【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、落花生種皮由来の有効成分を用いた抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗腫瘍剤は種々提案されており、また臨床的に使用されているが、抗腫瘍効果が高く、かつ毒性の少ない、真に有効な抗腫瘍剤は少ない。
【0003】
一方、落花生種皮処理物は、骨髄細胞増殖活性、抗HIV活性等を有することが知られているが(特許文献1及び2参照)、抗腫瘍効果については何ら報告されていない。
【0004】
【特許文献1】
特許第3217278号公報(例えば、請求項1)
【特許文献2】
特開平11−246431号公報(例えば、請求項1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、抗腫瘍効果が高く、かつ毒性の少ない、真に有効な抗腫瘍剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)落花生の種皮又は種子の処理物を有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
(2)前記処理物が落花生の種皮もしくは種子の抽出物又はそれらの処理物である前記(1)に記載の抗腫瘍剤。
(3)前記抽出物が水抽出物である前記(2)に記載の抗腫瘍剤。
(4)落花生種皮由来で水に溶解性を示す物質を有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
(5)落花生種皮由来で低級アルコールに溶解性を示す物質を有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
(6)落花生種皮由来で水及び低級アルコールに溶解性を示す物質を有効成分として含有することを特徴とする抗腫瘍剤。
(7)食品、チューインガム又は飲料に添加するための前記(1)〜(6)のいずれかに記載の抗腫瘍剤。
【0007】
【発明の実施の形態】
落花生の果実は強固な果皮を有し、この内部に通常2個の種子が存在する。内存する種子にはこれを包する種皮がある。
【0008】
本発明の抗腫瘍剤は、落花生種皮由来で水に溶解性を示す物質を含有すればよく、落花生の種皮、及び種子(皮付き種子をいう。)のいずれを用いてもよい。落花生種皮は、破砕、粉砕等により粉末化処理したものを用いてもよいが、抽出物又はその処理物として用いることが好ましい。本発明においては、種皮分離時の乾燥工程及び分離工程が不要であること、更に、種皮を種子から分離する際に種子由来の油分が種皮に付着することがあるが、これを防止して油分の混入を防止できることから、種子をそのまま溶媒で抽出することが特に好ましい。ここで、「種子をそのまま」とは、落花生種子から種皮を分離したり、落花生種子を破砕、粉砕等により粉末化処理することなく抽出を行うことをいう。落花生種子としては、種皮の全部又は一部が剥離したものを除外し、種皮が種子全体を覆っているものを選別して用いることが好ましい。
【0009】
抽出溶媒としては、水;低級アルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール;エーテル類、例えばエチルエーテル、ジオキサン;ケトン類、例えばアセトン等が挙げられるが、水、エタノール、又は水−エタノール混合溶媒が好ましい。抽出に用いる水の種類は、上水、天然水、RO(逆浸透膜)処理水、深層水、磁気化水、単分子水、水の結鎖角度を変化させた処理水等、飲用又は皮膚に適用できるものであれば如何なるものでもよい。
【0010】
種子から分離された落花生種皮を用いる場合には、通常、落花生種皮1kg当り抽出溶媒5〜25Lを使用する。
種子を用いる場合には、通常、種子1kg当り抽出溶媒1〜5Lを使用する。
【0011】
抽出温度は、特に制限はなく、溶媒の融点ないし溶媒の沸点の範囲内であり、超臨界抽出をしてもよい。また、抽出は、通常常圧下で行うが、加圧下又は減圧下で行ってもよい。抽出時間は、抽出温度等により異なり、通常5分間〜1日間であるが、種子由来の油分が溶出してこない時間内とするのが好ましい。種子を用いる場合、抽出時間は、通常10〜60分、好ましくは15〜30分である。
【0012】
抽出液に再度未処理の落花生種皮又は種子を加え前記と同様の抽出操作を1又は複数回繰り返してもよい。
【0013】
前記のようにして得られた抽出液を、布、ステンレスフィルター、濾紙等で濾過して落花生種皮又は種子、不純物等を取り除くことで、目的の抽出液を得ることができる。また、濾過後の抽出液に、スプレードライ処理、フリーズドライ処理、超臨界処理等の処理を施してもよい。
【0014】
このようにして得られる抽出物は、そのまま本発明の抗腫瘍剤の有効成分として用いることができる。また、当該抽出物をイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、透析等の各種精製手段により処理し、更に活性を高めた処理物として用いてもよい。その際、活性成分の化学的性質を利用して精製することが好ましい。即ち、本発明の抗腫瘍剤の好ましい活性成分は、水及び/又は低級アルコール(例えば、エタノール)に溶解する性質を有するため、この性質を利用して、水に溶解性を示す物質、低級アルコールに溶解性を示す物質、又は水及び低級アルコールに溶解性を示す物質を採取することにより、より純度の高い活性成分を得ることができる。
