JP2007070346A - アントラニルアミド系化合物、それらの製造方法及びそれらを含有する有害生物防除剤 - Google Patents

アントラニルアミド系化合物、それらの製造方法及びそれらを含有する有害生物防除剤 Download PDF

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輝正 光明寺
Toru Koyanagi
徹 小柳
Hirohiko Kimura
博彦 木村
Masayuki Morita
雅之 森田
Tetsuo Yoneda
哲夫 米田
Toyoji Tanimura
豊史 谷村
Kazuhisa Kiriyama
和久 桐山
Kenichi Nakamoto
健一 中元
卓 ▲濱▼本
Taku Hamamoto
Akihiro Hisamatsu
彰弘 久松
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Abstract

【課題】新規な有害生物防除剤を提供する。
【解決手段】本発明は、式(I):
【化1】
Figure 2007070346

(式中、AはYで置換されたアルキル又はDで置換されたカルボニルであり、QはRで置換されてもよい3−ピリジル又はRで置換されてもよい4−ピリジルであり、Rはハロゲン、Xで置換されてもよいアルキルなどであり、R及びRは各々ハロゲン、Xで置換されてもよいアルキルなどであり、R及びRは各々水素原子又はアルキルであり、Xはハロゲン、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシなどであり、YはC3−4シクロアルキルなどであり、Dはアルケニルなどであり、mは0〜4の整数であり、nは1〜2の整数である)で表されるアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩を提供する。
【選択図】なし

Description

WO01/70671には、一定の化学構造を有するアントラニルアミド系化合物が開示されている。しかしながら、後記式(I)中のAに相当する置換基としてC3−4シクロアルキルで置換されたアルキル又はDで置換されたカルボニルを有する化合物はどこにも記載されていない。
WO03/16284には、ピラゾール環の1位に2−ピリジル又はフェニルが置換している化合物が開示され、一方、WO04/67528には、ピラゾール環の1位に2−ピリジルが置換している化合物が開示されている。これらに対し、後記式(I)のピラゾール環の1位には3−ピリジル又は4−ピリジルが置換していることから、化学構造が異なる。
国際公開公報 WO01/70671 国際公開公報 WO03/16284 国際公開公報 WO04/67528
長年にわたり、多数の有害生物防除剤が使用されているが、効力が不十分、有害生物が抵抗性を獲得しその使用が制限される等、種々の課題を有するものが少なくない。従って、かかる欠点の少ない新規な有害生物防除剤、例えば、農園芸分野で問題となる各種有害生物や、動物に寄生する有害生物を防除できる有害生物防除剤の開発が望まれている。
本発明者らは、より優れた有害生物防除剤を見出すべくアントラニルアミド系化合物につき種々検討した。その結果、新規なアントラニルアミド系化合物が、低薬量で有害生物に対して極めて高い防除効果を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、式(I):
Figure 2007070346
(式中、AはYで置換されたアルキル又はDで置換されたカルボニルであり、QはRで置換されてもよい3−ピリジル又はRで置換されてもよい4−ピリジルであり、Rはハロゲン、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルケニル、Xで置換されてもよいアルキニル、ヒドロキシ、Xで置換されてもよいアルコキシ、ホルミル、Xで置換されてもよいアルキルカルボニル、カルボキシル、Xで置換されてもよいアルコキシカルボニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシイミノアルキル、シアノ又はニトロであり、R及びRは各々ハロゲン、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルコキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、シアノ又はニトロであり、R及びRは各々水素原子又はアルキルであり、Xはハロゲン、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシ、ハロゲンで置換されてもよいアルキルスルフェニル、ハロゲンで置換されてもよいアルキルスルフィニル、ハロゲンで置換されてもよいアルキルスルホニル又はシアノであり、Yはハロゲン、アルキル及びハロアルキルよりなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されてもよいC3−4シクロアルキル;ハロアルキルスルフェニル;ハロアルキルスルフィニル又はハロアルキルスルホニルであり、Dはハロゲンで置換されてもよいアルケニル、ハロゲンで置換されてもよいアルケニルオキシ、ハロゲンで置換されてもよいアルキニル又はハロゲンで置換されてもよいアルキニルオキシであり、mは0〜4の整数であり、nは1〜2の整数である)で表されるアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩、それらの製造方法並びにそれらを含有する有害生物防除剤などに関する。
前記式(I)の新規アントラニルアミド系化合物を有効成分とする有害生物防除剤は、低薬量で有害生物に対して極めて高い防除効果を有する。
A中の置換基Y、Q中の置換基R、或いはR、R又はR中の置換基Xの置換数は、1又は2以上であってよく、2以上の場合、各置換基は同一でも相異なってもよい。また、各置換基の置換位置はいずれの位置でもよい。
A中の置換基Yの置換数は、望ましくは1である。Q中の置換基Rの置換数は、望ましくは1〜2である。
、X、Y又はD中の置換基としてのハロゲンの置換数は、1又は2以上であってよく、2以上の場合、各ハロゲンは同一でも相異なってもよい。また、各ハロゲンの置換位置はいずれの位置でもよい。
Y中のC3−4シクロアルキルの置換基であるハロゲン、アルキル又はハロアルキルの置換数は、1又は2以上であってよく、2以上の場合、各置換基は同一でも相異なってもよい。また、各置換基の置換位置はいずれの位置でもよい。Y中のC3−4シクロアルキルは、望ましくは無置換であるか、或は前述の置換基を有する場合、その置換数は1〜5が望ましい。
、R、R、X、Y又はD中のハロゲン又は置換基としてのハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素の各原子が挙げられる。
A、R、R、R、R、R、X又はY中のアルキル又はアルキル部分は、直鎖又は分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、ヘキシルのようなC1−6のものなどが挙げられる。
又はD中のアルケニル又はアルケニル部分は、直鎖又は分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、ビニル、1−プロペニル、アリル、イソプロペニル、1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ヘキセニルのようなC2−6ものなどが挙げられる。
又はD中のアルキニル又はアルキニル部分は、直鎖又は分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、エチニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、3−ヘキシニルのようなC2−6のものなどが挙げられる。
Y中のC3−4シクロアルキル又はシクロアルキル部分の具体例としては、シクロプロピル又はシクロブチルが挙げられ、中でもシクロプロピルが望ましい。
前記式(I)のアントラニルアミド系化合物の塩としては、農業上許容されるものであればあらゆるものが含まれるが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;ジメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩のようなアンモニウム塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
前記式(I)のアントラニルアミド系化合物には、光学異性体、幾何異性体のような異性体が存在する場合があるが、本発明には各異性体及び異性体混合物の双方が含まれる。尚、本発明には、当該技術分野における技術常識の範囲内において、前記したもの以外の各種異性体も含まれる。また、異性体の種類によっては、前記式(I)とは異なる化学構造となる場合があるが、当業者であればそれらが異性体の関係にあることが十分認識できる為、本発明の範囲内であることは明らかである。
前記式(I)のアントラニルアミド系化合物又はその塩(以下本発明化合物と略す)は、以下の反応〔A〕〜〔E〕と、通常の塩の製造方法に従って製造することができる。
Figure 2007070346
A、Q、R、R、R、R、m及びnは前述の通りであり、Zは塩素原子、−OH又はC1−4アルコキシである。
反応〔A〕は、Zが塩素原子である場合、通常塩基の存在下で行うことができる。
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類;n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのようなアルキルリチウム類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(II)の化合物に対して1〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
反応〔A〕は、Zが塩素原子である場合、所望により溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔A〕は、Zが塩素原子である場合、通常−20〜+60℃、望ましくは0〜30℃で行うことができ、その反応時間は、通常1〜24時間程度、望ましくは2〜12時間程度とすることができる。
反応〔A〕は、Zが−OHである場合、通常、脱水縮合剤及び溶媒の存在下で行うことができる。
脱水縮合剤としては、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩のようなカルボジイミド類;その他に、1,1’−カルボニル−ビス−1H−イミダゾール、リン酸ジクロリドフェニルエステル、ジエチルホスホロシアニダート、1,3,5−トリアザ−2,4,6−トリホスホリン−2,2,4,4,6,6−ヘキサクロリド、シアヌリッククロリド、クロロギ酸イソブチル、クロロスルホニルイソシアネート、トリフルオロ酢酸無水物などが挙げられる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔A〕は、Zが−OHである場合、通常−20〜+60℃、望ましくは0〜30℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜12時間程度とすることができる。
反応〔A〕は、ZがC1−4アルコキシである場合、通常、塩基及び溶媒の存在下で行うことができる。
塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(II)の化合物に対して1〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔A〕は、ZがC1−4アルコキシである場合、通常0〜120℃、望ましくは20〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜12時間程度とすることができる。
Figure 2007070346
A、Q、R、R、R、m及びnは前述の通りである。
反応〔B〕は、通常、溶媒の存在下で行うことができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔B〕は、AがDで置換されたカルボニルであるとき、塩基の存在下で行うことができる。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(V)の化合物に対して1〜5倍モル、望ましくは1〜2.5倍モル使用することができる。
反応〔B〕は、通常0〜120℃、望ましくは20〜80℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.1〜24時間程度、望ましくは0.5〜12時間程度とすることができる。
Figure 2007070346
A、R、R、m及びnは前述の通りであり、QはR5aで置換されてもよい3−ピリジル又はR5aで置換されてもよい4−ピリジルであり、R1aはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルケニル、Xで置換されてもよいアルキニル、ヒドロキシ、Xで置換されてもよいアルコキシ、ホルミル、Xで置換されてもよいアルキルカルボニル、カルボキシル、Xで置換されてもよいアルコキシカルボニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシイミノアルキル、シアノ又はニトロであり、R2a及びR5aは各々フッ素原子、塩素原子、臭素原子、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルコキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、シアノ又はニトロ(Xは前述の通り)であり、Uは臭素原子又はヨウ素原子である。
反応〔C〕中の金属シアノ化物としては、例えば、シアン化銅、シアン化亜鉛、シアン化カリウムなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。金属シアノ化物は、式(I-2)の化合物に対して1〜30倍モル、望ましくは1〜15倍モル使用することができる。
反応〔C〕は、通常溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔C〕は、所望によりパラジウム触媒の存在下で行うことができる。パラジウム触媒としては、例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、ビストリフェニルホスフィンパラジウムジクロライドなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔C〕は、所望により金属ヨウ化物の存在下で行うことができる。金属ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化銅、ヨウ化亜鉛、ヨウ化カリウムなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔C〕は、通常0〜150℃、望ましくは10〜100℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.1〜24時間程度、望ましくは0.5〜12時間程度とすることができる。
Figure 2007070346
A、Q、R1a、R2a、R、R、m、n及びUは前述の通りである。
反応〔D〕中の一酸化炭素は、式(I-2)の化合物に対して1〜200倍モル、望ましくは1〜50倍モル使用することができる。
反応〔D〕中の水素供与体としては、例えば、トリブチルスズヒドリド、ポリ(メチルヒドロシロキサン)、トリオクチルシリルヒドリドなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。水素供与体は、式(I-2)の化合物に対して1〜2倍モル、望ましくは1〜1.5倍モル使用することができる。
反応〔D〕は、通常パラジウム触媒の存在下で行うことができる。パラジウム触媒としては、例えば、前記反応〔C〕で挙げたものなどから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔D〕は、通常溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔D〕は、通常0〜150℃、望ましくは10〜100℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜12時間程度とすることができる。
Figure 2007070346
A、R、R、m及びnは前述の通りであり、QはR5bで置換されてもよい3−ピリジル又はR5bで置換されてもよい4−ピリジルであり、R1bはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルケニル、Xで置換されてもよいアルキニル、ヒドロキシ、Xで置換されてもよいアルコキシ、Xで置換されてもよいアルキルカルボニル、カルボキシル、Xで置換されてもよいアルコキシカルボニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシイミノアルキル、シアノ又はニトロ(Xは前述の通り)であり、R2b及びR5bは各々ハロゲン、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルコキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はニトロである。
反応〔E〕中のフッ素化剤としては、例えば、三フッ化ジエチルアミノ硫黄、〔ビス(2−メトキシエチル)−アミノ〕硫黄トリフルオリド、フッ化キセノン、2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン、四フッ化硫黄などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。フッ素化剤は、式(I-5)の化合物に対して1〜10倍モル、望ましくは1〜4倍モル使用することができる。
反応〔E〕は、通常溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、フッ化トリクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔E〕は、所望により不活性ガスの雰囲気下で行うことができる。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンのような各ガスが挙げられる。
反応〔E〕は、通常−78〜40℃、望ましくは−40〜25℃で行うことができ、その反応時間は、通常2〜24時間程度、望ましくは5〜15時間程度とすることができる。
前記式(II)の化合物は、公知化合物であるか、或は公知資料に準じて製造することができる。式(II)の化合物は、例えばSynthesis、1980年、505頁に記載された方法又はそれに準じて製造することができる。
前記式(III)の化合物は、多くのものが公知化合物であるか、或は公知資料に準じて製造することができる。式(III)の化合物は、例えばWO03/24222中のスキーム9〜22に記載された方法又はそれに準じて製造することができる。また、式(III)の化合物中、ピラゾール環の5位に−COOHが置換した化合物は、例えば以下の反応〔F〕に従って製造することができる。
Figure 2007070346
Q、R及びnは前述の通りであり、Bはハロゲンである。ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が挙げられる。式(VI)の化合物は、公知化合物である。
反応[F]の第1工程は、通常塩基及び溶媒の存在下で行うことができる。
塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム第3級ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジメチルピリジン、4−ピロリジノピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタンのような第三級アミン類;n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムのようなアルキルリチウム類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。塩基は、式(VI)の化合物に対して1〜10倍モル、望ましくは1.2〜5倍モル使用することができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔F〕の第1工程は、所望により不活性ガスの雰囲気下で行うことができる。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴンのような各ガスが挙げられる。
反応〔F〕の第1工程は、通常0〜160℃、望ましくは10〜130℃で行うことができ、その反応時間は、通常1〜72時間程度、望ましくは2〜60時間程度とすることができる。
反応〔F〕の第2工程中の酸化剤としては、例えば、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜臭素酸ナトリウムのような亜ハロゲン酸のアルカリ金属塩;過マンガン酸カリウム、過マンガン酸バリウム、過マンガン酸アンモニウムのような過マンガン酸のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。酸化剤は、式(VII)の化合物に対して1〜10倍モル、望ましくは2〜8倍モル使用することができる。
反応〔F〕の第2工程は、通常溶媒の存在下で行うことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;メタノール、エタノール、t−ブタノールのようなアルコール類;アセトン、エチルメチルケトンのようなケトン類;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;水などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔F〕の第2工程は、所望によりpH調整剤の存在下で行うことができる。pH調整剤としては、例えば、酢酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム二水和物などが挙げられる。
反応〔F〕の第2工程は、通常−20〜130℃、望ましくは−5〜110℃で行うことができ、その反応時間は、通常1〜24時間程度、望ましくは2〜15時間程度とすることができる。
前記式(IV)の化合物は、公知化合物であるか、或は公知資料に準じて製造することができる。例えば、式(IV)の化合物は、Org. Prep. Proceed. Int.、1993年、25巻、589頁に記載された方法、WO03/24222中のスキーム8〜10に記載された方法又はそれらに準じて製造することができる。
