JP2005049340A - 原子炉用燃料棒の外観検査装置及び検査方法 - Google Patents

原子炉用燃料棒の外観検査装置及び検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】判定者による個人差がなく、信頼性が高く、厳密で再現性のある原子炉用燃料棒の検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】
この装置は、少なくとも1つのカメラ42、42’を有し、検査すべき各燃料棒2上に存在する幾何的欠陥を検出することができる画像収集処理システム48に連結されている光学手段40を備え、画像収集処理システム48によって検出された各幾何的欠陥の深さを測定するように制御される粗さ測定器50をさらに備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般に、原子炉用燃料棒の外観検査の分野に関し、より詳細には、生産サイクルの最後に、燃料棒の外観を検査する装置及び方法の分野に関する。
一般的に、原子炉用燃料棒は、核分裂性物質が中に配置されたジルコニウム合金製の被覆管である。このタイプの被覆管は、一般に、長さ3〜5m、直径8〜15mmであり、第1の封止端及び第2の開口端を有し、第2端は、被覆管の内部に核分裂性物質が導入された後、被覆管上に溶接されたキャップによって封止される。
燃料棒の生産の終了時には、通常、全体的に円筒形で断面が円形の外表面が、たとえば「磨かれた鏡面(polished mirror)」タイプの、申し分のない表面状態を有することが必要である。
したがって、その生産の終わりに棒の外観を検査するために、いくつかのタイプの欠陥について、特にエンド・キャップの外表面を含む棒の外表面全体にわたって検出が実施される。
まず、様々な欠陥のうちでも、棒の外表面上に存在する三次元の欠陥と同類である幾何的欠陥(geometric defect)を捜索する。
例示的な例として、幾何的欠陥は、棒の外表面上に長手方向又は円周方向の溝の形をとることがあり、その場合、この溝は25μよりも深くに達するとき欠陥としてみなされ得る。さらに、欠陥は、依然として棒の外表面上にある、衝撃(impact)、コーキン、さらには材料の剥がれという形をとることもある。
燃料棒の外観検査はさらに、清浄性欠陥(cleanliness defect)を検出することにあり、この欠陥は、一般に、外表面上における油の痕跡及び異物の形をしており、さらには所定値よりも大きな表面積の黒又は色付きマークの形をとることさえある。
最後に、検出すべき欠陥の第3のカテゴリは、エンド・キャップ溶接部における外観欠陥に関するものである。このタイプの欠陥は、エンド・キャップの溶接ビード上に存在し、溶接ビードにおいて、ピッチング、ブリスタ、亀裂、溢れ、不足、垂れ(sag)、さらには着色欠陥の形をとることがある。
生産の終了時における燃料棒の外観検査を目的とした解決策は、従来技術から公知であり、自由に使える測定器具なしで肉眼で作業する有資格者によるものである。
実際、生産の終了時に、燃料棒は、通常、32本の要素の束として、スタンド上に水平方向に配置される。取り付け後、次いで、摩擦駆動機構によって、燃料棒がそれ自体の軸まわりに長手方向に回転され、それによって作業者は、棒の外表面全体を検査することができる。この点に関連して、輝度を調整することができる接線方向の照明によって、有資格者による欠陥の検出が容易になることを指摘しておく。
しかし、外観検査作業中、燃料棒から放たれる光線から作業者を保護するという明白な目的で、棒と作業者の間に鉛ガラス・スクリーンを設けられなければならない。したがって、スクリーンの存在に関する主な欠点は、それが厚さ約100mmであり、よって完全に透明ではないということである。さらに、時間がたつとスクリーン上の引掻きの程度が増大し、それによって作業者の視野がかなり制限される。
このような状況のもと、汚れの表面積、溝の深さなど、ある種の欠陥の評価、さらには溶接ビードの着色の評価さえも実施することが比較的困難になる。したがって、作業者が何らかの疑いを持った場合、別の作業者が再検査するために、問題の棒は脇によけられ、その結果、直接的に、著しい時間の無駄が生じ、棒の生産コストが少なからず増大する。
この外観検査技術の実施は、測定手段を持たない作業者の存在に直接的に関連する欠点を有することも指摘しておく。
つまり、寸法、深さ、着色について評価する必要のある欠陥の場合、結果の判定は、かなりの程度まで、作業者の経験及び疲労によって決まり、しかも、保護用の鉛エプロンの着用及びこのタイプの検査ステーションに必要な極限の持続的注意力によって疲労は増大する。その結果、特に、作業者が幾何的欠陥を検出したがその深さの評価を誤ったとき、その作業者は、誤って不合格を出すようになり、又はそれとは逆に、許容できない欠陥を考慮しなくなることがある。
最後に、生産するためには、一般に、燃料棒の外観検査分野における有資格者が多数必要であり、それによって、必然的に生産コストが高くなる。
したがって、本発明の目的は、上記に述べた従来技術に関連する欠点を少なくとも部分的に克服する、原子炉用燃料棒の外観検査装置及び検査方法を提案することである。
より具体的には、本発明の目的は、人による判定が、誤った不合格及び/又は棒の外観の品質を著しく悪化させる欠陥の検出の見逃しを招く解釈及び危険を生じかねない、従来技術で提案されている解決策とは違って、少なくとも上記で述べた欠陥の一部分について、時間が経過しても、信頼性が高く、厳密で、再現性のある判定をもたらすことを可能にする適切な器具(tooling)を使用して燃料棒の外観を検査する装置及び検査方法を提供することである。
この目的を達成するために、本発明の第1の目的は、少なくとも1つのカメラを有し、検査すべき各棒上に存在する幾何的欠陥を検出することができる画像収集処理システムに連結されている光学手段を備え、画像収集処理システムによって検出された各幾何的欠陥の深さを測定するように制御される、粗さ測定器をさらに備える、原子炉用燃料棒の外観検査装置である。
有利には、本発明による検査装置により、上記に述べたような幾何的欠陥の検出は、もはや人の目では実施されず、前記タイプの欠陥を検出することができる画像収集処理システムに結合された、カメラなどの光学手段により自動的に実施される。画像収集処理システムが幾何的欠陥を検出すると、次いで、たとえばその欠陥が許容可能であるかどうかを判定するために事前に定めた値と比較する目的で、粗さ測定器が、前記欠陥の深さを測定することができるように制御される。