【0015】
本発明の抗腫瘍剤は、落花生種皮又は種子の処理物を公知の医薬用担体と組合せて製剤化することができる。投与形態としては、特に制限はなく、必要に応じ適宜選択されるが、一般には錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤等の経口剤、又は注射剤、点滴剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤、軟膏剤等の非経口剤として使用される。
【0016】
本発明の抗腫瘍剤の投与量は、患者の年令、体重、疾患の程度、投与経路により異なるが、経口投与では、落花生種皮又は種子の抽出物乾燥粉末として、通常1日50〜1000mgであり、投与回数は、通常、経口投与では1日1〜3回である。
【0017】
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の賦形剤を用いて常法に従って製造される。
【0018】
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
【0019】
結合剤の具体例としては、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルメロースナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、プルラン、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、アラビアゴム末、寒天、ゼラチン、白色セラック、トラガント、精製白糖、マクロゴールが挙げられる。
【0020】
崩壊剤の具体例としては、結晶セルロース、メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、トラガントが挙げられる。
【0021】
界面活性剤の具体例としては、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴールが挙げられる。
【0022】
滑沢剤の具体例としては、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ロウ類、水素添加植物油、ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0023】
流動性促進剤の具体例としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム。
【0024】
また、本発明の抗腫瘍剤は、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤として投与する場合には、矯味矯臭剤、着色剤を含有してもよい。
【0025】
本発明の抗腫瘍剤は、食品(必要に応じて、乳酸菌等を配合してもよい。)、チューインガム、飲料(必要に応じて、乳酸菌等を配合してもよい。)等に添加して、いわゆる特定保健用食品(例えば、癌予防食品)等とすることもできる。
【0026】
本発明の抗腫瘍剤は、ヒト及び非ヒト動物の各種良性及び悪性腫瘍の治療又は予防に有効である。また、貼付剤、軟膏剤等の外用剤として皮膚癌等の治療又は予防に用いることもできる。
【0027】
本発明の抗腫瘍剤の製造原料である落花生種皮又は種子は食用に供されており、安全性は確立されている。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0029】
(実施例1)落花生種皮抽出物の調製
中国産落花生(Arachis hypogaea L.)(Leguminosae)の種子を約1カ月間乾燥し、種皮を分離した。乾燥した落花生種皮25gを正確に量り、2Lの三角フラスコに入れ、これに精製水1Lを加えて室温(22±3℃)で24時間放置した。濾過綿を用いて分取した濾液を凍結乾燥させ、落花生種皮抽出エキス粉末を得た(落花生種皮25g当たり4.4484gの収量)。本品は吸湿性の赤褐色の微細な粉末で、無臭で味は渋い。本品は水及びエタノールに溶け易い。
【0030】
(実施例2)落花生種子抽出物の調製
1.皮のむけていない落花生種子(以下「落花生種子」という。)を60kg用意し、簡単に水洗した。
2.RO処理水(以下「水」という。)(15〜25℃)30Lを容器に入れ、そこに前記1.で用意した落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し28Lの抽出液Aを得た。
3.前記抽出液Aに未抽出の落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し26Lの抽出液Bを得た。
4.前記抽出液Bに未抽出の落花生種子20kgを入れ、20分間放置した後、落花生種子だけを取り出し約24Lの抽出液Cを得た。
