JP2004218293A - 暗証番号入力式錠装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】解錠を可能とする第2暗証番号が設定された状態において、第1暗証番号が設定された場合には、制御部21により第2暗証番号を無効化し、一方第2暗証番号が無効化された状態において、第1暗証番号がクリアされた場合には、制御部21により第2暗証番号を有効化するように構成される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のキースイッチを介して所定の暗証番号を入力して解錠する暗証番号入力式錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ドアロック制御装置の施解錠は、金属製のキーを使用する他に、テンキーを含む複数のスイッチにより予め登録された暗証番号と同一の番号を入力することにより、電子錠を解錠するキーレスエントリーシステムが知られている。この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されものが知られている(特許文献1及び2参照)。
【0003】
このようなキーレスエントリーシステムを、賃貸用の集合住宅に適当した場合に、集合住宅の各部屋に対応した暗証番号としては、使用者用、工事、メンテナンス業者(コンストラクション)用、ならびに管理者用のものがそれぞれ用意されていた。各部屋の使用者、工事業者ならびに管理者は、各部屋に対応した暗証番号により、各部屋の錠を解錠していた。
【0004】
このようなシステムにおいて、住宅の入居希望者が、事前に空き部屋を内覧したい場合には、内覧時に入居希望者は、固定的に用意された暗証番号を住宅の管理者側から通知され、通知された暗証番号を入力することにより空き部屋の錠を解錠し、空き部屋を内覧していた。
【0005】
【特許文献1】
特開昭56−105076号公報
【0006】
【特許文献2】
特公昭59−32632号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記住宅用のキーレスエントリーシステムにおいては、内覧者が部屋を内覧する際に使用する暗証番号は、固定的に用意されていた。例えば、この暗証番号が、各空き部屋に共通に設定されている場合には、他の空き部屋も自由に解錠されてしまうおそれがあり、防犯上問題があった。一方、それぞれの空き部屋ごとに、暗証番号を用意した場合には、暗証番号の管理が煩雑になるといった不具合を招くことになる。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、集合住宅の入居者用の暗証番号と内覧者用の暗証番号を区別し、不正な侵入や盗難を防止し、防犯効果を向上させた暗証番号入力式錠装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、課題を解決する第1の手段は、複数のキースイッチを介して入力された暗証番号に基づいて、錠を解錠制御する暗証番号入力式錠装置において、解錠を可能とする第2暗証番号が設定された状態において、第1暗証番号が設定された場合には、第2暗証番号を無効化し、一方第2暗証番号が無効化された状態において、第1暗証番号がクリアされた場合には、第2暗証番号を有効化する暗証番号制御手段と、設定された第1暗証番号又は第2暗証番号を記憶し、クリアされた第1暗証番号又は第2暗証番号は消去される記憶手段とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記暗証番号入力式錠装置は、集合住宅に使用され、前記第1暗証番号は、前記集合住宅の入居者が入居中に使用する暗証番号として割り当てられ、前記第2暗証番号は、前記集合住宅の入居希望者が、室内を内覧する際に使用する暗証番号として割り当てられることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記第2暗証番号は、複数の番号が設定されている場合に、番号のすべてあるいは一部が随時変更されることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてこの発明の実施形態を説明する。
【0013】
