JP2004203529A - 荷移載方法、荷移載装置及びスタッカクレーン - Google Patents

荷移載方法、荷移載装置及びスタッカクレーン Download PDF

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Abstract

【課題】荷1つ当たりの移載に要する時間を短縮する。
【解決手段】荷載置板の両側には一対のロアプレート52が設けられ、開閉機構によって荷載置板の移載方向に対する水平直交方向で互いに接近又は離間する。各ロアプレート52にはアッパプレート70が移載方向に移動可能に設けられ、進退機構71及び進退駆動機構81によって移動する。アッパプレート70には、移載方向に並んだ2つのトレイの互いに近い側の各端部に同時に係合可能な一対のフック部80A,80Bが設けられている。開閉機構によってフック部80A,80Bが両トレイに係合した状態で進退機構71及び進退駆動機構81がアッパプレート70を移動させると、2つの荷が同時に移載されて荷取りと荷置きとが同時に行われる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動倉庫のスタッカクレーンや無人搬送車がワークを移載するときの荷移載方法、同荷移載方法の実施に使用する荷移載装置、及び、同荷移載装置を備えたスタッカクレーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の荷移載装置としては、一対の荷引き込み・押し出し用アームを荷の端面に係合させ、この両アームを移載方向に移動させることで荷を移動させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、物品を一対の挟持片で挟持し、この両挟持片を移載方向に移動させることと、荷移載装置上の荷を搬送装置で移動させることとによって荷を移動させるものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−208816号公報
【特許文献2】
特開2002−167008号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の荷移載装置は、例えば、荷の出庫及び入庫を行うときに、入庫ステーション(以下、STと略記する。)及び出庫STに対する入出庫位置まで移動した後、最初に、搬送した荷を出庫STに移載する作業を行う。
【0006】
先ず、荷に係合させた両アームをスタッカクレーン側の待機位置から出庫ST側の進出位置まで移動させることで、スタッカクレーンから出庫STに荷を移載する。そして、荷に対する係合状態を解除した両アームを進出位置から待機位置まで戻すことで、出庫STに対する移載作業を終了する。
【0007】
次に、新たに入庫する荷を入庫STから移載する。先ず、両アームを待機位置から入庫ST側の進出位置まで移動させ、両アームを荷に係合させる。次に、荷に係合させた両アームを進出位置から待機位置に戻すことで、入庫STからスタッカクレーンに荷を移載する。
【0008】
すなわち、特許文献1の荷移載装置は、出庫のための荷置き作業と、入庫のための荷取り作業とを別々に行っている。
また、特許文献2の荷移載装置でも、出庫のための荷置き作業と、入庫のための荷取り作業とを別々に行っている。先ず、搬送装置でスタッカクレーンから出庫ST側に移動させた物品を両挟持片で挟持して出庫STまで移動させることで、スタッカクレーンから出庫STに物品を移載する。次に、入庫ST側に挟持片を移動させ、物品を挟持した両挟持片を戻すことで、入庫STからスタッカクレーンに物品を移載する。
【0009】
従って、従来の荷移載装置では、1つの荷を出庫又は入庫するための移載作業に要する時間をこれ以上短縮することができなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、荷1つ当たりの移載に要する時間を短縮することができる荷移載方法、同荷移載方法の実施に使用する荷移載装置、及び、同荷移載装置を備えたスタッカクレーンを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、荷載置部から移載元側に進出させた操作部で前記移載元のワークと前記荷載置部のワークとを同時に掴んだ後、荷載置部を挟んで反対側にある移載先側に前記操作部を進出させることで移載元から荷載置部への移載と荷載置部から移載先への移載とを同時に行う同時移載作業と、前記荷載置部から前記移載元側に進出させた前記操作部で移載元のワークを掴んだ後、操作部を荷載置部側に後退させることで移載元から荷載置部への移載を行う荷取り作業とを行う荷移載方法である。前記荷取り作業時に前記移載元側に進出させるときの前記操作部の進出位置を、前記移載元から後退させた前記操作部が前記移載先側に干渉しないように、前記同時移載時に前記移載元側に進出させるときの前記操作部の進出位置よりもより移載元側とする。ここで、「掴む」とは、ワークを移載方向に移送させられるように操作部がワークと係合する状態を指し、係合、係止、挟持、把持、引っ掛けなどを含む概念である。また、「同時に掴む」とは、両ワークを一緒に移送できるように両ワーク共に掴むことを指す。ワークとは、移載対象であり、荷のみからなる場合、荷及び該荷を移送のため載せる又は収容する移送補助体からなる場合がある。移送補助体は、トレイ、コンテナ、パレット、ボックス等を含む。以下の請求項において同様である。…(第1、第2実施形態)
請求項1に記載の発明によれば、同時移載作業時は、移載元側から戻した操作部を移載先側に進出させたままだと、操作部が移載先側に干渉する状態となる。このため、操作部を移載先側から戻す動作が必要となる。一方、荷取り作業時は、移載先側への操作部の進出位置が、同時移載時の進出位置よりもより移載先側となり、移載完了時に操作部が移載先側に干渉する状態とならない。このため、荷取り作業時には、同時移載作業時と異なり、操作部を移載先側から荷載置部まで後退させる動作が不要となり、移載先から操作部を後退させた後、直ちに操作部を次ぎの移載作業場所に移動させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、ワークが載置される荷載置部と、該荷載置部に載置されたワークと移載元又は移載先に載置されたワークとを同時に掴むことが可能な操作部と、前記操作部を前記荷載置部側から移載元及び移載先まで移動させる移動手段と、前記操作部を、前記ワークを掴む状態と掴まない状態とで切り換える切換手段と、前記移動手段及び前記切換手段を制御する制御手段とを備えた荷移載装置である。前記制御手段は、前記荷載置部側から前記移載元まで進出させた前記操作部で前記移載元のワークと前記荷載置部のワークとを同時に掴んだ後、前記移載先側に前記操作部を進出させることで移載元から荷載置部への移載と荷載置部から移載先への移載とを同時に行う同時移載作業を行う。また、制御手段は、前記荷載置部から前記移載元側に進出させた前記操作部で移載元のワークを掴んだ後、操作部を荷載置部側に後退させることで移載元から荷載置部への移載を行う荷取り作業を行う。さらに、制御手段は、前記荷取り作業時に前記移載元側に進出させるときの前記操作部の進出位置を、前記移載元から後退させた前記操作部が前記移載先側に干渉しないように、前記同時移載時に前記移載元側に進出させるときの前記操作部の進出位置よりもより移載元側とする。…(第1、第2実施形態)
請求項2に記載の発明によれば、同時移載作業時は、移載元側から戻した操作部を移載先側に進出させたままだと、操作部が移載先側に干渉する状態となる。このため、操作部を移載先側から戻す動作が必要となる。一方、荷取り作業時は、移載先側への操作部の進出位置が、同時移載時の進出位置よりもより移載先側となり、移載完了時に、操作部が移載先側に干渉する状態とならない。このため、荷取り作業時には、同時移載作業時と異なり、操作部を移載先側から荷載置部まで後退させる動作が不要となり、移載先から操作部を後退させた後、直ちに操作部を次ぎの移載作業場所に移動させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、前記荷載置部のワークを掴んだ前記操作部を前記移載先側に進出させることで荷載置部から移載先への移載を行う荷置き作業を行う。制御手段は、前記荷置き作業時に前記移載先に進出させるときの前記操作部の進出位置を、前記操作部が前記移載元側に干渉しないように、前記同時移載時に前記移載先側に進出させるときの前記操作部の進出位置よりもより移載先側とする。…(第1、第2実施形態)
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、同時移載作業時は、荷載置部及び移載元の両ワークを同時に掴むために、操作部を移載先側へ移動させる。一方、荷置き作業時は、移載先側への操作部の進出位置がより移載先側となり、移載開始時に操作部が移載元側に干渉する状態とならない。このため、荷置き作業時には、操作部を移載元側に大きく延出させる動作を行うことなく、荷置きのために操作部を移載先側に進出させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記制御手段は、前記同時移載作業時には、前記操作部を、前記移載元側に設定された所定の第1引込位置まで進出させた後、前記移載先側に設定された所定の第1押出位置まで進出させる。また、前記荷取り作業時には、前記操作部を、前記第1引込位置よりもより前記移載元側に設定された所定の第2引込位置まで進出させた後、前記荷載置部側に設定された所定の移載終了位置まで後退させる。また、前記荷置き作業時には、前記操作部を、前記荷載置部側に設定された所定の移載開始位置から、前記第1押出位置よりもより前記移載先側に設定された所定の第2押出位置まで進出させた後、荷載置部側に後退させる。…(第1、第2実施形態)
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用に加えて、同時移載作業時には、移載元側の第1引込位置まで進出させた操作部で両ワークを掴み、この操作部を移載先側の第1押出位置まで移動させることで、移載先のワークが荷載置部に移載され、また、荷載置部のワークが移載先に移載される。また、荷取り作業時には、第1引込位置よりもより移載元側の第2引込位置まで進出させた操作部で移載元のワークを掴み、この操作部を荷載置部側の移載終了位置まで移動させることで、移載元のワークが荷載置部に移載される。このため、荷取り作業時には、移載先側に干渉する位置まで操作部が移動しない。また、荷置き作業時には、荷載置部側の移載開始位置でワークを掴んだ操作部を、第1押出位置よりもより移載先側の第2押出位置まで移動させることで、荷載置部のワークが移載先に移載される。このため、荷置き作業時には、移載元側に干渉する位置まで操作部が移動しない。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記操作部は、前記ワークに対し、前記荷載置部の移載方向に対するほぼ水平直交方向にその両側から係合することで両ワークを掴むように一対で設けられるとともに、前記移載方向に離れて設けられた一対の係合部をそれぞれ備えている。該両係合部は、前記第1引込位置及び前記第2引込位置で前記移載元のワークに係合する第1係合部と、前記第1引込位置及び前記移載開始位置で荷載置部のワークに係合する第2係合部とからなる。…(第1実施形態)
