JP2003238430A - 抗菌性抽出物及びその製造方法並びに抗菌剤組成物 - Google Patents
抗菌性抽出物及びその製造方法並びに抗菌剤組成物Info
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Abstract
方法により得られた抗菌性抽出物及び該抗菌性抽出物を
含有する抗菌剤組成物を提供する。 【解決手段】 本発明の抗菌性抽出物の製造方法は、ト
ウオガタマ(花)、ウラジロガシ(葉)、シャクヤク
(花、葉、根)及びボタン(花)のうちの少なくとも1
種を原料に、これを粉末状になるまで破砕し、次いで、
該粉末についてオートクレーブを用いて121℃、2気
圧の条件下で20分間加圧蒸気抽出処理を行う。本方法
により得られた抗菌性抽出物は、グラム陽性菌である黄
色ブドウ球菌及びグラム陰性菌である大腸菌のいずれに
も抗菌性を示すことから、抗菌スペクトルが広く、ま
た、抗菌性に優れている。
Description
その製造方法並びに抗菌剤組成物に関し、更に詳しく
は、従来の植物由来の抗菌性抽出物よりも抗菌性に優れ
た抗菌性抽出物を得る方法、該方法により得られた抗菌
性抽出物及び該抗菌性抽出物を含有する抗菌剤組成物に
関する。
菌が比較的繁殖しやすい風土である。このような細菌は
我々にとって有用なものがある一方で、種々の弊害を及
ぼすものもある。例えば、動植物に対して感染症を引き
起こすものや、腐敗作用により食品類の品質を劣化させ
たりするものが知られている。そして、上記のような細
菌による弊害を抑えるため、従来より、抗生物質や合成
の抗菌剤等の抗菌作用を有する物質が様々な分野で使用
されている。特に最近は、抗菌性に対する関心が一般的
にも高いことから、かかる抗菌作用を有する物質の用途
は広く一般人の生活に密着した分野にまで及んでいる。
雑な製造工程を経ることから高価であることが多く、ま
た、抗生物質は、種類によってはアレルギー等の副作用
の問題もある上、今日、抗生物質の濫用による耐性菌の
発生という問題も生じている。上記のように、特に最近
は、抗菌性に対する関心が一般的にも高く、抗菌作用を
有する物質の用途は広く一般人の生活に密着した分野に
まで及んでいることから、抗菌作用を有する物質の性質
としては、抗菌作用に優れると共に、安価で安全性に優
れることも要求される。かかる観点から、人体となじみ
やすい自然界に存在する天然成分を利用するのが好まし
いと考えられ、従来より、天然物、特に植物を原料とし
た抽出物について、その性質、作用等に関する研究が進
められている。
みてなされたものであり、従来の植物由来の抗菌性抽出
物よりも抗菌性に優れた抗菌性抽出物を得る方法、該方
法により得られた抗菌性抽出物及び該抗菌性抽出物を含
有する抗菌剤組成物を提供することを目的とする。
製造方法は、オガタマノキ属植物、コナラ属植物及びボ
タン属植物のうちの少なくとも1種を加圧蒸気抽出する
ことを特徴とする。上記オガタマノキ属植物は、モクレ
ン科(Magnoliaceae)植物で、日本を始
め、熱帯アジア、中国、北米の温帯から暖帯に分布する
常緑高木である。上記オガタマノキ属植物として具体的
には、キンコウボク(M.champaca L.)、
オガタマノキ(別名トキワコブシ、M.compres
sa)及びトウオガタマ(別名カラタネオガタマ、M.
