JP2005337660A - 空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、デフロスト運転時においても空調室内を暖房することができる空気調和装置2を提供することにある。
【解決手段】 空気調和装置2は、冷媒回路20を備える。冷媒回路20は、圧縮機211、熱源側熱交換器212、利用側熱交換器271、蓄熱用熱交換器241、切換機構、および分岐配管2bを有する。蓄熱用熱交換器241は、蓄熱用水と熱交換を行う。切換機構は、氷蓄熱状態と、暖房兼蓄熱状態と、蓄熱利用デフロスト状態とを切換可能である。分岐配管は2b、圧縮機211と熱源側熱交換器212とを配管接続するための冷媒配管から分岐し、蓄熱利用デフロスト状態において、圧縮機211から吐出される冷媒の一部を利用側熱交換器271に導くための配管である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、冬季などにおいて気温が氷点下となり夏季などにおいて比較的気温が高くなるような地域向けの空気調和装置に関する。
冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地において、空気調和装置を暖房運転させると、室外熱交換器に霜が堆積し、室外熱交換器の熱交換率が悪化する現象が知られている。このため、寒冷地に設置される空気調和装置には、通常、室外熱交換器に堆積した霜を除去するためのデフロスト運転モードが用意されている。
このような空気調和機においてデフロスト運転が行われると、圧縮機から吐出される高温の冷媒が、室外熱交換器へと直接導かれることにより、室外熱交換器の外表面に付着した霜を融解することができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−291985号公報
ところが、この空気調和装置をデフロスト運転させている間は、室内を暖房することができないため、デフロスト運転期間中に空調室内の温度が低下し空調室内を不快にするおそれが生じる。
本発明の課題は、デフロスト運転時においても空調室内を暖房することができる空気調和装置を提供することにある。
第1発明に係る空気調和装置は、冷媒回路を備える。冷媒回路は、圧縮機、熱源側熱交換器、利用側熱交換器、蓄熱用熱交換器、切換機構、および分岐配管を有する。蓄熱用熱交換器は、蓄熱用水と熱交換を行う。切換機構は、氷蓄熱状態と、暖房兼蓄熱状態と、蓄熱利用デフロスト状態とを切換可能である。なお、氷蓄熱状態では、熱源側熱交換器が凝縮器として機能し、蓄熱用熱交換器が蒸発器として機能する。また、暖房兼蓄熱状態では、利用側熱交換器および蓄熱用熱交換器が凝縮器として機能し、熱源側熱交換器が蒸発器として機能する。また、蓄熱利用デフロスト状態では、利用側熱交換器および熱源側熱交換器が凝縮器として機能し、蓄熱用熱交換器が蒸発器として機能する。分岐配管は、圧縮機と熱源側熱交換器とを配管接続するための冷媒配管から分岐し、蓄熱利用デフロスト状態において、圧縮機から吐出される冷媒の一部を利用側熱交換器に導くための配管である。
この空気調和装置では、冷媒回路に分岐配管が設けられており、蓄熱利用デフロスト状態において、圧縮機から吐出された高温の冷媒が、熱源側熱交換器と利用側熱交換器との両方に供給され、熱源側熱交換器と利用側熱交換器との両方が凝縮器として機能することとなる。このため、この空気調和装置では、蓄熱利用デフロスト状態において、熱源側熱交換器の外表面に付着している霜を除去すると同時に暖房運転を行うことも可能となる。
また、この空気調和装置では、蓄熱材として水が採用されており、冷媒回路を氷蓄熱状態にすることも可能となっている。したがって、この空気調和装置では、夏季などにおいて氷蓄熱利用冷房運転なども行うこともでき、電力ピークを調節することも可能となる。
第2発明に係る空気調和装置は、第1発明に係る空気調和装置であって、蓄熱利用デフロスト状態では、利用側熱交換器から流出した冷媒と熱源側熱交換器から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器を通って圧縮機に吸入される。
この空気調和装置では、蓄熱利用デフロスト状態において、利用側熱交換器から流出した冷媒と熱源側熱交換器から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器を通って圧縮機に吸入される。このため、この空気調和装置では、蓄熱利用デフロスト状態において、利用側熱交換器から流出した冷媒と熱源側熱交換器から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置では、冷媒回路の構成をシンプルにすることができる。
第3発明に係る空気調和装置は、第1発明または第2発明に係る空気調和装置であって、暖房兼蓄熱状態では、吐出冷媒が利用側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに分配される。なお、ここにいう「吐出冷媒」とは、圧縮機から吐出された冷媒である。
この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において、吐出冷媒が利用側熱交換器と蓄熱用熱交換器とに分配される。このため、この空気調和装置では、暖房運転を行うと同時に蓄熱材に温熱を蓄積させることができる。したがって、この空気調和装置では、暖房運転を継続的に行うことができる。
第4発明に係る空気調和装置は、第3発明に係る空気調和装置であって、暖房兼蓄熱状態では、利用側熱交換器から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とが合流して熱源側熱交換器を通って圧縮機に吸入される。
この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において、利用側熱交換器から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とが合流して熱源側熱交換器を通って圧縮機に吸入される。このため、この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において、利用側熱交換器から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とを熱源側熱交換器で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置では、冷媒回路の構成をシンプルにすることができる。
第5発明に係る空気調和装置は、第1発明から第4発明のいずれかに係る空気調和装置であって、切換機構は、第1制御弁および第2制御弁を有する。第1制御弁は、暖房兼蓄熱状態において吐出冷媒が熱源側熱交換器に直接流入しないようにするための制御弁である。第2制御弁は、蓄熱利用デフロスト状態において吐出冷媒が蓄熱用熱交換器に直接流入しないようにするための制御弁である。
この空気調和装置では、切換機構が、第1制御弁および第2制御弁を有する。このため、この空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態と蓄熱利用デフロスト状態との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
第6発明に係る空気調和装置は、第1発明から第5発明のいずれかに係る空気調和装置であって、切換機構は、冷房状態にも切換可能である。なお、ここにいう「冷房状態」とは、熱源側熱交換器が凝縮器として機能し、利用側熱交換器が蒸発器として機能する状態をいう。そして、この切換機構は、第3制御弁をさらに有する。第3制御弁は、冷房状態において吐出冷媒が分岐配管を通って利用側熱交換器に流入しないようにし、かつ、蓄熱利用デフロスト状態において吐出冷媒が分岐配管を通って利用側熱交換器に流入するようにするための制御弁である。
この空気調和装置では、切換機構が、冷房状態にも切換可能であり、第3制御弁をさらに有する。このため、この空気調和装置では、蓄熱利用デフロスト状態と冷房状態との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
第7発明に係る空気調和装置は、第1発明から第6発明のいずれかに係る空気調和装置であって、切換機構は、氷蓄熱利用冷房状態にも切換可能である。なお、ここにいう「氷蓄熱利用冷房状態」とは、熱源側熱交換器および蓄熱用熱交換器が凝縮器として機能し、利用側熱交換器が蒸発器として機能する状態をいう。そして、この切換機構は、氷蓄熱利用冷房状態において熱源側熱交換器から流出した冷媒が蓄熱用熱交換器を介して利用側熱交換器に流入するようにする。
この空気調和装置では、切換機構が、氷蓄熱利用冷房状態にも切換可能であり、氷蓄熱利用冷房状態において熱源側熱交換器から流出した冷媒が蓄熱用熱交換器を介して利用側熱交換器に流入するようにする。このため、この空気調和装置では、熱源側熱交換器だけでなく蓄熱用熱交換器においても高温の吐出冷媒を放熱させ液冷媒とすることができる。したがって、この空気調和装置では、氷蓄熱利用冷房状態において圧縮機の出力を下げることができ、電力ピークを調節することも可能となる。
第1発明に係る空気調和装置では、蓄熱利用デフロスト状態において、熱源側熱交換器の外表面に付着している霜を除去すると同時に暖房運転を行うことも可能となる。
また、この空気調和装置では、蓄熱材として水が採用されており、冷媒回路を氷蓄熱状態にすることも可能となっている。したがって、この空気調和装置では、夏季などにおいて氷蓄熱利用冷房運転なども行うこともでき、電力ピークを調節することも可能となる。
第2発明に係る空気調和装置では、蓄熱利用デフロスト状態において、利用側熱交換器から流出した冷媒と熱源側熱交換器から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置では、冷媒回路の構成をシンプルにすることができる。
第3発明に係る空気調和装置では、暖房運転を行うと同時に蓄熱材に温熱を蓄積させることができる。したがって、この空気調和装置では、暖房運転を継続的に行うことができる。
第4発明に係る空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態において、利用側熱交換器から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とを熱源側熱交換器で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置では、冷媒回路の構成をシンプルにすることができる。
