JP2006132271A - 携帯機 - Google Patents

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Abstract

【課題】未使用時にはメカニカルキーを確実に保持し、使用時には同メカニカルキーを容易に取出すことができる携帯機を提供する。
【解決手段】携帯機11を携帯する場合、又は未使用時、メカニカルキー31は、蓋体71によって被覆され且つキー収容部46に収容された収容位置に収容されている。この状態で、メカニカルキー31はケース21に好適に保持されるため、非常時以外における携帯機11の携帯性が確保されている。メカニカルキー31をケース21から取出す場合、蓋体71を開動作させることにより、グリップ部34は、前記ガイド部43から突出した取出位置まで移動する。このため、収容時にはメカニカルキー31が確実に保持されるとともに、使用時には同メカニカルキー31を容易に取出すことができる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に用いられる電子キーシステムの携帯機に関するものである。
従来、車両等において利便性の向上を目的として例えば特許文献1の電子キーシステムが提案されている。この電子キーシステムは、例えば運転者に携帯される携帯機と、車両に備え付けられる施解錠制御装置とを備えており、これらは互いに無線通信を行う。
図6にこの携帯機の概略構造を断面図として示す。図7に携帯機の拡大斜視図を示す。
図6及び図7に示すように、携帯機100は、電子キー部102とメカニカルキー110とを備えている。電子キー部102は、内蔵された電池101からの電力を使用して施解錠制御装置(図示略)との無線通信を通じて前記車両のドア錠を施解錠するものである。また、メカニカルキー110は、この電子キー部102への電力供給ができなくなったとき(例えば、電池101が切れたとき)の非常用として、ドアの鍵穴に挿入することによって前記ドア錠の施解錠に用いるものである。
携帯機100のケース103にはキー収容部104が形成されており、そのキー収容部104にはメカニカルキー110が着脱可能に配設されている。キー収容部104の内側壁には、係合部105が突設されている。一方、メカニカルキー110は、キー溝111の形成されたキープレート部112と、このキープレート部112に連結されたグリップ部113とを備えており、グリップ部113には、前記ケース103の係合部105に係合する抜止凹部114が設けられている。そして、前記抜止凹部114に前記係合部105が係合することにより、メカニカルキー110はケース103のキー収容部104に保持され、その抜止めが図られる。
また、この携帯機100において、電子キー部102は、車両のドアの施解錠やエンジンの始動といった機能を備える。一方、メカニカルキー110は、これらの機能に加えてさらに、例えば車両に備えられたグローブボックスのグローブボックスシリンダ等の施解錠も可能とする。即ち、電子キー部102は、メカニカルキー110よりも機能が制限されている。こうした機能の制限を有効に活用すべく、電子キー部102を備えたケース103とメカニカルキー110とは、互いに分離可能な構造となっている。例えば、車両の保持者が同車両の移動を第三者に頼むときには、ケース103のみを渡して、メカニカルキー110の方は車両の所持者自身が管理することができる。このようにすれば、グローブボックス等が第三者によって開けられることがない。
特開2004−052471号公報
ところで、上記のような携帯機100においては、メカニカルキー110の使用時には同メカニカルキー110のグリップ部113を把持してケース103から引き出すことが必要であった。そしてこの際、グリップ部113のケース103からの露出が少ない場合には同グリップ部113を把持しにくく、メカニカルキー110のケース103からの取り外しが円滑に行われないおそれがあった。そこで、メカニカルキー110を分離させる際の操作性を向上させるためには、前記抜止凹部114と係合部105との係合力を弱くすることが考えられる。しかしながら、このような構成にした場合、メカニカルキー110をケース103から引き抜く際に要する力は小さくなる反面、メカニカルキー110が脱落し易くなり、メカニカルキー110の紛失等を招くおそれがある。一方、メカニカルキー110の脱落を積極的に防止すべく前記抜止凹部114と係合部105との係合力を強めると、今度は実際にメカニカルキー110を使用するときに同メカニカルキー110をキー収容部104から抜くことが困難となり、操作性の低下を招くこととになる。このように、上記従来の携帯機100では、メカニカルキー110をケース103に対して着脱する際における操作性を向上させることと、同メカニカルキー110のケース103からの脱落を防止することとの両立を図ることは困難なものとなっている。
