JP2005241946A - 画像形成装置および駆動伝達継ぎ手 - Google Patents

画像形成装置および駆動伝達継ぎ手 Download PDF

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善行 十都
Nozomi Kondo
望 近藤
Yasushi Yamada
康 山田
Tatsu Watabe
達 渡部
Shuichi Katogi
修一 加藤木
Shigeru Tashiro
茂 田代
Tetsuya Kagawa
哲哉 加川
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Abstract

【課題】入出力軸の軸芯がずれていてもその保持部にストレスを与えることがなく,強度の大きい材質を使用しなくても入出力軸間の回転伝達精度を確保することのできる画像形成装置および駆動伝達継ぎ手を提供すること。
【解決手段】本発明のカラープリンタ1は,本体2と,本体2に着脱可能な感光体ユニット30とを有する。本体2は,感光体ユニット30への回転駆動力を受ける歯車43とジョイント45を有し,感光体ユニット30は,本体2から回転駆動力を受けるカップリング36を有する。さらに,歯車43のジョイント受け部43aとカップリング36には当接穴47,36aが形成され,それらの中にジョイント45の両端部が挿入される。当接穴47,36aはねじれていない三角柱形状で,ジョイント45はねじれた三角柱形状に構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は,プリンタ,コピー機等の画像形成装置およびそれに用いられる駆動伝達継ぎ手に関する。さらに詳細には,感光体を含む画像形成ユニットが着脱可能な画像形成装置,およびその本体と画像形成ユニットとの間の駆動を伝達する駆動伝達継ぎ手に関するものである。
従来より,画像形成装置において,感光体等の消耗部分をユニット化して着脱可能にすることにより,ユーザによって交換できるようにしたものがある。例えば,イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの4色それぞれの画像形成部を有するタンデム型の画像形成装置では,この画像形成ユニットを色ごとに計4つ備えている。このような画像形成ユニットが画像形成装置本体に装着されたときには,少なくとも感光体ドラムは回転駆動されることが必要である。そのため,画像形成装置本体に備えられた駆動源に感光体ドラムが連結され,動力が伝達できるようにされている。
この連結部の構成は,従来より種々提案されている(例えば,特許文献1,特許文献2参照。)。特許文献1に記載の画像形成装置では,駆動ギヤおよび感光体ドラムのいずれとも別体のカップリング軸を有し,各連結部のそれぞれにねじれた多角柱の穴とねじれた多角柱の突起とが形成されている。この穴と突起とを嵌合させて回転駆動させることにより,互いにねじ込まれる力が働き,位置合わせが行われる。また,特許文献2に記載の結合構造では,ギアの内部に組み込まれた自在ジョイントの端部に複数の凸部が設けられ,この凸部によって嵌合されている。
特開2000−214646号公報 USP6397029号公報
しかしながら,前記した特許文献1の画像形成装置では,駆動伝達時にはネジのように入出力軸の軸芯を合わせるように引き寄せ合う。そのため,入出力軸を保持する部材や画像形成装置の筐体等にストレスを与え,歪みを生じさせるおそれがあるという問題点があった。この点に対処するためには,入出力軸の芯ズレが小さくなるように精密に形成するか,あるいはその保持部等に歪みを許容するような構成を設けるなどの工夫が必要である。歪みを許容する構成を設けることは装置の大型化やコストアップ等の原因となり,また精密に形成すれば画像形成ユニットが着脱しにくくなるという問題点があった。また,前記した特許文献2の画像形成装置では,自在ジョイントの端部に設けられた凸部に回転駆動力が加わることとなるため,自在ジョイント自体を強度の大きい材質で形成する必要があるという問題点があった。
