JP2007309548A - 熱間等方圧プレス装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】処理室内の温度分布を低減させるとともに特に冷却工程において冷却速度を速めることができかつ構造が単純な熱間等方圧プレス装置を提供する。
【解決手段】高圧容器2と、高圧容器内に収容された隔離室形成体と、隔離室形成体内に収容された処理室形成体4とを有し、隔離室形成体は上端に内外を連通させる通路18が設けられ下端に内外を連通させる通路19と当該通路を開閉する開閉弁7が設けられ、処理室形成体は上端が開放され下端にファン27が換気のために設けられており、開閉弁は弁体40がファンを駆動するモータ28に一体化されてモータをその駆動軸19方向に移動させることにより開閉動作するように構成されてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】高圧容器2と、高圧容器内に収容された隔離室形成体と、隔離室形成体内に収容された処理室形成体4とを有し、隔離室形成体は上端に内外を連通させる通路18が設けられ下端に内外を連通させる通路19と当該通路を開閉する開閉弁7が設けられ、処理室形成体は上端が開放され下端にファン27が換気のために設けられており、開閉弁は弁体40がファンを駆動するモータ28に一体化されてモータをその駆動軸19方向に移動させることにより開閉動作するように構成されてなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高温高圧の不活性ガス雰囲気下において、例えば異種材料の拡散接合を行う熱間等方圧プレス装置に関する。
熱間等方圧プレス法(以下「HIP法」ということがある)は、数10〜数100MPaの高圧ガス雰囲気下において処理対象物の再結晶温度以上の高温で処理することにより、鋳造製品中およびセラミックス等の焼結製品中の残留気孔を消滅させる技術として、機械的特性の向上、特性のバラツキの低減、および歩留まり向上などの効果が確認され、広く工業的に使用されるに至っている。
このような目的で使用される通常の熱間等方圧プレス装置(以下「HIP装置」ということがある)の構造は、図14に示される熱間等方圧プレス装置101のように、縦形円筒状の高圧容器102の内部に抵抗線加熱方式の電気炉が収納された構造となっている。高圧容器102内部には、処理室104を取り囲むように抵抗線加熱方式のヒータ103,103,103が上下方向に複数段に分割されて配置されている。これは、加圧および加熱用のガスの激しい自然対流によって上部が高温で下部が低温という温度分布が発生しやすいために、上下方向全体に渡って加熱することにより均熱性を確保するためである。また、ガスの自然対流は処理室104を加熱昇温するための熱が過度に系外に放散される要因ともなるため、これを効率よく抑制できるように底付き円筒形状の断熱構造体105で処理室104とヒータ103,103,103とを取囲む構造が採用されている。断熱構造体105を通過して高圧容器102に伝達された熱は、水冷ジャケット部106を流れる冷却水により除去される。
このような目的で使用される通常の熱間等方圧プレス装置(以下「HIP装置」ということがある)の構造は、図14に示される熱間等方圧プレス装置101のように、縦形円筒状の高圧容器102の内部に抵抗線加熱方式の電気炉が収納された構造となっている。高圧容器102内部には、処理室104を取り囲むように抵抗線加熱方式のヒータ103,103,103が上下方向に複数段に分割されて配置されている。これは、加圧および加熱用のガスの激しい自然対流によって上部が高温で下部が低温という温度分布が発生しやすいために、上下方向全体に渡って加熱することにより均熱性を確保するためである。また、ガスの自然対流は処理室104を加熱昇温するための熱が過度に系外に放散される要因ともなるため、これを効率よく抑制できるように底付き円筒形状の断熱構造体105で処理室104とヒータ103,103,103とを取囲む構造が採用されている。断熱構造体105を通過して高圧容器102に伝達された熱は、水冷ジャケット部106を流れる冷却水により除去される。
ところで、熱間等方圧プレス装置は1950年代の半ばに発明され、その後約20年間は、温度圧力保持工程において高圧容器内部を均熱化し安定した操業を可能にするために加熱用のガスの自然対流による影響が着目された。そのため、内部のヒータ構造および高温の処理室空間から高圧容器内面への熱の放散を抑制するための断熱構造についての研究開発が主になされ、図14および図15に示される熱間等方圧プレス装置101,111に代表される断熱効果の高い構造が採用されるに至った。
図14に示される熱間等方圧プレス装置101は、下方において内外を連通させる連通路107,107が設けられた上底付き円筒状の断熱構造体105を有し、図15に示される熱間等方圧プレス装置111は、下方が閉じられ上端に内外を連通させる連通路112,112が設けられた上底付き円筒状の断熱構造体113を有している。
図14に示される熱間等方圧プレス装置101は、下方において内外を連通させる連通路107,107が設けられた上底付き円筒状の断熱構造体105を有し、図15に示される熱間等方圧プレス装置111は、下方が閉じられ上端に内外を連通させる連通路112,112が設けられた上底付き円筒状の断熱構造体113を有している。
図14および図15に示される熱間等方圧プレス装置101,111の違いは、断熱構造体105,113の内外での温度差に起因する自然対流を抑止する手法の考え方の違いであって、図14に示される断熱構造体105は、断熱構造体105の下端部の連通路107,107によって断熱構造体105の内側と外側でのガスの密度差による圧力差を解消しながら、断熱構造体105の上方を閉じることにより高圧容器102内の対流を抑制して、断熱構造体外105への過度の放熱を防止する。
一方、図15示される断熱構造体113は、断熱構造体113の上端の連通路112,112により断熱構造体113の内外の圧力差を解消し、断熱構造体113の下方を閉じることにより高圧容器114内の対流を抑制して、断熱構造体113外への過度の放熱を防止する。
一方、図15示される断熱構造体113は、断熱構造体113の上端の連通路112,112により断熱構造体113の内外の圧力差を解消し、断熱構造体113の下方を閉じることにより高圧容器114内の対流を抑制して、断熱構造体113外への過度の放熱を防止する。
熱間等方圧プレス装置として図14および図15に示されるような構造を採用することにより、温度圧力保持工程においては高圧容器102,114内部の実用的な均熱化が図られ安定した操業が可能になったが、その一方で、図14および図15に示される構造は、断熱効果が高いために温度圧力保持工程後の冷却工程で冷却速度を速めることができず、冷却工程に長時間を要するという問題が生じた。
そこで、温度圧力保持工程で十分な断熱性能を維持しながら冷却工程では高圧容器内のガスの対流を利用して放熱させる方法が検討され、当初、ガスの温度差(密度差)による自然対流の利用が試みられた。
そこで、温度圧力保持工程で十分な断熱性能を維持しながら冷却工程では高圧容器内のガスの対流を利用して放熱させる方法が検討され、当初、ガスの温度差(密度差)による自然対流の利用が試みられた。
例えば、図14に示されるような熱間等方圧プレス装置101では、断熱構造体105の上端に内外を連通させる流路および流路を開閉する弁を設け、冷却工程では弁を開いて断熱構造体105の内側と外側での圧力差による自然対流を生じさせ高圧容器102内面による熱交換を利用する。また、図15に示されるような熱間等方圧プレス装置111では、断熱構造体113の下端に内外を連通させる流路および流路を開閉する弁を設け、冷却工程では弁を開いて自然対流を生じさせ高圧容器114内面による熱交換を利用するというものである(特許文献1)。