5.前記抽出液Cを目の細かい布で濾過し、抽出液Dを得た。
6.前記抽出液Dを加圧式濾過器にかけ、抽出液Eを得た。濾過器のフィルターとしては、布6枚を重ねたものを用いた。
7.前記抽出液Eを加圧式濾過器にかけ、抽出液Fを得た。濾過器のフィルターとしては、7μmのステンレス製フィルターを用いた。
8.前記抽出液Fを凍結濃縮し、抽出液Gを得た。
9.前記抽出液Gを凍結乾燥し、150gの落花生種子抽出物Hを得た。
10.前記抽出物Hを60メッシュの篩にかけ、ピンク色の抽出物Iを微粒子状の粉体として得た。
【0031】
11.前記抽出物Iを分析した結果を以下に示す。
(1)薄層クロマトグラフィー
逆相薄層クロマトグラフィー(ODS)分析により、主として1種の成分からなることがわかった。
【0032】
(2)高速液体クロマトグラフィー
以下の条件で行った高速液体クロマトグラフィーは、分子量の異なるポリフェノールの混合物であることを示した。結果を図1に示す。
カラム:昭和電工(株)製 Shodex SUGAR KS−801(8.0mm id × 300mm)
試料:前記抽出物I(水に溶解後、1日放置)
試料サイズ:10μL(10mg/mL)
溶離液:水
流量:0.35mL/分
カラム温度:80℃
圧力:50kg/cm2
検出:RI range 1
【0033】
(3)逆相カラムクロマトグラフィー(ODS)によるポリフェノール含量の分析
前記抽出物I1.0gをODSカラム(ODS10g)に通導し、水80ml及び50%メタノール80mlを流した結果、50%メタノール溶出画分から0.96gのポリフェノールを得た。(ポリフェノール含有量96%)
【0034】
(4)NMRスペクトル
前記抽出物Iの核磁気共鳴(1H NMR)スペクトル(D2O)を図2に示す。
【0035】
(5)IRスペクトル
前記抽出物Iの赤外線吸収(IR)スペクトルを以下に示す。
IR (KBr): 3000−3700, 2900, 2850, 1616, 1525, 823, 782 cm−1(図3参照)
NMRによる解析等から、得られた成分はプロアントシアニジン系ポリフェノールと考えられる。
【0036】
(実施例3)経口投与によるマウス移植癌に対する抗腫瘍性試験
ICRマウス(5週令、雌、6匹/群)の片足皮下に、予めマウス腹腔に投与して増殖させた癌細胞(腫瘍細胞株:Sarcoma 180細胞。37℃で継代培養した。)を5×106cells/mouseの割合で移植した。癌細胞移植後10日間、1日1回、実施例2で得られた抽出物Iの10mg/ml濃度の水溶液を、当該抽出物I100mg/kgの割合で経口投与した。また、対照群には、生理食塩水を与えた。5週間にわたって半週間毎に腫瘍塊の大きさを計測した。5週間後、腫瘍塊を取り出し、重量を計測し、腫瘍増殖阻害率を求めた。その結果、実施例2で得られた抽出物Iの経口投与による腫瘍増殖阻害率は38.3%であり、顕著な腫瘍増殖阻害活性が認められた。また、腫瘍容積の推移を図4に示す。
【0037】
(実施例4)
落花生の種皮1100mgを85℃の湯100ml中に1分30秒浸漬した後、抽出した赤血色液を濾過しビンにつめた。これを110℃で10分間加熱し、液内の空気を脱気した。脱気後、ステンレス王冠をして密栓打栓した。密栓打栓したビンづめ液を90℃の湯中に2時間浸漬し滅菌した。ビン内の液は加熱操作により透明な赤血色を呈する飲料となった。
【0038】
(実施例5)
落花生の種皮1500mgを、土びん中、水500mlでとろ火で30分間で約半量になるように調節して煎じた。赤血色液を濾過して抽出した液をヒト1日量とした。
【0039】
(実施例6)
落花生の種皮を99.9%エタノール、18℃においてアルコール容積の30%に沈下する量を入れ40日間静置した後、抽出液を凍結乾燥し粉末とした。
このようにして得られた粉末はそのまま本発明の抗腫瘍剤の有効成分として用いることができる。
【0040】
(実施例7)
実施例2で得られた抽出物I10gをトウモロコシデンプン490gと混合し水を加えて練合し、1mm×1mmの網目を有するスクリーンにて造粒して乾燥し顆粒剤とした。
本顆粒剤1g中には前記抽出物I20mgが含有されている。本顆粒剤は症状にあわせて1回5〜10gを1日3回服用する。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、抗腫瘍効果が高く、かつ毒性の少ない、真に有効な抗腫瘍剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】落花生種子の抽出物の高速液体クロマトグラフィーの結果を示す図である。
【図2】落花生種子の抽出物のNMRスペクトルを示す図である。
【図3】落花生種子の抽出物のIRスペクトルを示す図である。
【図4】抗腫瘍性試験における腫瘍容積の推移を示す図である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an antitumor agent using an active ingredient derived from peanut seed coat.