本発明は、このような問題に着目してなされたものであって、その目的は、未使用時にはメカニカルキーを確実に保持し、使用時には同メカニカルキーを容易に取出すことのできる携帯機を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、所定の無線通信を通じて特定の錠を電子的に施解錠する携帯機であって、当該携帯機のケース本体にはメカニカルキーを取出し可能に収容する開口部が形成され、その開口部を開閉する蓋として、前記収容されたメカニカルキーの位置を開動作に基づき収容位置から所定の取出位置に変位させる蓋体を備えたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯機において、前記メカニカルキーには被係合部を設け、前記蓋体には前記被係合部に係合する係合部を設け、前記蓋体の開動作に伴って前記係合部が前記被係合部に係合することによりメカニカルキーは前記収容位置から所定の取出位置へ変位するようにしたことを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又請求項2に記載の携帯機において、前記蓋体は、前記ケース本体と連結される連結部を備えており、この連結部を介して前記蓋体の開動作が行われることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の携帯機において、前記蓋体は前記連結部を中心として回転可能に構成する一方、前記被係合部はメカニカルキーの軸線に対して直交する方向へ延びるように形成し、前記蓋体の開動作に係る回転に伴って前記係合部が前記被係合部に沿って移動するようにしたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか1項に記載の携帯機において、前記ケース本体には被係止部を設け、前記蓋体には前記被係止部に係止される係止部を設け、前記蓋体を閉じた状態において前記係止部は前記被係止部に係止されるようにしたことを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機において、前記ケース本体の一側面には、前記蓋体の開閉動作に伴うメカニカルキーの移動を案内するガイド部が延設されていることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、メカニカルキーは、蓋体によって被覆され、ケース本体に収容されている。また、前記メカニカルキーは、この蓋体の開動作に基づき同メカニカルキーが収容された収容位置から所定の取出位置に変位する。このため、収容時にはメカニカルキーを確実に保持し、使用時には同メカニカルキーを容易に取出すことができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、蓋体の開動作に伴って前記係合部が前記被係合部に係合することにより同メカニカルキーは前記収容位置から取出位置へ変位する。即ち、メカニカルキーの被係合部を介してメカニカルキーは蓋体の係合部の移動に伴って追従する。このため、構成を複雑にすることなく、メカニカルキーを蓋体の開動作を行うだけで容易に収容位置から取出位置に変位させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、蓋体の開動作は連結部を介して行われる。このため、蓋体を開動作させてもケース本体とは連結した状態が維持される。従って、蓋体がケース本体から完全に分離することが防止される。即ち、蓋体の紛失等が防止される。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3の発明の作用に加えて、係合部が被係合部に沿って移動することにより、メカニカルキーは自身の軸線方向に沿う方向へ真直ぐ引き出される。このため、キー収容部の大きさを最小限に形成することができ、他の装置(例えば電池等)を搭載させるためのケース本体内の収容スペースを確保することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、蓋体を閉じた状態において、同蓋体は、係止部が前記ケース本体に形成された被係止部に保持されることにより固定される。即ち、蓋体を閉じることにより、同蓋体と前記ケース本体とが固定される。このため、メカニカルキーの未使用時においては、同メカニカルキーを確実に保持することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、ケース本体にはガイド部が設けられている。このガイド部は、前記蓋体の開閉動作に伴うメカニカルキーの移動を案内するようになっている。このため、前記メカニカルキーは、蓋体の開閉動作に基づいて前記ガイド部に保持されながら取出位置(又は収容位置)まで変位する。従って、メカニカルキーの脱落が防止され、利便性が一層向上する。
