JP2003200376A - 産業用ロボット - Google Patents

産業用ロボット

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JP2003200376A JP2002037386A JP2002037386A JP2003200376A JP 2003200376 A JP2003200376 A JP 2003200376A JP 2002037386 A JP2002037386 A JP 2002037386A JP 2002037386 A JP2002037386 A JP 2002037386A JP 2003200376 A JP2003200376 A JP 2003200376A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンドエフェクタと上部アームの間に架け渡し
たケーブル等の手首部の動作による屈曲が少なく、また
前記ケーブル等が上部アームに巻き付くことなく、また
前記ケーブル等と周辺機器との干渉が無い産業用ロボッ
トを提供する。 【解決手段】胴体5には、回転体7に取り付けるエンド
エフェクタ9に動力または信号または材料を供給するケ
ーブル等12を胴体5から引き出す通過口25を胴体5
の第1軸(R軸)の軸心と交わる位置に開口し、通過口
25から引き出したケーブル等12を、エンドエフェク
タ9まで延設するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業用ロボット、特
にアーク溶接用の垂直多関節型ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、6軸の垂直多関節ロボットの先端
にアーク溶接用トーチを取り付けたアーク溶接ロボット
は多くの産業分野で多用されている。この6軸垂直多関
節ロボットは、基台の上で垂直軸回りに旋回する旋回ベ
ース(基本第1軸)と前記旋回ベースに取り付けられて
前後方向に揺動する下部アーム(基本第2軸)と前記下
部アームの先端に取り付けられて上下方向に揺動する上
部アーム(基本第3軸)と、前記上部アームの先端に取
り付けられた3自由度を有する手首部(手首第1軸〜手
首第3軸)を備えている。前記手首部の先端にアーク溶
接用トーチを取り付ければ、アーク溶接用トーチは任意
の位置で任意の姿勢を取れるので、自在にアーク溶接が
できるのである。
【0003】図8は、従来のアーク溶接ロボットの側面
図である。図において、3は下部アームであり、図示し
ない旋回ベースに軸支されて前後方向に揺動する。4は
上部アームであり、下部アーム3の先端のU軸(紙面に
垂直な軸である)回りに回転自在に軸支されて上下方向
に揺動する。5は上部アームの先端に取り付けられた手
首部である。手首部5は、上部アーム3の長さ方向に伸
びるR軸回りに回転する胴体6と、前記胴体6の先端に
軸支されてR軸に直交するB軸(紙面に垂直な軸であ
る)回りに揺動する揺動体7と、前記揺動体7の先端に
あってB軸に直交するT軸回りに回転する回転体8から
構成されている。9は溶接トーチであり、トーチクラン
プ10を介して回転部8に固定されている。11は上部
アーム2の上に固定されたワイヤ送給装置であり、図示
しないワイヤ貯蔵装置(例えば、ワイヤリール)から溶
接ワイヤを引き出して、溶接トーチ9に向けて押し出す
装置である。12は溶接トーチ9とワイヤ送給装置11
を結ぶコンジットケーブルである。コンジットケーブル
12は、溶接トーチ9に溶接ワイヤを送給するための保
護管を中心にして、溶接電流供給用ケーブルやシールド
ガス供給用のホースを束ねたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のアー
ク溶接ロボットは、揺動体7をB軸回りに揺動させて、
溶接トーチ9を上部アーム4に対して上下に揺動させる
と、コンジットケーブル12が屈曲して、溶接ワイヤの
送給が阻害されるという問題があった。またコンジット
ケーブル12に圧縮力がかかり坐屈するという問題があ
った。また、回転体8をT軸回りに回転させると、コン
ジットケーブル12が手首部5や上部アーム4に巻き付
くという問題もあった。これらの問題を改善するため
