを特徴とする
前記第2のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間を、前記駆動系の捩じり共振周波数に対応した時間に制御する保持時間制御手段を更に備えることを特徴とする。
前記駆動系は、変速機を含み、
前記変速機のギア段または変速比が高速側にあるほど、前記第2のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間を短くする保持時間制御手段を更に備えることを特徴とする。
前記第2のスロットル開度保持制御は、前記駆動系の揺り返しに起因するドライブシャフトトルク変動の最初の極大値の前に、終了されることを特徴とする。
前記駆動系は、変速機を含み、
前記第2のスロットル開度保持制御時のスロットル開度を、前記変速機のギア段または変速比と、機関回転数とに基づいて設定する保持開度設定手段を更に備えることを特徴とする。
前記第2のスロットル開度保持制御終了後のスロットル開度上昇勾配を、前記変速機のギア段または変速比に基づいて設定する開度上昇勾配設定手段を更に備えることを特徴とする。
前記駆動系は、変速機を含み、
前記第1のスロットル開度保持制御時のスロットル開度、前記第1のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間、および、前記第1のスロットル開度保持制御と前記第2のスロットル開度保持制御との間におけるスロットル開度上昇勾配、の少なくとも一つを、前記変速機のギア段もしくは変速比と、機関回転数との一方または両方に基づいて設定する手段を更に備えることを特徴とする。
前記駆動系は、変速機を含み、
機関回転数と前記駆動系の入力軸回転数との回転数差を検出する回転数差検出手段と、
前記変速機のギア段または変速比に基づいて、前記第1のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間を設定する保持時間設定手段と、
を更に備え、
前記第1のスロットル開度保持制御は、前記回転数差がゼロになることと、前記設定されたスロットル開度保持時間が到来することとの、何れか早く成立した方を条件として終了されることを特徴とする。
前記第1のスロットル開度保持制御時のスロットル開度、前記第1のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間、前記第1のスロットル開度保持制御と前記第2のスロットル開度保持制御との間におけるスロットル開度上昇勾配、前記第2のスロットル開度保持制御時のスロットル開度、および、前記第2のスロットル開度保持制御終了後のスロットル開度上昇勾配、の少なくとも一つを、アクセル開度に基づいて補正する補正手段を更に備えることを特徴とする。
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すエンジン11は、図示しない車両に動力源として搭載されているものとする。このエンジン11のシリンダブロック12にはシリンダ13が形成され、そのシリンダ13内にはピストン15が往復移動可能に収容されている。エンジン11内にはシリンダ13及びシリンダヘッド14とピストン15の上面とによって燃焼室16が区画形成されている。エンジン11は出力軸であるクランクシャフト17と、ピストン15の往復運動をクランクシャフト17の回転運動に変換するコネクティングロッド19とを備えている。
[実施の形態1の特徴]
第1のスロットル開度保持制御(時刻t2〜t3)は、駆動系ガタショックを抑制するために実行される制御である。前述したように、減速中はエンジン回転数NEがタービン回転数NTより低くなっているため、自動変速機44の変速機構やディファレンシャルギアなどの駆動系に存在するガタ(遊び)が詰まっていない状態になっている。この状態からエンジン回転数NEが上昇していくと、タービン回転数NTを超える瞬間に駆動系ガタが吸収される。そして、駆動系ガタの吸収が完了すると(時刻t3)、エンジントルクがドライブシャフトへ伝達される駆動状態となり、ドライブシャフトトルクが正の方向に立ち上がり始める(図2(a)参照)。
前述したように、エンジン回転数NEがタービン回転数NTを超えた場合には、駆動系ガタの吸収が完了したと判断することができる。駆動系ガタの吸収が完了した後、すぐにスロットル開度の上昇を再開させることとすれば、駆動系ガタショックを抑制しつつ、迅速な応答性を得ることができる。そこで、ECU40は、エンジン回転数センサ20およびタービン回転数センサ43の検出値に基づいてエンジン回転数NEとタービン回転数NTとの回転数差を監視し、その回転数差がゼロになったら、第1のスロットル開度保持制御を終了する。
上記終了条件1では、エンジン回転数NEがタービン回転数NT以上になるまでに時間がかかった場合には、スロットル開度を再上昇させ始めるタイミング(時刻t3)が遅くなる。そこで、本実施形態では、各ギア段毎に予め開度保持時間を設定しておき、第1のスロットル開度保持制御の開始時(時刻t2)からの経過時間がその開度保持時間に達した場合には、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとの回転数差がゼロになるのを待たずに、第1のスロットル開度保持制御を終了することとした。これにより、スロットル開度を再上昇させ始めるタイミング(時刻t3)が遅くなることを確実に防止することができるので、応答性をより確実に良好にすることができる。ところで、駆動系ガタショックのレベルは、各ギア段毎に異なる。よって、各ギア段毎に、上記開度保持時間を、駆動系ガタショックを十分に抑制することができるような長さに予め設定しておくのが好ましい。この終了条件2が適用される場合、すなわちエンジン回転数NEとタービン回転数NTとの回転数差がゼロになる前に上記開度保持時間が経過するような場合は、エンジン回転数NEの上昇勾配が比較的緩やかな場合である。よって、この場合には、エンジン回転数NEとタービン回転数NTとの回転数差がゼロになるのを待たずに第1のスロットル開度保持制御を終了しても、大きな駆動系ガタショックが生ずることはない。
駆動系ガタの吸収が完了し、エンジントルク(正トルク)が駆動系に伝わり始めると、駆動系(特にドライブシャフト)が捩じられた状態となる。その捩じれが戻ることによる駆動系からの反力が、駆動系の揺り返しである。図3は、駆動系ガタと衝撃力の関係を示す図である。同図中Aで示すように、駆動系に正トルクが作用して捩じれが発生すると、同図中Bで示すように、それと同じ力で揺り返しが生ずる。減速状態からの加速時には、駆動系ガタショックに加えて、この駆動系の揺り返しが車両に伝達することによる加速ショックが生ずる。