しかし、特許文献1に開示された熱間等方圧プレス装置のように自然対流による熱交換の方式は、本来好ましくない処理室内の上下方向の温度分布の存在を前提としなければならない。また、自然対流による熱交換方式では、例えば特許文献1に開示されたように、加熱のためにサイドヒータとベースヒータとを併設する場合が多く、そのために偏流が発生して、高圧容器の円周方向の温度分布が一様ではなくなる。さらに、冷却が進行して高圧容器の内外の温度差が小さくなると高圧容器内の対流の速度が遅くなるという問題があることから、処理室の下部に撹拌用のファンを設置して、処理室内を強制対流を生じさせて均熱化する方法が研究開発の主流となった。(特許文献2、特許文献3)。
米国特許第4,217,087号
米国特許第4,349,333号
特開2003−336972号公報
例えば特許文献2に開示された熱間等方圧プレス装置は、ファンを設けることにより冷却工程において冷却速度が速まることが期待できる一方で、サイドヒータおよびベースヒータの内側を、特別なガスフローを形成するための複雑な構造にする必要があるため、処理対象物の収容および取り出しが煩雑になり、熱間等方圧プレス装置の保守も容易ではないと考えられる。
特許文献3に開示された熱間等方圧プレス装置は、冷却工程において内部のガスを、ジャケットの冷却水で冷却された高圧円筒の内面に直接接触させて冷却することができないために、ガス温度が低下してくるとファンが設けられているにも拘わらず冷却速度が低下するおそれがある。
特許文献3に開示された熱間等方圧プレス装置は、冷却工程において内部のガスを、ジャケットの冷却水で冷却された高圧円筒の内面に直接接触させて冷却することができないために、ガス温度が低下してくるとファンが設けられているにも拘わらず冷却速度が低下するおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、HIP処理において処理室内の温度分布を低減させるとともに特に冷却工程において冷却速度を速めることができかつ構造が単純な熱間等方圧プレス装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る熱間等方圧プレス装置は、処理対象物を収容し高温高圧の不活性ガスにより前記処理対象物の処理を行うための熱間等方圧プレス装置であって、高圧容器と、外面が前記高圧容器の内面と間隔を設けて前記高圧容器内に収容された隔離室形成体と、外面が前記隔離室形成体の内面と間隔を設けて前記隔離室形成体内に収容された処理室形成体と、を有し、前記隔離室形成体は、上端または下端の一方が開放されもしくは前記一方に内外を連通させる通路が設けられ、かつ上端または下端の他方に内外を連通させる通路と当該通路を開閉する開閉弁が設けられており、前記処理室形成体は、上端または下端の一方が開放されもしくは前記一方に内外を連通させる通路が設けられ、かつ上端または下端の他方にファンが換気のために設けられており、前記開閉弁は、弁体が前記ファンを駆動するモータに一体化されて前記モータをその駆動軸方向に移動させることにより開閉動作するように構成されてなる。
すなわち、本発明に係る熱間等方圧プレス装置は、処理対象物を収容し高温高圧の不活性ガスにより前記処理対象物の処理を行うための熱間等方圧プレス装置であって、高圧容器と、外面が前記高圧容器の内面と間隔を設けて前記高圧容器内に収容された隔離室形成体と、外面が前記隔離室形成体の内面と間隔を設けて前記隔離室形成体内に収容された処理室形成体と、を有し、前記隔離室形成体は、上端または下端の一方が開放されもしくは前記一方に内外を連通させる通路が設けられ、かつ上端または下端の他方に内外を連通させる通路と当該通路を開閉する開閉弁が設けられており、前記処理室形成体は、上端または下端の一方が開放されもしくは前記一方に内外を連通させる通路が設けられ、かつ上端または下端の他方にファンが換気のために設けられており、前記開閉弁は、弁体が前記ファンを駆動するモータに一体化されて前記モータをその駆動軸方向に移動させることにより開閉動作するように構成されてなる。
好ましくは、前記開閉弁により開閉される通路の前記隔離室形成体への開口部分の中心が前記処理室形成体の軸心に略一致しており、前記ファンは回転中心が前記処理室形成体の軸心に略一致するように構成される。
また、好ましくは、前記開閉弁が前記隔離室形成体の下端に設けられ、前記ファンが前記処理室形成体の下端に設けられ、前記開閉弁の弁体は、前記モータと前記ファンとを連結する駆動軸が回転可能に貫通した状態で前記モータに一体化される。
他の本発明に係る熱間等方圧プレス装置は、処理対象物を収容し高温高圧の不活性ガスにより前記処理対象物の処理を行うための熱間等方圧プレス装置であって、高圧容器と、外面が前記高圧容器の内面と間隔を設けて前記高圧容器内に収容された隔離室形成体と、外面が前記隔離室形成体の内面と間隔を設けて前記隔離室形成体内に収容された処理室形成体と、を有し、前記隔離室形成体は、上端または下端の一方が開放されもしくは前記一方に内外を連通させる通路が設けられ、かつ上端または下端の他方に内外を連通させる通路と当該通路を開閉する開閉弁が設けられており、前記処理室形成体は、上端の一方が開放されまたは上端に内外を連通させる通路が設けられ、かつ下端にファンが換気のために設けられており、前記開閉弁により開閉される通路の前記隔離室形成体への開口部分の中心が前記処理室形成体の軸心に略一致するように設けられ、前記ファンは回転中心が前記処理室形成体の軸心に略一致するように配置されてモータにより駆動される。
また、好ましくは、前記開閉弁が前記隔離室形成体の下端に設けられ、前記ファンが前記処理室形成体の下端に設けられ、前記開閉弁の弁体は、前記モータと前記ファンとを連結する駆動軸が回転可能に貫通した状態で前記モータに一体化される。
他の本発明に係る熱間等方圧プレス装置は、処理対象物を収容し高温高圧の不活性ガスにより前記処理対象物の処理を行うための熱間等方圧プレス装置であって、高圧容器と、外面が前記高圧容器の内面と間隔を設けて前記高圧容器内に収容された隔離室形成体と、外面が前記隔離室形成体の内面と間隔を設けて前記隔離室形成体内に収容された処理室形成体と、を有し、前記隔離室形成体は、上端または下端の一方が開放されもしくは前記一方に内外を連通させる通路が設けられ、かつ上端または下端の他方に内外を連通させる通路と当該通路を開閉する開閉弁が設けられており、前記処理室形成体は、上端の一方が開放されまたは上端に内外を連通させる通路が設けられ、かつ下端にファンが換気のために設けられており、前記開閉弁により開閉される通路の前記隔離室形成体への開口部分の中心が前記処理室形成体の軸心に略一致するように設けられ、前記ファンは回転中心が前記処理室形成体の軸心に略一致するように配置されてモータにより駆動される。
前記ファンが、スプロケットおよびチェーンの組み合わせ、プーリおよびベルトの組み合わせ、またはギヤの組み合わせのいずれかにより前記モータに連結されて駆動されるように構成してもよい。
本発明によると、HIP処理において処理室内の温度分布を低減させるとともに特に冷却工程において冷却速度を速めることができかつ構造が単純な熱間等方圧プレス装置を提供することができる。
図1は本発明に係る熱間等方圧プレス装置1の正面断面図、図2は熱間等方圧プレス装置1下部の部分正面断面図である。
図1において、熱間等方圧プレス装置1は、高圧容器2、断熱構造体3、処理室形成体4、ヒータ5、撹拌装置6および冷却制御弁7などからなる。
高圧容器2は、耐圧円筒部8、耐圧円筒部8の上端を閉じる上蓋9および耐圧円筒部8の下端を閉じる下蓋10からなる。高圧容器2は、耐圧円筒部8と上蓋9との嵌合部および耐圧円筒部8と下蓋10との嵌合部にシールリング11,11が設けられて、数10〜100MPa以上の圧力に耐えることができる。耐圧円筒部8の外周には、冷却水を流通させるためのジャケット12が設けられている。下蓋10の内部には、高圧容器2の内部と外部とを連通させるそれぞれが独立したアルゴンガス導入路13および液体アルゴン導入路14が設けられている。
図1において、熱間等方圧プレス装置1は、高圧容器2、断熱構造体3、処理室形成体4、ヒータ5、撹拌装置6および冷却制御弁7などからなる。
高圧容器2は、耐圧円筒部8、耐圧円筒部8の上端を閉じる上蓋9および耐圧円筒部8の下端を閉じる下蓋10からなる。高圧容器2は、耐圧円筒部8と上蓋9との嵌合部および耐圧円筒部8と下蓋10との嵌合部にシールリング11,11が設けられて、数10〜100MPa以上の圧力に耐えることができる。耐圧円筒部8の外周には、冷却水を流通させるためのジャケット12が設けられている。下蓋10の内部には、高圧容器2の内部と外部とを連通させるそれぞれが独立したアルゴンガス導入路13および液体アルゴン導入路14が設けられている。
