JP2004119235A - 固体高分子型燃料電池用セパレータ、その製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周辺に平坦部を有し、中央部はガス流路となる凸部及び凹部を有する固体高分子型燃料電池用セパレータであって、中央部の周囲に平坦部を介して凹部又は凸部を有するセパレータ。また、周辺に平坦部を有し、周辺を除く部分はガス流路となる凸部及び凹部を有する固体高分子型燃料電池用セパレータの製造装置において、前記セパレータの凸部及び凹部の形状と相似形の凹凸加工を中央部表面に施し、その凹凸加工を施した中央部表面の周囲に被加工物を圧延加工するための平坦部を設けた上下一対の圧下ロールを有することを特徴とする。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力を直接的駆動源とする自動車、小規模の発電システムなどに用いられる固体高分子型燃料電池に用いられるセパレータ及びその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境保全に対する意識の高まりから、化石燃料を利用した現行の内燃機関から水素を利用した固体高分子型燃料電池による電気駆動型の自動車や、分散型コジェネシステムへの移行が世界的に検討されている。これらの新技術が広く一般に利用できるようにするためには、低コスト化と高信頼化に関わる技術開発を燃料供給システムも含めて推進する必要がある。
【0003】
近年、電気自動車用燃料電池の開発が固体高分子材料の開発成功を契機に急速に進展し始めている。
固体高分子型燃料電池とは、従来のアルカリ型燃料電池、燐酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体電解質型燃料電池などと異なり、水素イオン選択透過型の有機物膜を電解質として用いることを特徴とする燃料電池であり、燃料には純水素のほか、アルコール類の改質によって得た水素ガスなどを用い、空気中の酸素との反応を電気化学的に制御することによって電力を取り出すシステムである。固体高分子膜は薄くても十分に機能し、電解質が膜中に固定されていることから、電池内の露点を制御すれば電解質として機能するため、水溶液系電解質や溶融塩系電解質など流動性のある媒体を使う必要がなく、電池自体をコンパクトに単純化して設計できることも特徴である。
【0004】
固体高分子型燃料電池は、水素の流路を持つセパレータ、燃料極、固体高分子膜、空気(酸素)極、空気(酸素)の流路を持つセパレータよりなるサンドイッチ構造を単セルとして、実際にはこの単セルを積層したスタックが用いられる。したがって、セパレータの両面は独立した流路を持ち、片面が水素、もう一方の片面が空気および生成した水の流路となる。
図2には、前記セパレータおよびシール板を用いた、燃料電池スタックの構造の例を示す。
セパレータ1、シール板10、電極である炭素繊維集電体11の積層構造で、両面に電極触媒が塗布された固体高分子膜12をサンドイッチすることで、単セルが形成される。図中のAサイクルを繰り返し積層することで燃料電池スタックが構成される。
【0005】
また、固体高分子型燃料電池においては反応に伴う発熱があり、固体高分子膜を適切な温度に保つためにスタックを冷却する必要があるが、このセパレータの溝は冷却水の流路とすることも可能であり、スタックサイクルの適当な間隔で、冷却水流路を含むBサイクルを挿入することで、スタックの冷却が可能となる。シール板の材質は、適度な弾性を有し、冷却水の沸点以下で分解・塑性変形が起きない材料であればよく、シリコン樹脂、ブタジエンゴム系樹脂、フッ素系樹脂などが適用可能で、溝高さより僅かに厚いシール板を締め付けることによりガスがシールされ、また適度な弾性を有することで、セパレータ等の微小な変形にも追従することが可能となる。図中、固体高分子膜を挟んで、水素側および酸素側の流路が対向する形式としているが、これに限定されることなく、両者が交差する形式でもかまわない。
【0006】