第2のスロットル開度保持制御(図2(d)中の時刻t4〜t5)は、上述した駆動系の揺り返しによる加速ショックを抑制するために実行される制御である。この第2のスロットル開度保持制御の作用効果を分かり易くするため、まず、この制御を実施しなかったとした場合について説明する。
以上、本実施形態のスロットル開度制御について説明したが、上述したようにして設定されるスロットル開度に対し、アクセルペダル38の踏み込み量に応じた補正(以下、「アクセル開度補正」という)を施すようにしてもよい。図4は、アクセル開度補正が実施された場合のスロットル開度変化を示す図である。図4中の破線部が、アクセル開度補正された部分のスロットル開度である。
次に、本実施形態の変形例について説明する。本実施形態は、例えば図5あるいは図6に示すように変形することが可能である。図5に示す変形例1のスロットル開度制御は、上述した本実施形態のスロットル開度変化を、滑らかな曲線状になるように変換したものに相当する。このように、本発明のスロットル開度制御では、スロットル開度を曲線的に変化させるようにしてもよい。なお、本発明では、第1のスロットル開度保持制御あるいは第2のスロットル開度保持制御時のスロットル開度は、完全に一定としなくてもよく、ほぼ一定であればよい。
17 クランクシャフト
20 エンジン回転数センサ
36 スロットルバルブ
37 スロットルバルブモータ
37a スロットルセンサ
38 アクセルペダル
39 アクセル開度センサ
40 ECU(Electronic Control Unit)
41 トルクコンバータ
42 入力軸
43 タービン回転数センサ
44 自動変速機
45 ギヤ段センサ
46 ポンプインペラー
47 タービンランナー
Claims (10)
- 車両に搭載され、駆動系を介して前記車両を駆動する内燃機関のスロットル開度を制御する装置であって、
減速状態からアクセルペダルが踏み込まれた際に、スロットル開度を増大させる途中で、スロットル開度を一時的にほぼ一定に保持する第1のスロットル開度保持制御を行う第1のスロットル開度保持手段と、
前記第1のスロットル開度保持制御の終了後、スロットル開度を増大させる途中で、再びスロットル開度を一時的にほぼ一定に保持する第2のスロットル開度保持制御を行う第2のスロットル開度保持手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関のスロットル開度制御装置。 - 前記第1のスロットル開度保持制御は、機関回転数が前記駆動系の入力軸回転数より低い状態のときに開始され、
前記第2のスロットル開度保持制御は、機関回転数が前記入力軸回転数以上になったときに開始されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のスロットル開度制御装置。 - 前記第2のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間を、前記駆動系の捩じり共振周波数に対応した時間に制御する保持時間制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関のスロットル開度制御装置。
- 前記駆動系は、変速機を含み、
前記変速機のギア段または変速比が高速側にあるほど、前記第2のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間を短くする保持時間制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関のスロットル開度制御装置。 - 前記第2のスロットル開度保持制御は、前記駆動系の揺り返しに起因するドライブシャフトトルク変動の最初の極大値の前に、終了されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関のスロットル開度制御装置。
- 前記駆動系は、変速機を含み、
前記第2のスロットル開度保持制御時のスロットル開度を、前記変速機のギア段または変速比と、機関回転数とに基づいて設定する保持開度設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の内燃機関のスロットル開度制御装置。 - 前記第2のスロットル開度保持制御終了後のスロットル開度上昇勾配を、前記変速機のギア段または変速比に基づいて設定する開度上昇勾配設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関のスロットル開度制御装置。
- 前記駆動系は、変速機を含み、
前記第1のスロットル開度保持制御時のスロットル開度、前記第1のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間、および、前記第1のスロットル開度保持制御と前記第2のスロットル開度保持制御との間におけるスロットル開度上昇勾配、の少なくとも一つを、前記変速機のギア段もしくは変速比と、機関回転数との一方または両方に基づいて設定する手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の内燃機関のスロットル開度制御装置。 - 前記駆動系は、変速機を含み、
機関回転数と前記駆動系の入力軸回転数との回転数差を検出する回転数差検出手段と、
前記変速機のギア段または変速比に基づいて、前記第1のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間を設定する保持時間設定手段と、
を更に備え、
前記第1のスロットル開度保持制御は、前記回転数差がゼロになることと、前記設定されたスロットル開度保持時間が到来することとの、何れか早く成立した方を条件として終了されることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の内燃機関のスロットル開度制御装置。 - 前記第1のスロットル開度保持制御時のスロットル開度、前記第1のスロットル開度保持制御におけるスロットル開度保持時間、前記第1のスロットル開度保持制御と前記第2のスロットル開度保持制御との間におけるスロットル開度上昇勾配、前記第2のスロットル開度保持制御時のスロットル開度、および、前記第2のスロットル開度保持制御終了後のスロットル開度上昇勾配、の少なくとも一つを、アクセル開度に基づいて補正する補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項記載の内燃機関のスロットル開度制御装置。
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