JP2005087230A - 駆動機構の制御装置及びその制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 ステッピングモータを含む駆動機構で駆動される作動体を原点位置に位置合わせする補正作業を簡単化できるようにすること。
【解決手段】 ステッピングモータからなるX送りモータとY送りモータの出力軸に夫々固定された回転位置検出用ディスク板に、基準位置検出部を形成し、基準位置X検出センサ及び基準位置Y検出センサで基準位置検出部を検出する(S31)。これら基準位置X,Y検出センサにより基準位置検出部を介して検出された送りモータの基準位置に対する刺繍枠の原点位置のズレ量として入力された補正量が補正量メモリに記憶されているので(S32、S34)、その補正量に応じて、送りモータの基準位置に対する刺繍枠の原点位置のズレ量を補正するように送りモータを補正制御(S33、S35)する。
【選択図】 図10
【解決手段】 ステッピングモータからなるX送りモータとY送りモータの出力軸に夫々固定された回転位置検出用ディスク板に、基準位置検出部を形成し、基準位置X検出センサ及び基準位置Y検出センサで基準位置検出部を検出する(S31)。これら基準位置X,Y検出センサにより基準位置検出部を介して検出された送りモータの基準位置に対する刺繍枠の原点位置のズレ量として入力された補正量が補正量メモリに記憶されているので(S32、S34)、その補正量に応じて、送りモータの基準位置に対する刺繍枠の原点位置のズレ量を補正するように送りモータを補正制御(S33、S35)する。
【選択図】 図10
Description
本発明は、駆動機構の制御装置及びその制御プログラムに関し、特にステッピングモータの出力軸に固定した回転位置検出用ディスク板に基準位置検出部を形成し、その検出部を検出手段で検出でき、しかも作動体の原点位置をズレ量として入力された補正量で補正するようにしたものに関する。
従来、例えば、直線縫いやジグザグ縫いが可能な各種の電子制御式ミシンでは、針棒揺動機構や送り機構等の駆動機構を駆動するためにステッピングモータを用いており、制御装置によりこれら各駆動機構毎に設けられたステッピングモータを制御することにより、縫製制御に同期させて駆動機構を駆動させるようにしている。
ところで、ステッピングモータは、制御系を簡略化できるように、オープン・ループ制御を行うのが通常である。従って、ミシンに電源を投入させた際には、縫製を開始するに先立って、各機構部のステッピングモータを制御して、各機構部毎に動作範囲の基準位置(原点位置)を設定する初期化処理が実行される。その後、予め選択した縫製データに基づいて各機構部のステッピングモータが夫々制御されて縫製作業が実行される。
例えば、特許第3354330号公報に記載の縫製データ補正装置には、ワークホルダーの原点位置に対する誤差を解消させるように、ワークホルダーに取付けた位置検出板に、第1及び第2検出マークが形成してあり、X軸原点センサ及びY軸原点センサに基づいてワークホルダーを原点位置に移動させたときに、縫針と第1及び第2検出マークのズレ量を解消するように、ワークホルダーがX軸方向又はY軸方向に移動させた移動量を加味して、縫製データに含まれる多数の針落ちデータの全てを補正するようにしてある(例えば、特許文献1)。
このように、特許第3354330号公報に記載の縫製データ補正装置においては、ワークホルダーの原点位置に対するX方向誤差とY方向誤差を縫製データに反映するようにし、縫製データの各針落ちデータを補正するようにしてあるため、縫製作業を実行するその都度、ワークホルダーの原点位置に対する誤差を設定し、更に、その誤差に基づいて縫製データの補正作業を必要とするため、縫製作業の準備作業に多大の時間を要することになるので、作業能率が低下するという問題がある。
請求項1の駆動機構の制御装置は、ステッピングモータを含む駆動機構で駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置において、ステッピングモータの出力軸に固定された回転位置検出用ディスク板と、回転位置検出用ディスク板に形成された基準位置検出部と、基準位置検出部を検出可能な基準位置用検出手段と、基準位置用検出手段により基準位置検出部を介して検出されたステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置のズレ量として入力された補正量を記憶する補正量記憶手段と、補正量記憶手段に記憶されている補正量に応じて、ステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置のズレ量を補正するようにステッピングモータを補正制御する補正制御手段とを設けたものである。
基準位置用検出手段により基準位置検出部を介して検出されたステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置のズレ量として入力された補正量が、補正量記憶手段に記憶されるので、補正制御手段は、補正量記憶手段に記憶されている補正量に応じて、ステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置のズレ量を補正するようにステッピングモータを補正制御する。
ここで、前記補正制御手段は、駆動機構による作動体の作動開始前に、ステッピングモータを基準位置に回転させた後、作動体が原点位置に位置するようにステッピングモータを補正制御する場合(請求項1に従属の請求項2)には、駆動機構による作動体の作動開始前に、ステッピングモータの基準位置合わせしてから、作動体の原点位置合わせが完了しているため、直ぐにステッピングモータを制御して作動体を作動できる。
ここで、前記補正制御手段は、駆動機構による作動体の作動開始前に、ステッピングモータを基準位置に回転させるとともに、駆動機構による作動体の作動開始に際して、作動体が原点位置に位置するようにステッピングモータを補正制御する場合(請求項1に従属の請求項3)には、駆動機構による作動体の作動開始前に、ステッピングモータの基準位置合わせが完了しているため、駆動機構による作動体の作動開始に際しては、作動体の原点位置合わせだけを実行すればよい。