第5発明に係る空気調和装置では、暖房兼蓄熱状態と蓄熱利用デフロスト状態との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
第6発明に係る空気調和装置では、蓄熱利用デフロスト状態と冷房状態との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
第7発明に係る空気調和装置では、熱源側熱交換器だけでなく蓄熱用熱交換器においても高温の吐出冷媒を放熱させ液冷媒とすることができる。したがって、この空気調和装置では、氷蓄熱利用冷房状態において圧縮機の出力を下げることができ、電力ピークを調節することも可能となる。
<第1実施形態>
[空気調和装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置2の概略冷媒回路20を図1に示す。
この空気調和装置2は、冷房運転および暖房運転のみならず氷蓄熱運転、氷蓄熱利用冷房運転、デフロスト運転、暖房兼温蓄熱運転、および暖房兼デフロスト運転も可能な空気調和装置(冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置)であって、主冷媒回路2a、バイパスライン2b、蓄熱ライン2c、および利用ライン2dから構成される冷媒回路20を備えている。
主冷媒回路2aには主に、圧縮機211、四路切換弁213、室外熱交換器212、第5開閉機構OC5、第1電動膨張弁EV1、室内熱交換器271、第1開閉機構OC1、および気液分離器214が配備されており、各機器は、図1に示されるように、冷媒配管を介して接続されている。
バイパスライン2bは、一端が四路切換弁213と室外熱交換器212のガス側とを接続する冷媒配管(以下、第1室外側冷媒ガス配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と室内熱交換器271のガス側とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路2aと接続されている。なお、以下、バイパスライン2bと第1室外側冷媒ガス配管との接続点を第1BL接続点BC1といい、バイパスライン2bと室内側冷媒ガス配管との接続点を第2BL接続点BC2という。そして、このバイパスライン2bには、第2開閉機構OC2が配備されている。
蓄熱ライン2cは、一端が第5開閉機構OC5と第1電動膨張弁EV1とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒液配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と四路切換弁213とを接続する冷媒配管(以下、第2室外側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路2aと接続されている。なお、以下、蓄熱ライン2cと室内側冷媒液配管との接続点を第1HL接続点HC1といい、蓄熱ライン2cと第2室外側冷媒ガス配管との接続点を第2HL接続点HC2という。そして、この蓄熱ライン2cには第3開閉機構OC3、蓄熱用熱交換器241、および第2電動膨張弁EV2が配備されており、各機器が第2HL接続点HC2から第1HL接続点HC1に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
利用ライン2dは、一端が室外熱交換器212の液側と第5開閉機構OC5とを接続する冷媒配管(以下、室外側冷媒液配管という)に、他端が第3開閉機構OC3と蓄熱用熱交換器241とを接続する冷媒配管(以下、ガス管側バイパス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路2aおよび蓄熱ライン2cと接続されている。なお、以下、利用ライン2dと室外側冷媒液配管との接続点を第1IL接続点IC1といい、利用ライン2dとガス管側バイパス配管との接続点を第2IL接続点IC2という。そして、この利用ライン2dには、第4開閉機構OC4が配備されている。
また、本実施形態では、空気調和装置2は、分離型の空気調和装置であって、室内熱交換器271、第1電動膨張弁EV1、冷媒ガス配管281、および冷媒液配管282を主に有する室内ユニット27と、蓄熱用熱交換器241、蓄熱水槽242、第2電動膨張弁EV2、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第4開閉機構OC4、第5開閉機構OC5、第1冷媒ガス配管251、第2冷媒ガス配管253、および冷媒液配管252を主に有する氷蓄熱ユニット24と、圧縮機211、四路切換弁213、室外熱交換器212、気液分離器214、第1冷媒ガス配管221、第2冷媒ガス配管223、および冷媒液配管222を主に有する室外ユニット21と、室内ユニット27の冷媒液配管282と氷蓄熱ユニット24の冷媒液配管252とを接続する第1冷媒連絡配管287と、室内ユニット27の冷媒ガス配管281と氷蓄熱ユニット24の冷媒ガス配管251とを接続する第2冷媒連絡配管286と、氷蓄熱ユニット24の冷媒液配管252と室外ユニット21の冷媒液配管222とを接続する第3冷媒連絡配管237と、氷蓄熱ユニット24の第1冷媒ガス配管251と室外ユニット21の第1冷媒ガス配管221とを接続する第4冷媒連絡配管236と、氷蓄熱ユニット24の第2冷媒ガス配管253と室外ユニット21の第2冷媒ガス配管223とを接続する第5冷媒連絡配管235とから構成されているともいえる。なお、室外ユニット21の冷媒液配管222と第3冷媒連絡配管237とは室外ユニット21の液側閉鎖弁233を介して、室外ユニット21の第1冷媒ガス配管221と第4冷媒連絡配管236とは室外ユニット21の第2ガス側閉鎖弁232を介して、室外ユニット21の第2冷媒ガス配管223と第5冷媒連絡配管235とは室外ユニット21の第1ガス側閉鎖弁231を介してそれぞれ接続されている。
なお、このように本実施形態にかかる空気調和装置2をユニット単位で見た場合、第1BL接続点BC1は室外ユニット21に属し、第2BL接続点BC2、第1HL接続点HC1、第2HL接続点HC2、第1IL接続点IC1、および第2IL接続点IC2は氷蓄熱ユニット24に属する。
(1)室内ユニット
室内ユニット27は、主に、室内熱交換器271、第1電動膨張弁EV1、室内ファン(図示せず)、冷媒ガス配管281、および冷媒液配管282を有している。
室内熱交換器271は、空調室内の空気である室内空気と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
室内ファンは、ユニット27内に空調室内の空気を取り込み、室内熱交換器271を介して冷媒と熱交換した後の空気である調和空気を再び空調室内への送り出すためファンである。
そして、この室内ユニット27は、このような構成を採用することによって、冷房運転時および氷蓄熱利用冷房運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器271を流れる液冷媒とを熱交換させて調和空気(冷気)を生成し、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、および暖房兼デフロスト運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器271を流れるガス冷媒とを熱交換させて調和空気(暖気)を生成することが可能となっている。
(2)氷蓄熱ユニット
氷蓄熱ユニット24は、主に、蓄熱用熱交換器241、蓄熱水槽242、第2電動膨張弁EV2、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第4開閉機構OC4、第5開閉機構OC5、第1冷媒ガス配管251、第2冷媒ガス配管253、および冷媒液配管252を有している。
蓄熱用熱交換器241は、蓄熱水槽242に蓄えられている蓄熱用水と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
第1開閉機構OC1は、開閉可能な第1電磁弁SV1および第1逆止弁261を有している。この第1開閉機構OC1では、第1電磁弁SV1と第1逆止弁261とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第1逆止弁261は、各ユニット21,24,27が接続された状態において第2ガス側閉鎖弁232から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第2開閉機構OC2は、開閉可能な第2電磁弁SV2および第2逆止弁262を有している。この第2開閉機構OC2では、第2電磁弁SV2と第2逆止弁262とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第2電磁弁SV2は第1BL接続点BC1側に、第2逆止弁262は第2BL接続点BC2側に配置される。また、この第2逆止弁262は、各ユニット21,24,27が接続された状態において第1ガス側閉鎖弁231から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第3開閉機構OC3は、開閉可能な第3電磁弁SV3および第3逆止弁263を有している。この第3開閉機構OC3では、第3電磁弁SV3と第3逆止弁263とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第3逆止弁263は、第2HL接続点HC2から第2IL接続点IC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第4開閉機構OC4は、開閉可能な第4電磁弁SV4および第4逆止弁264を有している。この第4開閉機構OC4では、第4電磁弁SV4と第4逆止弁264とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第4電磁弁SV4は第1IL接続点IC1側に、第4逆止弁264は第2IL接続点IC2側に配置される。また、この第4逆止弁264は、第1IL接続点IC1から第2IL接続点IC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第5開閉機構OC5は、開閉可能な第5電磁弁SV5および第5逆止弁265を有している。この第5開閉機構OC5では、第5電磁弁SV5と第5逆止弁265とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第5逆止弁265は、第1HL接続点HC1から第1IL接続点IC1に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