冷却用水溶液の沸点以下の領域で稼働する固体高分子型燃料電池の構成材料としては、温度がさほど高くないこと、その環境下で耐食性・耐久性を十分に発揮させることが可能であること、さらに、任意の流路形状を形成するため炭素系の材料を切削加工などにより加工して使用されてきているが、より低コスト化や小型化、すなわちセパレータの薄肉化を目指してステンレス鋼やチタンの適用に関する技術開発が進んでいる。
【0007】
従来、燃料電池用ステンレス鋼としては、高い耐食性が要求される溶融炭酸塩環境で稼働する燃料電池用ステンレス鋼がある(例えば、特許文献1〜6参照)。また、数百度の高温で稼働する固体電解質型燃料電池材料の発明がなされてきた(例えば、特許文献7〜9参照)。
さらに、単位電池の電極との接触抵抗の小さい燃料電池用セパレータを得ることを目的に、ステンレス鋼(SUS304)をプレス成形することにより、内周部に多数個の凹凸からなる膨出成形部を形成し、膨出成形部の膨出先端側端面に0.01〜0.02μmの厚さの金メッキ層を形成したことを特徴とする燃料電池用セパレータが提案され(例えば、特許文献10参照)、その使用法として燃料電池を形成する際に燃料電池用セパレータを積層された単位電池の間に介在させ、単位電池の電極と膨出成形部の膨出先端側端面に形成された金メッキ層とが当接するように配設し、燃料電池用セパレータと電極との間に反応ガス通路を画成する技術が開示されている。また、例えば特許文献11では、安価に加工するため、プレス加工した波形状の穴明きバイポーラ板が開示されている。また、例えば特許文献12では、平板を金型に挟み込み、圧延ロールで金型を圧縮する製造方法が開示されている。
【0008】
しかし、これらの技術をもとに実際に固体高分子型燃料電池を試作すると、以下の5点の技術的問題があることがわかった。
a)長期耐久性が求められる固体高分子型燃料電池の環境において、ステンレス製セパレータの合金成分としては一般汎用鋼種であるSUS304では不十分となる場合があり、その対策としてCr、Ni、Moなどの含有量を上げる必要がある。
b)Cr、Ni、Moなどの合金組成を上げたステンレス鋼の場合、湿式の金メッキ法だけでは金メッキ層とステンレス鋼基板の間に、ステンレス鋼の不働態酸化皮膜がメッキ処理中に完全に還元されずに残留し、ステンレス鋼と金メッキ層の間の層間抵抗が生じ、電力ロスの原因となることがある。その対策として、皮膜を除去しながら貴金属を付着させる必要がある。
c)セパレータはプレス成形により内周部に多数個の凹凸からなる膨出成形部を形成した形を想定しているが、実際に四周に平坦部をもつ当該部材の加工を試みると、セパレータ全体に波打ち形状が生じる。波打ち形状が存在すると、セパレータを数百枚積層し燃料電池を組み上げる場合、セパレータと電解膜が均等に接触せず、反応の不均一が生じ燃料電池特性が低下する。
d)プレス成形により微細な凹凸を成形する方法は、セパレータが大型化すると、プレス荷重が増大して、大がかりな設備を要する、という問題がある。
e)金型をロールで圧縮する製造方法は、金型の開閉、材料ハンドリング等で、生産性が低いこと、また金型の剛性のため、圧下荷重を精度良く加えることが困難になる、という問題がある。
【0009】
本発明者らは既に、前記a)やb)の問題点に対しては、その解決手段を特許文献13、14などに提示している。また、本発明者らは、セパレータの凹凸と相似形状の凹凸加工を施した上下一対の圧下ロールを有することを特徴とするセパレータ製造装置を開示している(例えば、特許文献15参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平4−247852号公報
【特許文献2】
特開平4−358044号公報
【特許文献3】
特開平7−188870号公報
【特許文献4】
特開平8−165546号公報
【特許文献5】
特開平8−225892号公報
【特許文献6】
特開平8−311620号公報
【特許文献7】
特開平6−264193号公報
【特許文献8】
特開平6−293941号公報
【特許文献9】
特開平9−67672号公報
【特許文献10】
特開平10−228914号公報
【特許文献11】
特開平5−29009号公報
【特許文献12】
特開2000−202532号公報