ここで、前記ステッピングモータを回転させるように指令するための回転指令手段と、その回転指令手段による回転指令量に応じたステッピングモータの回転位置と、ステッピングモータの基準位置との差を補正量として算出する補正量算出手段とを備えた場合(請求項1〜3の何れかに従属の請求項4)には、回転指令手段により回転指令量を指令するだけで、ステッピングモータの基準位置との差である補正量が、補正量算出手段により算出される。
ここで、前記ステッピングモータが、加工布を押える布押えと縫針を下端に取付けた針棒と縫糸を挟持する糸調子皿の少なくとも1つを出力軸の回転によって駆動機構を駆動させる駆動源として縫製装置に設けられた場合(請求項1〜4何れかに従属の請求項5)には、布押えと針棒と糸調子皿の少なくとも1つの駆動機構の駆動源としてこのステッピングモータを適用することで、駆動機構の駆動制御が簡単化する。
ここで、前記回転位置検出用ディスク板の外周部に基準位置検出部が形成され、基準位置検出部には半径方向に所定幅を有する円弧状の有壁部が形成されている場合(請求項1〜5何れかに従属の請求項6)には、基準位置検出部の有壁部以外の部分は、所謂、無壁部であるため、その無壁部を外周部に形成したため、内周側に切欠き部のように形成する場合に比べて、回転位置検出用ディスク板を簡単に作成でき、しかも回転位置検出用ディスク板を薄板のフィルム状にも形成でき、低コスト化が可能になる。
請求項7の駆動機構の制御装置は、ステッピングモータを含む駆動機構を介して駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置において、ステッピングモータの出力軸に固定された回転位置検出用ディスク板と、回転位置検出用ディスク板に形成された基準位置検出部と、基準位置検出部を検出可能な基準位置用検出手段と、基準位置用検出手段が回転位置検出用ディスクの基準位置を検出する場合のステッピングモータの基準となる第1の回転位置と、作動体が作動体の原点位置にある場合のステッピングモータの第1の回転位置とは異なる第2の回転位置との2つの回転位置の差に対応する補正量を記憶する補正量記憶手段と、駆動機構による作動体の作動開始前に、ステッピングモータを基準位置に回転させるとともに、駆動機構による作動体の作動開始に際して、補正量記憶手段の補正量を加味して作動体の第1作動位置に位置するようにステッピングモータを制御する制御手段とを設けたものである。
基準位置用検出手段が回転位置検出用ディスクの基準位置を検出する場合のステッピングモータの基準となる第1の回転位置と、作動体が作動体の原点位置にある場合のステッピングモータの第1の回転位置とは異なる第2の回転位置との2つの回転位置の差に対応する補正量が補正量記憶手段記憶されるので、制御手段は、駆動機構による作動体の作動開始前に、ステッピングモータを基準位置に回転させるとともに、駆動機構による作動体の作動開始に際して、補正量記憶手段の補正量を加味して作動体の第1作動位置に位置するようにステッピングモータを制御する。
請求項8の駆動機構の制御プログラムは、ステッピングモータを含む駆動機構で駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置のコンピュータに実行させる駆動機構の制御プログラムであって、ステッピングモータの出力軸に固定された回転位置検出用ディスク板に形成された基準位置検出部を介して基準位置用検出手段により検出されたステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置のズレ量として入力された補正量を記憶する補正量記憶ルーチンと、補正量記憶手段に記憶されている補正量に応じて前記ステッピングモータの基準位置と作動体のズレ量を補正するようにステッピングモータを補正制御する補正制御ルーチンとを含むものである。
駆動機構の制御プログラムは、ステッピングモータを含む駆動機構で駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置のコンピュータに実行させる駆動機構の制御プログラムであって、ステッピングモータの出力軸に固定された回転位置検出用ディスク板に形成された基準位置検出部を介して基準位置用検出手段により検出されたステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置のズレ量として入力された補正量を記憶する補正量記憶ルーチンと、補正量記憶手段に記憶されている補正量に応じて前記ステッピングモータの基準位置と作動体のズレ量を補正するようにステッピングモータを補正制御する補正制御ルーチンとを含むので、請求項1と同様に作用する。
請求項1の発明によれば、ステッピングモータを含む駆動機構で駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置において、回転位置検出用ディスク板と、基準位置検出部と、基準位置用検出手段と、補正量記憶手段と、補正制御手段とを設けたので、ステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置の補正量を補正量記憶手段に記憶し、その補正量記憶手段に記憶されている補正量に応じて、ステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置のズレ量を補正できるため、作動体を原点位置に位置合わせする補正作業を格段に簡単化させることができる。
また、ステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置の補正量を補正量記憶手段に記憶できるため、制御装置の電源を切断しない限り、補正量を再設定する必要がなく、作動体の原点位置設定が容易になり、しかも作業性を大幅に改善できる。