請求項5に記載の発明によれば、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、同時移載作業時には、移載元側の第1引込位置まで進出させた一対の操作部の第1係合部が移載元のワークに係合し、また、第2係合部が荷載置部のワークに係合することで、両ワークが同時に移載可能となる。また、荷取り作業時には、第2引込位置まで進出させた一対の操作部の第1係合部が移載元のワークに係合し、移載元のワークが移載可能となる。また、荷置き作業時には、移載開始位置に配置した一対の操作部の第2係合部が荷載置部のワークに係合し、荷載置部のワークが移載可能となる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記切換手段は、一対の前記操作部を前記水平直交方向に互いに接近させることで前記ワークに対して係合させ、また、互いに離間させることで前記ワークに対する係合を解除する。…(第1実施形態)
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明の作用に加えて、同時移載作業時には、切換手段が、移載方向に対するほぼ水平直交方向に一対の操作部を互いに接近させると、両係合部が2つのワークに対して係合し、2つのワークが同時に移載可能となる。また、荷取り作業時及び荷置き作業時には、両係合部が1つのワークに係合し、そのワークが移載可能となる。従って、2つ又は1つのワークが、移載方向に対する水平直交方向に両側から係合された状態で移載されるので、移載によりワークが姿勢変化し難い。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記移動手段は、前記移載方向に対する水平直交方向に離間又は接近可能に設けられた一対の基部と、該基部毎に、前記操作部を該基部に対して移載方向に進退させる進退手段とを備えている。前記切換手段は、一対の前記基部を前記水平直交方向に互いに接近又は離間させることで一対の前記操作部を互いに接近又は離間させる。…(第1実施形態)
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の作用に加えて、同時移載作業時には、切換手段が、移載方向に対するほぼ水平直交方向に一対の基部を互いに接近させると、一対の操作部の各係合部が2つのワークに対してそれぞれ係合する。この状態で進退機構が両操作部を移載方向に移動させると、2つのワークが移載される。また、荷取り作業時及び荷置き作業時には、一対の操作部のいずれかの係合部が1つのワークにそれぞれ係合する。この状態で両操作部が移動すると、1つのワークが移載される。従って、一対の基部を、移載方向に対する水平直交方向に離間又は接近させるだけの切換手段と、基部に対し、操作部を移載方向に移動させるだけの進退手段とからなる簡単な構成で実施できる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記移動手段及び切換手段は、動力源としてサーボモータを備えている。前記制御手段は、前記各サーボモータを制御することで、前記操作部を移載方向に位置制御するとともにワークを掴む状態と掴まない状態とを切り換える。…(第1実施形態)
請求項8に記載の発明によれば、請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、制御手段がサーボモータを制御して操作部を移載方向に移動制御するので、操作部の位置を検出する検出手段が不要となる。また、同じくサーボモータを制御して操作部の係合又は挟持状態を切り換えるので、係合又は挟持状態を判別する判別手段が不要となる。このため、電気的構成がより簡素となる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項2〜請求項8のいずれか一項に記載の荷移載装置を、ワークを搬送するキャリッジに備えた。
請求項9に記載の発明によれば、荷移載装置が、請求項2〜請求項8のいずれか一項に記載の発明の作用を備えるので、スタッカクレーンが荷1つ当たりの入庫又は出庫に要する時間が短縮される。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を、自動倉庫のスタッカクレーンに設けられた荷移載装置に具体化した第1実施形態を図1〜図20に従って説明する。
【0020】
図2(a),(b)に示すように、自動倉庫10は、対向するように配置された左右一対の枠組棚11A,11Bと、両枠組棚11A,11Bの間に設けられたスタッカクレーン12とを備えている。
【0021】
各枠組棚11A,11Bは、連方向に配設された複数の支柱13と、段方向に配設された複数の棚板14とによって形成され、連方向及び段方向に区分された複数の収容部15(移載元及び移載先)を備えている。この枠組棚11A,11Bの棚板14に代えて、ワークの左右前後端部を支承する腕木とすることも可能である。
【0022】
右側の枠組棚11Aの前側端部(図2(a)における左端部)には入庫ステーション(以下、入庫STと略記する。移載元)16が設けられ、また、左枠組棚の前側端部には出庫ステーション(以下、出庫STと略記する。移載先)17が設けられている。
【0023】
入庫ST16の外側(図2(a)における下側)には入庫バッファ18が設けられ、出庫ST17の外側(図2(a)における上側)には出庫バッファ19が設けられている。
【0024】
図3に示すように、入庫ST16及び出庫ST17は、それぞれ駆動・フリー切換式ローラを備えている。入庫バッファ18及び出庫バッファ19は、それぞれベルトコンベアを備えている。
【0025】
この枠組棚11A,11Bには、荷L(ワーク)がトレイ20(ワーク)に入れられた状態で保管される。また、荷Lの入庫時には、トレイ20に入れられた状態で荷Lが入庫ST16に搬送され、そのままスタッカクレーン12によって枠組棚11A,11Bの収容部15に入庫される。また、荷Lの出庫時にも、荷Lはトレイ20に入れられたままでスタッカクレーン12によって収容部15から出庫ST17まで搬送される。
【0026】
トレイ20は、図4に示すように、所定長さ及び所定幅の箱体に形成され、その周囲全体に所定幅の枠部21が設けられている。このトレイ20は、金属薄板材を曲げ加工して形成され、枠部21内は空洞となっている。荷Lは、枠部21の内側に載置される。トレイ20は、その長手方向を移載方向として移載される。
【0027】
移載方向に延びる各枠部21の外面には、その長手方向での両端部に、スタッカクレーン12が荷Lの移載を行うときに使用する係合穴22A,22Bがそれぞれ設けられている。係合穴22A,22Bは、同じ形状に形成されている。係合穴22Aは、長手方向の外側に設けられ、係合穴22Bは、同じく内側に設けられている。
【0028】
係合穴22A,22Bの開口部周囲には、補強用の当て板23が貼着されている。当て板23は、金属平板に各係合穴22A,22Bに対応する2つの孔23aが空けられたものである。当て板23は、係合穴22A,22Bを補強し、その変形を防止する。
【0029】
スタッカクレーン12は、図2(a)に示すように、左右の枠組棚11A,11Bの間に設けられた通路25に配設され、通路25に沿って敷設された走行レール26上を連方向(以下、前後方向という。)に移動する。
【0030】
スタッカクレーン12は、走行レール26上を走行する走行台27、この走行台27に立設された一対のマスト28、マスト28間に昇降可能に吊下されたキャリッジ29、キャリッジ29に載せられた荷移載装置30を備えている。
【0031】
走行台27には、走行台27を走行させる走行用モータ31、キャリッジ29を昇降させる昇降用モータ32、及び、両モータ31,32を駆動制御するコントローラ33(制御手段)が設けられている。
【0032】
コントローラ33は、図示しない倉庫管理用コンピュータからの指令に基づいて走行用モータ31を駆動制御し、荷Lを移載する収容部15がある連にキャリッジ29を位置決めする。また、昇降用モータ32を駆動制御して、同収容部15がある段にキャリッジ29を位置決めする。
【0033】
さらに、コントローラ33は、倉庫管理用コンピュータからの指令に基づいて荷移載装置30を制御して、ある収容部15に対する荷置き及び荷取り作業、入庫ST16からの荷取り作業、及び、出庫ST17への荷置き作業等の移載作業を行う。荷移載装置30による移載作業は、前後方向に対する水平直交方向(以下、左右方向又は移載方向という。すなわち、図2(a)における上下方向。)にトレイ20を移動させることで行われる。
【0034】
次に、荷移載装置30について詳述する。
図5に示すように、荷移載装置30は、キャリッジ29に固定されるフレーム40を備えている。フレーム40は、前後方向に延びるように配置された一対のビーム41と、両ビーム41を左右方向で連結する一対のクロスビーム42とによって枠状に形成されている。
【0035】
フレーム40上には、左右方向に延びる荷載置板43(荷載置部)が設けられている。荷載置板43は、トレイ20をその移載方向に滑らせて移載することができる低摩擦材からなる平坦面を備えている。
【0036】
荷載置板43の幅方向(すなわち、移載方向に対する水平直交方向であって、前後方向と同じ。)両端には、荷載置板43の両端に沿って左右方向に延びる帯板状の移載ガイド44が設けられている。移載ガイド44は、荷載置板43に移載されたトレイ20の前後方向での移動を制限する。
【0037】
また、荷移載装置30は、図5に示すように、荷載置板43をその幅方向に挟むように配置された一対のロアプレート52(基部)を備えている。両ロアプレート52は、各ビーム41の外面に設けられたガイドレール53に案内される図示しないローラ等によって、フレーム40に対して前後方向に移動可能に支持されている。
【0038】
また、荷移載装置30は、図6に示すように、両ロアプレート52を前後方向に互いに接近又は離間させる開閉機構55を備えている。
開閉機構55は、一対のボールねじ56A,56Bと、各ボールねじ56A,56Bに固定されたスプロケット57A,57Bと、一対のアイドラ58A,58Bと、チェーン59と、開閉用モータ60(動力源)と、ドライブスプロケット61等によって構成されている。本実施形態では、開閉機構55及び開閉用モータ60が切換手段を構成する。
【0039】
各ボールねじ56A,56Bは、両クロスビーム42間において、前後方向に延びるように同じ高さに配列され、回転可能に支持されている。
各スプロケット57A,57B、各アイドラ58A,58B及びドライブスプロケット61は、前後方向の同じ位置に配置されている。各スプロケット57A,57Bは、それぞれボールねじ56A,56Bに固定されている。各アイドラ58A,58Bは、図示しないブラケットによりフレーム40に対し回転可能に支持されている。ドライブスプロケット61は、開閉用モータ60の出力軸に固定されている。開閉用モータ60は、フレーム40に固定されている。チェーン59は、各スプロケット57A,57B及びドライブスプロケット61に巻き掛けられるとともに、両アイドラ58A,58Bによって張られている。