図1はこの発明の一実施形態に係る暗証番号入力式錠装置の構成を示す図である。図1において、この実施形態の暗証番号入力式錠装置1は、例えば賃貸用の集合住宅のキーレスエントリーシステムに使用され、フレーム2に取り付けられたロック装置3を備えている。ロック装置3には、図示しない機械的装置によりハンドル4が連結されている。ロック装置3には、従来のロック装置と同様にハンドル4により操作されるラッチボルト5とシリンダー錠6により、施解錠されるデッドボルト7が設けられている。シリンダー錠6の上部のフレーム2には、0〜9のテンキーを含むキーボードで構成される複数の入力スイッチ8が設けられている。また、暗証番号入力式錠装置1には、入力スイッチ8を介して入力される暗証番号により解錠を制御する他、後述する暗証番号の設定、変更、クリアならびに一時無効化を実行制御し、暗証番号を制御管理する暗証番号制御手段として機能する制御回路(図示せず)を備えている。
【0014】
図2は上記制御回路の構成示す図である。図2において、制御回路は、ワンチップマイクロコンピュータ等のICにより構成され、プログラムにより各種制御動作を行う制御部21と、設定された暗証番号を記憶する記憶部22を備えて構成されている。
【0015】
制御部21は、入力スイッチ8が接続され、この入力スイッチ8を介して暗証番号が制御部21に入力される。制御部21は、ロック装置3のデッドボルト7を操作するための被駆動装置としてのソレノイド又はモータ等のアクチュエータからなる施解錠制御部23が接続され、入力された暗証番号に基づいて施解錠制御部23を駆動制御して解錠する。また、制御部21には、ブザー又はランプ等の表示部24が接続されている。制御部21は、図3の機能マトリックスに示す機能を有する、第1〜第4暗証番号を管理制御する。
【0016】
図3において、この実施形態の暗証番号入力式錠装置では、各部屋に対して第1暗証番号、第2暗証番号、第3暗証番号ならびに第4暗証番号の4つの暗証番号が設定可能となる。第1暗証番号は、集合住宅の各部屋の入居者が使用する、入居者用の暗証番号として割り当てられる。第2暗証番号は、空き部屋の入居希望者が室内を内覧する際に使用される、内覧用の暗証番号として割り当てられる。第3暗証番号は、工事、メンテナンス業者が使用する、コンストラクション用の暗証番号に割り当てられる。第4暗証番号は、住宅を管理する管理者が使用する、管理者用の暗証番号に割り当てられる。
【0017】
図3に示すように、入居者用の第1暗証番号は、暗証番号の入力により解錠できる機能の他に、第1、第2又は第4暗証番号の入力後、第1暗証番号の設定又は変更が可能となり、第1又は第4暗証番号の入力後、第1暗証番号のクリアが可能となり、第4暗証番号の入力後、第1暗証番号の一時無効化が可能となる。
【0018】
内覧用の第2暗証番号は、第2暗証番号の入力により解錠できる機能の他に、第4暗証番号の入力後、第2暗証番号の設定又は変更が可能となり、第4暗証番号の入力後、第2暗証番号のクリアが可能となり、第4暗証番号の入力後、第2暗証番号の一時無効化が可能となる。
【0019】
また、第1暗証番号が設定されている場合には、内覧用の第2暗証番号は、無効化される。さらに、第1暗証番号がクリアされた場合には、内覧用の第2暗証番号は、有効化される。このような第2暗証番号は、ローリング(ワンタイム)化の手法により、随時有効化される番号が変更される。変更の方法としては、様々な手法が考えられるが、例えば日付や使用した番号、あるいは予め暗証番号が登録されたテーブルに基づいて任意に変更することができる。また、第2暗証番号が複数用意されて無効化される場合は、一括して無効化される。一方、第2暗証番号が複数用意され、無効化された番号を再度有効化する場合には、用意されたすべての番号あるいは一部の番号を有効化するようにしてもよい。
【0020】
コンストラクション用の第3暗証番号は、第3暗証番号の入力により解錠できる機能の他に、第3又は第4暗証番号の入力後、第3暗証番号の設定又は変更が可能となり、第4暗証番号の入力後、第3暗証番号のクリアが可能となり、第4暗証番号の入力後、第3暗証番号の一時無効化が可能となる。
【0021】
また、第1暗証番号が設定されている場合には、コンストラクション用の第3暗証番号は、無効化される。さらに、第1暗証番号がクリアされた場合には、コンストラクション用の第3暗証番号は、有効化される。
【0022】