本発明は,前記した従来の画像形成装置およびそれに用いられている駆動伝達継ぎ手が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,入出力軸の軸芯がずれていてもその保持部にストレスを与えることがなく,強度の大きい材質を使用しなくても入出力軸間の回転伝達精度を確保することのできる画像形成装置および駆動伝達継ぎ手を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の画像形成装置は,着脱可能な感光体ユニットを装着して画像形成を行う画像形成装置であって,感光体ユニットへの回転駆動力を受ける第1駆動伝達部材と,第1駆動伝達部材と感光体ユニットとの間に位置し,第1駆動伝達部材から回転駆動力を受ける中間駆動伝達部材とを有し,第1駆動伝達部材と中間駆動伝達部材との一方に凹部が形成されるとともに,他方が,凹部内に位置する端部を有し,端部は,側部に3本の稜部を有し,凹部は,側部の3の整数倍の個数の箇所に,稜部と当接する当接部を有し,稜部と当接部とが,互いに異なるねじれ角を有し,中間駆動伝達部材から感光体ユニットへ回転駆動力を伝達するものである。
本発明の画像形成装置によれば,感光体ユニットへの回転駆動力は,第1駆動伝達部材と中間駆動伝達部材とを介して着脱可能な感光体ユニットへ伝達される。ここで,第1駆動伝達部材と中間駆動伝達部材との駆動伝達は,一方の凹部の当接部に他方の端部の3本の稜部が当接されることによる。さらに,稜部と当接部とが,互いに異なるねじれ角を有するので,これらの当接箇所は,それぞれの稜部に1点ずつの3点となる。3点による当接では,3点の当接点の中心が稜部と当接部との中心と一致されるので,その位置では第1駆動伝達部材と中間駆動伝達部材との回転中心が一致される。その一方で,第1駆動伝達部材の軸芯と中間駆動伝達部材の軸芯とが互いに傾いていても3点での当接や駆動伝達には影響はない。従って,感光体ユニットを装着したときの第1駆動伝達部材の軸芯と中間駆動伝達部材の軸芯とのズレは,軸芯の傾きによって吸収されるので,それらの保持部にストレスが加わえられることはない。これにより,入出力軸の軸芯がずれていてもその保持部にストレスを与えることがなく,強度の大きい材質を使用しなくても入出力軸間の回転伝達精度を確保することができる。
ここで,互いに異なるねじれ角とは,例えば,一方にねじれがなく他方にねじれがあるものとすればよい。この場合,ねじれがあるのは稜部と当接部とのいずれでもかまわない。あるいは,両方にねじれがあり,それらのねじれ角あるいはねじれ方向が異なっていても良い。
さらに本発明では,端部の径が,凹部の最大径より小さく最小径より大きく,当接部に,当接部材が配置されていることが望ましい。
このようにすれば,端部の凹部内への挿入は容易である。さらに,当接部に当接部材が配置されていれば,当接点に対する圧接力は当接部材によって受けられるので,凹部の変形等の影響は防止される。
さらに本発明では,第1駆動伝達部材と中間駆動伝達部材とを互いに離隔させる方向に付勢する弾性部材を有し,凹部には,側部から内向きに突出する突出部が設けられており,端部には,突出部に背面側から当接する抜け止め部が設けられていることが望ましい。
このようにすれば,駆動伝達が行われないときには第1駆動伝達部材と中間駆動伝達部材とが離隔されるので,画像形成ユニットの着脱が容易となる。さらには,これらが離隔されたときには,突出部と抜け止め部とが当接されるので,中間駆動伝達部材が抜け落ちることはない。
また,本発明の画像形成装置は,本体と,本体に着脱可能な感光体ユニットとを有し,本体に感光体ユニットを装着して画像形成を行う画像形成装置であって,本体は,感光体ユニットへの回転駆動力を受ける第1駆動伝達部材を有し,感光体ユニットは,本体から回転駆動力を受ける第2駆動伝達部材を有し,本体と感光体ユニットとの一方が,第1駆動伝達部材と第2駆動伝達部材との間に位置する中間駆動伝達部材を有し,第1駆動伝達部材と中間駆動伝達部材との間の駆動伝達箇所と,中間駆動伝達部材と第2駆動伝達部材との間の駆動伝達箇所とがともに,一方に凹部が形成されるとともに,他方が,凹部内に位置する端部を有し,端部は,側部に3本の稜部を有し,凹部は,側部の3の整数倍の個数の箇所に,稜部と当接する当接部を有し,稜部と当接部とが,互いに異なるねじれ角を有する構造であるものでもよい。