【0040】
各ボールねじ56A,56Bは、スプロケット57A,57Bによって分けられた一方に右ねじが形成され、他方に左ねじが形成されている。各ボールねじ56A,56Bは、その右ねじ部分が一方のロアプレート52に固定されたナット部材62に対してそれぞれ螺合され、また、左ねじ部分が他方のロアプレート52に固定されたナット部材62に対してそれぞれ螺合されている。
【0041】
開閉用モータ60はサーボモータであって、内蔵するロータリエンコーダの検出値に基づきコントローラ33によって制御される。
このように構成された開閉機構55は、開閉用モータ60の正転によって、両ボールねじ56A,56Bが同じ方向に正転し、両ロアプレート52を前後方向に互いに接近させる。また、開閉用モータ60の逆転により、両ボールねじ56A,56Bが同じ方向に逆転し、両ロアプレート52を前後方向に互いに離間させる。さらに、開閉機構55は、開閉用モータ60の停止によって、両ロアプレート52の間隔を所定値に保持する。
【0042】
また、荷移載装置30は、図1及び図7に示すように、移載する荷Lが載せられたトレイ20に係合するアッパプレート70(操作部)を左右方向に移動させる進退機構71を備えている。進退機構71は、ロアプレート52毎に設けられている。
【0043】
各進退機構71は、ロアプレート52、ミドルプレート72、アッパプレート70、第1リニアガイド73、第2リニアガイド74、一対のスプロケット75A,75B、一対のチェーン76A,76B等によって構成されている。
【0044】
ミドルプレート72は、ロアプレート52よりも左右方向に短く形成され、その内側に配設されている。ミドルプレート72は、第1リニアガイド73によって、ロアプレート52に対し、左右方向に移動可能に支持されている。第1リニアガイド73は、ロアプレート52の内面に固定されたスライドレール73aと、ミドルプレート72の外面に固定されるとともにスライドレール73aに対し移動可能に支持されたスライダ73bとからなる。なお、ミドルプレート72の下端には、左右方向に延びるラック77が設けられている。
【0045】
アッパプレート70は、ミドルプレート72よりも左右方向に短く形成され、その内側に配設されている。アッパプレート70は、第2リニアガイド74によって、ミドルプレート72に対し、左右方向に移動可能に支持されている。第2リニアガイド74は、ミドルプレート72の内面に固定されたスライドレール74aと、アッパプレート70の外面に固定されるとともにスライドレール74aに対し移動可能に支持されたスライダ74bとからなる。
【0046】
一対のスプロケット75A,75Bは、ミドルプレート72の内面において左右方向の両端部に離れて設けられている。
一方のチェーン76Aは、その一端が、アッパプレート70の図1における上側左端に設けられたブラケット78Aに連結されている。また、その他端は、ミドルプレート72の同じく上側右端に支持されたスプロケット75Bで折り返されて、ロアプレート52の同じく上側左端に設けられたブラケット79Aに連結されている。
【0047】
また、他方のチェーン76Bは、その一端が、アッパプレート70の図1における上側右端に設けられたブラケット78Bに連結されている。また、その他端は、ミドルプレート72の同じく上側左端に支持されたスプロケット75Aで折り返されて、ロアプレート52の同じく上側右端に設けられたブラケット79Bに連結されている。
【0048】
このように構成された進退機構71は、図8(a),(b)、図9(a),(b)、図10(a),(b)及び図11(a),(b)に示すように、ロアプレート52に対してミドルプレート72が各図の右向きに移動されることで、チェーン76Aを介してアッパプレート70を同じく右向きに移動させる。同様に、ミドルプレート72が左向きに移動されることで、チェーン76Bを介してアッパプレート70を同じく左向きに移動させる。このとき、進退機構71は、ミドルプレート72が移動する距離の2倍の距離だけアッパプレート70を移動させる。
【0049】
また、アッパプレート70は、互いに反対向きに引っ張るように連結されている両チェーン76A,76Bにより、ロアプレート52に対するミドルプレート72の位置が固定された状態では、外力に抗して任意の位置に保持される。
【0050】
また、進退機構71は、図9(a),(b)に示すように、ロアプレート52の左右方向における一方の端面の位置に、ミドルプレート72の一方の端面を合せたときに、アッパプレート70の一方の端面が同位置にそろうようになっている。
【0051】
また、進退機構71は、図10(a),(b)及び図11(a),(b)に示すように、ロアプレート52の左右方向における一方の端面の位置よりも、ミドルプレート72の同端面の位置をより外側に所定距離だけ離れて位置させたときに、アッパプレート70の一方の端面をさらに外側に位置させるようになっている。
【0052】
図1及び図7に示すように、アッパプレート70の内面には、左右方向に並んだ一対のフック部80A(係合部、第1係合部),80B(係合部、第2係合部)が設けられている。各フック部80A,80Bは、長方形の等断面で前後方向に突出するように形成されている。
【0053】
両フック部80A,80Bは、図12に示すように、移載方向に所定距離だけ離れて配置された2つのトレイ20に対し、互いに他方のトレイ20に近い側の両係合穴22Aに同時に係合可能に設けられている。このとき、両トレイ20の間には、所定距離の間隔が確保される。そして、各トレイ20の係合穴22Aに係合することで、2つのトレイ20を移載方向に同時に移動させることができるようになっている。
【0054】
また、荷移載装置30は、図1に示すように、各進退機構71を同時に作動させ、両アッパプレート70を左右方向の同じ向きに移動させる進退駆動機構81を備えている。
【0055】
進退駆動機構81は、1本のスプライン軸82、ロアプレート52毎に1個ずつ設けられた中間ギヤ83、ロアプレート52毎に2個ずつ設けられたピニオン84、一方のロアプレート52のみに設けられた進退用モータ85(動力源)、進退用モータ85の出力軸に固定された駆動ギヤ86等によって構成されている。本実施形態では、ロアプレート52、ミドルプレート72、アッパプレート70、進退機構71及び進退用モータ85が進退手段を構成する。また、基部としてのロアプレート52と進退手段とが移動手段を構成する。
【0056】
スプライン軸82は、前後方向に延びるように設けられ、フレーム40に対して回動可能に支持されている。スプライン軸82は、各ロアプレート52を挿通するように設けられ、各ロアプレート52の前後方向の移動を許容する。
【0057】
各中間ギヤ83は、スプライン軸82に対しその軸線方向に相対移動可能に支持され、また、各ロアプレート52に対して一対移動可能に保持されている。
ロアプレート52の一方に設けられた中間ギヤ83には、ロアプレート52に回動可能に支持された一対のピニオン84が噛合されている。両ピニオン84は左右方向に並ぶように設けられ、ミドルプレート72の下端に沿って設けられたラック77にそれぞれ噛合されている。また、中間ギヤ83には、駆動ギヤ86が噛合されている。また、ロアプレート52の他方に設けられた中間ギヤ83には、駆動ギヤ86は噛合されず、一対のピニオン84のみが噛合されている。この両ピニオン84は、他方のミドルプレート72のラック77にそれぞれ噛合されている。
【0058】
進退用モータ85はサーボモータであって、内蔵するロータリエンコーダの検出値に基づき、コントローラ33によってその回転角が制御される。
このように構成された進退駆動機構81は、進退用モータ85の正転によって、両ミドルプレート72を移載方向における一方の向きに移動させ、また、同じく逆転によって、両ミドルプレート72を他方の向きに移動させる。さらに、進退用モータ85の停止により、両アッパプレート70を荷載置板43に対して左右方向に位置決めする。
【0059】
次に、開閉機構55及び進退機構71のコントローラ33による制御について詳述する。
先ず、開閉機構55の制御について述べる。
【0060】
開閉機構55は、両ロアプレート52の前後方向における間隔を調節することによって、両進退機構71を、それぞれ所定距離だけ荷載置板43から前後方向に離れた搬送位置又は移載位置に配置するように制御される。
【0061】
搬送位置は、図13に示すように、各アッパプレート70のフック部80A,80Bが、荷載置板43の所定位置に載置されたトレイ20の係合穴22A,22Bに係合不能な位置である。搬送位置は、荷移載装置30がトレイ20を移載するとき以外に、両進退機構71が配置される位置である。
【0062】
また、移載位置は、図14に示すように、各アッパプレート70のフック部80A,80Bが、トレイ20の係合穴22A,22Bに係合可能な位置である。移載位置は、荷移載装置30がトレイ20を移載するときに、両進退機構71が配置される位置である。
【0063】
次に、進退機構71の制御について述べる。
進退機構71は、両アッパプレート70の左右方向における位置が調節されることにより、両アッパプレート70を、荷載置板43の左右両側においてそれぞれ5つの異なる位置に配置するように制御される。5つの位置は、第1引込位置(同時移載作業時の移載元側の進出位置)、第1押出位置(同時移載作業時の移載先側の進出位置)、第2引込位置(荷取り作業時の移載元側の進出位置)、第2押出位置(荷置き作業時の移載先側の進出位置)及び待機位置(移載終了位置、移載開始位置)である。
【0064】
第1引込位置は、図15(a)に示すように、荷載置板43上の所定位置に載置されたトレイ20の係合穴22Aに、一方のフック部80Aが係合可能な位置である。同時に、収容部15の所定位置に載置されたトレイ20の係合穴22Aに、他方のフック部80Bが係合可能な位置である。
【0065】
第1引込位置は、荷載置板43からある収容部15又は出庫ST17に荷Lを移載し、同時に、別の収容部15又は入庫ST16から荷載置板43上に荷Lを移載するときに両アッパプレート70が配置される位置である。
【0066】
なお、荷載置板43上のトレイ20は、両ロアプレート52の両端からそれぞれ距離bだけ奥まった所定位置に載置される。すなわち、ロアプレート52の長さWlは、トレイ20の長さTlに2bを加算した長さWl=Tl+2bである。また、収容部15のトレイ20は、両ロアプレート52の端面から、距離dだけ離れた所定位置に載置される。すなわち、枠組棚11Aのある収容部15に保管された荷Lのトレイ20と、枠組棚11Bのある収容部15に保管された荷Lのトレイ20との間隔Wは、W=Wl+2dである。
【0067】
また、第1押出位置は、図15(b)に示すように、荷載置板43上のトレイ20の係合穴22Aに対し、その外側の端部で係合可能な位置に、一方のフック部80Aが配置される位置である。同時に、ある収容部15又は出庫ST17に載置されたトレイ20の係合穴22Aに対し、その内側(すなわち、トレイ20の中央側)の端部に係合可能な位置に、他方のフック部80Bが配置される位置である。
【0068】