前記式(V)の化合物には新規化合物が含まれる。当該化合物はGabriel法にて製造可能であるが、Rが水素原子であるものは、例えば以下の反応〔G〕に従って製造することができる。
Figure 2007070346
Aは前述の通りであり、Tはハロゲン、−OSOG(Gはスルホン酸エステル残基)又は−OHであり、Tがハロゲン又は−OSOGのとき、Mはナトリウム又はカリウムであり、Tが−OHのとき、Mは水素原子である。前記スルホン酸エステル残基としては、例えばメチル、エチルなどのようなC1−6のアルキル;C1−6のアルキルで置換されてもよいフェニルなどが挙げられる。
反応〔G〕の第1工程は、Tがハロゲン又は−OSOGであり、且つMがナトリウム又はカリウムである場合、通常溶媒の存在下で行うことができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、スルホラン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのような極性非プロトン性溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノールのようなアルコール類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔G〕の第1工程は、Tがハロゲン又は−OSOGであり、且つMがナトリウム又はカリウムである場合、通常0〜150℃、望ましくは30〜110℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜12時間程度とすることができる。
反応〔G〕の第1工程は、Tが−OHであり、且つMが水素原子である場合、通常、光延法に従って行うことができるが、例えば、溶媒の存在下、ジアルキルアゾジカルボキシレート及びトリフェニルホスフィンを用いて行うことができる。前記ジアルキルアゾジカルボキシレートとトリフェニルホスフィンは、通常、式(VIII)の化合物に対し、それぞれ等モル程度用いることができる。前記ジアルキルアゾジカルボキシレートとしては、例えばジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾジカルボキシレートなどが挙げられる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロエチレンのようなハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔G〕の第1工程は、Tが−OHであり、且つMが水素原子である場合、通常0〜80℃、望ましくは20〜60℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは1〜16時間程度とすることができる。
反応〔G〕の第2工程は、通常、溶媒の存在下、式(X)の化合物を、ヒドラジンを用いて分解することにより行うことができる。前記ヒドラジンは、通常、式(X)の化合物に対し、等モル程度用いることができる。
溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればいずれのものでもよく、例えば、ジエチルエーテル、ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、ノルマルブタノール、ターシャリーブタノールのようなアルコール類などから1種又は2種以上を適宜選択することができる。
反応〔G〕の第2工程は、通常0〜140℃、望ましくは30〜100℃で行うことができ、その反応時間は、通常0.5〜24時間程度、望ましくは2〜12時間程度とすることができる。
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の望ましい態様について以下に記述する。本発明化合物を含有する有害生物防除剤は、例えば農園芸分野で問題となる各種有害生物の防除剤、即ち農園芸用有害生物防除剤や、動物に寄生する有害生物の防除剤、即ち動物寄生生物防除剤として特に有用である。
農園芸用有害生物防除剤としては、例えば、殺虫、殺ダニ、殺線虫、殺土壌害虫剤として有用であるが、具体的には、ナミハダニ、ニセナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、チャノホコリダニ、ミカンサビダニ、ネダニなどのような植物寄生性ダニ類;コナガ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、コドリンガ、ボールワーム、タバコバッドワーム、マイマイガ、コブノメイガ、チャノコカクモンハマキ、リンゴコカクモンハマキ、モモシンクイガ、ナシヒメシンクイ、タマナヤガ、カブラヤガ、コロラドハムシ、ウリハムシ、ボールウィービル、アブラムシ類、ウンカ類、ヨコバイ類、カイガラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、アザミウマ類、バッタ類、ハナバエ類、コガネムシ類、アリ類、ハモグリバエ類などのような農業害虫類;ネコブセンチュウ類、シストセンチュウ類、ネグサレセンチュウ類、イネシンガレセンチュウ、イチゴメセンチュウ、マツノザイセンチュウなどのような植物寄生性線虫類;ナメクジ、マイマイなどのような腹足類;ダンゴムシ、ワラジムシのような等脚類などのような土壌害虫類;イエダニ、イエバエ、アカイエカ、ゴキブリ類などのような衛生害虫類;バクガ、アズキゾウムシ、コクヌストモドキ、ゴミムシダマシ類などのような貯穀害虫類;イガ、ヒメカツオブシムシ、シロアリ類などのような衣類、家屋害虫類;ケナガコナダニ、コナヒョウダニ、ミナミツメダニなどのような屋内塵性ダニ類;などの防除に有効である。なかでも、本発明化合物を含有する農園芸用有害生物防除剤は、植物寄生性ダニ類、農業害虫類、植物寄生性線虫類などの防除に特に有効である。また、本発明化合物を含有する農園芸用有害生物防除剤は、有機リン剤、カーバメート剤、合成ピレスロイド剤などの薬剤に対する各種抵抗性害虫の防除にも有効である。さらに本発明化合物は、優れた浸透移行性を有していることから、本発明化合物を含有する農園芸用有害生物防除剤を土壌に処理することによって土壌有害昆虫類、ダニ類、線虫類、腹脚類、等脚類の防除と同時に茎葉部の害虫類をも防除することができる。
本発明化合物を含有する有害生物防除剤の別の望ましい態様としては、前記した植物寄生性ダニ類、農業害虫類、植物寄生性線虫類、腹足類、土壌害虫類などを総合的に防除する農園芸用有害生物防除剤が挙げられる。
本発明化合物を含有する農園芸用有害生物防除剤は、通常該化合物と各種農業上の補助剤とを混合して粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤、エアゾール剤、微量散布剤などの種々の形態に製剤して使用されるが、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。製剤に使用する補助剤としては、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、カオリナイト及びセリサイトの混合物、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉などの固型担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、アセトン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アルコールなどの溶剤;脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩のような陰イオン系の界面活性剤や展着剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤や展着剤;オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油、液状パラフィンなどの植物油や鉱物油などが挙げられる。これら補助剤の各成分は、本発明の目的から逸脱しないかぎり、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。また、前記した補助剤以外にも当該分野で知られたものの中から適宜選んで使用することもでき、例えば、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤など通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明化合物と各種補助剤との配合割合は0.001:99.999〜95:5、望ましくは0.005:99.995〜90:10である。これら製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、または水等の希釈剤で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤(界面活性剤、植物油、鉱物油など)を添加して使用することができる。
本発明化合物を含有する農園芸用有害生物防除剤の施用は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用場所、病害虫の種類や発生状況などの相違により一概に規定できないが、一般に0.05〜800000ppm、望ましくは0.5〜500000ppmの有効成分濃度で行ない、その単位面積あたりの施用量は、1ヘクタール当り本発明化合物が0.05〜50000g、望ましくは1〜30000gである。また、本発明化合物を含有する有害生物防除剤の別の望ましい態様である農園芸用の有害生物防除剤の施用は、前記有害生物防除剤の施用に準じて行われる。本発明には、このような施用方法による有害生物の防除方法、特に植物寄生性ダニ類、農業害虫類、植物寄生性線虫類の防除方法も含まれる。
本発明化合物を含有する農園芸用有害生物防除剤の種々の製剤、またはその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法すなわち、散布(例えば散布、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粒、水面施用等)、土壌施用(混入、灌注等)、表面施用(塗布、粉衣、被覆等)、浸漬毒餌等により行うことができる。また、家畜に対して前記有効成分を飼料に混合して与え、その排泄物での有害虫、特に有害昆虫の発生及び生育を阻害することも可能である。またいわゆる超高濃度少量散布法(ultra low volume)により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100%含有することが可能である。
また、本発明化合物を含有する農園芸用有害生物防除剤は、他の農薬、肥料、薬害軽減剤などと混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。他の農薬としては、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、殺菌剤、抗ウィルス剤、誘引剤、抗生物質、植物ホルモン、植物成長調整剤などが挙げられる。特に、本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物の1種又は2種以上とを混用或は併用した混合有害生物防除組成物は、適用範囲、薬剤処理の時期、防除活性等を好ましい方向へ改良することが可能である。尚、本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物は各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤して使用してもよい。本発明には、このような混合有害生物防除組成物も含まれる。
