JP2006270043A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】
太陽電池素子のバスバー電極(4a、5a)からインナーリード7が剥がれることを抑制しつつ、外部に取り出す電気出力を向上させることのできる太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】
受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極(4a、5a)が設けられた太陽電池素子と、バスバー電極(4a、5a)に対してその略全長で電気的に接続されたインナーリード7と、を備えた太陽電池モジュールであって、インナーリード7の厚みは、先端部で最も薄く構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は太陽電池素子同士を、インナーリードで接続した太陽電池モジュールに関する。
太陽電池素子の一般的な構造を図10に示す。図10(a)は太陽電池素子Sの断面の構造を示す図であり、図10(b)は、図10(a)の太陽電池素子Sを組み合わせて構成した従来の太陽電池モジュールTである。また、図10(c)は図10(b)の太陽電池モジュールTの内部構造の部分拡大図である。図9は、電極形状の一例を示す図であり、図9(a)は太陽電池素子Sの受光面側(表面)、図9(b)は太陽電池素子Sの非受光面側(裏面)である。
このような太陽電池素子Sは次のようにして作製される。
まず、厚み0.2〜0.5mm程度、大きさ100〜150mm角程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなるp型半導体の半導体基板1を準備する。そして、半導体基板1にn型を呈する拡散層2を設け、p型の半導体基板1との間にpn接合を形成する。このような拡散層2は、半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)中で加熱することによって、半導体基板1の表面部全体にn型不純物であるリン原子を拡散させて、厚み0.2〜0.5μm程度の拡散層2として形成することができる。その後、側面部と底面部の拡散層の部分を除去する。
太陽電池素子Sの受光面側には、例えば、窒化シリコン膜からなる反射防止膜3が形成される。このような反射防止膜3は、例えばプラズマCVD法等で形成され、パッシベーション膜としての機能も有する。
そして、半導体基板1の表面に銀ペーストを、裏面にはアルミニウムペーストおよび銀ペーストを塗布して焼成することにより、表面電極4および裏面電極5を同時に形成する。
図9(a)に示されるように表面電極4は表面から出力を取り出すための表面バスバー電極4aと、これに直交するように設けられた集電用の表面フィンガー電極4bとから構成される。また、図9(b)に示されるように裏面電極5は裏面から出力を取り出すための裏面バスバー電極5aと裏面集電電極5bからなる。
裏面集電電極5bは、アルミニウムペーストをスクリーン印刷法で塗布して焼き付けることによって形成され、このときに半導体基板1中にシリコンの半導体基板1に対してp型不純物元素として作用するアルミニウムが拡散して、高濃度の裏面電界領域6が形成される。この裏面電界領域6はBSF層(Back Surface Field)と呼ばれ、裏面での少数キャリア再結合を防止しキャリアの収集効率を向上させ、太陽電池特性を向上させる働きがある。また、表面バスバー電極4a、表面フィンガー電極4b、裏面バスバー電極5aは銀ペーストをスクリーン印刷法で塗布して焼成する方法によって形成される。なお、表面電極4は、反射防止膜3の電極に相当する部分をエッチング除去して形成される場合と、もしくは反射防止膜4の上から、ファイアースルーという手法によって直接形成される場合とがある。
また、これら太陽電池素子Sの電極部には出力を外部に取り出すための配線を容易にするためや、電極の耐久性を維持するために半田が被覆される場合もあり、この半田の被覆には、ディップ法、噴流式等が採用されている。
太陽電池素子一枚では発生する電気出力が小さいため、複数の太陽電池素子を直並列に接続して、実用的な出力が取り出せるようにする必要がある。太陽電池モジュールの一例として、図10(b)に、図10(a)の太陽電池素子Sを組み合わせて構成した太陽電池モジュールYを示す。
図10(b)に示すように、複数の太陽電池素子Sは、インナーリード17によって電気的に接続される。インナーリード17を太陽電池素子Sの表面バスバー電極4aと裏面バスバー電極5aの部分的、全長もしくは複数箇所をホットエアー、半田ごてなどの熱溶着や超音波により接続し、太陽電池素子S同士を接続している。このインナーリード17としては、例えば、その表面全体に20〜70μm程度の半田を被覆した厚さ50〜500μm程度の銅箔を所定の長さに切断したものを用いる。
その後、透光性パネル8と裏面保護材10の間にエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする充填材9で気密に封入されて、太陽電池モジュールTを構成している。太陽電池モジュールTの出力は、出力配線11を経て端子ボックス12に接続されている。図10(c)に、図10(b)の太陽電池モジュールTの内部構造の部分拡大図を示す。