請求項2の発明によれば、前記補正制御手段は、駆動機構による作動体の作動開始前に、ステッピングモータを基準位置に回転させた後、作動体が原点位置に位置するようにステッピングモータを補正制御するので、駆動機構による作動体の作動開始に際して、ステッピングモータの基準位置合わせ及び作動体の原点位置合わせが完了しているため、ステッピングモータの制御による作動体の作動開始を迅速に行え、作業性を改善することができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項3の発明によれば、前記補正制御手段は、駆動機構による作動体の作動開始前に、ステッピングモータを基準位置に回転させるとともに、駆動機構による作動体の作動開始に際して、作動体が原点位置に位置するようにステッピングモータを補正制御するので、駆動機構による作動体の作動開始に際しては、未だ実行されていない作動体の原点位置合わせだけを実行するだけなので、作業性を改善することができる。その他請求項1と同様の効果を奏する。
請求項4の発明によれば、前記ステッピングモータを回転させるように指令するための回転指令手段と、その回転指令手段による回転指令量に応じたステッピングモータの回転位置と、ステッピングモータの基準位置との差を補正量として算出する補正量算出手段とを設けたので、回転指令手段により回転指令量を指令するだけで、ステッピングモータの基準位置との差である補正量を算出することができ、補正量演算の簡単化が図れる。その他請求項1〜3の何れかと同様の効果を奏する。
請求項5の発明によれば、前記ステッピングモータは、加工布を押える布押えと縫針を下端に取付けた針棒と縫糸を挟持する糸調子皿の少なくとも1つを出力軸の回転によって駆動機構を駆動させる駆動源として縫製装置に設けられたので、布押えと針棒と糸調子皿の少なくとも1つの駆動機構の駆動源として、このステッピングモータの適用が可能になり、駆動機構の駆動制御の簡単化だけでなく、縫製装置の制御系の簡単化を図ることがで
請求項6の発明によれば、前記回転位置検出用ディスク板の外周部に基準位置検出部が形成され、基準位置検出部には円弧状且つ半径方向に所定幅を有する有壁部が形成されているので、基準位置検出部の有壁部以外の部分は、所謂、無壁部であり、その無壁部を、内周側に切欠き部として形成するのではなく、外周部に形成したため、回転位置検出用ディスク板の作成を簡単化することができ、しかも回転位置検出用ディスク板を薄板のフィルム状にも形成できるため、回転位置検出用ディスク板の軽量化及び低コスト化が可能になる。その他請求項1〜5の何れかと同様の効果を奏する。
請求項7の発明によれば、ステッピングモータを含む駆動機構で駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置において、回転位置検出用ディスク板と、基準位置検出部と、基準位置用検出手段と、補正量記憶手段と、制御手段とを設けたので、ステッピングモータの基準となる第1の回転位置と、作動体が作動体の原点位置にある場合のステッピングモータの第2の回転位置との2つの回転位置の差に対応する補正量が補正量記憶手段記憶され、駆動機構による作動体の作動開始前に、ステッピングモータを基準位置に位置合わせするとともに、駆動機構による作動体の作動開始に際して、補正量記憶手段の補正量を加味して作動体の第1作動位置に位置するようにステッピングモータを制御できるため、作動体を原点位置合わせすることなく第1作動位置に移動でき、補正作業を簡単化できる上、作業性を改善することができる。
請求項8の発明によれば、駆動機構の制御プログラムは、ステッピングモータを含む駆動機構で駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置のコンピュータに実行させる駆動機構の制御プログラムであって、ステッピングモータの出力軸に固定された回転位置検出用ディスク板に形成された基準位置検出部を介して基準位置用検出手段により検出されたステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置のズレ量として入力された補正量を記憶する補正量記憶ルーチンと、補正量記憶手段に記憶されている補正量に応じて前記ステッピングモータの基準位置と作動体のズレ量を補正するようにステッピングモータを補正制御する補正制御ルーチンとを含むので、これら補正量記憶ルーチンと補正制御ルーチンとを含む制御プログラムを制御装置のコンピュータで実行することで、請求項1と同様の効果を奏する。
電子制御式のジグザグミシンに設けた刺繍枠をX送りモータ及びY送りモータで駆動させるように構成され、これらのX送りモータ及びY送りモータの出力軸に回転位置検出用ディスクが夫々固定され、この回転位置検出用ディスクに形成された基準位置検出部と回転位置検出部を夫々専用の位置検出センサで検出できるようにした。
本実施例のジグザグミシンM(これが縫製装置に相当する)は、図1に示すように、ミシンベッド部1と、ミシンベッド部1の右端部から立設された脚柱部2と、脚柱部2の上端からミシンベッド部1に対向するように左方へ延びるアーム部3を有する。
ミシンベッド部1には、送り歯を上下動させる送り歯上下動機構(図示略)及び前後動させる送り歯前後動機構(図示略)、下糸ボビンを収容し縫針6と協働する糸輪捕捉器(例えば、水平釜)等が設けられている。脚柱部2の側面側には、オプション的に追加される多数の刺繍模様の模様データ(縫製データと模様表示データ)を記録したROMカード7を、内部のカード用コネクタ13(図6参照)に接続する為のカード用スロット2aが形成されている。
アーム部3には、下端に縫針6を装着した針棒5を上下動させる針棒駆動機構、針棒5を布送り方向と直交する方向に揺動させる針棒揺動機構(図示略)、天秤を針棒5の上下動に調時して上下動させる天秤駆動機構(図示略)等が設けられている。尚、送り歯上下動機構と針棒上下動機構とはミシンモータ17で駆動され、針棒揺動機構は針棒揺動用ステッピングモータ18で駆動され、送り歯前後動機構は送り歯前後駆動用ステッピングモータ19で駆動される(図6参照)
