JP2003527382A - 無水マレイン酸の製造方法 - Google Patents

無水マレイン酸の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素を、酸素含有ガスにより揮発性リン化合物の存在下に、バナジウム、リンおよび酸素を含有する触媒を使用して、少なくとも2つの連続する冷却される反応帯域を有する管束反応器ユニット中で、不均一系触媒により気相酸化することにより無水マレイン酸を製造する方法において、第一の反応帯域の温度が350〜450℃であり、かつ第二およびその後の反応帯域の温度が350〜480℃であり、その際、もっとも熱い反応帯域ともっとも冷たい反応帯域の温度差は少なくとも2℃である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素を、酸素により、バナ
ジウム、リンおよび酸素を含有する触媒を使用して、管束反応器ユニット中で、
不均一系触媒により気相酸化することにより無水マレイン酸を製造する方法に関
する。
【0002】 無水マレイン酸は、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフランおよび1,4−
ブタンジオールを合成する際に重要な中間生成物であり、これらの化合物は自体
溶剤として使用されるか、またはたとえばポリマー、たとえばポリテトラヒドロ
フランもしくはポリビニルピロリドンへとさらに加工される。
【0003】 少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素を、酸素含有ガスにより揮発性リ
ン化合物の存在下に、バナジウム、リンおよび酸素を含有する触媒を使用して、
少なくとも2つの連続する、冷却される反応帯域を有する管束反応器ユニット中
で、不均一系触媒により気相酸化することにより、無水マレイン酸を製造する方
法は一般に公知であり、たとえばUllmann's Encyclopedia of Industrial C
hemistry、第6版、1999年、Electronic Release、"MALEIC AND FUMARIC
ACID - Maleic Anhydride"の章に記載されている。一般にベンゼンまたは
−炭化水素、たとえば1,3−ブタジエン、n−ブテンもしくはn−ブタン
を使用する。バナジウム、リンおよび酸素を含有する触媒を以下では「VPO−
触媒」とよぶが、該触媒を助触媒なしで(US4,429,137、US4,5
62,268、US5,641,722およびUS5,773,382を参照の
こと)または助触媒と一緒に(US5,011,945、US5,158,92
3およびUS5,296,436を参照のこと)使用する。US4,562,2
68、例18によれば、最大の空時収率は76g/1h、つまり触媒1lあたり
、毎時76gの無水マレイン酸が得られている。空時収率とは、連続的な方法で
毎時および使用される触媒層の体積1リットルあたりで得られる所望の生成物、
つまり無水マレイン酸の量をグラムで記載したものと理解する。
【0004】 炭化水素を不均一系触媒により気相酸化して無水マレイン酸を得るためにもっ
とも重要な目標設定は基本的に、できる限り高い空時収率を数ヶ月間の長い期間
にわたって維持することである。
【0005】 たとえばUS3,296,282ではすでに、VPO触媒の失活を有機リン化
合物の添加により抑制できることが認識されている。酸化反応を中断した後でリ
ン化合物を供給したときに、最良の結果が得られている。2−ブテンの酸化の際
に77g/1hの最大空時収率を達成することができた(引用文献の例1を参照
のこと)。
【0006】 EP−A−0123467は、蒸気を添加する酸化反応の間に連続的にリン化
合物の添加を実施できることも教示している。n−ブタンの酸化において、68
g/lhの空時収率が達成された(引用文献の例1を参照のこと)。
【0007】 US特許4,515,899では、リン化合物の添加によりVPO触媒の活性
が低減することが認識されている。従って改善された選択率においてより高い炭
化水素−負荷が可能であり、このことは高められた空時収率につながる。n−ブ
タンの酸化の際に、90g/1hの空時収率が達成された(引用文献の例3を参
照のこと)。
【0008】 US特許5,185,455は、VPO触媒を使用して、常にトリメチルホス
フェートと水蒸気が存在する中で、n−ブタンを無水マレイン酸へと酸化する際
の方法パラメータの最適化を開示している。達成された空時収率は最大で104
g/1hである(引用文献の例2を参照のこと)。
【0009】 炭化水素の無水マレイン酸への反応は、著しく発熱性で進行し、かつ数多くの
可能な平行する後続反応を伴う。炭化水素の反応率が同じである場合、高い空時
収率を達成するために所望される炭化水素の負荷の増大とともに、高められた熱
の発生により有価生成物形成の選択率は低下する。
【0010】 公開公報EP−A−0099431では、高められた熱の発生の際に低減した
選択率の前記の効果を、構造化された、つまり活性に関して適合させた触媒層の
使用により対処することを提案した。もっとも低い触媒活性は反応器入口に存在
し、もっとも高い活性は反応器出口である。その間で活性は連続的に、または段
階的に変化することができる。触媒活性を適切に調整するために、該文献は実質
的に活性の触媒粒子を不活性材料で希釈し、かつ種々の活性触媒およびこれらの
混合物を使用することを教示している。
【0011】 US特許US5,011,945は、VPO触媒を使用した揮発性リン化合物
の存在下でのn−ブタンの酸化において、構造化された触媒堆積物を使用するこ
とを記載しており、この場合、未反応のn−ブタンを無水マレイン酸および副生
成物の分離後に再び循環させている。もっとも低い触媒活性は反応器入口に存在
し、もっとも高い活性は反応器出口である。最大で95g/1hの空時収率が記
載されている。
【0012】 WO93/01155は、n−ブタンからVPO触媒を使用して揮発性リン化
合物の存在下に無水マレイン酸を製造するための方法を開示しており、この場合
、触媒活性は温度およびn−ブタンの濃度とともにガスの流れの方向で、反応速
度は床の内部の低い温度および低いn−ブタン濃度の領域で高い活性により促進
され、かつ温度とn−ブタン濃度との組み合わせが反応率および反応温度の過剰
な上昇につながりうる床の内部の臨界領域で、低い活性により制限されるように
変化する。最大で達成される空時収率は129g/1hである(引用文献の例6
を参照のこと)。
【0013】 Wellauer等によるChem. Eng. Sci. Vol.41、No.4(1986年)、第7
65〜772頁には、公知の触媒の実験データに基づいた、n−ブタンを無水マ
レイン酸へと酸化するためのシミュレーションモデルが記載されている。簡単な
モデル化構想に基づいて、ホットスポット最大値、つまり発熱反応により触媒堆
積物中で生じる最高温度は、収率に関する限界値と同一である。該刊行物は方法
を最適化するための2つの措置を教示している:(a)反応器入口に低い活性を
有し、かつ反応器出口に高い活性を有する2つの触媒堆積物の使用、および(b
)異なった2つの塩浴温度の調節。計算上で最適化しても、一定の塩浴温度での
触媒堆積物を用いた比較方法に対して、単に実験的に決定される空時収率の上昇
は、(a)に関して60g/1hから62g/1h、および(b)に関して63
g/1hが得られたにすぎない(引用例の第2表を参照のこと)。
【0014】 本発明により、Wellauer等において開示されている条件下で、触媒のn−ブタ
ンの負荷はもはや実質的に向上することができないことが認識された。というの
も、ホットスポット最大値の温度は明らかに上昇するからである。このことはふ
たたび選択率の明らかな低減ひいては収率と空時収率の明らかな低下を招く。
【0015】 本発明の課題は、少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素を、酸素により
不均一系触媒を用いて気相酸化することにより無水マレイン酸を製造する方法を
発展させることであり、この方法により、触媒の高い炭化水素負荷において高い