そして、この氷蓄熱ユニット24は、このような構成を採用することによって、氷蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器241を流れる液冷媒の冷熱を蓄熱用水に蓄積させ、氷蓄熱利用運転時には蓄熱用熱交換器241を流れるガス状または気液二相状態の冷媒にその冷熱を供給することによってそのガス状または気液二相状態の冷媒を凝縮させ、暖房兼温蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器241を流れるガス冷媒の温熱を蓄熱用水に蓄積させ、また、暖房兼デフロスト運転時には蓄熱用熱交換器241を流れる液冷媒に蓄熱用水に蓄積される温熱を供給することによってその液冷媒を蒸発させることが可能となっている。なお、この蓄熱用水は、氷蓄熱運転時には液相から固相に相転移して液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積し、暖房兼温蓄熱運転時にはガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。
(3)室外ユニット
室外ユニット21は、主に、四路切換弁213、気液分離器214、圧縮機211、室外熱交換器212、第1冷媒ガス配管221、第2冷媒ガス配管223、および冷媒液配管222を有している。
圧縮機211は、吸入管225を流れる低圧のガス冷媒を吸入して圧縮した後、吐出管226に吐出するための機器である。本実施形態において、圧縮機211は、スクロール式やロータリ式等の容積式の圧縮機である。
四路切換弁213は、各運転に対応して、冷媒の流れ方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時、氷蓄熱運転時、氷蓄熱利用冷房運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には圧縮機211の吐出管226と室外熱交換器212のガス側とを接続するとともに圧縮機211の吸入管225と第2ガス側閉鎖弁232とを気液分離器214を介して接続し、暖房運転時および暖房兼温蓄熱運転時には圧縮機211の吐出管226と第2ガス側閉鎖弁232とを接続するとともに圧縮機211の吸入管225と室外熱交換器212のガス側とを気液分離器214を介して接続することが可能である。
室外熱交換器212は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、および氷蓄熱利用冷房運転時において、圧縮機211から吐出された高圧のガス冷媒を空調室外の空気を熱源として凝縮させることが可能であり、暖房運転時には室内熱交換器271から戻る液冷媒を、暖房兼温蓄熱運転時には室内熱交換器271および蓄熱用熱交換器241から戻る液冷媒を蒸発させることが可能である。
[空気調和装置の動作]
空気調和装置2の運転動作について、図1および図2を用いて説明する。この空気調和装置1は、上述したように冷房運転、氷蓄熱運転、氷蓄熱利用冷房運転、暖房運転、暖房兼温蓄熱運転、デフロスト運転、および暖房兼デフロスト運転を行うことが可能である。
(1)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁213が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は過冷却度制御(以下、SC制御という)され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器212のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器212の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器271に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、再び、圧縮機211に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
(2)氷蓄熱運転
氷蓄熱運転時は、四路切換弁213が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全閉状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSC制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSC制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、室外熱交換器212のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器212の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、第1HL接続点HC1を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に蓄熱用熱交換器241に供給され、蓄熱用水を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。この際、蓄熱用水は、液相から固相に相転移し、液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積する。
そして、そのガス冷媒は、第2IL接続点IC2、第3電磁弁SV3、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、再び、圧縮機211に吸入される。このようにして、氷蓄熱運転が行われる。
(3)氷蓄熱利用冷房運転
氷蓄熱利用冷房運転時は、四路切換弁213が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は全開状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、蓄熱用熱交換器241の第2IL接続点IC2側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器241の第2電動膨張弁EV2側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はOFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において凝縮されて液状または気液二相の冷媒となる。
そして、この液状または気液二相の冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、第4開閉機構OC4、および第2IL接続点IC2を経由して蓄熱用熱交換器241に送られ、蓄熱用熱交換器241において蓄熱用水に蓄積された冷熱によりさらに低温の液冷媒または液冷媒となる。
そして、このさらに低温の液冷媒または液冷媒は、第2電動膨張弁EV2および第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器271に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、再び、圧縮機211に吸入される。このようにして、氷蓄熱利用冷房運転が行われる。
(4)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁213が図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出側が第2ガス側閉鎖弁232に接続され、かつ、圧縮機211の吸入側が気液分離器214を介して室外熱交換器212のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器271のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器271の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、第4電磁弁SV4、および第5電磁弁SV5は、OFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、第2ガス側閉鎖弁232、第2HL接続点HC2、第1逆止弁261、および第2BL接続点BC2を経由して、室内熱交換器271に供給される。
そして、そのガス冷媒は、室内熱交換器271において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1、第5逆止弁265、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁233を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、吸入管225に戻り、再び、圧縮機211に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
(5)暖房兼温蓄熱運転
暖房兼温蓄熱運転時は、四路切換弁213が図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出側が第2ガス側閉鎖弁232に接続され、かつ、圧縮機211の吸入側が気液分離器214を介して室外熱交換器212のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSC制御され、第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSC制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器271のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器271の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の負の値(例えば、−5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、第4電磁弁SV4、第5電磁弁SV5は、OFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第2ガス側閉鎖弁232を経由して第2HL接続点HC2に至る。そして、第2HL接続点HC2に至ったガス冷媒は、その後、第1逆止弁261および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器271に向かう経路である第1経路と、第3逆止弁263および第2IL接続点IC2を経由して蓄熱用熱交換器241に向かう経路である第2経路とに分配される。
