JP2005117856A - 可動磁石形リニアアクチュエータ - Google Patents

可動磁石形リニアアクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】 磁石と電機子間の磁気吸引力を軽減させ、高頻度加減速動作をさせた場合でも、リニアガイド寿命の問題を解消できる可動磁石形リニアアクチュエータを提供する。
【解決手段】 リニアアクチュエータの固定子は、固定子ベース2に固定され複数のコイル11群を装着してなる電機子1と、電機子1の両側を挟むように直線状に配置されたリニアガイドレール6と、を有しており、可動子は、電機子部と空隙を介して対向配置されると共に非磁性の磁石ホルダ14に穿設された穴部14Aに保持され、かつ、磁極がN極、S極‥と交互に異なるように複数個設けられた界磁永久磁石3と、界磁永久磁石3の背面に空隙を介して配置されると共に、磁石ホルダ14に設けた凹部14Bの内部に設けられた薄板状の電磁鋼板を積層してなる磁性バックヨーク10と、より成る界磁と、リニアガイドレール6上を摺動するように設けたリニアガイドブロック8とを有したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、電気部品実装装置、半導体関連装置あるいは工作機械などの各種産業機械に使用されると共に、その直動機構の駆動用に好適なリニアアクチュエータに関し、特に界磁を可動子とし、電機子を固定子として構成する可動磁石(Moving Magnet)形リニアアクチュエータに関する。
従来、電気部品実装装置、半導体関連装置あるいは工作機械などの各種産業機械に使用されると共に、その直動機構の駆動用に好適なリニアアクチュエータは、図4に示すようになっている。なお、図4は従来技術を示す可動磁石形リニアクチュエータであって、(a)はその平面図、(b)は(a)のB―B線に沿う正断面図であり、(a)は(b)の矢視Aから透視した図に相当する。
図4において、1は電機子、2は固定子ベース、3は界磁永久磁石、4は界磁ヨーク、6はリニアガイドレール、7はセンサ、8はリニアガイドブロック、9はリニアスケール部、11はコイル、12は結線基板、13はストッパである。
リニアアクチュエータは、界磁永久磁石3の背面に界磁ヨーク4を設けて、界磁ヨーク4が可動子と磁気回路を兼用している。また、電機子1は、結線基板12上にスロットレスのコイル11を複数備えた構造を有すると共に、ソリッドの磁性部材でできた固定子ベース2上に可動子と磁気的空隙を介して配置されて、固定子を構成している。この電機子1の両側には、平行するリニアガイドレール6が固定子ベース2上に固定され、リニアガイドレール6上には、該レール上を摺動するリニアガイドブロック8が界磁ヨーク4の両端の下部に固定されている。さらに、可動子の側面には、リニア形のエンコーダを構成する磁気式のリニアスケール9が配設され、このリニアスケール9に対向するように固定子ベース2に該リニアスケール9を検出するセンサ7が配設されている。それから、リニアガイドレール6の端部には可動子のオーバランを防止するためのストッパ13が設けられている。
このリニアアクチュエータは界磁永久磁石3の磁束が、固定子ベース2に鎖交する磁気回路構造になっており、また、電機子のコイル11を励磁すると、界磁と電機子とで作られる移動磁界により可動子を、電機子長と可動子長の差であるストローク内で直線移動するようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平9−266659号公報(明細書第5頁、図3)
