【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光活性、抗菌性、親水性、耐汚染性、防曇性、ガス分解性、脱臭性、水処理性、エネルギー変換性等の性質に優れた半導体膜を提供する半導体微粒子分散液の焼結方法及びその焼結方法により得られた半導体膜の利用に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来から酸化チタンなどの半導体微粒子は、光活性、抗菌性、親水性、耐汚染性、防曇性、ガス分解性、脱臭性、水処理性、エネルギー変換性の用途に有用なものである。特に、太陽電池、光電変換材料などは、地球環境に悪影響を与えないで動力、熱などのエネルギーを得る手段として注目されている。
【0003】
従来から透明支持体上に導電性金属酸化物微粒子を含有する塗布液を塗装し、形成された塗布膜を電磁波(特許文献1参照)やマイクロ波(特許文献2参照)を照射することは、既に周知である。
【0004】
特許文献1には、電磁波として、紫外線、赤外線、可視光線などが記載されているが、この電磁波を酸化チタンの微粒子分散液の塗布膜に照射しても微粒子の焼結が十分でなく、光変換効率やフィルムに対する付着性などの性能に優れた半導体膜が形成できない。
【0005】
また、特許文献2には、マイクロ波として、周波数300MHz〜300GHz、好ましくは周波数600MHz〜200GHzの電磁波が記載されているが、この周波数の範囲において、周波数が低くなると焼結能が弱く、光変換効率やフィルムに対する付着性などの性能に優れた半導体膜が形成できず、一方、周波数が高くなると耐熱性の劣る透明性基材(PETなど)では基材が変質したり、変形したりする。この様な透明性基材の変質や変形を防ぐために照射出力を低下させたり照射時間を短くさせることにより対処しても、基材の面積が大きい場合には焼結が不均一となり、同一基材上で焼結が十分に行われた場所や焼結が不十分な場所が混在するために、光変換効率が高く、フィルムに対する付着性などの性能に優れた半導体膜が形成できないといった問題点があった。
【0006】
本発明は、特に高分子フィルム基材の面積が大きくても焼結が均一であり、バラツキの少ない光変換効率やフィルムに対する付着性などの性能に優れた半導体膜が形成できる焼結方法及び形成された半導体膜の用塗を提供することを目的とする。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−242916号公報
【特許文献2】
特開平12−123658号公報
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した問題点を解消するために、特定の周波数を有するマイクロ波を半導体微粒子分散液の塗布膜に照射して焼結させた半導体膜が、上記した問題点を全て解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明の実施態様項1は、高分子フィルム表面に半導体微粒子分散液を塗装し、次いで28GHzのマイクロ波により焼結することを特徴とする焼結方法に関する。
【0010】
本発明の実施態様項2は、高分子フィルムの透明基板の片面に透明導電層が積層された透明電極層、その透明電極層表面に28GHzのマイクロ波により焼結された半導体膜層、電解質層、及び対電極を有することを特徴とする光電池に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明について以下に詳細に説明する。
【0012】
本発明の実施態様項1は、高分子フィルム表面に半導体微粒子分散液を塗装し、次いで28GHzのマイクロ波により焼結することを特徴とする焼結方法に関する。
【0013】
半導体微粒子分散液が塗装される高分子フィルムとしては、屈曲性や透明性があるものが好適に使用できる。
【0014】
高分子フィルムの膜厚は、通常、1μm〜10mm、特に5μm〜5mmの範囲が好ましい。
【0015】
また、半導体微粒子分散液が塗装される高分子フィルムの大きさとしては、例えば、幅1cm〜10m、好ましくは5cm〜5m、更に好ましくは10cm〜2mの範囲である。また、長さは1cm以上、好ましくは5cm以上、更に好ましくは10cm以上の範囲である。高分子フィルムの形状は長方形、正方形の何れの形状であっても構わない。また帯状(巻物)の高分子フィルムに例えば、半導体微粒子分散液を塗装、焼結した後に必要な大きさに切断することも可能である。
【0016】
高分子フィルムとして、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリエチレンナフタレート、シンジオタクチックポリステレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエステルスルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ等が挙げられる。
【0017】
高分子フィルム表面に塗装される半導体微粒子分散液としては、従来から公知の半導体微粒子を溶媒に分散した液状のものが特に制限なしに使用できる。
【0018】
半導体微粒子としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化カドミニウム、酸化インジウム、酸化鉛、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化銅、酸化水銀、酸化銀、酸化マンガン、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化ガリウム、酸化けい素、酸化クロムなどの如き金属酸化物類、SrTiO3、CaTiO3のようなペロブスカイト類、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化インジウム、硫化鉛、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化アンチモン、硫化ビスマス、硫化カドミニウム亜鉛、硫化銅などの如き金属硫化物類、CdSe、In2Se3、WSe2、HgS、PbSe、CdTeの金属カルコゲナイド類、その他GaAs、Si、Se、Cd2P3、Zn2P3、InP、AgBr、PbI2、HgI2、BiI3が挙げられる。また、、前記半導体から選ばれる少なくとも一種以上を含む複合体も使用することができる。
【0019】
これらに中でも特に安価で性能に優れたアナターゼ型酸化チタン微粒子が好ましい。酸化チタンの商品名としては、例えば、AMT−600(テイカ株式会社製、商品名、アナターゼ型、平均粒子径30nm)、AMT−100(テイカ株式会社製、商品名、アナターゼ型、1次平均粒子径6nm)、ST−01(石原テクノ製、商品名、アナターゼ型、1次平均粒子径7nm)、ST−21(石原テクノ製、商品名、アナターゼ型、1次平均粒子径20nm)、P−25(日本エアロジル株式会社製、商品名、ルチル・アナタース型結晶、1次平均粒径約30nm)などが挙げられる。
【0020】