図10(c)に示すように、太陽電池素子S1の表面バスバー電極4aと、隣接する太陽電池素子S2の裏面バスバー電極5aとをインナーリード17によって接続して、複数の太陽電池素子S同士が電気的に接続されている。一般的にインナーリード17は厚さ0.1〜0.3mm程度の銅箔等の全面を半田被覆したものを用いており、このインナーリード17と太陽電池素子Sのバスバー電極(4a、5a)を加熱し、部分的、全長もしくは複数箇所で圧着させることにより太陽電池素子Sとインナーリード17とを半田によって接続する。
特開平11−186572号公報 特開2002−359388号公報
上述のように、複数の太陽電池素子Sをインナーリード17により接続し、実用的な出力を外部に取り出す太陽電池モジュールTはインナーリード17の抵抗により、出力が低下する。そのため、太陽電池モジュールTの出力向上をさせるためには、インナーリード17の抵抗を下げる必要があり、その一つの方法としてインナーリード17の断面積を大きくすることが有効である。
また、太陽電池素子Sの受光面側においては、受光面積を減らさないためにインナーリード17の幅方向を大きくせずに、高さ方向を大きくすることにより断面積を大きくする必要がある。
しかしながら、インナーリード17とバスバー電極(4a、5a)とは、加熱させて電気的に接続しているため、インナーリード17(銅箔、半田等)と太陽電池素子(シリコン、銀、アルミ等)間の熱膨張係数の差から応力が発生し、インナーリード17の断面積を大きくした場合においてはこの応力の影響が大きくなるために、半導体基板からの電極の剥がれ、電極からのインナーリード17の外れ、太陽電池素子の割れ、反り等の問題が大きく、透光性パネル、裏面保護材、充填材による封止等の後工程にいたる前に不良となり、簡単にインナーリード17の厚みを厚くすることができない。
また、特許文献1に記載の太陽電池モジュールは、バスバー電極(4a、5a)を設けずにインナーリード17を表面フィンガー電極4bに接続したり、インナーリード17の先端部をバスバー電極(4a、5a)の端部、一箇所に接続してる。このような場合も応力を抑制できないため、半導体基板からの電極の剥がれ、電極からのインナーリード17の外れ、太陽電池素子の割れ、反り等の問題を充分に抑制することができなかった。
また、特に、太陽電池モジュールTは通常、野外に設置されるため日々の温度サイクルによる収縮、膨張が繰り返される。このときの熱応力差がストレスとなり電極の剥がれが起こり易くなり、電極の剥がれが生じることによって電気抵抗が増大し、必要な出力を取り出すことができなくなる。
特許文献2には複数の太陽電池素子をインナーリード17で接続した太陽電池モジュールTにおいて、太陽電池素子Sの表面電極4と裏面電極5に別々のインナーリード17を接続し、第一の太陽電池素子S1の表面側に接続されたインナーリード17と隣接する第二の太陽電池素子S2の裏面側に接続されたインナーリード17を接続し、裏面側に接続されるインナーリード17の厚みが表面側に接続されるインナーリード17の厚みよりも薄くすることが開示されている。しかしながら、この場合においても表面電極4に接続されるインナーリード17の厚みが大きいと、バスバー電極(4a、5a)とインナーリード17を加熱させて電気的に接続する場合や、日々の温度サイクルによる収縮、膨張によって表面電極側で電極の剥がれが生じ、電気抵抗が増大するといった問題を解決することができない。その結果、必要な出力を取り出すことができなくなる。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、太陽電池素子Sのバスバー電極(4a、5a)の剥がれやインナーリード17の外れを抑制しつつ、外部に取り出す出力を向上させることのできる太陽電池モジュールTを提供することを目的とする。
本発明の太陽電池モジュールは、受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極が設けられた太陽電池素子と、前記バスバー電極に対してその略全長で電気的に接続されたインナーリードと、を備えたものであって、前記インナーリードの厚みは、先端部で最も薄いことを特徴とするものである。
また、前記インナーリードの厚みは、前記先端部に向かって徐々に薄くなることを特徴とする。
また本発明の太陽電池モジュールは、受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極が設けられた太陽電池素子と、前記バスバー電極に対してその略全長で電気的に接続されたインナーリードと、を備えたものであって、前記バスバー電極の幅Pと前記インナーリードの幅Qとの比Q/Pが、前記インナーリードの先端部で最も小さいことを特徴とするものである。
また、前記比Q/Pは、前記先端部に向かって徐々に小さくなることを特徴とする。
前記バスバー電極と前記インナーリードとは、半田で被覆されていないバスバー電極に、半田で被覆されたインナーリードの該半田を溶融させて接着することによって、電気的に接続されることを特徴とする。
本発明の太陽電池モジュールは、受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極が設けられた太陽電池素子と、前記バスバー電極に対してその略全長で電気的に接続されたインナーリードと、を備えたものであって、前記インナーリードの厚みは、先端部で最も薄いことを特徴とするものである。
また本発明の太陽電池モジュールは、受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極が設けられた太陽電池素子と、前記バスバー電極に対してその略全長で電気的に接続されたインナーリードと、を備えたものであって、前記バスバー電極の幅Pと前記インナーリードの幅Qとの比Q/Pが、前記インナーリードの先端部で最も小さいことを特徴とするものである。