【特許文献13】
特開2000−256808号公報
【特許文献14】
特開2001−6713号公報
【特許文献15】
特開2002−190305号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らの前記特許文献13、14ではロール凹部断面の底部を直線上に形成し、板厚方向に圧下を加えることにより接触面積の大きい良好なセパレータ形状が得られ、上下一対の圧下ロール上流の平滑ロールにより皺の発生を防止し、さらに、上下一対の圧下ロールの回転速度に差をつける回転速度調整機構により圧延方向(板の進行方向)の形状不良を防止することが可能となった。しかし、この発明では圧延条件により圧延方向と垂直方向(ロールの軸方向)の形状不良や端部の波打ち形状が発生するという問題が明らかになった。
【0012】
特許文献15の発明に係る製造装置により板材料から成形されたセパレータの詳細断面形状例を図3に示す。セパレータの溝周期21は、ガス供給の均一性と集電効率の観点からより小さいことが望ましく、また接触抵抗低減の観点から、電極との接触面積が大きいことが望ましいが、一般には、溝周期21は2〜3mmで、溝深さ22は最大1mm程度のものが燃料電池用セパレータの流路として使われるが、板厚0.1〜0.3mm程度の金属板を成形すると、板厚に比較して溝形状が微細で、角部の曲げ歪みが大きくなり、成形中に角部で破断することが多かった。また、板厚が小さいため圧縮応力により縦壁部37の座屈が生じ、割れも発生した。
【0013】
従って、本発明では、前記c)、d)およびe)の問題点に鑑み、低コスト・高耐久型の固体高分子型燃料電池に適用できる、セパレータ全体の波打ち形状が発生せずにプレス加工が可能なセパレータ及びその製造装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、固体高分子型燃料電池の作用原理に基づき、プレス成形時の材料挙動を詳細に検討した結果、本発明を完成させたもので、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)周辺に平坦部を有し、中央部はガス流路となる凸部及び凹部を有する固体高分子型燃料電池用セパレータであって、中央部の周囲に平坦部を介して凹部又は凸部を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ。
(2)周辺に平坦部を有し、周辺を除く部分はガス流路となる凸部及び凹部を有する固体高分子型燃料電池用セパレータを製造する装置において、前記セパレータの凸部及び凹部の形状と相似形の凹凸加工を中央部表面に施し、その凹凸加工を施した中央部表面の周囲に被加工物を圧延加工するための平坦部を設けた上下一対の圧下ロールを有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ製造装置。
(3)前記(1)記載の固体高分子型燃料電池用セパレータを製造する装置において、前記セパレータの凸部及び凹部の形状と相似形の凹凸加工を中央部表面及び中央部表面の周囲に施した上下一対の圧下ロールを有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ製造装置。
(4)前記(1)記載の固体高分子型燃料電池用セパレータを製造する装置において、前記セパレータの凸部及び凹部の形状と相似形の凹凸加工を中央部表面及び中央部表面の周囲に施し、その凹凸加工を施した中央部表面の周囲に被加工物を圧延加工するための平坦部を設けた上下一対の圧下ロールを有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ製造装置。
(5)前記(2)又は(4)記載の製造装置を用いて固体高分子型燃料電池用セパレータを製造する方法であって、平坦部の板厚が被加工物である板材料の元厚の90〜99.8%となるように圧延加工することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の詳細について説明する。