本発明の画像形成装置によれば,中間駆動伝達部材を介して,第1駆動伝達部材から第2駆動伝達部材へ回転駆動力が伝達される。このとき,これらの間の駆動伝達は,いずれの側も稜部と当接部との3点での当接による。従って,感光体ユニットを装着したときの,第1駆動伝達部材の軸芯と中間駆動伝達部材の軸芯とのズレ,または,中間駆動伝達部材の軸芯と第2駆動伝達部材の軸芯とのズレは,いずれもそれらの軸芯の傾きによって吸収される。これにより,入出力軸の軸芯がずれていてもその保持部にストレスを与えることがなく,強度の大きい材質を使用しなくても入出力軸間の回転伝達精度を確保することができる。
さらに本発明では,中間駆動伝達部材は,両端に端部を有し,第1駆動伝達部材と第2駆動伝達部材とがともに凹部を有し,第1駆動伝達部材の凹部には,側部から内向きに突出する突出部が設けられており,中間駆動伝達部材には,突出部に背面側から当接する抜け止め部が設けられており,第1駆動伝達部材と中間駆動伝達部材とを互いに離隔させる方向に付勢する弾性部材を有することが望ましい。
このようにすれば,感光体ユニットの着脱が容易であるとともに,中間駆動伝達部材が抜け落ちることがない。
また,本発明は,第1駆動伝達部材から第2駆動伝達部材へ回転駆動を伝達する駆動伝達継ぎ手であって,第1駆動伝達部材と第2駆動伝達部材との間に位置する中間駆動伝達部材を有し,第1駆動伝達部材と中間駆動伝達部材との間の駆動伝達箇所と,中間駆動伝達部材と第2駆動伝達部材との間の駆動伝達箇所とがともに,一方に凹部が形成されるとともに,他方が,凹部内に位置する端部を有し,端部は,側部に3本の稜部を有し,凹部は,側部の3の整数倍の個数の箇所に,稜部と当接する当接部を有し,稜部と当接部とが,互いに異なるねじれ角を有する構造である駆動伝達継ぎ手にも及ぶ。
本発明の画像形成装置および駆動伝達継ぎ手によれば,入出力軸の軸芯がずれていてもその保持部にストレスを与えることがなく,強度の大きい材質を使用しなくても入出力軸間の回転伝達精度を確保することができる。
「第1の形態」
以下,本発明を具体化した第1の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,タンデム型のカラープリンタに本発明を適用したものである。
本発明のカラープリンタ1は,図1に示すように,各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kが,中間転写ベルト11に沿って並べられている。カラープリンタ1の下部には用紙カセット12が装着され,その中の用紙が給紙ローラ13によって給紙搬送部14に搬送される。各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kによって中間転写ベルト11上に重ねられて形成された画像は,二次転写部15で用紙に転写され,定着部16で定着される。こうして画像が形成された用紙は,排紙ローラ17によって排紙される。これらの構成はすべて筐体20内に収められている。
各色の画像形成部10Y,10M,10C,10Kは,いずれも同様の構成であり,それぞれ,感光体21,現像部22,露光部23,帯電部24,クリーナ部25,転写部26を有している。この画像形成部10Y,10M,10C,10Kの各部の構成および動作は一般的なものであるので,ここでは説明を省略する。各画像形成部10Y,10M,10C,10Kのうち,少なくとも感光体21を含んだ所定部分がユニット化されて,それぞれ画像形成ユニット30となっている。画像形成ユニット30は,カラープリンタ1の筐体20に対して着脱可能にされている。以下,カラープリンタ1のうち,画像形成ユニット30を除く部分を本体2と呼ぶ。
このカラープリンタ1の図1中手前側には,開閉可能なドアが設けられている。このドアを開放することにより,各画像形成ユニット30の手前側端部が露出される。ユーザはこの露出された端部を把持して,図中手前側に引き出すことにより,画像形成ユニット30を本体2から取り外すことができる。また,本体2の画像形成ユニット30が取り外された空間に画像形成ユニット30を挿入し,図中奥方向へ押し込めば再び取り付けることができる。取付後,ドアを閉止すると,画像形成ユニット30の手前側端部がドアの内面によって保持されて固定される。
