JP2004333910A - 情報再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ビープ音用の制御回路が基板上に必要なく、再生される音声のレベルに関係しない一定レベルのビープ音が出力できるようにすることを目的とする。
【解決手段】モードの切換を指令する指令信号を出力したとき、アナログ情報信号に変換する前のデジタル情報信号にビープ音生成手段で生成されたビープ音信号を加算するように制御する。また、そのビープ音信号は、音量制御部の設定値に基づいて決定される。
【選択図】図1
【解決手段】モードの切換を指令する指令信号を出力したとき、アナログ情報信号に変換する前のデジタル情報信号にビープ音生成手段で生成されたビープ音信号を加算するように制御する。また、そのビープ音信号は、音量制御部の設定値に基づいて決定される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報信号を再生する情報再生装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
ポータブルMD(Mini Disc)プレイヤー等の電子機器には、操作キーを押した時や、動作モードが変わった時などに、それを知らせるためのビープ音を発生させる機能を付加しているものが多い。
【0003】
デジタル信号に所定の処理を施した後アナログ信号に変換し、アナログアンプにより増幅させて音声出力をさせる回路においてビープ音を発生させるようにした回路構成を図4に示す。
【0004】
図4において、100はオーバーサンプリング部、101はデルタ−シグマ変調回路、102はPWM変調回路、103は左チャンネル用ローパスフィルター、104は右チャンネル用ローパスフィルター、105は左チャンネル用電子ボリューム、106は右チャンネル用電子ボリューム、107は左チャンネル用アナログアンプ、108は右チャンネル用アナログアンプ、109はヘッドホン、110は操作ボタン、111はシステムコントローラ、112は左チャンネル用ビープ用制御回路、113は右チャンネル用ビープ用制御回路である。
【0005】
図4に示す構成において、PWM変調回路102から出力される左チャンネル用1ビットPWM信号は、左チャンネル用LPF103で高域周波数成分がカットされてアナログ信号に変換され、ボリューム105で音量調整されてヘッドホン109の左チャンネル音声となる。同様にPWM変調回路102から出力される右チャンネル用1ビットPWM信号は、右チャンネル用LPF104で高域周波数成分がカットされてアナログ信号に変換され、ボリューム106で音量調整されてヘッドホン109の右チャンネル音声となる。
【0006】
また、操作ボタン110を操作するとシステムコントローラ111が、左チャンネル用ビープ用制御回路112、右チャンネル用ビープ用制御回路113に制御信号を送出する。各ビープ用制御回路112・113は、ビープ音を生成して、生成されたビープ音は、左チャンネル用アナログアンプ107および右チャンネル用アナログアンプ108で増幅されたアナログ信号にそれぞれ加えられビープ音が発生できるようになっている。
【0007】
また最近では、ポータブルMD(Mini Disc)プレイヤー等の小型機器にも、1ビット方式のディジタルアンプが搭載されつつある。音声信号がパルスコード変調されたPCM(Pulse Code Modulation)信号にオーバーサンプリング処理を施した信号を、デルタ−シグマ変調を施こすことにより1ビットディジタル信号を生成する。ディジタルアンプにおいてはこの1ビットディジタル信号をスイッチングアンプで増幅し、さらに、LPF(Low Pass Filter)を通すことにより、高周波成分を取り除いてアナログ信号を出力する。
【0008】
1ビット方式のディジタルアンプを搭載した機器においてビープ音を発生するようにした従来の回路構成を、図5に示す。
【0009】
図5において、120はオーバーサンプリング部、121はデルタ−シグマ変調回路、122はPWM(Pulse Width Modulation)変調回路、123は左チャンネル用スイッチングアンプ、125は左チャンネル用LPF、124は右チャンネル用スイッチングアンプ、126は右チャンネル用LPF、127はヘッドホン、128は操作ボタン、129はシステムコントローラ、130は左チャンネル用ビープ用制御回路、131は右チャンネル用ビープ用制御回路である。
【0010】
図5に示す構成において、オーバーサンプリング部120は、入力されてきたPCM信号を、サンプリング周波数の整数倍の高いサンプリング周波数のPCM信号に変換する。デルタ−シグマ変調回路121は、オーバーサンプリング部120から出力されたPCM信号に対して、デルタ−シグマ変調処理を施し、左チャンネル用と、右チャンネル用の信号を生成する。PWM変調回路122では、デルタ−シグマ変調回路121から出力される左チャンネル用PCM信号に対してパルス幅変調処理を施すことにより、左チャンネル用1ビットPWM信号を生成し、デルタ−シグマ変調回路121から出力される右チャンネル用信号に対してパルス幅変調処理を施すことにより、右チャンネル用1ビットPWM信号を生成する。
【0011】
PWM変調回路122から出力される左チャンネル用1ビットPWM信号は、左チャンネル用スイッチングアンプ123でアナログ信号に変換かつ増幅され、左チャンネル用LPF125で高域周波数成分がカットされて、ヘッドホン127の左チャンネル音声となる。PWM変調回路122から出力される右チャンネル用1ビットPWM信号は、右チャンネル用スイッチングアンプ124でアナログ信号に変換かつ増幅され、右チャンネル用LPF126で高域周波数成分がカットされて、ヘッドホン127の右チャンネル音声となる。
【0012】
また、操作ボタン128を操作するとシステムコントローラ129が、左チャンネル用ビープ用制御回路130、右チャンネル用ビープ用制御回路131に制御信号を送出する。各ビープ用制御回路130・131は、ビープ音を生成して、生成されたビープ音は、左チャンネル用スイッチングアンプ123および右チャンネル用スイッチングアンプ124で増幅され、LPF125・126を通して得られたアナログ信号にそれぞれ加えられビープ音が発生できるようになっている。
【0013】
ここで、ビープ音は音量ボリュームを絞った状態でも聞こえる必要があるので、再生している音声の音量とは無関係に一定レベルであることが望ましい。そのため、従来では上述したようにデジタル信号を扱う機器においてもアナログ信号に変換した後にビープ音が加算される構成となっている。