断熱構造体3は、構造体本体15、蓋16および下蓋カバー17などからなる。
構造体本体15は、耐圧円筒部8の内径よりも小さな外径を有する円筒であって、上端が蓋16と一体化され、下端が下蓋カバー17と一体化されている。構造体本体15には蓋16が開閉可能に一体化され、構造体本体15と蓋16との接合部分には断熱構造体3の内外を連通させる上部ガス通路18,18が複数設けられている。構造体本体15と下蓋カバー17との接合部分には、断熱構造体3の内外を連通させる下部ガス通路19,19が複数設けられている。構造体本体15は、下蓋カバー17を介して下蓋10に固定されている。
構造体本体15は、耐圧円筒部8の内径よりも小さな外径を有する円筒であって、上端が蓋16と一体化され、下端が下蓋カバー17と一体化されている。構造体本体15には蓋16が開閉可能に一体化され、構造体本体15と蓋16との接合部分には断熱構造体3の内外を連通させる上部ガス通路18,18が複数設けられている。構造体本体15と下蓋カバー17との接合部分には、断熱構造体3の内外を連通させる下部ガス通路19,19が複数設けられている。構造体本体15は、下蓋カバー17を介して下蓋10に固定されている。
本発明における隔離室形成体は、構造体本体15および蓋16により構成される。
処理室形成体4は、整流筒20、棚板21a〜21dおよびケーシング22などからなる。
整流筒20は、構造体本体15の内径よりも小さな外径を有する円筒であって、構造体本体15の内側に、上端が蓋16の内面との間に適度な間隙を設けて収容される。整流筒20の上端は開放され下端はケーシング22に連続している。整流筒20は、その内部に下端からほぼ等間隔で水平に配置された棚板21a〜21dを4つ支持している。整流筒20は、図示しないブラケット等により構造体本体15に固定されている。整流筒20は、上端を開放するのではなく蓋を設け整流筒20の内外を連通させる通路を複数備えた構成とすることができる。
処理室形成体4は、整流筒20、棚板21a〜21dおよびケーシング22などからなる。
整流筒20は、構造体本体15の内径よりも小さな外径を有する円筒であって、構造体本体15の内側に、上端が蓋16の内面との間に適度な間隙を設けて収容される。整流筒20の上端は開放され下端はケーシング22に連続している。整流筒20は、その内部に下端からほぼ等間隔で水平に配置された棚板21a〜21dを4つ支持している。整流筒20は、図示しないブラケット等により構造体本体15に固定されている。整流筒20は、上端を開放するのではなく蓋を設け整流筒20の内外を連通させる通路を複数備えた構成とすることができる。
なお、以下の説明において整流筒20の内側の空間を「処理室23」という。
棚板21a〜21dは、熱間等方圧プレス処理(以下「HIP処理」ということがある)が行われる処理対象物Wを載置するためのものである。棚板21a〜21dは、それぞれに上下に貫通する多数の孔24a,…,24a,24b,…,24b,24c,…,24c,24d,…,24dが設けられて、処理室23内において気体が上下方向に支障なく移動できるように構成されている。
ケーシング22は、整流筒20の下方に配置され整流筒20を延長したような円筒形状を有しており、下端に略円形のファン孔25を中央に有するファン外枠部26を備えている。ファン孔25の中心は整流筒20の軸心、つまり処理室形成体4の軸心に略一致している。
棚板21a〜21dは、熱間等方圧プレス処理(以下「HIP処理」ということがある)が行われる処理対象物Wを載置するためのものである。棚板21a〜21dは、それぞれに上下に貫通する多数の孔24a,…,24a,24b,…,24b,24c,…,24c,24d,…,24dが設けられて、処理室23内において気体が上下方向に支障なく移動できるように構成されている。
ケーシング22は、整流筒20の下方に配置され整流筒20を延長したような円筒形状を有しており、下端に略円形のファン孔25を中央に有するファン外枠部26を備えている。ファン孔25の中心は整流筒20の軸心、つまり処理室形成体4の軸心に略一致している。
ヒータ5は、最下段の棚板21aの下方のケーシング22の内部に設けられている。
撹拌装置6は、ファン27およびモータ28からなる。ファン27は、処理室内23を換気するためのものであり、傾斜羽根を有する一般的な軸流式のプロペラファンであって、ファン孔25内に回転中心を処理室形成体4の軸心と略一致させて配置される。ファン27は、下方に配置されたモータ28に駆動軸29により接続されて駆動される。モータ28は、下蓋10に設けられたモータ孔30に収容されている。
一般に、熱間等方圧プレス装置の高圧容器は、高温になったときに下蓋近傍に温度の低いガスが滞留し易いという特徴があるので、下蓋10にモータ28を配置することでモータ28が過度に加熱されることを防止することができる。
撹拌装置6は、ファン27およびモータ28からなる。ファン27は、処理室内23を換気するためのものであり、傾斜羽根を有する一般的な軸流式のプロペラファンであって、ファン孔25内に回転中心を処理室形成体4の軸心と略一致させて配置される。ファン27は、下方に配置されたモータ28に駆動軸29により接続されて駆動される。モータ28は、下蓋10に設けられたモータ孔30に収容されている。
一般に、熱間等方圧プレス装置の高圧容器は、高温になったときに下蓋近傍に温度の低いガスが滞留し易いという特徴があるので、下蓋10にモータ28を配置することでモータ28が過度に加熱されることを防止することができる。
冷却制御弁7は、底板32、弁体部材33および弁駆動用アクチュエータ34により形成される。底板32は円板にその中心が処理室形成体4の軸心と略一致する円形の孔39が設けられたものであり、円形の孔39の端縁近傍が弁座の働きをする。底板32は、ファン外枠部26の下方にファン外枠部26との間に間隙を設けて略水平に配置され、構造体本体15に固定されている。
弁体部材33は、肉厚円板状の弁体部40と弁体部40の下面中心から下方に突出した円柱状の支持部41とからなり、その中心を貫通孔42が貫通している。
弁体部材33は、肉厚円板状の弁体部40と弁体部40の下面中心から下方に突出した円柱状の支持部41とからなり、その中心を貫通孔42が貫通している。
冷却制御弁7は、本発明における隔離室形成体に設けられた「内外を連通させる通路を開閉する開閉弁」に該当する。
弁体部材33は、貫通孔42に駆動軸29を貫通させて支持部41の突出した端がモータ28に固定されている。つまり、弁体部材33は、ファン27およびモータ28と一体となって高圧容器2内を上下動可能に構成されている。そして、弁体部材33は、弁体部40の上面の縁周辺部が底板32の孔39の端縁近傍に当接しまたは離れることにより、孔39の開閉を行う。ファン27は冷却制御弁7の開閉に伴ってファン孔25内を上下するが、軸流式ファンであるため吸引および吐出を支障なく行うことができる。弁体部40の上面の縁周辺部には、冷却制御弁7が閉じたときの気密性を保持するためにシールリング43が設けられている。
弁体部材33は、貫通孔42に駆動軸29を貫通させて支持部41の突出した端がモータ28に固定されている。つまり、弁体部材33は、ファン27およびモータ28と一体となって高圧容器2内を上下動可能に構成されている。そして、弁体部材33は、弁体部40の上面の縁周辺部が底板32の孔39の端縁近傍に当接しまたは離れることにより、孔39の開閉を行う。ファン27は冷却制御弁7の開閉に伴ってファン孔25内を上下するが、軸流式ファンであるため吸引および吐出を支障なく行うことができる。弁体部40の上面の縁周辺部には、冷却制御弁7が閉じたときの気密性を保持するためにシールリング43が設けられている。
弁駆動用アクチュエータ34は、ガス圧で作動する流体圧シリンダであり、ロッド35の先端がモータ28の下端に固定されモータ28の下方に配されてモータ孔30に収容されている。弁駆動用アクチュエータ34の伸張用ポート36は作動アルゴン導入路37に連通しており、収縮用ポート38は熱間等方圧プレス装置1内に開口している。弁駆動用アクチュエータ34とモータ28との間には、ロッド35の外周にコイルバネである押上バネ31が設けられており、押上バネ31はモータ孔30を上方に付勢することにより、後に説明するHIP処理の温度圧力保持工程(#16)において冷却制御弁7を閉状態に維持する。