このような構成を有する本発明によれば、バスバー電極とインナーリードとの電気的な接続に際して加えられる熱、または、日々の温度サイクルなどによって、バスバー電極及びインナーリードに収縮、膨張が生じても、インナーリードの先端部に生じる熱応力が軽減されるため、太陽電池素子の半導体基板からバスバー電極が剥がれたり、バスバー電極からインナーリードが外れたりすることを抑制できる。
以下、本発明の太陽電池モジュールを添付図面に基づき詳細に説明する。
図3(a)は、本発明の太陽電池モジュールYにかかる太陽電池素子Xの断面の構造を示す図である。また、図2は、本発明に係る電極形状の一例を示す図であり、(a)は受光面側(表面)、(b)は非受光面側(裏面)である。
図2、図3(a)において、1は半導体基板、2は拡散層、3は反射防止膜、4は表面電極、4aは表面バスバー電極、4bは表面フィンガー電極、5は裏面電極、5aは裏面バスバー電極、5bは裏面集電電極、6は裏面電界領域を示す。
太陽電池素子Xの受光面側である反射防止膜3の側から光が入射すると、主にp型半導体である半導体基板1のバルク領域で吸収・光電変換されて電子−正孔対(電子キャリアおよび正孔キャリア)が生成される。この光励起起源の電子キャリアおよび正孔キャリア(光生成キャリア)によって、太陽電池素子Xの受光面側(表面)に設けられた表面電極4と、非受光面側(裏側)に設けられた裏面電極5との間に光起電力を生ずる。なお、反射防止膜3は反射防止膜となる膜の屈折率と膜厚とによって所望の光波長領域で反射率を低減させて、光生成キャリア量を増大させる役割を果たし、太陽電池素子Xの光電流密度Jscを向上させる。
また、裏面電極5の裏面集電電極5bは、通常、半導体基板であるシリコンに対して、p型不純物元素として作用するアルミニウムを用いて形成されるので、シリコン基板の裏面側表層部にp領域となった裏面電界領域6を形成する。裏面電界領域6は、BSF(Back Surface Field)領域とも呼ばれ、半導体基板1の裏面近くで光生成キャリアにより再結合に起因する発電効率の低下を防ぐ。そのため半導体基板1の裏面近くで発生した光生成キャリアが、この電界によって加速される結果、電力が有効に取り出されることとなり、特に長波長の光感度が増加する。この結果、光電流密度Jscが向上し、またこの裏面電界領域6では少数キャリア(電子)密度が低減されるので、裏面電極5に接する領域でのダイオード電流量(暗電流量)を低減する働きをすることで、開放電圧Vocが向上する。
そして、図3(c)に示すように受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極(4a、5a)が設けられた太陽電池素子同士を直列に接続する場合には、第一太陽電池素子X1の受光面側のバスバー電極4aと、略同一平面上に間隙を空けて配置された第二太陽電池素子X2の非受光面側のバスバー電極5aと、をインナーリード7により電気的に接続する。
本発明において、図2(a)、図2(b)に示すように受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極(4a、5a)が設けられた太陽電池素子Xと、図3(b)に示すように、このバスバー電極(4a、5a)に対して電気的に接続されたインナーリード7と、を備えた太陽電池モジュールYである。このとき、インナーリード7は、バスバー電極(4a、5a)の接続方向と同方向に、バスバー電極の略全長で重ね合わされて接続される。
また、このバスバー電極(4a、5a)と重ね合わされた接続部において、インナーリードの先端部で最も薄くなるようにする、また、接続部のうちバスバー電極(4a、5a)の幅P、インナーリード7の幅Qは同一箇所で測定したときに、バスバー電極の幅Pとインナーリードの幅Qとの比Q/Pが、インナーリードの先端部Aで最も小さくなるようにする。この点の詳細については後述する。
インナーリード7をこのような構造とすることで、インナーリード7と、バスバー電極(4a、5a)を加熱させて電気的に接続した場合や、また日々の温度サイクルによる収縮、膨張が繰り返された場合でも、インナーリード7(銅箔)と、バスバー電極(4a、5a)(銀等)の間で、熱膨張係数の差に伴う応力の影響としてインナーリード7の先端部Aに集中することを防ぐことができる。このように、電極の剥がれやインナーリード7の外れの起点となりやすいインナーリード7の先端部Aにおいて熱応力の影響を受けにくいため、半導体基板1からのバスバー電極(4a、5a)の剥がれやバスバー電極(4a、5a)からのインナーリード7の外れが生じることを抑制できる。したがって、バスバー電極(4a、5a)の剥がれ、インナーリード7の外れに起因する電気抵抗の増加を防止できるため、電気出力の低下を抑えることができる。
ここで、本発明に係る太陽電池モジュールYの製造工程を説明する。まず、単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなるp型の半導体基板1を準備する。この半導体基板1は、ボロン(B)などの一導電型半導体不純物を1×1016〜1018atoms/cm程度含有し、比抵抗0.2〜2.0Ω・cm程度の基板である。単結晶シリコン基板の場合は引き上げ法などによって形成され、多結晶シリコン基板の場合は鋳造法などによって形成される。多結晶シリコン基板は、大量生産が可能であり、製造コスト面で単結晶シリコン基板よりも有利である。引き上げ法や鋳造法によって形成されたインゴットを10cm×10cmまたは15cm×15cm等、適当な大きさに切断して500μm以下、より好ましくは300μm以下の厚みにスライスして半導体基板1とする。