ところが従来技術では、可動子に比重の大きい界磁部を構成する界磁ヨークを設けているため、可動子の加速性能を上げられなかった。また、磁石と電機子コア(鉄心)との間に、最大推力の4倍以上の磁気吸引力が働くため、この磁気吸引力がリニアガイドに対する負荷荷重となるため、高頻度加減速動作をさせた場合、リニアガイドの寿命を短くさせる要因となっていた。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、磁石と電機子間の磁気吸引力を軽減させ、高頻度加減速動作をさせた場合でも、リニアガイド寿命の問題を解消することができる可動磁石形リニアアクチュエータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る可動磁石形リニアアクチュエータの発明は、電機子部を固定子側に、界磁部を可動子側となるように配置し、前記固定子に対する前記可動子のスライド方向の位置をエンコーダにより検出する可動磁石形リニアアクチュエータにおいて、前記固定子は、固定子ベースと、前記固定子ベースに固定され複数のコイル群を装着してなる電機子部と、前記電機子部の両側を挟むように直線状に配置されたリニアガイドレールと、を有しており、前記可動子は、前記電機子部と空隙を介して対向配置されると共に非磁性の磁石ホルダに保持された界磁永久磁石と、前記界磁永久磁石の背面に空隙を介して配置されると共に両端を前記固定子ベースに固定してなる磁性バックヨークと、より成る界磁部と、前記リニアガイドレール上を摺動するように設けたリニアガイドブロックと、を有しており、前記エンコーダは、前記磁石ホルダの側面に配設された光学式のリニアスケールと前記リニアスケールに対向して且つ前記固定子ベース側に配設されると共に前記リニアスケールを検出するセンサとから構成される光学式エンコーダであることを特徴としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の可動磁石形リニアアクチュエータにおいて、前記磁性バックヨークを薄板状の積層電磁鋼板により構成したことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の可動磁石形リニアアクチュエータにおいて、前記固定子は、前記電機子部と対向するように前記固定子ベースの内部に埋設されると共に、可動子の進行方向と直角方向に薄板状の電磁鋼板を積層してなるコアを設けたことを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1または3に記載の可動磁石形リニアアクチュエータにおいて、前記固定子ベースに冷媒導管もしくは強制液冷用ジャケットを埋設させた構造としたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、本発明は可動子である非磁性の磁石ホルダに界磁永久磁石を埋設させる構成にしたので、可動子重量を軽量化することで可動子の加速性能を上げることができる。
また、界磁永久磁石の背面に空隙を介して配置されると共に両端を固定子ベースに固定してなる磁性バックヨークを設ける構成にしたので、磁気吸引力を相殺させ、且つギャップ磁束密度を大きく設計することが可能となるので、高推力、高加減速を実現することができる。その結果、高頻度加減速動作をさせた場合でも、磁気吸引力によるリニアガイド寿命の問題を解消することができる。
また、発熱体である電機子部が固定側になるため、固定側1箇所に集約された発熱部を液冷等の強制冷却構造が可能となり、アクチュエータの冷却性能を上げることができる。
それから、リニアアクチュエータはコアレス構造であるため、コギングリプルも無く、極めて滑らかな動作ができる。
請求項2の発明によれば、界磁永久磁石の背面に設けた磁性バックヨークを積層電磁鋼板にすることで、界磁磁束が鎖交することによる渦電流損を低減することが可能であり、高速時の鉄損低減効果が大きくなる。
請求項3の発明によれば、本発明は固定子ベースの凹部に薄板状の電磁鋼板を積層してなるコアを電機子と対向するように埋設する構成にしたので、固定子部の電気抵抗が大きくなり、可動子である界磁永久磁石が固定子上を移動し、界磁磁束が鎖交することによる渦電流損を低減することが可能であり、高速時の鉄損低減効果を大きくすることができる。
請求項4の発明によれば、固定子ベースに冷媒導管を埋設する構成にしたので、冷媒導管に冷罵などを流して強制冷却を行うことにより、固定子1箇所に集約された発熱部を効率よく冷却することが可能となり、アクチュエータの冷却性能を向上することができる。