このように、従来技術において生じる、作業者の疲労及び判定に関連する問題は、棒上に存在する幾何的欠陥を検出する作業だけでなく、欠陥の深さを評価する作業においても完全に解消される。その結果、燃料棒を誤って不合格にする危険が実質的にゼロまで低減され、それが生産コスト及び検査時間の節約に直接反映される。
有利には、光学手段は、棒との間に防護用の鉛ガラス・スクリーンを配置せずに、棒の外観を走査することができることを指摘しておきたい。このようにして、本発明による装置は、非常に小さいサイズの幾何的欠陥を、肉眼で見ることが難しい欠陥さえも検出することができる。
さらに、本装置が適切に動作するのに必要な従来型の処理電子機器を、燃料棒が発する光線を結果的に受けないように、影響を受けやすい区域から簡単に移動させることができる。
さらに、好ましくは生産サイクルの最後に棒の外観を検査することを意図する本発明の検査装置は、有資格者を必要とせずに連続的に動作させることができる。
やはり有利には、光学手段及び粗さ測定器が燃料棒付近に存在するため、非常に小さいスペースしか占めない。
この点に関連して、従来型の粗さ測定器、たとえば光学式粗さ測定器(optical roughness tester)によって得られる測定精度は、本発明におけるニーズに必要とされる精度に完全に適合することを指摘しておく。さらに、測定器は、有利には、幾何的欠陥の深さの測定を実施するために棒に接触する必要がなく、測定器と棒の間に水素化物質の存在さえも必要がなく、その構造は、どんな場合においても、明確な安全、危険(criticity)上の理由から明白に排除される。
さらに、本発明による装置は、有利には、幾何的欠陥とは別のタイプの欠陥を検出するために、光学手段及び画像収集処理システムを使用することができることを指摘しておく。実際、画像収集処理システムは、二次元演算ソフトウェア(two dimension provessing software)タイプのものであり、したがって、棒の外表面上の油の痕跡及び異物の存在、さらには同じ表面上の所定値よりも大きい表面積の黒又は色付きマークの存在など、全ての清浄性欠陥を完全に検出することができる。
同様に、このシステムは、溶接ビードにおけるピッチング、ブリスタ、亀裂、溢れ、不足、垂れ、さらには着色欠陥など、エンド・キャップ溶接部の外観欠陥をも全て検出することができる。
優先的には、この検査装置は、
―互いに実質上平行に並んで配置された複数の燃料棒を備えるプラットフォームをその上に配置できる移動スタンドであって、棒がスタンドの長手方向に平行に位置するようにプラットフォームがスタンド上に配置される、移動スタンドと、
―移動スタンドの長手方向に平行に移動することのできるトロリ(台車)と、
―トロリ上に取り付けられ、トロリに関して、移動スタンドの横方向に平行に移動することのできる検査測定ヘッド用支持体と、
―少なくとも光学手段及び粗さ測定器を備える検査測定ヘッドと、
―各棒をそれ自体の長手方向軸に沿って回転させることのできる、燃料棒を回転させる手段と、
―特に画像収集処理システムを備える、電子コンピュータ・アセンブリ(electronic and computer assembly)と、
―移動スタンド上に設けられ、スタンドに対するトロリの位置を電子コンピュータ・アセンブリに送達することのできる、コーディング・ルーラ(coding ruler)と
を備える。
有利には、この特定の構成によって、たとえば束として水平方向に配置された複数の棒を検査することが可能になり、またこの検査を、優先的には本装置を構成する様々な要素の移動及び動作の全てを制御することができるように設けられている電子コンピュータ・アセンブリによって、自動的に行うことが可能になる。この点に関連して、移動スタンド上のコーディング・ルーラの存在によって、検出された欠陥の完全な位置確認が可能になり、次いで、それによって粗さ測定器の精確な移動及び位置決めができるようになり、それにより粗さ測定器が異なる検出された幾何的欠陥の深さを測定することができることを特に指摘しておく。
好ましくは、棒ごとに、当該の棒の長さに沿ってトロリが複数回移動することにより、光学手段が棒の外表面の走査を実施することが可能になる。各移動は棒の所与の角度位置について行われる。その結果、当該の棒のいくつかの角度位置を慎重に調整することによって、トロリの前後運動を数回実施することにより、前記棒の外表面全体の走査を簡単に行うことができる。各前後運動は、外表面の特定の角度部分の検査を意図するものである。
さらに、棒の外表面の走査中、光学手段は、複数の画像を画像収集処理手段に送達することができ、棒から送達された各画像は、前記棒の角度位置、及び移動スタンドに対するトロリの位置を示すアドレスに関連付けられるようにすることができる。
好ましくは、上記で述べたように、画像収集処理システムによって棒上に少なくとも1つの幾何的欠陥が検出されたとき、光学手段により送達された画像に関連付けられたアドレスによって、電子コンピュータ・アセンブリが、粗さ測定器を、検出された各幾何的欠陥の深さを測定することができるように移動させることができる。
光学手段は、好ましくは、複数の第1のカメラ及び複数の第2のカメラを備え、前記第1及び第2のカメラは電子結合素子カメラ(CCDカメラ)であり、それぞれが、隣接する少なくとも2本の燃料棒を同時に走査することができる。
やはりまた、好ましくは、第1のカメラ及び第2のカメラは検査測定ヘッド用支持体上に組み付けられたプレート上に取り付けられ、第2のカメラは、検査すべき燃料棒が回転したとき、前記棒それぞれのエンド・キャップの切頭表面(trancated surface)を走査することができるように配置される。
さらに、粗さ測定器は、優先的には、検査測定ヘッド用支持体上に組み付けられた吊り上げプレート上に、検出された各幾何的欠陥の深さの測定を実施するために各棒に近づくことができるように取り付けられる。
本発明の好ましい実施例において、検査測定ヘッドは、検査すべき各燃料棒上に存在する油の痕跡など、清浄性欠陥の検出を可能にするダイオード検出器及び照明ランプをさらに備える。よって、ダイオード検出器は、必要なら、上記に述べた画像収集処理システムに結合されている光学手段による検出が難しい油の痕跡の検出に使用することができる。