本発明化合物と他の農薬の有効成分化合物との混合比は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用場所、病害虫の種類や発生状況などの相違により一概に規定できないが、一般に1:300〜300:1、望ましくは1:100〜100:1である。また、施用適量は1ヘクタール当りの総有効成分化合物量として0.1〜50000g、望ましくは1〜30000gである。本発明には、このような混合有害生物防除組成物の施用方法による有害生物の防除方法も含まれる。
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤或いは殺土壌害虫剤、すなわち害虫防除剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えばプロフェノホス(Profenofos)、ジクロルボス(Dichlorvos)、フェナミホス(Fenamiphos)、フェニトロチオン(Fenitrothion)、EPN、ダイアジノン(Diazinon)、クロルピリホスメチル(Chlorpyrifos-methyl)、アセフェート(Acephate)、プロチオホス(Prothiofos)、ホスチアゼート(Fosthiazate)、ホスホカルブ(Phosphocarb)、カズサホス(Cadusafos)、ジスルホトン(Dislfoton)、クロルピリホス(Chlorpyrifos)、デメトン-S-メチル(Demeton-S-methyl)、ジメトエート(Dimethoate)、メタミドホス(Methamidophos)、AKD-3088、パラチオン(Parathion)のような有機リン酸エステル系化合物;
カルバリル(Carbaryl)、プロポキスル(Propoxur)、アルジカルブ(Aldicarb)、カルボフラン(Carbofuran)、チオジカルブ(Thiodicarb)、メソミル(Methomyl)、オキサミル(Oxamyl)、エチオフェンカルブ(Ethiofencarb)、ピリミカルブ(Pirimicarb)、フェノブカルブ(Fenobucarb)、カルボスルファン(Carbosulfan)、ベンフラカルブ(Benfuracarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(Cartap)、チオシクラム(Thiocyclam)、ベンスルタップ(Bensultap)のようなネライストキシン誘導体;
ジコホル(Dicofol)、テトラジホン(Tetradifon)、エンドスルファン(Endosulfan)のような有機塩素系化合物;
酸化フェンブタスズ(Fenbutatin Oxide)のような有機金属系化合物;
フェンバレレート(Fenvalerate)、ペルメトリン(Permethrin)、シペルメトリン(Cypermethrin)、デルタメトリン(Deltamethrin)、シハロトリン(Cyhalothrin)、テフルトリン(Tefluthrin)、エトフェンプロックス(Ethofenprox)、フェンプロパトリン(Fenpropathrin)、ビフェントリン(Bifenthrin)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(Diflubenzuron)、クロルフルアズロン(Chlorfluazuron)、テフルベンズロン(Teflubenzuron)、フルフェノクスロン(Flufenoxuron)、ルフェヌロン(Lufenuron)、ノバルロン(Novaluron)、ビストリフルロン(Bistrifluron)、ノビフルムロン(Noviflumuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(Methoprene)、ピリプロキシフェン(Pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(Fenoxycarb)のような幼若ホルモン様化合物;
ピリダベン(Pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(Fenpyroximate)、フィプロニル(Fipronil)、テブフェンピラド(Tebufenpyrad)、エチプロール(Ethiprole)、トルフェンピラド(Tolfenpyrad)、アセトプロール(Acetoprole)、ピラフルプロール(Pyrafluprole)、ピリプロール(Pyriprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(Imidacloprid)、ニテンピラム(Nitenpyram)、アセタミプリド(Acetamiprid)、チアクロプリド(Thiacloprid)、チアメトキサム(Thiamethoxam)、クロチアニジン(Clothianidin)、ジノテフラン(Dinotefuran)などのネオニコチノイド;
テブフェノジド(Tebufenozide)、メトキシフェノジド(Methoxyfenozide)、クロマフェノジド(Chromafenozide)、ハロフェノジド(Halofenozide)などのヒドラジン系化合物;
ジニトロ系化合物、有機硫黄化合物、尿素系化合物、トリアジン系化合物、ヒドラゾン系化合物また、その他の化合物として、フロニカミド(Flonicamid)、ブプロフェジン(Buprofezin)、ヘキシチアゾクス(Hexythiazox)、アミトラズ(Amitraz)、クロルジメホルム(Chlordimeform)、シラフルオフェン(Silafluofen)、トリアザメイト(Triazamate)、ピメトロジン(Pymetrozine)、ピリミジフェン(Pyrimidifen)、クロルフェナピル(Chlorfenapyr)、インドキサカルブ(Indoxacarb)、アセキノシル(Acequinocyl)、エトキサゾール(Etoxazole)、シロマジン(Cyromazine)、1,3−ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、ジアフェンチウロン(Diafenthiuron)、ベンクロチアズ(Benclothiaz)、フルフェンリム(Flufenerim)、ピリダリル(Pyridalyl)、スピロジクロフェン(Spirodiclofen)、ビフェナゼート(Bifenazate)、スピロメシフェン(Spiromesifen)、スピロテトラマット(Spirotetramat)、プロパルギット(Propargite)、クロフェンテジン(Clofentezine)、フルアクリピリム(Fluacrypyrim)、フルベンジアミド(Flubendiamide)、DPX-E2Y45、シフルメトフェン(Cyflumetofen)、シエノピラフェン(Cyenopyrafen)、NNI-0101、フェナザキン(fenazaquin)、メタフルミゾン(Metaflumizone)、アミドフルメット(Amidoflumet)のような化合物;などが挙げられる。更に、BT剤、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤などのような微生物農薬;アベルメクチン(Avermectin)、エマメクチンベンゾエート(Emamectin-Benzoate)、ミルベメクチン(Milbemectin)、スピノサッド(Spinosad)、イベルメクチン(Ivermectin)、レピメクチン(Lepimectin)のような抗生物質或いはその半合成物質;アザディラクチン(Azadirachtin)、ロテノン(Rotenone)のような天然物などと、混用、併用することもできる。
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物(一般名;一部申請中を含む)としては、例えば、メパニピリム(Mepanipyrim)、ピリメサニル(Pyrimethanil)、シプロジニル(Cyprodinil)のようなピリミジナミン系化合物;
トリアジメホン(Triadimefon)、ビテルタノール(Bitertanol)、トリフルミゾール(Triflumizole)、エタコナゾール(Etaconazole)、プロピコナゾール(Propiconazole)、ペンコナゾール(Penconazole)、フルシラゾール(Flusilazole)、マイクロブタニル(Myclobutanil)、シプロコナゾール(Cyproconazole)、ターブコナゾール(Terbuconazole)、ヘキサコナゾール(Hexaconazole)、ファーコナゾールシス(Furconazole-cis)、プロクロラズ(Prochloraz)、メトコナゾール(Metconazole)、エポキシコナゾール(Epoxiconazole)、テトラコナゾール(Tetraconazole)、オキスポコナゾール(Oxpoconazole)、シプコナゾール(Sipconazole)のようなアゾール系化合物;
キノメチオネート(Quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(Maneb)、ジネブ(Zineb)、マンゼブ(Mancozeb)、ポリカーバメート(Polycarbamate)、プロピネブ(Propineb)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(Fthalide)、クロロタロニル(Chlorothalonil)、キントゼン(Quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(Benomyl)、チオファネートメチル(Thiophanate-Methyl)、カーベンダジム(Carbendazim)、シアゾファミド(Cyazofamid)のようなイミダゾール系化合物;
フルアジナム(Fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
シモキサニル(Cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(Metalaxyl)、オキサジキシル(Oxadixyl)、オフレース(Ofurace)、ベナラキシル(Benalaxyl)、フララキシル(Furalaxyl)、シプロフラム(Cyprofuram)のようなフェニルアミド系化合物;
ジクロフルアニド(Dichlofluanid)のようなスルフェン酸系化合物;
水酸化第二銅(Cupric hydroxide)、有機銅(Oxine Copper)のような銅系化合物;
ヒドロキシイソキサゾール(Hydroxyisoxazole)のようなイソキサゾール系化合物;
ホセチルアルミニウム(Fosetyl-Al)、トルクロホスメチル(Tolclofos-Methyl)、S−ベンジル O,O−ジイソプロピルホスホロチオエート、O−エチル S,S−ジフェニルホスホロジチオエート、アルミニウムエチルハイドロゲンホスホネートのような有機リン系化合物;
キャプタン(Captan)、キャプタホル(Captafol)、フォルペット(Folpet)のようなN−ハロゲノチオアルキル系化合物;