[0002]
[Prior art]
Various antitumor agents have been proposed and used clinically, but few truly effective antitumor agents have high antitumor effects and low toxicity.
[0003]
On the other hand, it is known that the treated peanut seed coat has a bone marrow cell proliferation activity, an anti-HIV activity and the like (see Patent Documents 1 and 2), but no report has been made on its antitumor effect.
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3217278 (for example, Claim 1)
[Patent Document 2]
JP-A-11-246431 (for example, claim 1)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a truly effective antitumor agent having a high antitumor effect and low toxicity.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention includes the following inventions.
(1) An antitumor agent comprising a processed material of peanut seed coat or seed as an active ingredient.
(2) The antitumor agent according to (1), wherein the treated product is an extract of peanut seed coat or seed or a treated product thereof.
(3) The antitumor agent according to (2), wherein the extract is a water extract.
(4) An antitumor agent comprising, as an active ingredient, a substance derived from peanut seed coat and soluble in water.
(5) An antitumor agent comprising, as an active ingredient, a substance derived from peanut seed coat and having solubility in lower alcohol.
(6) An antitumor agent comprising as an active ingredient a substance derived from peanut seed coat and soluble in water and lower alcohols.
(7) The antitumor agent according to any one of (1) to (6), which is added to a food, a chewing gum or a beverage.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Peanut fruit has a strong peel, inside which there are usually two seeds. The underlying seed has a seed coat that encapsulates it.
[0008]
The antitumor agent of the present invention only needs to contain a substance derived from peanut seed coat and soluble in water, and any of peanut seed coat and seeds (referred to as seeds with skins) may be used. The peanut seed coat may be one that has been pulverized by crushing, pulverization, or the like, but is preferably used as an extract or a processed product thereof. In the present invention, the drying step and the separation step at the time of separating the seed coat are unnecessary, and further, when the seed coat is separated from the seed, oil derived from the seed may adhere to the seed coat. It is particularly preferable to extract the seed as it is with a solvent, since it can prevent contamination of the seed. Here, "the seeds as they are" means that the seed coat is separated from the peanut seeds or the peanut seeds are extracted without being pulverized by pulverization, pulverization, or the like. As the peanut seeds, it is preferable to exclude those in which all or part of the seed coat has been peeled off, and to select and use those in which the seed coat covers the entire seed.
[0009]
Examples of the extraction solvent include water; lower alcohols such as methanol, ethanol, propanol, isopropanol, butanol, and isobutanol; ethers such as ethyl ether, dioxane; ketones such as acetone; A mixed solvent of water and ethanol is preferred. The types of water used for extraction include drinking water, skin water, natural water, RO (reverse osmosis membrane) treated water, deep water, magnetized water, monomolecular water, treated water having a different chain angle, and the like. Any one can be applied as long as it can be applied to.
[0010]
When using peanut seed coat separated from seeds, usually 5 to 25 L of extraction solvent is used per kg of peanut seed coat.
When using seed, 1 to 5 L of extraction solvent is usually used per 1 kg of seed.