半導体微粒子の1次平均粒子径としては、例えば、1nm〜1000nm、15nm〜100nmの範囲である。半導体微粒子の粒子径が1nmより小さいと、光電極で使用する色素増感半導体層の空孔径が小さくなり、電解質溶液中の酸化還元物質の移動が困難になって、光変換後の電流値が低くなるので好ましくない。また、半導体微粒子の1次平均粒子径が1000nmより大きくなると、半導体層の表面積が大きくないため、充分な増感色素の担持量を得ることができないので、光変換後の電流値が高くならないため好ましくない。
【0021】
半導体微粒子の溶媒としては、水及び/又は有機溶媒を使用することができる。
【0022】
有機溶媒としては、従来から公知の有機溶媒、例えば、キシレン、トルエンなどの芳香族系;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ポリアルキレングリコールなどのアルコール系;ジエチレングリコール、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール誘導体(ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルなど)などのエーテル系;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどのエステル系などが挙げられる。
【0023】
半導体微粒子分散液は、最終的に塗装される分散液の固形分が5〜60重量%、特に10〜50重量%の範囲が好ましい。
【0024】
半導体微粒子分散液の塗装方法としては、例えば、スプレー塗装(静電又は非静電)、ローラー塗装、スクリーン印刷、刷毛塗装、バーコーター塗装、ナイフコーター塗装、スピンコーターなどの従来から公知の手段で被着させることができる。
【0025】
これらの塗装手段の中でも特にスプレー塗装は、ローラーなどの塗装方法と比較して平均細孔径が大きく、多孔質な半導体微粒子膜や比表面積の大きな半導体膜が形成できるといった利点がある。
【0026】
半導体微粒子分散液の塗装膜厚は、塗装膜(固形分)換算で0.01μm〜100μm、好ましくは1μm〜50μmの範囲である。
【0027】
高分子フィルムに塗装された半導体微粒子塗装膜は、28GHzのマイクロ波により焼結される。
【0028】
本発明で使用するマイクロ波は、発信周波数28GHzで波長10.7cmであって、従来から家庭用電子レンジで使用されている2.45GHzで波長が12cmよりも短いので、加熱によるバラツキが少なく均一な半導体微粒子膜が形成され、そして出力を上げてもスパーク(端部など)する恐れがないといった効果があるので、特に大面積の高分子フィルム表面の半導体微粒子の焼結に有利である。
【0029】
また、本発明で使用する28GHzのマイクロ波は、誘電損失を利用して半導体微粒子に選択的にエネルギーを与えて焼結が可能となるので、通常の電気炉、28GHz以外の電磁波(マイクロ波など)による焼結に比較して、基材からの伝熱ロスや基材の熱変質などがなく短時間に焼結が行えるといった利点がある。
【0030】
マイクロ波による焼結は、半導体微粒子分散液の組成(例えば、分散媒の種類、半導体微粒子の種類、性質、粒子径、形状、固形分など)により誘電率が異なるので、これらの組成に応じて適した電波出力、照射時間などの条件を適宜定めることができる。
【0031】
マイクロ波による焼結の条件は、上記したように適宜、半導体微粒子分散液の種類に応じて適宜決定すれば良いが、通常、電波出力は、0.01KW〜10KW、好ましくは0.1KW〜5KW、更に好ましくは0.2KW〜1.0KWの範囲である。また、照射時間は、1秒〜60分、好ましくは2秒〜30分、更に好ましくは30秒〜20分の範囲である。
【0032】
マイクロ波装置としては、例えば、富士電波工業株式会社製の電磁波加熱焼結装置(FMS−10−28、発信周波数28GHz、電波出力 〜10KW)などが使用できる。
【0033】
半導体微粒子の焼結時において、マイクロ波の照射を行うだけでなく、加熱を併用することができる。また、半導体微粒子プレカーサー(粒径10nm未満のナノ粒子を含む)を半導体微粒子層に共存させると焼結がより容易となる効果がある。更に、焼結時に不要な有機物等を除去するため、減圧、気流(空気、酸素、窒素、不活性ガス等)の吹付け、オゾン雰囲気に晒す、酸化あるいは還元雰囲気下に晒す等を併用することも好ましい。
【0034】
このマイクロ波を使用して、比較的低融点のポリエチレンテレフタレートなどの高分子フィルム基材に塗装した半導体微粒子を焼結する場合には、ポリエチレンテレフタレートが変形、変質しない温度、例えば、200℃以下、特に150〜180℃の温度になるように焼結することが好ましい。
【0035】
また、マイクロ波を照射して焼結させる際に、必要に応じて高分子フィルム基材の裏面(半導体膜を形成させる反対の面、マイクロ波を照射させる反対の面)に鉄、ステンレス、銅などの熱伝導性の良い金属板、ガラスなどの無機板などを設置して、高分子フィルムにかかる熱を放熱させることが可能な放熱板などを設けておくことができる。
【0036】
また、高分子フィルム基材の表面に塗装された半導体微粒子膜の面積が大きい場合に、マイクロ波による半導体微粒子膜の焼結が不均一となりやすいので、例えば、下記方法により焼結を均一にすることができる。
【0037】
▲1▼ まず、マイクロ波を半導体微粒子膜の一部に照射し、次いで未照射部分の半導体微粒子膜にマイクロ波を照射する操作を必要に応じて数回繰り返し、最終的に半導体微粒子膜全面に照射するようにして、照射による熱の放散を行う。
【0038】
▲2▼ 高分子フィルム基材の表面に塗装される半導体微粒子膜をストライプ状にパターニング(部分塗装)しておくことにより、不必要な発熱を防止する。
【0039】
▲3▼ 高分子フィルム基材に配線される電極をポリイミドなどの耐熱性に優れたフィルムでマスキングしておき、そしてマスキング以外の部分に半導体微粒子分散液を塗布して半導体微粒子膜を形成させ、次いで、マイクロ波を照射して焼結させる。
【0040】
▲4▼ マイクロ波が放射される方向に対して、例えば、半導体微粒子分散液が塗装された帯状の高分子フィルムの面が垂直方向になるように移動させる。
【0041】
また、高分子フィルム基材の表面に塗装された半導体微粒子膜の上からマイクロ波を全面もしくは部分的に照射して焼結する際に、必要に応じて半導体微粒子膜の上部方向にマイクロ波を透過する基材、例えば、ガラス板、テトラフルオロエチレン板などを設置することにより、着火(スパーク)などを防止したり、高分子フィルムを下地に押し付けて密着させることによりマイクロ波焼結時に掛かる余分な熱を下地に放熱させて均一加熱を行うことができるといった効果がある。
【0042】
本発明において、高分子フィルム表面に半導体微粒子分散液を塗装し、次いで28GHzのマイクロ波により焼結して得られた半導体膜は、光活、抗菌、親水、耐汚染、防曇、ガス分解性、脱臭、水処理又はエネルギー変換として用いることができる。これらの中でもエネルギー変換として、特に光電池として使用することが有利である。
【0043】
上記した光電池として、特に色素増感型太陽電池として有用なものであり、次にこの色素増感型太陽電池について以下に説明する。
【0044】