第1経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器271において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
一方、第2経路に分配されたガス冷媒は、蓄熱用熱交換器241において蓄熱用水を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この際、蓄熱用水は、ガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。その後、その液冷媒は、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
そして、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点において合流した後、第5逆止弁265、第1IL接続点IC1、液側閉鎖弁233を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、吸入管225に戻り、再び、圧縮機211に吸入される。
なお、この暖房兼温蓄熱運転は、主に、空気調和装置2の起動時に行われ、蓄熱水槽242に設けられている蓄熱用水の温度検出用の温度センサの値が所定の閾値以上になると自動的に暖房運転に切り換わるようになっている。
(6)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁213が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は所定の開度を維持する状態とされ、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。また、第1電磁弁SV1、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226、四路切換弁213、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器212に送られ、室外熱交換器212の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、室外熱交換器212で凝縮された液冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、第1HL接続点HC1を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室内熱交換器271に供給され、室内熱交換器271の周囲の空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。なお、この際、空調室内を積極的に冷房しないように、室内ファンは駆動しないように制御される。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、再び、圧縮機211に吸入される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器212の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、室内熱交換器271に霜が付着しないように、暖房運転などとの間で間欠的に行われる。
(7)暖房兼デフロスト運転
暖房兼デフロスト運転時は、四路切換弁213が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機211の吐出管226が室外熱交換器212のガス側に接続され、かつ、圧縮機211の吸入管225が気液分離器214を介して第2ガス側閉鎖弁232側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全開状態とされ、第2電動膨張弁EV2は高圧制御(以下、HP制御という)される。なお、第2電動膨張弁EV2がHP制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、圧縮機211の吐出圧力が所定値以上となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされる(図2参照)。そして、液側閉鎖弁233、第1ガス側閉鎖弁231、および第2ガス側閉鎖弁232は開状態とされる。
この冷媒回路20の状態で、圧縮機211を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機211に吸入されて圧縮された後、吐出管226および四路切換弁213を経由して第1BL接続点BC1に至る。そして、第1BL接続点BC1に至ったガス冷媒は、その後、第1ガス側閉鎖弁231、第2切換機構OC2、および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器271に向かう経路である第3経路と、室外熱交換器212に向かう経路である第4経路とに分配される。
第3経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器271において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至る。
一方、第4経路に分配されたガス冷媒は、室外熱交換器212の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、および第5電磁弁SV5を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、第1電動膨張弁EV1を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、液側閉鎖弁233、第1IL接続点IC1、および第5電磁弁SV5を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点HC1において合流した後、第2電動膨張弁EV2を経由して蓄熱用熱交換器241に送られ、蓄熱用熱交換器241において温熱を蓄積している蓄熱用水によって蒸発されてガス冷媒となる。その後、そのガス冷媒は、第2IL接続点IC2、第3電磁弁SV3、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁232、四路切換弁213、および気液分離器214を経由して、吸入管225に戻り、再び、圧縮機211に吸入される。
なお、この冷媒回路20には、暖房兼デフロスト運転時において室外熱交換器212に液冷媒が溜まるように冷媒が充填されている。このため、他の運転時においては冷媒が余剰となるが、この余剰冷媒は、主に、気液分離器214に貯留される。
また、この暖房兼デフロスト運転は、室外熱交換器212の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、所定時間(例えば、10分間)継続して行われる。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第1実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20にバイパスライン2bが設けられており、圧縮機211から吐出された高温の冷媒が、室外熱交換器212と室内熱交換器271との両方に供給され、室外熱交換器212と室内熱交換器271との両方が凝縮器として機能する状態をつくり出すことができる。このため、この空気調和装置2では、室外熱交換器212の外表面に付着している霜を除去すると同時に暖房運転を行う暖房兼デフロスト運転を実現することができる。
(2)
第1実施形態に係る空気調和装置2では、蓄熱ユニットとして氷蓄熱ユニット24が採用されており、冷媒回路20を氷蓄熱運転にも氷蓄熱利用冷房運転にも切り換えることも可能となっている。したがって、この空気調和装置20では、夏季などにおいて、電力ピークを調節することも可能となる。
(3)
第1実施形態に係る空気調和装置2では、暖房兼デフロスト状態において、室内熱交換器271から流出した冷媒と室外熱交換器212から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器241を通って圧縮機211に吸入される。このため、この空気調和装置2では、暖房兼デフロスト状態において、室内熱交換器271から流出した冷媒と室外熱交換器212から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器241で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置2では、冷媒回路20の構成をシンプルにすることができる。
(4)
第1実施形態に係る空気調和装置2では、暖房兼温蓄熱状態において、圧縮機211から吐出されたガス冷媒が室内熱交換器271と蓄熱用熱交換器241とに分配される。このため、この空気調和装置2では、暖房運転を行うと同時に蓄熱材に温熱を蓄積させることができる。したがって、この空気調和装置2では、室内の暖房を継続的に行うことができる。
(5)
第1実施形態に係る空気調和装置2では、暖房兼温蓄熱状態において、室内熱交換器271から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器241から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器212を通って圧縮機211に吸入される。このため、この空気調和装置2では、暖房兼温蓄熱状態において、室内熱交換器271から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器241から流出した冷媒とを室外熱交換器212で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置2では、冷媒回路20の構成をシンプルにすることができる。