勿論、ダイオード検出器と照明ランプの連結を使用して、当該の棒によって生成される光反射を実質的に変化させる可能性の高い他のどんな要素も確実に検出できるようにすることができる。
最後に、電子コンピュータ・アセンブリは、検査すべき棒ごとに、実施された検査の結果ファイルを送達及び/又はメモリに記憶することができる情報手段を備えるようにすることができる。例を挙げると、この結果ファイルは、たとえば「合格」「不合格」「再検査」を示し、「不合格」「再検査」の場合は検出された欠陥のアドレス及び/又は画像も示すことができる。
本発明の別の目的は、原子炉用燃料棒の外観検査方法であり、この方法は、
−少なくとも1つのカメラを有し画像収集処理システムに連結されている光学手段によって、検査すべき各棒上に存在する幾何的欠陥を検査する段階と、
−幾何的欠陥の検出段階中に、粗さ測定器によって、検出された各幾何的欠陥の深さを測定する段階とを含む。
優先的には、幾何的欠陥検出段階は、光学手段によって棒ごとに棒の外表面を走査する動作を含み、その走査動作は、当該棒の長さに沿った光学手段の複数回の移動によって実施される。各移動は各棒の所与の角度位置について実施される。
棒の外表面の走行動作中、光学手段は、好ましくは、複数の画像を画像収集処理システムに送達する。棒から送達された各画像は、前記棒の角度位置、及び光学手段が取り付けられたトロリの、移動スタンドに対する位置を示すアドレスに関連付けられる。
好ましくは、画像収集処理システムによって、棒上に少なくとも1つの幾何的欠陥が検出されたとき、粗さ測定器が検出された各幾何的欠陥の深さを測定することができるように、光学手段によって送達された画像に関連付けられたアドレスにより、粗さ測定器の移動が実施される。
好ましくは、検出された各幾何的欠陥の深さの測定は、当該棒に粗さ測定器を近づけることによって実施される。
さらに、棒の外表面の走査動作は、複数の第1のカメラ及び複数の第2のカメラによって実施され、第1のカメラ及び第2のカメラが、電荷結合素子カメラであり、それぞれが、隣接する少なくとも2本の燃料棒を同時に走査するようにすることができる。
本発明の好ましい実施例において、検査方法は、ダイオード検出器及び照明ランプによって実施される検査すべき各燃料棒上に存在する油の痕跡などの清浄性欠陥を検出する動作をさらに含む。
最後に、本方法は、好ましくは、検査された棒ごとに、実施された検査の結果ファイルが送達される段階を含む。
本発明の他の利点及び特徴は、以下の非限定的な実施例を読めばより明らかになろう。
実施例では、添付の図面に関して説明する。
図1、2を参照して、本発明の好ましい実施例による原子炉(図示せず)用燃料棒2の外観検査装置1を説明する。
装置1は、棒2の生産サイクルの最後に、棒2の外表面2aの外観検査の実施を可能にするためのものであることを指摘しておく。したがって、装置1は、棒2の外表面2aの表面状態を検証するように設計され、必要な品質の要件に関する任意の許容できない欠陥の存在を検出することができ、欠陥の捜索は、上記の背景技術の項で詳細に述べたものと同じタイプのものである。
この点に関連して、棒2の「外表面2a」という表現は、棒2の主な被覆管3の外表面、主な被覆管3をエンド・キャップ6に連結する溶接ビード4、特に図3aに示したエンド・キャップ6の外表面を含むと理解されることを指摘しておく。エンド・キャップ6の切頭表面68は、一般に、キャップ6の末端表面と呼ばれ、棒2の外表面2aの一部分をなすことを指摘しておく。
図1、2において、装置1は移動スタンド8を備えており、スタンドは、本質的に、地面14に固定された脚部12に取り付けられた枠組10からなることが分かる。実質上矩形の枠組10は、優先的には、地面14に平行に位置し、図1に左右矢印(double arrow)16で示したスタンド8の長手方向に沿って長手方向に、図1に左右矢印18で示したスタンド8の横方向に沿って横方向に延びている。
このように、移動スタンド8の枠組10は、地面14に平行な実質上水平の平面20を画定し、その平面20上には、互いに実質上平行に並んで配置された複数の棒2を備えるプレート22を配置することができる。さらに、生産サイクルの最後に、たとえば32本の要素の束をなすように燃料棒2がその上に位置するプレート22は、前記棒2がスタンド8の長手方向16に平行に、したがって枠組10の平面20に実質上平行に配置されるように、スタンド8にもたらされる。矩形部分23は、プレート22を受けるように特に寸法設定され、枠組10の平面20のレベルに設けられることも指摘しておく。このようにして、プレート22はスタンド8に関して主位置をとることができ、主位置は、棒2の外観検査動作を適切に穏やかに行うこと(proper unwinding)において重要な面である。
さらに、装置1の移動スタンド8は、矩形部分23の両側に配置されスタンド8の長手方向16に実質上平行に延びる2本の梁24を備える。各梁24上には、スタンド8の長手方向16に平行にトロリ28の移動を可能にする走行レール26が配置されている。
図1に見られるように、トロリ28を自由にするため、またその結果、以下で説明するように燃料棒2のエンド・キャップ6の切頭表面68が確実によく検査されるようにするために、走行レール26はプレート22よりも長さが長くなっている。
したがって、検査装置1のトロリ28は、優先的には、ステップ・モータ及び歯付きベルト(図示せず)によって、スタンド8の走行レール26に沿って移動することができる。モータは、電子コンピュータ・アセンブリ30の一部分をなしその主な機能が検査装置1の完全な自動化にある、制御手段32によって制御される。アセンブリ30は、コンピュータ、マルチプレクサさらには供給モジュール(supply module)などの従来の要素を備え得ることが明らかであり、したがって、当業者には分かりきった性質のものなのでより詳しくは説明しない。一方、アセンブリ30の本発明に特有の要素については、当然以下に説明する。
移動スタンド8は、移動スタンド8に対するトロリ28の位置を電子コンピュータ・アセンブリ30に好ましくは連続的に送達することを可能にするコーディング・ルーラ(図示せず)を備える。
検査測定ヘッド36の支持体34は、図1、2に明確に示すように、装置1のトロリ28上に取り付けられている。これらの図において、支持体34がトロリ28に関してスタンド8の横方向18に平行に移動できるように、同じ方向に実質上平行に延びる走行レール38上に支持体34が位置することが実際に分かる。