第1押出位置は、荷載置板43からある収容部15又は出庫ST17に荷Lを移載し、同時に、別の収容部15又は入庫ST16から荷載置板43上に荷Lを移載したときに両アッパプレート70が配置される位置である。
【0069】
また、第2引込位置は、図16(a)に示すように、ある収容部15又は入庫ST16の所定位置に載置されたトレイ20の係合穴22Bに対し、その収容部15側のフック部80Aがそのほぼ中央に係合可能な位置である。同時に、反対側のフック部80Bが、トレイ20よりも荷載置板43側に配置される位置である。
【0070】
第2引込位置は、ある収容部15又は入庫ST16から荷載置板43上に荷Lを移載するだけのときに両アッパプレート70が配置される位置である。
また、待機位置は、図16(b)に示すように、荷載置板43の所定位置に載置されたトレイ20の係合穴22Bに対し、その外側(すなわち、係合穴22A側)の端部で係合可能な位置に、一方のフック部80Bが配置される位置である。同時に、他方のフック部80Aが、トレイ20の外側に配置される位置である。
【0071】
待機位置は、両ロアプレート52の長手方向での端面に、ミドルプレート72の同端面と、アッパプレート70の同端面とがそろう位置であって、ロアプレート52からアッパプレート70及びミドルプレート72が移載方向に突出しない状態である。
【0072】
また、第2押出位置は、図16(c)に示すように、ある収容部15又は出庫ST17の所定位置に載置されたトレイ20の係合穴22Bに対し、その内側(すなわち、トレイ20の中央側)の端部で係合可能な位置に、その収容部15又は出庫ST17側のフック部80Bが配置される位置である。同時に、反対側のフック部80Aが、トレイ20よりも荷載置板43側に配置される位置である。
【0073】
第2押出位置は、荷載置板43上からある収容部15又は出庫ST17に荷Lを移載するだけのときに、両アッパプレート70が配置される位置である。
次に、開閉機構55及び進退機構71の位置制御によって行われる荷移載装置30の移載制御について詳述する。
【0074】
荷移載装置30は、入出庫位置において、入庫ST16からの荷取り作業、又は、出庫ST17への荷置き作業を行う。また、各収容部15に対する移載位置において、その収容部に対する荷取り又は荷置き作業を行う。また、荷移載装置30は、入出庫位置において、入庫ST16からの荷取り作業と、出庫ST17への荷置き作業とを同時に行う同時移載作業を行う。同様に、ある収容部15に対する移載位置において、その収容部15からの荷取り作業と、対向する位置にある収容部15への荷置き作業とを同時に行う同時移載作業を行う。
【0075】
荷取り作業、荷置き作業及び同時移載作業を、図17(a)〜(e)、図18(a)〜(e)、図19(a)〜(e)及び図20(a)〜(d)を用い、ある収容部15から荷取りした荷Lを出庫した後、新たに保管する荷Lをある収容部15に入庫する一連の作業の中で説明する。
【0076】
スタッカクレーン12が、出庫する荷Lが保管された枠組棚11Aの収容部15まで移動する間に、進退用モータ85が運転制御されて進退機構71が作動し、両アッパプレート70が枠組棚11A側の待機位置に配置される。この結果、キャリッジ29がその収容部15に対する移載位置に到着したときには、両アッパプレート70が、枠組棚11A側の第2引込位置により近い方の待機位置に配置されている。なお、スタッカクレーン12が移動する間、両ロアプレート52は搬送位置に配置されている(図17(a))。
【0077】
キャリッジ29が、その収容部15に対する移載位置に到着すると、進退機構71が制御されて両アッパプレート70が、枠組棚11A側の待機位置から同じ側の第2引込位置まで移動する(図17(b))。この結果、各アッパプレート70の枠組棚11Aの両フック部80Aが、枠組棚11Aの収容部15の所定位置に保管されている荷Lのトレイ20に対し、荷移載装置30側の両係合穴22Bに係合可能な位置に配置される。
【0078】
次に、開閉用モータ60が運転制御されて開閉機構55が作動し、両アッパプレート70が搬送位置から移載位置まで移動する(図17(c))。この結果、枠組棚11A側の両フック部80Aが、収容部15に保管されているトレイ20の両係合穴22Bに係合する。
【0079】
次に、進退機構71が制御され、両アッパプレート70が、枠組棚11A側の第2引込位置から、枠組棚11B側の待機位置まで移動する(図17(d),(e))。この結果、両アッパプレート70によって、枠組棚11Aの収容部15に保管されていた荷L1が、荷載置板43上の所定位置に移載される。
【0080】
荷L1を荷載置板43に移載すると、走行用モータ31及び昇降用モータ32が運転制御され、スタッカクレーン12が入出庫位置に向かって移動する。この移動中に、開閉機構55が制御され、両アッパプレート70が移載位置から搬送位置まで移動する(図18(a))。この結果、両アッパプレート70の両フック部80Aの、トレイ20の両係合穴22Bに対する係合状態が解除され、荷L1の移載(荷取り)が完了する。
【0081】
また、キャリッジ29が移動する間、進退機構71が制御され、両アッパプレート70が、枠組棚11B側(すなわち、出庫ST17側)の待機位置から、枠組棚11A側(すなわち、入庫ST16側)の待機位置まで移動する(図18(b))。この結果、キャリッジ29が入出庫位置に到着したときには、両アッパプレート70が、入庫ST16側の第1引込位置に近い方の待機位置に配置される。
【0082】
次に、進退機構71が制御され、両アッパプレート70が入庫ST16側の待機位置から同じ側の第1引込位置まで移動する(図18(c))。この結果、各アッパプレート70の入庫ST16側のフック部80Aが、入庫ST16のトレイ20に対し、荷移載装置30側の係合穴22Aに係合可能な位置に配置される。また、出庫ST17側のフック部80Bが、荷載置板43のトレイ20に対しその入庫ST16側の係合穴22Aに係合可能な位置に配置される。
【0083】
次に、開閉機構55が制御され、両アッパプレート70が搬送位置から移載位置まで移動配置される(図18(d))。この結果、入庫ST16側の両フック部80Aが、入庫ST16に載置されたトレイ20の両係合穴22Aに係合し、また、出庫ST17側の両フック部80Bが、荷載置板43に載置されたトレイ20の両係合穴22Aに係合する。
【0084】
次に、進退機構71が制御され、両アッパプレート70が入庫ST16側の第1引込位置から出庫ST17側の第1押出位置まで移動する(図18(e)、図19(a))。この結果、両アッパプレート70によって、荷載置板43の荷L1が出庫ST17に移載(荷置き)され、同時に、入庫ST16の荷L2が荷載置板43に移載(荷取り)される。
【0085】
次に、開閉機構55が制御され、両アッパプレート70が移載位置から搬送位置まで後退する(図19(b))。この結果、両アッパプレート70の各フック部80A,80Bの、各トレイ20の係合穴22Aに対する係合状態が解除され、荷L1,L2の移載が完了する。
【0086】
次に、進退機構71が制御され、両アッパプレート70が、出庫ST17側の第1押出位置から同じ側の待機位置まで後退する(図19(c))。この結果、両アッパプレート70が出庫ST17及び枠組棚11Bに干渉しない状態となり、スタッカクレーン12が移動可能となる。
【0087】
次に、スタッカクレーン12が運転制御され、新たに荷L2を入庫する枠組棚11Bの収容部15に対する移載位置に向かってキャリッジ29が移動する。キャリッジ29が移動する間に進退機構71が制御され、両アッパプレート70が枠組棚11B側の待機位置から枠組棚11A側の待機位置まで移動する(図19(d))。また、キャリッジ29が移動する間に、開閉機構55が制御され、両アッパプレート70が搬送位置から移載位置まで進出する(図19(e))。この結果、キャリッジ29が枠組棚11Bの収容部15に対する移載位置に到着したときには、枠組棚11B側の両フック部80Bが、荷載置板43のトレイ20に対して枠組棚11A側の両係合穴22Bに係合する。
【0088】
キャリッジ29が移載位置に到着すると、進退機構71が制御され、両アッパプレート70が枠組棚11A側の待機位置から枠組棚11B側の第2押出位置まで移動する(図20(a)、図20(b))。この結果、両アッパプレート70により、荷載置板43の荷L2がトレイ20と共に枠組棚11Bの収容部15に移載(荷置き)される。
【0089】
次に、開閉機構55が制御され、両アッパプレート70が、移載位置から搬送位置まで後退する(図20(c))。この結果、収容部15上のトレイ20の係合穴22Bに対するフック部80A,80Bの係合状態が解除され、荷載置板43から収容部15への荷L2の移載が完了する。
【0090】
最後に、進退機構71が制御され、両アッパプレート70が、枠組棚11B側の第2押出位置から同じ側の待機位置まで後退する(図20(d))。この結果、収容部15への荷L2の入庫作業が完了し、スタッカクレーン12が入出庫位置に移動可能となる。
【0091】
そして、スタッカクレーン12が制御され、次に出庫する荷Lが保管された収容部15に対する移載位置まで移動する。この移動の間に、進退機構71が制御され、両アッパプレート70が、枠組棚11A側(すなわち、入庫ST16側)の待機位置まで移動する。
【0092】
以上詳述した本実施形態は、以下の各効果を有する。
(1) 本実施形態の荷移載装置30は、入出庫位置及び各移載位置において、入庫ST16又は収容部15(移載元)からの荷取り作業と、出庫ST17又は収容部15(移載先)への荷置き作業とを同時に行うので、荷L1,L21つ当たりの移載に要する時間を短縮することができる。さらに、自動倉庫10において、荷L1つ当たりの入庫及び出庫に要する時間を短縮することができる。
【0093】
(2) 例えば枠組棚11Aの収容部15からの荷取り作業時には、同時移載作業時よりも両アッパプレート70がより枠組棚11A側に進出してトレイ20に係合するので、移載時に枠組棚11B側には進退しない。従って、荷取り作業は、同時移載作業と異なり、両アッパプレート70を枠組棚11A側に進出させた後に後退させるだけの動作で完了する。同様に、収容部15又は出庫ST17に対する荷置き作業の場合も、両アッパプレート70をその収容部15側又は出庫ST17側に進出させた後に後退させるだけの動作で完了する。
【0094】
このため、荷取り作業及び荷置き作業に要する時間が、同時移載作業よりも短くなるので、1つの荷Lの入庫又は出庫に要する時間がさらに短縮される。
(3) 進退機構71の各アッパプレート70に設けられて対をなすアッパプレート70のフック部80A,80Bが、それぞれ荷Lが載せられた2つのトレイ20の各係合穴22に対し、水平直交方向に係合する。
【0095】
このため、各フック部80A,80Bからトレイ20に対して前後方向の不要な力を加えることがなく、また、荷Lをより確実に移載することができる。
(4) アッパプレート70を、入庫ST16側の第1引込位置から出庫ST17側の第1押出位置まで移動させることによって、入庫ST16の荷Lを荷載置板43に移載し、同時に、荷載置板43の荷Lを出庫ST17に移載する。
【0096】