その後、基板の切断面を清浄化するために表面をNaOHやKOHあるいは、フッ酸やフッ硝酸などでごく微量エッチングする。
さらに、光を有効に基板内に取り込むためにドライエッチング法やウェットエッチング法を用いて、半導体基板の受光面側となる表面に微小な突起を形成するのが望ましい。
次に、半導体基板1を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リンなどの不純物元素を含むガス中で熱処理することによって、半導体基板1の表面部分にリン原子を拡散させてシート抵抗が30〜300Ω/□程度、厚みが0.2〜0.5μm程度のn型の導電型を呈する拡散層2を形成する。
そして、半導体基板1の表面側のみにn型拡散層2を残して他の部分を除去した後、純水で洗浄する。この半導体基板1の表面側以外のn型拡散層2の除去は、例えば半導体基板1の表面側にレジスト膜を塗布し、フッ酸と硝酸の混合液を用いてエッチング除去した後、レジスト膜を除去することなどにより行う。
さらに、半導体基板1の表面側に反射防止膜3を形成する。この反射防止膜3は例えば窒化シリコン膜などから成り、例えばシランとアンモニアとの混合ガスをグロー放電分解でプラズマ化させて堆積させるプラズマCVD法などで形成される。この反射防止膜3は、半導体基板1との屈折率差などを考慮して、屈折率が1.8〜2.3程度になるように形成され、厚み500〜1000Å程度の厚みに形成される。この窒化シリコン膜は、形成の際に、パッシベーション効果があり、反射防止の機能と併せて、太陽電池の電気特性を向上させる効果がある。
そして、半導体基板1の表面に銀ペーストを、裏面にはアルミニウムペーストおよび銀ペーストを塗布して焼成することにより、表面電極4および裏面電極5を同時に形成する。
図2(a)に示されるように表面電極4は表面から出力を取り出すための表面バスバー電極4aと、これに直交するように設けられた集電用の表面フィンガー電極4bとから構成される。また、図2(b)に示されるように裏面電極5は裏面から出力を取り出すための裏面バスバー電極5aと裏面集電電極5bからなる。
裏面集電電極5bはアルミニウム粉末と有機ビヒクルとガラスフリットをアルミニウム100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してペースト状にしたアルミニウムペーストを、例えばスクリーン印刷法で塗布し、乾燥後に600〜800℃で1〜30分程度焼成することにより焼き付けられる。このときに半導体基板1中にアルミニウムが拡散して、裏面で発生したキャリアが再結合することを防ぐ裏面電界領域6が形成される。裏面電界領域6は、BSF(Back Surface Field)領域とも呼ばれ、半導体基板1の裏面近くで光生成キャリアの再結合による効率の低下を防ぐ。そのため半導体基板1の裏面近くで発生した光生成キャリアが、この電界によって加速される結果、電力が有効に取り出されることとなり、特に長波長の光感度が増加する。この結果、光電流密度Jscが向上し、またこの裏面電界領域6では少数キャリア(電子)密度が低減されるので、裏面電極5に接する領域でのダイオード電流量(暗電流量)を低減する働きをすることで、開放電圧Vocが向上する。
また、表面バスバー電極4a、表面フィンガー電極4b、裏面バスバー電極5aは、銀粉末と有機ビヒクルとガラスフリットを銀100重量部に対してそれぞれ10〜30重量部、0.1〜5重量部を添加してペースト状にした銀ペーストを、例えばスクリーン印刷法で塗布、乾燥後に600〜800℃で1〜30分程度焼成することにより焼き付けられる。なお、塗布法としては、スクリーン印刷法以外の周知の方法を用いても構わない。また、表面電極4は、反射防止膜3の電極に相当する部分をエッチング除去して形成してもよいし、もしくは反射防止膜3の上から、ファイアースルーという手法によって直接形成してもよい。
出力取り出し用の裏面バスバー電極5aを形成した後、裏面集電電極5bを裏面バスバー電極5aの一部を覆わないように形成する。なお、この裏面バスバー電極5aと裏面集電電極5bを形成する順番はこの逆でもよい。また、裏面電極5においては上記構造をとらず、表面電極4と同様の銀を主成分とするバスバー電極とフィンガー電極で構成された構造としてもよい。
太陽電池素子一枚では発生する出力が小さいため、複数の太陽電池素子をインナーリード7によって組み合わせて電気的に接続する必要がある。本発明の太陽電池モジュールの一例として、図3(b)に、図3(a)の太陽電池素子Xを組み合わせて構成した太陽電池モジュールYを示す。
図3(b)に示すように、複数の太陽電池素子Xは、インナーリード7によって電気的に接続され、透光性パネル8と裏面保護材10の間にエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする充填材9で気密に封入されて、太陽電池モジュールYを構成している。太陽電池モジュールYの出力は、出力配線11を経て端子ボックス12に接続されている。図3(c)に、図3(b)の太陽電池モジュールYの内部構造の部分拡大図を示す。
ここで、図3(c)に示すように、受光面側に表面バスバー電極4aを備えた第一太陽電池素子X1と、略同一平面状に間隙を空けて、非受光面側に裏面バスバー電極5aを備えた第二太陽電池素子X2を配置する。インナーリード7によって、この間隙を介して第一太陽電池素子X1の受光面側の表面バスバー電極4aと、第二太陽電池素子X2の非受光面側の裏面バスバー電極5aとを電気的に接続させる。