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す可動磁石形リニアクチュエータであって、(a)はその平面図、(b)は(a)のB―B線に沿う正断面図であり、(a)は(b)の矢視Aから透視した図に相当する。
図1において、10は磁性バックヨーク、14は磁石ホルダ、15はストッパである。
本発明の特徴は以下のとおりである。
すなわち、リニアアクチュエータの固定子は、固定子ベース2と、固定子ベース2に固定され複数のコイル11群を装着してなる電機子1と、電機子1の両側を挟むように直線状に配置されたリニアガイドレール6と、を有しており、可動子は、電機子部と空隙を介して対向配置されると共に非磁性の磁石ホルダ14に穿設された穴部14Aに保持され、かつ、磁極がN極、S極‥と交互に異なるように複数個設けられた界磁永久磁石3と、界磁永久磁石3の背面に空隙を介して配置されると共に、磁石ホルダ14に設けた凹部14Bの内部に設けられた磁性バックヨーク10と、より成る界磁と、リニアガイドレール6上を摺動するように設けたリニアガイドブロック8とを有した点である。なお、詳しくは、磁性バックヨーク10については界磁永久磁石3および電機子1を覆うように固定子ベース2にボルト17により固定されている。
また、磁性バックヨーク10は、可動子の進行方向と直角方向に薄板状の電磁鋼板を積層したものとなっている。
また、磁石ホルダ14の側面には光学式のエンコーダを構成するリニアスケール9が配設されると共に、該リニアスケール9に対向してリニアスケール9を検出するセンサ7が固定子ベース2側に配設されている。
また、平行する2本のリニアガイドレールの端部に、可動子のオーバランを防止するためのストッパ15が設けられている。
このような構成において、本リニアアクチュエータは電機子部に生じる起磁力の磁極数に対し、界磁磁極の数が少なく、その差がリニアアクチュエータの可動側のストロークとなり、直線移動を行う。
したがって、本実施例に係る可動磁石形リニアアクチュエータは、可動子である非磁性の磁石ホルダ14に界磁永久磁石3を埋設させる構成にしたので、可動子重量を軽量化することで可動子の加速性能を上げることができる。
また、磁性バックヨーク10を、磁石ホルダ14内における界磁永久磁石3の背面に空隙を介して配置させる構成にしたので、磁気吸引力を相殺させ、且つギャップ磁束密度を大きく設計することが可能となり、高推力、高加減速を実現することができる。その結果、高頻度加減速動作をさせた場合でも、磁気吸引力によるリニアガイド寿命の問題を解消することができる。
また、発熱体である電機子1が固定側になるため、固定側1箇所に集約された発熱部を液冷等の強制冷却構造が可能となり、アクチュエータの冷却性能を上げることができる。
また、磁性バックヨーク10は積層電磁鋼板で構成したので、界磁磁束が鎖交することによる渦電流損を低減することが可能であり、高速時の鉄損低減効果が大きくなる。
それから、リニアアクチュエータはコアレス構造であるため、コギングリプルも無く、極めて滑らかな動作ができる。
次に本発明の第2実施例を説明する。
図2は、本発明の第2実施例を示す可動磁石形リニアクチュエータであって、(a)はその平面図、(b)は(a)のB―B線に沿う正断面図であり、(a)は(b)の矢視Aから透視した図に相当する。
図2において、16はコアである。
第2実施例が第1実施例と異なる点は以下のとおりである。
すなわち、固定子ベース2には、該ベース2に配置されたコイル11の全長と同等の長さで、界磁永久磁石3の幅寸法と同等の寸法を有する凹部2Aが設けられ、該凹部2Aには電機子部と対向するように、可動子の進行方向と直角方向に薄板状の電磁鋼板を積層してなるコア16が設けられた点である。
また、固定子ベース2の材質は、基本的には鉄などの磁性体を用いるが、軽量化を図るためにアルミもしくはアルミ合金が好ましく、その他チタンもしくはチタン合金、または、マグネシウムもしくはマグネシウム合金などの非磁性材料の何れかを用いても構わない。