(6)
第1実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20が、四路切換弁213および第1電磁弁SV1を有する。このため、この空気調和装置2では、暖房兼温蓄熱運転と暖房兼デフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(7)
第1実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20が、第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2により冷房運転にも切換可能であり、第2電磁弁SV2を有する。このため、この空気調和装置2では、暖房兼デフロスト運転と冷房運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(8)
第1実施形態に係る空気調和装置2では、蓄熱ユニットとして氷蓄熱ユニット24が採用されているため、氷蓄熱運転および氷蓄熱利用冷房運転を行うことができる。このため、この空気調和装置2では、夏季など、冷房運転が必要となる環境において、電力ピークを調節することができる。
[変形例]
(A)
第1実施形態に係る空気調和装置2に代えて、図3に示されるような空気調和装置2Aを採用しても本発明の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20を構成する主冷媒回路2aにおいて、第2BL接続点BC2と第2HL接続点HC2との間に第1開閉機構OC1が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置2Aでは、冷媒回路20Aを構成する主冷媒回路2Aaにおいて、第2BL接続点BC2と第2HL接続点HC2との間に双方向電磁弁SV1Aが配置される。なお、双方向電磁弁SV1Aは、氷蓄熱ユニット24Aに属することとなる。また、第3開閉機構OC3および第5開閉機構OC5についても、同様に双方向電磁弁に置換されてもかまわない。
(B)
第1実施形態に係る空気調和装置2に代えて、図4に示されるような空気調和装置2Bを採用しても本発明の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20を構成する主冷媒回路2aにおいて第2BL接続点BC2と第2HL接続点HC2との間に第1開閉機構OC1が配置され、冷媒回路20を構成するバイパスライン1bにおいて第2開閉機構OC2が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置2Bでは、主冷媒回路2Baとバイパスライン2Bbとの室内側の接続点に四路切換弁243およびキャピラリーチューブ244が配置される。なお、この四路切換弁243およびキャピラリーチューブ244は、蓄熱ユニット24Bに属することとなる。また、この冷媒回路20Bにおいて、四路切換弁243は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、氷蓄熱利用冷房運転時、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、およびデフロスト運転時には図4の破線で示される状態にされ、暖房兼デフロスト運転時には図4の実線で示される状態にされる。
(C)
第1実施形態に係る空気調和装置2に代えて、図5に示されるような空気調和装置2Cを採用しても本発明の作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態に係る空気調和装置2では、冷媒回路20を構成する主冷媒回路2aにおいて第1HL接続点HC1と第1IL接続点IC1との間に第5開閉機構OC5が配置され、冷媒回路20を構成する利用ライン2dにおいて第4開閉機構OC4が配置された。これに対し、本変形例に係る空気調和装置2Cでは、主冷媒回路2Caと利用ライン2Cdとの接続点に四路切換弁245およびキャピラリーチューブ246が配置される。なお、この四路切換弁245およびキャピラリーチューブ246は、蓄熱ユニット24Cに属することとなる。また、この冷媒回路20Cにおいて、四路切換弁245は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には図5の実線で示される状態にされ、氷蓄熱利用冷房運転時には図5の破線で示される状態にされる。
<第2実施形態>
[空気調和装置の構成]
本発明の一実施形態にかかる空気調和装置4の概略冷媒回路40を図6に示す。
この空気調和装置4は、冷房運転および暖房運転のみならず氷蓄熱運転、氷蓄熱利用冷房運転、デフロスト運転、暖房兼温蓄熱運転、および暖房兼デフロスト運転も可能な空気調和装置(冬季などにおいて気温が氷点下となるような寒冷地向けの空気調和装置)であって、主冷媒回路4a、バイパスライン4b、蓄熱ライン4c、利用ライン4d、およびガス抜きライン4eから構成される冷媒回路40を備えている。
主冷媒回路4aには主に、圧縮機411、四路切換弁413、室外熱交換器412、第1電動膨張弁EV1、第5開閉機構OC5、室内熱交換器471、および第1開閉機構OC1が配備されており、各機器は、図6に示されるように、冷媒配管を介して接続されている。
バイパスライン4bは、一端が四路切換弁413と室外熱交換器412のガス側とを接続する冷媒配管(以下、第1室外側冷媒ガス配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と室内熱交換器471のガス側とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路4aと接続されている。なお、以下、バイパスライン4bと第1室外側冷媒ガス配管との接続点を第1BL接続点BC1といい、バイパスライン4bと室内側冷媒ガス配管との接続点を第2BL接続点BC2という。そして、このバイパスライン4bには、第2開閉機構OC2が配備されている。
蓄熱ライン4cは、一端が室内熱交換器471の液側と第5開閉機構OC5とを接続する冷媒配管(以下、室内側冷媒液配管という)に、他端が第1開閉機構OC1と四路切換弁413とを接続する冷媒配管(以下、第2室外側冷媒ガス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路4aと接続されている。なお、以下、蓄熱ライン4cと室内側冷媒液配管との接続点を第1HL接続点HC1といい、蓄熱ライン4cと第2室外側冷媒ガス配管との接続点を第2HL接続点HC2という。そして、この蓄熱ライン4cには第3開閉機構OC3、蓄熱用熱交換器441、モジュレータ443、および第2電動膨張弁EV2が配備されており、各機器が第2HL接続点HC2から第1HL接続点HC1に向かって上記の順に冷媒配管を介して接続されている。
利用ライン4dは、一端が第1電動膨張弁EV1と第5開閉機構OC5とを接続する冷媒配管(以下、室外側冷媒液配管という)に、他端が第3開閉機構OC3と蓄熱用熱交換器441とを接続する冷媒配管(以下、第1ガス管側バイパス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路4aおよび蓄熱ライン4cと接続されている。なお、以下、利用ライン4dと室外側冷媒液配管との接続点を第1IL接続点IC1といい、利用ライン4dと第1ガス管側バイパス配管との接続点を第2IL接続点IC2という。そして、この利用ライン4dには、第4開閉機構OC4が配備されている。
ガス抜きライン4eは、一端がモジュレータ443の上部に、他端が第3開閉機構OC3と第2HL接続点HC2とを接続する冷媒配管(以下、第2ガス管側バイパス配管という)に配管接続されることによって主冷媒回路4aおよび蓄熱ライン4cと接続されている。なお、以下、ガス抜きライン4eと第2ガス管側バイパス配管との接続点をGL接続点GCという。そして、このガス抜きライン4eには、キャピラリーチューブ464が配備されている。
また、本実施形態では、空気調和装置4は、分離型の空気調和装置であって、室内熱交換器471、冷媒ガス配管481、および冷媒液配管482を主に有する室内ユニット47と、蓄熱用熱交換器441、蓄熱水槽442、第2電動膨張弁EV2、モジュレータ443、キャピラリーチューブ464、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第4開閉機構OC4、第5開閉機構OC5、第1冷媒ガス配管451、第2冷媒ガス配管453、および冷媒液配管452を主に有する氷蓄熱ユニット44と、圧縮機411、四路切換弁413、室外熱交換器412、第1電動膨張弁EV1、第1冷媒ガス配管421、第2冷媒ガス配管423、および冷媒液配管422を主に有する室外ユニット41と、室内ユニット47の冷媒液配管482と氷蓄熱ユニット44の冷媒液配管452とを接続する第1冷媒連絡配管487と、室内ユニット47の冷媒ガス配管481と氷蓄熱ユニット44の冷媒ガス配管451とを接続する第2冷媒連絡配管486と、氷蓄熱ユニット44の冷媒液配管452と室外ユニット41の冷媒液配管422とを接続する第3冷媒連絡配管437と、氷蓄熱ユニット44の第1冷媒ガス配管451と室外ユニット41の第1冷媒ガス配管421とを接続する第4冷媒連絡配管436と、氷蓄熱ユニット44の第2冷媒ガス配管453と室外ユニット41の第2冷媒ガス配管423とを接続する第5冷媒連絡配管435とから構成されているともいえる。なお、室外ユニット41の冷媒液配管422と第3冷媒連絡配管437とは室外ユニット41の液側閉鎖弁433を介して、室外ユニット41の第1冷媒ガス配管421と第4冷媒連絡配管436とは室外ユニット41の第2ガス側閉鎖弁432を介して、室外ユニット41の第2冷媒ガス配管423と第5冷媒連絡配管435とは室外ユニット41の第1ガス側閉鎖弁431を介してそれぞれ接続されている。
なお、このように本実施形態にかかる空気調和装置4をユニット単位で見た場合、第1BL接続点BC1は室外ユニット41に属し、第2BL接続点BC2、第1HL接続点HC1、第2HL接続点HC2、第1IL接続点IC1、第2IL接続点IC2、GL接続点GCは氷蓄熱ユニット44に属する。
(1)室内ユニット
室内ユニット47は、主に、室内熱交換器471、室内ファン(図示せず)、冷媒ガス配管481、および冷媒液配管482を有している。
室内熱交換器471は、空調室内の空気である室内空気と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