管理者用の第4暗証番号は、暗証番号の入力により解錠できる機能の他に、第4暗証番号の入力後、第4暗証番号の設定又は変更が可能となる。第1、第3ならびに第4暗証番号は、本装置の電源となる電池の交換時に必要となる暗証番号に割り当てられる。
【0023】
このような、第1〜第4暗証番号は、それぞれ独立して1又は複数の番号を設定することが可能である。設定された第1〜第4暗証番号は、制御部21の制御の下に記憶部22に記憶され、記憶部22に記憶された暗証番号の内、クリアされた暗証番号は、制御部21の制御の下に記憶部22から消去される。また、第1〜第4暗証番号は、使用状況等の暗証番号の管理が管理者側に用意されたパーソナルコンピュータ等により一括管理されている。
【0024】
次に、入居者用の第1暗証番号と、内覧用の第2暗証番号ならびにコンストラクション用の第3暗証番号との有効化/無効化の設定手順を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。図4に示すフローチャートの手順は、プログラムに基づいて制御部21により実行される。
【0025】
図4において、まず初期設定として、第2暗証番号、第3暗証番号ならびに第4暗証番号をそれぞれ設定(SET)し、設定されたそれぞれの暗証番号を記憶部22に記憶する(ステップS401〜S403)。初期設定が行われた後、入居者用の第1暗証番号が設定されているか否かを判別し(ステップS404)、第1暗証番号が設定されている場合には、設定されている暗証番号を記憶部22に記憶する(ステップS405)。
【0026】
一方、第1暗証番号が設定されていない場合には、第1暗証番号が削除されているか否かを判別する(ステップS406)。判別結果において、第1暗証番号が削除されている場合には、第1暗証番号を記憶部22から消去する(ステップS407)。一方、第1暗証番号が削除されていない場合には、入力スイッチ8を介して暗証番号が入力されたか否かを判別する(ステップS408)。
【0027】
判別結果において、暗証番号が入力されていない場合には、ステップS406の第1暗証番号が削除されているか否かを再度判別する。一方、暗証番号が入力された場合には、第1暗証番号が設定されて有効化されているか否かが判別される(ステップS409)。判別結果において、第1暗証番号が設定されて有効化されている場合には、ステップS408で入力された暗証番号と第1暗証番号とが一致するか否かを判別する(ステップS410)。判別結果において、入力された暗証番号と第1暗証番号が一致した場合には、入力された暗証番号により解錠される(ステップS412)。
【0028】
一方、入力された暗証番号と第1暗証番号が一致しない場合には、入力された暗証番号と管理者用の第4暗証番号が一致するか否かを判別する(ステップS411)。判別結果において、入力された暗証番号と第4暗証番号が一致した場合には、入力された暗証番号により解錠される(ステップS412)。一方、入力された暗証番号と第4暗証番号が一致しない場合には、ステップS404の処理に戻り、第1暗証番号が設定されているか否かを再度判別する。
【0029】
一方、ステップS409の判別処理において、第1暗証番号が設定されていない場合には、入力された暗証番号が内覧用の第2暗証番号と一致したか否かを判別する(ステップS413)。判別結果において、入力された暗証番号が第2暗証番号と一致した場合には、入力された暗証番号により解錠される(ステップS412)。一方、入力された暗証番号が第2暗証番号と一致しない場合には、入力された暗証番号がコンストラクション用の第3暗証番号と一致したか否かを判別する(ステップS414)。判別結果において、入力された暗証番号が第3暗証番号と一致した場合には、入力された暗証番号により解錠される(ステップS412)。一方、入力された暗証番号が第3暗証番号と一致しない場合には、上述したステップS411の処理を行う。
【0030】
このように、入居者用の第1暗証番号が設定されている場合には、内覧用の第2ならびにコンストラクション用の第3暗証番号は無効化され、第2ならびに第3暗証番号の入力により解錠することはできなくなる。一方、第1暗証番号がクリアされて設定されていない場合には、第2ならびに第3暗証番号は有効化され、第2又は第3暗証番号の入力により解錠することが可能となる。
【0031】