反応率、高い選択率ならびに有価生成物の高い収率ひいては従来技術によるより
も明らかにより高い空時収率が可能になる。本発明のもう1つの課題は、出発物
質の量、品質もしくは純度における変動の際に、または触媒の失活が進行する際
に、高い空時収率を長い期間にわたって可能にするフレキシブルな反応実施を見
いだすことである。
【0016】 これに応じて少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素を、酸素含有ガスに
より揮発性リン化合物の存在下に、バナジウム、リンおよび酸素を含有する触媒
を使用して、少なくとも2つの連続する冷却される反応帯域を有する管束反応器
ユニット中で、不均一系触媒により気相酸化することにより無水マレイン酸を製
造する方法が判明し、該方法は第一の反応帯域の温度が350〜450℃であり
、かつ第二およびその後の反応帯域の温度が350〜480℃であり、その際、
もっとも熱い反応帯域ともっとも冷たい反応帯域の温度差は少なくとも2℃であ
ることを特徴とする。
【0017】 管束反応器ユニットという概念は、少なくとも1つの管束反応器からなるユニ
ットと理解すべきである。管束反応器はふたたび少なくとも1つの反応管からな
り、これは加熱および/または冷却のために熱伝達媒体により包囲されている。
一般に、工業的に使用される管束反応器は数百ないし数万の平行に接続された反
応管を有する。複数の個々の管束反応器(管束反応器ユニットの意味で)が平行
に接続されている場合、これは管束反応器の等価物であると理解すべきであり、
かつ以下では管束反応器の概念に含まれる。
【0018】 管束反応器ユニットが複数、たとえば2つ、3つ、4つもしくはそれ以上の管
束反応器からなる場合、これらは連続的に接続されている。一般に管束反応器は
直線的に連続して前後に接続されている、つまり管束反応器の出口流は、直接、
次の反応器の入口に搬送される。しかしまた、両方の管束反応器の間で物質およ
び/またはエネルギーを除去および/または供給することもまた可能である。た
とえば気体流の一部またはある成分をここから取り出す、または別の気体流を供
給する、あるいは存在する気体流を熱交換器に通過させることができる。
【0019】 本発明による方法の場合、少なくとも2つの連続する反応帯域を有し、かつ前
記の温度で前記の温度差を維持しながら運転される管束反応器ユニットの使用が
重要である。反応帯域という概念は、管束反応器内部の、触媒を含有し、かつ温
度を一定の値に維持する領域であると理解すべきである。反応帯域の温度とは、
本方法を実施する際に化学的な反応の不在下で存在する、この反応帯域中に存在
する触媒堆積物の温度であると理解すべきである。この温度がすべての箇所で正
確に同一でない場合、この概念は反応帯域の長さに沿った温度の数平均値を意味
する。第一、第二もしくはその後の反応帯域とは、それぞれ気体の導通方向に存
在する第一、第二もしくはその後の反応帯域と理解すべきである。
【0020】 実施態様に応じて、管束反応器は1つ、2つ、3つもしくはさらに別の、連続
する反応帯域を有していてもよい。管束反応器が1より多くの反応帯域を有する
場合、一般に空間的に分離された温度調節媒体を使用する。
【0021】 本発明による方法において使用することができる管束反応器ユニットはたとえ
ば2つの連続する反応帯域の場合、 *1つの2帯域管束反応器、 *2つの連続的に接続された1帯域管束反応器 により実現するか、または3つの連続的な反応帯域の場合、 *1つの3帯域管束反応器、 *1つの2帯域管束反応器および連続的に接続された1つの1帯域管束反応器
、 *1つの1帯域管束反応器および連続的に接続された1つの2帯域管束反応器
、 *連続的に接続された3つの1帯域管束反応器 により実現することができる。
【0022】 管束反応器ユニットはさらに、入ってくる気体混合物を加熱する、1つもしく
は複数の予熱帯域を有していてもよい。管束反応器中に組み込まれた予熱帯域は
たとえば同様に熱伝達媒体によって包囲され、不活性材料により充填された反応
管によって実現することができる。不活性材料として原則として、化学的に不活
性である、つまり不均一系触媒の反応を誘導する、もしくは触媒することがなく
、かつ認容可能な、装置特異的なその都度の最大の値を下回る最大の圧力損失を
有するすべての成形体が適切である。たとえば酸化物材料、たとえばAl 、SiCのような酸化物材料または金属材料、たとえば特殊鋼が適切である。成
形体としてたとえば、球、タブレット、中空円筒体、リング、三葉形、三星形、
ホイール、押出成形体、不規則に破砕された成形体が挙げられる。
【0023】 導通装置中で第一の反応帯域の温度は350〜450℃、有利には380〜4
40℃、および特に有利には380〜430℃である。第二およびその後の反応
帯域の導通装置中の温度は350〜480℃、有利には380〜460℃、およ
び特に有利には400〜450℃である。もっとも熱い反応帯域ともっとも冷た
い反応帯域との温度差は少なくとも2℃である。一般にもっとも熱い反応帯域は
導通装置中、もっとも冷たい反応帯域の後に存在し、その際、さらに別の反応帯
域がその間に存在していてもよい。2つの連続した反応帯域を有する実施態様に
関してこのことは、第二の反応帯域の温度が第一の反応帯域の温度よりも少なく
とも2℃高いことを意味している。
【0024】 3つの連続する反応帯域を有する実施態様に関して、原則として複数の本発明
による実施態様が存在する。簡略化のために以下では導通帯域中の帯域を1〜3
で番号付けし、かつ温度をTと省略する。
【0025】 a)”T(帯域2)−T(帯域1)”は、本発明による最低温度差を満足する
、つまりT(帯域2)はもっとも熱い温度であり、かつT(帯域1)は、もっと
も熱い帯域の前に存在するもっとも冷たい温度である。従ってT(帯域3)は定
義によりT(帯域2)よりも低い。
【0026】 b)”T(帯域3)−T(帯域1)”は、本発明による最低温度差を満足する
、つまりT(帯域3)はもっとも熱い温度であり、かつT(帯域1)は、もっと
も熱い帯域の前に存在するもっとも冷たい温度である。従ってT(帯域2)は定
義によりT(帯域1)およびT(帯域3)の間に存在する。
【0027】 c)”T(帯域3)−T(帯域2)”は、本発明による最低温度差を満足する
、つまりT(帯域3)はもっとも熱い温度であり、かつT(帯域2)は、もっと
も熱い帯域の前に存在するもっとも冷たい温度である。従ってT(帯域1)は定
義によりT(帯域2)およびT(帯域3)の間に存在する。
【0028】 導通装置中の温度が帯域から帯域へと上昇するケース(b)は有利である。こ
れは3より多くの連続する反応帯域が存在することにも該当する。
【0029】 もっとも熱い反応帯域ともっとも冷たい反応帯域との温度差は有利には少なく
とも5℃、特に有利には少なくとも8℃、殊に有利には少なくとも10℃および
とりわけ少なくとも12℃である。
【0030】 さらに意外なことに、所望の生成物、つまり無水マレイン酸の収率が、生じる
ホットスポット最大値の温度差に著しく依存していることが確認された。ホット
スポット最大値とは、反応帯域中に存在する触媒層中で化学反応の間に測定され
る温度の最大値と理解すべきである。一般に、ホットスポット最大値は、反応帯
域が直接開始される箇所にも直接終了する箇所にも存在しておらず、従ってホッ
トスポット最大値の前および後の温度はより低い。反応帯域の触媒層内に最高温
度の値が存在していない場合、つまりそれぞれの箇所が同じ温度である場合、こ
の温度をホットスポット最大値と考えるべきである。第二またはその後の反応帯
域のホットスポット最大値と、これらの前に存在する反応帯域のホットスポット
最大値との間の温度差の上昇とともに、所望の生成物の収率は増大する。第一、
第二もしくはその後の反応帯域のホットスポット最大値とは、その都度、気体の
導通装置中に存在する第一、第二もしくはその後の反応帯域のホットスポット最
大値と理解すべきである。
【0031】 有利な1実施態様では、第二もしくはその後の反応帯域の少なくとも1つのホ
ットスポット最大値が、これらの前に存在する反応帯域のすべてのホットスポッ