このため、荷載置板43の所定位置に載置されたトレイ20が、出庫ST17の所定位置に移載され、同様に、入庫ST16の所定位置に載置されたトレイ20が、荷載置板43の所定位置に移載される。
【0097】
従って、荷移載装置30から出庫ST17へのトレイ20の移載が完了したか否かを出庫ST17側で検出する必要がなく、そのためのセンサを出庫ST17側に設ける必要がない。同様に、入庫ST16から荷移載装置30へのトレイ20の移載が完了したか否かを荷移載装置30側で検出する必要がなく、そのためのセンサを荷移載装置30側に設ける必要がない。
【0098】
(5) 移載方向に対する水平直交方向に係合する一対のアッパプレート70が、開閉機構(切換手段)55によって同方向に離間又は接近することで、フック部80A,80Bがトレイ20に対し同方向の両側から係合する。
【0099】
このため、前後方向の一方だけにアッパプレート70を設けた場合と異なり、移載中にトレイ20の姿勢が変化し難い。その結果、トレイ20が、出庫ST17あるいは荷載置板43に対して、より正規の姿勢のままで移載される。
【0100】
(6) 一対のロアプレート52が、移載方向に対する水平直交方向に移動可能に設けられ、各ロアプレート52に設けられた進退機構71がアッパプレート70を移載方向に移動させる。各進退機構71は、進退駆動機構81によって同時に作動する。また、開閉機構55が、両ロアプレート52を接近又は離間させることで、フック部80A,80Bをトレイ20に対して係合させる。
【0101】
従って、一対のロアプレート52を前後方向に接近又は離間させるだけの開閉機構55と、アッパプレート70を左右方向に移動させるだけの進退機構71及び進退駆動機構81とからなる簡単な構成で実施できる。
【0102】
(7) コントローラ33が、サーボモータからなる開閉用モータ60を制御して、フック部80A,80Bの係合状態を切り換える。このため、フック部80A,80Bの係合状態を判別するためのセンサを別に設ける必要がない。また、コントローラ33が、サーボモータからなる進退用モータ85を制御して、両アッパプレート70を位置制御する。このため、両アッパプレート70の位置を検出するためのセンサを別に設ける必要がない。従って、電気的な構成が簡素となる。
【0103】
(8) 荷移載装置30がある収容部15から荷取りした荷Lを、スタッカクレーン12が入出庫位置まで搬送する間に、コントローラ33が進退駆動機構81を制御して、入庫ST16側の待機位置まで両アッパプレート70を移動させる。従って、キャリッジ29が入出庫位置に到着したときに、両アッパプレート70を入庫ST16側の進出位置まで最短の移動距離で移動させることができる。
【0104】
その結果、入出庫位置での、荷載置板43から出庫ST17への荷L1の移載と、入庫ST16から荷載置板43への荷Lの移載とに要する時間がより短縮される。
【0105】
(9) 例えば枠組棚11Aの収容部15からの荷取り作業を行ったときには、枠組棚11B側の待機位置まで後退した両アッパプレート70が移載位置のままで、スタッカクレーン12が移動開始する。すなわち、その収容部15からの荷取り動作が完了していない状態のままでスタッカクレーン12が運転される。このため、荷L1の出庫に要する時間がより短縮される。
【0106】
同様に、入庫ST16から荷取りした荷L2を例えば枠組棚11Bの収容部15に荷置きするだけのときには、スタッカクレーン12がその収容部15に向かって移動中に、枠組棚11A側の待機位置に配置された両アッパプレート70が搬送位置から移載位置に切り換えられる。このため、収容部15に対する移載位置に到着後、すぐに両アッパプレート70を枠組棚11B側に進出させることができるので、荷L2の入庫に要する時間がより短縮される。
【0107】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、図21〜図26を用いて説明する。
【0108】
図21に示す本実施形態の荷移載装置90は、前記第1実施形態の荷移載装置30と同様に、荷Lがトレイに載置された状態で保管される自動倉庫に用いられる。図22は、荷移載装置90が移載するトレイ91(ワーク)を示し、その移載方向となる長手方向の両端部下側には、前後方向に延びる係合溝92A,92Bがそれぞれ設けられている。係合溝92Aは移載方向の両端に形成され、係合溝92Bはその内側に設けられている。トレイ91は、例えば金属板から曲げ加工によって形成される。
【0109】
図21に示すように、荷移載装置90は、第1実施形態と同様のフレーム40に固定される一対の荷台93(荷載置部)を備えている。各荷台93は、移載方向に延びる平板からなり、前後方向に所定距離だけ離れて配置されている。荷台93は、トレイ91の下面をその幅方向両端部で支持するようになっている。
【0110】
各荷台93には、それぞれの外側端部に移載ガイド94が設けられている。各移載ガイド94はL字断面に形成され、荷台93の外側端部に沿って左右方向に延びるように設けられている。そして、両移載ガイド94は、両荷台93上に載置されたトレイ91の前後方向での移動を制限する。また、両移載ガイド94は、両荷台93上にトレイ91が載置される際のワークの跳ね上がりを防止するように、トレイ91の上下方向での移動も制限する。
【0111】
図21に示すように、各荷台93には、両荷台93上に載置されたトレイ91の左右方向の移動を規制する電磁チャック95がそれぞれ設けられている。電磁チャック95は、電磁力で吸着することでトレイ91を固定する。
【0112】
また、荷移載装置90は、図21に示すように、アプローチ機構96を備えている。アプローチ機構96は、両荷台93の下方で移載方向に移動可能な移動板97を備えている。
【0113】
アプローチ機構96は、例えば、移載方向にフレーム40に支持された図示しないボールねじ、このボールねじに螺合するとともに移動板97に固定されたナット、ボールねじを回転駆動するアプローチ用モータ等によって構成される。このアプローチ機構96のボールねじとナットの組合せは、例えば、ラックとピニオンの組合せに置き換えることも可能である。
【0114】
そして、アプローチ機構96は、アプローチ用モータの動力によって、移動板97を移載方向に往復移動させる。アプローチ用モータはサーボモータであって、内蔵するロータリエンコーダの検出値に基づき、コントローラ33によって回転角が制御される。
【0115】
アプローチ機構96は、コントローラ33によってアプローチ用モータが制御されることにより、図23(a)に示すように、左右方向における移動板97の中央が、両荷台93の同方向での中央に一致する搬送位置に位置決めされる。搬送位置は、スタッカクレーン12が荷Lを搬送するときに移動板97が配置される位置である。
【0116】
また、図23(b)に示すように、移動板97の一方の端面が、両荷台93の一方の端面に一致する移載位置まで搬送位置から移動板97を移動させる。同様に、その搬送位置から、移動板97の他方の端面が、両荷台93の他方の端面に一致する移載位置まで移動板97を移動させる。各移載位置は、荷移載装置90が移載作業を行うときに配置される位置である。
【0117】
また、荷移載装置90は、図21に示すように、搬送する荷Lが載置されたトレイ91に係合するフックユニット98(切換手段)と、このフックユニット98を移載方向に移動させるスライド機構99とを備えている。フックユニット98及びスライド機構99は、移動板97の上面に設けられている。
【0118】
スライド機構99は、移動板97上に設けられ、フックユニット98を移載方向に移動可能に支持するリニアガイド100と、フレーム40に支持された一対のプーリ、プーリに巻きかけられたタイミングベルト、タイミングベルトを駆動するスライド用モータ等によって構成される。本実施形態では、アプローチ機構96、移動板97、フックユニット98、スライド機構99及びリニアガイド100が移動手段を構成する。
【0119】
スライド用モータはサーボモータであって、内蔵するロータリエンコーダの検出値に基づき、コントローラ33によって回転量が制御される。
スライド機構99は、スライド用モータが制御されることにより、図24(a)に示すように、フックユニット98を、移動板97に対し移載方向での一方の端部位置、又は、同じく他方の端部位置まで移動する。
【0120】
図24(a)に示すように、移動板97が搬送位置にあるときに、フックユニット98がいずれかの端部位置に配置されると、フックユニット98の左右方向での端面が、両荷台93の同端面に一致する待機位置(移載終了位置、移載開始位置)に配置される。この待機位置は、スタッカクレーン12が荷Lを搬送するときに、フックユニット98及びスライド機構99が枠組棚11A,11Bに干渉しない状態である。
【0121】
また、図24(b)に示すように、移動板97がいずれかの移載位置にあるときに、その移載位置と同じ側の端部位置に配置されたフックユニット98は、両荷台93から左右方向に最も飛び出した最大進出位置に配置される。
【0122】
図21に示すように、フックユニット98には、左右方向に離れた2組のフック(爪部)101A,101Bが設けられている。フック101A,101Bは、それぞれ前後方向に離れた一対からなる。
【0123】
各フック101A,101Bは、フックユニット98内に設けられた図示しないアクチュエータにより、図25(a)に示すように、フックユニット98の上面から突出した係合位置と、図25(b)に示すように、同上面から没入した非係合位置とに切り換えられる。
【0124】
フックユニット98の各フック101A,101Bは、図26に示すように、移載方向に所定距離だけ離れて配置された2つのトレイ91に対し、その各係合溝92Aに係合可能となっている。すなわち、一方のトレイ91の係合溝92Aに両フック101Aが係合し、また、他方のトレイ91の係合溝92Aに両フック101Bが係合する。このとき、2つのトレイ91の間には、所定距離以上の間隔が確保される。そして、フックユニット98は、移載方向に移動することで、2つのトレイ91を移載方向に同時に移動させることができるようになっている。
【0125】
次に、コントローラ33が、アプローチ機構96及びスライド機構99を介して行うフックユニット98の位置制御について述べる。
フックユニット98は、前記第1実施形態の両アッパプレート70と同様に、荷載置板43の両側において、それぞれ5つの異なる位置、すなわち、第1引込位置、第1押出位置、第2引込位置、待機位置及び第2押出位置に配置される。
【0126】
第1引込位置は、アプローチ機構96によって移動板97がいずれかの側の移載位置に配置された状態で、スライド機構99によってフックユニット98が同じ側の端部位置よりの所定位置に配置されることで設定される位置であって、最大進出位置よりも両荷台93の中央寄りの位置である。第1引込位置は、両荷台93上の所定位置に載置されたトレイ91の係合溝92Aに、一方のフック101Aが係合可能な位置である。同時に、ある収容部15の所定位置に載置されたトレイ91の係合溝92Aに、他方のフック101Bが係合可能な位置である。
【0127】