本発明者らは、種々の形状についてロール金型を試作し、プレス成形を行った結果、ガス流路となる凹凸部の周囲の平坦部を圧延加工することによりセパレータ全体の波打ちを低減できることを見出した。本発明のセパレータ1の断面図の例を図1(a)〜(c)に示す。図1(a)は前記(2)の発明に係る装置により製造したセパレータの例であり、図1(b)は前記(1)のセパレータに係る発明の例であり前記(3)に係る装置により製造したものであり、図1(c)は前記(4)の発明に係る装置により製造したセパレータの例である。
前記(1)の発明において、セパレータの中央部にガス流路となる凸部及び凹部を設け、その周囲に平面部を介して凹部又は凸部を設けることにより、板材料が拘束され平坦部の板が中央部へ引き込まれず、肉余りがなくなることから、波打ち形状が発生しない。
【0016】
前記(1)の発明に係るセパレータにおいて、それを製造する前記(3)に係る製造装置の圧下ロールの例を図5に示すように、中央部の周囲に設ける凹部又は凸部の高さdは、中央部の加工と同等の加工応力を発生させるためには中央部の凹部または凸部の高さd1以上とし、周囲の凹部又は凸部の加工応力が過度になり周囲の不要な変形(皺、波打ち等)を発生させないためには、中央部の凹部または凸部の高さd1の1.5倍以下とすることが好ましい。また、その凹部又は凸部の位置は中央部の凹凸部の最外郭から周囲に設ける凹部又は凸部の中心部までの距離をL1(mm)とすれば、シール板を挟みこむ領域を確保し良好な気密性を確保するためには10mm以上とし、周囲の凹部又は凸部の加工応力が中央部の凹部又は凸部の加工応力へ効果的な影響を与えるためには30mm以下とすることが好ましい。
また、周囲に設ける凹部又は凸部の中心とセパレータの端部との距離は周囲の凹部又は凸部への板の流入を考慮し、10mm以上とし、端部での変形を発生させないためには30mm以下とすることが好ましい。但し、周囲の凹部及び凸部からセパレータ端部まで屑として除去する場合は、ロールの撓みを考慮して当該距離を決定してよい。
【0017】
前記(2)の発明に係る装置により製造された前記(5)の発明に係るセパレータの製造方法において、平坦部の板厚が被加工物である板材料の元厚の90%より薄いとセパレータ中央部に対して圧延方向に肉余りが生じ、波打ち形状が生じ、99.8%を超えると押さえ圧力が小さいため平坦部が中央部の凹部又は凸部の加工部に引き込まれ、波打ち形状が生じるので、平坦部の板厚t(mm)は板材料の元厚の90.0〜99.8%と規定する。
【0018】
又、波打ち形状防止をより確実にするため、前記(4)の発明に係る装置の発明により製造した(5)の発明に係るセパレータの製造方法において、中央部の周囲に凹部又は凸部を設けると共に、平坦部の板厚t(mm)が被加工物である板材料の元厚の90%より薄いとセパレータ中央部に対して圧延方向に肉余りが生じ、波打ち形状が生じ、99.8%を超えると押さえ圧力が小さいため平坦部が中央部の凹部又は凸部の加工部に引き込まれ、波打ち形状が生じるので、平坦部の板厚t(mm)は板材料の元厚の90.0〜99.8%と規定する。
セパレータの材質は、電子伝導性、耐食性、気密性の観点から、グラファイト板、金属板等を使用できるが、薄くできてプレス加工が可能なステンレス鋼製又はチタン製であることが好ましい。
【0019】
次に(2)〜(4)に係る製造装置について説明する。
図4は、前記(2)に係る本発明の上下ロールの中心軸から片側の断面形状の例を示したもので、周囲平坦部を圧延加工するためのロール平坦部41を有している。ロール平坦部41のロールギャップhは被加工物である板材料の元厚さより小さく設定し、圧延加工が施せるようにしており、ロールギャップhは板材料の厚さの90.0〜99.8%が望ましい。中央部の凹凸加工部のロールギャップh1は頂部の平坦な接触抵抗の少ない(接触面積の大きい)良好なセパレータ形状が得られるために、被加工物である板材料の元厚さの70〜90%が望ましい。また、ロール平坦部41の幅Bは、過度に大きくするとロール胴長が長くなりロールたわみ量が増し、成形加工が不均一になる。ロール平坦部41の幅Bは、ロール中央凹凸部42の幅B1に対して5〜20%が望ましい。