ト最大値よりも高い。このことは2つの連続する反応帯域を有する簡単な実施態
様に関して、第二の反応帯域のホットスポット最大値が第一の反応帯域のものよ
りも高いことを意味する。3つの連続する反応帯域を有する実施態様に関して、
これは、第三の反応帯域のホットスポット最大値が第一もしくは第二の反応帯域
のホットスポット最大値よりも高いか、あるいは少なくとも第二の反応帯域のホ
ットスポット最大値が第一の反応帯域のホットスポット最大値よりも高いことを
意味する。
【0032】 炭化水素として本発明による方法では、少なくとも4個の炭素原子を有する脂
肪族および芳香族の、飽和および不飽和炭化水素、たとえば1,3−ブタジエン
、1−ブテン、2−シス−ブテン、2−トランス−ブテン、n−ブタン、C
混合物、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1−ペンテン、2−シ
ス−ペンテン、2−トランス−ペンテン、n−ペンタン、シクロペンタジエン、
ジシクロペンタジエン、シクロペンテン、シクロペンタン、C−混合物、ヘキ
セン、ヘキサン、シクロヘキサンおよびベンゼンである。有利には1−ブテン、
2−シス−ブテン、2−トランス−ブテン、n−ブタン、ベンゼンまたはこれら
の混合物が適切である。n−ブタンを、たとえば純粋なn−ブタンとして、また
はn−ブタン含有の気体および液体中の成分として使用することが特に有利であ
る。使用されるn−ブタンはたとえば天然ガス、水蒸気分解またはFCC−分解
に由来するものであってもよい。
【0033】 炭化水素の添加は一般に量を制御しながら、つまり時間単位あたり定義された
量を常に添加しながら行う。炭化水素は液状もしくは気体の形で計量供給するこ
とができる。有利には液体の形で供給し、引き続き管束反応器ユニットへ導入さ
れる前に気化する。
【0034】 酸化剤として酸素含有ガス、たとえば空気、合成空気、酸素が富化された気体
またはいわゆる「純粋」な、つまり、たとえば空気の分別に由来する酸素を使用
する。酸素含有ガスもまた、量を制御しながら添加する。
【0035】 管束反応器ユニットを通過すべきガスは、一般に不活性ガスを含有している。
通常、不活性ガスの割合は開始時に30〜90体積%である。不活性ガスは、無
水マレイン酸の形成に直接寄与することのないすべてのガス、たとえば窒素、希
ガス、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、4個よりも少ない炭素原子を有する、
酸素化された、および酸素化されていない炭化水素(たとえばメタン、エタン、
プロパン、メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸、エタノール、アセトアルデヒ
ド、酢酸、プロパノール、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸、アクロレイン
、クロトンアルデヒド、アクリル酸)およびこれらの混合物である。一般に不活
性ガスは酸素含有ガスにより系中に導入される。しかしまた、別の不活性ガスを
別個に系中に供給することも可能である。たとえば炭化水素の部分酸化に由来す
ることができる、別の不活性ガスによる富化は、場合により後処理した反応搬出
物の部分的な返送により可能である。
【0036】 長い触媒耐用寿命および反応率、選択率、収率、触媒負荷および空時収率のさ
らなる向上を保証するために、本発明による方法では気体に揮発性リン化合物を
供給する。その濃度は開始時、つまり反応器入口で、少なくとも0.1体積pp
m、つまり反応器入口の気体の全体積に対して揮発性リン化合物0.1×10-
である。0.2〜20体積ppmの含有率は有利であり、0.5〜5体積pp
mは特に有利である。揮発性リン化合物として、所望の濃度で使用条件下に気体
状で存在するすべてのリン含有化合物と理解すべきである。たとえば一般式(I
)および(II)が挙げられる:
【0037】
【化1】
【0038】 [式中、X、XおよびXは相互に無関係に水素、ハロゲン、C〜C
アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C10−アリール、C〜C −アルコキシ、C〜C−シクロアルコキシおよびC〜C10−アロキシを
表す]。式(III):
【0039】
【化2】
【0040】 [式中、R、RおよびRは、相互に無関係に水素、C〜C−アルキル
、C〜C−シクロアルキルおよびC〜C10−アリールを表す]の化合物
は有利である。式中でR、RおよびRが相互に無関係にC〜C−アル
キル、たとえばメチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メ
チルプロピル、2−メチルプロピルおよび1,1−ジメチルエチルを表す式(I
II)の化合物が特に有利であり、有利にはトリ−(C〜C−アルキル)−
ホスフェートである。トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェートおよび
トリプロピルホスフェートが特に有利であり、殊にはトリエチルホスフェートで
ある。
【0041】 本発明による方法は常圧より低い圧力(たとえば0.05MPa(絶対))で
も、常圧より高い圧力(たとえば10MPa(絶対)まで)でも実施することが
できる。この圧力が管束反応器ユニット中で優勢であると理解すべきである。圧
力は有利には0.1〜1MPa(絶対)、特に有利には0.1〜0.5MPaで
ある。
【0042】 触媒として本発明による方法のために、その活性物質であるバナジウム、リン
および酸素を含有するすべての触媒が考えられる。従ってたとえばUS5,27
5,996、US5,641,722、US5,137,860、US5,09
5,125、US4,933,312またはEP−A−0056901に記載さ
れているような、助触媒が存在しない触媒を使用することも可能である。
【0043】 さらに、バナジウム、リンおよび酸素に加えてその他の成分を含有する触媒を
使用することが可能である。原則として、周期系の第1〜15族の元素を含有す
る成分を添加することができる。添加物の含有率は、完成触媒中で一般に、その
都度酸化物として計算して、約5質量%を越えることはない。その例は文献WO
97/12674、WO95/26817、US5,137,860、US5,
296,436、US5,158,923またはUS4,795,818から読
みとることができる。有利な添加剤は元素コバルト、モリブデン、鉄、亜鉛、ハ
フニウム、ジルコニウム、リチウム、チタン、クロム、マンガン、ニッケル、銅
、ホウ素、ケイ素、アンチモン、スズ、ニオブおよびビスマスの化合物である。
【0044】 適切な触媒はたとえば次の通りに製造することができる: a)5価のバナジウム化合物(たとえばV)と、有機還元性溶剤(たと
えばアルコール、たとえばイソブタノール)とを、5価のリン化合物(オルトリ
ン酸および/またはピロリン酸)の存在下に加熱しながら反応させる。
【0045】 b)形成されるVPO触媒前駆物質を(たとえば濾過または蒸発により)単離
する。
【0046】 c)VPO触媒前駆物質を乾燥させ、かつVPO混合物から付加的に水を分離
することにより場合により前活性化させる。
【0047】 d)成形する(たとえばタブレット化、場合によりいわゆる滑剤、たとえばグ
ラファイトの添加ならびにいわゆる気孔形成剤、たとえばステアリン酸の添加)
【0048】 e)酸素、窒素、希ガス、二酸化炭素、一酸化炭素および/または水蒸気を含
有する雰囲気中で加熱することにより、VPO触媒前駆物質を前活性化する。そ
の都度の触媒系に見合った適切な温度、処理時間および気体雰囲気の組み合わせ
により触媒の性能に影響を与えることができる。
【0049】 添加剤を使用する場合、該添加剤は原則として触媒製造のすべての段階で、溶
液、固体または気体の成分として添加することができる。有利にはすでに上記の
VPO触媒前駆物質を製造する際の一般的な記載の工程(a)で添加剤を添加す
る。
【0050】 一般に、本発明による方法において使用される触媒は、リン/バナジウムの原
子比0.9〜1.5、有利には0.9〜1.2および特に有利には1.0〜1.