プロシミドン(Procymidone)、イプロジオン(Iprodione)、ビンクロゾリン(Vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
フルトラニル(Flutolanil)、メプロニル(Mepronil)、ゾキサミド(Zoxamide)のようなベンズアニリド系化合物;
トリホリン(Triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(Pyrifenox)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(Fenarimol)、フルトリアフォル(Flutriafol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピジン(Fenpropidine)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(Fenpropimorph)のようなモルフォリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(Fentin Hydroxide)、フェンチンアセテート(Fentin Acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(Pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(Dimethomorph)のようなシンナミック酸系化合物;
ジエトフェンカルブ(Diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
フルジオキソニル(Fludioxonil)、フェンピクロニル(Fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(Azoxystrobin)、クレソキシムメチル(Kresoxim-Methyl)、メトミノフェン(Metominofen)、トリフロキシストロビン(Trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(Picoxystrobin)、ピラクロストロビン(Pyraclostrobin)のようなストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(Famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(Ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
シルチオファム(Silthiopham)のようなシリルアミド系化合物;
イプロバリカルブ(Iprovalicarb)のようなアミノアシッドアミドカーバメート系化合物;
フェナミドン(Fenamidone)のようなイミダゾリジン系化合物;
フェンヘキサミド(Fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(Flusulfamide)のようなベンゼンスルホンアミド系化合物;
アトラキノン系化合物;クロトン酸系化合物;抗生物質またその他の化合物として、イソプロチオラン(Isoprothiolane)、トリシクラゾール(Tricyclazole)、ピロキロン(Pyroquilon)、ジクロメジン(Diclomezine)、プロベナゾール(Probenazole)、キノキシフェン(Quinoxyfen)、プロパモカルブ塩酸塩(Propamocarb Hydrochloride)、スピロキサミン(Spiroxamine)、クロロピクリン(Chloropicrin)、ダゾメット(Dazomet)、メタムナトリウム塩(Metam-sodium);などが挙げられる。
その他、本発明化合物と混用或いは併用することが可能な農薬としては、例えは、Farm Chemicals Handbook(2002年版)に記載されているような除草剤の有効成分化合物、特に土壌処理型のものなどがある。
動物寄生生物防除剤としては、例えば、宿主動物の体表(背、腋下、下腹部、内股部など)に寄生する外部寄生生物や、宿主動物の体内(胃、腸管、肺、心臓、肝臓、血管、皮下、リンパ組織など)に寄生する内部寄生生物の防除に有効であるが、なかでも、外部寄生生物の防除に有効である。
外部寄生生物としては、例えば、動物寄生性のダニやノミなどが挙げられる。これらの種類は非常に多く、全てを列記することが困難であるので、その一例を挙げる。
動物寄生性のダニとしては、例えばオウシマダニ(Boophilus microplus)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、フタトゲチマダニ(Haemaphysalis longicornis)、キチマダニ(Haemaphysalis flava)、ツリガネチマダニ(Haemaphysalis campanulata)、イスカチマダニ(Haemaphysalis concinna)、ヤマトチマダニ(Haemaphysalis japonica)、ヒゲナガチマダニ(Haemaphysalis kitaokai)、イヤスチマダニ(Haemaphysalis ias)、ヤマトマダニ(Ixodes ovatus)、タネガタマダニ(Ixodes nipponensis)、シュルツェマダニ(Ixodes persulcatus)、タカサゴキララマダニ(Amblyomma testudinarium)、オオトゲチマダニ(Haemaphysalis megaspinosa)、アミノカクマダニ(Dermacentor reticulatus)、タイワンカクマダニ(Dermacentor taiwanesis)のようなマダニ類;ワクモ(Dermanyssus gallinae);トリサシダニ(Ornithonyssus sylviarum)、ミナミトリサシダニ(Ornithonyssus bursa)のようなトリサシダニ類;ナンヨウツツガムシ(Eutrombicula wichmanni)、アカツツガムシ(Leptotrombidium akamushi)、フトゲツツガムシ(Leptotrombidium pallidum)、フジツツガムシ(Leptotrombidium fuji)、トサツツガムシ(Leptotrombidium tosa)、ヨーロッパアキダニ(Neotrombicula autumnalis)、アメリカツツガムシ(Eutrombicula alfreddugesi)、ミヤガワタマツツガムシ(Helenicula miyagawai)のようなツツガムシ類;イヌツメダニ(Cheyletiella yasguri)、ウサギツメダニ(Cheyletiella parasitivorax)、ネコツメダニ(Cheyletiella blakei)のようなツメダニ類;ウサギキュウセンダニ(Psoroptes cuniculi)、ウシショクヒダニ(Chorioptes bovis)、イヌミミヒゼンダニ(Otodectes cynotis)、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)、ネコショウセンコウヒゼンダニ(Notoedres cati)のようなヒゼンダニ類;イヌニキビダニ(Demodex canis)のようなニキビダニ類などが挙げられる。なかでも、本発明化合物を含有する動物寄生生物防除剤は、マダニ類などの防除に特に有効である。
ノミとしては、例えば、ノミ目(Siphonaptera)に属する外部寄生性無翅昆虫、より具体的には、ヒトノミ科(Pulicidae)、ナガノミ科(Ceratephyllus)などに属するノミ類が挙げられる。ヒトノミ科に属するノミ類としては、例えば、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)、ヒトノミ(Pulex irritans)、ニワトリフトノミ(Echidnophaga gallinacea)、ケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)、メクラネズミノミ(Leptopsylla segnis)、ヨーロッパネズミノミ(Nosopsyllus fasciatus)、ヤマトネズミノミ(Monopsyllus anisus)などが挙げられる。なかでも、本発明化合物を含有する動物寄生生物防除剤は、ヒトノミ科に属するノミ類、特にイヌノミ、ネコノミなどの防除に有効である。
その他の外部寄生生物としては、例えば、ウシジラミ、ウマジラミ、ヒツジジラミ、ウシホソジラミ、アタマジラミのようなシラミ類;イヌハジラミのようなハジラミ類;ウシアブ、ウアイヌカカ、ツメトゲブユのような吸血性双翅目害虫などが挙げられる。また、内部寄生生物としては、例えば、肺虫、ベンチュウ、結節状ウオーム、胃内寄生虫、回虫、糸状虫類のような線虫類;マンソン裂頭条虫、広節裂頭条虫、瓜実条虫、多頭条虫、単包条虫、多包条虫のような条虫類;日本住血吸虫、肝蛭のような吸虫類;コクシジウム、マラリア原虫、腸内肉胞子虫、トキソプラズマ、クリプトスポリジウムのような原生動物などが挙げられる。
宿主動物としては、種々の愛玩動物、家畜、家禽などが挙げられ、より具体的には、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、リス、ウサギ、フェレット、鳥(例えば、ハト、オウム、九官鳥、文鳥、インコ、ジュウシマツ、カナリアなど)、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、アヒル、ニワトリなどが挙げられる。なかでも、本発明化合物を含有する動物寄生生物防除剤は、愛玩動物又は家畜に寄生する有害生物、特に外部寄生生物の防除に有効である。愛玩動物又は家畜の中ではイヌ、ネコ、ウシ又はウマに特に有効である。
本発明化合物を動物寄生生物防除剤として使用する際、そのまま使用してもよく、また、適当な補助剤と共に粉剤、粒剤、錠剤、散剤、カプセル剤、液状剤、乳剤、水生懸濁剤、油性懸濁剤などの種々の形態に製剤して使用することもできる。尚、前記製剤形態以外にも、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。製剤に使用する補助剤としては、前記した農園芸用有害生物防除剤の製剤用補助剤として例示した陰イオン系の界面活性剤や非イオン系の界面活性剤;セチルトリメチルアンモニウムブロミドのような陽イオン系の界面活性剤;水、アセトン、アセトニトリル、モノメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ケロシン、トリアセチン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体ポリオキシエチレングリコール、ブチルジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールノルマルブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールノルマルブチルエーテルのような溶剤;ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、アスコルビン酸、メタ亜硫酸水素ナトリウム、プロピル没食子酸塩、チオ硫酸ナトリウムのような酸化防止剤;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニルとビニルピロリドンのコポリマーのような被膜形成剤;前記した農園芸用有害生物防除剤の製剤用補助剤として例示した植物油や鉱物油;乳糖、蔗糖、ブドウ糖、澱粉、麦粉、コーン粉、大豆油粕、脱脂米糠、炭酸カルシウム、その他市販の飼料原料のような担体などが挙げられる。これら補助剤の各成分は、本発明の目的から逸脱しないかぎり、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。また、前記した補助剤以外にも当該分野で知られたものの中から適宜選択して使用することもでき、更には、前記した農園芸分野で使用される各種補助剤などから適宜選択して使用することもできる。