室内ファンは、ユニット47内に空調室内の空気を取り込み、室内熱交換器471を介して冷媒と熱交換した後の空気である調和空気を再び空調室内への送り出すためファンである。
そして、この室内ユニット47は、このような構成を採用することによって、冷房運転時および氷蓄熱利用冷房運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器471を流れる液冷媒とを熱交換させて調和空気(冷気)を生成し、暖房運転時、暖房兼温蓄熱運転時、および暖房兼デフロスト運転時には室内ファンにより内部に取り込んだ室内空気と室内熱交換器471を流れるガス冷媒とを熱交換させて調和空気(暖気)を生成することが可能となっている。
(2)氷蓄熱ユニット
氷蓄熱ユニット44は、主に、蓄熱用熱交換器441、蓄熱水槽442、第2電動膨張弁EV2、モジュレータ443、キャピラリーチューブ464、第1開閉機構OC1、第2開閉機構OC2、第3開閉機構OC3、第4開閉機構OC4、第5開閉機構OC5、第1冷媒ガス配管451、第2冷媒ガス配管453、および冷媒液配管452を有している。
蓄熱用熱交換器441は、蓄熱水槽442に蓄えられている蓄熱用水と冷媒との間で熱交換をさせるための熱交換器である。
モジュレータ443は、余剰冷媒を貯留するための器である。この冷媒回路40には、暖房兼デフロスト運転時において室外熱交換器412に液冷媒が溜まるように冷媒が充填されている。このため、他の運転時においては冷媒が余剰となる。この余剰冷媒を貯留するのが本モジュレータ443の役目である。
第1開閉機構OC1は、開閉可能な第1電磁弁SV1および第1逆止弁461を有している。この第1開閉機構OC1では、第1電磁弁SV1と第1逆止弁461とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第1逆止弁461は、各ユニット41,44,47が接続された状態において第2ガス側閉鎖弁432から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第2開閉機構OC2は、開閉可能な第2電磁弁SV2および第2逆止弁462を有している。この第2開閉機構OC2では、第2電磁弁SV2と第2逆止弁462とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第2電磁弁SV2は第1BL接続点BC1側に、第2逆止弁462は第2BL接続点BC2側に配置される。また、この第2逆止弁462は、各ユニット41,44,47が接続された状態において第1ガス側閉鎖弁431から第2BL接続点BC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第3開閉機構OC3は、開閉可能な第3電磁弁SV3および第3逆止弁463を有している。この第3開閉機構OC3では、第3電磁弁SV3と第3逆止弁463とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第3逆止弁463は、GL接続点GCから蓄熱用
熱交換器441に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第4開閉機構OC4は、開閉可能な第4電磁弁SV4および第4逆止弁464を有している。この第4開閉機構OC4では、第4電磁弁SV4と第4逆止弁464とが冷媒流れに対して直列に配置される。なお、この際、第4電磁弁SV4は第1IL接続点IC1側に、第4逆止弁464は第2IL接続点IC2側に配置される。また、この第4逆止弁464は、第1IL接続点IC1から第2IL接続点IC2に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
第5開閉機構OC5は、開閉可能な第5電磁弁SV5および第5逆止弁465を有している。この第5開閉機構OC5では、第5電磁弁SV5と第5逆止弁465とが冷媒流れに対して並列に配置される。また、この第5逆止弁465は、第1HL接続点HC1から第1IL接続点IC1に向かう冷媒の流れのみを許容するように取り付けられている。
そして、この氷蓄熱ユニット44は、このような構成を採用することによって、氷蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器441を流れる液冷媒の冷熱を蓄熱用水に蓄積させ、氷蓄熱利用運転時には蓄熱用熱交換器441を流れるガス状または気液二相状態の冷媒にその冷熱を供給することによってそのガス状または気液二相状態の冷媒を凝縮させ、暖房兼温蓄熱運転時には蓄熱用熱交換器441を流れるガス冷媒の温熱を蓄熱用水に蓄積させ、また、暖房兼デフロスト運転時には蓄熱用熱交換器441を流れる液冷媒に蓄熱用水に蓄積される温熱を供給することによってその液冷媒を蒸発させることが可能となっている。なお、この蓄熱用水は、氷蓄熱運転時には液相から固相に相転移して液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積し、暖房兼温蓄熱運転時にはガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。
(3)室外ユニット
室外ユニット41は、主に、四路切換弁413、圧縮機411、室外熱交換器412、第1電動膨張弁EV1、第1冷媒ガス配管421、第2冷媒ガス配管423、および冷媒液配管422を有している。
圧縮機411は、吸入管425を流れる低圧のガス冷媒を吸入して圧縮した後、吐出管426に吐出するための機器である。本実施形態において、圧縮機411は、スクロール式やロータリ式等の容積式の圧縮機である。
四路切換弁413は、各運転に対応して、冷媒の流れ方向を切り換えるための弁であり、冷房運転時、氷蓄熱運転時、氷蓄熱利用冷房運転時、デフロスト運転時、および暖房兼デフロスト運転時には圧縮機411の吐出管426と室外熱交換器412のガス側とを接続するとともに圧縮機411の吸入管425と第2ガス側閉鎖弁432とを接続し、暖房運転時および暖房兼温蓄熱運転時には圧縮機411の吐出管426と第2ガス側閉鎖弁432とを接続するとともに圧縮機411の吸入管425と室外熱交換器412のガス側とを接続することが可能である。
室外熱交換器412は、冷房運転時、氷蓄熱運転時、および氷蓄熱利用冷房運転時において、圧縮機411から吐出された高圧のガス冷媒を空調室外の空気を熱源として凝縮させることが可能であり、暖房運転時には室内熱交換器471から戻る液冷媒を、暖房兼温蓄熱運転時には室内熱交換器471および蓄熱用熱交換器441から戻る液冷媒を蒸発させることが可能である。
[空気調和装置の動作]
空気調和装置4の運転動作について、図6および図7を用いて説明する。この空気調和装置4は、上述したように冷房運転、氷蓄熱運転、氷蓄熱利用冷房運転、暖房運転、暖房兼温蓄熱運転、デフロスト運転、および暖房兼デフロスト運転を行うことが可能である。
(1)冷房運転
冷房運転時は、四路切換弁413が図6の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は過熱度制御(以下、SH制御という)され、第2電動膨張弁EV2は全開状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室内熱交換器471のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器471の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図7参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、および第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器471に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、再び、圧縮機411に吸入される。このようにして、冷房運転が行われる。
(2)氷蓄熱運転
氷蓄熱運転時は、四路切換弁413が図6の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全開状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSH制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSH制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、蓄熱用熱交換器441の第2IL接続点IC側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器441のモジュレータ443側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4は、OFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされる(図7参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において凝縮されて液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、第1電動膨張弁EV1、液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、第1HL接続点HC1を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後にモジュレータ443を経由して蓄熱用熱交換器441に供給され、蓄熱用水を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。この際、蓄熱用水は、液相から固相に相転移し、液冷媒から供給される冷熱を主に潜熱として蓄積する。
そして、そのガス冷媒は、第2IL接続点IC2、第3電磁弁SV3、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、再び、圧縮機411に吸入される。このようにして、氷蓄熱運転が行われる。
(3)氷蓄熱利用冷房運転