インナーリード7を表面バスバー電極4aと裏面バスバー電極5aの部分的、全長もしくは複数箇所をホットエアーなどの熱溶着により接続して、太陽電池素子X同士を接続している。インナーリード7としては、例えば、その表面全体に20〜70μm程度の半田を被覆した厚さ50〜400μm程度の銅箔を所定の長さに切断したものを用いることが好ましい。
また、インナーリード7を構成する銅箔の最大厚みは50μm以上400μm未満であればよく、厚みが増加することでインナーリード7の電気抵抗が抑えられ、太陽電池モジュールYの出力特性が向上するが、400μm以上においては太陽電池モジュールYの出力特性の向上が見られず、熱応力による影響が大きくなるため好ましくない。
また、予め太陽電池素子Xのバスバー電極(4a、5a)の表面には半田を被覆しておかず、インナーリード7に被覆されている半田を溶融させることにより、太陽電池素子Xとインナーリード7を接続することが望ましい。このように、予め半田被覆していないバスバー電極(4a、5a)に対してインナーリード7を電気的に接続するという比較的両者間の接着強度を十分に確保できない場合であっても、太陽電池素子の半導体基板からバスバー電極(4a、5a)が剥がれたり、バスバー電極(4a、5a)からインナーリード7が外れたりすることを効果的に抑制することができる。
以下に、本発明の特徴部分であるインナーリード7の形状について詳細に説明する。
≪第一実施形態≫
まず、本発明にかかる太陽電池モジュールの第一実施形態では、インナーリード7の厚みは、先端部で最も薄くなるように構成される。
図1に本発明の太陽電池モジュールYにおけるインナーリード7の第一実施形態を示す断面模式図を示す。図1において、1は半導体基板、4aは表面バスバー電極、5aは裏面バスバー電極、7aはインナーリード、Lはバスバー電極上に位置するインナーリードの範囲、LはLの先端から15%の範囲、AはLを示す先端部、BはLのうち先端部Aを除く主部を示す。
以後、本文中の説明において、インナーリード7の先端部Aとは図1に示されるように、バスバー電極(4a、5a)上に位置するインナーリード7の範囲Lにおいて、インナーリード7の範囲Lの先端から15%の範囲にある部分Lを先端部Aとする。また、主部Bとはインナーリード7とバスバー電極(4a、5a)が電気的に接続された部分のうち、先端部A以外の任意の部分を指すこととする。
尚、インナーリード7の厚みはマイクロメーターを用いて測定することができ、先端部で最も薄くとは先端部A内の任意の5点を測定した平均値aが、主部B内におけるインナーリード7の範囲Lの15%の範囲から任意の5点を測定した平均値bと比較した際に、a<bとなることを意味する。
電気的な観点から考えれば、インナーリード7の接続方向の先端部Aに対して略直交する平面で切断したときの断面積を小さくすることはインナーリード7の抵抗を増大させ、その結果、太陽電池モジュールYの電気出力を低下させることとなる。しかしながら、図1にインナーリードの第一実施形態を示すように、バスバー電極(4a、5a)に電気的に接続されたインナーリード7の部分のうち、インナーリード7の先端部Aとインナーリードの主部Bにおいては、バスバー電極(4a、5a)から得られる電流の流れる量は先端部Aのほうが主部Bに比べて小さい。
本発明におけるインナーリード7では、バスバー電極(4a、5a)の接続方向と同方向に、バスバー電極の略全長で重ね合わせて接続することにより、抵抗損失を充分に抑えるとともに、接着面積を十分保持してバスバー電極(4a、5a)からインナーリード7が外れるのを抑制することができる。
ここでいう、インナーリード7をバスバー電極(4a、5a)に略全長で重ね合わせるとは、例えば、図8(a)のようにバスバー電極(4a、5a)とインナーリード7bの先端を合わせてもよいし、図8(b)のようにインナーリード7bの先端をバスバー電極(4a、5a)の全長Mに対して先端から15%以下の範囲M内にずらして設けても構わない。また、図8(c)のようにバスバー電極(4a、5a)が島状に形成された場合は最両端の島状電極を結んだ距離をバスバー電極(4a、5a)の全長Mとする。このようにバスバー電極(4a、5a)とインナーリード7bの先端を合わせずにずらすことで、バスバー電極(4a、5a)の先端にかかる応力を軽減できるため、結果として太陽電池素子の割れ等を抑制できる。
そして、主部Bから先端部Aに向かう方向にインナーリード7bの厚みを薄くしている、言い換えれば、先端部Aから主部Bに向かう方向にインナーリード7の厚みを厚くすることにより、電流の流れる量が小さい先端部Aではインナーリード7の断面積が小さくてもインナーリード7の抵抗による損失は小さく、また、電流の流れる量が大きい主部Bではインナーリード7の断面積を大きくしているので、インナーリード7の抵抗を減少させることによりインナーリード7の抵抗による損失を抑えることができる。
このように、本発明を実施するにあたり、インナーリード7の形状による太陽電池モジュールYの出力特性の低下の影響は少ない。
また、インナーリード7では、バスバー電極(4a、5a)の接続方向と同方向に、バスバー電極の略全長で重ね合わせて接続することにより、インナーリード7がバスバー電極(4a、5a)から外れるといった問題を抑制することができる。そして、上記のようにインナーリード7の接続方向の先端部Aの厚みを薄くすることで、この先端部Aに集中してかかる熱応力を緩和することができるため、半導体基板1からバスバー電極(4a、5a)の剥がれを減少させることができ、さらにインナーリード7がバスバー電極(4a、5a)からより外れにくくすることもできる。ゆえに、バスバー電極(4a、5a)の剥がれやインナーリード7の外れに起因する電気抵抗の増加を防止できる。その結果、バスバー電極(4a、5a)の剥がれやインナーリード7の外れがなく、出力電力を維持できることにより太陽電池モジュールYとしての出力を向上させることができる。