に、図7に示すようにコンジットケーブル12を上部ア
ーム4の上で大きくアーチを描くように架け渡して、前
記アーチの変形によって、溶接トーチ9の動きを吸収し
ていたが、大きなアーチを描いたコンジットケーブル1
2がワークや周辺装置との干渉が発生するので、前記ア
ーチをむやみに大きくすることもできず、完全な解決は
できなかった。そこで、本発明は、エンドエフェクタと
上部アームの間に架け渡したケーブル等の手首部の動作
による屈曲が少なく、また前記ケーブル等が上部アーム
が巻き付くことなく、また前記ケーブル等と周辺機器と
の干渉が無い産業用ロボットを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明はアームの先端に手首部を備え、
前記手首部は前記アームの先端に取り付けられて前記ア
ームの長さ方向の第1軸回りに回転する胴体と、前記胴
体の先端に取り付けられて前記第1軸に直交する第2軸
回りに揺動する揺動体と、前記揺動体の先端に取り付け
られて第3軸回りに回転する回転体を備える産業用ロボ
ットにおいて、前記胴体は前記回転体に取り付けるエン
ドエフェクタに動力または信号または材料を供給するケ
ーブル等を前記胴体から引き出す通過口を前記胴体の前
記第1軸の軸心と交わる位置に開口し、前記通過口から
引き出した前記ケーブル等を、前記エンドエフェクタま
で延設するものである。また、請求項2の発明は前記胴
体を駆動するモータと減速機を前記アームの内部に前記
第1軸と同心に設置するともに、前記モータと減速機は
反負荷側から負荷側まで貫通する中空部を備えた中空軸
モータおよび中空軸減速機であって、前記ケーブル等を
前記中空部の反負荷側から引き入れて、前記中空部の負
荷側に引き出すものである。また、請求項3の発明は、
モータを前記アーム内に前記第1軸に対してオフセット
して設置し、前記モータに結合されて前記胴体を駆動す
る減速機を前記アームの内部に前記第1軸と同心に設置
するともに、前記減速機は反負荷側から負荷側まで貫通
する中空部を備えた中空軸減速機であって、前記ケーブ
ル等を前記中空部の反負荷側から引き入れて、前記中空
部の負荷側に引き出すものである。また、請求項4の発
明は前記胴体が前記第1軸に平行に延びる2つの部分を
有する二股状をなし、前記二股状を成す前記2つの部分
で前記揺動体を挟んで前記揺動体を揺動自在に支持し、
前記回転体に取り付けるエンドエフェクタに動力または
信号または材料を供給するケーブル等を前記胴体から引
き出す通過口を前記胴体の二股状の底部の前記第1軸の
軸心と交わる位置に開口し、前記通過口から引き出した
前記ケーブル等を前記二股状を成す2つの部分の間の空
間を通して、前記エンドエフェクタまで延設するもので
ある。また、請求項5の発明は前記揺動体に前記第3軸
に平行に延びる二股状の部分を備え、前記ケーブルは前
記揺動体の前記二股状を成す2つの部分の間を通って、
前記エンドエフェクタに延びるとともに、前記揺動体の
前記二股状の部分に、前記ケーブルが前記二股状の部分
の間からはみ出すことを抑制する拘束片を備えるもので
ある。また、請求項6の発明は、前記アームの側面に進
入口を開口し、前記ケーブル等を前記進入口から前記ア
ーム内部に引き込み、前記アーム内部から前記第1軸の
軸心にそって前記胴体に延設するものである。また、請
求項7の発明は、前記回転体の先端から後端まで貫通す
る空間であって、前記第3軸と同心をなす円筒状の空間
を備え、前記エンドエフェクタを前記空間に挿入して取
り付けるものである。また、請求項8の発明は、前記胴
体を駆動する第1のモータを前記アームの内部に前記第
1軸と同心に設置し、前記揺動体を駆動する第2のモー
タと、前記回転体を駆動する第3のモータを前記胴体の
内部に前記第1軸に直角に配置し、前記第2のモータお
よび前記第2のモータの動力を前記胴体の二股状を成す
2つの部分に配置されたベルトプーリ機構を介して前記
揺動体および前記回転体に伝導するものである。また、
請求項9の発明は、前記第2のモータと前記第3のモー
タを駆動する動力・信号線を、前記第1軸に平行であっ
て、前記第1軸の軸心からオフセットした位置に配設し
て、前記アームの内部から前記胴体の内部へ延設するも
のである。また、請求項10の発明は、前記エンドエフ