figo)が挙げられる。この中で、特にトウオガタマ
(M.figo)が好ましい。
eae)植物であり、温帯から亜熱帯にかけて分布する
木本である。上記コナラ属植物としては、例えば、ウラ
ジロガシ(Quercussa licina Blu
me)が挙げられる。
nunculaceae)植物であり、主として北半球
の温帯から亜寒帯に分布する草本あるいは低木である。
上記ボタン属植物として具体的には、例えば、シャクヤ
ク(Paeonia lactiflora)、ボタン
(Paeonia suffruticosa)等が挙
げられる。
てもよく、あるいは、2種以上を併用してもよい。ま
た、上記各植物の使用部位についても特に限定はなく、
植物の全体を用いてもよく、あるいは一部のみを用いて
もよい。植物の一部としては、植物の葉、花、茎、幹、
樹皮、根、根茎、根皮及び種子等が挙げられる。好まし
い使用部位としては、上記オガタマ等のオガタマノキ属
の植物の場合は花、上記ウラジロガシ等のコナラ属の植
物を用いる場合は葉が挙げられる。また、ボタン属の植
物の場合は、花、葉及び根が使用部位として好ましく、
特にボタンの場合は花、シャクヤクの場合は花及び葉が
好ましい。そして、本発明の抗菌性抽出物の製造方法に
おいて、上記植物の全体又は一部はそのまま用いてもよ
く、適度に乾燥させてから用いてもよい。また、抽出効
率を向上させるために、上記植物の全体若しくは一部又
はその乾燥物を適度に切断若しくは粉砕することが好ま
しい。
記各植物を原料として、加圧蒸気抽出によって抽出を行
う。従来、植物から抽出物を得る場合は、原料である植
物を水、熱湯あるいは有機溶媒等の各種溶媒に浸浸する
ことにより得ていたが、本発明の加圧蒸気抽出は、従来
のような溶媒抽出ではなく、植物原料を適当な温度及び
圧力の飽和蒸気中で加熱することによって抽出を行うも
のである。本発明の抗菌性抽出物の製造方法では、かか
る抽出により、従来の抽出方法により得られる抽出物よ
りも抗菌性に優れた抗菌性抽出物を得ることができる。
な温度及び圧力の飽和蒸気中で加熱することができる限
り、その方法については特に限定はない。通常は、滅菌
のために用いられるオートクレーブを用いて行われる。
例えば、所定量の液体(水等)を予めオートクレーブ内
に入れ、次いでビーカー等の適当な容器に入れた上記植
物原料をオートクレーブ内に載置し、その後、加熱によ
ってオートクレーブ内に蒸気を発生させ、一定時間適当
な温度及び圧力の飽和蒸気中で加熱をすることにより行
われる。尚、上記加圧蒸気抽出における蒸気について
は、通常は水蒸気であるが、抽出が可能である限り、メ
タノール、エタノール等の水系溶媒や、水−有機溶媒
(メタノール、エタノール等)等の水系の混合溶液等の
蒸気でもよい。
定はなく、原料である植物の種類等により種々の条件と
することができる。通常、上記加圧蒸気抽出を行う際の
温度は100〜150℃、好ましくは100〜140
℃、更に好ましくは110〜140℃、より好ましくは
110〜130℃である。また、圧力は通常1気圧を越
えて3気圧以下、好ましくは1.5〜3気圧、更に好ま
しくは1.5〜2.5気圧である。更に、時間は通常5
〜60分、好ましくは5〜40分、更に好ましくは10
〜40分、より好ましくは10〜30分である。
菌性抽出物の製造方法により得られることを特徴とす
る。本発明の抗菌性抽出物は、抗菌スペクトルが広く、
且つ抗菌性に優れており、グラム陽性菌及び陰性菌のい
ずれに対しても抗菌作用を示すものとすることができ
る。ここで抗菌作用とは、細菌を死滅させる作用(殺菌
作用)と細菌の増殖を抑制する作用(静菌作用)を意味
する。本発明の抗菌性抽出物の原料である上記各植物