アーム部3の頭部4には、縫製作業の起動と停止を指令する起動停止スイッチ12が設けられている。アーム部3の前面には大型でカラーの液晶ディスプレイ(以下、単にカラーディスプレイという)10が設けられ、このカラーディスプレイ10には、実用模様や刺繍模様等の種々の縫目模様や各種の機能名、更には模様や種々のメッセージ等が表示される。このカラーディスプレイ10の前面には、複数の刺繍模様や模様名や機能を示す機能名の表示位置の各々に対応させて、透明電極からなるタッチキー11がマトリックス状に設けられている。
即ち、所望の刺繍模様の選択や機能の支持を、これら刺繍模様や機能名に対応するタッチキー11を押圧操作することで実現することができる。ベッド部1の左端側部分には、通称フリーアームと称されるフリーベッド部が消せされ、このフリーベッド部に刺繍枠駆動機構20が着脱可能に装着される。
刺繍枠駆動機構20は、その本体ケース20aと、加工布を着脱自在に装着する刺繍枠21(これが作動体に相当する)と、刺繍枠21をY方向(前後方向)へ駆動するY方向駆動機構を内蔵したY方向駆動部22と、このY方向駆動部22をX方向(左右方向)へ駆動するX方向駆動機構であって本体ケース20a内に収容されたX方向駆動機構とを備え、X方向駆動機構にX送りモータ23が連結され、Y方向駆動機構にY送りモータ24(図6参照)が連結されている。
それ故、X送りモータ23はX方向駆動機構に含まれ、Y送りモータ24はY方向駆動機構に含まれている。尚、X送り及びY送りモータ23,24は、夫々図示しないタイミングベルトを循環するように構成されている。
刺繍枠駆動機構20がフリーベッド部に装着されると、X送り及びY送りモータ23,24がコネクタ14を介してジグザグミシンMの制御装置45に電気的に接続され、制御装置45によりX送り及びY送りモータ23,24が駆動制御され、加工布がセットされた刺繍枠21をX方向とY方向とに独立に移動駆動しつつ刺繍縫製できるようになっている。但し、刺繍枠駆動機構20が装着されていないときには、直線模様やジクザグ模様等の実用模様を縫製可能であり、刺繍枠駆動機構20を装着したときに、刺繍模様の縫製が可能になる。
次に、刺繍枠21を駆動するX送りモータ23及びY送りモータ24の駆動軸に夫々固定された回転位置検出用ディスク板30と、この回転位置検出用ディスク板30に形成された回転位置検出部及び基準位置検出部、これら回転位置検出部及び基準位置検出部を検出可能な検出センサについて説明する。
但し、X送りモータ23に設けられた回転位置検出用ディスク板30及び検出センサと、Y送りモータ24に設けられた回転位置検出用ディスク板30及び検出センサとは同様に構成されたものであるため、X送りモータ23に設けられた回転位置検出用ディスク板30及び検出センサについて、図2〜図3に基づいて説明する。
X送りモータ23の出力軸23aの一端部には、回転位置検出用ディスク板30が軸方向と直交状に固定部材31で固定されるとともに、その出力軸23aの他端部には、X方向駆動機構に連結するためのセクタギヤ42が固定されている。即ち、X送りモータ23は、刺繍枠21をX方向に駆動させるX方向駆動機構の駆動源として設けられている。
但し、X送りモータ23の1回転以内で、X方向駆動機構を介して刺繍枠21を最大移動距離分移動可能である。回転位置検出用ディスク板30には、図4に示すように、中心部側(半径方向内側)に、半径方向に所定幅を有する環状の回転位置検出部30aが設けられるとともに、その外側(半径方向外側)に、半径方向に所定幅を有する環状の基準位置検出部30cが設けられている。内側の回転位置検出部30aには、所定の分解能として、例えば、400個のスリット30bが所定間隔毎に放射状に形成されている。
また、外側の基準位置検出部30cには、360°のうちの180°にだけ、半径方向に所定幅を有する円弧状の検出壁部30d(これが有壁部に相当する)が突出状に形成され、その他の部分は無壁状態になっている。そこで、回転位置検出用ディスク板30に接近させて略C字状の取付け基板32が配置され、スペーサ33等を介して固定ボルト34によりX送りモータ23に支持されている。また、これら回転位置検出用ディスク板30や取付け基板32等は、カバー部材35により保護されている。
その取付け基板32には、内側の回転位置検出部30aに対応するように、第1及び第2回転位置X検出センサ36,37を組込んだ回転位置検出器38(これが回転位置用検出手段に相当する)が固着されるとともに、外側の基準位置検出部30cに対応するように、基準位置X検出センサ39を組込んだ基準位置検出器40(これが基準位置用検出手段に相当する)が固着されている。ここで、第1及び第2回転位置X検出センサ36,37及び基準位置X検出センサ39は、夫々フォトエンコーダにより構成された同様の検出用センサである。
ところで、回転位置検出器38に組込まれた第1回転位置X検出センサ36と第2回転位置X検出センサ37とは、周方向に所定位相角だけズラせて配置されているため、図5に示すように、第1回転位置X検出センサ36から回転位置A検出信号(所謂、A相信号)が出力されるとともに、第2回転位置X検出センサ37から回転位置B検出信号(所謂、B相信号)が出力される。これら回転位置A検出信号と回転位置B検出信号とは、相互に所定位相角(例えば、約90°)だけズレた検出信号である。
それ故、これら回転位置A検出信号と回転位置B検出信号の位相ズレ方向に基づいて、回転位置検出用ディスク板30の回転方向、つまりX送りモータ23の回転方向を検出可能になっている。基準位置検出器40に組込まれた基準位置X検出センサ39から出力される基準位置検出信号(所謂、Z相信号)は、図5に示すように、180°に亙る湾曲帯状の検出壁部30dに対応する場合に「L」レベルの基準位置検出信号が出力され、検出壁部30dに対応しない場合に「H」レベルの基準位置検出信号が出力される。
ここで、X送りモータ23の基準位置(これが第1の回転位置に相当する)は、図5に示すように、基準位置X検出センサ39から出力される基準位置検出信号が「H」レベルのときに、X送りモータ23を正回転させて、基準位置検出信号が「L」レベルに切換わる位置に設定されている。
