JP2005283706A - ランプ装置及びそれを備えたプロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光管、主反射鏡および副鏡を備えたランプ装置において、発光管の点灯性を向上させるために設けるトリガー線に起因する照射光量の減少を抑制する。
【解決手段】 電極12a,12bを内蔵したバルブ部11及び封止部13a,13bを有した発光管10と、主反射鏡20と、副鏡30と、各封止部の端部から引き出された電極に導通するリード15a,15bと、主反射鏡20に固着された側の封止部13aに巻き付けられた環状部50cを有して該環状部50cから延びるトリガー線50とを備え、環状部50cから延びるトリガー線50が、バルブ部11に非接触の態様でその近傍を通過し、さらに副鏡30を固着している封止部13bに沿ってその端部まで延び、そこでリード15bと接続される配線経路を有しており、その配線経路が環状部50cを除いて光軸を通る同一平面内にあり、かつ光軸に対して同じ方向の面内にあるランプ装置。
【選択図】 図3

Description

本発明は、副鏡を備えたランプ装置並びにそのランプ装置を備えたプロジェクタに関する。
従来より、一対の電極を内蔵したバルブ部を有する発光管と、発光管から射出された光を所定の方向に向ける主反射鏡とを備えたランプ装置に、バルブ部を挟んで主反射鏡と反射面を対向させた副鏡を設けて、光の有効利用を図ったランプ装置がある(例えば、特許文献1)。
また、従来より、導体であるトリガー線の一端を発光管の一方の電極に近接する部位の発光管表面に巻き付け、トリガー線の他端を発光管の他方の電極から導出した外部リードに接続して、点灯性の向上を図ったランプ装置がある(例えば、特許文献2)。
特開平8−31382号公報(第2頁、図1) 特開平8−69777号公報(第3頁、図1)
上記のように、トリガー線は発光管の点灯性を向上させるために有効なものであるが、一方で、トリガー線の配線態様によってはそれが遮光部材として作用し、ランプ装置からの照射光量を減少させる一因となっている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、発光管、主反射鏡及び副鏡を備えたランプ装置において、発光管の点灯性を向上させるために設けるトリガー線に起因する照射光量の減少をできるだけ抑制したランプ装置並びにそのランプ装置を備えたプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明のランプ装置は、一対の電極が封入されたバルブ部と、前記電極を先端に有した電極軸及び前記電極軸に導通する導体箔を封止し前記バルブ部から連続して形成された一対の封止部とを備えた発光管と、前記一対の封止部の一方を固着して前記発光管から射出された光を被照明領域側に反射する主反射鏡と、前記バルブ部を挟んで前記一対の封止部の他方に固着され前記バルブ部から射出された光を前記主反射鏡に戻す副鏡と、前記金属箔に接続されて各封止部の端部から引き出されたリードと、前記主反射鏡に固着された側の封止部に巻き付けられた環状部を有して該環状部から延びるトリガー線とを備え、前記環状部から延びるトリガー線が、前記バルブ部に非接触の態様でその近傍を通過し、さらに前記副鏡を固着している側の封止部に沿ってその端部まで延び、該端部から引き出されているリードと接続されるという配線経路を有しており、前記配線経路が前記環状部を除いて光軸を通る同一平面内にあり、かつ光軸に対して同じ方向の面内にあることを特徴とする。
以上のランプ装置によれば、トリガー線の遮光材として作用する総面積が小さくなり、トリガー線に起因するランプ装置の照射光低減を抑制できる。
なお、前記環状部は、前記バルブ部と前記主反射鏡との間で光線が通過しない領域の前記バルブ部近傍に配置するのが好ましい。こうすることで、点灯性向上というトリガー線の本来の効果が得られやすく、環状部による光線の遮光も回避できる。