【0014】
このビープ音の音量を電子機器の使用状況によって任意に設定するために、ビープ音コントローラーを備えたビープ音発生装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0015】
【特許文献1】
実開平5 −69796号公報
【0016】
【解決しようとする課題】
しかし、上述した従来構成のように、アンプで増幅されたアナログ信号にビープ音を加える方式は、ビープ音用の制御回路および配線が基板上に必要であり、小型軽量化・コストダウンが不可欠な小型機器にとっては、小型軽量化・コストダウンの阻害要因となる。
【0017】
そこでビープ音処理をデジタル化し、デジタル信号処理回路においてビープ音を加算することができればビープ音用の制御回路および配線を廃止することができる。
【0018】
その際、やはりビープ音は音量ボリュームを絞った状態でも聞こえる必要があるので、再生している音声の音量とは無関係に一定レベルである事が望ましい。
【0019】
そのためには、ボリュームもデジタル化してデジタルボリュームの後でデジタル化したビープ音を加算する必要がある。しかし、一般的にボリュームをデジタル化するとボリュームを絞ってもノイズレベルが下がらないため残留ノイズが多いばかりか、信号の情報量も減るため音質・性能の悪化につながる。
【0020】
本発明はそのような状況に鑑みてなされたもので、ビープ音用の制御回路が基板上に必要なく、アナログのボリュームとデジタル化したビープ音のレベルを連動させることにより、音質的に優れたアナログボリューム方式を採用したまま、再生される音声のレベルに関係なく一定レベルのビープ音が出力できるようにすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1に係る発明は、デジタル情報信号をアナログ情報信号に変換して再生する情報再生装置において、モードの切換時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、ビープ音を生成するビープ音生成手段と、前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記デジタル情報信号に前記ビープ音生成手段で生成されたビープ音信号を加算するように制御することを特徴とする。
【0022】
このように構成することにより、ビープ音用の制御回路および配線が基板上に不要となり、装置の小型化、軽量化、及びコストダウンが可能となる。
【0023】
また、請求項2に係る発明は、情報信号を音量制御部により所定の音量に制御して再生する情報再生装置において、モードの切換時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、ビープ音を生成するビープ音生成手段と、前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記音量制御部の設定値に基づいて生成するビープ音信号の大きさを決定し、前記情報信号に前記生成されたビープ音を加算するように制御することを特徴とする。
【0024】
このように構成することにより、再生している音声の音量とは無関係に一定レベルのビープ音を音声に重畳させることができる。
【0025】
また、請求項3に係る発明は、デジタル情報信号をアナログ情報信号に変換し、音量制御部により所定の音量に制御すると共に増幅手段によりアナログ信号を増幅して再生する情報再生装置において、モードの切換時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、ビープ音を生成するビープ音生成手段と、前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記音量制御部の設定値に基づいて生成するビープ音信号の大きさを決定し、前記デジタル情報信号に前記生成されたビープ音を加算するように制御し、加算後のアナログ情報信号を前記増幅手段により増幅して再生することを特徴とする。
【0026】
このように構成することにより、従来音量制御とアナログ増幅により音声を再生していた機器においても、基板上の配線を廃止すると共に一定のビープ音を生成することが可能となる。
【0027】
また、請求項4に係る発明は、デジタル情報信号を音量制御部に基づいてスイッチング増幅した後アナログ情報信号に変換して再生する情報再生装置において、モード切換え時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、ビープ音を生成するビープ音生成手段と、前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記音量制御部の設定値に基づいて生成するビープ音信号の大きさを決定し、前記デジタル情報信号に前記生成されたビープ音を加算するように制御し、加算後の情報信号をスイッチング増幅した後アナログ情報信号に変換して再生することを特徴とする。
【0028】
このように構成することにより、定電圧のスイッチングにより電力を増幅して音声を再生していた機器においても、基板上の配線を廃止すると共に一定のビープ音を生成することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例についてMD再生装置を例にとって説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係るアナログアンプ方式のMD再生装置の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1において、1はMD(Mine Disc)、2は光ピックアップ、19はMDシステムLSI、10は左チャンネル用LPF(Low Pass Filter)、12は左チャンネル用電子ボリューム、14は左チャンネル用アナログアンプ、11は右チャンネル用LPF、13は右チャンネル用電子ボリューム、15は右チャンネル用アナログアンプ、16はヘッドホン、17はシステムコントローラ、18は操作ボタンである。また、MDシステムLSI19中において、3は信号処理部、4はATRAC(Advanced TRansform Acoustic Coding)伸張処理部、5はオーバーサンプリング部、6はデルタ−シグマ変調回路、7はPWM(Pulse Width Modulation)変調回路、8はビープ音生成回路、9は加算器である。
【0031】
まず、ビープ音を発生させずにMD1を再生して音声を出力する経路に関して説明する。光ピックアップ2は、MD1から信号を取り出して、MDシステムLSI19に送る。