弁駆動用アクチュエータ34にはガス圧駆動ではなく、油圧駆動、または電動モータ駆動などのアクチュエータを用いてもよい。
底板32と下蓋カバー17との間には、アルゴンガス導入路13に連通するアルゴンガス注入口44と液体アルゴン導入路14に連通する液体アルゴン注入口45とが開口している。
次に、熱間等方圧プレス装置1により、温度約1200℃、圧力約100MPaの処理条件で行われるニッケル基超合金材料のHIP処理について説明する。
底板32と下蓋カバー17との間には、アルゴンガス導入路13に連通するアルゴンガス注入口44と液体アルゴン導入路14に連通する液体アルゴン注入口45とが開口している。
次に、熱間等方圧プレス装置1により、温度約1200℃、圧力約100MPaの処理条件で行われるニッケル基超合金材料のHIP処理について説明する。
図3はHIP処理のフローチャート、図4はHIP処理の温度および圧力変化を示す図、図5ないし図8は熱間等方圧プレス装置1内のアルゴンガスの動きを示す図である。
初めに、上蓋9および断熱構造体3の蓋16が上方に開けられて、処理対象物Wが処理室23の各棚板21a〜21dに載置される。蓋16が閉じられ、高圧容器2の上蓋9が高圧に耐えられるように留意して閉じられる(#11)。
続いてアルゴンガス導入路13に接続された図示しない真空ポンプにより熱間等方圧プレス装置1内の空気を排気する(#12)。高圧容器2または真空ポンプへのラインに取り付けられた図示しない真空計が所定の圧力以下になったら排気作業を終了し、約1MPaに減圧されたアルゴンガスをアルゴンガス導入路13を経由して熱間等方圧プレス装置1内に注入する。高圧容器2に取り付けられた図示しない圧力計の圧力がアルゴンガスの供給圧に略等しくなったら、アルゴンガスの注入を停止し、熱間等方圧プレス装置1内のアルゴンガスをアルゴンガス導入路13を経由して放出する。熱間等方圧プレス装置1内の残留空気をアルゴンガスに置換するこのような作業を2回または3回行う(#13)。
初めに、上蓋9および断熱構造体3の蓋16が上方に開けられて、処理対象物Wが処理室23の各棚板21a〜21dに載置される。蓋16が閉じられ、高圧容器2の上蓋9が高圧に耐えられるように留意して閉じられる(#11)。
続いてアルゴンガス導入路13に接続された図示しない真空ポンプにより熱間等方圧プレス装置1内の空気を排気する(#12)。高圧容器2または真空ポンプへのラインに取り付けられた図示しない真空計が所定の圧力以下になったら排気作業を終了し、約1MPaに減圧されたアルゴンガスをアルゴンガス導入路13を経由して熱間等方圧プレス装置1内に注入する。高圧容器2に取り付けられた図示しない圧力計の圧力がアルゴンガスの供給圧に略等しくなったら、アルゴンガスの注入を停止し、熱間等方圧プレス装置1内のアルゴンガスをアルゴンガス導入路13を経由して放出する。熱間等方圧プレス装置1内の残留空気をアルゴンガスに置換するこのような作業を2回または3回行う(#13)。
その後、供給圧が約10MPaのアルゴンガスを、アルゴンガス導入路13を経由して熱間等方圧プレス装置1内に注入する(差圧注入、#14)。
熱間等方圧プレス装置1内の圧力とアルゴンガスの供給圧とがほぼ等しくなり熱間等方圧プレス装置1内の圧力上昇が停止したら、ヒータ5に通電して加熱を開始するとともに、図示しない圧縮機により昇圧されたアルゴンガスを熱間等方圧プレス装置1内に供給する(#15)。また、モータ28を起動させファン27を回転させる。
アルゴンガス注入口44から熱間等方圧プレス装置1内に供給されたアルゴンガスは、図5を参照して、下部ガス通路19,19から耐圧円筒部8と断熱構造体3との間を上昇し、上部ガス通路18,18から断熱構造体3の内部に進入する。断熱構造体3の内部では、アルゴンガスは、ファン27の回転による強制対流とヒータ5加熱による自然対流とによって、処理室23内の上昇ガスフローおよび処理室23外の下降ガスフローを形成し、処理室23の内外を循環する。つまり、処理室23外の下降ガスフローは断熱構造体3の下端部近傍の底板32に当って内側への流れとなり、ファン27に吸い込まれて処理対象物Wが収納された処理室23を循環して、均熱状態を実現させる。
熱間等方圧プレス装置1内の圧力とアルゴンガスの供給圧とがほぼ等しくなり熱間等方圧プレス装置1内の圧力上昇が停止したら、ヒータ5に通電して加熱を開始するとともに、図示しない圧縮機により昇圧されたアルゴンガスを熱間等方圧プレス装置1内に供給する(#15)。また、モータ28を起動させファン27を回転させる。
アルゴンガス注入口44から熱間等方圧プレス装置1内に供給されたアルゴンガスは、図5を参照して、下部ガス通路19,19から耐圧円筒部8と断熱構造体3との間を上昇し、上部ガス通路18,18から断熱構造体3の内部に進入する。断熱構造体3の内部では、アルゴンガスは、ファン27の回転による強制対流とヒータ5加熱による自然対流とによって、処理室23内の上昇ガスフローおよび処理室23外の下降ガスフローを形成し、処理室23の内外を循環する。つまり、処理室23外の下降ガスフローは断熱構造体3の下端部近傍の底板32に当って内側への流れとなり、ファン27に吸い込まれて処理対象物Wが収納された処理室23を循環して、均熱状態を実現させる。
ヒータ5により加熱されたアルゴンガスは浮力があるため、ファン27には大きなヘッド差対応機能は不要で軸流方式が適している。
各棚板21a〜21dにはそれぞれれ多数の孔24a,…,24a,24b,…,24b,24c,…,24c,24d,…,24dが設けられているので、アルゴンガスの循環は棚板21a〜21dに妨げられることなく円滑に行われ、処理対象物Wは効率よく加熱される。
図示しない圧力計により計測された熱間等方圧プレス装置1内の圧力が所定圧力(100MPa)に達したら、アルゴンガスの供給を停止する。また、図示しない温度計により計測された処理室23の温度が所定温度(1200℃)になったら昇温を停止してヒータ5のオンオフによる温度保持に切り替える。
各棚板21a〜21dにはそれぞれれ多数の孔24a,…,24a,24b,…,24b,24c,…,24c,24d,…,24dが設けられているので、アルゴンガスの循環は棚板21a〜21dに妨げられることなく円滑に行われ、処理対象物Wは効率よく加熱される。
図示しない圧力計により計測された熱間等方圧プレス装置1内の圧力が所定圧力(100MPa)に達したら、アルゴンガスの供給を停止する。また、図示しない温度計により計測された処理室23の温度が所定温度(1200℃)になったら昇温を停止してヒータ5のオンオフによる温度保持に切り替える。
熱間等方圧プレス装置1内は、アルゴンガスが封入されて処理室23内の温度が略一定の状態で所定時間保持される(#16)。このような温度および圧力の保持状態においても、断熱構造体3内のアルゴンガスはファン27により循環し、処理対象物Wは温度制御されたアルゴンガスにより一定の温度に維持される。
この温度圧力保持工程(#16)では、ガスフローはヒータ5によって加熱されて軽くなった高圧ガスの上昇流によって自然発生的に図6に示されるようなループを描いて流れる。ファン27はこのガスフローを促進するためのものであり、断熱構造体3の内側のアルゴンガスが持っている浮力があるため、ファン27には大きなヘッド差対応機能は不要で軸流方式が適している。場合によっては、ファン27を逆転させることによりガスフローを弱くすることも可能である。いずれにしても均熱化を達成するのに自然対流をファン27による強制対流により助長する、いわば自然現象を利用するという点で、優れた加熱手法である。
この温度圧力保持工程(#16)では、ガスフローはヒータ5によって加熱されて軽くなった高圧ガスの上昇流によって自然発生的に図6に示されるようなループを描いて流れる。ファン27はこのガスフローを促進するためのものであり、断熱構造体3の内側のアルゴンガスが持っている浮力があるため、ファン27には大きなヘッド差対応機能は不要で軸流方式が適している。場合によっては、ファン27を逆転させることによりガスフローを弱くすることも可能である。いずれにしても均熱化を達成するのに自然対流をファン27による強制対流により助長する、いわば自然現象を利用するという点で、優れた加熱手法である。