この場合、X送りモータ23の基準位置は、回転位置検出用ディスク板30の180°の回転位置、つまり刺繍枠21のX方向移動範囲の中央位置に設定されている(図5参照)。更に、取付け基板32には、これら第1及び第2回転位置X検出センサ36,37と基準位置X検出センサ39からの検出信号を信号線を介して制御装置Cに供給する差込みコネクタ41が接続されている。
次に、電子制御ミシンMの制御系について説明する。
図6に示すように、制御装置45は、入力インターフェース46と、CPU47とROM48及びRAM49と電気的に書換え可能な不揮発性のフラッシュメモリ50とを含むコンピュータと、出力インターフェース51と、これらを接続するデータバス等のバス52とを有する。
図6に示すように、制御装置45は、入力インターフェース46と、CPU47とROM48及びRAM49と電気的に書換え可能な不揮発性のフラッシュメモリ50とを含むコンピュータと、出力インターフェース51と、これらを接続するデータバス等のバス52とを有する。
入力インターフェース46には、起動停止スイッチ12と、タッチキー11と、ミシン支軸の複数の回転位相を検出するタイミング信号発生器16と、X送りモータ23に関する第1及び第2回転位置X検出センサ36,37及び基準位置X検出センサ39と、Y送りモータ24に関する第1及び第2回転位置Y検出センサ53,54と、基準位置Y検出センサ56等が接続されている。
出力インターフェース51には、これらモータ17〜19と、カラーディスプレイ(LCD)10の為のディスプレイコントローラ(LCDC)57と、刺繍枠駆動機構20のX送りモータ23とY送りモータ24がコネクタ14を介して接続されている。また、ROMカード7のROM8はコネクタ13を介してバス52に接続されている。
ROM48には、図7に示すように、システム制御プログラム以外に、実用模様や刺繍模様を選択する模様選択制御や各種の表示制御を含む縫製制御プログラム、に加えて、本願特有の送り原点設定制御プログラム等が予め格納されている。その送り原点設定制御プログラムには、補正量記憶ルーチン(これが補正量記憶手段に相当する)、補正量に基づいて原点位置を補正する補正制御ルーチン(これが補正制御手段に相当する)等が含まれている。
ROMカード7のROM8には、ROM48と同様に、比較的使用頻度の低い多数の刺繍模様の縫製データが格納されている。RAM49には、選択された縫製に供する模様番号の番号データを記憶する模様番号メモリ49aと、後述する送り原点位置補正制御の実行により、X送りモータ23とY送りモータ24の基準位置に対する刺繍枠21の原点位置のズレ量として入力された送り原点補正量を夫々記憶する補正量メモリ49b(これが、第1の回転位置と第2の回転位置との2つの回転位置の差に対応する補正量を記憶する補正量記憶手段に相当する)等が設けられている。
次に、制御装置45で実行される送り原点位置補正制御について、図8のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中の符号Si(i=11、12、13・・・)は各ステップである。
電源の投入によりこの制御が開始されると、先ず、X送りモータ23に関するX基準位置設定処理(図9参照)が実行される(S11)。
電源の投入によりこの制御が開始されると、先ず、X送りモータ23に関するX基準位置設定処理(図9参照)が実行される(S11)。
この制御が開始されると、先ず、基準位置X検出センサ39からの基準位置信号が読込まれる(S21)。この基準位置信号が「H」レベルのとき、即ち、基準位置X検出センサ39が円弧状の検出壁部30d以外の部位に対応している場合には(S22:Yes) 、X送りモータ23が1パルスだけ正回転方向に駆動され(S23)、「H」レベルの場合には(S24:No)、S23〜S24が繰り返して実行される。
その結果、基準位置X検出センサ39が検出壁部30dのエッジに対応して、基準位置信号が「L」レベルになったとき(S24:Yes) 、X送りモータ23の基準位置が設定されるため、この制御を終了して送り原点位置補正制御のS12にリターンする。一方、基準位置信号が「L」レベルのとき、即ち、基準位置X検出センサ39が円弧状の検出壁部30dに対応している場合には(S22:No)、X送りモータ23が1パルスだけ逆回転方向に駆動され(S25)、「L」レベルの場合には(S26:No)、S25〜S26が繰り返して実行される。
その結果、基準位置信号が「H」レベルになった場合には(S26:Yes) 、X送りモータ23は、更に、数パルス分逆回転方向に継続して駆動される(S27)。その後、前述したように、S23〜S24が繰り返して実行され、基準位置X検出センサ39が検出壁部30dのエッジに対応して、基準位置信号が「L」レベルになって、X送りモータ23の基準位置が設定されたとき(S24:Yes) 、この制御を終了し、送り原点位置補正制御のS12にリターンする。
次に、送り原点位置補正制御において、Y送りモータ24に関するY基準位置設定処理が実行される(S12)。但し、このY基準位置設定処理は、図9で説明したX基準位置定制御と同様であるため、その説明を省略する。次に、カラーディスプレイ10には、図11に示すように、その右下の表示部に、「補正」キーと「終了」キーとが常に表示されているため、X送りモータ23の基準位置と刺繍枠21の原点位置とにズレが生じている場合であって、そのズレ量を設定して補正するために、「補正」キーが操作された場合には(S13:Yes) 、送り補正量設定画面がカラーディスプレイ10に表示される(S14)。
例えば、図11に示すように、〔送り補正量設定〕を表題として、項目名「X送り補正量」及び「Y送り補正量」と、そのズレ量を2桁のステップ数(X送り及びY送りモータ23,24の駆動ステップ数)で設定するために、ブロックカーソルBKと、テンキー及び矢印キーが表示される。そこで、例えば、X送りモータ23の「5ステップ」がズレ量に相当する場合、作業者は設定量として、2桁の数値「05」を設定する。