【0032】
MDシステムLSI19では、信号処理部3にて、エラー訂正、スクランブル解除等の処理を施す。ATRAC伸長処理部4は、信号処理部3から入力された圧縮データに対して、アンパッキング、周波数−時間領域変換、帯域合成の処理を施し、音声データを作成する。この音声データは、サンプリング周波数44.1KHzのPCM(Pulse Code Modulation)信号である。オーバーサンプリング部5では、サンプリング周波数44.1KHzのPCM信号を、オーバーサンプリングして高いサンプリング周波数のPCM信号に変換する。デルタ−シグマ変調回路6は、オーバーサンプリング部5から出力されたPCM信号に対して、デルタ−シグマ変調を施し、左チャンネル用PCM信号と、右チャンネル用PCM信号を生成する。PWM変調回路7では、デルタ−シグマ変調回路6から出力される左チャンネル用PCM信号に対してパルス幅変調を施すことにより、左チャンネル用1ビットPWM信号を生成し、デルタ−シグマ変調回路6から出力される右チャンネル用PCM信号に対してパルス幅変調を施すことにより、右チャンネル用1ビットPWM信号を生成する。PWM変調回路7から出力される左チャンネル用1ビットPWM信号と、右チャンネル用1ビットPWM信号が、MDシステムLS19の出力端子より出力される。
【0033】
MDシステムLSI19から出力された左チャンネル用1ビットPWM信号は、左チャンネル用LPF10によって高域周波数成分をカットしてアナログ信号に変換され、左チャンネル用電子ボリューム12によってレベルを調整され、左チャンネル用アナログアンプ14で増幅された後ヘッドホン16によって左チャンネル音声になる。また、MDシステムLSI19から出力された右チャンネル用1ビットPWM信号は、右チャンネル用LPF11によって高域周波数成分をカットしてアナログ信号に変換され、右チャンネル用電子ボリューム13によってレベルを調整され、右チャンネル用アナログアンプ15で増幅された後ヘッドホン16右チャンネル音声になる。なお電子ボリューム12・13の設定はシステムコントローラ17によってなされる。
【0034】
続いて、ビープ音を発生する動作について説明する。ユーザが操作ボタン18を操作することにより、システムコントローラ17にモードが切り替わったことを知らせる信号が送られる。これを受けて、システムコントローラ17は、ビープ音生成回路8に制御信号を送る。この際システムコントローラ17はヘッドホン16でのビープ音レベルを一定にするため電子ボリューム12・13の設定値を基にヘッドホン16でのビープ音レベルを一定とする値を計算し(ボリュームが大の時は小さな値、ボリュームが小のときは大きな値)、ビープ音生成回路8に最適な信号レベルのビープ音を生成し、加算器9に出力する。加算器9は、オーバーサンプリング部5から出力されたPCM信号と、ビープ音生成回路8から出力されたビープ音信号とを加算し、デルタ−シグマ変調回路6に出力する。その後のデータの流れは、通常の再生と同じである。これにより、ユーザはボリュームの設定と無関係に一定レベルのビープ音を感知することができる。
【0035】
このような構成をとることにより、小型機器の基板上にビープ用の回路が必要無くなり、小型軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0036】
また、アナログ方式のボリュームとビープレベルを連動させることにより、音質・性能的に優れたアナログボリュームを採用しても、再生される音声のレベルに関係なく一定レベルのビープ音が出力できる。
【0037】
図2は、本発明の第2の実施例に係るデジタルアンプ方式のMD再生装置の構成を示すブロック図である。図2において、21はMD、22は光ピックアップ、38はMDシステムLSI、30は左チャンネル用スイッチングアンプ、32は左チャンネル用LPF、31は右チャンネル用スイッチングアンプ、33は右チャンネル用LPF、34はヘッドホン、36はシステムコントローラ、37は操作ボタンである。また、MDシステムLSI38中において、23は信号処理部、24はATRAC伸張処理部、25はオーバーサンプリング部、26はデルタ−シグマ変調回路、27はPWM変調回路、28はビープ音生成回路、29は加算器である。
【0038】
まず、ビープ音を発生させずにMD21を再生して音声を出力する経路に関して説明する。光ピックアップ22は、MD21から信号を取り出して、MDシステムLSI38に送る。
【0039】
MDシステムLSI38の構成は、図1のMDシステムLSI19と同様であり、左チャンネル用1ビットPWM信号と、右チャンネル用1ビットPWM信号が、MDシステムLSI38の出力端子より出力される。
【0040】
MDシステムLSI38から出力された左チャンネル用1ビットPWM信号は、左チャンネル用スイッチングアンプ30によって増幅された後、左チャンネル用LPF32によって高域周波数成分がカットされアナログ信号に変換後、ヘッドホン34によって左チャンネル音声になる。また、MDシステムLSI38から出力された右チャンネル用1ビットPWM信号は、右チャンネル用スイッチングアンプ31によって増幅された後、右チャンネル用LPF33によって高域周波数成分がカットされアナログ信号に変換後、ヘッドホン34によって右チャンネル音声になる。
【0041】
アンプ電源電圧コントロール回路35はスイッチングアンプ30・31の電源電圧をシステムコントローラ36でコントロールする回路である。スイッチングアンプの電源電圧を上げるとスイッチングアンプより出力される各チャンネル用の1ビットPWM信号の振幅も上がりLPF32・33後のヘッドホン出力レベルも上がる。スイッチングアンプの電源電圧を下げるとスイッチングアンプより出力される各チャンネル用の1ビットPWM信号の振幅も下がりLPF32・33後のヘッドホン出力レベルも下がる動作によりアナログアンプの電子ボリュームと同様の機能を果たす。
【0042】
続いて、ビープ音を発生する動作について説明する。ユーザが操作ボタン37を操作することにより、システムコントローラ36にモードが切り替わったことを知らせる信号が送られる。これを受けて、システムコントローラ36は、ビープ音生成回路28に制御信号を送る。この際システムコントローラ36はヘッドホン34でのビープ音レベルを一定にするためアンプ電源電圧コントロール回路35への設定値を基にヘッドホン34でのビープ音レベルを一定とする値を計算し(アンプ電源電圧が大の時は小さな値、アンプ電源電圧が小のときは大きな値)、ビープ音生成回路28に最適な信号レベルのビープ音を生成し、加算器29に出力する。加算器29は、オーバーサンプリング部25から出力されたPCM信号と、ビープ音生成回路28から出力されたビープ音信号とを加算し、デルタ−シグマ変調回路26に出力する。その後のデータの流れは、通常の再生と同じである。これにより、ユーザはボリュームの設定と無関係に一定レベルのビープ音を感知することができる。