高圧容器2内の排気(#12)から温度圧力保持工程(#16)までの各工程では、冷却制御弁7は閉じられている。この冷却制御弁7の閉状態は、アルゴンガス導入路13にアルゴンガスを供給する外部配管と作動アルゴン導入路とを連通させる外部配管に設けられた塞止弁46を開とすることで維持される。温度圧力保持工程(#16)を除くこれらの工程(#12〜#16)では、アルゴンガス導入路13にアルゴンガスを供給する外部配管に設けられた塞止弁47が開かれて弁駆動用アクチュエータ34の収縮側シリンダ室(図2における下方)内の圧力と伸張側シリンダ室内の圧力とが同じになっており、ピストンの受圧面積の違い(収縮側>伸張側)から弁体部材33は底板32に押しつけられて冷却制御弁7の閉状態が維持される。
また、排気(#12)、アルゴンガス置換(#13)においてなされる塞止弁46および塞止弁47の開閉操作時およびアルゴンガスが封入された温度圧力保持工程(#16)における温度制御時に、高圧容器2内の圧力が一時的に上昇して弁駆動用アクチュエータ34を収縮動作させようとしても、押上バネ31の付勢力によって冷却制御弁7の閉状態が維持される。
熱間等方圧プレス装置1内の圧力および処理室23の温度を所定時間保持した後、冷却を行う。
熱間等方圧プレス装置1内の圧力および処理室23の温度を所定時間保持した後、冷却を行う。
冷却工程は、温度に応じて少なくとも3段階に分けて実施される。なお、冷却工程ではジャケット12内を冷却水が流れ、耐圧円筒部8を冷却することにより冷却速度が速められる。
まず最初の冷却は、保持終了時すなわち熱間等方圧プレス装置1内にアルゴンガスを閉じこめた状態でヒータ5による加熱を完全に停止して開始される。断熱構造体3内のアルゴンガスは、ファン27によって図6に示されるように断熱構造体3の内部を循環し、構造体本体15および蓋16を経由する熱伝導による放熱によって冷却される。処理対象物Wは、冷却されたアルゴンガスにより冷却される(#17)。
まず最初の冷却は、保持終了時すなわち熱間等方圧プレス装置1内にアルゴンガスを閉じこめた状態でヒータ5による加熱を完全に停止して開始される。断熱構造体3内のアルゴンガスは、ファン27によって図6に示されるように断熱構造体3の内部を循環し、構造体本体15および蓋16を経由する熱伝導による放熱によって冷却される。処理対象物Wは、冷却されたアルゴンガスにより冷却される(#17)。
とくに処理室23の温度がHIP処理を行った所定温度(1200℃)に近い冷却初期段階では、ジャケット12の冷却水で冷やされた耐圧円筒部8の内面と熱間等方圧プレス装置1内のアルゴンガスとの温度差が大きく、耐圧円筒部8内面にアルゴンガスを循環させながら冷却すると急冷されたアルゴンガスによって処理室23内に大きな温度分布が生ずるおそれがある。そこで、冷却制御弁7により底板32の孔39を閉じ、上部ガス通路18,18から耐圧円筒部8と断熱構造体3との間を下降し下部ガス通路19,19から底板32の孔39を経由して処理室23に至る循環流の発生を阻止して、急激なアルゴンガスの冷却、つまり処理室23内の温度分布の発生を防止する(自然放冷)。
第1段階の冷却においては、熱間等方圧プレス装置1内の圧力はボイルシャルルの法則にしたがって自然に低下する(図3参照)。
処理室23の温度が自然放冷による冷却速度が鈍化する800℃近辺(このときの圧力は約80MPa)になったら、モータ28を下降させて冷却制御弁7を開にし(#18)、強制(対流)冷却を開始する。モータ28の下降は、作動アルゴン導入路37の圧力を低下させ弁駆動用アクチュエータ34を収縮動作させることにより行われる。作動アルゴン導入路37の圧力の低下は、塞止弁46を経由して接続された図示しないアルゴンガス供給装置の2次圧力(供給圧力)を下げることにより行われる。塞止弁48を開くことにより作動アルゴン導入路37の圧力を低下させてもよい。
処理室23の温度が自然放冷による冷却速度が鈍化する800℃近辺(このときの圧力は約80MPa)になったら、モータ28を下降させて冷却制御弁7を開にし(#18)、強制(対流)冷却を開始する。モータ28の下降は、作動アルゴン導入路37の圧力を低下させ弁駆動用アクチュエータ34を収縮動作させることにより行われる。作動アルゴン導入路37の圧力の低下は、塞止弁46を経由して接続された図示しないアルゴンガス供給装置の2次圧力(供給圧力)を下げることにより行われる。塞止弁48を開くことにより作動アルゴン導入路37の圧力を低下させてもよい。
冷却制御弁7が開になったことにより、熱間等方圧プレス装置1内のアルゴンガスには、図7に示されるように、処理室23から上部ガス通路18,18、耐圧円筒部8と断熱構造体3との間、下部ガス通路19,19、冷却制御弁7およびファン27を経て処理室23に戻る循環流が発生する。この経路を循環するアルゴンガスは、ジャケット12内を流れる冷却水により直接冷却される耐圧円筒部8の内面で除熱され、処理対象物Wは除熱されたアルゴンガスによって冷却が促進される。
ファン27は軸流方式であるため、冷却制御弁7の開閉に伴いファン27が上下動しても吐出量および吐出方向は変化せず、所定の機能を発揮することができる。
ファン27は軸流方式であるため、冷却制御弁7の開閉に伴いファン27が上下動しても吐出量および吐出方向は変化せず、所定の機能を発揮することができる。
弁体部材33は、ファン27およびモータ28と一体となって熱間等方圧プレス装置1内を上下動することにより底板32の孔39を開閉するように構成されているため、ファン27および開閉部分を熱間等方圧プレス装置1の中心に配置することが可能となり、処理室23内のアルゴンガスを偏流および停滞部分を生じさせることなく流動させ、温度分布の発生を防止することができる。
処理室23内の温度が500〜800℃の範囲である場合に、このような高温のアルゴンガスが上部ガス通路18,18から多量に耐圧円筒部8と断熱構造体3との間に流れ出ると、耐圧円筒部8の上部ガス通路18,18近くの部分が局部的に過熱されてしまうおそれがある。そのような事態を回避するために、上部ガス通路18,18から耐圧円筒部8と断熱構造体3との間に流れ出るアルゴンガスの量の調整が、冷却制御弁7の開閉動作または開度調整により行われる。このアルゴンガスの量の調整は、ファン27の回転速度の制御を併用させて行うこともできる。なお、冷却制御弁7の開度調整をより厳密に行う場合には、弁駆動用アクチュエータ34に流体圧シリンダを使用するのではなく、電動モータ駆動のアクチュエータを使用することが考えられる。
処理室23内の温度が500〜800℃の範囲である場合に、このような高温のアルゴンガスが上部ガス通路18,18から多量に耐圧円筒部8と断熱構造体3との間に流れ出ると、耐圧円筒部8の上部ガス通路18,18近くの部分が局部的に過熱されてしまうおそれがある。そのような事態を回避するために、上部ガス通路18,18から耐圧円筒部8と断熱構造体3との間に流れ出るアルゴンガスの量の調整が、冷却制御弁7の開閉動作または開度調整により行われる。このアルゴンガスの量の調整は、ファン27の回転速度の制御を併用させて行うこともできる。なお、冷却制御弁7の開度調整をより厳密に行う場合には、弁駆動用アクチュエータ34に流体圧シリンダを使用するのではなく、電動モータ駆動のアクチュエータを使用することが考えられる。
耐圧円筒部8の局部的な過熱を抑制するために、耐圧円筒部8における上部ガス通路18,18の開口部分を覆うように蓋16にスカート部材を取り付けることも推奨される。
処理室23内の温度が500℃以下になると冷却速度が低下してくるので、冷却を促進するためにファン27の回転速度を速くするとともに、冷却制御弁7を全開にする。
次の段階の冷却は、処理室23内の温度が300℃前後(このときの圧力は約40MPa)にまで冷却された後に行われる。
処理室23内の温度が300℃前後になると、冷却水によって冷却されて温度が100℃前後になった耐圧円筒部8の内面による除熱のみでは冷却速度が極端に低下してくる。そこで、図8に示されるように、液体アルゴンを液体アルゴン導入路14を経由させて液体アルゴン注入口45から熱間等方圧プレス装置1内に注入し、処理対象物Wの冷却を促進させる(#19)。