本発明の実施態様項2は、高分子フィルムの透明基板の片面に透明導電層が積層(電極)された透明電極層、その透明電極層表面に28GHzのマイクロ波により焼結された半導体膜層、電解質層、及び対電極を有することを特徴とする光電池に関する。
【0045】
上記した透明電極層は、上記した高分子フィルムの透明基板上に、金、銀、アルミニウム、インジウム、酸化インジウムスズ(ITO膜)、酸化スズの何れかを蒸着することによって形成される。
【0046】
該半導体膜層は、通常、半導体微粒子により形成され、その形成層は細孔を有し、そしてその粒子表面又はその細孔内に光増感色素が担持されたものが使用されている。
【0047】
また、半導体膜層は、上記した如く半導体微粒子分散液を上記により塗装し、次いで上記の28MHzのマイクロ波によって焼結して半導体膜を形成したものである。
【0048】
半導体膜層の膜厚は、塗装膜(固形分)換算で上記した0.01μm〜100μm、好ましくは1μm〜50μmの範囲である。
上記光増感色素としては、種々の可視光領域および/または赤外光領域に吸収を持つ従来から公知のものを適宜選択して用いることができる。
【0049】
光増感色素の具体例としては、例えば、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、キナクリドン系色素、スクアリリウム系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、ペリレン系色素、インジゴ系色素、ナフタロシアニン系色素である。その中でも、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素のような金属錯体色素は、高い量子収率を有し、光に対する耐久性がよいため、光電変換材料には適している。
【0050】
該金属錯体色素としては、銅、ニッケル、鉄、コバルト、バナジウム、スズ、けい素、チタン、ゲルマニウム、コバルト、亜鉛、ルテニウム、マグネシウム、アルミニウム、鉛、マンガン、インジウム、モリブデン、ジルコニウム、アンチモン、タングステン、白金、ビスマス、セレン、銀、カドミウム、白金などの金属が用いられる。この中でも、銅、チタン、亜鉛、アルミニウム、鉄、バナジウム、けい素等の金属錯体色素は高い量子効率を有する。
【0051】
半導体微粒子への光増感色素の担持量としては、10−8〜10−6mol/cm2、特に0.1〜9.0×10−7mol/cm2が好ましい。光増感色素の担持量が10−8mol/cm2未満の場合、光電変換効率向上効果が不十分となる。一方、光増感色素の担持量が10−6mol/cm2を超える場合、光電変換効率向上効果が飽和し、光励起電子とホ−ルの再結合の割合が増し、不経済となるだけである。
【0052】
上記した電解質層で使用される電解質としては、酸化体と還元体からなる一対の酸化還元系構成物質が溶媒中に含まれていれば、特に限定されないが、酸化体と還元体が同一電荷を持つ酸化還元系構成物質が好ましい。酸化還元系構成物質とは、酸化還元反応において、可逆的に酸化体及び還元体の形で存在する一対の物質である。このような酸化還元系構成物質自体は当業者に公知である。該酸化還元系構成物質は、例えば、塩素化合物−塩素、ヨウ素化合物−ヨウ素、臭素化合物−臭素、タリウムイオン(III)−タリウムイオン(I)、水銀イオン(II)−水銀イオン(I)、ルテニウムイオン(III)−ルテニウムイオン(II)、銅イオン(II)−銅イオン(I)、鉄イオン(III)−鉄イオン(II)、バナジウムイオン(III)−バナジウムイオン(II)、マンガン酸イオン−過マンガン酸イオン、フェリシアン化物−フェロシアン化物、キノン−ヒドロキノン、フマル酸−コハク酸などが挙げられる。言うまでもなく、その他の酸化還元系構成物質も使用できる。中でも、ヨウ素化合物−ヨウ素が好ましく、ヨウ素化合物としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化銅、ヨウ化銀ルビジウム等の金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨージド、ピリジニウムヨージド等のヨウ化4級アンモニウム塩化合物、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウム等のヨウ化ジイミダゾリウム化合物が特に好ましい。
【0053】
電解質を溶解するために使用される溶媒は、酸化還元系構成物質を溶解しイオン伝導性に優れた化合物が好ましい。溶媒としては水性溶媒及び有機溶媒の何れも使用できるが、酸化還元系構成物質をより安定するため、有機溶媒が好ましい。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、ガンマーブチロラクトン等のエステル化合物、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソシラン、テトラヒドロフラン、2−メチルーテトラヒドラフラン等のエーテル化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、スルフォラン、ジジメチルスルフォキシド、ジメチルフォルムアミド等の非プロトン性極性化合物、水などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いることもできるし、また、2種類以上を混合して併用することもできる。中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネ−ト化合物、3−メチル−2−オキサゾジリノン、2−メチルピロリドン等の複素環化合物、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物が特に好ましい。
【0054】
電解質層としては、液体、固体、もしくはゲル状電解質のいずれも使用することができる。
【0055】
対電極としては、従来から公知の電極が使用できるが、特に屈曲性、加工性などに優れた金属フィルム、電極や高分子フィルムに導電性材料を塗布、蒸着などを施したものが使用できる。
【0056】
本発明の光電池において、対電極面(電解質層と反対面)の片面に粘着剤層や接着剤層を設けることにより、光電池が必要とされる被着基材に自由に貼付けて使用することができる。
【0057】
被着基材として、好ましくは、例えば、車両、建築物、建造物、道路、道路標識、温室など太陽光線が当たる基材に適用できる。
【0058】
また、被着基材として、上記した様な現物に貼付けることも可能であるが、それ以外に、例えば、プラスチック板、金属板などの被着基材面と光電池の粘着剤層面や接着剤層面とを面接し、そして熱、又は圧力又は熱をかけながら圧力により接合させることも可能である。そして接合された光電池は必要に応じて、成型加工、もしくは適当な大きさに切断し、必要に応じて切断部をシールし、モジュール化を行って使用することもできる。
【0059】
この様に光電池を切断して使用する場合には電解質として固体、もしくはゲル状電解質が使用される。
【0060】