【0043】
このような構成をとることにより、小型機器の基板上にビープ用の回路が必要無くなり、小型軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0044】
また、振幅を変えるアナログ方式のボリュームとデジタル処理によるビープレベルを連動させることにより、音質・性能的に優れたアナログボリュームを採用しても、再生される音声のレベルに関係なく一定レベルのビープ音が出力できる。
【0045】
上述した実施例に適用されるビープ音生成回路8・28の構成例を、図3を用いて説明する。
【0046】
図3において、41は5bitカウンタ、42はセレクタ回路、43はbit拡張回路、44はXOR回路、45はセレクタ回路である。
【0047】
周波数44.1KHzのクロック信号が5bitカウンタ21に入力されることにより、5bitカウンタ41は、周波数22.05KHzのq0、周波数11.025KHzのq1、周波数5.5125KHzのq2、周波数2.75625KHzのq3、周波数1.278125KHzのq4を、それぞれ出力する。5bitカウンタ21からの出力q1、q2、q3及びq4は、セレクタ回路42に入力される。ここで、q0をセレクタ回路42の入力から除外しているのは、22.05KHzという周波数が、人間の課長帯域を超えているからであり、5bitカウンタ21に入力される周波数が低く、q0が人間の可聴帯域内にあるならば、q0をセレクタ入力としても良い。また、5bitカウンタとしているが、任意のbit数のカウンタで構成可能である。
【0048】
セレクタ回路42に入力されるセレクト信号は、システムコントローラ17・36から送られる制御信号「1」である。制御信号「1」の値により、セレクタ42からは任意の周波数の方形波が出力される。bit拡張回路43では、1bitの信号を任意のbit数、例えば24bitに拡張する。このbit拡張回路43の出力は、ALL0又はALL1の24bit信号になる。
【0049】
XOR回路44では、bit拡張回路43から出力される24bitのALL0又はALL1信号と、システムコントローラ17・36から送られる制御信号「2」との、排他的論理和をとる。制御信号「2」の値が7FFFFFHならば、XOR回路44の出力は、7FFFFFH又は800000Hとなる。これは、24bitフル振幅の方形波を表している。制御信号「2」の値が400000Hならば、XOR回路44の出力は400000H又はBFFFFFHとなる。これは、24bitフル振幅の半分の振幅の方形波を表している。このように、XOR回路44の出力は、制御信号「2」の値により、任意の振幅の方形波が出力可能である。
【0050】
ところで、XOR回路44はALL0信号を出力することができない。制御信号「2」の値が000000Hならば、XOR回路44の出力は、000000H又はFFFFFFHとなるからである。このために、セレクタ回路45が設けられている。ビープ音生成回路8・28からはALL0信号を出力したいときには、システムコントローラ8・28から送られる制御信号「3」を“1”にすることにより、セレクタ回路45の出力をALL0とすることができる。
【0051】
以上のようにビープ音生成回路8・28からは、任意の周波数で、任意の振幅(任意のレベル)のビープ音が出力可能である。
【0052】
任意の振幅のビープ音が出力可能な構成とすれば、スイッチングアンプにより、ボリュームが変化したときでも、それに合わせてビープ音の振幅レベルを変化させることにより、一定レベルのビープ音をユーザに感知させることができる。
【0053】
上記の実施例では、情報再生装置としてMD再生装置を例にとって説明したが、MD再生装置以外にも脱着式半導体メモリを記録媒体とした情報再生装置、DVD再生装置などにも、本発明は適用可能である。
【0054】
なお、上記で説明したモード切換えとは本実施の形態においては例えば「再生モードから停止モード」「停止モードから再生モード」「録音モードから停止モード」「停止モードから録音モード」「BASS特性の切り換え」等が挙げられる。モードとはこれに限られるものではなく、機器によってモードも変わることは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、従来必要であったビープ音用の制御回路が基板上に必要なくなり、機器の小型軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0056】
また、アナログ方式のボリュームとデジタル処理によるビープレベルを連動させることにより、音質・性能的に優れたアナログボリュームを採用しても、再生される音声のレベルに関係なく一定レベルのビープ音の出力が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るブロック図
【図2】本発明の第2の実施例に係るブロック図
【図3】ビープ音生成回路の構成図
【図4】従来例1のブロック図
【図5】従来例2のブロック図
【符号の説明】
5、25 オーバーサンプリング部
6、26 デルタ−シグマ変調回路
7、27 PWM変調回路
8、28 ビープ音生成回路
17、36 システムコントローラ
12、13 電子ボリューム
30、31 スイッチングアンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報信号を再生する情報再生装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
ポータブルMD(Mini Disc)プレイヤー等の電子機器には、操作キーを押した時や、動作モードが変わった時などに、それを知らせるためのビープ音を発生させる機能を付加しているものが多い。
【0003】
デジタル信号に所定の処理を施した後アナログ信号に変換し、アナログアンプにより増幅させて音声出力をさせる回路においてビープ音を発生させるようにした回路構成を図4に示す。
【0004】