[0011]
The extraction temperature is not particularly limited and is within the range of the melting point of the solvent or the boiling point of the solvent, and supercritical extraction may be performed. The extraction is usually performed under normal pressure, but may be performed under increased or reduced pressure. The extraction time varies depending on the extraction temperature and the like, and is usually 5 minutes to 1 day, but is preferably within a time period in which oil derived from seeds does not elute. When using seeds, the extraction time is generally 10 to 60 minutes, preferably 15 to 30 minutes.
[0012]
An untreated peanut seed coat or seed may be added again to the extract, and the same extraction operation as described above may be repeated one or more times.
[0013]
The desired extract can be obtained by filtering the extract obtained as described above with a cloth, a stainless steel filter, filter paper, or the like to remove peanut seed coat or seeds, impurities, and the like. Further, the extract after filtration may be subjected to a treatment such as a spray-dry treatment, a freeze-dry treatment, and a supercritical treatment.
[0014]
The extract thus obtained can be used as it is as an active ingredient of the antitumor agent of the present invention. Further, the extract may be treated by various purification means such as ion exchange chromatography, gel filtration chromatography, and dialysis, and may be used as a treated substance having further enhanced activity. In that case, it is preferable to purify using the chemical property of the active ingredient. That is, a preferable active ingredient of the antitumor agent of the present invention has a property of dissolving in water and / or a lower alcohol (for example, ethanol). By collecting a substance that is soluble in water or a substance that is soluble in water and a lower alcohol, an active ingredient with higher purity can be obtained.
[0015]
The antitumor agent of the present invention can be formulated by combining a processed material of peanut seed coat or seed with a known pharmaceutical carrier. The administration form is not particularly limited and may be appropriately selected as necessary. In general, tablets, capsules, granules, fine granules, powders, liquids, syrups, suspensions, emulsions, elixirs and the like It is used as an oral preparation or a parenteral preparation such as an injection, a drip, a suppository, an inhalant, a transdermal absorbent, a transmucosal absorbent, a patch, an ointment and the like.
[0016]
The dosage of the antitumor agent of the present invention varies depending on the age, body weight, degree of disease, and administration route of the patient, but for oral administration, usually 50 to 1000 mg per day as a dry powder of peanut seed coat or seed extract. Yes, the administration frequency is usually 1 to 3 times a day for oral administration.
[0017]
Oral preparations are produced in a conventional manner using excipients such as starch, lactose, sucrose, mannitol, carboxymethylcellulose, corn starch, inorganic salts and the like.
[0018]
In this type of preparation, a binder, a disintegrant, a surfactant, a lubricant, a fluidity promoter, a flavoring agent, a coloring agent, a flavor, and the like can be appropriately used in addition to the excipient.
[0019]
Specific examples of the binder include crystalline cellulose, crystalline cellulose and carmellose sodium, methylcellulose, hydroxypropylcellulose, low-substituted hydroxypropylcellulose, hydroxypropylmethylcellulose, hydroxypropylmethylcellulose phthalate, hydroxypropylmethylcellulose acetate succinate, and carmellose sodium , Ethyl cellulose, carboxymethyl ethyl cellulose, hydroxyethyl cellulose, wheat starch, rice starch, corn starch, potato starch, dextrin, pregelatinized starch, partially pregelatinized starch, hydroxypropyl starch, pullulan, polyvinylpyrrolidone, aminoalkyl methacrylate copolymer E, aminoalkyl Metak Rate copolymer RS, methacrylic acid copolymer L, methacrylic acid copolymer, polyvinyl acetal diethylamino acetate, polyvinyl alcohol, gum arabic, gum arabic powder, agar, gelatin, white shellac, tragacanth, purified sucrose, macrogol.
[0020]
Specific examples of disintegrants include crystalline cellulose, methylcellulose, low-substituted hydroxypropylcellulose, carmellose, carmellose calcium, carmellose sodium, croscarmellose sodium, wheat starch, rice starch, corn starch, potato starch, partially pregelatinized. Starch, hydroxypropyl starch, sodium carboxymethyl starch, tragacanth.
[0021]
Specific examples of the surfactant include soy lecithin, sucrose fatty acid ester, polyoxyl stearate, polyoxyethylene hydrogenated castor oil, polyoxyethylene polyoxypropylene glycol, sorbitan sesquioleate, sorbitan trioleate, sorbitan monostearate Sorbitan monopalmitate, sorbitan monolaurate, polysorbate, glycerin monostearate, sodium lauryl sulfate, lauromacrogol.