本発明化合物と各種補助剤との配合割合は、通常0.1:99.9〜90:10程度である。これら製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、または水等の希釈剤で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤(界面活性剤、植物油、鉱物油など)を添加して使用することができる。
宿主動物への本発明化合物の投与は、経口又は非経口によって行われる。経口投与法としては、例えば本発明化合物を含有する錠剤、液状剤、カプセル剤、ウエハース、ビスケット、ミンチ肉、その他の飼料等を投与する方法などが挙げられる。非経口投与方法としては、例えば本発明化合物を適当な製剤に調製した上で、静注投与、筋肉内投与、皮内投与、皮下投与等により体内に取り込ませる方法;スポットオン(spot-on)処理、ポワオン(pour-on)処理、スプレー処理等により体表面に投与する方法;宿主動物の皮下に本発明化合物を含有する樹脂片等を埋め込む方法などが挙げられる。
宿主動物への本発明化合物の投与量は、投与方法、投与目的、疾病症状等によって異なるが、通常、宿主動物の体重1Kgに対して0.01mg〜100g、望ましくは0.1mg〜10gの割合で投与するのが適当である。
本発明には、前記したような投与方法又は投与量による有害生物の防除方法、特に外部寄生生物又は内部寄生生物の防除方法も含まれる。
また、本発明においては、前述のようにして動物寄生性の有害生物を防除することにより、それらに起因する宿主動物の各種疾患を予防又は治療できる場合がある。このように、本発明には、本発明化合物を有効成分として含有する寄生生物起因動物疾患の予防又は治療剤並びに、寄生生物起因動物疾患を予防又は治療する方法も含まれる。
本発明化合物を動物寄生生物防除剤として使用する際、補助剤と共に各種ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、栄養剤、酵素製剤、解熱剤、鎮静剤、消炎剤、殺菌剤、着色剤、芳香剤、保存剤等と混用又は併用することができる。また、必要に応じて他の各種動物薬や農薬、例えば駆虫剤、抗コクシジウム剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺ノミ剤、殺線虫剤、殺菌剤、抗菌剤などと混用又は併用することができ、この場合に一層優れた効果を示すこともある。本発明には、前記したような各種成分を混用又は併用した混合有害生物防除組成物が含まれ、また、それを使用した有害生物の防除方法、特に外部寄生生物又は内部寄生生物の防除方法も含まれる。
次に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。まず本発明化合物の合成例を記載する。
合成例1
N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(後記化合物No.1)の合成
1)5−(2−フリル)−3−トリフルオロメチルピラゾール5.0g、3,4,5−トリクロロピリジン4.5g、炭酸カリウム6.8g及びN,N−ジメチルホルムアミド50mlの混合溶液を、窒素気流下110℃で48時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、酢酸エチルと水とを加えて抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して、油状の1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−5−(2−フリル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール5.5gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /300MHz )
8.72(s,2H)、7.37(d,1H、J=1.5Hz)、6.96(s,1H)、6.40(dd,1H、J=1.8Hz)、6.17(d,1H、J=3.6Hz)
2)1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−5−(2−フリル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール5.5g、リン酸二水素ナトリウム二水和物14.9g及びアセトニトリル70mlの混合溶液を室温で30分間攪拌後、0℃に冷却しながら、亜塩素酸ナトリウム21.5g及び水70mlの混合溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、液温を徐々に室温に戻しながら、12時間反応させた。反応終了後、反応液を濃塩酸でpH1.0に調整し、酢酸エチルを加えて繰り返し抽出を行った。有機層を重亜硫酸ナトリウム32g及び水400mlの混合溶液に20℃以下で徐々に滴下した。同温度で15分間攪拌後、有機層を抽出した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去して、融点127.9℃の1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸4.7gを得た。
3)1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸1.0g、ピリジン0.42ml及びアセトニトリル20mlの混合溶液に、窒素気流下0℃で、メタンスルホニルクロリド0.3mlを徐々に滴下した。滴下終了後、15分間、同温度で攪拌を続け、そこへ2−アミノ−5−クロロ−3−メチル安息香酸0.57gを加えた後、ピリジン0.87mlを加えた。0℃で15分間攪拌した後、メタンスルホニルクロリド0.3mlを加え、液温を徐々に室温に戻しながら、一晩反応させた。反応終了後、反応液を氷水200mlに投入し、析出した結晶を濾取した。アセトニトリル20ml及び水10mlの混合溶液で洗浄して、6−クロロ−2−[1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン1.0gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /300MHz )
9.05(s,2H)、8.05(s,1H)、7.92(s,1H)、7.81(s,1H)、1.70(s,3H)
4)1−シクロプロピルエチルアミン塩酸塩0.77g及びテトラヒドロフラン20mlの混合液に、トリエチルアミン1.30gを徐々に滴下した後、室温で1時間攪拌した。そこへ、6−クロロ−2−[1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン1.30g及びテトラヒドロフラン15mlの混合液を徐々に滴下した。滴下終了後、混合液を還流下に30分間反応させた。反応終了後、反応液にシリカゲルを加え、溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製して、融点275.1℃の目的物0.60gを得た。
合成例2
N−[6−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−4−ヨード−2−メチルフェニル]−1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(後記化合物No.7)の合成
1−シクロプロピルエチルアミンの50%エーテル溶液2.7g及びテトラヒドロフラン25mlの混合液に、2−[1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−6−ヨード−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン1.3g及びテトラヒドロフラン5mlの混合液を徐々に滴下した。滴下終了後、混合液を還流下に1時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して、融点273.1℃の目的物0.15gを得た。
合成例3
N−[4−シアノ−6−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−2−メチルフェニル]−1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(後記化合物No.8)の合成
N−[6−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−4−ヨード−2−メチルフェニル]−1−(3,5−ジクロロ−4−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド1.2g及びテトラヒドロフラン30mlの混合液に、ヨウ化第一銅0.06g、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.15g及びシアン化第一銅1.65gを加えた。混合液を還流下に5時間反応させた。反応終了後、反応液をセライト濾過し、酢酸エチルで十分に洗浄した。濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1)で精製して、融点246.3℃の目的物0.7gを得た。
合成例4
N−[4−クロロ−2−[[(1−シクロプロピルエチル)アミノ]カルボニル]−6−メチルフェニル]−1−(4−クロロ−3−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド(後記化合物No.22)の合成
1)3−クロロピリジン25g及び酢酸15mlの混合溶液に、0℃冷却下30%過酸化水素水50mlを徐々に滴下した。滴下終了後、50℃で40分間反応させ、次いで120℃で22時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、炭酸カリウムで中和後100mlの水を加えた。次いで酢酸エチルで11回、ジクロロメタンで7回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去して、3−クロロピリジン−N−オキシド29.64gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /300MHz )
8.22(t,1H、J=1.2Hz)、8.09(td,1H、J=1.2、6.4Hz)、7.25(m,1H)、7.19(m,1H)
2)3−クロロピリジン−N−オキシド13gに、0℃冷却下、濃硫酸30mlを徐々に滴下した。次いで、発煙硝酸22.5mlを徐々に滴下し、室温で10分間反応させ、次いで100℃で3時間反応させた。反応終了後、反応液を氷水500mlへ投入し、炭酸水素ナトリウムで中和した。次いで酢酸エチルで抽出し、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。生成した固体をジエチルエーテルで洗浄して、3−クロロ−4−ニトロピリジン−N−オキシド9.65gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /300MHz )