処理室23内の温度が500℃以下になると冷却速度が低下してくるので、冷却を促進するためにファン27の回転速度を速くするとともに、冷却制御弁7を全開にする。
次の段階の冷却は、処理室23内の温度が300℃前後(このときの圧力は約40MPa)にまで冷却された後に行われる。
処理室23内の温度が300℃前後になると、冷却水によって冷却されて温度が100℃前後になった耐圧円筒部8の内面による除熱のみでは冷却速度が極端に低下してくる。そこで、図8に示されるように、液体アルゴンを液体アルゴン導入路14を経由させて液体アルゴン注入口45から熱間等方圧プレス装置1内に注入し、処理対象物Wの冷却を促進させる(#19)。
液体アルゴンの沸点は−185〜186℃と極めて低く、液体状態で注入されると熱間等方圧プレス装置1の内部で蒸発し、そのときに周囲から気化潜熱を奪ってアルゴンガスの温度を低下させる。温度が低くなったアルゴンガスは、ファン27により処理室23内に送り込まれ、処理対象物Wを効率よく冷却する。
圧力が過上昇した時に行われるアルゴンガスの外部への放出は、放出するアルゴンガスが完全に気化し熱間等方圧プレス装置1内の熱を吸収して昇温したものであることが冷却を促進させるために効率的なので、液体アルゴン注入口45はアルゴンカス注入口44から離れた場所に設けられるのが好ましい。
圧力が過上昇した時に行われるアルゴンガスの外部への放出は、放出するアルゴンガスが完全に気化し熱間等方圧プレス装置1内の熱を吸収して昇温したものであることが冷却を促進させるために効率的なので、液体アルゴン注入口45はアルゴンカス注入口44から離れた場所に設けられるのが好ましい。
熱間等方圧プレス装置1は、液体アルゴンを気化させその気化熱により低温となったアルゴンガスを、冷却制御弁7を開とした状態でファン27により熱間等方圧プレス装置1内で強制対流させることにより、300℃前後から100℃前後まで冷却するのに要する時間を大幅に短縮することができる。
液体アルゴンの注入は、処理室23内の温度が100〜150℃にまで低下したら終了し、最終段階における冷却が行われる。
冷却の最終段階は、圧力が35〜45MPaとなった熱間等方圧プレス装置1内のアルゴンガスを外部に放出することにより行われる(#20)。高圧のアルゴンガスを外部に放出することにより、熱間等方圧プレス装置1内のアルゴンガスは断熱状態で急激に膨張し、熱力学の第一法則(断熱膨張)に基づいて温度は急激に低下する。このような断熱膨張による冷却効果により、熱間等方圧プレス装置1内の圧力が大気圧近くまで低下した時点で、処理対象物Wの温度を室温近傍(処理対象物Wの取り出し(#21)可能な温度)にまで低下させることができ、高圧のアルゴンガスの放出は処理対象物Wの冷却に効率的である。
液体アルゴンの注入は、処理室23内の温度が100〜150℃にまで低下したら終了し、最終段階における冷却が行われる。
冷却の最終段階は、圧力が35〜45MPaとなった熱間等方圧プレス装置1内のアルゴンガスを外部に放出することにより行われる(#20)。高圧のアルゴンガスを外部に放出することにより、熱間等方圧プレス装置1内のアルゴンガスは断熱状態で急激に膨張し、熱力学の第一法則(断熱膨張)に基づいて温度は急激に低下する。このような断熱膨張による冷却効果により、熱間等方圧プレス装置1内の圧力が大気圧近くまで低下した時点で、処理対象物Wの温度を室温近傍(処理対象物Wの取り出し(#21)可能な温度)にまで低下させることができ、高圧のアルゴンガスの放出は処理対象物Wの冷却に効率的である。
このように、熱間等方圧プレス装置1内の高圧アルゴンガスを放出することにより、100〜150℃から処理対象物Wを取り出すことができる温度までの処理室23内の冷却に要する時間を大幅に短縮することができる。
なお、冷却の第2段階において、冷却制御弁7を開にして行うファン27による強制対流および液体アルゴンの注入(#19)を採用しない場合には、処理室23の温度を100℃以下にまで冷却するために、上記方法に比べて数十倍の時間を要する。
熱間等方圧プレス装置1は、撹拌装置6と冷却制御弁7とを一体で移動可能に構成しかつこれを処理室形成体4の軸心に一致させることで、軸方向のどの位置においても軸方向に直交する断面のアルゴンガスの流れを偏り(一部分の流速が速まること)なく均質なものとすることができ、載置された処理対象物Wの加熱および冷却を均等にかつ効率的に行うことができる。
なお、冷却の第2段階において、冷却制御弁7を開にして行うファン27による強制対流および液体アルゴンの注入(#19)を採用しない場合には、処理室23の温度を100℃以下にまで冷却するために、上記方法に比べて数十倍の時間を要する。
熱間等方圧プレス装置1は、撹拌装置6と冷却制御弁7とを一体で移動可能に構成しかつこれを処理室形成体4の軸心に一致させることで、軸方向のどの位置においても軸方向に直交する断面のアルゴンガスの流れを偏り(一部分の流速が速まること)なく均質なものとすることができ、載置された処理対象物Wの加熱および冷却を均等にかつ効率的に行うことができる。
図9は他の実施形態における熱間等方圧プレス装置1Bの正面断面図、図10は熱間等方圧プレス装置1B下部の部分正面断面図である。
熱間等方圧プレス装置1Bにおいて熱間等方圧プレス装置1(図1)と同一の番号の符号を付した部分は、熱間等方圧プレス装置1と略同一の構成である。以下、図9を参照しながら、熱間等方圧プレス装置1Bについて熱間等方圧プレス装置1と異なる構成を主に説明する。
熱間等方圧プレス装置1Bは、高圧容器2B、断熱構造体3、処理室形成体4、ヒータ5、撹拌装置6Bおよび冷却制御弁7Bなどからなる。
熱間等方圧プレス装置1Bにおいて熱間等方圧プレス装置1(図1)と同一の番号の符号を付した部分は、熱間等方圧プレス装置1と略同一の構成である。以下、図9を参照しながら、熱間等方圧プレス装置1Bについて熱間等方圧プレス装置1と異なる構成を主に説明する。
熱間等方圧プレス装置1Bは、高圧容器2B、断熱構造体3、処理室形成体4、ヒータ5、撹拌装置6Bおよび冷却制御弁7Bなどからなる。
高圧容器2Bは、耐圧円筒部8、耐圧円筒部8の上端を閉じる上蓋9および耐圧円筒部8の下端を閉じる下蓋10Bからなる。下蓋10Bの内部には、高圧容器2の内部と外部とを連通させる別個のアルゴンガス導入路13および液体アルゴン導入路14と、冷却制御弁7Bを動作させる作動アルゴン導入路37Bが設けられている。
断熱構造体3は、構造体本体15、蓋16および下蓋カバー17などからなる。
本発明における隔離室形成体は、構造体本体15および蓋16により構成される。
処理室形成体4は、整流筒20、棚板21a〜21dおよびケーシング22などからなる。
断熱構造体3は、構造体本体15、蓋16および下蓋カバー17などからなる。
本発明における隔離室形成体は、構造体本体15および蓋16により構成される。
処理室形成体4は、整流筒20、棚板21a〜21dおよびケーシング22などからなる。
断熱構造体3、整流筒20およびヒータ5の構成は、熱間等方圧プレス装置1におけるものと略同一である。
撹拌装置6Bは、ファン27、モータ28および動力伝達装置49Bからなる。
ファンは、円形のファン孔25に回転軸を処理室形成体4の軸心に略一致させて配置されている。ファン27およびモータ28における機能および構成は、熱間等方圧プレス装置1におけるものと同じである。モータ28は、下蓋10Bにおいて中心からずれた位置に設けられたモータ孔30Bに固定されて収容されている。
撹拌装置6Bは、ファン27、モータ28および動力伝達装置49Bからなる。
ファンは、円形のファン孔25に回転軸を処理室形成体4の軸心に略一致させて配置されている。ファン27およびモータ28における機能および構成は、熱間等方圧プレス装置1におけるものと同じである。モータ28は、下蓋10Bにおいて中心からずれた位置に設けられたモータ孔30Bに固定されて収容されている。