ェクタはアーク溶接用のトーチであって、前記ケーブル
等はコンジットケーブルとするものである。また、請求
項11の発明は、前記トーチに溶接ワイヤを送給するワ
イヤ送給機を前記アームの後に取り付けるものである。
また、請求項12の発明は、前記ワイヤ送給機を、前記
溶接ワイヤを前記第1軸に平行に送出する方向に取り付
けるものである。また、請求項13の発明は、コイルバ
ネを樹脂で被覆した保護チューブを前記ケーブル等に被
せて前記ケーブル等を保護するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図に基づ
いて説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す産業
用ロボットの側面図である。図において1は産業用ロボ
ットの基台である。基台1の上には垂直軸(S軸)回り
に旋回自在に旋回ベース2が取り付けられ、旋回ベース
2には下部アーム3が水平軸(L軸)回りに軸支され、
前後方向に揺動する。下部アーム3の上端には上部アー
ム4が水平軸(U軸)回りに軸支され、上下方向に揺動
する。5は上部アーム4の先端に取り付けられた手首部
である。手首部5は、上部アーム4の長さ方向の中心軸
(R軸:手首第1軸)回りに回転自在に取り付けられた
胴体6と、胴体6の先端でR軸に直交する軸(B軸:手
首第2軸)回りに軸支されて揺動する揺動体7と、揺動
体7の先端で回転軸(T軸:手首第3軸)回りに回転す
る回転体8からなる。
【0007】9は、回転体8に取り付けられた溶接トー
チであり、11は上部アーム4の後端に固定されたワイ
ヤ送給装置である。ワイヤ送給装置11には図示しない
ワイヤリールから溶接ワイヤが供給され、コンジットケ
ーブル12を通して溶接ワイヤを溶接トーチ9まで送給
する。コンジットケーブル12は上部アーム4の側面
を、R軸に平行に伸びて、上部アーム4の側面に開口し
た進入口21から上部アーム4の内部に引き込まれる。
なお、上部アーム4の内部から溶接トーチ9に至るコン
ジットケーブル12の経路は後述する。また、コンジッ
トケーブル12は、コイルバネを樹脂で被覆した保護チ
ューブの中に通されて保護されている。
【0008】図2は図1に示した産業用ロボットの立体
図である。手首部5の胴体6は、平面形において略U字
形の二股状をなし、R軸に平行に伸びる2つの部材2
2、23を備えている。揺動体7は部材22、23に挟
まれて、両持ちで支持されている。進入口21から上部
アーム4の中に入ったコンジットケーブル12は、胴体
6のU字形の底部24に開口した通過口25から再び外
部にでて、部材22と23の間の空間を通って、揺動体
7に伸びている。通過口25はR軸を中心とする開口で
あり、コンジットケーブル12は通過口25から揺動体
7に向けて、R軸に沿って(コンジットケーブル12の
中心とR軸が一致するように)配設される。
【0009】図3は図1に示した産業用ロボットの上部
アーム4を図1のAA'線で切断した平断面図である。
図において、31は上部アーム4の内部にその回転軸の
中心をR軸に一致させて、つまりR軸と同心に取り付け
られたモータであり、モータ31は減速機32、中間軸
33を介して手首部5の胴体6をR軸回りに回転駆動す
る。中間軸33はベアリング34とベアリング35で上
部アーム4に回転自在に支持されている。また中間軸3
3は、ベアリング34に支持されて減速機32に連結さ
れる円輪部36と、ベアリング35に支持されて胴体6
に連結される中空円筒部37と、回転中心(R軸)から
オフセットした位置で円輪部36と中空円筒部37を接
続する接続部38からなり、全体としてクランクシャフ
ト状をなしている(図4参照)。
【0010】39は機内配線である。機内配線39は胴
体6内に装備されて揺動体7および回転体8を駆動する
モータ(後述)を駆動するための動力線であり、下部ア
ーム3から上部アーム4の内部に引き込まれて、点39
aで上部アーム4にクランプされる。機内配線39は点
39aから、R軸回りに円弧を描いて円環状部を形成し
て点39bまで伸び、さらに点39bから点39cまで
の間はU字状の折り曲げ部を形成し、点39cから再び
R軸回りに円環状部を形成して点39dで中間軸33の
円輪部36にクランプされる。なお、39aから39d