この特定の構成の場合、トロリ28に関する支持体34の慎重な(judicious)移動、及び移動スタンド8に関するトロリ28の慎重な移動を実施することにより、結果的に、検査測定ヘッド36が、32本の要素の束としてプレート22上に位置する棒2によって形成される上側表面全体をカバーすることができることが明らかである。
繰り返しになるが、トロリ28上における支持体34の移動は、優先的にはステップ・モータ及び歯付きベルト(図示せず)によって実施され、モータは、好ましくは、電子コンピュータ・アセンブリ30の制御手段32によって制御されることを指摘しておく。
支持体34と一体になった検査測定ヘッド36は、優先的には、複数の電荷結合素子カメラ42、42’の形をとる、光学手段40を備える。図1、2に述べて示した好ましい実施例において、光学手段40は、4つの第1のカメラ42及び4つの第2のカメラ42’を備える。さらに、第2のカメラ42’は、棒2のエンド・キャップ6の切頭表面68を走査するためのものであり、それに対して、第1のカメラ42は、エンド・キャップ6の切頭表面68を除く、棒2の外表面2a全体を走査するためのものであることを指摘しておく。この点に関連して、第1のカメラ42によって検査される表面は、実質上円筒形であり、円形部分の表面であることを指摘しておく。
好ましくは、第1のカメラ42のグループ及び第2のカメラ42’のグループはそれぞれ、横方向18に平行にカメラの列の形になっており、隣接する8本の棒2を同時に走査することが意図されている。さらに、各カメラ42、42’は、その視野内に、隣接する2本の棒2を有するように有効に調整される。カメラ42、42’の数及び同時に走査することができる棒2の数は、明らかに、本発明の範囲を逸脱することなく、必要に応じて適合させることができる。
順次走査タイプの4つの第1のカメラ42は、カメラ42の各光学軸46が、その視野内にある2つの棒2に実質上垂直に、図2に明確に示すように枠組10の平面20に実質上垂直に配置されるように、支持体34上に組み付けられたプレート44上に取り付けることが好ましい。
さらに、4つの第2のカメラ42’も、プレート44上に、ただしエンド・キャップ6の切頭表面68を正確にとらえることができるように取り付けることが好ましい。したがって、図3aに明確に示すように、第1のカメラ42は実質上垂直方向に取り付けられ、一方第2のカメラ42’は角度をつけて取り付けられる。
カメラ42、42’は、それが連結されている画像収集処理システム48に棒2の画像を送達することができる。画像収集処理システム48は、二次元演算ソフトウェア・タイプのシステム48であり、電子コンピュータ・アセンブリ30の一部分をなす。
したがって、システム48は、カメラ42、42’によって送達された画像から、画像の従来どおりの処理に続いて、燃料棒2上に存在する上記の背景技術の項に示したものと同様な幾何的欠陥などの欠陥を検出することができる。当然ながら、画像収集処理システム48は、棒2の外表面2a上の油の痕跡及び異物の存在、さらには表面2a上の所定値よりも大きい表面積の黒又は色付きマークの存在など、清浄性欠陥を検出することもできる。
その上、システム48はさらに、溶接ビード4におけるピッチング、ブリスタ、亀裂、溢れ、不足、たるみさらには着色欠陥など、エンド・キャップ6の外観欠陥を全て検出することができる。
検査測定ヘッド36は粗さ測定器50も備える。粗さ測定器は、支持体34上に組み付けられている吊り上げ板52上に、吊り上げ板52が後退位置にあるとき実質的に支持体のレベルに配置され、吊り上げ板52が突出位置にあるとき棒2付近に配置されるように取り付けられている。この突出位置は、システム48で検出された幾何的欠陥の深さの測定を実施するためにとられる位置であり、枠組10の平面20に実質上垂直方向に、地面14の方に向かって吊り上げ板52を移動させることによって得られる位置であることに留意されたい。
この点に関連して、吊り上げ板52の移動は、優先的には、アセンブリ30の制御手段32によって確実になされる。
一般的に、検出された幾何的欠陥の深さを確実に測定することのできる粗さ測定器50は、PERTHOMETER(登録商標)又はCONFOCAL(登録商標)タイプの光センサ粗さ測定器(optical sensor roughness tester)であり、その測定の範囲は、±300μである。
さらに、粗さ測定器50によって取得されたデータは、アセンブリ30の一部分をなす取得処理手段51に送られる。次いで、検出された欠陥の深さを決定するために、手段51が、受け取ったデータを処理し、次いで、深さ測定値を前記アセンブリ30の中央メモリ55に転送することができることを指摘しておく。
特に図1を参照すると、ヘッド36は、好ましくは連続的で安定した照明を確実に行えるようにする、照明ランプ54を備える。例を挙げると、2つのランプ54を、スタンド8の横方向18に平行に、それぞれ光学手段40の両側に配置することができる。
カメラ42、42’が良い品質の画像を撮影するようにするランプ54の働きの他に、ランプ54を、支持体34と一体になったダイオード検出器56に連結して配置することもできる。この連結によって、以下により詳細に述べるように、棒2の外表面2a上に存在する、油の痕跡などの清浄性欠陥を検出することができるようになる。したがって、ダイオード検出器56を使用して、必要なら、上記で述べた画像収集処理システム48に結合された光学手段40による検出が難しい油の痕跡を検出することができる。
好ましくは、支持体34上に燃料棒2に対して垂直に位置決めできるように配置されている各ダイオード検出器56は、その測定野(mesurement field)が当該棒2上に合焦されるレンズを備え、照明ランプ54から発光され棒2の外表面2aで反射された光を受けることができる。さらに、検出器56は、管理モジュール57に連結されている。管理モジュール57は、アセンブリ30の一部分をなし、特に、検出器56によって送達された「全部」「無」の結果の取得が可能である。
例を挙げると、本発明の好ましい実施例では、検出器56は、諸照明ランプ54に実質上平行に、したがってスタンド8の横方向に実質上平行に延びる列を形成するように、互いに並んで配置されている。