【0020】
また、ロール平坦部41を設ける代わりに、前記(3)、(4)に係る発明のように板材料を拘束するための凹凸加工部43を設けてもよい。図5のような凹凸加工部43を設けることにより、ガス流路となる凹凸部の加工と同程度の加工を周囲平坦部で行うことにより、板材料を拘束する。凹凸加工部43の溝深さdは、この効果を得るためガス流路となる凹凸部の深さ以上に設定することが好ましく、凹凸加工部43の中心とロール中央凹凸部42の最外郭との距離L1は短いほど効果が大きいが、セパレータのシール領域を考慮し、10〜30mm程度確保することが望ましい。
【0021】
図6には、表面に凹凸の加工を施してある一対の成形用圧下ロール31a、31bで、圧下して表面の凹凸部35の模様を板材料に転写させながら回転することにより、セパレータを連続的に製造する製造装置の例を示す。成形用圧下ロール31a、31bの直前には、板材料の蛇行を防ぐために、縦ロールの中央部に板厚程度の溝が切られたサイドガイド32a、32bが設けられている。
また、予め板材料の両端に一定のピッチでスプロケット穴33を打ち抜き加工しておき、スプロケットホイール34a、34bで位置決めする方式を用いることができる。図7にはスプロケットホイールによる位置決め機構の一例を示す。図中の矢印は、板材料の搬送方向を示す。ステンレスあるいはチタン等の板材料を、表面に凹凸の加工を施してある一対の成形用圧下ロール31a、31bで、圧下して表面の凹凸部35の模様を薄板に転写させながら回転することにより、セパレータを連続的に製造することができる。
【0022】
図8は、最終成形用圧下ロール表面形状の一例を示す模式図である。成形用圧下ロール31a、31bの凹凸部35の形状は、圧下ロールの軸方向に沿って凸部及び凹部が繰り返し構造となっており、圧下ロール31a、31bの円周方向に沿って凸部及び凹部が繰り返し構造となるもの(図9)、圧下ロール31a、31bの軸方向に対して特定の角度傾斜して凸部及び凹部が繰り返し構造となるもの(図10)の他、凸部及び凹部が円形、楕円形、四角形等の他の任意の多角形としたもの(図11)なども用いることができる。
【0023】
【実施例】
直径200mm、長さ300mmの一対の成形用圧下ロール表面に、図12に示すような凹凸パターンを機械加工により形成した。断面形状は図8に示すもので、凹凸部は幅250mm、長さ(弧長)150mmである。一方、成形用圧下ロールの凸部は、曲率半径0.5mmの凸形状であり、底部は幅0.5mmの平滑面で、溝深さは0.5mmである。また、ロールギャップhは0.095mm、ロール平坦部Bは30mmである。
【0024】
図6に示すような装置を用い、板幅290mm、板厚0.1mmのオーステナイト系ステンレス鋼SUS316のコイルから連続的に板を供給し、成形用上下圧下ロールの凹凸部のロールギャップh1を0.08mmとして加工を行った。圧下ロールの材質はSKD11とした。また、サイドガイドの材質はS45Cとし、直径80mm、長さ120mmの一対とし、圧下ロールの手前250mmに設置した。 上下圧下ロールはサーボモータによる回転同期手段を設け、ロール軸方向に相対変位を発生しないように、圧下ロールの軸受けに精度等級の高い玉軸受けを設けた。
【0025】
凹凸形状が割れ・破断を生ずることなく成形された板は、燃料ガスおよび冷却水等の導入および排出のための穴あけ加工を行った後、所定の長さ毎に切断し、単位セルのセパレータが製造できた。また切断後も、当初は数mm存在した波打ち形状は本装置を用いることにより発生は殆ど見られず、良好な形状が得られた。その後、適当な表面処理等を施した後、燃料電池スタックを構成し性能試験を行ったところ、反応不均一も発生せず、本発明の製造方法によるセパレータを用いて燃料電池として良好に機能することが確認された。
【0026】