第1押出位置は、移動板97がいずれかの側の移載位置に配置された状態で、フックユニット98が同じ側の端部位置よりの所定位置に配置されることで設定される位置であって、第1引込位置よりも最大進出位置寄りの位置である。第1押出位置は、両荷台93上のトレイ91の係合溝92Aに対し、その外側の端部で係合可能な位置に、一方のフック101Aが配置される位置である。同時に、ある収容部15又は出庫ST17に載置されたトレイ91の係合溝92Aに対し、その内側(すなわち、トレイ91の中央側)の端部に係合可能な位置に、他方のフック101Bが配置される位置である。
【0128】
第2引込位置は、移動板97がいずれかの側の移載位置に配置された状態で、フックユニット98が同じ側の端部位置よりの所定位置に配置されることで設定される位置であって、第1押出位置よりも最大進出位置よりの位置である。第2引込位置は、ある収容部15又は入庫ST16の所定位置に載置されたトレイ91の係合溝92Bに対し、その収容部15側のフック101Aがそのほぼ中央に係合可能な位置である。同時に、反対側のフック101Bが、トレイ91よりも両荷台93側に配置される位置である。
【0129】
待機位置は、移動板97が搬送位置に配置された状態で、フックユニット98が端部位置に配置された位置であって、フックユニット98が両荷台93の端部に配置される位置である。待機位置は、両荷台93上の所定位置に載置されたトレイ91の係合溝92Bに対し、その外側(すなわち、トレイ91の端部側)の端部で係合可能な位置に、一方のフック101Bが配置される位置である。同時に、他方のフック101Aが、トレイ91の外側に配置される位置である。
【0130】
また、第2押出位置は、移動板97がいずれかの側の移載位置に配置された状態で、フックユニット98が同じ側の端部位置に配置されることで設定される位置であって、最大進出位置である。第2押出位置は、ある収容部15又は出庫ST17の所定位置に載置されたトレイ91の係合溝92Bに対し、その内側(すなわち、トレイ91の中央側)の端部で係合可能な位置に、その収容部15又は出庫ST17側のフック101Bが配置される位置である。同時に、反対側のフック101Aが、トレイ91よりも両荷台93側に配置される位置である。
【0131】
このように構成された荷移載装置90は、移載制御において、第1実施形態の荷移載装置30と同様、入出庫位置において、出庫ST17への荷置き作業と、入庫ST16からの荷取り作業を行う。また、ある収容部15に対する移載位置において、その収容部15に対する荷取り又は荷置き作業を行う。さらに、荷移載装置90は、入出庫位置又は各移載位置において、一方からの荷取り作業と、他方への荷置き作業とを同時に行う同時移載作業を行う。
【0132】
先ず、枠組棚11Aのある収容部15からの荷取りを行うときには、アプローチ機構96が制御されて移動板97が搬送位置から枠組棚11A側の移載位置に移動し、また、スライド機構99が制御されて、フックユニット98が枠組棚11A側の端部位置よりの所定位置に配置される。この結果、フックユニット98が、枠組棚11A側の第1引込位置に配置される。
【0133】
この状態でフックユニット98のアクチュエータが制御されて、各フック101A,101Bが非係合位置から係合位置に突出する。この結果、収容部15に載置されたトレイ91の係合溝91Aらフック101Aが係合し、両荷台93上のトレイ91の係合溝91Aにフック101Bが係合する。
【0134】
次に、移動板97が移載位置から搬送位置に移動配置され、また、フックユニット98が、枠組棚11B側の端部位置まで移動配置される。この結果、フックユニット98が、枠組棚11A側の第1引込位置から、その枠組棚11B側の待機位置まで移動し、フックユニット98によって、枠組棚11Aの収容部15の荷Lが荷台93上の所定位置にトレイ91と共に移載される。
【0135】
キャリッジ29が入出庫位置に到着すると、各フック101A,101Bが非係合位置に切り換えられた状態で、移動板97が搬送位置から入庫ST16側の移載位置まで移動配置される。また、フックユニット98が、出庫ST17側の待機位置から入庫ST16側の端部位置よりの位置に移動配置される。この結果、フックユニット98が出庫ST17側の待機位置から入庫ST16側の第1引込位置まで移動し、入庫ST16のトレイ91の係合溝92Aにフック101Aが係合可能となり、荷台93上のトレイ91の係合溝92Aにフック101Bが係合可能となる。この状態で、各フック101A,101Bが非係合位置から係合位置に切り換えられ、入庫ST16の荷Lと荷台93の荷Lとにフックユニット98が係合する。
【0136】
次に、移動板97が、入庫ST16側の移載位置から出庫ST17側の移載位置まで移動配置され、また、フックユニット98が、入庫ST16側から出庫ST17側に移動配置される。この結果、フックユニット98が、入庫ST16側の第1引込位置から、出庫ST17側の第1押出位置まで移動し、荷台93から出庫ST17の所定位置に荷Lが移載され、同時に、入庫ST16から荷台93の所定位置に新たな荷Lが移載される。
【0137】
2つの荷Lの移載が完了すると、各フック101A,101Bが係合位置から非係合位置に切り換えられた後、フックユニット98が、出庫ST17側の第1押出位置から、新たな荷Lを保管する枠組棚11Bへの移載するために、入庫ST16側の待機位置まで移動配置される。
【0138】
スタッカクレーン12が制御され、キャリッジ29が、荷Lを保管する枠組棚11Bの収容部15に対する移載位置まで移動すると、各フック101A,101Bが非係合位置から係合位置に切り換えられる。そして、フックユニット98が、枠組棚11A側の待機位置から枠組棚11B側の第2押出位置まで移動配置される。この結果、荷台93から枠組棚11Bの収容部15の所定位置に荷Lが移載される。この状態で、各フック101A,101Bが係合位置から非係合位置に切り換えられた後、フックユニット98が、次に出庫する荷Lが保管された枠組棚11A,11Bに応じて、出庫ST17側又は入庫ST16側の待機位置に移動配置される。
【0139】
以上詳述した本実施形態は、前記第1実施形態の(1)〜(3),(4),(7)〜(9)に記載した各効果に加え、下記の効果を有する。
(10) 一対の荷台(荷載置部)93上に載置されたトレイ(ワーク)91の下側を移動するように設けられたフックユニット98の各フック(操作部、第1係合部、第2係合部)101A,101Bが、トレイ91の下面に設けられた係合溝92A,92Bに対して係合する。このため、トレイ91に対してフック101A,101Bから不要な力を加えることがなく、また、荷Lをより確実に移載することができる。
【0140】
次に、上記第1及び第2実施形態以外の実施形態を列記する。
○ 前記第1実施形態で、例えば枠組棚11Aからの荷取り作業時に、両アッパプレート70が後退する移載終了位置は、両アッパプレート70が枠組棚11B側で干渉しない範囲で、待機位置よりも枠組棚11B側寄りの所定位置であってもよい。また、例えば枠組棚11Bへの荷置き作業時に、両アッパプレート70がトレイ20に係合する位置は、両アッパプレート70が枠組棚11A側で干渉しない範囲で、待機位置よりも枠組棚11A寄りの所定位置であってもよい。このような構成であっても、前記第1実施形態の(1)に記載した効果がある。
【0141】
○ 前記第1実施形態で、アッパプレート70に代えて、図27に示すアッパプレート110(操作部)を用いるとともに、トレイ20に代えて、図28に示すコンテナ111(ワーク)を用いる構成とする。アッパプレート110は、左右方向に所定間隔離れて設けられた一対のフック部112A,112B(係合部、第1係合部、第2係合部)を備えている。フック部112Aは、移載方向に配列された一対の爪部113からなる。フック部112Bも、同様の一対の爪部113からなる。一方、コンテナ111は合成樹脂から一体形成され、その移載方向に平行な両外面には、その移載方向での各端部に、上下方向に延びるリブ114A,114Bが設けられている。各フック部112A,112Bは、各リブ114A,114Bに対し、それぞれ係合可能に形成され、係合した状態でコンテナ111を移載方向に移動させることができるようになっている。
【0142】
そして、両アッパプレート110が第1引込位置に位置するときには、例えばフック部112Aが、荷載置板43に載置されたコンテナ111の外側のリブ114Aに係合し、同時に、フック部112Bが、収容部15のコンテナ111のリブ114Aに係合することで、2つの荷Lを同時に移載可能となる。そして、第1押出位置まで移動したときには、フック部112Aが、荷載置板43上のコンテナ111を別の収容部15に移載し、同時に、フック部112Bが、前記収容部15の荷Lを荷載置板43上に移載する。
【0143】
また、両アッパプレート110が第2引込位置に位置するときには、例えばフック部112Bが、収容部15に載置されたコンテナ111の内側のリブ114Bに係合することで、1つの荷Lのみを移載可能となる。そして、反対側の待機位置まで移動したときには、フック部112Bが、収容部15の荷Lを荷載置板43上の所定位置まで移載する。さらに、両アッパプレート110が第2押出位置まで移動することで、フック部112Aがリブ114Bに係合したコンテナ111が、荷載置板43上から収容部15の所定位置まで移載される。
【0144】
このようなアッパプレート110及びコンテナ111を用いた構成によれば、市販のコンテナ111に入れた荷Lを移載することができる。…(請求項1〜請求項8、技術的思想(2))
この実施形態において、コンテナ111に代えて、図29に示すトレイ120(ワーク)を用いる構成としてもよい。このトレイ120は、四角形の箱体121の長手方向両側に、リブ付き部材122がそれぞれ溶接されたものである。リブ付き部材122は長い箱体に形成され、その長手方向の両側壁からなる一対のリブ123Aと、箱体の内部に設けられた一対のリブ123Bとを備える。このリブ付き部材122に代えて、図30に示すリブ付き部材124を用いる構成としてもよい。リブ付き部材124は四角箱体に形成され、その横外壁が一対のリブ125A,125Bを形成する。
【0145】
○ 前記第1実施形態で、トレイ20に用いる当て板23に代えて、図31に示す当て板130を用いてもよい。この当て板130は、金属板から曲げ加工によって形成され、係合穴22A,22Bに嵌合する「コ」字状の一対の屈曲部131A,131Bを備えている。
【0146】
○ 前記第1実施形態で、アッパプレート70を、図32に示すアッパプレート140(操作部)に代えるとともに、トレイ20に係合穴22Aのみを設けた構成としてもよい。アッパプレート140は、移載方向の両端に設けられた一対の第1フック部141A,141Bと、両第1フック部141A,141Bの中央に設けられた1つの第2フック部142とを備えている。第2フック部142は、第1フック部141A,141Bよりも大きく突出するように形成されている。そして、アッパプレート140は、同時移載作業時には、前記一実施形態と同様、図33に示すように、例えば第1フック部141Aが荷載置板43上のトレイ20の係合穴22Aに係合し、第1フック部141Bが収容部15のトレイ20の係合穴22Aに係合する第1引込位置に配置される。同様に、アッパプレート140は、第1フック部141Aがトレイ20の係合穴22Aに係合し、第1フック部141Bがもう1つのトレイ20の係合穴22Aに係合した状態で第1押出位置に配置される。このとき、第2フック部142は、2つのトレイ20の間に配置される。そして、進退機構71が搬送位置から移載位置に切り換えられることで、第1フック部141A,141Bが、各係合穴22Aに係合する。