特に図2を参照すると、図では、検査装置1が、好ましくは装置1の脚部12上に組み付けられた、棒2を回転させる手段58をさらに含むことが分かる。
手段58は、垂直方向に伸縮式であり、言い換えれば、手段58を、スタンド8に関して、図2に左右矢印60で示した垂直方向に沿って、すなわち枠組10の平面20に対して垂直に移動させることができる。このように、優先的には制御手段32によって制御されるステップ・モータ(図示せず)を活動化させることによって、手段58の駆動ベルト62と棒2の外表面2aの下側部分に恒久的に接触して配置されている手段(図示せず)との接触を確立し、切り離すことが可能になる。この図2の特定の方法では、他のベルトが図示した1本のベルトに隠れていることが示唆されるので、図2において単一の駆動ベルト62だけが見えることを指摘しておく。ただし、駆動ベルト62は、長手方向16に沿って、互いに間隔をおいて、好ましくは等間隔で、たとえば約400mm間隔で配置される。
さらに、駆動ベルト62は、その上側部分がスタンド8の横方向18に実質上平行な方向に移動することができるように、やはり優先的には制御手段32によって制御されるステップ・モータ(図示せず)によって動かされる。
この点に関連して、駆動ベルト62によって駆動され得るローラが一体として載っている踊り場(landing)上に棒2が位置するように、棒2が、手段58によって、当業者には公知であるがここでは示さない方法で移動できることを指摘しておく。さらに、プレート22には、駆動ベルト62が横切ることができるように、穴が開けられており、それによって駆動ベルト62と棒2を支持するローラとの間の接触が可能になる。
したがって、駆動ベルト62が実際に移動し、棒2を支持するローラと接触するとき、駆動ベルトは前記棒2を全てそれ自体の長手方向軸に沿って回転させる。
このようにして、トロリ28の前後運動を数回実施することにより、検査測定ヘッド36によって各棒2の外表面2a全体を検査することが可能になる。トロリ28の各前後運動は、検査すべき棒の全長に沿って、棒2の所与の角度部分ごとに実施される。
光学手段40が画像を画像収集処理システム48に送達する間、電子コンピュータ・アセンブリ30は、画像を、当該棒2の角度位置、及び上記で述べたコーディング・ルーラによって送達される、移動スタンド8に対するトロリ28の位置を示すアドレスに関連付けすることができることを指摘しておく。さらに、システム48で処理され、1つ又は複数の欠陥が検出された画像は、上記で述べた内容のアドレスにそれぞれ関連付けられて、アセンブリ30の中央メモリ55に転送されることができる。
最後に、装置1のアセンブリ30は、検査した棒2ごとに、実施した検査の結果ファイルを送達及び/又はメモリ記憶することのできる情報手段66を備える。以下でより詳しく説明するように、結果ファイルは、「合格」、「失格」又は「再検査」、並びに「失格」「再検査」の場合は検出された欠陥のアドレス及び/又は画像を示すことができる。
ここまで述べてきた外観検査装置1は、図3a〜3c及び図4を参照して以下に具体的に述べる好ましい方式で動作させることができる。
まず、図3a〜3cを参照して、棒2の外表面2a上で長手方向又は円周方向の溝の形をとることがあり得る欠陥など、幾何的欠陥の検出を目的とした外観検査動作中の装置1の動作について述べる。溝は25μより深い所に達したとき欠陥とみなすことができる。さらに、そうした欠陥には、やはり棒2の外表面2aのレベルにある、衝撃、コーキンさらには材料の剥がれも含まれ得る。
まず、枠組10上にその目的で設けられた矩形部分23にプレート22がもたらされるように、32本の棒2を備えるプレート22が移動スタンド8の方向にたとえば自動的に運ばれる。
次いで、到着位置から棒を自由にさせるために、棒が関連するローラ上に位置するように、制御手段32によって、棒を回転させる手段58が活動化される。
このとき、トロリ28は、スタンド8に載り図1に破線で示したように長手方向16に棒2より完全に向こう側に位置する、スタート位置をとる。さらに、トロリ28上には、検査測定ヘッド36が32本の要素の束の端に配置された最初の8本の棒2を検査することができるように、その支持体34が位置決めされる。
図3aに示すように、トロリ28がスタート位置をとるとき、傾いた第2のカメラ42’の光学軸46’は、一般にキャップ6の末端表面と呼ばれその外表面の一部分をなす、エンド・キャップ6の切頭表面68に実質上垂直である。さらに、切頭表面68は、棒2の長手方向軸74に等しい主軸を有する。例を挙げると、第2のカメラ42’の光学軸46’は、枠組10の平面20に平行な水平面に対して45度傾けてよい。言い換えれば、光学軸46’は、地面14に垂直な平面内において、棒2の長手方向軸74に対して約45度の角度A’をなす。
次いで、4つの第2のカメラ42’がそれぞれ画像を撮影し、次いで、画像収集処理システム48に送る。システムは、画像を受けるとすぐに処理を実施し始める。記述した好ましい実施例において、第2のカメラ42’が撮影する各画像は、隣接する2本の棒2にそれぞれ属する2つの切頭端表面68の表現を含むことに留意されたい。
並行して、前記エンド・キャップ6の外表面の残り部分、棒2の被覆管3及び溶接ビード4の外表面の走査を開始するために、制御手段32によってトロリ28がエンド・キャップ6に向けて移動される。この点関連して、検査すべきエンド・キャップ6の外表面の残り部分は、実質上円筒形であり円形部分の外表面であり、被覆管3の外表面の延長部を構成することを指摘しておく。
そうするために、トロリ28は、図3bに概略的に示すように、棒2の全長に沿って、走行レール26上を移動する。次いで、第1のカメラ42が、定期的に、スタンド8に対するトロリ28の精確な位置に対して画像を撮影し、それによって、同じ第1のカメラ42でとらえることができる棒2の外表面2aの上側部分が完全に走査される。この点に関連して、トロリ28の位置の精密さは、移動スタンド8が備えるコーディング・ルーラによって簡単に確保されることを指摘しておく。
各画像が撮影された後、その画像はシステム48に直接送達され、次いで、システム48によって分析される。その間、トロリ28は、第1のカメラによって次の画像を撮影すべき位置まで戻るために移動する。