は、上記本発明の抗菌性抽出物の製造方法において説明
した通りである。また、本発明の他の抗菌性抽出物は、
上記本発明の抗菌性抽出物の製造方法、即ち、上記各植
物を原料とし、上記加圧蒸気抽出によって得られるもの
である。よって、上記本発明の抗菌性抽出物の製造方法
における説明がそのまま妥当する。
に限定はなく、水、エタノール、プロピレングリコール
等の水系溶媒に溶解した液状の他、吸液性粉末に含浸さ
せた粉末品、造粒した造粒品、増量剤等他の粉末成分を
配合した錠剤、又はマイクロカプセル等とすることがで
きる。
菌性抽出物を含有することを特徴とする。本発明の抗菌
剤組成物に含まれている上記本発明の抗菌性抽出物以外
の成分については特に限定はない。例えば、製造におけ
る計量を容易にするために、水溶性に富んだコーンスタ
ーチ等を添加することができる。また、上記抗菌性を向
上させたり、あるいは別の作用効果を付与するために、
別の物質を添加することもできる。例えば、抗菌スペク
トルを拡大したり、あるいは増強するために、別の公知
の抗菌性物質を添加することができる。
用途については特に限定はなく、抗菌性を要求される様
々な用途に用いることができる。例えば、本発明の抗菌
性組成物及び抗菌剤組成物は、人体になじみやすい天然
物を原料としていることから、食品や化粧水、クリー
ム、乳液、パック等の化粧品に添加したり、あるいは口
腔用組成物等の医薬部外品等へ添加して用いることがで
きる。また、切り花の寿命延長のために水に添加するこ
ともできる。更に、繊維や樹脂等の材料中に含有又は担
持させることにより、抗菌性材料として用いることがで
きる。
挙げて具体的に説明する。 [実験1]供試植物として、トウオガタマ(花)、ウラ
ジロガシ(葉)、シャクヤク(花,葉,根)、緑茶
(葉)及びボタン(花)を用意した。そして、上記各供
試植物の上記括弧内に記載した部位をそれぞれ刈り取っ
て、水道水で洗浄した。次いで、上記供試植物の刈り取
った部位を乾燥庫内(温度22〜25℃)で乾燥空気を
送風することにより、約1〜2週間かけて自然乾燥させ
た。その後、乾燥させた上記供試植物の刈り取った部位
をミキサーで粉末状になるまで破砕して植物粉末試料を
調製した。尚、水道水で供試植物を洗浄したことによ
り、残存塩素の抗菌作用の中に含まれる可能性がある
が、上記乾燥と下記加熱加圧処理をすることにより、塩
素はほとんど除去されているものと解される。
塩化ナトリウム10g及び寒天15gを1000mlの
精製水に溶解し、pHを7.2に調整してLB寒天培地
を調製した。そして、該LB寒天培地中の上記植物粉末
試料の濃度が表1に記載の濃度となるように上記植物粉
末試料を上記LB寒天培地に添加した。次いで、株式会
社トミー精工製オートクレーブ(型式「SS−32
5」)を用いて、上記植物粉末試料を添加したLB寒天
培地について、121℃、2気圧の条件下で20分間加
圧蒸気抽出処理を行った。その後、上記植物粉末試料を
添加したLB寒天培地をシャーレに20mlづつ分注し
て培地を調製した。
ブドウ球菌(Staphylococcus aure
us)209Pと、グラム陰性菌である大腸菌(Esc
herichia coli)ATCC25922を用
いた。上記黄色ブドウ球菌及び上記大腸菌を10mlの
LB液体培地に1白金耳接種し、37℃で1晩培養し
た。そして、増殖が止まって定常状態に達した上記黄色
ブドウ球菌及び上記大腸菌を約103個/mlになるよ
うに生理食塩水で希釈して菌液を調製し、そのうちの
0.1mlを上記LB寒天培地に接種した。接種後、上
記菌液をコンラージ棒で培地表面に塗り広げて直ちに3
7℃のフラン器に収容し、該フラン器中で18時間培養