本発明の方法によるプレスは、幅250mm×長さ150mmの同様の凹凸形状を、通常のプレスで行った場合に比較すると、波打ちの発生率は格段に低下し、通常の1段プレスでは、約5000tonもの荷重が必要であったのに対して、本発明では約40ton程度であり、極めて安価な装置で製造が可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、固体高分子型燃料電池用セパレータとして高耐食ステンレス鋼やチタンの高精度なプレス成形加工を可能にするものであり、低コスト固体高分子型燃料電池を実現する技術として極めて有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明により製造した第1のセパレータの平面図の例である。
(b)本発明により製造した第2のセパレータの平面図の例である。
(c)本発明により製造した第3のセパレータの平面図の例である。
【図2】本発明により製造したセパレータを用いて固体高分子型燃料電池スタックを構築する一例を示した模式図である。
【図3】本発明により製造したセパレータの詳細断面形状を示す模式図である。
【図4】本発明による圧下ロールの断面形状の例を示す模式図である。
【図5】本発明による圧下ロールの断面形状の例を示す模式図である。
【図6】本発明の圧下ロールによるセパレータの製造装置の例である。
【図7】スプロケットホイールによる板材料の位置決め機構の一例を示す模式図である。
【図8】本発明の圧下ロール表面形状の一例を示す模式図である。
【図9】本発明の別の第1の圧下ロール表面形状の例を示す模式図である。
【図10】本発明の別の第2の圧下ロール表面形状の例を示す模式図である。
【図11】本発明の別の第3の圧下ロール表面形状の例を示す模式図である。
【図12】本発明の別の最終成形用圧下ロール表面形状の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:セパレータ 7:凹部(燃料ガス流路)
8:凸部(酸素(空気)流路) 10:シール板
11:電極(炭素繊維集電体) 12:固体高分子膜
20:平坦部 21:溝周期
22:溝深さ 23:肩部
26:屈曲部 31a、31b:成形用圧下ロール
32a、32b:サイドガイド 33:スプロケット穴
34a、34b:スプロケットホイール
35:凹凸部 41:ロール平坦部
42:ロール中央凹凸部 43:凹凸加工部
Claims (5)
- 周辺に平坦部を有し、中央部はガス流路となる凸部及び凹部を有する固体高分子型燃料電池用セパレータであって、中央部の周囲に平坦部を介して凹部又は凸部を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ。
- 周辺に平坦部を有し、周辺を除く部分はガス流路となる凸部及び凹部を有する固体高分子型燃料電池用セパレータを製造する装置において、前記セパレータの凸部及び凹部の形状と相似形の凹凸加工を中央部表面に施し、その凹凸加工を施した中央部表面の周囲に被加工物を圧延加工するための平坦部を設けた上下一対の圧下ロールを有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ製造装置。
- 請求項1記載の固体高分子型燃料電池用セパレータを製造する装置において、前記セパレータの凸部及び凹部の形状と相似形の凹凸加工を中央部表面及び中央部表面の周囲に施した上下一対の圧下ロールを有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ製造装置。
- 請求項1記載の固体高分子型燃料電池用セパレータを製造する装置において、前記セパレータの凸部及び凹部の形状と相似形の凹凸加工を中央部表面及び中央部表面の周囲に施し、その凹凸加工を施した中央部表面の周囲に被加工物を圧延加工するための平坦部を設けた上下一対の圧下ロールを有することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータ製造装置。
- 請求項2又は4記載の製造装置を用いて固体高分子型燃料電池用セパレータを製造する方法であって、前記セパレータの平坦部の板厚が被加工物である板材料の元厚の90〜99.8%となるように圧延加工することを特徴とする固体高分子型燃料電池用セパレータの製造方法。
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