次に,この本体2と画像形成ユニット30との連結部分の概略を図2〜図4に示す。この連結部分は,カラープリンタ1の図1中奥側に配置されているものである。図2に示したのは,この連結部分の断面図である。ここで図3は,図2の右側半分の連結状態の斜視図であり,図4は,同じく分解斜視図である。
画像形成ユニット30は,感光体21を含み,本体2に対して着脱可能な部分である。画像形成ユニット30は,図2中左側に示すように,感光体21の端部にフランジ32が固定され,そのフランジ32に感光体21の回転軸34が固定されている。さらに,回転軸34の一端にはカップリング36が取り付けられている。このカップリング36,回転軸34,フランジ32,感光体21は,すべて互いに固定されているので,本体2の回転駆動力を受けたときには一体となって回転する。
また,本体2側は,図2中右側に示すように,歯車43が歯車軸受け44を介して筐体20に固定されている。歯車43には,図中左方向に延設されて,ジョイント受け部43aが形成されている。ジョイント受け部43aは略円筒形状であり,その内部にジョイント45,バネ46が挿入された当接穴47が形成されている。また,ジョイント受け部43aの左端部にはリング48が取り付けられている。リング48には,3箇所の固定脚48aと,内周方向へ突出した抜け止め部48bとが形成されている。これらの歯車43,歯車軸受け44,ジョイント45,リング48は,いずれも樹脂で形成されている。そしてリング48の固定脚48aは樹脂の柔軟性を利用して,ジョイント受け部43aに形成された固定孔43bにスナップフィットされている。
ここで,歯車43は,本体2の内部に設けられた動力装置による駆動力をジョイント45に伝達する。詳しくは後述するが,ジョイント受け部43aの当接穴47とジョイント45とは,部分的に当接して回転が伝達される。歯車軸受け44は,筐体20に固定され,歯車43を回転可能に支持している。バネ46は,画像形成ユニット30が本体2に取り付けられることによって押し縮められ,ジョイント45を図2中左方へ付勢する。
次に,ジョイント45の形状について説明する。ジョイント45は,図4に示すように,ねじれた三角柱形状の本体部45aを有している。ジョイント45には,その図4中手前側の中心部に半球状の先端部45bが形成され,各側面には側方凸部45dが形成されている。このジョイント45は,ポリアセタール(POM),ポリカーボネート(PC)等の樹脂で一体に形成される。また,ジョイント45には,図5に示したように肉盗みを形成しても良い。
ジョイント45には,図2や図3に示すように,画像形成ユニット30が本体2に取り付けられた状態では,画像形成ユニット30のカップリング36と歯車43のジョイント受け部43aとが当接している。これらの部材のジョイント45側には,ねじれていない三角柱形状の当接穴36aと当接穴47が形成されている。たとえば,カップリング36を図2中右側から見ると,図6に示すような,複雑な形状の当接穴36aが形成されている。このうち,重要なのは3箇所の当接面36bであり,これらの当接面36bが,ねじれていない三角柱形状の穴を形成している。また,ジョイント受け部43aの内面にも同様に,3箇所の当接面を有する当接穴47が設けられ,これらがねじれていない三角柱形状の穴を形成している。
次に,このジョイント45と当接穴36aによる回転駆動力の伝達について説明する。説明のために,ねじれていない三角柱形状の当接穴36aを有するカップリング36とねじれた三角柱形状のジョイント45とによる回転伝達部分を取り出して,図7と図8に示した。なお,説明を簡単にするため,これらの図において当接穴36aは当接面36bのみを持つ形状として記載している。これらの図に示すように,ジョイント45の軸芯とカップリング36の軸芯との位置関係にかかわらず,ジョイント45の3本の稜線pのうち,2本以上が当接穴36aの内面と平行になることはない。そのため,ジョイント45とカップリング36との相対的な回転によって,ジョイント45の各稜線pは当接穴36aの3つの内面にそれぞれ1点のみで当接する。すなわち,ジョイント45と当接穴36aとは,回転方向の駆動に関して3点で嵌合され,回転駆動力が伝達される。