本発明によれば、未使用時にはメカニカルキーを確実に保持し、使用時には同メカニカルキーを容易に取出すことができる。
以下、本発明を、例えば車両との間における無線通信を通じて車両ドア等の錠を電子的に施解錠する車両用の携帯機に具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1にこの携帯機の平面構造を示し、図2にこの携帯機の分解斜視構造を示す。
図1及び図2に示すように、ユーザに所持される携帯機11は、薄型の略円柱状を成している。この携帯機11は、ケース21と、このケース21に対して着脱可能に収容されたメカニカルキー31とを備えている。以下、メカニカルキー31及びケース21の順に説明する。
メカニカルキー31は、電池切れや前記携帯機11の故障等を考慮した場合の非常用として、車両に設けられた施解錠装置(図示略)を機械的に操作(施解錠)するものである。
図1及び図2に示すように、前記メカニカルキー31は、前記施解錠装置に挿入され且つキー溝32が刻まれたキープレート部33と、このキープレート部33の施解錠装置への挿入側と反対側の端部に設けられて前記キープレート部33の操作を行うグリップ部34とを備えている。このグリップ部34は、前記キープレート部33とは反対側の端部に向かうに従い幅広となるように形成されている。このグリップ部34には、前記キープレート部33の延びる方向(軸線方向)に対して直交する方向に延びる被係合部としての長孔35が形成されている。
次にケース21について説明する。
図1及び図2に示すように、ケース21には、車両側に配置された施解錠制御装置(図示略)と無線による相互通信を行う通信手段としての携帯機側送受信装置(図示略)、トランスポンダ(図示略)及び駆動源としての電池(図示略)等が収容されている。
ケース21は、ケース本体41と蓋体71とを備えて構成されている。ここで、蓋体71は、連結部としてのヒンジ部22を通じて、ケース本体41に対する相対回動を可能にして連結されている。尚、蓋体71は、このヒンジ部22を通じて180度回転可能となっている。
ケース本体41は、略円形状を成しており、略半円形状の本体部42と、この本体部42における一方の面から延設され且つ略半円形状を成したガイド部43とを備えて構成されている。
本体部42には載置面44が形成されており、この載置面44の中央には、長方形状の開口部45が形成されている。この開口部45からは、前記メカニカルキー31のキープレート部33を収容するキー収容部46が形成されている。前記メカニカルキー31のキープレート部33はこのキー収容部46の開口部45を介して抜き差し可能となっている。また、この載置面44の一端には、前記ヒンジ部22を構成する円筒形状の軸受け部47が前記キー収容部46と直交する方向に配設されており、同軸受け部47の先端には円形状の挿入孔47aが形成されている。
図5(a)にケース本体41と蓋体71とが固定された携帯機の断面構造を示し、図5(b)にケース本体41から蓋体71が解除された携帯機の断面構造を示す。
図5(a),(b)に示すように、前記ケース本体41の載置面44の他端(軸受け部47と反対側の載置面44)には、案内孔49が形成されており、同案内孔49の内面(図5(a)における左側側面)には前記蓋体71を固定するための被係止部48が設けられている。
図1及び図2に示すように、蓋体71は、略半円形状に形成されており、同蓋体71は、前記ケース本体41に対して閉じた状態において、前記載置面44に載置される。蓋体71には、この載置面44と当接する側面(以下、「被載置面72a」という)を有する背板部72が備えられている。この背板部72は略半円形状を成しており、同背板部72の外周を形成する円弧部の内周縁には、同じく半円環形状の被覆部73が突設されている。被覆部73及びガイド部43それぞれの円弧は同心円上に形成されており、この被覆部73及びガイド部43それぞれの外周面は蓋体71を閉じた状態において面一となる。尚、前記背板部72、被覆部73、本体部42、ガイド部43の外周面から携帯機11の外周面が形成される。