1により特徴付けられる。バナジウムの平均的な酸化状態は一般に+3.9〜+
4.4、および有利には4.0〜4.3である。使用される触媒は一般に10〜
50m/g、および有利には15〜30m/gのBET表面積を有する。該
触媒は一般に0.1〜0.5ml/g、および有利には0.1〜0.3ml/g
の気孔体積を有する。使用される触媒のかさ密度は一般に0.5〜1.5kg/
lおよび有利には0.5〜1.0kg/lである。
【0051】 触媒は一般に、平均的な大きさが2mmを越える成形体として使用する。本方
法を実施する間に顧慮すべき圧力損失に基づいて、これより小さい成形体は通常
、不適切である。適切な成形体としてたとえばタブレット、円筒体、中空円筒体
、リング、球、ストランド、ホイールまたは押出成形体が挙げられる。特別な形
状、たとえば「三葉形(trilobe)」または「三星形(tristar)」(EP−A−05
93646を参照のこと)または少なくとも1つの切り込みを外側に有する成形
体(US5,168,090を参照のこと)もまた同様に可能である。
【0052】 一般にいわゆる完全触媒を使用する、つまり触媒成形体の全体が、場合により
助剤、たとえばグラファイトもしくは気孔形成剤を含むVPO含有の活性材料、
ならびにその他の成分からなる触媒を使用する。さらに、活性材料を担体、たと
えば無機、酸化物成形体上に担持させることも可能である。このような触媒は通
常、シェル触媒とよばれている。
【0053】 本発明による方法における触媒の使用に関して、種々の変法が可能である。も
っとも簡単な場合には、管束反応器ユニットのすべての反応帯域が同一の触媒堆
積物により充填されている。触媒堆積物とは、体積単位あたり平均して同一の組
成および同一の活性を有する触媒材料と理解すべきである。触媒堆積物は同一の
触媒の成形体からなるか、種々の触媒の混合物の成形体からなるか、または不活
性材料が混合されている、つまり「希釈」されている成形体(同一の触媒もしく
は異なった触媒)からなっていてもよい。第二の変法では種々の反応帯域中で異
なった触媒堆積物を使用する。従って場合により第一の反応帯域もしくは1つ/
複数の前の反応帯域中で活性の低い触媒堆積物を使用し、かつ後の1つ/複数の
反応帯域でより活性の高い触媒堆積物を使用することが有利である。さらに、同
一の反応帯域中で異なった触媒堆積物を使用することも可能である。この変法の
場合でも場合により、反応器入口で活性の低い触媒堆積物を使用し、かつその後
の導通方向で、より活性の高い触媒堆積物を使用することが有利である。
【0054】 個々の反応帯域は、いわゆる複数帯域管束反応器としての1つの管束反応器中
でも、複数の、連続的に接続された管束反応器中でも実現することができ、後者
は自体、ふたたび1つもしくは複数の反応帯域を有していてもよい。複数帯域管
束反応器という概念は、熱伝達媒体のための少なくとも2つの循環流を有し、か
つ個々の反応帯域の異なった温度の適切な調節が可能である管束反応器と理解す
べきである。技術的に「複数帯域管束反応器」はたとえば、複数の断熱された、
熱伝達媒体のための循環流を、たとえば図1に略図で記載されているように形成
することによって実現することができる。反応器本体(1)は、個々の反応管(
2)を有しており、これは入口側および出口側に多孔板(3)が溶接されている
。両方の多孔板の間にさらに別の、断熱された多孔板(4)が存在し、これは熱
伝達媒体の領域を複数の別々のセクションに分離する。それぞれのセクションは
有利には別個の循環ポンプもしくは循環装置および別個の熱交換器を有する。
【0055】 図1aは、2帯域管束反応器を、図1bは3帯域管束反応器を示す。熱伝達媒
体は本発明によれば、反応管を通過する気体混合物の流れの方向に対して図1a
および1bに記載されているように並流で、または向流で、反応管を包囲する空
間を通過させることができる。本発明によれば個々の帯域中に熱伝達媒体の異な
った流れの方向が存在してもよいことは自明である。熱伝達媒体として有利には
塩溶融物を使用する。個々の反応帯域の分割は均一な間隔で行うことができるが
、しかしまたこれとは明らかに異なっていてもよい。
【0056】 応用技術的に有利な方法で、本発明による方法の実施を、2つ、3つ、もしく
は4つの連続する反応帯域を有する管束反応器ユニットを使用して行う。2帯域
管束反応器、3帯域管束反応器または4帯域管束反応器の使用が有利である。2
つの連続する反応帯域の実施態様は特に有利であり、この場合、この実施態様で
は2帯域管束反応器の使用が特に有利である。適切な技術的実施態様はたとえば
DE−A2201528、DE−A2513405、DE−A2830765、
DE−A2903582、US3,147,084およびEP−A038322
4に記載されている。ここでDE−A2201528中に開示されている特別な
2帯域反応器を指摘するが、これは「後方の」反応帯域のより熱い熱伝達媒体か
ら、「前方の」反応帯域のより冷たい熱伝達媒体の一部を連行し、場合により加
熱の開始を可能にするという可能性を含んでいる。
【0057】 それぞれの反応帯域内での前記のすべてのケースの組み合わせにおいて、反応
管に対して相対的に行われる熱伝達媒体の並流にさらに横断流を重ねて個々の反
応帯域を、EP−A0700714もしくはEP−A0700893に記載され
ている管束反応器に相応させ、かつ合わせて縦断面で接触管束により、蛇行した
熱伝達媒体の流れ方向を生じてもよい。
【0058】 有利には反応混合物を触媒と接触する前に、たとえばいわゆる予熱帯域中で、
所望の反応温度へと予熱する。
【0059】 通常、前記の管束反応器中で、反応管はフェライト鋼から製造されており、か
つ一般的に1〜3mmの壁厚を有する。その内径は通常20〜30mmである。
管束反応器あたりの反応管の数は、通常5000〜35000の範囲であるが、
特に大きな装置の場合、35000を越える数を実現することもできる。反応器
本体の内部で反応管は通常、均一に分散して配置されている。
【0060】 熱伝達媒体として特に液状の温度調節媒体が適切である。塩溶融液、たとえば
硝酸カリウム、亜硝酸カリウム、硝酸ナトリウムおよび/または亜硝酸ナトリウ
ムまたは低温で溶融する金属、たとえばナトリウムならびに種々の金属の合金の
使用が特に有利である。
【0061】 熱伝達媒体の入り口温度は、本発明によれば第一の反応帯域のためには350
〜450℃、および第二およびそれぞれのその後の反応帯域のためには350〜
480℃であり、その際、本発明によればもっとも熱い反応帯域の温度から、導
通方向でもっとも熱い反応帯域の前に存在している、もっとも冷たい反応帯域の
温度を引いた温度差は少なくとも2℃であることに注意すべきである。
【0062】 本発明による方法を2つの有利な変法で、つまり「シングルパス」の変法およ
び「循環」を有する変法で実施することができる。
【0063】 a)「シングルパス」 「シングルパス」の変法は、反応器通過あたりの炭化水素の反応率が75〜9
5%であり、かつ無水マレイン酸および場合により酸素化された炭化水素の副生
成物を反応器搬出物から除去することを特徴とする。反応器を通過した反応ガス
、特に未反応の炭化水素は「シングルパス」の場合、直接に循環へ供給されない
。有利には反応器通過あたりの炭化水素の全反応率は80〜90%である。残留
する不活性ガス、未反応の炭化水素ならびに場合により別の、分離されていない
成分を含有する残りの流れは一般に装置から排出される。
【0064】 炭化水素の濃度は開始時、つまり反応器入口で有利には1.0〜4.0体積%
、特に有利には1.5〜3.0体積%である。酸素の濃度は開始時に有利には5
〜50体積%、特に有利には15〜30体積%である。使用される酸素の由来は
、有害な不純物を含有していない限り、本発明による方法にとって原則として重
要ではない。技術的な簡単さを考慮すると、酸素源として空気が有利である。こ
れは簡単なケースでは直接もしくは有利には部分的に精製した後に使用すること
ができる。たとえば空気を液化し、かつ引き続き蒸留もしくは圧力変更吸着によ
る酸素の富化は原則として可能である。
【0065】 炭化水素による触媒の負荷は一般に少なくとも20Nl/1・h、有利には少