ここで,ジョイント45の径と当接穴36aの径との関係は,次のような範囲に設定される。当接穴36aの径とジョイント45の径との差であるガタ量は,ジョイント45が当接穴36aの内部で空回りするガタ量より小さく設定される。すなわち,ジョイント45の径は当接穴36aの最小径より大きくされている。また,ジョイント45と当接穴36aとの軸芯が装置に許容される最大の偏芯偏角となった場合にちょうど,当接穴36aにジョイント45を挿入することができるガタ量より大きく設定される。すなわち,ジョイント45の径は当接穴36aの最大径より小さくされている。このように設定されることにより,ジョイント45の当接穴36aへの挿入は容易となる。さらに,ジョイント45と当接穴36aとの挿入や嵌合状態を良好にするために,ジョイント45の各稜線pにはRを付けるとより好ましい。
このように,ジョイント45の当接穴36aへの挿入は容易なので,画像形成ユニット30の本体2に対する軸方向への挿入も容易である。この挿入直後の段階では,ジョイント45とカップリング36との軸芯は全く一致していない場合もある。その後,ジョイント45と当接穴36aとが相対的に回転されることにより,上記のようにこれらは3点で当接する。このとき,3点の当接点によって,その断面位置ではカップリング36とジョイント45との軸芯は同一位置に重ねられる。
一方,両軸芯の傾きが多少異なっていても3点での当接は可能である。従って,挿入後の回転によって,カップリング36の軸芯とジョイント45の軸芯とのズレはジョイント45の傾きによって吸収される。さらに,これらは互いの軸芯が傾いたままで,3点の当接点によって確実に嵌合される。このことが,ジョイント45の両端部に対して,画像形成ユニット30のカップリング36側と,本体2の歯車43に形成されたジョイント受け部43a側との両方で同様に起きる。
次に,このように互いの軸芯が傾いたままでの嵌合によっても,回転が精度良く伝達されることを説明する。傾いたジョイント45によって連結された歯車43とカップリング36との回転状態の概略を図9に示す。まず,歯車43の角速度をω0,基準半径をr0とすると,歯車43の基準半径位置での線速度Vd1(t)は,次の(1)式で与えられる。
Vd1(t)=r0*ω0 (1)
また,歯車43とジョイント45とは,その当接箇所では線速度が等しい。そこで,そのときの嵌合状態での,基準半径r0に相当するジョイント45の回転半径をr1(t)とすると,ジョイント45の角速度ω1(t)は,次の(2)式で与えられる。
ω1(t)=Vd1(t)/r1(t) (2)
さらに,この(2)式のVd1(t)に(1)式の右辺を代入すると,次の(3)式が得られる。
ω1(t)=r0*ω0/r1(t) (3)
一方,カップリング36側においても,ジョイント45の角速度はω1(t)であり,その当接箇所ではジョイント45とカップリング36との線速度が等しい。従って,ジョイント45の回転半径r1(t)位置でのカップリング36の線速度Vd2(t)は,次の(4)式で与えられる。
Vd2(t)=r1(t)*ω1(t) (4)
この中のω1(t)に(3)式の右辺を代入すると,次の(5)式が得られる。
Vd2(t)=r1(t)*r0*ω0/r1(t)
=r0*ω0 (5)
一方,カップリング36の角速度ω2(t)は,カップリング36とジョイント45との当接箇所でのカップリング36の回転半径がr0なので,次の(6)式で与えられる。
Vd2(t)=r0*ω2(t) (6)
従って,(5)式と(6)式とから,次の(7)式が得られる。
ω2(t)=ω0 (7)
これより,カップリング36の回転角速度は,歯車43の回転角速度と等しく,定常回転となることが分かる。従って,このジョイント45によれば,ジョイント45とカップリング36との互いの軸芯が合っていなくても,そのままで嵌合されて回転方向の駆動伝達は確実に行われる。
また,カップリング36は,図10に示したように形成してもよい。例えば,当接穴36aの底部の周囲には,肉盗みを形成しても良い。また,当接面36bにはジョイント45の稜線pが当接するので,強度の大きい保護材36cを貼付して,保護するようにしても良い。特に,歯車43は滑りの良い材質で形成されるものであるため,ジョイント45の圧接によってジョイント受け部43aの当接穴47の当接面が削れるおそれがある。そこで,ジョイント受け部43aの内面にも保護材36cを貼付すると良い。保護材36cとしては,例えば金属板等が適している。