システム48によって1つ又は複数の幾何的欠陥が検出された場合、それに対応する画像が、当該棒2の角度位置及び移動スタンド8に対するトロリ28の位置を示すアドレスにそれぞれ関連付けられて、中央メモリ55に転送される。一方、何の幾何的欠陥検出の問題もない画像は、メモリに保存しないことが好ましい。しかし、任意の期間、たとえばほぼ数日間、そうした画像をCD−ROMなどの記録支持体に圧縮して記憶することにより、画像の記憶を実施することもできる。
このようにして、制御手段32により、トロリ28は一定の速度で最終位置まで移動され、そこでスタンド8に載り、やはり図1に破線で示すように、棒2のキャップ6とは反対側の端部に向いて配置される。
この最終位置に到達した後、制御手段32によって、棒2を回転させる手段58が活動化され、それによって、検査された8本の棒2がそれ自体の長手方向軸に沿って旋回される。その結果、当該の燃料棒2の外表面2aの別の角度部分の検査のために、燃料棒2が以前とは異なる角度位置に位置決めされる。
回転が実施されたとき、トロリ28の最終位置からスタート位置までの移動中に、被覆管3及びキャップ6の外表面の走査、及び溶接ビード4の走査が再び実施される。以前と同様にして、第1のカメラ42及び第2のカメラ42’によって撮影された少なくとも1つの幾何的欠陥の検出の問題がある画像は、中央メモリ55に記憶される。
例を挙げると、回転させる手段58は、棒2を12回回転させるとその外表面2aが完全に走査されるようにプログラムされる。そうした場合、制御手段32によって、トロリ28は隣接する8本の棒2上の前後運動を6回実施するように制御される。各前後運動は、棒2の所与の角度位置に対応する。
トロリ28が前後運動を全て実施し、幾何的欠陥がある画像がアセンブリ30の中央メモリ55に転送された後、検出された各幾何的欠陥の深さを測定するために、制御手段32によって粗さ測定器50が移動される。
したがって、検出された幾何的欠陥ごとに、制御手段32によって、トロリ28、支持体34及び回転させる手段58が制御され、それによって粗さ測定器50が当該幾何的欠陥に向けて配置される。移動は、記憶されている欠陥を含む画像のアドレスに応じて、かつ画像上の前記欠陥の位置に応じて実施されることは明らかである。
次いで、図3cに示すように、粗さ測定器50が検出された欠陥70付近に配置されるように、制御手段32によって吊り上げ板52が移動される。例を挙げると、粗さ測定器50が、検出された欠陥70から10mmのところに配置されるように、板52が垂直に下方に移動される。
次いで、粗さ測定器50が測定を実施し、収集されたデータが取得処理手段51に直接送られ、それによって取得処理手段51により欠陥70の深さを決定することができる。
したがって、この動作が必要な回数だけ繰り返されて、全部の幾何的欠陥の深さが測定され、次いで、その深度がアセンブリ30の中央メモリ55にある画像に関連付けられる。
幾何的欠陥に関して最初の8本の棒2の検査が終了すると、次に、トロリ28は上記に述べたスタート位置に移動し、次いで、図2に細い線で示すように、ヘッド36が次の8本の棒2を検査することができるように、支持体34もトロリ28に対して移動する。
以下に述べる全ての動作が、次の8本の棒2についてと同様に、隣接する8本の棒2の残りの別の2組についても実施される。
やはり例を挙げると、別の解決策は、隣接する8本の棒2の第1組の第1の角度部分の検査に続いて、トロリ28が、第1組の第2の角度部分ではなく隣接する8本の棒2の第2組の第1の角度部分を検査するように、制御手段32によってトロリ28が制御されるようにすることであり得る。
したがって、上記に述べたような実施例とは逆に、32本の棒2それぞれの同じ角度部分をまとめて検査するために、トロリ28が一連の前後運動を実施する。角度部分が全て検査された後、制御手段32によって棒2を回転させる手段58が活動化され、それによって、トロリ28が次の角度部分を検査することができるように全ての棒2の旋回が引き起こされる。
さらに、トロリ28が前後運動を実施する間、幾何的欠陥が検出された直後、検出された幾何的欠陥の深さを測定するために、制御手段32によって直ちに粗さ測定器50が移動される。
上記で述べたうちのどんな解決策でも、棒2の束を検査する場合、トロリ28は、支持体34と一体になった、各棒2上にあるバー・コード(図示せず)を読み取るができる読取装置(図示せず)を備える。
したがって、読取装置がバー・コードを読み取ったとき、当該棒2について知り得た情報全てが、実施した検査の結果ファイルを送達及び/又はメモリ記憶することのできる情報手段66に転送される。
棒2のバー・コードを表す結果ファイルは、画像収集処理システム48によって幾何的欠陥が検出されなかったとき、まず「合格」を示すことができる。
さらに、システム48によって少なくとも1つの幾何的欠陥が検出された場合、結果ファイルは、好ましくは「失格」を示す。この場合、ファイルは、有利には、それぞれのアドレス及び関連した深度に関連付けられた、検出された欠陥の画像も含むことができる。
検出された幾何的欠陥が、事前に定めた深度、たとえば25μを超えていない場合、欠陥の存在が棒2の表面状態の品質に大きな悪影響を及ぼすかどうかを判定するために、結果ファイルは「再検査」を示すことができることを指摘しておく。
棒2の外表面2a上の油の痕跡及び異物の存在、さらには表面2a上の所定値よりも大きい表面積の黒又は色付きマークの存在など、ある種の清浄性欠陥の検出動作は、溶接ビードにおけるピッチング、ブリスタ、亀裂、溢れ、不足、垂れ、さらには着色欠陥の形で存在することがある、エンド・キャップ6の溶接ビード4の外観欠陥の検出動作と同じく、幾何的欠陥の検出動作についての詳述と同様に、かつその幾何的欠陥の検出動作と同時に実施され得る。
実際、第1のカメラ42及び第2のカメラ42’が画像を画像収集処理システム48に送達するとき、システムは、幾何的欠陥と、清浄性欠陥又は溶接ビード外観欠陥とを区別することができる。このように、清浄性欠陥又は溶接ビード4外観欠陥が検出されるとき、画像はアドレスに関連付けられ直接中央メモリ55に転送されるが、当然、粗さ測定器50による測定動作は指令されない。
このようにして、棒2のバー・コードの読み取りに続いて、棒2について知り得た情報が情報手段66に転送される。その情報には、清浄性欠陥又は溶接ビード4外観欠陥が検出された場合に検査の結果ファイルが必ず「失格」を示すように、上記で述べたタイプの清浄性欠陥又は溶接ビード4外観欠陥に関するデータが含まれ得る。