動力伝達装置49Bは、図10によく示されるように、駆動スプロケット50B、従動スプロケット51Bおよびチェーン52Bからなる。駆動スプロケット50Bはモータ28の駆動軸29Bに取り付けられ、従動スプロケット51Bはファン27の回転軸に取り付けられる。チェーン52Bは駆動スプロケット50Bと従動スプロケット51Bとを連結し、モータ28の回転をファン27に伝達してファン27を間接駆動させる。
冷却制御弁7Bは、底板32、弁体部40Bおよび弁駆動用アクチュエータ34Bにより構成される。底板32は、その中心が処理室形成体4の軸心と略一致する円形の孔39を有すること、円形の孔39の端縁近傍が弁座の働きをすること、およびその配置等について、熱間等方圧プレス装置1における底板32と同じである。
冷却制御弁7Bは、底板32、弁体部40Bおよび弁駆動用アクチュエータ34Bにより構成される。底板32は、その中心が処理室形成体4の軸心と略一致する円形の孔39を有すること、円形の孔39の端縁近傍が弁座の働きをすること、およびその配置等について、熱間等方圧プレス装置1における底板32と同じである。
弁体部40Bは肉厚円板で形成され、弁体部40Bの上面の縁周辺部には、冷却制御弁7Bが閉じたときの気密性を保持するためにシールリング43が設けられている。
弁駆動用アクチュエータ34Bは、ガス圧で作動する流体圧シリンダであり、ロッド35Bの伸縮により弁体部40Bが上下動するようにロッド35Bの先端が弁体部40Bに固定的に一体化されている。弁駆動用アクチュエータ34Bのロッド側カバーと弁体部40Bとの間には弁体部40Bを上方に付勢する押上バネ31Bが設けられている。弁駆動用アクチュエータ34Bの伸張用ポート36Bは作動アルゴン導入路37Bに連通しており、収縮用ポート38Bは熱間等方圧プレス装置1B内に開口している。なお、弁駆動用アクチュエータ34Bは下蓋10B内に一部が収容され、ロッド35Bが押上バネ31Bとともに下蓋カバー17を貫通してその先端が弁体部40Bに一体化されている。
弁駆動用アクチュエータ34Bは、ガス圧で作動する流体圧シリンダであり、ロッド35Bの伸縮により弁体部40Bが上下動するようにロッド35Bの先端が弁体部40Bに固定的に一体化されている。弁駆動用アクチュエータ34Bのロッド側カバーと弁体部40Bとの間には弁体部40Bを上方に付勢する押上バネ31Bが設けられている。弁駆動用アクチュエータ34Bの伸張用ポート36Bは作動アルゴン導入路37Bに連通しており、収縮用ポート38Bは熱間等方圧プレス装置1B内に開口している。なお、弁駆動用アクチュエータ34Bは下蓋10B内に一部が収容され、ロッド35Bが押上バネ31Bとともに下蓋カバー17を貫通してその先端が弁体部40Bに一体化されている。
モータ28とファン27との間の動力の伝達方法は、上述したようなスプロケットおよびチェーンによる方法の他に、プーリおよびベルトによる方法、またはギアの噛み合わせによる間接駆動方法を採用してもよい。スプロケットとチェーンとを用いた駆動機構は、全て金属で構成され高温環境下における損傷が少ない点で推奨される。
熱間等方圧プレス装置1BによるHIP処理の各工程は、例えば、上に説明した熱間等方圧プレス装置1によるニッケル基超合金材料のHIP処理における各工程(#11〜#21)と全く同様にして行われる。
熱間等方圧プレス装置1BによるHIP処理の各工程は、例えば、上に説明した熱間等方圧プレス装置1によるニッケル基超合金材料のHIP処理における各工程(#11〜#21)と全く同様にして行われる。
熱間等方圧プレス装置1を、図11ないし図13に示すように構成することができる。
図11において、熱間等方圧プレス装置1Cは、ケーシング22Cの下方が開放され上方に処理室23Cを換気するファン27Cが設けられている。ファン27Cの回転中心は処理室形成体4Cの軸心に略一致している。断熱構造体3Cは上端が開放されており、処理室形成体4Cは、その内面と構造体本体15Cの外面との間に間隔を有して構造体本体15Cに収容されている。底板32、底板32に設けられた円形の孔39,および孔39を開閉するための弁体部材33は熱間等方圧プレス装置1におけるものと同一である。モータ28のの駆動軸29Cは、弁体部材33の中心に設けられた貫通孔42を回転可能に貫通して上部のファン27Cに連結されている。
図11において、熱間等方圧プレス装置1Cは、ケーシング22Cの下方が開放され上方に処理室23Cを換気するファン27Cが設けられている。ファン27Cの回転中心は処理室形成体4Cの軸心に略一致している。断熱構造体3Cは上端が開放されており、処理室形成体4Cは、その内面と構造体本体15Cの外面との間に間隔を有して構造体本体15Cに収容されている。底板32、底板32に設けられた円形の孔39,および孔39を開閉するための弁体部材33は熱間等方圧プレス装置1におけるものと同一である。モータ28のの駆動軸29Cは、弁体部材33の中心に設けられた貫通孔42を回転可能に貫通して上部のファン27Cに連結されている。
構造体本体15Cに熱間等方圧プレス装置1における蓋16相当の蓋を設け、かつ構造体本体15Cの内外を連通させる複数の上部ガス通路を設けてもよい。
図12において、熱間等方圧プレス装置1Dは、熱間等方圧プレス装置1Cと同様にケーシング22Dの下方が開放され上方に処理室23Dを換気するファン27Dが設けられている。ファン27Dの回転中心は処理室形成体4Dの軸心に略一致している。また、構造体本体15Dの上端には、熱間等方圧プレス装置1における冷却制御弁7とほぼ同じ構成の冷却制御弁7Dが設けられている。冷却制御弁7Dは、肉厚円板状の弁体部40Dが駆動軸29Dに固定されてファン27Dとともに回転する。弁体部40Dは、閉動作時にHIP処理において実用的な閉状態を得ることができる。なお、孔39Dは、処理室形成体4Dの軸心に設けられている。
図12において、熱間等方圧プレス装置1Dは、熱間等方圧プレス装置1Cと同様にケーシング22Dの下方が開放され上方に処理室23Dを換気するファン27Dが設けられている。ファン27Dの回転中心は処理室形成体4Dの軸心に略一致している。また、構造体本体15Dの上端には、熱間等方圧プレス装置1における冷却制御弁7とほぼ同じ構成の冷却制御弁7Dが設けられている。冷却制御弁7Dは、肉厚円板状の弁体部40Dが駆動軸29Dに固定されてファン27Dとともに回転する。弁体部40Dは、閉動作時にHIP処理において実用的な閉状態を得ることができる。なお、孔39Dは、処理室形成体4Dの軸心に設けられている。
図13において、熱間等方圧プレス装置1Eは、熱間等方圧プレス装置1と同様に、ケーシング22の下端に処理室形成体4内を換気するためのファン27が設けられている。ファン27を駆動するモータ28は下蓋10Eに設けられたモータ孔30Eに収容されている。構造体本体15Eの上端には、熱間等方圧プレス装置1Bにおける冷却制御弁7Bとほぼ同じ構成の冷却制御弁7Eが設けられている。冷却制御弁7Eを構成する上板32Dの孔39Eは、その中心が処理室形成体4の軸心と略一致している。ファン27はモータ28に直結されているが、熱間等方圧プレス装置1Bにおけるファン27のように間接駆動されるものであってもよい。
図11ないし図13において熱間等方圧プレス装置1,1B(図1,9)における符号と同一の番号が付された部分は熱間等方圧プレス装置1,1Bと略同一の構成である。また、熱間等方圧プレス装置1C,1D,1Eのファン27C,27D,27および冷却制御弁7C,7D,7EのHIP処理時における動作は、熱間等方圧プレス装置1におけるファン27および冷却制御弁7のHIP処理時における動作と同じである。
熱間等方圧プレス装置1,1B,1C,1D,1EによるHIP処理では、従来問題とされてきた、(1)サイクルタイムの長時間化、とくに300℃以下の温度域での冷却時間が長くなる問題、および(2)冷却過程における処理室23内の上部および下部における温度分布(温度差)の発生の問題、が解消され、短い冷却時間で処理対象物WをHIP装置から取り出すことが可能となり、HIP装置の占有時間を短縮することができる。
熱間等方圧プレス装置1,1B,1C,1D,1EによるHIP処理では、従来問題とされてきた、(1)サイクルタイムの長時間化、とくに300℃以下の温度域での冷却時間が長くなる問題、および(2)冷却過程における処理室23内の上部および下部における温度分布(温度差)の発生の問題、が解消され、短い冷却時間で処理対象物WをHIP装置から取り出すことが可能となり、HIP装置の占有時間を短縮することができる。