このように構成されることにより,ジョイント45とカップリング36との連結部分は,回転方向に嵌合しているのみであり,軸方向への移動に関しては自由である。従って,ユーザは,この画像形成ユニット30を軸方向に移動させることにより,容易に着脱できる。本体2から画像形成ユニット30を取り外すと,図2に示した状態から,カップリング36によるジョイント45への図中右方向への圧接力がなくなる。そのため,バネ46の付勢力によって,ジョイント45が図中左方向へ突出する。このとき,リング48の抜け止め部48bにジョイント45の側方凸部45dが当接するので,ジョイント45が抜け落ちることはない。
以上詳細に説明したように本形態のカラープリンタ1によれば,画像形成ユニット30と本体2との連結部分に,ねじれた三角柱形状のジョイント45とねじれていない三角柱形状の当接穴36a,47とを使用している。これらは回転方向への駆動力により3点で当接するので,その当接位置では互いの軸芯位置が一致される。一方,当接点が3点のみであるので,回転軸の傾きに関してはある程度許容される。従って,軸芯が傾いたままで,回転速度を保持して精密に回転伝達される。これにより,入出力軸の軸芯がずれていてもその保持部にストレスを与えることがなく,強度の大きい材質を使用しなくても入出力軸間の回転伝達精度を確保することができる。
「第2の形態」
以下,本発明を具体化した第2の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,第1の形態と比較して,画像形成ユニット30と本体2との連結部分が異なるのみである。全体構成等はほぼ同様であるので,ここでは異なる部分のみを説明する。
本形態の連結部分の概略構成を図11に示す。この図では,画像形成ユニット30を図中右側に示している。
画像形成ユニット30は,ハウジング31に保持され,図中右から感光体21,フランジ32,軸受け33を有している。フランジ32は,感光体21の端部に固定され,感光体21と一体的に回転する。軸受け33は,フランジ32の端部を回転可能に支持して,ハウジング31に固定されている。また,軸受け33の図中左端部には,円筒状の固定部33aが形成されている。
また,本体2側は,図11中左側に示すように,筐体20に固定されているフレーム41,42に,歯車43,歯車軸受け44,ジョイント45,バネ46が取り付けられている。歯車43は,本体2の内部に設けられた動力装置による駆動力をジョイント45に伝達する。歯車43には,図中右方向に延設されて,ジョイント受け部43aが形成されている。歯車軸受け44は,フレーム42に固定され,歯車43のジョイント受け部43aを回転可能に支持する。歯車軸受け44の図中右端部には,円筒状の固定部44aが形成されている。また,歯車軸受け44の中央部の内周側には,内周方向へ突出した抜け止め部44bが形成されている。
また,ジョイント45は,図12に示すように,ねじれた三角柱形状の本体部45aを有している。図中右端部はねじれた三角錐形状の先端部45bであり,図中左端部にはバネ46がはめ込まれるための筒状凸部45cが形成されている。さらに,本体部45aの3つの面には,中央よりは筒状凸部45c寄りにそれぞれ側方凸部45dが形成されている。側方凸部45dの先端側はテーパ状に形成されている。
さらに,図11中に示すように,バネ46が歯車43とジョイント45との間に配置されている。これにより,ジョイント45は図中右方向に付勢されている。本形態では,歯車43のジョイント受け部43aと画像形成ユニット30のフランジ32とにそれぞれ,ねじれていない三角柱形状の当接穴47が形成されている。そして,画像形成ユニット30が取り付けられた状態では,ジョイント45は,ジョイント受け部43aとフランジ32との双方に,それぞれ3点で当接する。従って,このジョイント45によって歯車43の回転駆動力は感光体21に伝達される。
さらに,本形態の連結部分では,歯車軸受け44の固定部44aの内周径と画像形成ユニット30の軸受け33の固定部33aの外周径とは,ほぼ等しく形成されている。これらの固定部33aと固定部44aとは互いに向き合うように配置されているので,画像形成ユニット30が本体2に取り付けられた状態では,図11に示すように,固定部44aの内周側に固定部33aが挿入されて嵌合される。従って,固定部44aと固定部33aとが,ひいては歯車軸受け44と軸受け33とが,互いに直接固定される。ここで,歯車軸受け44は本体2のフレーム42に固定されている。一方,軸受け33は画像形成ユニット30のハウジング31に固定されている。これらより,この嵌合によって,本体2に対して画像形成ユニット30が位置決めされて固定される。