また、前記バルブ部近傍を通過する前記トリガー線を、前記主反射鏡に固着された側の封止部と前記バルブ部との境界部付近から前記副鏡の最大外径部近傍へ向けて配線するのが好ましい。これにより、トリガー線の配線量、特に入射光と反射光とが混在する領域における配線量がより少なくなり、トリガー線の遮光材としての作用を抑制できる。
前記主反射鏡からの反射光が通過する前記副鏡の周囲領域では、前記トリガー線を前記反射光の光路とほぼ平行に配線するのが好ましい。これによれば、トリガー線の遮光材として作用する面積が小さくなり、従ってトリガー線に起因する遮光量を低く抑えることができる。
本発明のランプ装置はまた、一対の電極が封入されたバルブ部と、前記電極を先端に有した電極軸及び前記電極軸に導通する導体箔を封止し前記バルブ部から連続して形成された一対の封止部とを備えた発光管と、前記一対の封止部の一方を固着して前記発光管から射出された光を被照明領域側に反射する主反射鏡と、前記バルブ部を挟んで前記一対の封止部の他方に固着され前記バルブ部から射出された光を前記主反射鏡に戻す副鏡と、前記金属箔に接続されて各封止部の端部から引き出されたリードと、前記主反射鏡に固着された側の封止部に巻き付けられた環状部を有して該環状部から延びるトリガー線とを備え、前記環状部を前記バルブ部と前記主反射鏡との間で光線が通過しない領域の前記バルブ部近傍に配置し、前記環状部から延びるトリガー線を前記バルブ部と前記主反射鏡との間で光線が通過しない領域のみを利用して前記主反射鏡側に伸ばし、前記主反射鏡の反射面域外に設けた貫通部からその反射面側と反対の主反射鏡背面側に引き出す配線とし、前記主反射鏡背面側に引き出されたトリガー線を、一端が前記副鏡を固着している側の封止部の前記リードに接続され他端が主反射鏡の反射域外に引き出された延長リードと接続したことを特徴とする。
このランプ装置の場合には、トリガー線がランプ装置の光通過領域に入ることがないため、トリガー線による照射光の遮光は完全に回避される。
なお、前記環状部は、リング形状、フック形状、又はばね形状のいずれかにしてよい。
また、前記トリガー線は、直径が0.3mm以下でかつ耐熱温度が1000℃以上の耐熱導線とするのが好ましい。これは、トリガー線に起因する遮光面積を少なくするとともに、バルブ部付近での高熱に耐えうるためである。
本発明のプロジェクタは、光源と、前記光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し画像を形成する光変調装置と、前記画像を投写する投写レンズとを備えたプロジェクタにおいて、前記光源として上記いずれかのランプ装置を備えたことを特徴とする。
〔ランプ装置〕
図1は本発明に用いるランプ装置の構成を示す断面図である。このランプ装置1は、発光管10と、主反射鏡20と、副鏡30とを備えてなる。
発光管10は例えば高圧水銀ランプであり、石英ガラス等によって形成され、中央のバルブ部11と、バルブ部11の両側にバルブ部11から連続して形成された一対の封止部13a、13bとを有する。バルブ部11の内部には、水銀、希ガス及び少量のハロゲン等が封入され、放電用電極12a、12bが封入されている。封止部13a、13bには、電極12a、12bが先端に形成されたタングステン等からなる電極軸12A,12Bと、電極軸12A,12Bに導通する導体であるモリブデン等からなる金属箔14a、14bが密封され、金属箔14a、14bからは電力供給用リード(線又は端子)15a,15bが封止部13a、13bの各終端面から引き出されている。なお、ここでは封止部13aの端部に口金16を設けた例を示しているが、口金16無しの態様としてもよい。また、発光管10は高圧水銀ランプに限られるものではなく、他のランプ、例えばメタルハライドランプやキセノンランプ等でもよい。
主反射鏡20は、回転放物面状や回転楕円面状に形成された凹面状反射面21を有した反射基部22と、発光管10の一方の封止部13aを挿入して固定するための筒部23を備える。筒部23は反射面21及び反射基部22の中心から反射面21の反対側に延長された筒状体であり、その内側に反射面21の回転中心と同軸の貫通孔24を有している。反射基部22と筒部23は、通常、耐熱ガラスによって一体的に漏斗状に形成されている。発光管10は、そのバルブ部11が主反射鏡20の反射面21側に来るように、封止部13aが主反射鏡20の筒部23に反射面21側から挿入されて、接着剤40により固着されている。