前記背板部72の内面において、前記被載置面72aの一端には、前記ヒンジ部22を構成する円柱状の軸74が突設されている。同軸74は、前記ケース本体41の挿入孔47a内に挿入されている。この軸74が、前記軸受け部47内の内壁面と摺動することにより、前記蓋体71はケース本体41に対して回転可能となっている。
また、図5(a),(b)に示すように、被載置面72aの他端(軸74と反対側の被載置面72a)には、前記被係止部48に係止する係止部75が突設されている。係止部75は腕部76及び腕部76の外方へ突出した係止突部77を備えている。係止突部77の外側面(図3における左側側面)には案内面78が形成されている。この案内面78は係止部75の先端に向かうにつれて同係止部75が幅狭となるように形成された勾配面とされている。また、係止突部77において、係止部75の基端側側面には前記被係止部48と係止する係合面79が形成されている。
蓋体71を閉じる際、案内面78が被係止部48に案内されつつ腕部76は内方へ撓み、係止突部77が被係止部48を乗り越えると腕部76は自身の弾性力により原位置に復帰する。そして、係合面79が被係止部48に係止されることにより蓋体71は開動作不能となる。逆に、この係止部75は、前記蓋体71の外側面を内側に撓ますことによって前記被係止部48から係止突部77を解除させることができ、この状態において、係止部75は前記被係止部48(正確には、案内孔49)から引き出すことができるようになっている。
また、図1及び図2に示すように、前記背板部72の中央には、前記メカニカルキー31の長孔35に挿入される係合部としての突部80が前記軸74と平行に突設されている。この突部80は円柱状に形成されており、前記メカニカルキー31の長孔35に突部80が挿入された状態において、前記蓋体71の回転移動に伴い同長孔35内を摺動する。
次に、上記実施形態のように構成された携帯機11の使用態様について説明する。
尚、図3に蓋体71を回転させた状態の携帯機11の平面構造を示し、図4にメカニカルキーが取出位置にある状態の携帯機11の平面構造を示す。
図1に示すように、携帯機11を携帯する場合、蓋体71はケース本体41に対して閉じた状態とされる。この状態において、メカニカルキー31のキープレート部33はケース本体41のキー収容部46に収容されている。蓋体71の突部80は、メカニカルキー31の長孔35内において、中央に位置している。即ち、メカニカルキー31は、ケース本体41における中央に配置された状態でケース21に保持されている。この位置はメカニカルキー31の収容位置となっている。
また、蓋体71をケース本体41に対して閉じた状態において、蓋体71の係止部75はケース本体41の被係止部48に係止された状態とされる。このため、蓋体71が開放不能となり、メカニカルキー31の脱落が防止される。従って、メカニカルキー31は、ケース21に好適に保持されるため、携帯機11の携帯性が確保されている。また、この状態でメカニカルキー31は、蓋体71及びケース本体41に覆われているため、外部から視認不能となっている。このため、メカニカルキー31の秘匿性が確保される。
次に、電池切れや前記携帯機の故障時等にはメカニカルキー31をケース21から取出し、そのメカニカルキー31により車両の施解錠装置を機械的に操作して施解錠する。ユーザがメカニカルキー31をケース21から取出す場合、まず、図5(a),(b)に示すように、蓋体71の被覆部73における係止部75側の側面を内側に向かって指で押圧する。これにより蓋体71は内側に撓み、同蓋体71の係止突部77とケース本体41の被係止部48との係止が解除される。その状態において、係止部75を案内孔49から引き抜くように蓋体71を、ヒンジ部22(軸74)を支点として回転させる。そして、蓋体71を矢印の方向に移動させることにより、同蓋体71の突部80も回転しながら載置面44から離れる。このとき、蓋体71の回転に伴って、この突部80は前記メカニカルキー31の長孔35内をヒンジ部22方向に移動しながら回動する。この突部80の回動動作に伴い前記メカニカルキー31は、ケース本体41のキー収容部46に沿って、上方(蓋体71の方向)へ移動する。
すると、図3に示すように、突部80は、長孔35の端部に当接する。この状態からさらに蓋体71の回転を継続すると、図4に示すように、メカニカルキー31は、キー収容部46から完全に離脱する。このとき、メカニカルキー31のグリップ部34は、完全に前記ガイド部43から突出した状態となる(取出位置)。この状態において、ユーザはメカニカルキー31のグリップ部34を容易に把持することができる。また、例えばガイド部43に対してメカニカルキー31が下方に位置した状態で蓋体71を回転させるようにすれば、メカニカルキー31は、重力により突部80の先端方向へと移動し、同突部80との係合が解除される。こうして、ユーザは取出位置において、メカニカルキー31を一層容易に取出すことができる。