したがって、本実施例は固定子ベース2の凹部2Aに薄板状の電磁鋼板を積層してなるコア16を電機子1と対向するように埋設する構成にしたので、固定子部の電気抵抗が大きくなり、可動子である界磁永久磁石が固定子上を移動し、界磁磁束が鎖交することによる渦電流損を低減することが可能であり、高速時の鉄損低減効果を大きくすることができる。
次に本発明の第3実施例を説明する。
図3は、本発明の第3実施例を示す可動磁石形リニアクチュエータであって、(a)はその平面図、(b)は(a)のB―B線に沿う正断面図であり、(a)は(b)の矢視Aから透視した図に相当する。
図3において、5は冷媒導管である。
第3実施例が第1実施例と異なる点は以下のとおりである。
すなわち、固定子ベース2に冷媒導管5を埋設させた構造とした点である。
第3実施例は固定子ベース2に冷媒導管5を埋設する構成にしたので、冷媒導管に冷罵などを流して強制冷却を行うことにより、固定子1箇所に集約された発熱部を効率よく冷却することが可能となり、アクチュエータの冷却性能を向上することができる。
なお、本実施例では冷媒導管に替えて、固定子ベース2に強制液冷用ジャケットを埋設させた構造にすることも可能である。
本発明の第1実施例を示す可動磁石形リニアクチュエータであって、(a)はその平面図、(b)は(a)のB―B線に沿う正断面図であり、(a)は(b)の矢視Aから透視した図に相当する。 本発明の第2実施例を示す可動磁石形リニアクチュエータであって、(a)はその平面図、(b)は(a)のB―B線に沿う正断面図であり、(a)は(b)の矢視Aから透視した図に相当する。 本発明の第3実施例を示す可動磁石形リニアクチュエータであって、(a)はその平面図、(b)は(a)のB―B線に沿う正断面図であり、(a)は(b)の矢視Aから透視した図に相当する。従来の応用例2を示す側断面図 従来技術を示す可動磁石形リニアクチュエータであって、(a)はその平面図、(b)は(a)のB―B線に沿う正断面図であり、(a)は(b)の矢視Aから透視した図に相当する。
符号の説明
1 電機子
2 固定子ベース
2A 凹部
3 界磁永久磁石
4 界磁ヨーク
5 冷媒導管
6 リニアガイドレール
7 センサ
8 リニアガイドブロック
9 リニアスケール部
10 磁性バックヨーク
11 コイル
12 結線基板
13、15 ストッパ
14 磁石ホルダ
14A 穴部
14B 凹部
16 コア
17 ボルト

Claims (4)

  1. 電機子部を固定子側に、界磁部を可動子側となるように配置し、前記固定子に対する前記可動子のスライド方向の位置をエンコーダにより検出する可動磁石形リニアアクチュエータにおいて、
    前記固定子は、固定子ベースと、前記固定子ベースに固定され複数のコイル群を装着してなる電機子部と、前記電機子部の両側を挟むように直線状に配置されたリニアガイドレールと、を有しており、
    前記可動子は、前記電機子部と空隙を介して対向配置されると共に非磁性の磁石ホルダに保持された界磁永久磁石と、前記界磁永久磁石の背面に空隙を介して配置されると共に両端を前記固定子ベースに固定してなる磁性バックヨークと、より成る界磁部と、前記リニアガイドレール上を摺動するように設けたリニアガイドブロックと、を有しており、
    前記エンコーダは、前記磁石ホルダの側面に配設された光学式のリニアスケールと前記リニアスケールに対向して且つ前記固定子ベース側に配設されると共に前記リニアスケールを検出するセンサとから構成される光学式エンコーダであることを特徴とする可動磁石形リニアアクチュエータ。
  2. 前記磁性バックヨークを薄板状の積層電磁鋼板により構成したことを特徴とする請求項1記載の可動磁石形リニアアクチュエータ。
  3. 前記固定子は、前記電機子部と対向するように前記固定子ベースの内部に埋設されると共に、可動子の進行方向と直角方向に薄板状の電磁鋼板を積層してなるコアを設けたことを特徴とする請求項1記載の可動磁石形リニアアクチュエータ。
  4. 前記固定子ベースに冷媒導管もしくは強制液冷用ジャケットを埋設させた構造としたことを特徴とする請求項1または3に記載の可動磁石形リニアアクチュエータ。
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