図4において、100はオーバーサンプリング部、101はデルタ−シグマ変調回路、102はPWM変調回路、103は左チャンネル用ローパスフィルター、104は右チャンネル用ローパスフィルター、105は左チャンネル用電子ボリューム、106は右チャンネル用電子ボリューム、107は左チャンネル用アナログアンプ、108は右チャンネル用アナログアンプ、109はヘッドホン、110は操作ボタン、111はシステムコントローラ、112は左チャンネル用ビープ用制御回路、113は右チャンネル用ビープ用制御回路である。
【0005】
図4に示す構成において、PWM変調回路102から出力される左チャンネル用1ビットPWM信号は、左チャンネル用LPF103で高域周波数成分がカットされてアナログ信号に変換され、ボリューム105で音量調整されてヘッドホン109の左チャンネル音声となる。同様にPWM変調回路102から出力される右チャンネル用1ビットPWM信号は、右チャンネル用LPF104で高域周波数成分がカットされてアナログ信号に変換され、ボリューム106で音量調整されてヘッドホン109の右チャンネル音声となる。
【0006】
また、操作ボタン110を操作するとシステムコントローラ111が、左チャンネル用ビープ用制御回路112、右チャンネル用ビープ用制御回路113に制御信号を送出する。各ビープ用制御回路112・113は、ビープ音を生成して、生成されたビープ音は、左チャンネル用アナログアンプ107および右チャンネル用アナログアンプ108で増幅されたアナログ信号にそれぞれ加えられビープ音が発生できるようになっている。
【0007】
また最近では、ポータブルMD(Mini Disc)プレイヤー等の小型機器にも、1ビット方式のディジタルアンプが搭載されつつある。音声信号がパルスコード変調されたPCM(Pulse Code Modulation)信号にオーバーサンプリング処理を施した信号を、デルタ−シグマ変調を施こすことにより1ビットディジタル信号を生成する。ディジタルアンプにおいてはこの1ビットディジタル信号をスイッチングアンプで増幅し、さらに、LPF(Low Pass Filter)を通すことにより、高周波成分を取り除いてアナログ信号を出力する。
【0008】
1ビット方式のディジタルアンプを搭載した機器においてビープ音を発生するようにした従来の回路構成を、図5に示す。
【0009】
図5において、120はオーバーサンプリング部、121はデルタ−シグマ変調回路、122はPWM(Pulse Width Modulation)変調回路、123は左チャンネル用スイッチングアンプ、125は左チャンネル用LPF、124は右チャンネル用スイッチングアンプ、126は右チャンネル用LPF、127はヘッドホン、128は操作ボタン、129はシステムコントローラ、130は左チャンネル用ビープ用制御回路、131は右チャンネル用ビープ用制御回路である。
【0010】
図5に示す構成において、オーバーサンプリング部120は、入力されてきたPCM信号を、サンプリング周波数の整数倍の高いサンプリング周波数のPCM信号に変換する。デルタ−シグマ変調回路121は、オーバーサンプリング部120から出力されたPCM信号に対して、デルタ−シグマ変調処理を施し、左チャンネル用と、右チャンネル用の信号を生成する。PWM変調回路122では、デルタ−シグマ変調回路121から出力される左チャンネル用PCM信号に対してパルス幅変調処理を施すことにより、左チャンネル用1ビットPWM信号を生成し、デルタ−シグマ変調回路121から出力される右チャンネル用信号に対してパルス幅変調処理を施すことにより、右チャンネル用1ビットPWM信号を生成する。
【0011】
PWM変調回路122から出力される左チャンネル用1ビットPWM信号は、左チャンネル用スイッチングアンプ123でアナログ信号に変換かつ増幅され、左チャンネル用LPF125で高域周波数成分がカットされて、ヘッドホン127の左チャンネル音声となる。PWM変調回路122から出力される右チャンネル用1ビットPWM信号は、右チャンネル用スイッチングアンプ124でアナログ信号に変換かつ増幅され、右チャンネル用LPF126で高域周波数成分がカットされて、ヘッドホン127の右チャンネル音声となる。
【0012】
また、操作ボタン128を操作するとシステムコントローラ129が、左チャンネル用ビープ用制御回路130、右チャンネル用ビープ用制御回路131に制御信号を送出する。各ビープ用制御回路130・131は、ビープ音を生成して、生成されたビープ音は、左チャンネル用スイッチングアンプ123および右チャンネル用スイッチングアンプ124で増幅され、LPF125・126を通して得られたアナログ信号にそれぞれ加えられビープ音が発生できるようになっている。
【0013】
ここで、ビープ音は音量ボリュームを絞った状態でも聞こえる必要があるので、再生している音声の音量とは無関係に一定レベルであることが望ましい。そのため、従来では上述したようにデジタル信号を扱う機器においてもアナログ信号に変換した後にビープ音が加算される構成となっている。
【0014】
このビープ音の音量を電子機器の使用状況によって任意に設定するために、ビープ音コントローラーを備えたビープ音発生装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0015】
【特許文献1】
実開平5 −69796号公報
【0016】
【解決しようとする課題】
しかし、上述した従来構成のように、アンプで増幅されたアナログ信号にビープ音を加える方式は、ビープ音用の制御回路および配線が基板上に必要であり、小型軽量化・コストダウンが不可欠な小型機器にとっては、小型軽量化・コストダウンの阻害要因となる。
【0017】
そこでビープ音処理をデジタル化し、デジタル信号処理回路においてビープ音を加算することができればビープ音用の制御回路および配線を廃止することができる。
【0018】
その際、やはりビープ音は音量ボリュームを絞った状態でも聞こえる必要があるので、再生している音声の音量とは無関係に一定レベルである事が望ましい。
【0019】
そのためには、ボリュームもデジタル化してデジタルボリュームの後でデジタル化したビープ音を加算する必要がある。しかし、一般的にボリュームをデジタル化するとボリュームを絞ってもノイズレベルが下がらないため残留ノイズが多いばかりか、信号の情報量も減るため音質・性能の悪化につながる。
【0020】