に至る機内配線39の保持構造は、登録実用新案第21
17576号(実公平7−39575)として本願出願
人が権利を保有している。
【0011】機内配線39は点39dから中間軸33の
接続部38に沿って伸び(図示を省略したが、機内配線
39は接続部38に適宜、固縛される)、中間軸33の
中空円筒部37の中心(R軸)を避けて、前記中空部の
外周に設けた溝を通って胴体6の中に入る。コンジット
ケーブル12は、上部アーム4の側面に開口した進入口
21から上部アーム4の中に入り、中間軸33の中空円
筒部37の中心の中空部と、胴体6の通過口25を通っ
て外部に出る。前期中空部と通過口はR軸を中心とする
円筒であり、コンジットケーブル12はR軸に沿って真
っ直ぐ外部に引き出される。コンジットケーブル12は
R軸の中心にあって、機内配線39はR軸の中心から離
れた位置にあるので、胴体6がR軸まわりに回転すると
き、機内配線39はコンジットケーブル12の回りを、
衛星のように周回する。このため、機内配線39とコン
ジットケーブル12の干渉は生じない。ここで、中間軸
33をR軸回りに回転させた時の、コンジットケーブル
12と中間軸33の接続部38の干渉が問題になるが、
コンジットケーブル12が接続部38に接触したときの
多少の曲げは許容されるから、図示した位置から中間軸
33をR軸回りに±180°回転可能である。したがっ
て、この干渉は実用上の問題にはならない。
【0012】図5は本発明の第2の実施例を示す産業用
ロボットの手首部の側面図であり、説明の便宜のため、
手首部5の胴体6の右側面のカバーを取り除いて、内部
機構が見えるように描いている。図において、51は揺
動体7を駆動するモータであり、胴体6の内部に横向
き、つまりR軸に対して直角、B軸に対して平行に取り
付けられている。モータ51の出力軸にはプーリ52が
取り付けられている。53は揺動体7に連結される減速
機であり、胴体6の先端に取り付けられている。減速機
53の入力軸にはプーリ54が取り付けられ、プーリ5
4とプーリ52の間にはタイミングベルト55が巻き掛
けられている。つまりモータ51の動力はベルトプーリ
機構を介して減速機53に伝えられて、揺動体7をB軸
回りに回転駆動する。56は回転体8を駆動するモータ
であり、モータ51と同様に胴体6の内部に横向きに取
り付けられている。モータ56の動力は胴体6の左側
(紙面の裏側)に配置される別のベルトプーリ機構(図
示せず)を介して回転体8を駆動する。また、モータ5
1とモータ56はR軸の中心から下にオフセットした位
置に取り付けられている。これはR軸に沿って延びるコ
ンジットケーブル12との干渉を避けるためである。
【0013】図6は、図5に示した産業用ロボットの手
首部の先端の内部機構を示す平断面図であり、図6にお
いては、揺動体7をB軸まわりに90°回転させて、揺
動体7を水平つまり、R軸とT軸が重なるような姿勢を
取っている。なお、図5と共通する構成要素は同一の符
号を付したので、説明を省略する。61はベルトであり
回転体駆動用モータ(図5のモータ56に相当するが、
図示していない)の動力をプーリ62に伝える。プーリ
62には傘歯車63が取り付けられている。64は揺動
体7にT軸に平行に軸支された伝動軸であり、伝動軸6
4の両端には傘歯車65、66が取り付けられ、傘歯車
65は傘歯車63と噛み合っている。67は回転体8に
取り付けられた傘歯車である。傘歯車67は傘歯車66
と噛み合っている。このようにして前記回転体駆動用モ
ータの動力は回転体8に伝えられる。回転体8には、T
軸を中心とする円筒状の中空部があり、溶接トーチ9は
前記中空部を貫通している。回転体8を貫通した溶接ト
ーチ9の端部にはコンジットケーブル12が接続されて
いる。コンジットケーブル12は二股状になった胴体6
の部材22、23の間の空間に、R軸と同心に配設され
ている。また揺動体駆動用のベルトプーリ機構は部材2
2の内部に、回転体駆動用のベルトプーリ機構は部材2
3の内部にそれぞれ配置されている。
【0014】図7は本発明の本発明の第3の実施例を示
す産業用ロボットの三面図であり、(a)は正面図、
(b)は平面図、(c)は右側面図である。基本的な構
成は図1から図6に示した第1および第2の実施例と同