[0022]
Specific examples of lubricants include wheat starch, rice starch, corn starch, stearic acid, calcium stearate, magnesium stearate, hydrous silicon dioxide, light anhydrous silicic acid, synthetic aluminum silicate, dried aluminum hydroxide gel, talc, Examples include magnesium aluminate metasilicate, calcium hydrogen phosphate, anhydrous calcium hydrogen phosphate, sucrose fatty acid esters, waxes, hydrogenated vegetable oils, and polyethylene glycol.
[0023]
Specific examples of the fluidity promoter include hydrous silicon dioxide, light silicic anhydride, dried aluminum hydroxide gel, synthetic aluminum silicate, and magnesium silicate.
[0024]
When administered as a liquid, syrup, suspension, emulsion, or elixir, the antitumor agent of the present invention may contain a flavoring agent and a coloring agent.
[0025]
The antitumor agent of the present invention is added to foods (where necessary, lactic acid bacteria and the like may be added), chewing gum, beverages (where necessary, lactic acid bacteria and the like may be added), and the like. And so-called foods for specified health use (for example, foods for preventing cancer).
[0026]
The antitumor agent of the present invention is effective for treating or preventing various benign and malignant tumors of humans and non-human animals. It can also be used as an external preparation such as a patch or an ointment for treating or preventing skin cancer and the like.
[0027]
The peanut seed coat or seed, which is a raw material for producing the antitumor agent of the present invention, is edible and its safety has been established.
[0028]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples, but the scope of the present invention is not limited to these Examples.
[0029]
(Example 1) Preparation of peanut seed coat extract The seeds of Chinese peanut ( Arachis hypogaea L.) (Leguminosae) were dried for about one month, and the seed coat was separated. 25 g of dried peanut seed coat was accurately weighed, placed in a 2 L Erlenmeyer flask, added with 1 L of purified water, and left at room temperature (22 ± 3 ° C.) for 24 hours. The filtrate collected using filter cotton was freeze-dried to obtain a powder extract of peanut seed coat extract (a yield of 4.4484 g per 25 g of peanut seed coat). This product is a fine powder of hygroscopic reddish-brown, odorless and tasteless. This product is easily soluble in water and ethanol.
[0030]
Example 2 Preparation of Peanut Seed Extract 60 kg of unpeeled peanut seeds (hereinafter referred to as "peanut seeds") was prepared and washed with water.
2. 30 L of RO treated water (hereinafter referred to as “water”) (15 to 25 ° C.) is placed in a container, and the above-mentioned 1. After putting 20 kg of the peanut seeds prepared in the above, and leaving them to stand for 20 minutes, only peanut seeds were taken out to obtain 28 L of extract A.
3. 20 kg of unextracted peanut seeds were added to the extract A, and after leaving it for 20 minutes, only peanut seeds were taken out to obtain 26 L of extract B.
4. 20 kg of unextracted peanut seeds were added to the extract B, and after leaving for 20 minutes, only peanut seeds were taken out to obtain about 24 L of extract C.
5. The extract C was filtered with a fine cloth to obtain an extract D.
6. The extract D was filtered through a pressure filter to obtain an extract E. As a filter of the filter, a filter obtained by stacking six cloths was used.
7. The extract E was filtered through a pressure filter to obtain an extract F. As a filter of the filter, a 7 μm stainless steel filter was used.
8. The extract F was freeze-concentrated to obtain an extract G.
9. The extract G was freeze-dried to obtain 150 g of peanut seed extract H.
10. The extract H was passed through a 60-mesh sieve to obtain a pink extract I as fine powder.
[0031]
11. The result of analyzing the extract I is shown below.
(1) Thin-layer chromatography Reversed-phase thin-layer chromatography (ODS) analysis revealed that the mixture mainly consisted of one kind of component.
[0032]
(2) High Performance Liquid Chromatography High performance liquid chromatography performed under the following conditions showed that the mixture was a mixture of polyphenols having different molecular weights. The results are shown in FIG.