かかる粘着剤や接着剤としては、従来から公知の感圧性粘着剤、感熱接着剤、硬化タイプの接着剤を使用することができる。具体的には、例えば、ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂、レゾ−ル型エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アミノプラスト樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリシロキサン樹脂、(イソ)ブチレン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共共重合体、合成ゴム、天然ゴムなどから選ばれた1又は2種以上の樹脂を含む熱硬化性又は熱可塑性のものがあげられる。
【0061】
粘着剤層や接着剤層の膜厚は、通常1μm〜1mm、特に5μm〜500μmの範囲が好ましい。
【0062】
【発明の効果】本発明において、焼結で使用する28GHzのマイクロ波は、誘電損失を利用して半導体微粒子に選択的にエネルギーを与えて焼結が可能となるので、通常の電気炉、それ以外の電磁波による焼結に比較して基材からの伝熱ロスや基材の熱変質などがなく短時間に焼結が行えるといった顕著な効果がある。
【0063】
更に、このマイクロ波による焼結方法により、大面積でも均一な半導体微粒子の焼結膜が形成できる。
【0064】
また、塗装方法として、スプレー塗装機を用いて半導体微粒子分散液をPETなどの基材に塗着させると、スプレー塗装により半導体微粒子の小さな凝集体が半導体膜として形成されるので基材に対する付着性が優れ、且つ多孔質な半導体膜が形成できるといった利点がある。
【0065】
更に、スプレー塗装時に半導体微粒子分散液に大きなせん断応力が掛かり、半導体微粒子の微粒子化が進行し、表面積の大きな半導体膜が形成されるといった利点がある。
【0066】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、実施例に限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」を示す。
【0067】
実施例1
P−25(日本エアロジル株式会社製、商品名、ルチル・アナタース型結晶、平均粒径30nm)30部、エタノール100部を分散させ、酸化チタン分散液を得た。
【0068】
次いで、この酸化チタン分散液をスプレーを用いてポリエチレンテレフタレートシート(PET)に塗布し、下記マイクロ波による焼結を行って18μmの酸化チタン膜を得た。
【0069】
上記したマイクロ波による焼結は、富士電波工業株式会社製の電磁波加熱焼結装置(FMS−10−28)を使用して、発信周波数28GHz)、電波出力2KW、照射時間2分間の条件で行った。
【0070】
得られた酸化チタン膜はPETに強固に接着しており、これを光学顕微鏡で観察してもクラックはほとんど認められなかった。
【0071】
次いで、この酸化チタン膜にRu増感色素((Ru(2,2’−bipyridil−4,4’−dicarboxylate(TBA))2(NCS))が5×10−4M/Lの割合で含まれたエタノール溶液に室温で一晩浸漬させた。このRu増感色素吸着酸化チタン膜に上記の導電性高分子フィルムに電極を対極として重ね、電解質溶液(ヨウ素40mM、テトラプロピルアンモニウムヨーシド500mM、エチレンカーボネート80M、アセトニトリル20M)を注入することで、変換効率約5%(光変換効率(%)は、擬似太陽光照射(キセノンランプ)(JIS A.M.1.5、単位100mw/cm2)で測定した。以下同様の意味を示す。)の良好な色素増感太陽電池を作成することができた。
【0072】
実施例2
実施例1において、P−25に替えて、AMT−100(テイカ株式会社製、商品名、アナターゼ型、平均粒子径6nm)を使用した以外は実施例1と同様にして酸化チタン分散液を製造した。次いで実施例1と同様にして焼結した。
【0073】
得られた酸化チタン膜はPETに強固に接着しており、これを光学顕微鏡で観察してもクラックはほとんど認められなかった。
【0074】
次いで、この酸化チタン分散液を使用して、実施例1と同様に変換効率約5%の良好な色素増感太陽電池を作成することができた。
【0075】
比較例1
実施例1において、マイクロ波による焼結に代えて、150℃で30分電気炉で加熱乾燥した以外は実施例1と同様にして酸化チタン膜を得た。
【0076】
得られた酸化チタン膜はPETに対する付着性が弱く軽く折り曲げただけで剥がれ落ちた。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a semiconductor film having excellent properties such as photoactivity, antibacterial property, hydrophilic property, stain resistance, antifogging property, gas decomposability, deodorizing property, water treatment property and energy conversion property. The present invention relates to a method for sintering a semiconductor fine particle dispersion liquid and a method for using a semiconductor film obtained by the sintering method.
[0002]
2. Description of the Related Art Conventionally, semiconductor fine particles such as titanium oxide have been used in photoactive, antibacterial, hydrophilic, stain resistant, antifogging, gas decomposable, deodorant, water treatable, energy convertible. It is useful for applications. In particular, solar cells, photoelectric conversion materials, and the like are receiving attention as means for obtaining energy such as power and heat without adversely affecting the global environment.
[0003]
Conventionally, coating a coating solution containing conductive metal oxide fine particles on a transparent support, and irradiating the formed coating film with electromagnetic waves (see Patent Document 1) or microwaves (see Patent Document 2), It is already well known.