メカニカルキー31の使用後等においては、同メカニカルキー31はケース21内に収容される。図3及び図4に示すように、メカニカルキー31をケース21に収容する場合、蓋体71を前記取出位置まで開口させる。この状態で、ユーザは、メカニカルキー31の長孔35を前記蓋体71の突部80に連結させる。そしてメカニカルキー31を連結した状態において、同メカニカルキー31のキープレート部33の先端をケース本体41のキー収容部46内に挿入する。即ち、メカニカルキー31の長孔35を前記突部80に連結させ且つキープレート部33の先端をキー収容部46に挿入した状態にする。この状態で、蓋体71を前記矢印と反対方向に回転させる。すると、メカニカルキー31は蓋体71の突部80の回転動作に伴いキー収容部46のさらに内部へ挿入される。このとき、メカニカルキー31は、前記ガイド部43及び背板部72に挟まれた状態且つ長孔35に突部80が挿入された状態で移動する。このため、メカニカルキー31はふらつくこと無く、スムーズに図1に示す収容位置へ移動する。
次に蓋体71を閉じる際、図5(a),(b)に示すように、案内面78が被係止部48に案内されつつ腕部76は内方へ撓み、係止突部77が同被係止部48を乗り越えると腕部76は自身の弾性力により原位置に復帰する。そして、係止突部77の係合面79が被係止部48に係止されることにより蓋体71は開動作不能となる。このようにして、メカニカルキー31は収容位置に確実に保持される。
(実施形態の効果)
従って、上記実施形態の携帯機11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)携帯機11を携帯する場合、又は未使用時、メカニカルキー31は収容位置に保持されている。即ち、メカニカルキー31は蓋体71によって被覆され且つキープレート部33がキー収容部46に収容されている。この状態で、メカニカルキー31はケース21に好適に保持されるため、非常時以外における携帯機11の携帯性が確保されている。また、メカニカルキー31をケース21から取出す場合、蓋体71を開動作させることにより、グリップ部34は、前記ガイド部43から突出した取出位置まで移動する。このため、未使用時にはメカニカルキー31が確実に保持されるとともに、使用時には同メカニカルキー31を容易に取出すことができる。
(2)メカニカルキー31には長孔35が形成されており、蓋体71には突部80が配設されている。そして、蓋体71の開動作に伴って突部80が長孔35に係合することによりメカニカルキー31は前記収容位置から取出位置へ変位する。即ち、メカニカルキー31の長孔35を介して同メカニカルキー31は蓋体71の突部80の移動に伴って追従する。従って、メカニカルキー31をケース21から取出す場合には、蓋体71を回転させるだけでメカニカルキー31は収容位置から取出位置まで容易に変位させることができる。また、携帯機11の構成が複雑になることもない。
(3)また、メカニカルキー31は、突部80が長孔35内を移動することにより、同メカニカルキー31自身の軸線方向に沿う方向(キー収容部46の形成方向)へ真直ぐ引き出される。このため、キー収容部46を大きく形成する必要はなく、ひいてはメカニカルキー31のふらつきが抑制される。従って、メカニカルキー31の取出し操作性が向上する。
(4)蓋体71の開動作はヒンジ部22を介して行われる。ヒンジ部22は、ケース本体41の軸受け部47と、蓋体71の軸74とから構成されており、この軸74が軸受け部47内を摺動することにより、相対回転可能となっている。このため、蓋体71は、同蓋体71を回転動作させてもケース本体41と連結した状態が維持される。従って、蓋体71がケース本体41から完全に分離することが防止される。即ち、蓋体71の紛失等が防止される。
(5)蓋体71を閉じた状態において、同蓋体71は、係止部75が前記ケース本体41に形成された被係止部48に保持されることにより固定される。即ち、蓋体71を閉じることにより、同蓋体71と前記ケース本体41とが固定される。このため、メカニカルキー31の未使用時においては、同メカニカルキー31を確実に保持することができる。