一なので、共通する構成要素には同一の符号を付して説
明を省略する。揺動体7は、回転体8を支持する本体7
aと、本体7aの左右(右側面で見て)にあって、第3
軸(T軸)つまり回転体8の回転中心に平行に伸びる2
つの部分7b、7cを備えて二股状を成している。部分
7b、7cの先端は胴体6の左右の部材22、23にそ
れぞれ回転自在に支持され、揺動体7を両持ちで支持し
ている。コンジットケーブル12は、部材22と部材2
3の間の空間と部分7aと7bの間の空間を通って回転
体8に(さらにはその先に取り付けられる溶接トーチ
に)に延びている。13は部分7bに固定されたケーブ
ルサポートである。ケーブルサポート13は部分7bと
7cの間を塞ぐ板状の部材で、コンジットケーブル12
が部分7bと7cの間からはみ出すのを抑制する拘束片
として機能する。また胴体6の部材22と部材23の間
には、2つの間を連結する連結片14があり、コンジッ
トケーブル12が胴体6の下に垂れ下がるのを抑制して
いる。このように、コンジットケーブル12の変形はケ
ーブルサポート13と連結片14によって抑制されるの
で、揺動体7あるいは回転体8を大きく動作させてもコ
ンジットケーブル12が手首5の外に大きくはみ出し
て、ワークや周辺装置と干渉することがない。また、揺
動体7を真上に振り上げた(図7に示す状態から180
°揺動させた状態)時に、コンジットケーブル12が胴
体6の上にはみ出すように変形するが、ケーブルサポー
ト13はこの変形を押える効果もある。
【0015】以上説明した実施例は手首部5の揺動体7
を胴体6の先端に両持ちで軸支したが片持ちで取り付け
てもよい。つまり、図2に示した胴体6の2つの部材2
2、23のうちの一方の部材23を取り除いて、揺動体
6を部材22に片持ちで支持する構造を選んでもよい。
【0016】また、実施例では、コンジットケーブル1
2を上部アーム4の側面から上部アーム4の内部に引き
入れたが、次の変形例1、変形例2のように構成すれ
ば、コンジットケーブル12を上部アームの後端から溶
接トーチまで、R軸に沿って真っ直ぐ延ばすことができ
る。 (変形例1)モータ31と減速機32を反負荷側から負
荷側まで貫通する中空部を備えたいわゆる中空軸モータ
および中空軸減速機にして、コンジットケーブル12を
上部アーム4の後端からモータ31の中空軸と減速機3
2の中空軸を通して、中間軸33の中に、真っ直ぐ(R
軸に沿って)延ばす。この時、ワイヤ送給装置11は溶
接ワイヤの送給方向がR軸に一致するように取り付ける
とよい。この構造は上部アーム4の側面からコンジット
ケーブル12を引き込むのに比べて、コンジットケーブ
ル12の曲がりが少ないので、溶接ワイヤの送給抵抗が
小さくなるという効果が期待できる。 (変形例2)変形例1で用いた中空軸モータは高価なの
で、減速機32だけを中空軸減速機にして、モータ31
をR軸に平行にオフセットして、ベルトプーリ機構で減
速機32と結合してもよい。この場合、コンジットケー
ブル12は上部アーム4の後端からR軸に沿って上部ア
ーム4の中に入って、モータ31の横を通って、減速機
32の中空軸に入る。
【0017】また、実施例の説明においてアーク溶接用
ロボットを取り上げたが、本発明はアーク溶接用ロボッ
トに限られるものではなく。塗装、シーリング、研磨、
ハンドリングなど、すべての用途に可能である。つま
り、エンドエフェクタは塗装用スプレーガン、シーリン
グ用ノズル、研磨工具あるいはメカニカルハンドなどで
あってもよいし、ケーブル等とは、塗料用ホース、シー
ル材供給ホース、空気工具駆動用のエアホース、電動工
具駆動用の動力線等であってもよい。なお、コンジット
ケーブル12の配設状態を説明するのに、R軸と同心あ
るいはR軸と平行などの表現を用いたが、これらの表現
は幾何学的な厳密さまで要求したものではない。本発明
の目的効果を達成できる範囲で多少の幅(誤差)が許容
されるのは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による産業用
ロボットは、ロボットの上部アームの長軸に沿ってエン
ドエフェクタ用のケーブル等を配設するので、周辺装置
等と前記ケーブル等の干渉を防止する効果がある。干渉
が生じないので、干渉に起因する前記ケーブル等の擦過