した。培養後、培地上で増殖したコロニーの数を測定し
た。そして、以下の式により1mlあたりの生菌数を求
めた。その結果を以下の表1〜表7に示す。また、表1
〜表7に記載の各抽出物の濃度と1mlあたりの生菌数
の対数とをプロットしたグラフを図1に示す。尚、表1
〜表7の値は、2枚のLB寒天培地上で増殖したコロニ
ー数の平均から計算したものであり、少なくとも2回同
一実験を繰り返した。 n=N×106(希釈率の逆数)×10(1mlあたり
に換算するための値) n;生菌数(個/ml) N;シャーレ1枚あたりのコ
ロニー数(個)
枚のシャーレにつき10〜20個(コロニー数のほぼ1
割)のコロニーの大きさ(φ、mm)を測定し、これを
指標として静菌作用を評価した。静菌作用は、コントロ
ール(濃度0)でのコロニーの大きさ(A)に対する各
濃度でのコロニーの大きさ(B)として表し、0.5≦
B/A<1を±、0.1<B/A<0.5を+、B/A
≦0.1を++として評価した。その結果を表1に併記
する。
で調製した植物粉末試料を使用した。そして、各植物粉
末試料を蒸留水10mlに対し10%(W/V)になる
ように加えて懸濁液を作成し、該懸濁液を沸騰湯浴中に
漬けて20分間加熱して熱湯抽出を行った。そして、該
懸濁液を室温まで冷却後、0.2μmの滅菌フィルター
でろ過滅菌を行い、上記植物粉末試料の熱湯抽出物を調
製した。また、上記植物粉末試料を蒸留水10mlに対
し10%(W/V)になるように加えて懸濁液を作成
し、該懸濁液について121℃、2気圧の条件で20分
間加圧熱湯抽出処理を行った。そして、該懸濁液を室温
まで冷却後、0.2μmの滅菌フィルターでろ過滅菌を
行い、上記植物粉末試料の加圧熱湯抽出物を調製した。
塩化ナトリウム10g及び寒天15gを1000mlの
精製水に溶解し、pHを7.2に調整してLB寒天培地
を調製した。そして、該LB寒天培地10ml中の上記
熱湯抽出物又は加圧熱湯抽出物の濃度が表8〜表21に
記載の濃度となるように上記熱湯抽出物又は加圧熱湯抽
出物を上記LB寒天培地に添加し、添加後のLB寒天培
地10mlをシャーレ内に分注した。次いで、上記実験
例1の項に記載したLB寒天培地を調製し、上記実験例
1の項に記載のオートクレーブを用いて121℃、2気
圧の条件下で20分間高圧蒸気滅菌した。上記LB寒天
培地を60℃まで冷却後、10mlづつ上記シャーレに
分注し、直ちに撹拌することにより培地を調製した。
上記黄色ブドウ球菌及び大腸菌を用いた。上記黄色ブド
ウ球菌及び大腸菌を10mlのLB液体培地に1白金耳
接種し、37℃で1晩培養した。そして、増殖が止まっ
て定常状態に達した上記黄色ブドウ球菌及び上記大腸菌
を約103個/mlになるように生理食塩水で希釈して
菌液を調製し、そのうちの0.1mlを上記LB寒天培
地に接種した。接種後、菌液をコンラージ棒で培地表面
に塗り広げて直ちに37℃のフラン器に収容し、該フラ
ン器中で18時間培養した。培養後、培地上で増殖した
コロニーの数を測定し、上記実験例1と同様の方法で1
mlあたりの生菌数を求めた。その結果を以下の表8〜
表14に示す(上段は加圧熱湯抽出物の結果であり、下
段は熱湯抽出物の結果である。)。また、表8〜表14
に記載の各熱湯抽出物及び加圧熱湯抽出物の濃度と1m
lあたりの生菌数の対数とをプロットしたグラフを図2
〜図5に示す。尚、表8〜表14の値は、2枚のLB寒
天培地上で増殖したコロニー数の平均から計算したもの
である。また、上記実験例1に記載の方法により、各抽
出物の静菌作用を評価した。その結果を表8〜表14に
併記する。
で調製した植物粉末試料であるシャクヤク(葉)の粉末
を使用した。該シャクヤク(葉)の粉末300mgをメ