氷蓄熱利用冷房運転時は、四路切換弁413が図6の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は全開状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSH制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSH制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、室内熱交換器471のガス側における冷媒の温度から室内熱交換器471の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はOFFされて閉状態とされる(図7参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において凝縮されて液状または気液二相の冷媒となる。
そして、この液状または気液二相の冷媒は、第1電動膨張弁EV1、液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、第4開閉機構OC4、および第2IL接続点IC2を経由して蓄熱用熱交換器441に送られ、蓄熱用熱交換器441において蓄熱用水に蓄積された冷熱によりさらに低温の液冷媒または液冷媒となる。
そして、この液冷媒は、モジュレータ443を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器471に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、再び、圧縮機411に吸入される。このようにして、氷蓄熱利用冷房運転が行われる。
(4)暖房運転
暖房運転時は、四路切換弁413が図6の破線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出側が第2ガス側閉鎖弁432に接続され、かつ、圧縮機411の吸入側が室外熱交換器412のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSH制御され、第2電動膨張弁EV2は全閉状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器412のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器412の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、第4電磁弁SV4、および第5電磁弁SV5は、OFFされて閉状態とされる(図7参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、第2ガス側閉鎖弁432、第2HL接続点HC2、第1逆止弁461、および第2BL接続点BC2を経由して、室内熱交換器471に供給され、室内熱交換器471において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この液冷媒は、第1HL接続点HC1、第5逆止弁465、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁433を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において蒸発されてガス冷媒となる。そのガス冷媒は、第1BL接続点BC1および四路切換弁413を経由して、吸入管425に戻り、再び、圧縮機411に吸入される。このようにして、暖房運転が行われる。
(5)暖房兼温蓄熱運転
暖房兼温蓄熱運転時は、四路切換弁413が図6の破線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出側が第2ガス側閉鎖弁432に接続され、かつ、圧縮機411の吸入側が室外熱交換器412のガス側に接続された状態となっている。また、第1電動膨張弁EV1はSH制御され、第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。なお、第1電動膨張弁EV1がSH制御されると、第1電動膨張弁EV1の弁開度が、室外熱交換器412のガス側における冷媒の温度から室外熱交換器412の液側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、第4電磁弁SV4、および第5電磁弁SV5は、OFFされて閉状態とされる(図7参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第2ガス側閉鎖弁432を経由して第2HL接続点HC2に至る。そして、第2HL接続点HC2に至ったガス冷媒は、その後、第1逆止弁461および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器471に向かう経路である第1経路と、GC接続点GC、第3逆止弁463、および第2IL接続点IC2を経由して蓄熱用熱交換器441に向かう経路である第2経路とに分配される。
第1経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器471において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1HL接続点HC1に至る。
一方、第2経路に分配されたガス冷媒は、蓄熱用熱交換器441において蓄熱用水を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となる。この際、蓄熱用水は、ガス冷媒から供給される温熱を顕熱として蓄積する。その後、その液冷媒は、モジュレータ443を経由して第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後に第1HL接続点HC1に送られる。
そして、室内熱交換器471から第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、第2電動膨張弁EV2を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点において合流した後、第5逆止弁465、第1IL接続点IC1、および液側閉鎖弁433を経由して第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412において蒸発されてガス冷媒となる。このガス冷媒は、第1BL接続点BC1、四路切換弁413を経由して、吸入管425に戻り、再び、圧縮機411に吸入される。
なお、この暖房兼温蓄熱運転は、主に、空気調和装置4の起動時に行われ、蓄熱水槽442に設けられている蓄熱用水の温度検出用の温度センサの値が所定の閾値以上になると自動的に暖房運転に切り換わるようになっている。
(6)デフロスト運転
デフロスト運転時は、四路切換弁413が図6の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1および第2電動膨張弁EV2は所定の開度を維持する状態とされる。また、第1電磁弁SV1および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされる(図7参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426、四路切換弁413、および第1BL接続点BC1を経由して室外熱交換器412に送られ、室外熱交換器412の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となる。
そして、室外熱交換器412で凝縮された液冷媒は、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、第5電磁弁SV5、および第1HL接続点HC1を経由して室内熱交換器471に供給され、室内熱交換器471の周囲の空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。なお、この際、空調室内を積極的に冷房しないように、室内ファンは駆動しないように制御される。
そして、そのガス冷媒は、第2BL接続点BC2、第1電磁弁SV1、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、再び、圧縮機411に吸入される。
なお、このデフロスト運転は、室外熱交換器412の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、室内熱交換器471に霜が付着しないように、暖房運転などとの間で間欠的に行われる。
(7)暖房兼デフロスト運転
暖房兼デフロスト運転時は、四路切換弁413が図6の実線で示される状態、すなわち、圧縮機411の吐出管426が室外熱交換器412のガス側に接続され、かつ、圧縮機411の吸入管425が第2ガス側閉鎖弁432側に接続された状態となる。また、第1電動膨張弁EV1は所定の開度を維持する状態とされ、第2電動膨張弁EV2はSH制御される。なお、第2電動膨張弁EV2がSH制御されると、第2電動膨張弁EV2の弁開度が、蓄熱用熱交換器441の第2IL接続点IC2側における冷媒の温度から蓄熱用熱交換器441のモジュレータ443側における冷媒の温度を引いた差分が一定の正の値(例えば、+5℃)となるように調節される。また、第1電磁弁SV1および第4電磁弁SV4はOFFされて閉状態とされ、第2電磁弁SV2、第3電磁弁SV3、および第5電磁弁SV5はONされて開状態とされる(図7参照)。そして、液側閉鎖弁433、第1ガス側閉鎖弁431、および第2ガス側閉鎖弁432は開状態とされる。
この冷媒回路40の状態で、圧縮機411を起動すると、ガス冷媒が、圧縮機411に吸入されて圧縮された後、吐出管426および四路切換弁413を経由して第1BL接続点BC1に至る。そして、第1BL接続点BC1に至ったガス冷媒は、その後、第1ガス側閉鎖弁431、第2切換機構OC2、および第2BL接続点BC2を経由して室内熱交換器471に向かう経路である第3経路と、室外熱交換器412に向かう経路である第4経路とに分配される。
第3経路に分配されたガス冷媒は、室内熱交換器471において室内空気を加熱するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1HL接続点HC1に至る。
一方、第4経路に分配されたガス冷媒は、室外熱交換器412の外表面に付着している霜を融解するとともに凝縮されて液冷媒となり、第1電動膨張弁EV1に送られる。第1電動膨張弁EV1に送られた液冷媒は、減圧された後に液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、および第5電磁弁SV5を経由して第1HL接続点HC1に至る。