このように、X方向送りとY方向送りに関する補正量が夫々設定された場合(S15)、前回までの送り補正量と今回設定された送り補正量(X送り補正量とY送り補正量)の加算結果が演算され(S16)、前回の送り補正量に対して、今回設定された送り補正量の変更量だけX送りモータ23又はY送りモータ24が駆動される(S17)。即ち、前回のX送り補正量が「00」であり、今回において回転指令量として設定されたX送り補正量が「05」の場合、X送りモータ23は5パルスだけ「+X方向」に駆動される。
ここで、S15がステッピングモータを回転させるように指令する回転指令手段に相当する。また、S16が回転指令手段による回転指令量に応じたステッピングモータの回転位置と、基準位置との差を補正量として演算する補正量演算手段に相当する。
ところで、刺繍枠21のX方向原点位置及びY方向原点位置の補正作業を繰り返す場合には、S13〜S17が繰り返して実行される。そして、刺繍枠21のX方向原点位置及びY方向原点位置が、刺繍枠21について予め設定されている所定の縫製開始位置とが一致し、「終了」キーが操作された場合には(S13:Yes) 、送り補正量(X送り補正量とY送り補正量)が補正量メモリ49bに記憶され(S18)、この制御を終了する。
ここで、回転指令量として指令された補正量に対応してX送りモータ23又はY送りモータ24がS17において駆動された回転位置が、X送りモータ23又はY送りモータ24の基準位置(第1の回転位置)とは異なる第2の回転位置に相当し、補正量メモリ49bには、第1の回転位置と第2の回転位置との2つの回転位置の差に対応する補正量が記憶される。
次に、刺繍枠21の補正制御と、模様選択された模様を縫製する縫製制御について、図10のフローチャートに基づいて説明する。
例えば、電源が投入されたときのパワーオン・リセットによりこの制御が開始されると、縫製処理制御に先立って、X送りモータ23とY送りモータ24の各々に関するX,Y基準位置設定制御が夫々実行される(S31)。これらX,Y基準位置設定制御は、X基準位置設定制御(図9参照)及びY基準位置設定制御(図示略)に基づいて実行されるため、その説明を省略する。
次に、補正量メモリ49bにX送り補正量が記憶されている場合には(S32:Yes) 、補正量メモリ49bに記憶されているX送り補正量に基づいて、X送りモータ23が更に駆動される(S33)。次に、補正量メモリ49bにY送り補正量が記憶されている場合には(S34:Yes) 、補正量メモリ49bに記憶されているY送り補正量に基づいて、Y送りモータ24が更に駆動される(S35)。
即ち、このように、X送りモータ23とY送りモータ24の各々は、夫々の基準位置に回転した後、補正量メモリ49bに記憶されている送り補正量に基づいて、刺繍枠21が、X送りモータ23の基準位置と、Y送りモータ24の基準位置に対して位置補正した正規のX方向原点位置且つY方向原点位置に移動する。
その後、縫製開始キー操作等により縫製処理が開始された場合(S36:Yes) 、縫製処理が実行される(S37)。この縫製処理においては、刺繍枠21をX方向又はY方向に移動させる毎に、送りデータと、第1及び第2回転位置X検出センサ36,37から受けた検出信号に基づく実際の検出移動量とに基づいて、X送りモータ23とY送りモータ24の脱調の有無が精度よく検出される。脱調を検出した場合には、アラーム処理したり、縫製処理を停止する等して、作業者に報知される。
このように、X送りモータ23とY送りモータ24の出力軸に、回転位置検出部30aと基準位置検出部30cとを有する回転位置検出用ディスク板30と、第1及び第2回転位置X検出センサ36,37及び基準位置X検出センサ39と、第1及び第2回転位置Y検出センサ53,54及び基準位置Y検出センサ56と、補正量メモリ49bと、補正制御プログラム(ルーチン)等を設けたので、X送りモータ23及びY送りモータ24の基準位置に対する刺繍枠21の原点位置の補正量を補正量メモリ49bに記憶し、その補正量メモリ49bに記憶されている送り補正量(X送り補正量とY送り補正量)に応じて、X送りモータ23及びY送りモータ24の基準位置に対する刺繍枠21の原点位置のズレ量を補正できるため、刺繍枠21を原点位置に位置合わせする補正作業を格段に簡単化させることができる。
また、X送りモータ23及びY送りモータ24の基準位置に対する刺繍枠21の原点位置の補正量を補正量メモリ49bに記憶できるため、制御装置45の電源を切断しない限り、補正量を再設定する必要がなく、刺繍枠21の原点位置設定が容易になり、しかも作業性を大幅に改善できる。
更に、X方向駆動機構による刺繍枠21の作動開始前に、X送りモータ23及びY送りモータ24を基準位置に夫々回転させた後、刺繍枠21が原点位置に位置するようにX送りモータ23及びY送りモータ24を補正制御するので、X方向駆動機構及びY方向駆動機構による刺繍枠21の作動開始に際して、X送りモータ23及びY送りモータ24の基準位置合わせ及び刺繍枠21の原点位置合わせが完了しているため、X送りモータ23及びY送りモータ24の制御による刺繍枠21の作動開始を迅速に行え、作業性を改善することができる。
送り原点位置補正制御において、カラーディスプレイ10に表示された送り補正量設定画面を介して、テンキーにより入力設定したステップ数に基づいて、X送りモータ23及びY送りモータ24の基準位置との差を補正量として加算結果演算(S16)するようにしたので、送り補正量設定画面を介して駆動ステップ数で回転量を指令するだけで、X送りモータ23及びY送りモータ24の基準位置との差である補正量を容易に算出することができ、補正量演算の簡単化が図れる。
また、回転位置検出用ディスク板30の外周部に基準位置検出部30cが形成され、基準位置検出部30cには円弧状且つ半径方向に所定幅を有する検出壁部30dが形成されているので、基準位置検出部30cの検出壁部30d以外の部分は、所謂、無壁状態であり、その無壁状態を、内周側に切欠き部として形成するのではなく、外周部に形成したため、回転位置検出用ディスク板30の作成を簡単化することができ、しかも回転位置検出用ディスク板30を薄板のフィルム状にも形成できるため、回転位置検出用ディスク板30の軽量化及び低コスト化が可能になる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変更形態について説明する。