近年の生産用熱間等方圧プレス装置は、スケールアップ効果による処理コストの低減の観点から処理室径で1m以上と大形化する一方で、大型化に伴う処理の長時間化によるコストアップの問題が顕在化している。また、このような大型の熱間等方圧プレス装置では、HIP処理が終了しても温度が50℃以下程度にならないと処理対象物を次の工程に移せないことから、大型化によるコストダウン効果(スケールメリット)が享受されていないという問題がある。
また、近年、処理対象物が大型化しており、近い将来には処理室径が2mといった超大型の熱間等方圧プレス装置が実用化されるものと推測されるが、実用化には上記の問題の解消が不可欠である。上に記載した熱間等方圧プレス装置1,1B,1C,1Dは、これらの問題を解決し、今後の超大型熱間等方圧プレス装置の普及に大きく寄与して産業の発達に資するところ極めて大きい。
また、近年、処理対象物が大型化しており、近い将来には処理室径が2mといった超大型の熱間等方圧プレス装置が実用化されるものと推測されるが、実用化には上記の問題の解消が不可欠である。上に記載した熱間等方圧プレス装置1,1B,1C,1Dは、これらの問題を解決し、今後の超大型熱間等方圧プレス装置の普及に大きく寄与して産業の発達に資するところ極めて大きい。
上述の実施形態において、昇圧用ガスおよび液化ガスとして窒素ガス(液化窒素)またはヘリウムガス(液化ヘリウム)を使用することができる。
その他、熱間等方圧プレス装置1,1B,1C,1D,1E、および熱間等方圧プレス装置1,1B,1C,1D,1Eの各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
その他、熱間等方圧プレス装置1,1B,1C,1D,1E、および熱間等方圧プレス装置1,1B,1C,1D,1Eの各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、高温高圧の不活性ガス雰囲気下において、例えば異種材料の拡散接合を行う熱間等方圧プレス装置に利用することができる。
1,1B,1C,1D,1E 熱間等方圧プレス装置
2,2B 高圧容器
4,4C,4D 処理室形成体
7,7C,7D 冷却制御弁
15,15C,15D,15E 隔離室形成体(構造体本体)
16 隔離室形成体(蓋)
18 通路(上部ガス通路)
19,19C,19D 駆動軸
27,27C,27D ファン
28 モータ
39,39D,39E 通路(底板の円形の孔)
40 弁体(弁体部)
2,2B 高圧容器
4,4C,4D 処理室形成体
7,7C,7D 冷却制御弁
15,15C,15D,15E 隔離室形成体(構造体本体)
16 隔離室形成体(蓋)
18 通路(上部ガス通路)
19,19C,19D 駆動軸
27,27C,27D ファン
28 モータ
39,39D,39E 通路(底板の円形の孔)
40 弁体(弁体部)
Claims (5)
- 処理対象物を収容し高温高圧の不活性ガスにより前記処理対象物の処理を行うための熱間等方圧プレス装置であって、
高圧容器と、
外面が前記高圧容器の内面と間隔を設けて前記高圧容器内に収容された隔離室形成体と、
外面が前記隔離室形成体の内面と間隔を設けて前記隔離室形成体内に収容された処理室形成体と、を有し、
前記隔離室形成体は、
上端または下端の一方が開放されもしくは前記一方に内外を連通させる通路が設けられ、
かつ上端または下端の他方に内外を連通させる通路と当該通路を開閉する開閉弁が設けられており、
前記処理室形成体は、
上端または下端の一方が開放されもしくは前記一方に内外を連通させる通路が設けられ、
かつ上端または下端の他方にファンが換気のために設けられており、
前記開閉弁は、
弁体が前記ファンを駆動するモータに一体化されて前記モータをその駆動軸方向に移動させることにより開閉動作するように構成されてなる
ことを特徴とする熱間等方圧プレス装置。 - 前記開閉弁により開閉される通路の前記隔離室形成体への開口部分の中心が前記処理室形成体の軸心に略一致しており、
前記ファンは回転中心が前記処理室形成体の軸心に略一致するように構成された、
請求項1に記載の熱間等方圧プレス装置。 - 前記開閉弁が前記隔離室形成体の下端に設けられ、
前記ファンが前記処理室形成体の下端に設けられ、
前記開閉弁の弁体は、
前記モータと前記ファンとを連結する駆動軸が回転可能に貫通した状態で前記モータに一体化された
請求項1または請求項2に記載の熱間等方圧プレス装置。 - 処理対象物を収容し高温高圧の不活性ガスにより前記処理対象物の処理を行うための熱間等方圧プレス装置であって、
高圧容器と、
外面が前記高圧容器の内面と間隔を設けて前記高圧容器内に収容された隔離室形成体と、
外面が前記隔離室形成体の内面と間隔を設けて前記隔離室形成体内に収容された処理室形成体と、を有し、
前記隔離室形成体は、
上端または下端の一方が開放されもしくは前記一方に内外を連通させる通路が設けられ、
かつ上端または下端の他方に内外を連通させる通路と当該通路を開閉する開閉弁が設けられており、
前記処理室形成体は、
上端の一方が開放されまたは上端に内外を連通させる通路が設けられ、
かつ下端にファンが換気のために設けられており、
前記開閉弁により開閉される通路の前記隔離室形成体への開口部分の中心が前記処理室形成体の軸心に略一致するように設けられ、
前記ファンは回転中心が前記処理室形成体の軸心に略一致するように配置されてモータにより駆動される
ことを特徴とする熱間等方圧プレス装置。 - 前記ファンが、
スプロケットおよびチェーンの組み合わせ、プーリおよびベルトの組み合わせ、またはギヤの組み合わせのいずれかにより前記モータに連結されて駆動される
請求項4に記載の熱間等方圧プレス装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006136655A JP2007309548A (ja) | 2006-05-16 | 2006-05-16 | 熱間等方圧プレス装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006136655A JP2007309548A (ja) | 2006-05-16 | 2006-05-16 | 熱間等方圧プレス装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007309548A true JP2007309548A (ja) | 2007-11-29 |
Family
ID=38842571
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006136655A Pending JP2007309548A (ja) | 2006-05-16 | 2006-05-16 | 熱間等方圧プレス装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007309548A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011075151A (ja) * | 2009-09-29 | 2011-04-14 | Kobe Steel Ltd | 熱間等圧加圧装置及び熱間等圧加圧方法 |
JP2014089041A (ja) * | 2013-11-28 | 2014-05-15 | Avure Technologies Ab | 熱間静水圧プレス装置 |
US9358747B2 (en) | 2007-12-14 | 2016-06-07 | Avure Technologies Ab | Hot isostatic pressing arrangement |
WO2021075468A1 (ja) * | 2019-10-18 | 2021-04-22 | 株式会社神戸製鋼所 | 熱間等方圧加圧装置および等方圧加圧処理方法 |
-
2006
- 2006-05-16 JP JP2006136655A patent/JP2007309548A/ja active Pending
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