本発明はそのような状況に鑑みてなされたもので、ビープ音用の制御回路が基板上に必要なく、アナログのボリュームとデジタル化したビープ音のレベルを連動させることにより、音質的に優れたアナログボリューム方式を採用したまま、再生される音声のレベルに関係なく一定レベルのビープ音が出力できるようにすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために請求項1に係る発明は、デジタル情報信号をアナログ情報信号に変換して再生する情報再生装置において、モードの切換時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、ビープ音を生成するビープ音生成手段と、前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記デジタル情報信号に前記ビープ音生成手段で生成されたビープ音信号を加算するように制御することを特徴とする。
【0022】
このように構成することにより、ビープ音用の制御回路および配線が基板上に不要となり、装置の小型化、軽量化、及びコストダウンが可能となる。
【0023】
また、請求項2に係る発明は、情報信号を音量制御部により所定の音量に制御して再生する情報再生装置において、モードの切換時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、ビープ音を生成するビープ音生成手段と、前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記音量制御部の設定値に基づいて生成するビープ音信号の大きさを決定し、前記情報信号に前記生成されたビープ音を加算するように制御することを特徴とする。
【0024】
このように構成することにより、再生している音声の音量とは無関係に一定レベルのビープ音を音声に重畳させることができる。
【0025】
また、請求項3に係る発明は、デジタル情報信号をアナログ情報信号に変換し、音量制御部により所定の音量に制御すると共に増幅手段によりアナログ信号を増幅して再生する情報再生装置において、モードの切換時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、ビープ音を生成するビープ音生成手段と、前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記音量制御部の設定値に基づいて生成するビープ音信号の大きさを決定し、前記デジタル情報信号に前記生成されたビープ音を加算するように制御し、加算後のアナログ情報信号を前記増幅手段により増幅して再生することを特徴とする。
【0026】
このように構成することにより、従来音量制御とアナログ増幅により音声を再生していた機器においても、基板上の配線を廃止すると共に一定のビープ音を生成することが可能となる。
【0027】
また、請求項4に係る発明は、デジタル情報信号を音量制御部に基づいてスイッチング増幅した後アナログ情報信号に変換して再生する情報再生装置において、モード切換え時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、ビープ音を生成するビープ音生成手段と、前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記音量制御部の設定値に基づいて生成するビープ音信号の大きさを決定し、前記デジタル情報信号に前記生成されたビープ音を加算するように制御し、加算後の情報信号をスイッチング増幅した後アナログ情報信号に変換して再生することを特徴とする。
【0028】
このように構成することにより、定電圧のスイッチングにより電力を増幅して音声を再生していた機器においても、基板上の配線を廃止すると共に一定のビープ音を生成することが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例についてMD再生装置を例にとって説明する。図1は、本発明の第1の実施例に係るアナログアンプ方式のMD再生装置の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1において、1はMD(Mine Disc)、2は光ピックアップ、19はMDシステムLSI、10は左チャンネル用LPF(Low Pass Filter)、12は左チャンネル用電子ボリューム、14は左チャンネル用アナログアンプ、11は右チャンネル用LPF、13は右チャンネル用電子ボリューム、15は右チャンネル用アナログアンプ、16はヘッドホン、17はシステムコントローラ、18は操作ボタンである。また、MDシステムLSI19中において、3は信号処理部、4はATRAC(Advanced TRansform Acoustic Coding)伸張処理部、5はオーバーサンプリング部、6はデルタ−シグマ変調回路、7はPWM(Pulse Width Modulation)変調回路、8はビープ音生成回路、9は加算器である。
【0031】
まず、ビープ音を発生させずにMD1を再生して音声を出力する経路に関して説明する。光ピックアップ2は、MD1から信号を取り出して、MDシステムLSI19に送る。
【0032】
MDシステムLSI19では、信号処理部3にて、エラー訂正、スクランブル解除等の処理を施す。ATRAC伸長処理部4は、信号処理部3から入力された圧縮データに対して、アンパッキング、周波数−時間領域変換、帯域合成の処理を施し、音声データを作成する。この音声データは、サンプリング周波数44.1KHzのPCM(Pulse Code Modulation)信号である。オーバーサンプリング部5では、サンプリング周波数44.1KHzのPCM信号を、オーバーサンプリングして高いサンプリング周波数のPCM信号に変換する。デルタ−シグマ変調回路6は、オーバーサンプリング部5から出力されたPCM信号に対して、デルタ−シグマ変調を施し、左チャンネル用PCM信号と、右チャンネル用PCM信号を生成する。PWM変調回路7では、デルタ−シグマ変調回路6から出力される左チャンネル用PCM信号に対してパルス幅変調を施すことにより、左チャンネル用1ビットPWM信号を生成し、デルタ−シグマ変調回路6から出力される右チャンネル用PCM信号に対してパルス幅変調を施すことにより、右チャンネル用1ビットPWM信号を生成する。PWM変調回路7から出力される左チャンネル用1ビットPWM信号と、右チャンネル用1ビットPWM信号が、MDシステムLS19の出力端子より出力される。
【0033】
MDシステムLSI19から出力された左チャンネル用1ビットPWM信号は、左チャンネル用LPF10によって高域周波数成分をカットしてアナログ信号に変換され、左チャンネル用電子ボリューム12によってレベルを調整され、左チャンネル用アナログアンプ14で増幅された後ヘッドホン16によって左チャンネル音声になる。また、MDシステムLSI19から出力された右チャンネル用1ビットPWM信号は、右チャンネル用LPF11によって高域周波数成分をカットしてアナログ信号に変換され、右チャンネル用電子ボリューム13によってレベルを調整され、右チャンネル用アナログアンプ15で増幅された後ヘッドホン16右チャンネル音声になる。なお電子ボリューム12・13の設定はシステムコントローラ17によってなされる。