及び断線等の損傷が回避され、前記ケーブル等の寿命が
延びる効果もある。また、上部アームと手首部の接続部
において、前記ケーブル等が前記手首部の回転中心にあ
り、一方、手首駆動用の機内配線は前記回転軸の中心か
ら離れた位置にあるので、前記機内配線はは前記ケーブ
ル等の外周を衛星状に回転する。そのため、前記機内配
線と前記ケーブルの干渉を防止する効果がある。さらに
また、前記ケーブル等はは前記手首部が前記長軸回りに
回転してもねじりを受け追従するのみであり、曲げを生
じないので、前記ケーブル等の内部を通して送給される
溶接ワイヤの送給抵抗の変化は発生せず溶接ワイヤが安
定的に送給され、溶接品質が著しく向上する効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す産業用ロボットの
側面図である。
【図2】図1に示した産業用ロボットの立体図である。
【図3】図1に示した産業用ロボットの上部アームの平
断面図である。
【図4】中間軸の立体図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す産業用ロボットの
手首部の側面図である。
【図6】図5に示した手首部の内部機構を示す平断面図
である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す産業用ロボットの
手首部の三面図である。
【図8】従来技術を示す産業用ロボットの側面図である
【符号の説明】
1:基台、2:旋回ベース、3:下部アーム、4:上部
アーム、5:手首部、6:胴体、7:揺動体、8:回転
体、9:溶接トーチ、10:トーチクランプ、11:ワ
イヤ送給装置、12:コンジットケーブル、13:ケー
ブルサポート、14:連結片 21:進入口、22,23:部材、24:底部、25:
通過口、31:モータ、32:減速機、33:中間軸、
34,35:ベアリング36:円輪部、37:中空円筒
部、38:接続部、39:機内配線、51:モータ、5
2:プーリ、53:減速機、54:プーリ、55:ベル
ト、56:モータ 61:ベルト、62:プーリ、63、65、66、6
7:傘歯車、64:伝動軸、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C007 AS11 BS12 BT08 CT05 CV08 CW08 CY02 CY05 CY07 HS27 HT02 HT24

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アームの先端に手首部を備え、前記手首部
    は前記アームの先端に取り付けられて前記アームの長さ
    方向の第1軸回りに回転する胴体と、前記胴体の先端に
    取り付けられて前記第1軸に直交する第2軸回りに揺動
    する揺動体と、前記揺動体の先端に取り付けられて第3
    軸回りに回転する回転体を備える産業用ロボットにおい
    て、 前記胴体は前記回転体に取り付けるエンドエフェクタに
    動力または信号または材料を供給するケーブル等を前記
    胴体から引き出す通過口を前記胴体の前記第1軸の軸心
    と交わる位置に開口し、前記通過口から引き出した前記
    ケーブル等を、前記エンドエフェクタまで延設したこと
    を特徴とする産業用ロボット。
  2. 【請求項2】前記胴体を駆動するモータと減速機を前記
    アームの内部に前記第1軸と同心に設置するともに、前
    記モータと減速機は反負荷側から負荷側まで貫通する中
    空部を備えた中空軸モータおよび中空軸減速機であっ
    て、前記ケーブル等を前記中空部の反負荷側から引き入
    れて、前記中空部の負荷側に引き出すことを特徴とする
    請求項1に記載の産業用ロボット。
  3. 【請求項3】モータを前記アーム内に前記第1軸に対し
    てオフセットして設置し、前記モータに結合されて前記
    胴体を駆動する減速機を前記アームの内部に前記第1軸
    と同心に設置するともに、前記減速機は反負荷側から負
    荷側まで貫通する中空部を備えた中空軸減速機であっ
    て、前記ケーブル等を前記中空部の反負荷側から引き入
    れて、前記中空部の負荷側に引き出すことを特徴とする