(6)ケース本体41にはガイド部43が設けられている。このガイド部43は、前記メカニカルキー31の移動を案内するようになっている。このため、前記メカニカルキー31は、蓋体71の開閉動作に基づいて前記ガイド部43に保持されながら取出位置(又は収容位置)まで変位される。従って、メカニカルキー31の脱落が防止され、利便性が一層向上する。
(7)メカニカルキー31は、収容位置に保持されている場合、外部からは視認不可能となっている。このため、メカニカルキー31の秘匿性が向上する。例えばメカニカルキー31のキー溝32を読み取られることが防止され、セキュリティレベルが向上する。
(8)携帯機11を携帯する場合、ケース21は、蓋体71を閉じた状態において円形に形成されている。このため、例えばズボンのポケット等に入れて携帯する際、引っ掛かりがなく、利便性が一層向上する。従って、上記携帯機11は携帯性に優れた形状となっている。また、ごみ等も入り難い。
(別例)
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
・上記実施形態では、蓋体71を連結部としてのヒンジ部22を通じて開動作させたが、この連結部を省略してもよい。このような構成にした場合、蓋体71の持ち上げ動作、即ち、突部80を上方へ移動させることによって、メカニカルキー31は、同動作に伴ってキー収容部46に沿って収容位置から移動する。従って、ケース21の構成を簡素化させることができる。このような構成にした場合、収容位置はメカニカルキー31が蓋体71に被覆された位置であって、取出位置は蓋体71を持ち上げてメカニカルキー31が完全に露出した位置である。
・上記実施形態では、図4に示すように、メカニカルキー31全体がケース本体41のキー収容部46から完全に離脱した位置に取出し位置を設定したが、同取出位置は任意の位置でよい。即ち、図3に示すようにメカニカルキー31のグリップ部34がガイド部43から突出した位置でもよく、蓋体71を180度回転させた位置でもよい。
本実施形態のメカニカルキーが収容位置にある状態の携帯機を示す平面図。 本実施形態の携帯機を示す分解斜視図。 蓋体を回転動作させた状態の携帯機を示す平面図。 本実施形態のメカニカルキーが取出位置にある状態の携帯機を示す平面図。 (a)はケース本体と蓋体との固定状態を示す部分拡大断面図、(b)はケース本体と蓋体との固定を解除させた状態を示す部分拡大断面図。 従来の携帯機を示す断面図。 従来のメカニカルキーの収容状態を示す拡大斜視図。
符号の説明
11…携帯機、21…ケース、22…ヒンジ部(連結部)、31…メカニカルキー、35…長孔(被係合部)、41…ケース本体、43…ガイド部、45…開口部、46…キー収容部、48…被係止部、71…蓋体、75…係止部、80…突部(係合部)。

Claims (6)

  1. 所定の無線通信を通じて特定の錠を電子的に施解錠する携帯機であって、
    当該携帯機のケース本体にはメカニカルキーを取出し可能に収容する開口部が形成され、
    その開口部を開閉する蓋として、前記収容されたメカニカルキーの位置を開動作に基づき収容位置から所定の取出位置に変位させる蓋体を備えた携帯機。
  2. 請求項1に記載の携帯機において、
    前記メカニカルキーには被係合部を設け、
    前記蓋体には前記被係合部に係合する係合部を設け、
    前記蓋体の開動作に伴って前記係合部が前記被係合部に係合することによりメカニカルキーは前記収容位置から所定の取出位置へ変位するようにした携帯機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の携帯機において、
    前記蓋体は、前記ケース本体と連結される連結部を備えており、
    この連結部を介して前記蓋体の開動作が行われる携帯機。
  4. 請求項3に記載の携帯機において、
    前記蓋体は前記連結部を中心として回転可能に構成する一方、前記被係合部はメカニカルキーの軸線に対して直交する方向へ延びるように形成し、
    前記蓋体の開動作に係る回転に伴って前記係合部が前記被係合部に沿って移動するようにした携帯機。
  5. 請求項1〜請求項4のうちいずれか1項に記載の携帯機において、
    前記ケース本体には被係止部を設け、
    前記蓋体には前記被係止部に係止される係止部を設け、
    前記蓋体を閉じた状態において前記係止部は前記被係止部に係止されるようにした携帯機。
  6. 請求項1〜請求項5のうちいずれか1項に記載の携帯機において、
    前記ケース本体の一側面には、前記蓋体の開閉動作に伴うメカニカルキーの移動を案内するガイド部が延設されていることを特徴とする携帯機。
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