【0034】
続いて、ビープ音を発生する動作について説明する。ユーザが操作ボタン18を操作することにより、システムコントローラ17にモードが切り替わったことを知らせる信号が送られる。これを受けて、システムコントローラ17は、ビープ音生成回路8に制御信号を送る。この際システムコントローラ17はヘッドホン16でのビープ音レベルを一定にするため電子ボリューム12・13の設定値を基にヘッドホン16でのビープ音レベルを一定とする値を計算し(ボリュームが大の時は小さな値、ボリュームが小のときは大きな値)、ビープ音生成回路8に最適な信号レベルのビープ音を生成し、加算器9に出力する。加算器9は、オーバーサンプリング部5から出力されたPCM信号と、ビープ音生成回路8から出力されたビープ音信号とを加算し、デルタ−シグマ変調回路6に出力する。その後のデータの流れは、通常の再生と同じである。これにより、ユーザはボリュームの設定と無関係に一定レベルのビープ音を感知することができる。
【0035】
このような構成をとることにより、小型機器の基板上にビープ用の回路が必要無くなり、小型軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0036】
また、アナログ方式のボリュームとビープレベルを連動させることにより、音質・性能的に優れたアナログボリュームを採用しても、再生される音声のレベルに関係なく一定レベルのビープ音が出力できる。
【0037】
図2は、本発明の第2の実施例に係るデジタルアンプ方式のMD再生装置の構成を示すブロック図である。図2において、21はMD、22は光ピックアップ、38はMDシステムLSI、30は左チャンネル用スイッチングアンプ、32は左チャンネル用LPF、31は右チャンネル用スイッチングアンプ、33は右チャンネル用LPF、34はヘッドホン、36はシステムコントローラ、37は操作ボタンである。また、MDシステムLSI38中において、23は信号処理部、24はATRAC伸張処理部、25はオーバーサンプリング部、26はデルタ−シグマ変調回路、27はPWM変調回路、28はビープ音生成回路、29は加算器である。
【0038】
まず、ビープ音を発生させずにMD21を再生して音声を出力する経路に関して説明する。光ピックアップ22は、MD21から信号を取り出して、MDシステムLSI38に送る。
【0039】
MDシステムLSI38の構成は、図1のMDシステムLSI19と同様であり、左チャンネル用1ビットPWM信号と、右チャンネル用1ビットPWM信号が、MDシステムLSI38の出力端子より出力される。
【0040】
MDシステムLSI38から出力された左チャンネル用1ビットPWM信号は、左チャンネル用スイッチングアンプ30によって増幅された後、左チャンネル用LPF32によって高域周波数成分がカットされアナログ信号に変換後、ヘッドホン34によって左チャンネル音声になる。また、MDシステムLSI38から出力された右チャンネル用1ビットPWM信号は、右チャンネル用スイッチングアンプ31によって増幅された後、右チャンネル用LPF33によって高域周波数成分がカットされアナログ信号に変換後、ヘッドホン34によって右チャンネル音声になる。
【0041】
アンプ電源電圧コントロール回路35はスイッチングアンプ30・31の電源電圧をシステムコントローラ36でコントロールする回路である。スイッチングアンプの電源電圧を上げるとスイッチングアンプより出力される各チャンネル用の1ビットPWM信号の振幅も上がりLPF32・33後のヘッドホン出力レベルも上がる。スイッチングアンプの電源電圧を下げるとスイッチングアンプより出力される各チャンネル用の1ビットPWM信号の振幅も下がりLPF32・33後のヘッドホン出力レベルも下がる動作によりアナログアンプの電子ボリュームと同様の機能を果たす。
【0042】
続いて、ビープ音を発生する動作について説明する。ユーザが操作ボタン37を操作することにより、システムコントローラ36にモードが切り替わったことを知らせる信号が送られる。これを受けて、システムコントローラ36は、ビープ音生成回路28に制御信号を送る。この際システムコントローラ36はヘッドホン34でのビープ音レベルを一定にするためアンプ電源電圧コントロール回路35への設定値を基にヘッドホン34でのビープ音レベルを一定とする値を計算し(アンプ電源電圧が大の時は小さな値、アンプ電源電圧が小のときは大きな値)、ビープ音生成回路28に最適な信号レベルのビープ音を生成し、加算器29に出力する。加算器29は、オーバーサンプリング部25から出力されたPCM信号と、ビープ音生成回路28から出力されたビープ音信号とを加算し、デルタ−シグマ変調回路26に出力する。その後のデータの流れは、通常の再生と同じである。これにより、ユーザはボリュームの設定と無関係に一定レベルのビープ音を感知することができる。
【0043】
このような構成をとることにより、小型機器の基板上にビープ用の回路が必要無くなり、小型軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0044】
また、振幅を変えるアナログ方式のボリュームとデジタル処理によるビープレベルを連動させることにより、音質・性能的に優れたアナログボリュームを採用しても、再生される音声のレベルに関係なく一定レベルのビープ音が出力できる。
【0045】
上述した実施例に適用されるビープ音生成回路8・28の構成例を、図3を用いて説明する。
【0046】
図3において、41は5bitカウンタ、42はセレクタ回路、43はbit拡張回路、44はXOR回路、45はセレクタ回路である。
【0047】
周波数44.1KHzのクロック信号が5bitカウンタ21に入力されることにより、5bitカウンタ41は、周波数22.05KHzのq0、周波数11.025KHzのq1、周波数5.5125KHzのq2、周波数2.75625KHzのq3、周波数1.278125KHzのq4を、それぞれ出力する。5bitカウンタ21からの出力q1、q2、q3及びq4は、セレクタ回路42に入力される。ここで、q0をセレクタ回路42の入力から除外しているのは、22.05KHzという周波数が、人間の課長帯域を超えているからであり、5bitカウンタ21に入力される周波数が低く、q0が人間の可聴帯域内にあるならば、q0をセレクタ入力としても良い。また、5bitカウンタとしているが、任意のbit数のカウンタで構成可能である。