副鏡30は、バルブ部11から射出した光を反射して主反射鏡20に戻す作用をなすものであり、反射面31が形成されたカップ状の反射基部32と、反射基部32から反射面31側と反対方向に延長されて封止部13bを挿入可能に形成された筒部33とを備える。この副鏡30は、発光管10のバルブ部11を挟んで主反射鏡20と互いの反射面21,31を対向させた状態で、発光管10の封止部13bに接着剤40により固着されている。
なお、バルブ部11の外周面と副鏡30の反射面との間には、光源像と反射像の位置関係ができる程度の間隔、すなわち0.2mm以上の隙間を設けるのがよい。これにより、副鏡30で覆われている側のバルブ部11の放熱が確保され、発光管10の局所的な温度上昇を抑制することができる。また、副鏡30は高温に晒されるため、例えば、低熱膨張材である石英又はネオセラムや、高熱伝導材である透光性アルミナ、サファイア、水晶、蛍石、YAG等を利用して製作するのるが好ましい。透光性アルミナとしては、例えば、「スミコランダム」が利用できる(「スミコランダム」は住友化学工業の登録商標)。
副鏡30を発光管10の封止部13bに固着する接着剤40や、封止部13aを主反射鏡20の筒部23に固着する接着剤40には、シリカ系やアルミナ系の無機接着剤が利用できる。このような接着剤の具体的なものとしては、例えば「スミセラム」が上げられる(「スミセラム」は住友化学工業(株)の登録商標)。
図2は図1のランプ装置における光通過状況の説明図である。ランプ装置における光通過状況は次のようになっている。封止部13aの周囲でかつ主反射鏡20の中心付近の領域Aは、バルブ部11から光が射出されない領域であり光線の通過はない。領域Bはバルブ部11からの射出光が直接及び副鏡30を介して主反射鏡20に入射する入射光のみが通過する領域である。領域Cはバルブ部11からの射出光が直接及び副鏡30を介して主反射鏡20に入射する入射光と、その入射光が主反射鏡20で反射された出射光とが共存する領域である。領域Dは主反射鏡20で反射された光線が通過する領域である。領域Eは主反射鏡20の反射領域の外側領域であって光線が通過しない領域である。領域Fは副鏡30によって遮光される領域であり光線の通過がない領域である。なお、上記各領域は図2の光軸の下側部分にも同様に当てはまる。以上をふまえて、本発明の実施形態を以下に説明する。
実施形態1
図3は本発明の実施形態に係るランプ装置1の構成を示す断面図である。このランプ装置1は、図1のランプ装置に、発光管10の点灯性を向上させるためのトリガー線50と、リード15bから主反射鏡20の先端部背面側に延長された端子18付き延長リード17とを備えたものである。ここで、トリガー線50は以下のように配線されている。
トリガー線50の一端は、図7の(a)〜(c)に示すようなリング形状又はフック形状、又は図8に示すようなばね形状の環状部50cに形成されて、その環状部50cが領域Aに位置する封止部13aに巻き付けられている。そして、環状部50cから延びるトリガー線50は、バルブ部11に非接触の態様でその近傍を通過し、さらに副鏡30を固定している側の封止部13bに沿ってその端部まで延び、該端部から引き出されているリード15bと溶接や圧着により接続される、という配線経路を有している。この配線経路は、環状部50cを除いて光軸を通る同一平面内にあり、かつ光軸に対して同じ方向の面内にある。なお、リード15bと延長リード17とを分けずに、連続した一本のリードとしてもよい。
図3におけるトリガー線50の配線に際しては特に次のようにすることがに好ましい。
(1)領域Aにおける環状部50cの位置は、一対の電極12a,12bの放電による点灯性を向上させるべく、バルブ部11と封止部13aとの境界部付近とする。
(2)トリガー線50の総配線量、特に入射光と反射光が併存領域C中における配線量をできるだけ少なくするため、領域B及び領域Cの部分では、トリガー線50を、バルブ部11と封止部13aとの境界部付近から、副鏡30の最大外径部(反射基部32の先端部)近傍へ向けて配線する。