なくとも30Nl/l・h、特に有利には少なくとも35Nl/l・hである。
【0066】 無水マレイン酸の分離はたとえば適切な吸収媒体中での吸収により行うことが
できる。適切な吸収媒体はたとえば水または有機溶剤である。水中での吸収の場
合、無水マレイン酸を水和してマレイン酸にする。有機溶剤中での吸収が有利で
ある。適切な有機溶剤はたとえばWO97/43242中に記載されている高沸
点の溶剤、たとえばトリクレシルホスフェート、ジブチルマレエート、高分子量
のワックス、140℃を越える沸点を有する芳香族炭化水素またはジ−C〜C −アルキルフタレート、たとえばジブチルフタレートである。前記の溶剤中で
一般に酸素化された炭化水素の副生成物もまた吸収される。吸収はたとえば60
〜160℃の温度および0.1〜0.5MPaの絶対圧以上の圧力で実施するこ
とができる。適切な実施法はたとえば気体状の、場合により冷却された反応器搬
出物を吸収液体で充填された容器に導通する、または吸収液体を気体流中で噴霧
することである。気体流を洗い流すための相応する方法は当業者に公知である。
【0067】 b)「循環」 「循環」の変法は、反応器通過あたりの炭化水素の反応率が30〜60%であ
り、無水マレイン酸および場合により酸素化された炭化水素の副生成物を反応器
搬出物から除去し、かつ少なくとも残留する流れの一部または未反応の、場合に
より分離される炭化水素の少なくとも一部を反応帯域に返送することを特徴とす
る。反応器通過あたりの炭化水素の全反応率は有利には40〜50%である。
【0068】 炭化水素の濃度は開始時に、つまり反応器入口で、有利には少なくとも2.0
体積%、特に有利には少なくとも2.5体積%である。酸素の濃度は開始時に有
利には5〜60体積%、特に有利には15〜50体積%である。使用される酸素
の由来は、有害な不純物を含有していない限り、本発明による方法にとって原則
として重要ではない。技術的な簡単さを考慮すると、使用される酸素は一般に空
気に由来し、その際、通常、酸素の富化を行う。これはたとえば空気を液化し、
かつ引き続き蒸留もしくは圧力変化による吸収により行うことができる。有利に
は酸素20〜100体積%の濃度を有する酸素含有気体を使用する。
【0069】 炭化水素による触媒の負荷は一般に少なくとも20Nl/l・h、有利には少
なくとも30Nl/l・h、特に有利には少なくとも35Nl/l・hである。
【0070】 炭化水素の統合された全反応率、つまり全装置に対する反応率は、本発明によ
る方法の場合、「循環」の変法では80〜100%、有利には90〜100%で
ある。
【0071】 無水マレイン酸の分離はたとえば(a)に記載したように行うことができる。
【0072】 無水マレイン酸を分離した後に残留する気体流または少なくともその中に含有
されている未反応の炭化水素を、「循環」の変法では少なくとも部分的に反応帯
域に返送する。
【0073】 (i)気体流を炭化水素の富化なしに返送する際に、不純物の富化を制御する
ために、気体流の一部を装置から排出する(いわゆるパージ流)ことは有利であ
る。残留する気体流は一般に反応帯域へ返送することができる。相応する量の消
費された炭化水素および酸素を通常の方法で補充する。
【0074】 (ii)たとえば返送すべき不活性ガスの量を低減するために、含有されてい
る炭化水素を富化することは場合により有利である。使用される炭化水素の種類
に応じて種々の方法を考慮することができる。たとえば凝縮または適切な吸着体
への吸着(たとえば圧力変更もしくは温度変更吸着の形でも)が挙げられる。た
とえばn−ブタンを富化するために、活性炭もしくはゼオライトにより吸着し、
引き続き圧力を低下させるおよび/または温度を上昇させる際に脱着が可能であ
る。
【0075】 両方の記載の変法「シングルパス」および「循環」は、2つの有利な、本発明
による方法の特別なケースである。これらはその他の可能な変法または有利であ
るとして記載した方法パラメータを制限するものではない。
【0076】 異なった反応帯域で独立した温度を設定することにより、出発物質の量、品質
もしくは純度、または触媒の失活の進行における変動に適切に対応し、かつさら
に安定した高い無水マレイン酸の収率を得ることが可能である。たとえば、第一
の反応帯域における触媒の失活(たとえばVPO触媒の上方の層を失活させる触
媒毒による、または第一の反応帯域のホットスポット最大値の範囲において温度
により条件付けられた失活による)の際に、この第一の反応帯域の温度を上昇さ
せることにより反応率をふたたび上昇させることが可能である。さらに個々の反
応帯域の温度を適切に調整することにより、この反応帯域において適切に調整さ
れる反応率が可能であり、このことは、選択率ひいては収率に影響を及ぼす。
【0077】 得られる無水マレイン酸をたとえばさらに加工してγ−ブチロラクトン、テト
ラヒドロフラン、1,4−ブタンジオールまたはこれらの混合物にすることがで
きる。適切な方法は当業者に公知である。念のため、両方の文献WO97/43
234(気相中での無水マレイン酸の直接水素化)およびWO97/43242
(気相中でのマレイン酸ジエステルの水素化)を参照のこと。
【0078】 さらに本発明の対象は、不均一系触媒により少なくとも4個の炭素原子を有す
る炭化水素を酸素含有ガスにより揮発性リン化合物の存在下で気相酸化すること
による本発明による方法により無水マレイン酸を製造するための装置であり、こ
れは a)炭化水素、酸素含有ガスおよび場合によりリン化合物のための、量が制御
される供給ユニット、 b)少なくとも2つの連続した、冷却される反応帯域を有し、かつ個々の反応
帯域の温度の異なった調節を可能にする管束反応器ユニット、および c)形成される無水マレイン酸および場合により酸化された炭化水素−副生成
物を分離するためのユニット を有する。
【0079】 本発明による装置において重要なことは、導通方向で連続するユニット(a)
、(b)および(c)の存在である。前記のユニットは直接連続していてもよい
し、中間的な装置を介して間接的に連続していてもよい。この中には、物質およ
び/またはエネルギーの供給および/または除去を可能にする装置も含まれる。
以下で3つのユニットを詳細に記載する。
【0080】 a)供給ユニット 供給ユニットは炭化水素、酸素含有ガス、場合により不活性ガスおよび場合に
よりリン化合物の制御された量の供給を保証する。
【0081】 炭化水素は液状でも気体状でも計量供給することができる。有利には液相での
供給である。
【0082】 酸素含有ガスならびに場合により不活性ガスは気体状で添加する。有利には所
望の組成を有する気体のみを供給する。「シングルパス」の変法のために、これ
は有利には空気であり、「循環」の変法のためにはこれは有利には空気より高い
酸素含有率を有する気体である。
【0083】 揮発性リン化合物は一般に別個に液状の形で添加する。しかしまた、すでに装
置の前で揮発性リン化合物を所望の量で炭化水素に添加することも可能である。
この場合、装置の相応する供給ユニットが省略される。
【0084】 添加の順序は方法の効果的な実施のために重要ではない。たとえばすべての流
を任意の順序で順次、またはたとえば一カ所で一緒に装置に計量供給することが
できる。重要なことは、第一の反応帯域の入口前での強力な混合である。混合は
たとえば、供給ユニットと管束反応器ユニットとの間に存在するスタチックミキ
サー中で行うことができる。あるいはまた、管束反応器ユニットへの相応する組
み込みによりここで必要とされる混合を実施することもできる。この状態で供給
ユニットはまた、直接管束反応器ユニットの入口領域に存在していてもよい。
【0085】 装置が循環法により運転される場合、これはさらに混合ユニットの前で供給ガ
ス流に接続する。
【0086】 b)管束反応器ユニット 管束反応器ユニットは前記のとおりに構成されている。特にこれは少なくとも
2つの連続する反応帯域を有し、該反応帯域は異なった温度の調整が可能である
。個々の反応帯域は管束反応器中でいわゆる複数帯域管束反応器として、また複
数の前後に接続された管束反応器として実現されていてもよく、これらは自体、
ふたたび1つもしくは複数の反応帯域を有していてもよい。有利には管束反応器
ユニットは、複数帯域管束反応器を有しており、特に有利には2帯域管束反応器