【0147】
一方、収容部15の荷Lを荷載置板43上に移載するだけのときには、図34(a)に示すように、第2フック部142が、収容部15に載置されたトレイ20の係合穴22Aに係合可能となる新たな第2引込位置に配置される。そして、進退機構71が、第1フック部141A,141Bが係合穴22Aに係合せず、第2フック部142のみが係合穴22Aに係合する、新たな第2の移載位置(すなわち、前記一実施形態の移載位置よりも搬送位置寄りの位置)に配置されることで、第2フック部142が係合穴22Aに係合する。そして、図34(b)に示すように、トレイ20の係合穴22Aに係合したアッパプレート140が、第2引込位置から、その反対側の待機位置(移載終了位置)まで移動することで、トレイ20が荷載置板43上に移載される。
【0148】
さらに、荷載置板43から収容部15に荷置き作業するときには、その収容部15とは反対側の待機位置(移載開始位置)でトレイ20の係合穴22Aに第2フック部142を係合させたアッパプレート140を、図34(c)に示すように、収容部15側の第2押出位置まで移動させる。このような動作によって、荷Lを収容部15に移載する。
【0149】
このような構成によれば、前記一実施形態の各効果に加えて、トレイ20に係合穴22Aのみを設ければよく、簡単な構造ですむ。…(請求項1〜請求項4)○ 前記第1実施形態で、トレイ20に、係合穴22Bに代えて、図35(a)〜(c)に示すように、係合穴22Aと共にフック部80A,80Bが同時に係合可能な係合穴22Cを設けた構成とする。そして、2つの荷Lを同時に移載するときには、前記一実施形態と同様、第1引込位置及び第1押出位置に位置制御する。
【0150】
一方、収容部15から荷載置板43への荷取り作業時には、図35(a)に示すように、例えばフック部80Aが、収容部15に載置された荷Lの係合穴22Cに係合可能となり、フック部80Bが係合穴22Aに係合する第2引込位置に配置される。この第2引込位置は、第1引込位置よりもより移載元側の位置となる。
【0151】
そして、図35(b)に示すように、フック部80Bが係合穴22Aに係合したアッパプレート70が、第2引込位置から、荷載置板43側に設定された所定の移載終了位置まで移動することで、トレイ20が荷載置板43上の所定位置に移載される。この移載終了位置は、前記一実施形態の待機位置よりも、荷載置板43の中央寄りの位置である。
【0152】
さらに、荷載置板43から収容部15への荷置き作業時には、その収容部15から遠い側で荷載置板43上に設定された移載開始位置で係合穴22Aにフック部80Aを係合させるとともに係合穴22Cにフック部80Bを係合させる。そして、アッパプレート70を、図35(c)に示すように、収容部15側の第2押出位置まで移動させることで、荷Lを収容部15に移載する。この第2押出位置は、第1押出位置よりもより移載先側の位置である。
【0153】
このような構成によっても、前記一実施形態の各効果が得られる。…(請求項1〜請求項4)
○ 前記第1実施形態で、アッパプレート70に設けられたフック部80A,80Bに代えて、移載方向に凹凸な波板面を備えた係合部を設けた構成とする。この場合、トレイ20には、係合穴22A,22Bに代えて、係合部と同様の波板面を有する被係合部を設けた構成とする。
【0154】
そして、2つの荷L1,L2の同時移載作業時には、両アッパプレート70を入庫ST16側の第1引込位置(第1及び第2実施形態の第1引込位置と同じ位置)まで進出させた状態で、両係合部でトレイ20の被係合部をその所定位置で挟持する。そして、両アッパプレート70を、出庫ST17側の第1押出位置(第1及び第2実施形態の第1押出位置よりも荷載置板43よりの所定位置)まで進出させた状態で係合状態を解除することで、2つの荷L1,L2を同時に移載する。
【0155】
一方、収容部15又は入庫ST16から荷取り作業時には、両アッパプレート70を第2引込位置(第1及び第2実施形態の第2引込位置よりも荷載置板43よりの所定位置)まで進出させた状態で、両係合部で被係合部を、第1引込位置のときの挟持位置とは異なる位置で挟持する。そして、出庫ST17側の待機位置(第1及び第2実施形態と同じ待機位置)まで両アッパプレート70を後退させた状態で係合を解除することで、入庫ST16からの荷取りを行う。
【0156】
また、収容部15又は出庫ST17への荷置き作業時には、両アッパプレート70を、入庫ST16側の待機位置に配置した状態でトレイ20の被係合部を挟持した後、出庫ST17側の第2押出位置(第1及び第2実施形態の第2押出位置よりも荷載置板43よりの所定位置)まで進出させる。そして、この位置で挟持状態を解除することで、荷載置板43からの荷置きを完了する。
【0157】
このような構成によれば、2つの荷L1,L2の同時移載作業時、荷取り作業時、及び、荷置き作業時のいずれの場合にも、荷Lの移載に要する時間をさらに短縮することができる。…(請求項1〜請求項4)
○ 前記第1実施形態で、アッパプレート70に設けられたフック部80A,80Bに代えて、移載方向に並んだ2つの荷Lの各端部を前後方向で直接挟持可能な弾性部を各アッパプレート70に設けた構成とする。この場合、フック部80A,80Bを係合させる必要がないのでトレイ20を用いる必要はないが、用いることもできる。この場合、両弾性部が荷Lを挟持する移載位置は、予め設定された位置であってもよく、また、例えば開閉用モータ60の駆動電流値から推定した挟持力の大きさが判定値を超える位置であってもよい。弾性部は、例えば、中実のゴム体、空気等で膨らませたゴム体、発泡樹脂等によって形成することができる。
【0158】
そして、2つの荷L1,L2の同時移載作業時には、両アッパプレート70を入庫ST16側の第1引込位置(第1及び第2実施形態の第1引込位置と同じ位置)まで進出させた状態で、両弾性部でトレイ20をその所定位置で挟持する。そして、両アッパプレート70を、出庫ST17側の第1押出位置(第1及び第2実施形態の第1押出位置よりも荷載置板43よりの所定位置)まで進出させた状態で係合状態を解除することで、2つの荷L1,L2を同時に移載する。
【0159】
一方、収容部15又は入庫ST16からの荷取り作業時には、両アッパプレート70を第2引込位置(第1及び第2実施形態の第2引込位置よりも荷載置板43よりの所定位置)まで進出させた状態で、両弾性部でトレイ20を、第1引込位置のときの挟持位置とは異なる位置で挟持する。そして、出庫ST17側の待機位置(第1及び第2実施形態と同じ待機位置)まで両アッパプレート70を後退させた状態で係合を解除することで、入庫ST16からの荷取りを行う。
【0160】
また、収容部15又は出庫ST17への荷置き作業時には、両アッパプレート70を、入庫ST16側の待機位置に配置した状態でトレイ20の端部を挟持した後、出庫ST17側の第2押出位置(第1及び第2実施形態の第2押出位置よりも荷載置板43よりの所定位置)まで進出させる。そして、この位置で挟持状態を解除することで、荷載置板43からの荷置きを完了する。
【0161】
このような構成によれば、2つの荷L1,L2の同時移載作業時、荷取り作業時、及び、荷置き作業時のいずれの場合にも、荷Lの移載に要する時間をさらに短縮することができる。…(請求項1〜請求項4)
○ 前記第1実施形態で、両ロアプレート52の前後方向における位置を、センサ(例えばリミットスイッチ)を用いて検出し、この検出値に基づいてコントローラ33が開閉用モータ60を運転制御することで、両アッパプレート70を搬送位置及び移載位置に位置決めする構成とする。同様に、両アッパプレート70の左右方向における位置を、センサを用いて検出し、この検出値に基づいてコントローラ33が進退用モータ85を運転制御することで、第1引込位置、第1押出位置、第2引込位置、待機位置及び第2押出位置に位置決めする構成とする。(請求項1〜請求項4)
○ 前記第1及び第2実施形態で、荷載置板43を、フリーローラやフリーコンベアからなる荷載置部に置き換えた構成としてもよい。
【0162】
○ 前記第1実施形態で、進退機構71の各スプロケット75A,75Bをプーリに、各チェーン76A,76Bをタイミングベルトに置き換えた構成とする。同様に、開閉機構55の各スプロケット57A,57B、アイドラ58A,58B及びドライブスプロケット61をそれぞれプーリに、チェーン59をタイミングベルトに置き換えた構成としてもよい。
【0163】
○ 前記第1及び第2実施形態で、スタッカクレーン12のキャリッジ29に設ける荷移載装置30,90の数は、2台以上であってもよい。
○ 本発明の荷移載装置は、スタッカクレーンに限らず、例えば、入庫バッファ18まで荷を搬送する無人搬送車に搭載されるものに具体化してもよい。この場合には、荷の供給元から、1度に2つの荷を荷取りすることができ、1つの荷の移載に要する時間を短縮することができる。
【0164】
以下、前記各実施形態から把握される技術的思想を列記する。
(1) 請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載の荷移載装置において、前記第1係合部及び第2係合部は、前記移載方向に離れて設けられた一対の凸状部(フック部80A,80B)である荷移載装置。…(第1実施形態)
(2) 請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載の荷移載装置において、前記第1係合部及び第2係合部は、前記移載方向に離れて設けられた一対の叉状部(フック部112A,112B)である荷移載装置。このような構成によれば、対向する両側面に、叉状部が係合可能なリブ(114A,114B,123A,123B,125A,125B)が設けられた箱体(コンテナ111、トレイ120)を移載することができる。…(他の実施形態、図27,28,29,30)
(3) 請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の荷移載装置において、前記操作部は、前記移載方向に対する水平直交方向に前記ワークを挟持可能な弾性体である荷移載装置。このような構成によれば、特に被係合部を備えないワークを移載することができる。また、移載に要する時間をさらに短縮することができる。…(他の実施形態)
(4) 請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の荷移載装置において、前記移動手段は、前記移載方向に延びるように設けられた案内部材(ロアプレート52、第1リニアガイド73)と、該案内部材に対して移載方向に移動可能に支持された移動部材(ミドルプレート72)と、移動部材に対して移載方向に移動可能に支持された支持部材(アッパプレート70)と、移動部材を介して支持部材を案内部材に連結する連結手段(スプロケット75A,75B、チェーン76A,76B等)と、移動部材を移動させる駆動手段(ラック77、スプライン軸82、中間ギヤ83、ピニオンギヤ84、進退用モータ85、駆動ギヤ86等)からなり、前記連結手段は、支持部材を移動部材の2倍の移動量で移動させるものであり、前記支持部材には前記操作部が設けられている荷移載装置。…(第1実施形態)