カメラ42、42’と画像収集処理システム48の連結によって、棒2の外表面2a上に存在する油の痕跡タイプの清浄性欠陥の検出が十分に満足に示されない場合、ダイオード検出器56に結合された照明ランプ54によってそのタイプの欠陥の検出を実施することが可能である。
照明ランプ54による検出は、カメラ42、42’を使用する上述の動作と並行して実施されることは明らかである。
したがって、図4に示したように、上記で述べたトロリ28の移動中に、検出器56は、ランプ54から発光され棒2で反射された光を受ける。そうするために、検出器56の光学軸72は、優先的には、地面14に垂直な平面内において、棒2の長手方向軸74に対して約60度の角度Aをなす。
好ましくは、第1のカメラ42及び第2のカメラ42’が画像を撮影するとき、それと同時に管理モジュール57が、検出器56によって送達された「全部」「無」の結果を取得する。
その結果、検出器56がその視野内に棒2の外表面2aに付着している油の痕跡を有するとき、外表面2aからの反射がより強くなり、検出器56によって送達される信号が「無」から「全部」になる。このようにして、管理モジュール57によって次の取得が実施されている間、モジュール57には、所与のアドレスにおける油の痕跡の存在が通知され、したがってモジュール57は情報を中央メモリ55に転送することができる。
一般に、管理モジュール57は、各取得の後、ダイオード検出器56によって生成された信号をゼロに戻す。
したがって、もう一度、棒2のバー・コードの読み取り後に、棒2について知り得た情報が情報手段66に転送され、その情報には、油の痕跡タイプの清浄性欠陥が検出された場合、検査の結果ファイルが必ず「失格」を示すように、油の痕跡タイプの清浄性欠陥に関するデータが含まれ得る。
さらに、カメラ42、42’及び画像収集処理システム48があることによって、より具体的には、第1のカメラ42があることによって、欠陥検出動作中に、各棒2が実際に完全に回転されたことを検証することが可能になることを指摘しておく。
実際、各棒2は、被覆管3の外表面上に数回、たとえば4回刻まれた識別番号を有する。したがって、4つの同一の識別番号は、当該棒2のたとえばエンド・キャップ6付近の被覆管3の外表面の同じ長手方向レベル上に、その長手方向軸74に平行に前記軸まわりで90°ごとに刻まれている。
このようにして、トロリ28の第1の前進運動中、トロリ28が、棒2の識別番号が刻まれた特定のレベルのところに位置決めされるとき、関係する第1のカメラ42が画像を撮影し、中央メモリ55のメモリに入れる。得られた画像中で、目に見える識別番号の特定の位置によって、棒2の開始角度位置が定義される。
したがって、棒2の12個の検査角度位置がオーバーラップするように構成され、第1の画像と理論上同一である第12の画像とを比較することによって、棒2が完全に回転されたかどうかを判定することが可能になる。完全ではない場合、棒2の外表面2a全体を検査するために、さらに1回又は複数の増分を指令することができる。
勿論、第1のカメラ42によって撮影された第1の画像と最後の画像の比較は、画像収集処理手段48によって実施される。
本発明はまた、原子炉用燃料棒2の外観検査方法にも関する。方法は、ここまで述べてきた検査装置1によって実施することができ、少なくとも1つのカメラ42、42’を有し画像収集処理システム48に連結されている光学手段40によって、検査すべき各棒2上に存在する幾何的欠陥を検出し、次いで、幾何的欠陥検出段階中に、粗さ測定器50によって、検出された各幾何的欠陥の深さを測定するという主な段階を含む。
例を挙げて一義的に非限定的な形で上記に述べてきた装置1及び外観検査方法には、当業者によって様々な修正が加えられ得ることは明らかである。
本発明の好ましい実施例による燃料棒の外観検査装置の上面図である。 図1に示した検査装置の正面図である。 燃料棒の外観検査中に実施される様々な動作を概略的に示す、図1、2に示した検査装置の一部分の拡大側面図である。 燃料棒の外観検査中に実施される様々な動作を概略的に示す、図1、2に示した検査装置の一部分の拡大側面図である。 燃料棒の外観検査中に実施される様々な動作を概略的に示す、図1、2に示した検査装置の一部分の拡大側面図である。 燃料棒上の油の痕跡を検査する動作を概略的に示す、図1、2に示した検査装置の一部分の拡大側面図である。
符号の説明
1 外観検査装置
2 燃料棒
2a 燃料棒外表面
3 被覆管
4 溶接ビード
6 エンド・キャップ
8 スタンド
10 枠組
12 脚部
14 地面
16 スタンドの長手方向
18 スタンドの横方向
20 平面
22 プレート
23 矩形部分
24 梁
26、38 走行レール
28 トロリ
30 電子コンピュータ・アセンブリ
32 制御手段
34 支持体
36 検査測定ヘッド
40 光学手段
42 第1のカメラ
42’ 第2のカメラ
44 プレート
46 第1のカメラの光学軸
46’ 第2のカメラの光学軸
48 画像収集処理システム
50 粗さ測定器
51 取得処理手段
52 吊り上げ板
54 照明ランプ
55 中央メモリ
56 ダイオード検出器
57 管理モジュール
58 回転させる手段
60 垂直方向
62 駆動ベルト
66 情報手段
68 切頭表面
70 欠陥
74 燃料棒の長手方向軸

Claims (18)

  1. 原子炉用燃料棒(2)の外観検査装置(1)であって、少なくとも1つのカメラ(42、42’)を有し、検査すべき各棒(2)上に存在する幾何的欠陥を検出することができる画像収集処理修理システム(48)に連結されている光学手段(40)を備え、前記画像収集処理システム(48)によって検出された各幾何的欠陥の深さを測定するように制御される粗さ測定器(50)をさらに備えることを特徴とする、外観検査装置。
  2. 互いに実質上平行に並んで配置された複数の燃料棒(2)を備えるプラットフォーム(22)をその上に配置できる移動スタンド(8)であって、棒(2)が該スタンド(8)の長手方向(16)に平行に位置するように前記プラットフォーム(22)が前記スタンド(8)上に配置される、移動スタンド(8)と、
    前記移動スタンド(8)の長手方向(16)に平行に移動することのできるトロリ(28)と、
    前記トロリ(28)に取り付けられ、該トロリに関して前記移動スタンド(8)の横方向(18)に平行に移動することのできる、検査測定ヘッド用支持体(34)と、
    少なくとも前記光学手段(40)及び前記粗さ測定器(50)を備える、検査測定ヘッド(36)と、