8.30(s,1H)、8.11(d,1H、J=7.2Hz)、7.98(d,1H、J=7.6Hz)
3)5−(2−フリル)−3−トリフルオロメチルピラゾール10.1g、3−クロロ−4−ニトロピリジン−N−オキシド8.78g、炭酸カリウム13.8g、N,N−ジメチルホルムアミド30ml及びテトラヒドロフラン30mlの混合溶液を、80℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を冷却し、酢酸エチルと水とを加えて抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1)で精製して、融点115−120℃の3−[5−(2−フリル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾリル]−4−ニトロピリジン N−オキシド5.88gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /300MHz )
8.34(s,1H)、8.33(dd,1H、J=1.6、8.8Hz)、8.10(d,1H、J=6.8Hz)、7.33(d,1H、J=2.4Hz)、6.89(s,1H)、6.54(d,1H、J=3.6Hz)、6.45(dd,1H、J=2.0、3.6Hz)
4)3−[5−(2−フリル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾリル]−4−ニトロピリジン N−オキシド3.89g、ジクロロメタン30ml及び三塩化リン4mlを室温で2時間反応させた。反応終了後、反応液にジクロロメタンと水とを加えて抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1)で精製して、油状の1−(4−クロロ−3−ピリジル)−5−(2−フリル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール2.99gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /300MHz )
8.73(s,1H)、8.69(d,1H、J=5.2Hz)、7.56(d,1H、J=5.2Hz)、7.35(t,1H、J=1.2Hz)、6.94(s,1H)、6.35(dd,1H、J=1.6、3.6Hz)、6.05(d,1H、J=3.6Hz)
5)1−(4−クロロ−3−ピリジル)−5−(2−フリル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール2.99g、リン酸二水素ナトリウム二水和物7.4g及びアセトニトリル100mlの混合溶液を室温で30分間攪拌後、0℃に冷却しながら、亜塩素酸ナトリウム16g及び水50mlの混合溶液を徐々に滴下した。滴下終了後、液温を徐々に室温に戻しながら、12時間反応させた。反応終了後、反応液を濃塩酸でpH1.0に調整し、酢酸エチルを加えて繰り返し抽出を行った。有機層を重亜硫酸ナトリウム30g及び水200mlの混合溶液に20℃以下で徐々に滴下した。同温度で15分間攪拌後、有機層を抽出した。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下に留去して、融点130−135℃の1−(4−クロロ−3−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸1.5gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : DMSO /300MHz )
8.86(s,1H)、8.73(d,1H、J=5.6Hz)、7.85(d,1H、J=5.2Hz)、7.63(s,1H)
6)メタンスルホニルクロリド0.064ml及びアセトニトリル3mlの混合溶液に、0℃で、1−(4−クロロ−3−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸0.23g、トリエチルアミン0.11ml及びアセトニトリル3mlの混合溶液を滴下した。滴下終了後、30分間、同温度で攪拌を続け、そこへ2−アミノ−5−クロロ−3−メチル安息香酸0.15gを加えた後、トリエチルアミン0.22mlを加えた。0℃で1.5時間攪拌した後、更にメタンスルホニルクロリド0.064mlを加え、液温を徐々に室温に戻しながら、一晩反応させた。反応終了後、反応液に酢酸エチルと水とを加えて抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製して、6−クロロ−2−[1−(4−クロロ−3−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン0.15gを得た。このもののNMRスペクトルデータは以下の通りである。
1H-NMR δppm ( Solvent : CDCl3 /300MHz )
8.74(s,1H)、8.68(d,1H、J=5.2Hz)、7.99(d,1H、J=2.4Hz)、7.55(d,1H、J=5.2Hz)、7.52(s,1H)、7.50(d,1H、J=2.4Hz)、1.82(s,3H)
7)1−シクロプロピルエチルアミン塩酸塩0.064g及びテトラヒドロフラン2mlの混合液に、トリエチルアミン0.15mlを徐々に滴下した後、室温で1時間攪拌した。そこへ、6−クロロ−2−[1−(4−クロロ−3−ピリジル)−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]−8−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン0.077g及びテトラヒドロフラン2mlの混合液を徐々に滴下した。滴下終了後、混合液を還流下に1時間反応させた。反応終了後、反応液にシリカゲルを加え、溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製して、融点162−164℃の目的物0.090gを得た。
次に、前記式(I)で表される本発明化合物の代表例を第1表に記載し、それらの物性を第2表に記載する。これら化合物は前記合成例或は前記した本発明化合物の種々の製造方法に基づいて合成することができる。
第1表中、No.は化合物No.を示し、位置とはピラゾールがカルボニルと結合する位置を示す。また、第1表中、A1は-CH2-[c-Pr]を、A2は-CH(Me)-[c-Pr]を、A3は-CH2-[c-Pr(2-Me)]を、A4は-CH2-[c-Pr(2,2-Cl2-1-Me)]を、A5は-CH2-[c-Pr(1-Me)]を、A6は-CH(Me)-[c-Bu]を、A7は-CH(Me)-CH2SCHF2を、A8は-(CH2)2-SCHF2を、A9は-(CH2)2-SOCHF2を、A10は-(CH2)2-SO2CHF2を、A11は-CH2CH(Me)-SCHF2を、A12は-CHOを、A13は-CH2-[c-Pr(2-CF3)]を、A14は-CH(Me)-CH2SCH2CF3を、A15は-CO-CH=CH2を各々示す。また、第1表中、Meはメチル基を、c-Prはシクロプロピル基を、c-Buはシクロブチル基を、Pyはピリジル基を各々示す。
第1表中、c-Pr(2-Me)とあるのは、2位にメチル基が置換したシクロプロピル基を示し、4-Py(3-Cl,5-Cl)とあるのは、ピリジル基の3位と5位に各々塩素原子が置換した4−ピリジル基を示し、他の同様の記載もこれに準じる。
Figure 2007070346
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Figure 2007070346
Figure 2007070346
Figure 2007070346
次に試験例を記載する。
試験例1 ハスモンヨトウに対する効果試験
本発明化合物の濃度が50ppmとなるよう調製した薬液に、キャベツの葉片を約10秒間浸漬処理し、風乾した。直径9cmのペトリ皿に湿った濾紙を敷き、その上に風乾したキャベツの葉片を置いた。そこへ、2〜3令のハスモンヨトウ幼虫10頭を放ち、ふたをして25℃の照明付恒温室内に放置した。放虫後5日目に生死を判定し、下記計算式により死虫率を求めた。尚、異常虫も死亡とみなした。前記化合物No.1〜10、12〜26、28〜30、32、34、40、81、119、121、130、131及び133〜149について死虫率を求めたところ、全ての化合物が90%以上の高い防除効果を示した。
死虫率(%)=(死虫数/放虫数)×100
試験例2 シルバーリーフコナジラミに対する効果試験
第一本葉を1枚残し、他の葉を切除したポット植えのキュウリに、シルバーリーフコナジラミの成虫を放して約8〜24時間産卵させた。その後、25℃の照明付恒温室内に7〜10日間放置した。孵化幼虫数を調査した後、本発明化合物の濃度が50ppmとなるよう調製した薬液を約3ml/株の割合で散布し、風乾した。処理後10〜14日間25℃の照明付恒温室内に放置した後、老齢幼虫数及び蛹数を調査し、下記計算式により防除価を求めた。前記化合物No.1、9、12、13、22、34、40、121、133、136、142及び144について50ppmで防除価を求めたところ、全ての化合物が80%以上の高い防除効果を示した。
防除価(%)=(1−((Ta×Cb)/(Tb×Ca)))×100
Ta: 処理区における処理後の老齢幼虫数+蛹数
Tb:処理区における処理前の孵化幼虫数
Ca: 無処理区における処理後の老齢幼虫数+蛹数
Cb:無処理区における処理前の孵化幼虫数
試験例3 イエシロアリに対する効果試験
直径9cmのガラスシャーレ内に濾紙を敷き、本発明化合物の濃度が500ppmとなるよう調製した薬液1mlを処理した。その後、イエシロアリの職蟻10頭及び兵蟻1頭を放ち、ふたをして25℃の照明付恒温室内に放置した。処理6日後に、職蟻の死亡数を調査し、下記計算式により死虫率を求めた。尚、異常虫も死亡とみなした。前記化合物No.1、6及び8について死虫率を求めたところ、全ての化合物が80%以上の高い防除効果を示した。
死虫率(%)=(職蟻の死虫数/10)×100
試験例4 フタトゲチマダニに対する薬効試験
9cm径シャーレ内面に、本発明化合物のアセトン溶液1ml(濃度:10μg/ml)をマイクロピペットで滴下処理する。シャーレ内面が乾燥した後、約100匹の幼ダニを入れ、ポリエチレンシートで被い密封する。薬剤接触後の横転(ノックダウン)ダニ数を観察すると、本発明化合物は大部分のフタトゲチマダニを横転させる。
試験例5 ネコノミに対する薬効試験
5.3ppmに調製した本発明化合物のアセトン溶液0.5mlを、底面が平滑なガラス管(内径2.6cm、底面積5.3cm、高さ12cm)に滴下処理する。室温下でアセトンを蒸散させ、底面に本発明化合物を含むドライフィルムを形成させる。そこへネコノミ(Ctenocephalides felis)の成虫(羽化後5日以内の未吸血成虫)10頭を入れ、本発明化合物を暴露させると、大部分のネコノミに高い防除効果がみられる。
次に製剤例を記載する。
製剤例1
(1)本発明化合物 20重量部
(2)クレー 72重量部
(3)リグニンスルホン酸ソーダ 8重量部
以上のものを均一に混合して水和剤とする。
製剤例2
(1)本発明化合物 5重量部
(2)タルク 95重量部
以上のものを均一に混合して粉剤とする。
製剤例3
(1)本発明化合物 20重量部
(2)N,N−ジメチルアセトアミド 20重量部