1〕図10に示す補正制御及び縫製処理制御を、図12に示すように部分的に変更し、縫製処理の開始前に、X送りモータ23及びY送りモータ24を基準位置に回転させておき、縫製処理の開始に際して、刺繍枠21が原点位置に位置するように、X送りモータ23及びY送りモータ24を補正制御するようにしてもよい。
1〕図10に示す補正制御及び縫製処理制御を、図12に示すように部分的に変更し、縫製処理の開始前に、X送りモータ23及びY送りモータ24を基準位置に回転させておき、縫製処理の開始に際して、刺繍枠21が原点位置に位置するように、X送りモータ23及びY送りモータ24を補正制御するようにしてもよい。
即ち、S31と同様に、X送りモータ23とY送りモータ24の各々に関するX,Y基準位置設定制御が実行され(S41)、縫製処理が開始された場合(S42:Yes) 、S32〜S35と同様にS43〜S46によるX送りモータ23及びY送りモータ24の補正制御により、刺繍枠21が原点位置に位置し、その後、縫製処理が実行される(S47)。この場合にも、X方向駆動機構及びY方向駆動機構による刺繍枠21の作動開始に際しては、未だ実行されていない刺繍枠21の原点位置合わせだけを実行するだけなので、作業性を改善することができる。
2〕図10に示す補正制御及び縫製処理制御を、図13に示すように部分的に変更し、縫製処理の開始前に、X送りモータ23及びY送りモータ24を基準位置に回転させておき、縫製処理の開始に際して、補正量メモリ49bの補正量を加味して、刺繍枠21の第1針落ち位置に位置するように、X送りモータ23及びY送りモータ24を補正制御するようにしてもよい。
即ち、S31と同様に、X送りモータ23とY送りモータ24の各々に関するX,Y基準位置設定制御が実行され(S51)、縫製処理が開始された場合(S52:Yes) 、図14に示すように、縫製処理が実行される(S53)。その縫製処理の開始直後に、補正量メモリ49bにX送り補正量が記憶されている場合には(S55:Yes) 、そのX送り補正量に1針目のX送りデータを加算した補正1針データに基づいて、X送りモータ23が駆動される(S56)。
次に、補正量メモリ49bにY送り補正量が記憶されている場合には(S57:Yes) 、そのY送り補正量に1針目のY送りデータを加算した補正1針データに基づいて、Y送りモータ24が駆動される(S58)。その後、2針目以降の残りの縫目データに基づいて、縫製処理が実行される(S59)。ここで、図13のS51と図14のS55〜S58等が制御手段に相当する。
この場合には、X駆動機構及びY駆動機構による刺繍枠21の作動開始に際して、補正量メモリ49bの補正量を加味して、刺繍枠21の第1針落ち位置に位置するようにX送りモータ23及びY送りモータ24を制御できるため、刺繍枠21を原点位置合わせすることなく第1針落ち位置に移動でき、補正作業を簡単化できる上、作業性を改善することができる。
3〕図15に示すように、回転位置検出用ディスク板30Aの半径方向外側に設ける環状の基準位置検出部30cは、円弧状且つ半径方向に所定幅を有するのスリット形成部30eとスリット非形成部30fとを有し、環状の回転位置検出部30aと円弧状のスリット形成部30eには、同じスリット幅を有する複数のスリットが等間隔で出力軸23aの軸心を中心として放射状に形成されている。
そこで、これら回転位置検出部30aを検出可能な第1及び第2回転位置X検出センサと、基準位置X検出部30cのスリット形成部30eを検出可能な基準位置X検出センサとは、同一の分解能を有する検出用センサで構成されている。このように、環状の回転位置検出部30aと円弧状のスリット形成部30eとに同じ分解能で形成された複数のスリット30bを、同一の分解能を有する検出用センサを共通に使用することができるため、これら第1及び第2回転位置X検出センサと基準位置X検出センサの取付け作業の単純化を図ることができるとともに、これら検出用センサの部品管理についても簡単化することができる。
この場合には、電源投入時におけるX送りモータ23及びY送りモータ24の基準位置設定においては、X送りモータ23及びY送りモータ24を、少なくとも、スリット30b幅寸法にスリット30b間寸法を加算したスリットピッチだけ駆動することにより、基準位置検出信号が一定の「H」レベルの場合には、X送りモータ23及びY送りモータ24の正回転により、X送りモータ23及びY送りモータ24の基準位置を設定するようにしてもよい。
一方、基準位置検出信号として、「L」レベルと「H」レベルと交互に出力される場合には、X送りモータ23及びY送りモータ24の逆回転及び正回転により、X送りモータ23及びY送りモータ24の基準位置を設定するようにしてもよい。
図8に示す送り原点位置補正制御のS15において、ジグザグミシンMにオプション的に接続されたジョイスティックを用いて指示されたX方向とY方向の指令量に基づいて、送り補正量を設定するようにしてもよい。この場合、ジョイスティックが回転指令手段に相当する。
4〕上述した刺繍のためのX送りモータ23及びY送りモータ24の他に、図16に示すように、本件出願人による特開平8−84878号公報に記載の加工布を押える布押え100を水平方向へ移動させるために、1回転以内の往復回転をするステッピングモータ101の出力軸101aに本願の回転位置検出用ディスク板102を固定し、その周辺に、回転位置検出用ディスク板102に形成された回転位置検出部30aや基準位置検出部30cのための検出器を設けてもよい。