(5) 請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の荷移載装置において、前記移動手段は、前記荷載置部の移載方向に移動可能に設けられた基部(移動板97)と、該基部を移動させる第1移動機構(アプローチ機構95)と、前記基部に対し前記移載方向に移動可能に設けられた移動部材(フックユニット98)と、該移動部材を移動させる第2移動機構(スライド機構99)とからなり、前記移動部材に前記操作部(フックユニット98)が設けられている荷移載装置。…(第2実施形態)
(6) 前記技術的思想の(5)に記載の荷移載装置において、前記移動部材は、荷載置部に載置されたワークの下側を移動するように設けられ、前記切換手段(フックユニット98に設けられたアクチュエータ)は、前記操作部に設けた係合部(フック101A,101B)を上下方向に変位させ、該係合部をワークに対して係合又は非係合とすることで操作部がワークを掴む状態と掴まない状態とを切り換える荷移載装置。…(第2実施形態)
【0165】
【発明の効果】
請求項1〜請求項8に記載の発明によれば、移載方向に並んだ2つの荷を同時に移載するので、荷1つ当たりの移載に要する時間を短縮することができる。また、1つの荷のみの荷取り又は荷置き時に、荷取り側又は荷置き側だけで作業を行うので、荷1つ当たりの移載に要する時間をより一層短縮することができる。
【0166】
また、請求項9に記載の発明によれば、自動倉庫で入庫及び出庫を行うスタッカクレーンに設けたので、荷1つ当たりの入庫又は出庫に要する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の荷移載装置の一部を示す模式斜視図。
【図2】(a)は、自動倉庫を示す概略平面図、(b)は同じく概略側面図。
【図3】入庫ST及び出庫STを示す模式正面図。
【図4】トレイを示す模式斜視図。
【図5】荷移載装置のフレームを示す模式斜視図。
【図6】荷移載装置の開閉機構を示す模式斜視図。
【図7】進退機構を示す模式正面図。
【図8】(a)進退機構を示す模式正面図、(b)同じく模式平面図。
【図9】(a)進退機構を示す模式正面図、(b)同じく模式平面図。
【図10】(a)進退機構を示す模式正面図、(b)同じく模式平面図。
【図11】(a)進退機構を示す模式正面図、(b)同じく模式平面図。
【図12】2つのトレイと両フック部とを示す模式斜視図。
【図13】搬送位置の進退機構とトレイを示す模式平面図。
【図14】移載位置の進退機構とトレイを示す模式平面図。
【図15】(a)第1引込位置のアッパプレートとトレイを示す模式図、(b)第1押出位置のアッパプレートとトレイを示す模式図。
【図16】(a)第2引込位置のアッパプレートとトレイを示す模式図、
(b)待機位置のアッパプレートとトレイを示す模式図、(c)第2押出位置のアッパプレートとトレイを示す模式図。
【図17】(a)〜(e)移載位置での荷移載装置を示す模式平面図。
【図18】(a)移載位置での荷移載装置を示す模式平面図、(b)〜(e)入出庫位置での荷移載装置を示す模式平面図。
【図19】(a)〜(c)入出庫位置での荷移載装置を示す模式平面図、(d),(e)移載位置での荷移載装置を示す模式平面図。
【図20】(a)〜(d)移載位置での荷移載装置を示す模式斜視図。
【図21】第2実施形態の荷移載装置を示す模式斜視図。
【図22】トレイを示す模式斜視図。
【図23】(a),(b)荷移載装置を示す模式平面図。
【図24】(a),(b)荷移載装置を示す模式平面図。
【図25】(a),(b)フックユニットを示す模式斜視図。
【図26】フックユニットとトレイを示す模式縦断面図。
【図27】他の実施形態のアッパプレートを示す模式斜視図。
【図28】同じくアッパプレート及びコンテナを示す模式斜視図。
【図29】トレイを示す模式斜視図。
【図30】リブ付き部材を示す模式斜視図。
【図31】当て板を示す模式斜視図。
【図32】他の実施形態のアッパプレートを示す模式斜視図。
【図33】第1引込位置のアッパプレートを示す模式図。
【図34】(a)第2引込位置、(b)待機位置、(c)第2押出位置のアッパプレートを示す模式図。
【図35】(a)第2引込位置、(b)移載終了位置、(c)第2押出位置のアッパプレートを示す模式図。
【符号の説明】
10…自動倉庫、11A,11B…枠組棚、12…スタッカクレーン、15…移載元及び移載先としての収容部、16…移載元としての入庫ST、17…移載先としての出庫ST、20…ワークとしてのトレイ、22A,22B…係合穴、29…キャリッジ、30…荷移載装置、33…制御手段としてのコントローラ、43…荷載置部としての荷載置板、52…移動手段及び進退手段を構成する基部としてのロアプレート、55…切換手段を構成する開閉機構、60…切換手段を構成する動力源及びサーボモータとしての開閉用モータ、70…移動手段及び進退手段を構成する操作部としてのアッパプレート、71…移動手段及び進退手段を構成する進退機構、72…移動手段及び進退手段を構成するミドルプレート、80A,80B…係合部を構成する第1係合部及び第2係合部としてのフック部、81…移動手段を構成する進退駆動機構、85…移動手段及び進退手段を構成する動力源及びサーボモータとしての進退用モータ、90…荷移載装置、91…ワークとしてのトレイ、92A,92B…係合溝、93…荷載置部としての荷台、96…移動手段を構成するアプローチ機構、97…同じく移動板、98…移動手段を構成する切換手段及び操作部としてのフックユニット、99…移動手段を構成するスライド機構、100…同じくリニアガイド、101A,101B…係合部を構成する第1係合部及び第2係合部としてのフック、110…操作部としてのアッパプレート、111…ワークとしてのコンテナ、112A…係合部を構成する第1係合部としてのフック部、112B…係合部を構成する第2係合部としてのフック部、114A,114B…リブ、120…ワークとしてのトレイ、123A,123B…リブ、125A…リブ、125B…リブ、140…操作部としてのアッパプレート、141A,141B……フック部、142…フック部、22C…係合穴、L,L1,L2…ワークとしての荷。

Claims (9)

  1. 荷載置部から移載元側に進出させた操作部で前記移載元のワークと前記荷載置部のワークとを同時に掴んだ後、荷載置部を挟んで反対側にある移載先側に前記操作部を進出させることで移載元から荷載置部への移載と荷載置部から移載先への移載とを同時に行う同時移載作業と、前記荷載置部から前記移載元側に進出させた前記操作部で移載元のワークを掴んだ後、操作部を荷載置部側に後退させることで移載元から荷載置部への移載を行う荷取り作業とを行う荷移載方法であって、
    前記荷取り作業時に前記移載元側に進出させるときの前記操作部の進出位置を、前記移載元から後退させた前記操作部が前記移載先側に干渉しないように、前記同時移載時に前記移載元側に進出させるときの前記操作部の進出位置よりもより移載元側とする荷移載方法。
  2. ワークが載置される荷載置部と、該荷載置部に載置されたワークと移載元又は移載先に載置されたワークとを同時に掴むことが可能な操作部と、前記操作部を前記荷載置部側から移載元及び移載先まで移動させる移動手段と、前記操作部を、前記ワークを掴む状態と掴まない状態とで切り換える切換手段と、前記移動手段及び前記切換手段を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記荷載置部側から前記移載元まで進出させた前記操作部で前記移載元のワークと前記荷載置部のワークとを同時に掴んだ後、前記移載先側に前記操作部を進出させることで移載元から荷載置部への移載と荷載置部から移載先への移載とを同時に行う同時移載作業と、前記荷載置部から前記移載元側に進出させた前記操作部で移載元のワークを掴んだ後、操作部を荷載置部側に後退させることで移載元から荷載置部への移載を行う荷取り作業とを行うとともに、前記荷取り作業時に前記移載元側に進出させるときの前記操作部の進出位置を、前記移載元から後退させた前記操作部が前記移載先側に干渉しないように、前記同時移載時に前記移載元側に進出させるときの前記操作部の進出位置よりもより移載元側とする荷移載装置。
  3. 前記制御手段は、前記荷載置部のワークを掴んだ前記操作部を前記移載先側に進出させることで荷載置部から移載先への移載を行う荷置き作業を行うとともに、前記荷置き作業時に前記移載先に進出させるときの前記操作部の進出位置を、前記操作部が前記移載元側に干渉しないように、前記同時移載時に前記移載先側に進出させるときの前記操作部の進出位置よりもより移載先側とする請求項2に記載の荷移載装置。
  4. 前記制御手段は、前記同時移載作業時には、前記操作部を、前記移載元側に設定された所定の第1引込位置まで進出させた後、前記移載先側に設定された所定の第1押出位置まで進出させ、また、前記荷取り作業時には、前記操作部を、前記第1引込位置よりもより前記移載元側に設定された所定の第2引込位置まで進出させた後、前記荷載置部側に設定された所定の移載終了位置まで後退させ、また、前記荷置き作業時には、前記操作部を、前記荷載置部側に設定された所定の移載開始位置から、前記第1押出位置よりもより前記移載先側に設定された所定の第2押出位置まで進出させた後、荷載置部側に後退させる請求項3に記載の荷移載装置。
  5. 前記操作部は、前記ワークに対し、前記荷載置部の移載方向に対するほぼ水平直交方向にその両側から係合することで両ワークを掴むように一対で設けられるとともに、前記移載方向に離れて設けられた一対の係合部をそれぞれ備え、該両係合部は、前記第1引込位置及び前記第2引込位置で前記移載元のワークに係合する第1係合部と、前記第1引込位置及び前記移載開始位置で荷載置部のワークに係合する第2係合部とからなる請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の荷移載装置。
  6. 前記切換手段は、一対の前記操作部を前記水平直交方向に互いに接近させることで前記ワークに対して係合させ、また、互いに離間させることで前記ワークに対する係合を解除する請求項5に記載の荷移載装置。
  7. 前記移動手段は、前記移載方向に対する水平直交方向に離間又は接近可能に設けられた一対の基部と、該基部毎に、前記操作部を該基部に対して移載方向に進退させる進退手段とを備え、前記切換手段は、一対の前記基部を前記水平直交方向に互いに接近又は離間させることで一対の前記操作部を互いに接近又は離間させる請求項6に記載の荷移載装置。
  8. 前記移動手段及び切換手段は、動力源としてサーボモータを備え、前記制御手段は、前記各サーボモータを制御することで、前記操作部を移載方向に位置制御するとともにワークを掴む状態と掴まない状態とを切り換える請求項2〜請求項7のいずれか一項に記載の荷移載装置。
  9. 請求項2〜請求項8のいずれか一項に記載の荷移載装置を、ワークを搬送するキャリッジに備えたスタッカクレーン。
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