、3帯域管束反応器または4帯域管束反応器を有する。殊に有利には2帯域管束
反応器の使用である。
【0087】 c)形成された無水マレイン酸を分離するためのユニット 形成された無水マレイン酸の分離は、前記のとおりに構成されている。特にこ
のために、気体を液体中に吸収するために適切な種々の装置を使用することがで
きる。無水マレイン酸を分離するための複数の同一もしくは異なった装置がユニ
ットに統合されていてもよい。
【0088】 図2には、2つの特殊な変法「シングルパス」および「循環」のための本発明
による装置の著しく簡素化されたブロック図が含まれている。
【0089】 図2aは、「シングルパス」の変法を示しており、この場合、(1)は供給ユ
ニット、(2)は管束反応器ユニット、および(3)は形成された無水マレイン
酸の分離のためのユニットを意味する。流れ(A)、(B)、(C)および(D
)は、炭化水素、酸素含有ガス、場合により不活性ガスおよび場合により揮発性
リン化合物の供給流に相応する。装置から排出される無水マレイン酸含有の溶液
は流(E)と記載する。流(F)は、残留する気体流に相応し、これは同様に装
置から排出される。
【0090】 図2bは「循環」の変法を示しており、この場合、ユニット(1)、(2)お
よび(3)ならびに流(A)、(B)、(C)、(D)および(E)は、上記の
ものを表す。流(G)は、実施態様に応じて任意であり、かつ装置から排出され
る、いわゆる「パージ流」に相応する。同様にユニット(4)が任意であり、こ
れは未反応の炭化水素の富化のためにユニットを表しており、かつ排ガス流(H
)を含有している。返送される炭化水素含有ガス流は供給ユニット(1)に供給
される。
【0091】 前記のとおり、上記のユニットは直接に連続した、あるいはまた間接的に中間
装置により別のユニットもしくは装置を有していてもよい。別のユニットもしく
はその中に含まれている装置の例は、熱交換器(加熱もしくは冷却のため)、ポ
ンプ(液体、たとえば液状の供給流もしくは分離した無水マレイン酸の溶液の搬
送のため)または気体圧縮装置(気体、たとえば気体状の供給流もしくは「循環
」の変法で返送される気体の搬送および圧縮のため)であるが、これらは制限的
なものではない。
【0092】 無水マレイン酸を製造するために特に有利な実施態様では、n−ブタンを出発
炭化水素として使用し、かつ不均一系触媒による気相酸化を、2つの連続する反
応帯域を有する管束反応器ユニット中で「シングルパス」により実施する。この
ために有利な装置の最も重要な特徴を以下に記載する。
【0093】 酸素および不活性ガス含有気体としての空気は、量を制御しながら供給ユニッ
トに添加する。n−ブタンの量を同様に制御をするが、しかし、有利に液状の形
でポンプを介して供給し、かつ気体流中で気化する。供給されるn−ブタンと酸
素の量の比率は、一般に反応の発熱に相応し、かつ所望の空時収率を調整し、従
ってたとえば触媒の種類と量とに依存する。別の成分として有利には揮発性リン
化合物としてトリアルキルホスフェートを量の制御をしながら気体流に添加する
。揮発性リン化合物はたとえば希釈しないで、もしくは適切な溶剤、たとえば水
中で希釈して添加することができる。リン化合物の必要量は種々のパラメータ、
たとえば触媒の種類と量、または装置の温度と圧力とに依存し、かつそれぞれの
システムに適合させるべきである。
【0094】 気体流は十分な混合のためにスタチックミキサーに、および加熱のために熱交
換器に導通する。混合および予熱された気体流を今度は、管束反応器ユニットに
導通する。これは特に有利な実施態様では2帯域管束反応器を含み、該反応器は
バナジウム、リンおよび酸素を含む触媒を含有している。2帯域管束反応器は種
々の技術的な実施態様を有していることができる。従って特に前記の例を参照す
べきである。あるいは2帯域反応器は、公知の構造の2つの1帯域管束反応器を
前後に接続することにより代えることができる。触媒体積に関する両方の反応帯
域の相対的な分割は、種々の要因、たとえば触媒活性または所望の反応条件に依
存し、かつ当業者は容易な試験によりそれぞれの系に適合させることができる。
管束反応器ユニットは有利には2つの塩溶融物循環流により温度調節される。2
つの反応帯域の温度は、本発明によれば第一の帯域よりも少なくとも2℃上回る
。特に有利な実施態様では、所定の条件下で第二の反応帯域のホットスポット最
大値の温度が第一の反応帯域のホットスポット最大値を上回るように両方の温度
を調節する。反応器通過あたり、有利には80〜90%の反応率が達成される。
【0095】 管束反応器ユニットに由来する生成物気体流を熱交換器で冷却し、かつ無水マ
レイン酸を分離するためのユニットに供給する。該ユニットは有利な実施態様で
は少なくとも無水マレイン酸および場合により酸素化された炭化水素副生成物の
吸収除去のための装置を有する。適切な装置はたとえば、冷却された搬出ガスが
導通される、吸収液体で充填された容器であるか、または吸収液体を気体流に噴
霧する装置である。無水マレイン酸含有溶液はさらに処理する、または所望の生
成物を単離するために装置から排出する。残留する気体流を同様に装置から排出
し、かつ場合により未反応のn−ブタンを返送するためのユニットに供給する。
【0096】 n−ブタンを出発炭化水素として用いる、無水マレイン酸を製造するための、
特に有利なもう1つの実施態様では、不均一系触媒による気相酸化を、連続する
2つの反応帯域を有する管束反応器ユニット中で、未反応のn−ブタンの少なく
とも一部を「循環」させて実施する。供給ユニット、管束反応器ユニットおよび
形成された無水マレイン酸を分離するためのユニットは原則として前記の「シン
グルパス」の有利な実施態様で実現することができる。従って以下では特徴的な
相違のみを記載する。
【0097】 酸素は有利には20体積%を越える酸素含有率に富化された気体の形で、たと
えば空気の分別からの純粋な酸素の形で使用する。供給する成分である、n−ブ
タン、酸素、揮発性リン化合物および場合により不活性ガスの量は、相応する運
転法および使用される触媒に適合させる。反応器通過あたり有利には40〜50
%の反応率が達成される。無水マレイン酸および場合により酸素化された炭化水
素の副生成物を上記のとおりに分離し、かつさらに処理するか、もしくは所望の
生成物を単離するために装置から排出する。残留する、不活性ガスおよび未反応
のn−ブタンを含有する気体流の部分を装置から排出して不純物の蓄積を抑制す
る。気体の大部分は供給ユニットに返送し、記載の使用物質と混合し、かつ改め
て管束反応器ユニットに供給する。
【0098】 本発明により、少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素を、酸素を用いて
不均一系触媒により気相酸化することによって、触媒の高い炭化水素負荷、高い
反応率、高い選択率、有価生成物の高い収率ならびに高い空時収率を達成しなが
ら、無水マレイン酸を製造することが可能になる。150g/l・hの空時収率
が問題なく実現可能である。本発明により高い炭化水素負荷において触媒の長い
寿命もまた可能になる。
【0099】 本発明のもう1つの実質的な利点は反応実施の高い柔軟性である。相互に無関
係に調整可能な個々の反応帯域の温度により、これらの反応帯域中での反応率お
よび選択率を適切に調整し、かつ最適化することができる。このことにより種々
の影響、たとえば出発物質の量、品質もしくは純度の変動または触媒の失活の進
行を適切に制御することが可能である。
【0100】 実施例 ここで使用される値は、その他の指示がない限り、次の通りに定義されてる:
【0101】
【外1】