以上詳細に説明したように本形態の連結部分を有するカラープリンタによっても,第1の形態のカラープリンタ1と同様に,入出力軸の軸芯がずれていてもその保持部にストレスを与えることがなく,強度の大きい材質を使用しなくても入出力軸間の回転伝達精度を確保することができる。
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,上記の各形態では,ジョイント45が概略三角柱形状であり,そのジョイントが挿入されるジョイント受け部43aとカップリング36とに当接穴47,36aを設けている。これに代えて,ジョイント受け部43aおよびカップリング36に概略三角柱形状の凸部を設け,両端部に当接穴を有するジョイントによって連結することもできる。あるいは,ジョイントの両端部に当接穴と凸部とをそれぞれ有するようにしても良い。
また例えば,上記の各形態では,ジョイント45がねじれており,当接穴36a,47はねじれていないとしたが,これらを逆にしても同様の効果が得られる。図13は,ねじれていない三角柱のジョイント51とねじれた三角柱の穴52を有するカップリング53との嵌合状態を簡単に示した側面図と正面図である。また,図14は,図13のA−A断面であり,図15は,図13のB−B断面である。このようになっていても,ジョイント51の各稜線は,穴52の内面にそれぞれ1点で当接する。従って,ジョイント51と穴52との軸芯が合っていなくても,そのまま嵌合して回転駆動力は伝達される。あるいは,ジョイントと穴がともにねじれていて,それらのねじれ角が異なっているものでも良い。
また例えば,上記の各形態のジョイント45を,図16に示すように,複数部材をつなぎ合わせた複合ジョイント55としてもよい。中央部55aは,ねじれに強い材質が好ましく,細く形成する場合は特に金属等が望ましい。両端部55b,55cは,それぞれねじれた短い三角柱形状である。このような複合ジョイント55では,両端部55b,55cにそれぞれ異なる材質を使用したり,径やねじれ角を変更して形成したものを用いることもできる。
また例えば,上記の各形態のジョイント45を,図17に示すように,先端部45bに代えてL字状の突起56aを設けたジョイント56としてもよい。この場合は,その突起56aを有する側がはめ込まれるカップリング57として,当接穴36aの開放端部に切り欠き57aを設けたものとする。この切り欠き57aは,突起56aに比べて十分に幅の広いものとする。このようにすれば,ジョイント56とカップリング57との嵌合の向きが規定される。ジョイントやカップリングは,一般に樹脂で一体成型するため,成型時の方向性が部品の性質として現れる場合がある。そこで,このジョイント56とカップリング57とを用いれば,画像形成ユニット30を交換するときに,その方向性が変化することを防止できる。
第1の形態のカラープリンタの概略構成を示す断面図である。 連結部分を示す断面図である。 連結部分を示す斜視図である。 連結部分を示す分解斜視図である。 ジョイントの形状を示す斜視図である。 カップリングを示す斜視図である。 ジョイントとカップリングとの関係を示す説明図である。 ジョイントとカップリングとの関係を示す説明図である。 駆動伝達状態を示す説明図である。 カップリングを示す斜視図である。 第2の形態のカラープリンタの連結部分を示す断面図である。 第2の形態のジョイントの形状を示す斜視図である。 ジョイントとカップリングとの別の例を示す説明図である。 ジョイントとカップリングとの別の例を示す断面図である。 ジョイントとカップリングとの別の例を示す断面図である。 ジョイントの形状を示す斜視図である。 ジョイントとカップリングとの別の例を示す説明図である。
符号の説明
1 カラープリンタ(画像形成装置)
2 本体
30 画像形成ユニット
36 カップリング(第2駆動伝達部材)
36a 当接穴(凹部)
36c 保護材(当接部材)
43 歯車(第1駆動伝達部材)
43a ジョイント受け部(凹部)
45 ジョイント(中間駆動伝達部材)
45a 本体部(端部)
45d 側方凸部(抜け止め部)