[0004]
Patent Document 1 describes ultraviolet rays, infrared rays, visible light rays, and the like as electromagnetic waves. However, even if this electromagnetic wave is applied to a coating film of a titanium oxide fine particle dispersion, sintering of the fine particles is not sufficient, A semiconductor film excellent in performance such as conversion efficiency and adhesion to a film cannot be formed.
[0005]
Patent Document 2 describes, as microwaves, electromagnetic waves having a frequency of 300 MHz to 300 GHz, preferably 600 MHz to 200 GHz. In this frequency range, when the frequency is low, the sintering ability is weak, and the light conversion A semiconductor film having excellent performance such as efficiency and adhesion to a film cannot be formed. On the other hand, when the frequency is increased, a transparent substrate having poor heat resistance (such as PET) is deteriorated or deformed. Even if the irradiation power is reduced or irradiation time is shortened to prevent such deterioration or deformation of the transparent base material, sintering becomes uneven if the base material area is large, The problem is that because there are places where sintering is sufficiently performed or where sintering is insufficient on the material, the light conversion efficiency is high and a semiconductor film with excellent performance such as adhesion to the film cannot be formed. was there.
[0006]
The present invention provides a sintering method and a sintering method capable of forming a semiconductor film which is uniform in sintering even if the area of the polymer film substrate is large, and has excellent performance such as light conversion efficiency and adhesion to the film with little variation. It is an object of the present invention to provide a coated semiconductor film.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-11-242916 [Patent Document 2]
JP-A-12-123658
SUMMARY OF THE INVENTION In order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have sintered a semiconductor film by irradiating a coating film of a semiconductor fine particle dispersion with a microwave having a specific frequency. However, they have found that all of the above problems can be solved, and have completed the present invention.
[0009]
Item 1 of the embodiment of the present invention relates to a sintering method characterized in that a semiconductor fine particle dispersion is applied to the surface of a polymer film, and then sintered by 28 GHz microwave.
[0010]
Item 2 of the embodiment of the present invention is a transparent electrode layer in which a transparent conductive layer is laminated on one side of a transparent substrate of a polymer film, a semiconductor film layer sintered by microwaves of 28 GHz on the surface of the transparent electrode layer, and an electrolyte layer. , And a photovoltaic cell having a counter electrode.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION The present invention will be described in detail below.
[0012]
Item 1 of the embodiment of the present invention relates to a sintering method characterized in that a semiconductor fine particle dispersion is applied to the surface of a polymer film, and then sintered by 28 GHz microwave.
[0013]
As the polymer film to be coated with the semiconductor fine particle dispersion, those having flexibility and transparency can be suitably used.
[0014]
Usually, the thickness of the polymer film is preferably in the range of 1 μm to 10 mm, particularly preferably 5 μm to 5 mm.
[0015]
The size of the polymer film on which the semiconductor fine particle dispersion is coated is, for example, in the range of 1 cm to 10 m, preferably 5 cm to 5 m, and more preferably 10 cm to 2 m. The length is in the range of 1 cm or more, preferably 5 cm or more, more preferably 10 cm or more. The shape of the polymer film may be any of a rectangle and a square. It is also possible to coat and sinter, for example, a semiconductor fine particle dispersion on a belt-shaped (rolled) polymer film and then cut it into a required size.
[0016]
As the polymer film, specifically, for example, polyethylene terephthalate, triacetyl cellulose, polyethylene naphthalate, syndiotactic polysterene, polyphenylene sulfide, polycarbonate, polyarylate, polysulfone, polyester sulfone, polyimide, polyetherimide, cyclic Polyolefin, brominated phenoxy and the like can be mentioned.
[0017]
As the semiconductor fine particle dispersion applied to the surface of the polymer film, a conventionally known liquid in which semiconductor fine particles are dispersed in a solvent can be used without any particular limitation.
[0018]
As the semiconductor fine particles, specifically, for example, titanium oxide, zinc oxide, manganese oxide, cadmium oxide, indium oxide, lead oxide, molybdenum oxide, tungsten oxide, antimony oxide, bismuth oxide, copper oxide, mercury oxide, silver oxide Metal oxides such as manganese oxide, iron oxide, vanadium oxide, tin oxide, zirconium oxide, strontium oxide, gallium oxide, silicon oxide, chromium oxide, perovskites such as SrTiO 3 and CaTiO 3 , cadmium sulfide, Metal sulfides such as zinc sulfide, indium sulfide, lead sulfide, molybdenum sulfide, tungsten sulfide, antimony sulfide, bismuth sulfide, cadmium zinc sulfide, copper sulfide, CdSe, In 2 Se 3 , WSe 2 , HgS, PbSe, CdTe Metal chalcogenides, GaAs, Si, Se, Cd 2 P 3, Zn 2 P 3, InP, AgBr, include PbI 2, HgI 2, BiI 3 . Further, a composite containing at least one selected from the above semiconductors can also be used.
[0019]
Of these, anatase-type titanium oxide fine particles which are particularly inexpensive and excellent in performance are preferable. As the trade name of titanium oxide, for example, AMT-600 (trade name, anatase type, average particle diameter 30 nm, manufactured by Teica Co., Ltd.), AMT-100 (trade name, anatase type, primary average particle, manufactured by Tayca Co., Ltd.) ST-01 (manufactured by Ishihara Techno, trade name, anatase type, primary average particle diameter 7 nm), ST-21 (manufactured by Ishihara Techno, trade name, anatase type, primary average particle diameter 20 nm), P- 25 (trade name, manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd., rutile / anatars type crystal, primary average particle size: about 30 nm).
[0020]
The primary average particle diameter of the semiconductor fine particles is, for example, in the range of 1 nm to 1000 nm and 15 nm to 100 nm. When the particle diameter of the semiconductor fine particles is smaller than 1 nm, the pore diameter of the dye-sensitized semiconductor layer used in the photoelectrode becomes small, and the movement of the oxidation-reduction substance in the electrolyte solution becomes difficult. It is not preferable because it becomes low. Further, when the primary average particle diameter of the semiconductor fine particles is larger than 1000 nm, the surface area of the semiconductor layer is not large, so that it is not possible to obtain a sufficient amount of the sensitizing dye carried, and the current value after light conversion does not increase. Not preferred.