(3)副鏡30の周囲であって主反射鏡20からの反射光が通過する領域Dの部分では、トリガー線50を副鏡30の近傍に沿って配線してその配線量をできるるだけ少なくするとともに、主反射鏡20からの反射光の光路とほぼ平行に配線して、トリガー線50による遮光面積を小さくする。
(4)副鏡30の外径が最大外径部より小さくなる副鏡30の背面域から封止部13bの端部までは、トリガー線50を領域F内において配線する。従って、できるだけ封止部13bに沿って配線するのがよい。
以上のように構成したランプ装置1は、バルブ部11から射出した光が、直接又は副鏡30を介して主反射鏡20により反射されて、被照明領域側に照射されるため、光の利用効率が向上する。また、トリガー線50があるため、発光管10の点灯性が向上する。さらに、トリガー線50に起因するランプ装置1の照射光量の減少が最小限に抑制される。
実施形態2
図4は本発明の別の実施形態に係るランプ装置1Aの構成を示す断面図である。このランプ装置1Aは図3のランプ装置1と基本的に同じものであり、トリガー線50の配線経路においてそれと相違している。ここでも、トリガー線50の環状部50cは、バルブ部11と主反射鏡20との間で光線が通過しない領域Aのバルブ部11近傍に配置している。そして、環状部50cから延びるトリガー線50を、バルブ部11と主反射鏡20との間で光線が通過しない領域Aのみを利用して主反射鏡20側に伸ばし、主反射鏡20の反射面21域外となっている筒部付近に設けた貫通部(この場合は通し孔25)から、その反射面21側と反対の主反射鏡20背面側に引き出す配線としている。そしてこのトリガー線50を、一端が封止部13bのリード15bに接続され他端が主反射鏡20の反射域外に引き出された延長リード17に溶接等により接続したものである。なお、トリガー線50を主反射鏡20の反射面21側からその背面側へ通す貫通部は、図4及び図5(a)に示すような通し孔25の他、図5(b)に示すような通し溝26としてもよい。
このランプ装置1Aは、バルブ部11から射出した光が、直接又は副鏡30を介して主反射鏡20により反射されて、被照明領域側に照射されるため、光の利用効率が向上する。また、トリガー線50により、発光管10の点灯性が向上する。さらに、このランプ装置1Aの場合には、トリガー線50がランプ装置1Aの光通過領域に入ることがないため、トリガー線50による照射光の遮光は完全に回避される。
実施形態3
図6は本発明のさらに別の実施形態に係るランプ装置1Bの構成を示す断面図である。このランプ装置1Bは、トリガー線50を主反射鏡20の反射面21側からその背面側へ通す貫通部として、封止部13aを挿入して固着する貫通孔24を利用したものであり、その他の点では、図4のランプ装置1Aと基本的に同じものである。このようにすることで、主反射鏡20に対してトリガー線通し孔等を別途設ける必要がなくなる。ただし、封止部13aの端部に設けていた口金を無くし、また貫通孔24内ではトリガー線50を貫通孔24の壁面近くに位置させる等の絶縁対策が必要となる。このランプ装置1Bはランプ装置1Aとほぼ同様の作用効果を奏する。
ところで、上記各実施形態で説明したトリガー線50は、遮光面積をより小さくする観点から、その直径を0.3mm以下とし、また、バルブ部11の温度が1000℃ぐらいまで上昇することを考慮して、1000℃以上の耐熱性を有する耐熱導線とするのが好ましい。このようなものとして、例えば、アルミ(Al)、クロム(Cr)、鉄(Fe)とを主成分とした電熱線がある。
また、上記各実施形態で説明したトリガー線50の環状部50cとしては、図7、図8に示すような形態とすることができる。図7(a)は環状部50cをリング状に形成し、環状部50cとそこから延びるトリガー線50とを溶接により接続したものである。また、図7(b)はトリガー線50の端部を折り曲げてリング状に形成しその折り曲げ終端部をトリガー線50自身にねじり結合したものである。また、図7(c)はトリガー線50の先端部を折り曲げてフック状に形成したものである。更に、図8(a)はトリガー線50の先端部を封止部13aに複数回巻き付けたばね形成としたもので、図8(b)がそのばね形状の環状部50cを備えたランプ装置1Cの全体図である。環状部50cはこれらのいずれの形態としてもよいが、それを前述の領域Aの中に位置させて遮光材として作用しないようにするのが好ましい。