≪第二実施形態≫
次に、本発明に係る太陽電池モジュールの第二実施形態では、バスバー電極(4a、5a)の幅Pとインナーリード7の幅Qとの比Q/Pが、インナーリード7の先端部で最も小さくなるように構成される。
図4に本発明の太陽電池モジュールにおけるインナーリード7の第二実施形態を表す平面模式図を示す。図4において1は半導体基板、4aは表面バスバー電極、5aは裏面バスバー電極、7c、7d、7e、7fはインナーリード、Lはバスバー電極上に位置するインナーリードの範囲、LはLの先端から15%の範囲、AはLを示す先端部、BはLのうち先端部Aを除く主部、Pはバスバー電極の幅、Qはインナーリードの幅、Pは先端部Aにおけるバスバー電極の幅、Qは先端部Aにおけるインナーリードの幅を示す。
尚、バスバー電極(4a、5a)の幅Pとインナーリード7の幅Qはノギスを用いて測定することができ、比Q/Pが先端部で最も小さくなるとは先端部A内の任意の5点を測定した平均値aが、主部B内におけるインナーリード7の範囲Lの15%の範囲から任意の5点を測定した平均値bと比較した際に、a<bとなることを意味する。
第一実施形態と同様に、第二実施形態においてもバスバー電極(4a、5a)に電気的に接続されたインナーリード7の部分のうち、インナーリード7の先端部Aとインナーリードの主部Bにおいては、バスバー電極(4a、5a)から得られる電流の流れる量は先端部Aのほうが主部Bに比べて小さい。
その結果、インナーリード7では、バスバー電極(4a、5a)の接続方向と同方向に、バスバー電極の略全長で重ね合わせて接続することにより、抵抗損失を充分に抑えることができ、尚且つバスバー電極(4a、5a)の幅Pとインナーリード7の幅Qの比Q/Pを小さくする、つまりバスバー電極(4a、5a)の幅に対してインナーリード7の幅をより狭くすることで、この先端部Aに集中してかかる熱応力を緩和することができる。
そして、この先端部Aに集中してかかる熱応力を緩和することができるため、半導体基板1からバスバー電極(4a、5a)の剥がれを減少させることができ、さらにインナーリード7がバスバー電極(4a、5a)からより外れにくくすることもできる。
ゆえに、バスバー電極(4a、5a)の剥がれやインナーリード7の外れに起因する電気抵抗の増加を防止できる。その結果、バスバー電極(4a、5a)の剥がれやインナーリード7の外れがなく、第一実施形態と同様の理由によって出力電力を維持でき、太陽電池モジュールYとしての出力を向上させることができる。
さらに上述した本発明に係る第一実施形態、第二実施形態について組み合わせることで、より一層の効果を得ることができることは言うまでもない。
また、図1(a)、図4(a)、(b)のようにインナーリードの厚み、または幅を連続的に変化させてもよいし、また図1(b)、図4(c)、(d)のようにインナーリードの厚み、または幅を部位によって段階的に変化させてもよい。後者の場合において、図1(b)は先端部と、その他の場所で略同一の厚み、または幅の部分が存在する。この場合においても、インナーリード7の先端部の厚みがインナーリード7とバスバー電極(4a、5a)とが電気的に接続する部分で、最小厚みであればかまわない。そして、図4(c)、図4(d)についても同様にインナーリード先端部と同じ幅の部分があってもかまわないが、インナーリード7の先端部の幅Qとインナーリード7とバスバー電極(4a、5a)とが電気的に接続する部分で、バスバー電極の幅Pとの比Q/Pの値が接続部の同一箇所で最小であればよい。特に、図4(b)、(d)においては1回の切断により両端側に同じ形状を形成することが容易にできるため、使用されない部分ができることもなく、さらに作業が煩雑になることもないため、生産性を低下させることもない。
また、インナーリード7の先端部の幅Qとインナーリード7とバスバー電極(4a、5a)とが電気的に接続する部分で、バスバー電極の幅Pとの比Q/Pの値が接続部の同一箇所で最小であればよいため、図11(a)に示されるように、インナーリード7の幅を変化させずに、バスバー電極(4a、5a)の幅を先端部Aにおいて広くしてもいいし、図11(b)のようにインナーリード7の幅を先端部Aにおいて狭くし、さらに、バスバー電極5aの幅を先端部Aにおいて広くしてもよい。特に、電極ペーストをスクリーン印刷法、インクジェット法、ディスペンサー法、スパッタ法、蒸着法等の周知の形成方法により形成したバスバー電極(4a、5a)では、バスバー電極(4a、5a)の幅を容易に変化させることが可能である。また、熱応力を緩和するために、必要以上にインナーリード7の先端部Aの幅を細くすると抵抗損失が大きくなるため、抵抗損失を考慮したインナーリード7の設計する必要が生じるが、インナーリード7の先端部Aにおけるバスバー電極(4a、5a)電極の幅を広げることによって、抵抗損失を抑えることができ、さらに熱応力を緩和し、半導体基板1からバスバー電極(4a、5a)の剥がれを減少させることができる。
また、半導体基板1の端部にインナーリードの接続位置を設けると、接続の際に半導体基板1が割れやすいという問題があるが、インナーリード7上記構造であれば、特に表面バスバー電極4aにおいて、インナーリードの先端をバスバー電極4aの先端から4〜15mm程度離して接続しても、抵抗損失を抑えることができ、剥がれ、割れ等の問題を抑えることができる。