タノール10ml中に懸濁させ、5時間スターラーで攪
拌後、不溶性成分をろ紙で取り除いて上清を得た。更
に、上清の入ったフラスコを20〜25℃の湯浴中で浸
しながらエバポレーターで完全にメタノールを除去し
た。そして、残留物を再度2mlのメタノールに溶解す
ることにより、メタノール抽出物を調製した。
ノール抽出物の濃度が表22に記載の濃度となるように
上記メタノール抽出物をシャーレ内に注いだ。次いで、
トリプトン10g、乾燥酵母5g、塩化ナトリウム10
g及び寒天15gを1000mlの精製水に溶解し、p
Hを7.2に調整してLB寒天培地を調製し、上記実験
例1の項に記載のオートクレーブを用いて上記LB寒天
培地を121℃、2気圧の条件下で20分間高圧蒸気滅
菌した。上記寒天培地を60℃まで冷却後、10mlづ
つ試料の入ったシャーレに注ぎ、直ちに撹拌することに
より培地を調製した。また、上記メタノール抽出物を用
いず、単にメタノールだけを添加した培地も調製した。
上記黄色ブドウ球菌及び大腸菌を用いた。上記黄色ブド
ウ球菌及び大腸菌を10mlのLB液体培地に1白金耳
接種し、37℃で1晩培養した。そして、増殖が止まっ
て定常状態に達した上記黄色ブドウ球菌及び大腸菌を約
103個/mlになるように生理食塩水で希釈して菌液
を調製し、そのうちの0.1mlを上記培地に接種し
た。接種後、菌液をコンラージ棒で培地表面に塗り広げ
て直ちに37℃のフラン器に収容し、該フラン器中で1
8時間培養した。培養後、培地上で増殖したコロニーの
数を測定し、上記実験例1と同様の方法で1mlあたり
の生菌数を求めた。その結果を以下の表15に示す(上
段はメタノール抽出物の結果であり、下段はメタノール
のみを添加した結果である。)。また、表15に記載の
メタノール抽出物の濃度と1mlあたりの生菌数の対数
とをプロットしたグラフを図6に示す。尚、表15の値
は、2枚のLB寒天培地上で増殖したコロニー数の平均
から計算したものである。また、上記実験例1に記載の
方法により、静菌作用を評価した。その結果を表15に
併記する。
方法により得られたトウオガタマ(花)抽出物、ウラジ
ロガシ(葉)抽出物、ボタン(花)抽出物及びシャクヤ
ク(花、葉及び根)抽出物のいずれにも抗菌性が認めら
れた。特に、トウオガタマ(花)抽出物、ウラジロガシ
(葉)抽出物、ボタン(花)抽出物及びシャクヤク(花
及び葉)抽出物は、グラム陽性菌である黄色ブドウ球菌
及び陰性菌である大腸菌のいずれにも抗菌性を示してお
り、抗菌スペクトルが広い抗菌性抽出物であることが判
る。また、シャクヤク(花及び葉)抽出物は、従来より
抗菌性があることが知られている緑茶に匹敵する抗菌性
を有することが判る。更に、トウオガタマ(花)抽出物
の静菌作用について調べた結果、表1に示すように、グ
ラム陰性菌である大腸菌では0.4%(W/V)以上で
静菌作用が認められ、グラム陽性菌である黄色ブドウ球
菌では0.2%(W/V)以上で静菌作用が認められ
た。
に、単に熱湯抽出を行ったに過ぎない熱湯抽出物を用い
た実験では、表8〜表14(下段)及び図2〜5(下
段)に示すように、トウオガタマ(花)抽出物、ウラジ
ロガシ(葉)抽出物、ボタン(花)抽出物及びシャクヤ
ク(葉及び根)抽出物ではいずれも、黄色ブドウ球菌及
び大腸菌に対する抗菌性がほとんど認められなかった。
わずかにシャクヤク(花)抽出物では、黄色ブドウ球菌
及び大腸菌に対する抗菌性が認められたが、上記実験例
1と比較して、抗菌性がかなり弱いことが判る。
に浸漬し、加熱しながら加圧した加圧熱湯抽出物を用い
た実験でも、表8〜表14(上段)及び図2〜5(上
段)に示すように、トウオガタマ(花)抽出物、ウラジ