更に、ステッピングモータ201と、そのステッピングモータ201の出力軸202に固定されたピニオン203及び回転位置検出用ディスク板204と、その回転位置検出用ディスク板204の回転位相を検出する検出器205と、ピニオン203によって上下動されるラック206とを設け、ピニオン203がラック206を下降させ、レバー207の一端を圧縮コイルバネ208に抗して押し下げると、レバー207の他端によって布押え100が上昇するように構成してもよい。尚、ステッピングモータの駆動伝達機構は、ラック及びピニオン、タイミングベルト、カム等に限らず、リンクでもよい。また、ステッピングモータは複数回に亙って回転してもよい。
その他、縫糸を挟持する糸調子皿を所定方向に移動させるために1回転以内の往復回転をするステッピングモータの出力軸に本願の回転位置検出用ディスク板30を固定してもよい。また、図16のステッピングモータ101の左側の出力軸101aに、回転位置検出用ディスク104やそのための検出器を設けてもよい。
5〕前記実施形態に関し、既存の技術や当業者に自明の技術に基いて種々の変更を加えることもあり得る。更に、上述のジグザグミシンや図16のミシン以外の各種の駆動機構の制御装置に、本発明を適用し得ることは勿論である。
M ジグザグミシン
21 刺繍枠
23 X送りモータ
24 Y送りモータ
30 回転位置検出用ディスク板
30c 基準位置検出部
30d 検出壁部
39 基準位置X検出センサ
45 制御装置
47 CPU
48 ROM
49 RAM
49b 補正量メモリ
56 基準位置Y検出センサ
21 刺繍枠
23 X送りモータ
24 Y送りモータ
30 回転位置検出用ディスク板
30c 基準位置検出部
30d 検出壁部
39 基準位置X検出センサ
45 制御装置
47 CPU
48 ROM
49 RAM
49b 補正量メモリ
56 基準位置Y検出センサ
Claims (8)
- ステッピングモータを含む駆動機構で駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置において、
前記ステッピングモータの出力軸に固定された回転位置検出用ディスク板と、
前記回転位置検出用ディスク板に形成された基準位置検出部と、
前記基準位置検出部を検出可能な基準位置用検出手段と、
前記基準位置用検出手段により基準位置検出部を介して検出された前記ステッピングモータの基準位置に対する前記作動体の原点位置のズレ量として入力された補正量を記憶する補正量記憶手段と、
前記補正量記憶手段に記憶されている補正量に応じて、前記ステッピングモータの基準位置に対する前記作動体の原点位置のズレ量を補正するように前記ステッピングモータを補正制御する補正制御手段と、
を設けたことを特徴とする駆動機構の制御装置。 - 前記補正制御手段は、前記駆動機構による作動体の作動開始前に、前記ステッピングモータを基準位置に回転させた後、前記作動体が原点位置に位置するようにステッピングモータを補正制御することを特徴とする請求項1に記載の駆動機構の制御装置。
- 前記補正制御手段は、前記駆動機構による作動体の作動開始前に、前記ステッピングモータを基準位置に回転させるとともに、前記駆動機構による作動体の作動開始に際して、前記作動体が原点位置に位置するようにステッピングモータを補正制御することを特徴とする請求項1に記載の駆動機構の制御装置。
- 前記ステッピングモータを回転させるように指令するための回転指令手段と、その回転指令手段による回転指令量に応じた前記ステッピングモータの回転位置と、前記ステッピングモータの基準位置との差を補正量として算出する補正量算出手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の駆動機構の制御装置。
- 前記ステッピングモータは、加工布を押える布押えと縫針を下端に取付けた針棒と縫糸を挟持する糸調子皿の少なくとも1つを前記出力軸の回転によって駆動機構を駆動させる駆動源として縫製装置に設けられたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の駆動機構の制御装置。
- 前記回転位置検出用ディスク板の外周部に前記基準位置検出部が形成され、前記基準位置検出部には半径方向に所定幅を有する円弧状の有壁部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の駆動機構の制御装置。
- ステッピングモータを含む駆動機構を介して駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置において、
前記ステッピングモータの出力軸に固定された回転位置検出用ディスク板と、
前記回転位置検出用ディスク板に形成された基準位置検出部と、
前記基準位置検出部を検出可能な基準位置用検出手段と、
前記基準位置用検出手段が前記回転位置検出用ディスクの基準位置を検出する場合の前記ステッピングモータの基準となる第1の回転位置と、前記作動体が作動体の原点位置にある場合の前記ステッピングモータの前記第1の回転位置とは異なる第2の回転位置との2つの回転位置の差に対応する補正量を記憶する補正量記憶手段と、
前記駆動機構による作動体の作動開始前に、前記ステッピングモータを基準位置に回転させるとともに、前記駆動機構による作動体の作動開始に際して、前記補正量記憶手段の補正量を加味して前記作動体の第1作動位置に位置するようにステッピングモータを制御する制御手段と、
を設けたことを特徴とする駆動機構の制御装置。 - ステッピングモータを含む駆動機構で駆動される作動体を作動範囲の原点位置に設定する駆動機構の制御装置のコンピュータに実行させる駆動機構の制御プログラムであって、 前記ステッピングモータの出力軸に固定された回転位置検出用ディスク板に形成された基準位置検出部を介して基準位置用検出手段により検出された前記ステッピングモータの基準位置に対する作動体の原点位置のズレ量として入力された補正量を記憶する補正量記憶ルーチンと、
前記補正量記憶手段に記憶されている補正量に応じて前記ステッピングモータの基準位置と前記作動体のズレ量を補正するように前記ステッピングモータを補正制御する補正制御ルーチンと、
を含むことを特徴とする駆動機構の制御プログラム。
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