[0021]
As a solvent for the semiconductor fine particles, water and / or an organic solvent can be used.
[0022]
As the organic solvent, conventionally known organic solvents, for example, aromatic solvents such as xylene and toluene; alcohols such as methanol, ethanol, n-propanol, isopropanol, n-butanol and polyalkylene glycol; diethylene glycol, diethylene glycol Ethers such as monoethyl ether, diethylene glycol monobutyl ether, triethylene glycol monomethyl ether, and polyoxyalkylene glycol derivatives (such as polyoxyethylene (10) octyl phenyl ether); ketones such as acetone and methyl ethyl ketone; methyl acetate and ethyl acetate , Propyl acetate, butyl acetate, isobutyl acetate and the like.
[0023]
The semiconductor fine particle dispersion preferably has a solid content of 5 to 60% by weight, particularly 10 to 50% by weight, of the dispersion to be finally coated.
[0024]
As a coating method of the semiconductor fine particle dispersion, for example, a conventionally known means such as spray coating (electrostatic or non-electrostatic), roller coating, screen printing, brush coating, bar coater coating, knife coater coating, spin coater and the like can be used. Can be applied.
[0025]
Among these coating methods, spray coating has an advantage that a larger average pore diameter and a porous semiconductor fine particle film or a semiconductor film having a large specific surface area can be formed as compared with a coating method such as a roller.
[0026]
The coating thickness of the semiconductor fine particle dispersion is in the range of 0.01 μm to 100 μm, preferably 1 μm to 50 μm in terms of the coating film (solid content).
[0027]
The semiconductor fine particle coating film applied to the polymer film is sintered by a microwave of 28 GHz.
[0028]
The microwave used in the present invention has a wavelength of 10.7 cm at a transmission frequency of 28 GHz and is shorter than 12 cm at 2.45 GHz conventionally used in household microwave ovens. This is advantageous for sintering the semiconductor fine particles on the surface of a large-area polymer film, since such a semiconductor fine particle film is formed, and there is an effect that there is no danger of sparks (ends and the like) even if the output is increased.
[0029]
Further, the microwave of 28 GHz used in the present invention can selectively sinter the semiconductor fine particles by utilizing the dielectric loss to enable sintering. Therefore, electromagnetic waves (such as microwaves) other than a normal electric furnace and 28 GHz can be used. Compared to the sintering according to (1), there is an advantage that sintering can be performed in a short time without heat transfer loss from the substrate or thermal deterioration of the substrate.
[0030]
In the sintering by microwave, the dielectric constant varies depending on the composition of the semiconductor fine particle dispersion (for example, the type of the dispersion medium, the type and properties of the semiconductor fine particles, the particle diameter, the shape, the solid content, etc.). Appropriate conditions such as radio wave output and irradiation time can be appropriately determined.
[0031]
The conditions for sintering by microwaves may be appropriately determined according to the type of the semiconductor fine particle dispersion liquid as described above. Usually, the radio wave output is 0.01 kW to 10 kW, preferably 0.1 kW to 5 kW. , More preferably in the range of 0.2 KW to 1.0 KW. The irradiation time is in the range of 1 second to 60 minutes, preferably 2 seconds to 30 minutes, and more preferably 30 seconds to 20 minutes.
[0032]
As the microwave device, for example, an electromagnetic wave heating and sintering device (FMS-10-28, transmission frequency 28 GHz, radio wave output: 10 KW) manufactured by Fuji Denpa Kogyo KK can be used.
[0033]
At the time of sintering the semiconductor fine particles, heating can be used in addition to irradiation with microwaves. Further, when a semiconductor fine particle precursor (including nanoparticles having a particle diameter of less than 10 nm) coexists in the semiconductor fine particle layer, there is an effect that sintering becomes easier. Furthermore, in order to remove unnecessary organic substances during sintering, a combination of depressurization, blowing of air current (air, oxygen, nitrogen, inert gas, etc.), exposure to ozone atmosphere, exposure to oxidizing or reducing atmosphere, etc. is also used. Is also preferred.
[0034]
When using this microwave, when sintering semiconductor fine particles coated on a polymer film substrate such as polyethylene terephthalate having a relatively low melting point, polyethylene terephthalate is not deformed and does not deteriorate, for example, 200 ° C. or less, In particular, sintering is preferably performed at a temperature of 150 to 180 ° C.
[0035]
When sintering by microwave irradiation, if necessary, iron, stainless steel, copper, etc. may be applied to the back surface of the polymer film substrate (the surface opposite to the surface on which the semiconductor film is formed, the surface opposite to the microwave). For example, a metal plate having good heat conductivity, such as a metal plate, or an inorganic plate such as glass, may be provided, and a heat radiating plate capable of radiating heat applied to the polymer film may be provided.
[0036]
In addition, when the area of the semiconductor fine particle film coated on the surface of the polymer film substrate is large, the sintering of the semiconductor fine particle film by the microwave tends to be non-uniform, and for example, the sintering is made uniform by the following method. be able to.
[0037]
(1) First, the operation of irradiating the microwave to a part of the semiconductor fine particle film and then irradiating the microwave to the unirradiated portion of the semiconductor fine particle film is repeated several times as necessary, and finally the entire semiconductor fine particle film The heat is dissipated by the irradiation.
[0038]
(2) Unnecessary heat generation is prevented by patterning (partially coating) the semiconductor fine particle film coated on the surface of the polymer film substrate in a stripe shape.
[0039]
(3) The electrodes to be wired on the polymer film substrate are masked with a film having excellent heat resistance such as polyimide, and a semiconductor fine particle dispersion is applied to portions other than the masking to form a semiconductor fine particle film. Next, it is irradiated with microwaves and sintered.
[0040]
{Circle around (4)} For example, the surface of the strip-shaped polymer film coated with the semiconductor fine particle dispersion is moved in a direction perpendicular to the direction in which the microwave is emitted.