ロガシ(葉)抽出物、ボタン(花)抽出物及びシャクヤ
ク(根)ではいずれも、黄色ブドウ球菌及び大腸菌に対
する抗菌性がほとんど認められなかった。一方、シャク
ヤク(花)抽出物では、黄色ブドウ球菌及び大腸菌に対
する抗菌性が認められたが、上記実験例1と比較して、
抗菌性がかなり低いことが判る。また、シャクヤク
(葉)抽出物では、大腸菌に対する抗菌性がほとんど認
められない上、黄色ブドウ球菌に対する抗菌性も上記実
験例1と比較してかなり抗菌性が低いことが判る。
を用いた実験例3でも、表15及び図6に示すように、
黄色ブドウ球菌及び大腸菌に対する抗菌性がほとんど認
められなかった。以上より、特定の植物について、加圧
蒸気抽出という特別な抽出方法を行うことにより、従来
の植物抽出物よりも抗菌スペクトルが広く、抗菌性に優
れた抽出物を得ることができることが判る。
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
ば、オガタマノキ属植物、コナラ属植物及びボタン属植
物、特に、従来、抗菌性に関しては知られていなかった
トウオガタマやウラジロガシ等を原料として、従来の合
成抗菌剤や抗生物質等よりも簡易な方法で抗菌スペクト
ルが広く、抗菌性に優れた抗菌性抽出物を得ることがで
きる。また、本発明の抗菌性抽出物及び抗菌剤組成物
は、天然素材である植物を原料としていることから、合
成物質と比較して人体となじみやすく安全性に優れると
共に、上記のように従来よりも抗菌スペクトルが広く、
抗菌性に優れていることから、抗菌性に対する関心が一
般的に高い今日、抗菌作用を有する物質の用途は広く一
般人の生活に密着した様々な分野へ好適に使用すること
ができる。
菌数の対数とをプロットしたグラフである。
シ(葉)の各熱湯抽出物及び加圧熱湯抽出物の濃度と1
mlあたりの生菌数の対数とをプロットしたグラフであ
る。
物及び加圧熱湯抽出物の濃度と1mlあたりの生菌数の
対数とをプロットしたグラフである。
出物及び加圧熱湯抽出物の濃度と1mlあたりの生菌数
の対数とをプロットしたグラフである。
加圧熱湯抽出物の濃度と1mlあたりの生菌数の対数と
をプロットしたグラフである。
物の濃度と1mlあたりの生菌数の対数とをプロットし
たグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 オガタマノキ属植物、コナラ属植物及び
ボタン属植物に属する植物のうちの少なくとも1種を加
圧蒸気抽出することを特徴とする抗菌性抽出物の製造方
法。 - 【請求項2】 上記オガタマノキ属植物がトウオガタマ
である請求項1記載の抗菌性抽出物の製造方法。 - 【請求項3】 上記コナラ属植物がウラジロガシである
請求項1記載の抗菌性抽出物の製造方法。 - 【請求項4】 上記ボタン属植物がシャクヤクである請
求項1記載の抗菌性抽出物の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の抗菌
性抽出物の製造方法により得られることを特徴とする抗
菌性抽出物。 - 【請求項6】 請求項5記載の抗菌性抽出物を含有する
ことを特徴とする抗菌剤組成物。
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---|---|---|---|
JP2002035149A JP2003238430A (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | 抗菌性抽出物及びその製造方法並びに抗菌剤組成物 |
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