    請求項1に記載の産業用ロボット。
  4. 【請求項4】アームの先端に手首部を備え、前記手首部
    は前記アームの先端に取り付けられて前記アームの長さ
    方向の第1軸回りに回転する胴体と、前記胴体の先端に
    取り付けられて前記第1軸に直交する第2軸回りに揺動
    する揺動体と、前記揺動体の先端に取り付けられて第3
    軸回りに回転する回転体を備える産業用ロボットにおい
    て、 前記胴体は前記第1軸に平行に延びる2つの部分を有す
    る二股状をなし、前記二股状を成す前記2つの部分で前
    記揺動体を挟んで前記揺動体を揺動自在に支持し、前記
    回転体に取り付けるエンドエフェクタに動力または信号
    または材料を供給するケーブル等を前記胴体から引き出
    す通過口を前記胴体の二股状の底部の前記第1軸の軸心
    と交わる位置に開口し、前記通過口から引き出した前記
    ケーブル等を前記二股状を成す2つの部分の間の空間を
    通して、前記エンドエフェクタまで延設したことを特徴
    とする産業用ロボット。
  5. 【請求項5】前記揺動体は前記第3軸に平行に延びる二
    股状の部分を備え、前記ケーブルは前記揺動体の前記二
    股状を成す2つの部分の間を通って、前記エンドエフェ
    クタに延びるとともに、前記揺動体の前記二股状の部分
    に、前記ケーブルが前記二股状の部分の間からはみ出す
    ことを抑制する拘束片を備えたことを特徴とする請求項
    4に記載の産業用ロボット。
  6. 【請求項6】前記アームの側面に進入口を開口し、前記
    ケーブル等を前記進入口から前記アーム内部に引き込
    み、前記アーム内部から前記第1軸の軸心にそって前記
    胴体に延設したことを特徴とする請求項1、請求項4お
    よび請求項5のいずれかに記載の産業用ロボット。
  7. 【請求項7】前記回転体は先端から後端まで貫通する空
    間であって、前記第3軸と同心をなす円筒状の空間を備
    え、前記エンドエフェクタを前記空間に挿入して取り付
    けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか
    に記載の産業用ロボット。
  8. 【請求項8】前記胴体を駆動する第1のモータを前記ア
    ームの内部に前記第1軸と同心に設置し、前記揺動体を
    駆動する第2のモータと、前記回転体を駆動する第3の
    モータを前記胴体の内部に前記第1軸に直角に配置し、
    前記第2のモータおよび前記第3のモータの動力を前記
    胴体の二股状を成す2つの部分に配置されたベルトプー
    リ機構を介して前記揺動体および前記回転体に伝導する
    ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の産業
    用ロボット。
  9. 【請求項9】前記第2のモータと、前記第3のモータを
    駆動する動力・信号線を、前記第1軸に平行であって、
    前記第1軸の軸心からオフセットした位置に配設して、
    前記アームの内部から前記胴体の内部へ延設することを
    特徴とする請求項8に記載の産業用ロボット。
  10. 【請求項10】前記エンドエフェクタはアーク溶接用の
    トーチであって、前記ケーブル等はコンジットケーブル
    であることを特徴とする請求項7に記載の産業用ロボッ
    ト。
  11. 【請求項11】前記トーチに溶接ワイヤを送給するワイ
    ヤ送給機を前記アームの後に取り付けたことを特徴とす
    る請求項10に記載の産業用ロボット。
  12. 【請求項12】前記ワイヤ送給機は、前記溶接ワイヤを
    前記第1軸に平行に送出する方向に取り付けられたこと
    を特徴とする請求項11に記載の産業用ロボット
  13. 【請求項13】コイルバネを樹脂で被覆した保護チュー
    ブを前記ケーブル等に被せて前記ケーブル等を保護した
    ことを特徴とする請求項1、請求項4および請求項5の
    いずれかに記載の産業用ロボット
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