【0102】 Tp 第pの反応帯域の温度、 Tp、ホットスポット 第pの反応帯域のホットスポット最大値の温度、 m無水マレイン酸 製造された無水マレイン酸の質量[g]、 V触媒 触媒の合計体積、すべての反応帯域の和[l]、 t 時間単位[h]、 V炭化水素 気相中の炭化水素の、0℃および0.1013MPa (絶対)で標準化した体積[Nl]、 (計算による値、炭化水素がこの条件下で液相として 存在する場合、理想的な気体法則により仮定的気体体 積を計算する)、 U 反応器通過あたりの炭化水素の反応率、 Uges 炭化水素の積算全反応率(つまり全装置に対する)、 S 反応器通過あたりの無水マレイン酸に関する選択率、 Sges 無水マレイン酸に関する積算全選択率(つまり全装 置に対する)、 A 反応器通過あたりの無水マレイン酸の収率、 Ages 無水マレイン酸の積算全収率(つまり全装置に対す る)、 Sco+co2 反応器通過あたりのCO+COに関する選択率、 Sges,co+co2 CO+COに関する積算全選択率(つまり全装置 に対する)、 nKW、反応器、イン 反応器入口の炭化水素のモル量流[モル/h]、 nKW、反応器、アウト 反応器出口の炭化水素のモル量流[モル/h]、 nKW、装置、イン 装置入口の炭化水素のモル量流[モル/h]、 nKW、装置、アウト 装置出口の炭化水素のモル量流[モル/h]、 nMSA、反応器、アウト 反応器出口の無水マレイン酸のモル量流[モル/h
] nMSA、装置、アウト 装置出口の無水マレイン酸のモル量流[モル/h]。
【0103】 触媒1 240lの容器中で撹拌下に100%のo−リン酸11.8kgをイソブタノ
ール150l中に溶解し、かつ引き続き5酸化バナジウム9.09kgを添加し
た。この懸濁液を16時間、還流下で加熱し、かつ次いで室温まで冷却した。生
じる沈殿物を濾別し、イソブタノールで洗浄し、かつ8kPa(絶対)(80ミ
リバールの絶対圧)の真空下に150℃で乾燥させた。引き続き乾燥した粉末を
250〜300℃で2時間、回転管中で処理した。室温に冷却後、グラファイト
3質量%を添加し、かつ十分に混合した。該粉末を5×3×2mmの中空円筒体
にタブレット化した。中空円筒体をマッフル炉中でまず空気中、7℃/分で25
0℃に、かつ引き続き2℃/分で385℃に加熱した。この温度で触媒を10分
間放置し、次いで空気の雰囲気をN/HO(1:1)と交換した。N/H O雰囲気(1:1)下で425℃に加熱し、かつ系をこの温度で3時間放置し
た。最後に窒素下で室温まで冷却した。
【0104】 触媒はかさ密度0.9l/kg、全気孔体積0.2ml/g、BET表面積1
7m/g、リン/バナジウム比1.04〜1.05および平均的なバナジウム
の酸化状態+4.1を示した。
【0105】 装置1 試験装置は供給ユニットおよび反応管を備えていた。反応管による管束反応器
の代用は、反応管の寸法が技術的な反応管の範囲にある限り、実験室もしくは工
業規模できわめて良好に可能である。装置は「シングルパス」で運転した。
【0106】 炭化水素を量を制御しながら液体の形でポンプを介して添加した。酸素含有ガ
スとして空気を量を制御しながら添加した。トリエチルホスフェート(TEP)
を同様に液体の形で、水中TEP0.25質量%の溶液として量を制御しながら
添加した。
【0107】 管束反応器ユニットは2帯域反応管からなる。反応管の長さは6.4m、内径
は22.3mmであった。反応管の内部には保護管の中に20の温度測定箇所を
有する複数の熱電素子が存在していた。両方の反応帯域はそれぞれ3.2mの長
さを有していた。これらは別々に温度調節可能な熱伝達媒体循環流により包囲さ
れていた。管束反応器は上から下へと流れた。反応管の上方の0.3mは、不活
性材料により充填されており、かつ予熱帯域を形成する。第一および第二の反応
帯域はそれぞれ触媒1を1.0l含有してた。熱伝達媒体として塩溶融液を使用
した。反応器入口の圧力はすべての試験において0.1〜0.4MPa(絶対)
(1〜4バール絶対圧)であった。
【0108】 管束反応器ユニットの直後で気体状の生成物を取り出し、かつガスクロマトグ
ラフィーによるオンライン分析に供給した。気体状の反応搬出物の主要流を装置
から排出した。
【0109】 すべての例はn−ブタンを炭化水素として触媒1を用いて装置1中で実施した
【0110】 装置は「シングルパス」で運転したので、反応器通過の反応率、選択率および
収率は、全装置に対する積算値と同一である。
【0111】 例1 例1A中で反応器を1帯域管束反応器として運転した(本発明によらない)
。両方の反応帯域の温度はそれぞれ429℃であった。気体流は開始時に、つま
り反応器入口で、n−ブタンの濃度2.0体積%を有していた。n−ブタンによ
る触媒の負荷は、40Nl/l・hであった。常にトリエチルホスフェート(T
EP)を揮発性リン化合物として、開始時の全気体量に対して、4体積ppmの
量で供給した。第一の反応帯域の範囲でホットスポット最大値455℃が観察さ
れた。n−ブタンの反応率U85.3%で無水マレイン酸の収率A54.2%が
得られた。ここから94.9g/l・hの空時収率が生じた。実験データは第1
表に記載されている。
【0112】 例1B〜1Gでは、n−ブタン濃度もしくは触媒の負荷が高められており、そ
の際、両方の反応帯域を今度は本発明により異なった温度で運転した(2帯域管
束反応器)。高い負荷で収率を低下する反応器内部温度の上昇を抑制するために
、第一の反応帯域の温度を例1Aに対して低下させた。第二の反応帯域の温度
は相応して高い空時収率の達成のための要求に適合させた。例1Gではn−ブタ
ンの濃度3.0体積%および触媒の負荷75Nl/l・hで149g/l・hの
空時収率が達成された。
【0113】 本発明による方法により149g/l・hの空時収率は問題なく達成可能であ
る。
【0114】 例2 例2では反応器を2帯域管束反応器として、50l/l・hの一定の負荷、2
.0体積%のn−ブタンの一定の濃度およびトリエチルホスフェート(TEP)
を開始時の全気体量に対して4体積ppmの量で常に供給しながら運転した。反
応率Uは試験列の間、85±1%であった。反応帯域TおよびTの両方の温
度は変化し、従って両方のホットスポット最大値T、ホットスポット−T
ホットスポットの温度の差も変化した。
【0115】 その結果は第2表に記載されている。本発明による例2Aでは両方の反応帯域
−Tの温度差2℃を調節した。この条件下で得られる第二の反応帯域のホ
ットスポット最大値T、ホットスポットは、T、ホットスポットに対してそ
れほど際だっておらず、かつ441℃でT、ホットスポットよりも21℃低い
温度を示した。それにもかかわらず、無水マレイン酸の収率Aは52.4%が得
られた。
【0116】 Tの低下およびTの上昇により、両方の反応帯域の間の温度差T−T は、2℃より高い値に上昇した。本発明による例2Cでは、T−Tはたとえ
ば6℃であった。変更された温度調節により第一の反応帯域の反応率は低下し、
かつ第二の反応帯域では上昇した。このことは第一の反応帯域のホットスポット
最大値の温度T、ホットスポットの低下および第二の反応帯域のホットスポッ
ト最大値の温度T、ホットスポットの上昇において明らかである。T、ホッ
トスポット−T、ホットスポットの温度差はこの場合、−12℃の値に低下し
、このことは無水マレイン酸の収率Aの53.0%への上昇につながった。
【0117】 さらにTを低下させ、かつTを上昇させることにより、第一の反応帯域の
ホットスポット最大値の温度T、ホットスポットのさらなる低下および第二の
反応帯域のホットスポット最大値の温度T、ホットスポットの上昇を達成する
ことができた。従って温度差T、ホットスポット−T、ホットスポットに関
して>0℃の値が達成された。例2Eではこれは+9℃であった、つまり第二の
反応帯域のホットスポット最大値T、ホットスポットは、第一の反応帯域のホ
ットスポット最大値T、ホットスポットよりも9℃高い。無水マレイン酸の収
率Aは54.2%へと著しく上昇した。比較例2Aに対して、これは3.4r
el%の収率の向上に相応する。
【0118】 図3は例2中で確認された無水マレイン酸の収率Aの、両方のホットスポット
最大値T、ホットスポット−T、ホットスポットの温度差への依存性を示し
ている。収率は温度差T、ホットスポット−T、ホットスポットの上昇とと
もに常に増大する。
【0119】 両方のホットスポット最大値T、ホットスポット−T、ホットスポットの
温度差の上昇とともに、無水マレイン酸の収率Aは常に増大する。最大の収率A
は>0℃のT、ホットスポット−T、ホットスポットで得られる。
【0120】 例3 例3は、高い空時収率の本発明による条件下で使用されるVPO触媒の貯蔵安
定性を示す。n−ブタンの濃度3.0体積%および触媒の負荷75Nl/l・h