従って、この実施形態においては、入居者用の第1暗証番号が設定されると、内覧用の第2の暗証番号は無効化され、第1暗証番号がクリアされると、第2暗証番号が再度有効化されるようになるので、内覧時に入居希望者に通知された第2暗証番号を使用して内覧時以外に解錠することによる、不正な侵入や盗難が防止され、防犯効果を向上させることが可能となる。
【0032】
このような第1〜第4暗証番号は、実際に図5に示すようにして運用される。図5において、集合住宅の施工時に、この実施形態の暗証番号入力式錠装置を各部屋に取り付けた後、工事あるいはメンテナンス時には、工事、メンテナンス業者は第3暗証番号を使用して解錠し、工事、メンテナンスを行う(図5の(1)に示す)。空き部屋の入居希望者は、内覧時に管理者側から通知された第2暗証番号を使用して解錠し、室内を内覧する(図5(2)に示す)。入居者は、入居時に所望の第1暗証番号を設定する。この時、第2ならびに第3の暗証番号は無効化される(図5(3)に示す)。
【0033】
第1暗証番号の設定後、入居者は設定した第1暗証番号で解錠する(図5(4)に示す)。入居者が退去する時には、入居者は設定した第1暗証番号をクリアする(図5(5−1)に示す)。あるいは、第1暗証番号のクリア作業をメンテナンス業者が行うようにしてもよい(図5(5−2))。この場合には、メンテナンス業者は入居者が退去する時に入居者から第1暗証番号を教えてもらうようにすればよい。もしくは、管理者が管理者用の第4暗証番号を使用して第1暗証番号をクリアするようにしてもよい(図5(5−3)に示す)。入居中のメンテナンス等、解錠を必要とし、入居者が不在の場合には、管理者立ち会いのもとで管理者用の第4暗証番号を使用して解錠する(図5(6)に示す)。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、第1暗証番号が設定されると、第2の暗証番号は無効化され、第1暗証番号がクリアされると、第2暗証番号が再度有効化されるようにしたので、内覧時に入居希望者に通知された第2暗証番号を使用して内覧時以外に解錠することによる、不正な侵入や盗難が防止され、防犯効果を向上させた暗証番号入力式錠装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る暗証番号入力式錠装置の構成を示す図である。
【図2】制御回路の構成を示す図である。
【図3】第1〜第4暗証番号の機能マトリックスを示す図である。
【図4】第1暗証番号と第2暗証番号ならびに第3暗証番号との有効化/無効化の設定手順を示すフローチャートを示す図である。
【図5】第1〜第4暗証番号の運用例を示す図である。
【符号の説明】
1 暗証番号入力式錠装置
2 フレーム
3 ロック装置
4 ハンドル
5 ラッチボルト
6 シリンダー錠
7 デッドボルト
8 入力スイッチ
21 制御部
22 記憶部
23 施解錠制御部
24 表示部
Claims (3)
- 複数のキースイッチを介して入力された暗証番号に基づいて、錠を解錠制御する暗証番号入力式錠装置において、
解錠を可能とする第2暗証番号が設定された状態において、第1暗証番号が設定された場合には、第2暗証番号を無効化し、一方第2暗証番号が無効化された状態において、第1暗証番号がクリアされた場合には、第2暗証番号を有効化する暗証番号制御手段と、
設定された第1暗証番号又は第2暗証番号を記憶し、クリアされた第1暗証番号又は第2暗証番号は消去される記憶手段と
を有することを特徴とする暗証番号入力式錠装置。 - 前記暗証番号入力式錠装置は、集合住宅に使用され、
前記第1暗証番号は、前記集合住宅の入居者が入居中に使用する暗証番号として割り当てられ、
前記第2暗証番号は、前記集合住宅の入居希望者が、室内を内覧する際に使用する暗証番号として割り当てられる
ことを特徴とする請求項1記載の暗証番号入力式錠装置。 - 前記第2暗証番号は、複数の番号が設定されている場合に、番号のすべてあるいは一部が随時変更される
ことを特徴とする請求項1又は2記載の暗証番号入力式錠装置。
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2003
- 2003-01-15 JP JP2003007459A patent/JP2004218293A/ja active Pending
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