そして、室内熱交換器471から第1HL接続点HC1に至った液冷媒と、液側閉鎖弁433、第1IL接続点IC1、および第5電磁弁SV5を経由して第1HL接続点HC1に至った液冷媒とは、第1HL接続点HC1において合流した後、第2電動膨張弁EV2に送られる。第2電動膨張弁EV2に送られた液冷媒は、減圧された後にモジュレータ443を経由して蓄熱用熱交換器441に送られ、蓄熱用熱交換器441において温熱を蓄積している蓄熱用水によって蒸発されてガス冷媒となる。その後、そのガス冷媒は、第1IL接続点IC1、第3電磁弁SV3、GL接続点GC、第2HL接続点HC2、第2ガス側閉鎖弁432、および四路切換弁413を経由して、吸入管425に戻り、再び、圧縮機411に吸入される。
なお、この暖房兼デフロスト運転は、室外熱交換器412の外表面の温度や外気温などのパラメータに基づいて切り換わるようなっている。また、このデフロスト運転は、所定時間(例えば、10分間)継続して行われる。
[空気調和装置の特徴]
(1)
第2実施形態に係る空気調和装置4では、冷媒回路40にバイパスライン4bが設けられており、圧縮機411から吐出された高温の冷媒が、室外熱交換器412と室内熱交換器471との両方に供給され、室外熱交換器412と室内熱交換器471との両方が凝縮器として機能する状態をつくり出すことができる。このため、この空気調和装置4では、室外熱交換器412の外表面に付着している霜を除去すると同時に暖房運転を行う暖房兼デフロスト運転を実現することができる。
(2)
第2実施形態に係る空気調和装置4では、蓄熱ユニットとして氷蓄熱ユニット44が採用されており、冷媒回路40を氷蓄熱運転にも氷蓄熱利用冷房運転にも切り換えることも可能となっている。したがって、この空気調和装置40では、夏季などにおいて、電力ピークを調節することも可能となる。
(3)
第2実施形態に係る空気調和装置4では、暖房兼デフロスト状態において、室内熱交換器471から流出した冷媒と室外熱交換器412から流出した冷媒とが合流して蓄熱用熱交換器441を通って圧縮機411に吸入される。このため、この空気調和装置4では、暖房兼デフロスト状態において、室内熱交換器471から流出した冷媒と室外熱交換器412から流出した冷媒とを蓄熱用熱交換器441で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置4では、冷媒回路40の構成をシンプルにすることができる。
(4)
第2実施形態に係る空気調和装置4では、暖房兼温蓄熱状態において、圧縮機411から吐出されたガス冷媒が室内熱交換器471と蓄熱用熱交換器441とに分配される。このため、この空気調和装置4では、暖房運転を行うと同時に蓄熱材に温熱を蓄積させることができる。したがって、この空気調和装置4では、室内の暖房を継続的に行うことができる。
(5)
第2実施形態に係る空気調和装置4では、暖房兼温蓄熱状態において、室内熱交換器471から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器441から流出した冷媒とが合流して室外熱交換器412を通って圧縮機411に吸入される。このため、この空気調和装置4では、暖房兼温蓄熱状態において、室内熱交換器471から流出した冷媒と蓄熱用熱交換器441から流出した冷媒とを室外熱交換器412で一括して蒸発させることができる。したがって、この空気調和装置4では、冷媒回路40の構成をシンプルにすることができる。
(6)
第2実施形態に係る空気調和装置4では、冷媒回路40が、四路切換弁413および第1電磁弁SV1を有する。このため、この空気調和装置4では、暖房兼温蓄熱運転と暖房兼デフロスト運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(7)
第2実施形態に係る空気調和装置4では、冷媒回路40が、第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2により冷房運転にも切換可能であり、第2電磁弁SV2を有する。このため、この空気調和装置4では、暖房兼デフロスト運転と冷房運転との間で冷媒の流れを適切に制御することができる。
(8)
第2実施形態に係る空気調和装置4では、蓄熱ユニットとして氷蓄熱ユニット44が採用されているため、氷蓄熱運転および氷蓄熱利用冷房運転を行うことができる。このため、この空気調和装置4では、夏季など、冷房運転が必要となる環境において、電力ピークを調節することができる。
[変形例]
(A)
第2実施形態に係る空気調和装置4の主冷媒回路4aに配置される第1開閉機構OC1は、第1実施形態の変形例(A)に示されるように、双方向電磁弁に置換されてもかまわない。また、第3開閉機構OC3および第5開閉機構OC5についても、同様に双方向電磁弁に置換されてもかまわない。
(B)
第2実施形態に係る空気調和装置4の主冷媒回路4aに配置される第1開閉機構OC1および第2開閉機構OC2は、第1実施形態の変形例(B)に示されるように、四路切換弁およびキャピラリーチューブに置換されてもかまわない。
(C)
第2実施形態に係る空気調和装置4の主冷媒回路4aに配置される第4開閉機構OC4および第5開閉機構OC5は、第1実施形態の変形例(C)に示されるように、四路切換弁およびキャピラリーチューブに置換されてもかまわない。
本発明に係る空気調和装置は、蓄熱利用デフロスト状態において熱源側熱交換器の外表面に付着している霜を除去すると同時に暖房運転を行うことも可能となるという特徴を有するだけでなく、夏季などにおいて氷蓄熱利用冷房運転を行い、電力ピークを調節することも可能となるという特徴を有し、冬季などにおいて気温が氷点下となり夏季などにおいて比較的気温が高くなるような地域向けの空気調和装置として有用である。
本発明の第1実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第1実施形態に係る空気調和装置の各運転時における電動膨張弁および電磁弁の状態を示す表。 第1実施形態の変形例(A)に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 第1実施形態の変形例(B)に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 第1実施形態の変形例(C)に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第2実施形態に係る空気調和装置の概略冷媒回路。 本発明の第2実施形態に係る空気調和装置の各運転時における電動膨張弁および電磁弁の状態を示す表。
符号の説明
2,2A,2B,2C,4 空気調和装置
2b,4b バイパスライン(分岐配管)
20,20A,20B,20C,40 冷媒回路
211,411 圧縮機
212,412 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
213,413 四路切換弁(第1制御弁)
241,441 蓄熱用熱交換器
243 四路切換弁(第2制御弁、第3制御弁)
271,471 室内熱交換器(利用側熱交換器)
SV1,SV1A 第1電磁弁(第2制御弁)
SV2 第2電磁弁(第3制御弁)

Claims (7)

  1. 圧縮機(211,411)と、
    熱源側熱交換器(212,412)と、
    利用側熱交換器(271,471)と、
    蓄熱用水と熱交換を行う蓄熱用熱交換器(241,441)と、
    前記熱源側熱交換器を凝縮器として機能させ前記蓄熱用熱交換器を蒸発器として機能させる氷蓄熱状態と、前記利用側熱交換器および前記蓄熱用熱交換器を凝縮器として機能させ前記熱源側熱交換器を蒸発器として機能させる暖房兼蓄熱状態と、前記利用側熱交換器および前記熱源側熱交換器を凝縮器として機能させ前記蓄熱用熱交換器を蒸発器として機能させる蓄熱利用デフロスト状態とを切換可能である切換機構と、
    前記圧縮機と前記熱源側熱交換器とを配管接続するための冷媒配管から分岐し、前記蓄熱利用デフロスト状態において、前記圧縮機から吐出される冷媒の一部を前記利用側熱交換器に導くための分岐配管(2b,4b)と、
    を有する冷媒回路(20,20A,20B,20C,40)を備える、空気調和装置(2,2A,2B,2C,4)。
  2. 前記蓄熱利用デフロスト状態では、前記利用側熱交換器から流出した冷媒と前記熱源側熱交換器から流出した冷媒とが合流して前記蓄熱用熱交換器を通って前記圧縮機に吸入される、
    請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記暖房兼蓄熱状態では、前記圧縮機から吐出された冷媒である吐出冷媒が前記利用側熱交換器と前記蓄熱用熱交換器とに分配される、
    請求項1または2に記載の空気調和装置。
  4. 前記暖房兼蓄熱状態では、前記利用側熱交換器から流出した冷媒と前記蓄熱用熱交換器から流出した冷媒とが合流して前記熱源側熱交換器を通って前記圧縮機に吸入される、
    請求項3に記載の空気調和装置。
  5. 前記切換機構は、前記暖房兼蓄熱状態において前記吐出冷媒が前記熱源側熱交換器に直接流入しないようにするための第1制御弁(213,413)と、前記蓄熱利用デフロスト状態において前記吐出冷媒が前記蓄熱用熱交換器に直接流入しないようにするための第2制御弁(243,SV1,SV1A)とを有する、
    請求項1から4のいずれかに記載の空気調和装置。
  6. 前記切換機構は、前記熱源側熱交換器を凝縮器として機能させ前記利用側熱交換器を蒸発器として機能させる冷房状態にも切換可能であり、前記冷房状態において前記吐出冷媒が前記分岐配管を通って前記利用側熱交換器に流入しないようにし且つ前記蓄熱利用デフロスト状態において前記吐出冷媒が前記分岐配管を通って前記利用側熱交換器に流入するようにするための第3制御弁(243,SV2)をさらに有する、
    請求項1から5のいずれかに記載の空気調和装置。
  7. 前記切換機構は、前記熱源側熱交換器および前記蓄熱用熱交換器を凝縮器として機能させ前記利用側熱交換器を蒸発器として機能させる氷蓄熱利用冷房状態にも切換可能であり、前記氷蓄熱利用冷房状態において前記熱源側熱交換器から流出した冷媒が前記蓄熱用熱交換器を介して前記利用側熱交換器に流入するようにする、
    請求項1から6のいずれかに記載の空気調和装置。
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