〔プロジェクタ〕
図9は本発明の実施形態に係るプロジェクタ100の構成図である。このプロジェクタ100は、照明光学系300と、色光分離光学系380と、リレー光学系390と、液晶パネル410R,410G,410Bと、クロスダイクロイックプリズム420と、投写レンズ600等を備えている。
次に、上記プロジェクタ100の作用を説明する。
照明光学系300は、液晶パネル410R,410G,410Bの画像形成領域をほぼ均一に照明するためのインテグレータ照明光学系であり、実施形態1のランプ装置1と、第1レンズアレイ320と、第2レンズアレイ340と、偏光変換素子アレイ360と、重畳レンズ370とを備える。なお、ランプ装置1に代えて、先に説明したランプ装置1A〜1Cのいずれかを採用してもよい。
まず、発光管10からの出射光は反射鏡20、又は副鏡30及び反射鏡20によって被照明領域側に反射されて、凹レンズ200に入り光の進行方向が照明光学系300の光軸とほぼ平行に調整される。
平行化された光は、第1レンズアレイ320の各小レンズ321に入射し、小レンズ321の数に応じた複数の部分光束に分割される。さらに、第1レンズアレイ320を出た各部分光束は、その各小レンズ321にそれぞれ対応した小レンズ341を有してなる第2レンズアレイ340に入射する。
そして、第2レンズアレイ340からの出射光は、光の偏向方向を同じ種類の直線偏光光にそろえる偏光変換素子アレイ360に入射する。そして、偏光変換素子アレイ360で偏光方向が揃えられた複数の部分光束は重畳レンズ370に入り、そこで液晶パネル410R、410G、410Bに入射する各部分光束が、対応するパネル面上で重さなり合うように調整される。
重畳レンズ370を出た光は、反射ミラー372で反射された後、色光分離光学系380に入射する。色光分離光学系380は、照明光学系300から射出された光を、赤、緑、青の3色の色光(色光成分)に分離する光学系であり、ダイクロイックミラー382,386と、反射ミラー384とを備える。
第1ダイクロイックミラー382は、重畳レンズ370から射出される光のうち赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。そして、赤色光は第1ダイクロイックミラー382を透過して反射ミラー384で反射され、フィールドレンズ400Rを通って赤色光用の液晶パネル410Rに達する。また、第1ダイクロイックミラー382で反射された青色光及び緑色光のうち緑色光は第2ダイクロイックミラー386で反射され、フィールドレンズ400Gを通って緑色光用の液晶パネル410Gに達する。
一方、青色光は、第2ダイクロイックミラー386を透過し、リレー光学系390に入射する。リレー光学系390は、色光分離光学系380のダイクロイックミラー386を透過した青色光を液晶パネル400Bまで導く機能を有する光学系であり、入射側レンズ392と、リレーレンズ396と、反射ミラー394,398とを備える。
すなわち、青色光は、入射側レンズ392、反射ミラー394、リレーレンズ396、及び反射ミラー398を通り、さらにフィールドレンズ400Bを通って青色光用の液晶パネル410Bに達する。なお、青色光にリレー光学系390が用いられているのは、青色光の光路長が他の色光の光路長よりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ392に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ400Bに伝えるためである。また、リレー光学系390は、3つの色光のうちの青色光を通す構成としたが、赤色光等の他の色光を通す構成としてもよい。