    各燃料棒(2)をそれ自体の長手方向軸(74)に沿って回転させることのできる、燃料棒(2)を回転させる手段(58)と、
    前記画像収集処理システム(48)を特に備える電子コンピュータ・アセンブリ(30)と、
    前記移動スタンド(8)に設けられ、該スタンド(8)に対する前記トロリ(28)の位置を前記電子コンピュータ・アセンブリ(30)に送達することのできる、コーディング・ルーラと
    を備えることを特徴とする、請求項1に記載の外観検査装置(1)。
  3. 棒(2)ごとに、当該の棒(2)の全体に沿って前記トロリ(28)が複数回移動することによって、前記光学手段(40)が棒(2)の外表面(2a)の走査を実施することができ、前記各移動が前記棒(2)の所与の角度位置ごとに実施されることを特徴とする、請求項2に記載の外観検査装置(1)。
  4. 前記棒(2)の外表面(2a)の走査中、前記光学手段(40)が、複数の画像を前記画像収集処理システム(48)に送達することができ、前記棒(2)から送達された前記各画像が、該棒(2)の角度位置、及び前記トロリ(28)の前記移動スタンド(8)に対する位置を示すアドレスに関連付けられることを特徴とする、請求項3に記載の外観検査装置(1)。
  5. 前記画像収集処理システム(48)によって、棒(2)上に少なくとも1つの幾何的欠陥が検出されたとき、前記電子コンピュータ・アセンブリ(30)が、前記光学手段(40)によって送達された前記画像に関連付けられたアドレスにより、前記粗さ測定器(50)を検出された各幾何的欠陥の深さを測定することができるように移動させることができることを特徴とする、請求項4に記載の外観検査装置(1)。
  6. 前記光学手段(40)が、複数の第1のカメラ(42)及び複数の第2のカメラ(42’)を備え、これら第1のカメラ(42)及び第2のカメラ(42’)が、電荷結合素子カメラであり、それぞれ、隣接する少なくとも2本の燃料棒(2)を同時に走査することができることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の外観検査装置(1)。
  7. 前記第1のカメラ(42)及び前記第2のカメラ(42’)が、前記検査測定ヘッド用支持体(34)上に組み付けられたプレート(44)上に取り付けられ、前記第2のカメラ(42’)が、検査すべき各燃料棒(2)のエンド・キャップ(6)の切頭表面(68)を走査することができるように配置されることを特徴とする、請求項6に記載の外観検査装置(1)。
  8. 前記粗さ測定器(50)が検出された各幾何的欠陥の深さの測定を実施するために各棒(2)に近づくことができるように、前記検査測定ヘッド用支持体(34)上に組み付けられた吊り上げプレート(52)上に前記粗さ測定器(50)が取り付けられることを特徴とする、請求項2から7までのいずれか一項に記載の外観検査装置(1)。
  9. 前記検査測定ヘッド(34)が、検査すべき各燃料棒(2)上に存在する清浄性欠陥を検出することができるダイオード検出器(56)及び照明ランプ(54)をさらに備えることを特徴とする、請求項2から8までのいずれか一項に記載の外観検査装置(1)。
  10. 前記電子コンピュータ・アセンブリ(30)が、検査された棒(2)ごとに、実施された検査の結果ファイルを送達及び/又はメモリ記憶することができる情報手段(66)を備えることを特徴とする、請求項2から9までのいずれか一項に記載の外観検査装置(1)。
  11. 原子炉用燃料棒(2)の外観検査方法であって、
    少なくとも1つのカメラ(42、42’)を有し画像収集処理システム(48)に連結されている光学手段(40)によって、検査すべき各棒(2)上に存在する幾何的欠陥を検出する段階と、
    前記幾何的欠陥検出段階中に、粗さ測定器(50)によって、検出された各幾何的欠陥の深さを測定する段階と
    を含むことを特徴とする、外観検査方法。
  12. 前記幾何的欠陥検出段階が、棒(2)ごとに、前記光学手段(40)によって前記棒(2)の外表面(2a)を走査する動作を含み、前記走査動作が、当該の棒(2)全体に沿った前記光学手段(40)の複数回の移動によって実施され、前記各移動が、前記棒(2)の所与の角度位置ごとに実施されることを特徴とする、請求項11に記載の外観検査方法。
  13. 前記棒(2)の外表面(2a)の走査動作中、前記光学手段(40)が、複数の画像を前記画像収集処理システム(48)に送達し、前記棒(2)から送達された各画像が、前記棒(2)の角度位置、及び前記光学手段(40)がその上に取り付けられているトロリ(28)の移動スタンド(8)に対する位置を示すアドレスに関連付けられることを特徴とする請求項12に記載の外観検査方法。
  14. 前記画像収集処理システム(48)によって棒(2)上に少なくとも1つの幾何的欠陥が検出されたとき、前記粗さ測定器(50)が検出された各幾何的欠陥の深さを測定することができるように、前記光学手段(40)によって送達された画像に関連付けられたアドレスにより、前記粗さ測定器(50)の移動が実施されることを特徴とする請求項13に記載の外観検査方法。
  15. 前記検出された各幾何的欠陥の深さの測定が、前記粗さ測定器(50)が当該の棒(2)に近づくことによって実施されることを特徴とする請求項11から14までのいずれか一項に記載の外観検査方法。
  16. 前記棒(2)の外表面(2a)の走査動作が、複数の第1のカメラ(42)及び複数の第2のカメラ(42’)によって実施され、前記第1のカメラ(42)及び前記第2のカメラ(42’)が、電子結合素子カメラであって、それぞれ、隣接する少なくとも2本の燃料棒(2)を同時に走査することを特徴とする、請求項12から15までのいずれか一項に記載の外観検査方法。
  17. ダイオード検出器(56)及び照明ランプ(54)によって実施することができる、検査すべき各燃料棒(2)上に存在する清浄性欠陥を検出する動作をさらに含むことを特徴とする、請求項11から16までのいずれか一項に記載の外観検査方法。
  18. 検査された棒(2)ごとに、実施された検査の結果ファイルが送達される段階を含むことを特徴とする、請求項11から17までのいずれか一項に記載の外観検査方法。
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