なお、図3(c)に示すように、受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極(4a、5a)が設けられた太陽電池素子同士を直列に接続する場合には、第一太陽電池素子X1の受光面側のバスバー電極4aと、略同一平面上に間隙を空けて配置された第二太陽電池素子X2の非受光面側のバスバー電極5aと、をインナーリード7により電気的に接続する。このとき、第一太陽電池素子X1と第二太陽電池X2の間隙においてインナーリード7は折れ曲げられ、それぞれのバスバー電極(4a、5a)に接続されるため、インナーリード7はそれぞれのバスバー電極(4a、5a)に対して外れる方向に応力が働く。特に、インナーリード7が折り曲げられる位置に近い場所においては、弾性変形したインナーリード7の復元力が働くため、インナーリード7がバスバー電極(4a、5a)から外れやすい。しかしながら、本発明に係るインナーリード7を用いた場合、インナーリード7が折り曲げられる位置に近い場所においてはインナーリード7の幅をバスバー電極(4a、5a)の幅とほぼ同じぐらいの幅をもたせることで、バスバー電極(4a、5a)との接着面積が広くなり、その結果インナーリード7とバスバー電極(4a、5a)との接着強度も向上し、太陽電池モジュールYの信頼性を保つことが可能となる。
≪変形例≫
なお、本発明の実施形態は上述の例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはもちろんである。以下に、上記実施形態の変形例を例示する。
<変形例1>
さらに、図7に本発明に係るインナーリードの変形例を示す。
図7(a)に示すように、複数のほぼ同じ厚みまたは幅のインナーリード(7i、7j、7k、7l)を用意し、段階的にずらして繋げて形成してもよいし、図7(b)に示されるように、それぞれの厚みまたは幅の異なるインナーリード(7m、7n、7o、7p)を繋げて形成してもよい。
図7(a)に示すように、複数のほぼ同じ厚みまたは幅のインナーリード(7i、7j、7k、7l)を用いることによって、インナーリード(7i、7j、7k、7l)を繋げて形成される。このインナーリード(7i、7j、7k、7l)を以下では7i〜7lとして表記することとする。インナーリード7αの接続方向の先端部Aに向かってインナーリード7αと略直交する平面で切断し、その厚み、または幅がインナーリード7i〜7lの接続方向の先端部Aに向かって小さくなるようにする。その結果、上述した効果をより顕著に得ることができる。なぜならば、インナーリード7i〜7lの先端部Aにかかる熱応力については、インナーリード7i〜7lの先端部Aの厚みを減少させる、または、接続部のうち同一箇所においてバスバー電極(4a、5a)の幅Pとインナーリード7の幅Qの比がQ/Pを減少させることによって、インナーリード7i〜7lとバスバー電極(4a、5a)を加熱して電気的に接続する際や、日々の温度サイクルによる膨張、収縮によってバスバー電極(4a、5a)にかかる熱応力をインナーリード7i〜7lの接続方向の先端部Aに向かうほど軽減することができ、電極の剥がれやインナーリード7i〜7lの外れの起点となりやすいインナーリード7i〜7lの先端部Aにおいて上記問題の発生を抑制することができるからである。
<変形例2>
また、図5に本発明に係る太陽電池素子Xの電極形状の変形例を示す。図5(a)、(b)に示すように3本以上のバスバー電極(4a、5a)により形成されている場合、本発明の効果は顕著となる。
なぜならば、バスバー電極(4a、5a)は集電用電極により集められた電流を外部に取り出すので、電極の抵抗損失を抑えるために1.5〜2.0mm程度の幅を有する。2本のバスバー電極(4a、5a)に比べ3本以上のバスバー電極(4a、5a)を形成した場合、1本に流れる電流量を抑えることができるため、バスバー電極(4a、5a)の幅を細くしても電極による抵抗損失を抑えることができるからである。
しかしながら、バスバー電極(4a、5a)の幅が細くなることでインナーリード7とバスバー電極(4a、5a)との接触面積が小さくなるため、2本のバスバー電極(4a、5a)のときに比べインナーリード7の先端部Aが外れると、そこを起点としてインナーリード7全体が外れる可能性がある。これを解決するために、インナーリード7の全体の幅を広くしバスバー電極(4a、5a)との接触面積を増加させることで、電極強度は改善されるが、太陽電池素子の受光面積が減少してしまうため得られる電流が減少してしまう。
そこで、本発明に係るインナーリード7はバスバー電極(4a、5a)と接続部において、インナーリード7の接続方向の先端部Aに向かってインナーリード7の厚みを小さくする、または接続部のうち同一箇所においてバスバー電極の幅Pとインナーリードの幅Qとの比Q/Pを小さくする。そうすることで、バスバー電極(4a、5a)とインナーリード7を加熱させて電気的に接続する場合や、日々の温度サイクルによる収縮、膨張によってインナーリード7の先端部Aに生じる熱応力を抑えることができる。ゆえに、インナーリード7とバスバー電極(4a、5a)との接触面積を大きくしなくても、バスバー電極(4a、5a)からインナーリード7が外れることを抑制できる。
<変形例3>
バスバー電極(4a、5a)において、インナーリード7の先端部Aに向かう方向にバスバー電極(4a、5a)の厚みを小さくしてもよい。これは、バスバー電極(4a、5a)の場合においてもインナーリード7の先端部Aに位置する部分のほうが、インナーリード7の主部Bに位置する部分に比べて流れる電流量が小さいため、抵抗による損失が大きくなることはない。しかし、バスバー電極(4a、5a)は集電電極(4b、5b)より集められた電流が流れるため、抵抗損失が起こらない範囲で厚みを変化させたほうがよい。