(3)ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 10重量部
(4)キシレン 50重量部
以上のものを均一に混合、溶解して乳剤とする。
製剤例4
(1)クレー 68重量部
(2)リグニンスルホン酸ソーダ 2重量部
(3)ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート 5重量部
(4)微粉シリカ 25重量部
以上の各成分の混合物と本発明化合物とを4:1の重量割合で混合し、水和剤とする。
製剤例5
(1)本発明化合物 50重量部
(2)オキシレーテッドポリアルキルフェニルフォスフェート−トリエタノールアミン 2重量部
(3)シリコーン 0.2重量部
(4)水 47.8重量部
以上のものを均一に混合、粉砕した原液に更に
(5)ポリカルボン酸ナトリウム 5重量部
(6)無水硫酸ナトリウム 42.8重量部
を加え均一に混合、造粒、乾燥して顆粒水和剤とする。
製剤例6
(1)本発明化合物 5重量部
(2)ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル 1重量部
(3)ポリオキシエチレンの燐酸エステル 0.1重量部
(4)粒状炭酸カルシウム 93.9重量部
(1)〜(3)を予め均一に混合し、適量のアセトンで希釈した後、(4)に吹付け、アセトンを除去して粒剤とする。
製剤例7
(1)本発明化合物 2.5重量部
(2)N−メチル−2−ピロリドン 2.5重量部
(3)大豆油 95.0重量部
以上のものを均一に混合、溶解して微量散布剤(ultra low volume formulation)とする。
製剤例8
(1)本発明化合物 40重量部
(2)オキシレーテッドポリアルキルフェニルフォスフェート−トリエタノールアミン 2重量部
(3)シリコーン 0.2重量部
(4)ザンサンガム 0.1重量部
(5)エチレングリコール 5重量部
(6)水 52.7重量部
以上のものを均一に混合、粉砕して水性懸濁剤とする。
製剤例9
(1)本発明化合物 10重量部
(2)ジエチレングリコールモノエチルエーテル 90重量部
以上の成分を均一に混合し、溶状剤とする。




Claims (9)

  1. 式(I):
    Figure 2007070346
    (式中、AはYで置換されたアルキル又はDで置換されたカルボニルであり、QはRで置換されてもよい3−ピリジル又はRで置換されてもよい4−ピリジルであり、Rはハロゲン、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルケニル、Xで置換されてもよいアルキニル、ヒドロキシ、Xで置換されてもよいアルコキシ、ホルミル、Xで置換されてもよいアルキルカルボニル、カルボキシル、Xで置換されてもよいアルコキシカルボニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシイミノアルキル、シアノ又はニトロであり、R及びRは各々ハロゲン、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルコキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、シアノ又はニトロであり、R及びRは各々水素原子又はアルキルであり、Xはハロゲン、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシ、ハロゲンで置換されてもよいアルキルスルフェニル、ハロゲンで置換されてもよいアルキルスルフィニル、ハロゲンで置換されてもよいアルキルスルホニル又はシアノであり、Yはハロゲン、アルキル及びハロアルキルよりなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されてもよいC3−4シクロアルキル;ハロアルキルスルフェニル;ハロアルキルスルフィニル又はハロアルキルスルホニルであり、Dはハロゲンで置換されてもよいアルケニル、ハロゲンで置換されてもよいアルケニルオキシ、ハロゲンで置換されてもよいアルキニル又はハロゲンで置換されてもよいアルキニルオキシであり、mは0〜4の整数であり、nは1〜2の整数である)で表されるアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩。
  2. 式(I):
    Figure 2007070346
    (式中、AはYで置換されたアルキル又はDで置換されたカルボニルであり、QはRで置換されてもよい3−ピリジル又はRで置換されてもよい4−ピリジルであり、Rはハロゲン、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルケニル、Xで置換されてもよいアルキニル、ヒドロキシ、Xで置換されてもよいアルコキシ、ホルミル、Xで置換されてもよいアルキルカルボニル、カルボキシル、Xで置換されてもよいアルコキシカルボニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシイミノアルキル、シアノ又はニトロであり、R及びRは各々ハロゲン、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルコキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、シアノ又はニトロであり、R及びRは各々水素原子又はアルキルであり、Xはハロゲン、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシ、ハロゲンで置換されてもよいアルキルスルフェニル、ハロゲンで置換されてもよいアルキルスルフィニル、ハロゲンで置換されてもよいアルキルスルホニル又はシアノであり、Yはハロゲン、アルキル及びハロアルキルよりなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換されてもよいC3−4シクロアルキル;ハロアルキルスルフェニル;ハロアルキルスルフィニル又はハロアルキルスルホニルであり、Dはハロゲンで置換されてもよいアルケニル、ハロゲンで置換されてもよいアルケニルオキシ、ハロゲンで置換されてもよいアルキニル又はハロゲンで置換されてもよいアルキニルオキシであり、mは0〜4の整数であり、nは1〜2の整数である)で表されるアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩の製造方法であって、
    (1)式(II):
    Figure 2007070346
    (式中、A、R、R、R及びmは前述の通りである)で表される化合物と、式(III):
    Figure 2007070346
    (式中、Q、R及びnは前述の通りであり、Zは塩素原子、−OH又はC1−4アルコキシである)で表される化合物とを反応させるか、
    (2)式(IV):
    Figure 2007070346
    (式中、Q、R、Rm及びnは前述の通りである)で表される化合物と、式(V):A−NHR(式中、A及びRは前述の通りである)で表される化合物とを反応させるか、
    (3)式(I-2):
    Figure 2007070346
    (式中、A、R、R、m及びnは前述の通りであり、QはR5aで置換されてもよい3−ピリジル又はR5aで置換されてもよい4−ピリジルであり、R1aはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルケニル、Xで置換されてもよいアルキニル、ヒドロキシ、Xで置換されてもよいアルコキシ、ホルミル、Xで置換されてもよいアルキルカルボニル、カルボキシル、Xで置換されてもよいアルコキシカルボニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシイミノアルキル、シアノ又はニトロであり、R2a及びR5aは各々フッ素原子、塩素原子、臭素原子、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルコキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ホルミル、シアノ又はニトロ(Xは前述の通り)であり、Uは臭素原子又はヨウ素原子である)で表される化合物と、金属シアノ化物とを反応させるか、
    (4)式(I-2):
    Figure 2007070346
    (式中、A、Q、R1a、R2a、R、R、m、n及びUは前述の通りである)で表される化合物と、一酸化炭素と、水素供与体とを反応させるか、
    (5)式(I-5):
    Figure 2007070346
    (式中、A、R、R、m及びnは前述の通りであり、QはR5bで置換されてもよい3−ピリジル又はR5bで置換されてもよい4−ピリジルであり、R1bはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルケニル、Xで置換されてもよいアルキニル、ヒドロキシ、Xで置換されてもよいアルコキシ、Xで置換されてもよいアルキルカルボニル、カルボキシル、Xで置換されてもよいアルコキシカルボニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロゲンで置換されてもよいアルコキシイミノアルキル、シアノ又はニトロ(Xは前述の通り)であり、R2b及びR5bは各々ハロゲン、Xで置換されてもよいアルキル、Xで置換されてもよいアルコキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニル、Xで置換されてもよいアルキルスルホニル、Xで置換されてもよいアルキルスルフェニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルフィニルオキシ、Xで置換されてもよいアルキルスルホニルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はニトロである)で表される化合物と、フッ素化剤とを反応させることを特徴とする方法。
  3. 請求項1のアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩を有効成分として含有する有害生物防除剤。
  4. 請求項1のアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩を有効成分として含有する農園芸用有害生物防除剤。
  5. 請求項1のアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩を有効成分として含有する殺虫、殺ダニ又は殺線虫剤。
  6. 請求項1のアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩を有効成分として含有する動物寄生生物防除剤。
  7. 請求項1のアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩を有効成分として含有する動物外部寄生性生物の防除剤。
  8. 請求項1のアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩を有効成分として含有する寄生生物起因動物疾患の予防又は治療剤
  9. 請求項1のアントラニルアミド系化合物、そのN−オキシド又はその塩の有効量を施用して有害生物を防除する方法。




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