46 バネ(弾性部材)
47 当接穴(当接部)
48b 抜け止め部(突出部)
p 稜線(稜部)

Claims (6)

  1. 着脱可能な感光体ユニットを装着して画像形成を行う画像形成装置において,
    感光体ユニットへの回転駆動力を受ける第1駆動伝達部材と,
    前記第1駆動伝達部材と感光体ユニットとの間に位置し,前記第1駆動伝達部材から回転駆動力を受ける中間駆動伝達部材とを有し,
    前記第1駆動伝達部材と前記中間駆動伝達部材との一方に凹部が形成されるとともに,他方が,前記凹部内に位置する端部を有し,
    前記端部は,側部に3本の稜部を有し,
    前記凹部は,側部の3の整数倍の個数の箇所に,前記稜部と当接する当接部を有し,
    前記稜部と前記当接部とが,互いに異なるねじれ角を有し,
    前記中間駆動伝達部材から感光体ユニットへ回転駆動力を伝達することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載する画像形成装置において,
    前記端部の径が,前記凹部の最大径より小さく最小径より大きく,
    前記当接部に,当接部材が配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載する画像形成装置において,
    前記第1駆動伝達部材と前記中間駆動伝達部材とを互いに離隔させる方向に付勢する弾性部材を有し,
    前記凹部には,側部から内向きに突出する突出部が設けられており,
    前記端部には,前記突出部に背面側から当接する抜け止め部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 本体と,前記本体に着脱可能な感光体ユニットとを有し,前記本体に感光体ユニットを装着して画像形成を行う画像形成装置において,
    前記本体は,感光体ユニットへの回転駆動力を受ける第1駆動伝達部材を有し,
    感光体ユニットは,本体から回転駆動力を受ける第2駆動伝達部材を有し,
    前記本体と感光体ユニットとの一方が,前記第1駆動伝達部材と前記第2駆動伝達部材との間に位置する中間駆動伝達部材を有し,
    前記第1駆動伝達部材と前記中間駆動伝達部材との間の駆動伝達箇所と,前記中間駆動伝達部材と前記第2駆動伝達部材との間の駆動伝達箇所とがともに,
    一方に凹部が形成されるとともに,他方が,前記凹部内に位置する端部を有し,
    前記端部は,側部に3本の稜部を有し,
    前記凹部は,側部の3の整数倍の個数の箇所に,前記稜部と当接する当接部を有し,
    前記稜部と前記当接部とが,互いに異なるねじれ角を有する構造であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4に記載する画像形成装置において,
    前記中間駆動伝達部材は,両端に前記端部を有し,
    前記第1駆動伝達部材と前記第2駆動伝達部材とがともに前記凹部を有し,
    前記第1駆動伝達部材の凹部には,側部から内向きに突出する突出部が設けられており,
    前記中間駆動伝達部材には,前記突出部に背面側から当接する抜け止め部が設けられており,
    前記第1駆動伝達部材と前記中間駆動伝達部材とを互いに離隔させる方向に付勢する弾性部材を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 第1駆動伝達部材から第2駆動伝達部材へ回転駆動を伝達する駆動伝達継ぎ手において,
    前記第1駆動伝達部材と前記第2駆動伝達部材との間に位置する中間駆動伝達部材を有し,
    前記第1駆動伝達部材と前記中間駆動伝達部材との間の駆動伝達箇所と,前記中間駆動伝達部材と前記第2駆動伝達部材との間の駆動伝達箇所とがともに,
    一方に凹部が形成されるとともに,他方が,前記凹部内に位置する端部を有し,
    前記端部は,側部に3本の稜部を有し,
    前記凹部は,側部の3の整数倍の個数の箇所に,前記稜部と当接する当接部を有し,
    前記稜部と前記当接部とが,互いに異なるねじれ角を有する構造であることを特徴とする駆動伝達継ぎ手。
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