続いて、3つの液晶パネル410R、410G、410Bが、そこに入射した各色光を与えられた画像情報に従って変調し、各色光の画像を形成する。なお、各液晶パネル410R、410G、410Bの光入射面側、光出射面側には、通常、偏光板が設けられている。
続いて、各液晶パネル410R、410G、410Bから射出された各色光の変調光は、これらの変調光を合成してカラー画像を形成する色光合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム420に入射する。クロスダイクロイックプリズム420には、赤色光を反射する誘電体多層膜と、青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。
そして、クロスダイクロイックプリズム420から射出されたカラー画像が、投写レンズ600によってスクリーン上に拡大投写される。
このプロジェクタ100は、前述したランプ装置1を備えているので、ランプ装置1の照射光量の損出が抑制されて、光利用率の高いプロジェクタとなっている。
なお、本発明のプロジェクタ100は、上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、ランプ装置1からの射出光を複数の部分光束に分割する2つのレンズアレイ120,130を用いていたが、この発明は、このようなレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。
上記実施形態では、透過型の液晶パネルを用いたプロジェクタを例に説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、反射型の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用することが可能である。反射型の液晶パネルを用いたプロジェクタの場合、液晶パネルのみによって構成することが可能であり、一対の偏光板は不要である。また、反射型の液晶パネルを用いたプロジェクタでは、クロスダイクロイックプリズムは、照明光を赤、緑、青の3色の光に分離する色光分離手段として利用されると共に、変調された3色の光を再度合成して同一の方向に出射する色光合成手段としても利用される場合がある。また、クロスダイクロイックプリズムではなく、三角柱や四角柱状のダイクロイックプリズムを複数組み合わせたダイクロイックプリズムを用いる場合もある。反射型の液晶パネルを用いたプロジェクタにこの発明を適用した場合にも、透過型の液晶パネルを用いたプロジェクタとほぼ同様な効果を得ることができる。
また、変調装置として液晶パネルを3枚利用したプロジェクタを例に説明したが、液晶パネルを1枚、2枚、あるいは4枚以上使用する構成のプロジェクタにも、本発明は適用できる。
また、入射光を変調して画像を生成する光変調装置は液晶パネルに限られるものではなく、例えば、マイクロミラーを用いた装置であってもよい。さらに、本発明のランプ装置は、投写面を観察する方向から画像投写を行なう前面投写型プロジェクタ、又は投写面を観察する方向とは反対側から画像投写を行なう背面投写型プロジェクタのいずれのプロジェクタにも適用可能である。
本発明に用いるランプ装置の構成を示す断面図。 図1のランプ装置における光通過状況の説明図。 本発明の実施形態に係るランプ装置の構成を示す断面図。 本発明の別の実施形態に係るランプ装置の構成を示す断面図。 図4のランプ装置に用いる主反射鏡の例を示す背面図。 本発明のさらに別の実施形態に係るランプ装置の構成を示す断面図。 トリガー線の環状部の形態例示図。 トリガー線の環状部にばね形状を採用したランプ装置の説明図。 本発明の実施形態に係るプロジェクタの構成図。
符号の説明
1,1A,1B,1C…ランプ装置、10…発光管、11…バルブ部、12a,12b…電極、12A,12B…電極軸、13a,13b…封止部、14a,14b…金属箔、15a,15b…リード(線又は端子)、17…延長リード、18…端子、20…主反射鏡、21…反射面、22…反射基部、23…筒部、24…貫通孔、25…通し孔、26…通し溝、30…副鏡、31…副鏡の反射面、32…副鏡の反射基部、33…副鏡の筒部、