Column: Showex SUGAR KS-801 manufactured by Showa Denko KK (8.0 mm id x 300 mm)
Sample: Extract I (dissolved in water and left for 1 day)
Sample size: 10 μL (10 mg / mL)
Eluent: Water flow rate: 0.35 mL / min Column temperature: 80 ° C
Pressure: 50 kg / cm 2
Detection: RI range 1
[0033]
(3) Analysis of Polyphenol Content by Reversed-Phase Column Chromatography (ODS) As a result of passing 1.0 g of the extract I through an ODS column (10 g of ODS) and flowing 80 ml of water and 80 ml of 50% methanol, a 50% methanol elution fraction was obtained. From this, 0.96 g of polyphenol was obtained. (Polyphenol content 96%)
[0034]
(4) NMR spectrum The nuclear magnetic resonance ( 1 H NMR) spectrum (D 2 O) of the extract I is shown in FIG.
[0035]
(5) IR spectrum The infrared absorption (IR) spectrum of the extract I is shown below.
IR (KBr): 3000-3700, 2900, 2850, 1616, 1525, 823, 782 cm -1 (see FIG. 3)
From the analysis by NMR or the like, the obtained component is considered to be a proanthocyanidin-based polyphenol.
[0036]
(Example 3) Test of antitumor activity against mouse transplanted cancer by oral administration Cancer cells (tumor cells) that had been proliferated by intraperitoneal injection into ICR mice (5 weeks old, female, 6 mice / group) by subcutaneously administering to one foot (Strain: Sarcoma 180 cells, subcultured at 37 ° C.) was transplanted at a ratio of 5 × 10 6 cells / mouse. An aqueous solution of the extract I obtained in Example 2 at a concentration of 10 mg / ml was orally administered at a rate of 100 mg / kg of the extract I once a day for 10 days after the transplantation of the cancer cells. The control group received physiological saline. The size of the tumor mass was measured every half week for 5 weeks. Five weeks later, the tumor mass was removed, weighed, and the tumor growth inhibition rate was determined. As a result, the tumor growth inhibition rate by oral administration of the extract I obtained in Example 2 was 38.3%, and a remarkable tumor growth inhibitory activity was observed. FIG. 4 shows changes in tumor volume.
[0037]
(Example 4)
After 1100 mg of peanut seed coat was immersed in 100 ml of hot water at 85 ° C. for 1 minute and 30 seconds, the extracted red blood color liquid was filtered and filled in a bottle. This was heated at 110 ° C. for 10 minutes to degas air in the liquid. After deaeration, a stainless steel crown was placed and the stopper was stoppered. The sealed bottle solution was immersed in hot water at 90 ° C. for 2 hours and sterilized. The liquid in the bottle became a beverage exhibiting a clear reddish color by the heating operation.
[0038]
(Example 5)
1500 mg of peanut seed coat was decocted with 500 ml of water in a dirt, adjusted to about half in 30 minutes by low heat. The liquid extracted and filtered from the reddish red liquid was used as the daily dose for humans.
[0039]
(Example 6)
The peanut seed coat was put in 99.9% ethanol at 18 ° C. to settle to 30% of the alcohol volume, allowed to stand for 40 days, and the extract was freeze-dried to a powder.
The powder thus obtained can be used as it is as an active ingredient of the antitumor agent of the present invention.
[0040]
(Example 7)
10 g of the extract I obtained in Example 2 was mixed with 490 g of corn starch, kneaded by adding water, granulated with a screen having a mesh of 1 mm × 1 mm, and dried to obtain granules.
1 mg of the present granules contain 20 mg of the extract I. This granule is taken 5 to 10 g at a time, 3 times a day according to the symptoms.
[0041]
【The invention's effect】
According to the present invention, a truly effective antitumor agent having high antitumor effect and low toxicity can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the results of high performance liquid chromatography of peanut seed extracts.
FIG. 2 is a diagram showing an NMR spectrum of an extract of peanut seeds.
FIG. 3 is a diagram showing an IR spectrum of a peanut seed extract.
FIG. 4 is a graph showing changes in tumor volume in an antitumor test.