<変形例4>
そして、実施形態においてはインナーリード7とバスバー電極(4a、5a)を半田によって接続したが半田に限られることはなく、導電材の粉末などが入った接着剤でも好適に使用できる。
<その他>
なお、インナーリード7とバスバー電極(4a、5a)とが重ね合わされて接続されるとともに、このバスバー電極(4a、5a)と重ね合わされた箇所を、インナーリード7の先端部で最も小さくなるようにすれば図1、図4に示した形状以外でもかまわない。例えば、インナーリード7の変形例を図6に示す。
図6(a)に示すように、インナーリード7の先端部Aと主部Bとを比較した場合に、インナーリード7の厚みが、インナーリード7の抵抗による損失が起こらない程度のインナーリード7の厚みの大きさの違いであれば先端部に向かって必ずしも小さくなる必要はない。図6(b)の場合においても同様である。
また、インナーリード7の先端部に向かう方向にインナーリード7の厚み、幅が小さくなっている場合のインナーリード7の形状としては、図1、図4に示した形状以外でも特に問題はない。
(a)、(b)は本発明の太陽電池モジュールにおけるインナーリードの第一実施形態を示す断面模式図である。 太陽電池素子Xの電極形状の一例を示す図であり、(a)は受光面側(表面)、(b)は非受光面側(裏面)である。 (a)は本発明の太陽電池素子Xの断面の構造を示す図であり、(b)は、(a)の太陽電池素子Xを組み合わせて構成した太陽電池モジュールYであり、(c)は、(b)の太陽電池モジュールYの内部構造の部分拡大図である。 (a)、(b)、(c)、(d)は本発明の太陽電池モジュールにおけるインナーリードの第二実施形態を示す平面模式図である。 太陽電池素子Xの電極形状の変形例を示す図であり、(a)は受光面側(表面)、(b)は非受光面側(裏面)である。 (a)、(b)インナーリードの変形例であり、(a)は変形例の一例を示す断面模式図である。(b)は、変形例の一例を示す平面模式図である。 (a)、(b)は本発明の太陽電池モジュールにおけるインナーリードの変形例を示す。 (a)、(b)、(c)は本発明の太陽電池モジュールにおけるインナーリードの変形例を示す断面模式図である。 太陽電池素子Sの電極形状の一例を示す図であり、(a)は受光面側(表面)、(b)は非受光面側(裏面)である。 (a)は従来の太陽電池素子Sの断面の構造を示す図であり、(b)は、(a)の太陽電池素子Sを組み合わせて構成した従来の太陽電池モジュールTであり、(c)は、(b)の太陽電池モジュールTの内部構造の部分拡大図である。 (a)、(b)は本発明の太陽電池モジュールにおけるインナーリードの他の実施形態を示す平面模式図である。
符号の説明
1 :半導体基板
2 :拡散層
3 :反射防止膜
4 :表面電極
4a:表面バスバー電極
4b:表面フィンガー電極
5 :裏面電極
5a:裏面バスバー電極
5b:裏面集電電極
6 :裏面電界領域
7、7a、7b、7c、7d、7e、7f、7g、7h、7i、7j、7k、7l、7m、7n、7o、7p:インナーリード
8 :透光性パネル
9 :充填材
10:裏面保護材
11:出力配線
12:端子ボックス
17:従来のインナーリード
A :インナーリード先端部
B :インナーリード主部
L :バスバー電極上に位置するインナーリード
:Lにおいてインナーリードの先端から15%の範囲
Q :インナーリードとバスバー電極との接続部のうちインナーリードの幅
:インナーリード先端部Aにおけるインナーリードの幅
P :インナーリードとバスバー電極との接続部のうちバスバー電極の幅
:インナーリード先端部Aにおけるバスバー電極の幅
M :バスバー電極の全長
:Mにおいてバスバー電極の先端から15%の範囲
X、X1、X2、S、S1、S2:太陽電池素子
Y、T:太陽電池モジュール

Claims (5)

  1. 受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極が設けられた太陽電池素子と、前記バスバー電極に対してその略全長で電気的に接続されたインナーリードと、を備えた太陽電池モジュールであって、
    前記インナーリードの厚みは、先端部で最も薄いことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記インナーリードの厚みは、前記先端部に向かって徐々に薄くなる請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 受光面側及び/又は非受光面側に出力を取り出すためのバスバー電極が設けられた太陽電池素子と、前記バスバー電極に対してその略全長で電気的に接続されたインナーリードと、を備えた太陽電池モジュールであって、
    前記バスバー電極の幅Pと前記インナーリードの幅Qとの比Q/Pが、前記インナーリードの先端部で最も小さいことを特徴とする太陽電池モジュール。
  4. 前記比Q/Pは、前記先端部に向かって徐々に小さくなる請求項3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記バスバー電極と前記インナーリードとは、半田で被覆されていないバスバー電極に、半田で被覆されたインナーリードの該半田を溶融させて接着することによって、電気的に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
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