40…接着剤、50…トリガー線、50c…トリガー線の環状部、100…プロジェクタ、300…照明光学系、380…色光分離光学系、390…リレー光学系、420…クロスダイクロイックプリズム、600…投写レンズ。

Claims (8)

  1. 一対の電極が封入されたバルブ部と、前記電極を先端に有した電極軸及び前記電極軸に導通する導体箔を封止し前記バルブ部から連続して形成された一対の封止部とを備えた発光管と、
    前記一対の封止部の一方を固着して前記発光管から射出された光を被照明領域側に反射する主反射鏡と、
    前記バルブ部を挟んで前記一対の封止部の他方に固着され前記バルブ部から射出された光を前記主反射鏡に戻す副鏡と、
    前記金属箔に接続されて各封止部の端部から引き出されたリードと、
    前記主反射鏡に固着された側の封止部に巻き付けられた環状部を有して該環状部から延びるトリガー線とを備え、
    前記環状部から延びるトリガー線が、前記バルブ部に非接触の態様でその近傍を通過し、さらに前記副鏡を固着している側の封止部に沿ってその端部まで延び、該端部から引き出されているリードと接続されるという配線経路を有しており、
    前記配線経路が前記環状部を除いて光軸を通る同一平面内にあり、かつ光軸に対して同じ方向の面内にあることを特徴とするランプ装置。
  2. 前記環状部を、前記バルブ部と前記主反射鏡との間で光線が通過しない領域の前記バルブ部近傍に配置したことを特徴とする請求項1記載のランプ装置。
  3. 前記バルブ部近傍を通過する前記トリガー線を、前記主反射鏡に固着された側の封止部と前記バルブ部との境界部付近から前記副鏡の最大外径部近傍へ向けて配線したことを特徴とする請求項1又は2記載のランプ装置。
  4. 前記主反射鏡からの反射光が通過する前記副鏡の周囲領域では、前記トリガー線を前記反射光の光路とほぼ平行に配線したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のランプ装置。
  5. 一対の電極が封入されたバルブ部と、前記電極を先端に有した電極軸及び前記電極軸に導通する導体箔を封止し前記バルブ部から連続して形成された一対の封止部とを備えた発光管と、
    前記一対の封止部の一方を固着して前記発光管から射出された光を被照明領域側に反射する主反射鏡と、
    前記バルブ部を挟んで前記一対の封止部の他方に固着され前記バルブ部から射出された光を前記主反射鏡に戻す副鏡と、
    前記金属箔に接続されて各封止部の端部から引き出されたリードと、
    前記主反射鏡に固着された側の封止部に巻き付けられた環状部を有して該環状部から延びるトリガー線とを備え、
    前記環状部を前記バルブ部と前記主反射鏡との間で光線が通過しない領域の前記バルブ部近傍に配置し、前記環状部から延びるトリガー線を前記バルブ部と前記主反射鏡との間で光線が通過しない領域のみを利用して前記主反射鏡側に伸ばし、前記主反射鏡の反射面域外に設けた貫通部からその反射面側と反対の主反射鏡背面側に引き出す配線とし、
    前記主反射鏡背面側に引き出されたトリガー線を、一端が前記副鏡を固着している側の封止部の前記リードに接続され他端が主反射鏡の反射域外に引き出された延長リードと接続したことを特徴とするランプ装置。
  6. 前記環状部は、リング形状、フック形状、又はばね形状のいずれかであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のランプ装置。
  7. 前記トリガー線を、直径が0.3mm以下でかつ耐熱温度が1000℃以上の耐熱導線としたことを特徴とする1ないし6のいずれかにランプ装置。
  8. 光源と、前記光源から射出された光束を画像情報に応じて変調し画像を形成する光変調装置と、前記画像を投写する投写レンズとを備えたプロジェクタにおいて、
    前記光源として請求項1ないし7のいずれかに記載のランプ装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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