【0048】
セレクタ回路42に入力されるセレクト信号は、システムコントローラ17・36から送られる制御信号「1」である。制御信号「1」の値により、セレクタ42からは任意の周波数の方形波が出力される。bit拡張回路43では、1bitの信号を任意のbit数、例えば24bitに拡張する。このbit拡張回路43の出力は、ALL0又はALL1の24bit信号になる。
【0049】
XOR回路44では、bit拡張回路43から出力される24bitのALL0又はALL1信号と、システムコントローラ17・36から送られる制御信号「2」との、排他的論理和をとる。制御信号「2」の値が7FFFFFHならば、XOR回路44の出力は、7FFFFFH又は800000Hとなる。これは、24bitフル振幅の方形波を表している。制御信号「2」の値が400000Hならば、XOR回路44の出力は400000H又はBFFFFFHとなる。これは、24bitフル振幅の半分の振幅の方形波を表している。このように、XOR回路44の出力は、制御信号「2」の値により、任意の振幅の方形波が出力可能である。
【0050】
ところで、XOR回路44はALL0信号を出力することができない。制御信号「2」の値が000000Hならば、XOR回路44の出力は、000000H又はFFFFFFHとなるからである。このために、セレクタ回路45が設けられている。ビープ音生成回路8・28からはALL0信号を出力したいときには、システムコントローラ8・28から送られる制御信号「3」を“1”にすることにより、セレクタ回路45の出力をALL0とすることができる。
【0051】
以上のようにビープ音生成回路8・28からは、任意の周波数で、任意の振幅(任意のレベル)のビープ音が出力可能である。
【0052】
任意の振幅のビープ音が出力可能な構成とすれば、スイッチングアンプにより、ボリュームが変化したときでも、それに合わせてビープ音の振幅レベルを変化させることにより、一定レベルのビープ音をユーザに感知させることができる。
【0053】
上記の実施例では、情報再生装置としてMD再生装置を例にとって説明したが、MD再生装置以外にも脱着式半導体メモリを記録媒体とした情報再生装置、DVD再生装置などにも、本発明は適用可能である。
【0054】
なお、上記で説明したモード切換えとは本実施の形態においては例えば「再生モードから停止モード」「停止モードから再生モード」「録音モードから停止モード」「停止モードから録音モード」「BASS特性の切り換え」等が挙げられる。モードとはこれに限られるものではなく、機器によってモードも変わることは言うまでもない。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、従来必要であったビープ音用の制御回路が基板上に必要なくなり、機器の小型軽量化とコストダウンを図ることができる。
【0056】
また、アナログ方式のボリュームとデジタル処理によるビープレベルを連動させることにより、音質・性能的に優れたアナログボリュームを採用しても、再生される音声のレベルに関係なく一定レベルのビープ音の出力が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るブロック図
【図2】本発明の第2の実施例に係るブロック図
【図3】ビープ音生成回路の構成図
【図4】従来例1のブロック図
【図5】従来例2のブロック図
【符号の説明】
5、25 オーバーサンプリング部
6、26 デルタ−シグマ変調回路
7、27 PWM変調回路
8、28 ビープ音生成回路
17、36 システムコントローラ
12、13 電子ボリューム
30、31 スイッチングアンプ
Claims (4)
- デジタル情報信号をアナログ情報信号に変換して再生する情報再生装置において、
モードの切換時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、
ビープ音を生成するビープ音生成手段と、
前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記デジタル情報信号に前記ビープ音生成手段で生成されたビープ音信号を加算するように制御することを特徴とする情報再生装置。 - 情報信号を音量制御部により所定の音量に制御して再生する情報再生装置において、
モードの切換時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、
ビープ音を生成するビープ音生成手段と、
前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記音量制御部の設定値に基づいて生成するビープ音信号の大きさを決定し、前記情報信号に前記生成されたビープ音を加算するように制御することを特徴とする情報再生装置。 - デジタル情報信号をアナログ情報信号に変換し、音量制御部により所定の音量に制御すると共に増幅手段によりアナログ信号を増幅して再生する情報再生装置において、
モードの切換時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、
ビープ音を生成するビープ音生成手段と、
前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記音量制御部の設定値に基づいて生成するビープ音信号の大きさを決定し、前記デジタル情報信号に前記生成されたビープ音を加算するように制御し、
加算後のアナログ情報信号を前記増幅手段により増幅して再生することを特徴とする情報再生装置。 - デジタル情報信号を音量制御部に基づいてスイッチング増幅した後アナログ情報信号に変換して再生する情報再生装置において、
モード切換え時に指令信号を生成するモード切換え指令手段と、
ビープ音を生成するビープ音生成手段と、
前記指令信号に応答してビープ音信号を生成するようにビープ音生成手段を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記指令信号が出力されたとき、前記音量制御部の設定値に基づいて生成するビープ音信号の大きさを決定し、前記デジタル情報信号に前記生成されたビープ音を加算するように制御し、
加算後の情報信号をスイッチング増幅した後アナログ情報信号に変換して再生することを特徴とする情報信号再生装置。
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2003
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