における3300の運転時間を超えた後でも本発明による方法の場合、なお一定
して高い、149〜150g/l・hの空時収率が達成された。
【0121】 本発明による方法により、高い負荷で3300の運転時間を超えた後でも、1
49〜150g/l・hの高い空時収率で安定した運転方法が可能である。
【0122】 例4 例4では反応器を2帯域管束反応器として、75Nl/l・hの高い負荷、3
.0体積%のn−ブタンの一定した濃度および開始時の全気体量に対して、4体
積ppmの量での開始時のトリエチルホスフェート(TEP)の供給で運転した
。両方の反応帯域の温度はT=415℃およびT=422℃で一定に維持し
た。
【0123】 結果は第4表に記載されている。触媒の活性に関するさらなる尺度として、C
O形成およびCO形成の選択率を記載した。調整された条件でこれは40.3
〜40.6%であった。時間tで今度はTEPの供給を停止し、かつ約1時間
の間隔で性能データを測定した。TEP供給の調整のすでに1時間後に、無水マ
レイン酸の選択率の低下が観察された。約11時間後に無水マレイン酸の選択率
は本来の57.7%から54.3%に低下した。CO形成およびCO形成の選
択率は40.3%から44.3%へと著しく上昇した。TEPの供給の停止の約
12時間後に第一の反応帯域のホットスポット最大値の温度は本来の安定した4
62℃から490℃を超える温度へと上昇した。高い選択率および収率での反応
の制御された実施はもはや不可能であった。
【0124】 例4は、特に触媒の高い負荷を有する高負荷の運転法で揮発性リン成分の添加
は安定した反応実施の達成のために重要であることを示してる。リン化合物の添
加なしで、または供給が少なすぎると、VPO触媒の活性が上昇し、このことは
第一の反応帯域のホットスポット最大値の温度T、ホットスポットの明らかな
上昇、反応率Uの明らかな上昇および選択率Sの低下につながる。反応の制御が
できなくなることもまたこの条件下ではあり得る。
【0125】 例1〜4は、本発明による方法は触媒の高い炭化水素負荷率で、高い反応率、
高い選択率ならびに所望の生成物の高い収率ひいては高い空時収率が可能である
ことを示している。従ってVPO触媒を用いた本発明によるn−ブタンの気相酸
化の場合、150g/l・hの空時収率は問題なく達成可能である。安定した反
応実施によりこの高い値は数千時間の運転時間後にも確実に維持される。触媒活
性、触媒量および個々の反応帯域の温度を適切に調節することにより、無水マレ
イン酸の収率の最適化が可能である。従って収率は第二もしくはその後の反応帯
域のホットスポット最大値と、その前に存在する反応帯域のホットスポット最大
値の温度差が増大するとともに、常に上昇する。さらに本発明による方法は、所
望の空時収率に関して柔軟性のある反応実施を提供し、これは出発物質の量、品
質または純度において変動する際にも、または触媒の失活が進行する場合にも最
適化の可能性を提供する。
【0126】
【表1】
【0127】
【表2】
【0128】
【表3】
【0129】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1A】 2帯域管束反応器を示す図。
【図1B】 3帯域管束反応器を示す図。
【図2A】 「シングルパス」の変法を示す図。
【図2B】 「循環」の変法を示す図。
【図3】 例2で確認された無水マレイン酸の収率Aの、両方のホットスポット最大値T 、ホットスポット−T、ホットスポットの温度差への依存性を示すグラフの
図。
【符号の説明】
1 供給ユニット、 2 管束反応器ユニット、 3 無水マレイン酸を分離
するためのユニット、 4 未反応の炭化水素を富化するためのユニット、 A
炭化水素流、 B 酸素含有ガス流、 C 不活性ガス流、 D 揮発性リン
化合物流、 E 無水マレイン酸含有溶液、 F 残留気体流、 G パージ流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 アンドレアス テンテン ドイツ連邦共和国 マイカマー シラーシ ュトラーセ 4 (72)発明者 ヴィルヘルム ルッペル ドイツ連邦共和国 マンハイム メンツェ ルシュトラーセ 1 Fターム(参考) 4C037 KB02 KB04 KB13 4G069 AA10 BB06A BB06B BC54A BC54B BD07A BD07B CB14 GA02 4H039 CA42 CC90

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素を、酸素含有ガ
    スにより揮発性リン化合物の存在下に、バナジウム、リンおよび酸素を含有する
    触媒を使用して、少なくとも2つの連続する、冷却される反応帯域を有する管束
    反応器ユニット中で、不均一系触媒により気相酸化することにより無水マレイン
    酸を製造する方法において、第一の反応帯域の温度が350〜450℃であり、
    かつ第二およびその後の反応帯域の温度が350〜480℃であり、その際、も
    っとも熱い反応帯域ともっとも冷たい反応帯域との温度差は少なくとも2℃であ
    ることを特徴とする、無水マレイン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 もっとも熱い反応帯域ともっとも冷たい反応帯域との温度差
    が少なくとも5℃である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 第二もしくはその後の反応帯域の少なくとも1つのホットス
    ポット最大値が、その前に存在する反応帯域のすべてのホットスポット最大値よ
    りも高い、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 炭化水素としてn−ブタンを使用する、請求項1から3まで
    のいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 揮発性リン化合物として、トリ−(C〜C−アルキル)
    −ホスフェートを使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 不均一系触媒による気相酸化を圧力0.1〜1Mpaの絶対
    圧で実施する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 気相酸化をシングルパスにより運転し、反応器通過あたりの
    炭化水素の反応率は75〜90%であり、かつ反応器搬出物から無水マレイン酸
    および場合により酸素化された炭化水素−副生成物を除去する、請求項1から6
    までのいずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 気相酸化を循環により運転し、反応器通過あたりの炭化水素
    の反応率は30〜60%であり、反応器搬出物から無水マレイン酸および場合に
    より酸素化された炭化水素−副生成物を除去し、かつ残留する流れの少なくとも
    1部または未反応の、場合により分離される炭化水素の一部を反応帯域へ返送す
    る、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも4個の炭素原子を有する炭化水素を酸素含有ガス
    により揮発性リン化合物の存在下に不均一系触媒を使用して気相酸化することに
    よって、請求項1から8までのいずれか1項記載の無水マレイン酸を製造するた
    めの装置において、 (a)炭化水素、酸素含有ガスおよび場合によりリン化合物のための、量が制
    御される供給ユニット、 (b)少なくとも2つの連続する、冷却される反応帯域を有し、かつ個々の反
    応帯域を異なった温度に調節することができる管束反応器ユニット、および (c)形成される無水マレイン酸および場合により酸素化された炭化水素−副
    生成物を分離するためのユニット を有する、無水マレイン酸を製造するための装置。
  10. 【請求項10】 管束反応器ユニットが複数帯域管束反応器を含む、請求項
    9記載の装置。
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