[0041]
In addition, when sintering by irradiating the microwave entirely or partially from above the semiconductor fine particle film coated on the surface of the polymer film base material, the microwave may be applied to the upper direction of the semiconductor fine particle film as necessary. By installing a transparent base material, for example, a glass plate, a tetrafluoroethylene plate, etc., it is possible to prevent ignition (spark) and the like. There is an effect that uniform heating can be performed by dissipating a great amount of heat to the base.
[0042]
In the present invention, a semiconductor film obtained by coating a semiconductor fine particle dispersion on the surface of a polymer film and then sintering the microwave with a microwave of 28 GHz is photoactive, antibacterial, hydrophilic, stain resistant, antifogging, and gas decomposable. , Deodorization, water treatment or energy conversion. Among these, it is advantageous to use it as energy conversion, especially as a photovoltaic cell.
[0043]
The photovoltaic cell is particularly useful as a dye-sensitized solar cell. Next, this dye-sensitized solar cell will be described below.
[0044]
Item 2 of the embodiment of the present invention is a transparent electrode layer in which a transparent conductive layer is laminated (electrode) on one surface of a transparent substrate of a polymer film, and a semiconductor film layer sintered on the surface of the transparent electrode layer by a microwave of 28 GHz. , An electrolyte layer, and a counter electrode.
[0045]
The above-mentioned transparent electrode layer is formed by depositing any one of gold, silver, aluminum, indium, indium tin oxide (ITO film), and tin oxide on the above-mentioned transparent substrate of the polymer film.
[0046]
The semiconductor film layer is usually formed of semiconductor fine particles, and the formed layer has pores, and a photosensitizing dye supported on the particle surface or in the pores is used.
[0047]
The semiconductor film layer is formed by coating a semiconductor fine particle dispersion as described above as described above, and then sintering with the 28 MHz microwave to form a semiconductor film.
[0048]
The thickness of the semiconductor film layer is in the range of 0.01 μm to 100 μm, and preferably 1 μm to 50 μm in terms of a coating film (solid content).
As the photosensitizing dye, conventionally known dyes having absorption in various visible light regions and / or infrared light regions can be appropriately selected and used.
[0049]
Specific examples of the photosensitizing dye include, for example, an azo dye, a quinone dye, a quinone imine dye, a quinacridone dye, a squarylium dye, a cyanine dye, a merocyanine dye, a triphenylmethane dye, a xanthene dye, They are porphyrin dyes, phthalocyanine dyes, perylene dyes, indigo dyes, and naphthalocyanine dyes. Among them, metal complex dyes such as phthalocyanine dyes and naphthalocyanine dyes have a high quantum yield and good durability against light, and thus are suitable for photoelectric conversion materials.
[0050]
Examples of the metal complex dye include copper, nickel, iron, cobalt, vanadium, tin, silicon, titanium, germanium, cobalt, zinc, ruthenium, magnesium, aluminum, lead, manganese, indium, molybdenum, zirconium, antimony, and tungsten. Metals such as platinum, bismuth, selenium, silver, cadmium, and platinum are used. Among them, metal complex dyes such as copper, titanium, zinc, aluminum, iron, vanadium, and silicon have high quantum efficiency.
[0051]
The amount of the photosensitizing dye carried on the semiconductor fine particles is preferably 10 −8 to 10 −6 mol / cm 2 , particularly preferably 0.1 to 9.0 × 10 −7 mol / cm 2 . When the loading amount of the photosensitizing dye is less than 10 −8 mol / cm 2 , the effect of improving the photoelectric conversion efficiency becomes insufficient. On the other hand, when the loading amount of the photosensitizing dye exceeds 10 −6 mol / cm 2 , the effect of improving the photoelectric conversion efficiency is saturated, and the ratio of recombination between photoexcited electrons and holes increases, which is uneconomical. is there.
[0052]
The electrolyte used in the above-mentioned electrolyte layer is not particularly limited as long as a pair of a redox-based constituent material composed of an oxidant and a reductant is contained in the solvent, but the oxidant and the reductant have the same charge. Oxidation-reducing components are preferred. The oxidation-reduction constituent material is a pair of substances that are reversibly present in an oxidized form and a reduced form in an oxidation-reduction reaction. Such redox components are known to those skilled in the art. The oxidation-reduction constituent materials include, for example, chlorine compound-chlorine, iodine compound-iodine, bromine compound-bromine, thallium ion (III) -thallium ion (I), mercury ion (II) -mercury ion (I), ruthenium Ion (III) -ruthenium ion (II), copper ion (II) -copper ion (I), iron ion (III) -iron ion (II), vanadium ion (III) -vanadium ion (II), manganate ion -Permanganate ion, ferricyanide-ferrocyanide, quinone-hydroquinone, fumaric acid-succinic acid, and the like. Needless to say, other redox components can also be used. Among them, an iodine compound-iodine is preferable, and examples of the iodine compound include metal iodides such as lithium iodide, potassium iodide, copper iodide, and silver rubidium iodide; Particularly preferred are quaternary ammonium salt compounds and diimidazolium iodide compounds such as dimethylpropyl imidazolium iodide.
[0053]
The solvent used for dissolving the electrolyte is preferably a compound that dissolves the oxidation-reduction constituent material and has excellent ion conductivity. As the solvent, any of an aqueous solvent and an organic solvent can be used, but an organic solvent is preferable in order to further stabilize the oxidation-reduction constituent material. For example, dimethyl carbonate, diethyl carbonate, methyl ethyl carbonate, ethylene carbonate, carbonate compounds such as propylene carbonate, methyl acetate, methyl propionate, ester compounds such as gamma-butyrolactone, diethyl ether, 1,2-dimethoxyethane, 1, Ether compounds such as 3-dioxosilane, tetrahydrofuran and 2-methyl-tetrahydrafuran; heterocyclic compounds such as 3-methyl-2-oxazodirinone and 2-methylpyrrolidone; nitrile compounds such as acetonitrile, methoxyacetonitrile and propionitrile; , Aprotic polar compounds such as didimethyl sulfoxide and dimethylformamide, and water. Each of these can be used alone, or two or more of them can be used in combination. Among them, carbonate compounds such as ethylene carbonate and propylene carbonate, heterocyclic compounds such as 3-methyl-2-oxazodilinone and 2-methylpyrrolidone, and nitrile compounds such as acetonitrile, methoxyacetonitrile and propionitrile are particularly preferable.
[0054]
As the electrolyte layer, any of a liquid, solid, or gel electrolyte can be used.
[0055]
As the counter electrode, a conventionally known electrode can be used. In particular, a metal film excellent in bendability, workability, and the like, or an electrode or a polymer film coated with a conductive material and subjected to vapor deposition and the like can be used.
[0056]
In the photovoltaic cell of the present invention, by providing a pressure-sensitive adhesive layer or an adhesive layer on one surface of the counter electrode surface (the surface opposite to the electrolyte layer), the photovoltaic cell can be freely attached to a substrate to be adhered and used. it can.
[0057]
As the adhered substrate, for example, it can be preferably applied to a substrate exposed to sunlight such as a vehicle, a building, a building, a road, a road sign, and a greenhouse.
[0058]
In addition, as a substrate to be adhered, it is also possible to affix to the above-mentioned actual material, but in addition, for example, the surface of the substrate to be adhered such as a plastic plate or a metal plate and the surface of the adhesive layer of a photovoltaic cell or the adhesive It is also possible to contact the layer surfaces and join them by heat or by pressure or by applying heat. Then, the joined photovoltaic cells can be used after being molded or cut into an appropriate size as required, and the cut portions can be sealed as necessary to be modularized.
[0059]
When the photovoltaic cell is cut and used as described above, a solid or gel electrolyte is used as the electrolyte.
[0060]
Conventionally known pressure-sensitive adhesives, heat-sensitive adhesives, and curable adhesives can be used as such adhesives and adhesives. Specifically, for example, bisphenol type epoxy resin, resol type epoxy resin, acrylic resin, aminoplast resin, polyester resin, urethane resin, polysiloxane resin, (iso) butylene resin, vinyl acetate resin, vinyl chloride Thermosetting or thermoplastic resins containing one or more resins selected from resins, vinyl chloride / vinyl acetate copolymers, synthetic rubbers, natural rubbers, and the like.
[0061]
The thickness of the pressure-sensitive adhesive layer or the adhesive layer is preferably in the range of usually 1 μm to 1 mm, particularly preferably 5 μm to 500 μm.
[0062]
According to the present invention, the microwave of 28 GHz used for sintering can be selectively applied to semiconductor fine particles by utilizing dielectric loss for sintering. Compared to sintering by other electromagnetic waves, there is a remarkable effect that sintering can be performed in a short time without heat transfer loss from the base material or thermal deterioration of the base material.
[0063]
Furthermore, by this microwave sintering method, a uniform sintered film of semiconductor fine particles can be formed even in a large area.
[0064]
In addition, as a coating method, when a semiconductor fine particle dispersion is applied to a substrate such as PET using a spray coating machine, small agglomerates of semiconductor fine particles are formed as a semiconductor film by spray coating. And an advantage that a porous semiconductor film can be formed.
[0065]
Further, there is an advantage that a large shear stress is applied to the semiconductor fine particle dispersion during spray coating, the fine particles of the semiconductor fine particles progress, and a semiconductor film having a large surface area is formed.
[0066]
The present invention will be described below in more detail with reference to examples. The present invention is not limited to the embodiments. In addition, “part” and “%” indicate “part by weight” and “% by weight”.
[0067]
Example 1
30 parts of P-25 (trade name, manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd., rutile anatase type crystal, average particle size 30 nm) and 100 parts of ethanol were dispersed to obtain a titanium oxide dispersion.
[0068]
Next, this titanium oxide dispersion was applied to a polyethylene terephthalate sheet (PET) using a spray, and sintering was performed by the following microwave to obtain a titanium oxide film of 18 μm.
[0069]
The above-mentioned sintering by microwaves is performed using an electromagnetic wave heating and sintering device (FMS-10-28) manufactured by Fuji Denki Kogyo Co., Ltd. under the conditions of a transmission frequency of 28 GHz, a radio wave output of 2 KW and an irradiation time of 2 minutes. Was.
[0070]
The obtained titanium oxide film was firmly adhered to PET, and almost no cracks were observed when observed with an optical microscope.
[0071]
Next, a Ru sensitizing dye ((Ru (2,2′-bipyridyl-4,4′-dicarboxylate (TBA)) 2 (NCS)) 2 (NCS) is contained in the titanium oxide film at a rate of 5 × 10 −4 M / L. The Ru-sensitized dye-adsorbed titanium oxide film was immersed in the ethanol solution at room temperature overnight, and an electrode was placed on the conductive polymer film as a counter electrode, and an electrolyte solution (iodine 40 mM, tetrapropylammonium iodide 500 mM, By injecting ethylene carbonate 80M and acetonitrile 20M), the conversion efficiency is about 5% (light conversion efficiency (%) is simulated sunlight irradiation (xenon lamp) (JIS AM 1.5, unit 100mw / cm 2). The same meaning is shown below.), And a good dye-sensitized solar cell having the same meaning was obtained.
[0072]
Example 2
In Example 1, a titanium oxide dispersion was produced in the same manner as in Example 1, except that AMT-100 (trade name, anatase type, average particle diameter: 6 nm, manufactured by Teica Co., Ltd.) was used instead of P-25. did. Next, sintering was performed in the same manner as in Example 1.
[0073]
The obtained titanium oxide film was firmly adhered to PET, and almost no cracks were observed when observed with an optical microscope.
[0074]
Then, using this titanium oxide dispersion, a good dye-sensitized solar cell having a conversion efficiency of about 5% as in Example 1 could be produced.
[0075]
Comparative Example 1
In Example 1, a titanium oxide film was obtained in the same manner as in Example 1, except that heating and drying were performed in an electric furnace at 150 ° C for 30 minutes instead of sintering by microwaves.
[0076]
The obtained titanium oxide film was weak in adhesion to PET and peeled off only by bending slightly.