JP2003096745A - 土木工事用中詰め材およびそれを用いた土木工事用部材 - Google Patents

土木工事用中詰め材およびそれを用いた土木工事用部材

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JP2003096745A JP2001289378A JP2001289378A JP2003096745A JP 2003096745 A JP2003096745 A JP 2003096745A JP 2001289378 A JP2001289378 A JP 2001289378A JP 2001289378 A JP2001289378 A JP 2001289378A JP 2003096745 A JP2003096745 A JP 2003096745A
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Nobuhiro Matsunaga
伸洋 松永
Tadayuki Sakobe
唯行 迫部
Ryuichi Aranaga
隆一 新永
Hirotaka Usuki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝統的な河川工法において多数の詰め石を詰
め込む作業を含む土木工事、例えば護岸工事の作業性を
改善を図る。 【解決手段】 生分解性樹脂を接着剤として詰め石を接
着一体化した護岸工事用中詰め材。金属材料製または合
成樹脂材料製の箱体または袋体からなる土木工事用かご
材の中に上記土木工事用中詰め材が収納されてなる土木
工事用部材。上記土木工事用中詰め材を土木工事現場に
て直接土木工事用かご材に収納することを特徴とする施
工方法。土木工事用かご材がふとんかごである上記施工
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木工事用中詰め
材およびこの土木工事用中詰め材を用いる施工方法、特
にふとんかご施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】河川護岸など治水事業の構築では、コン
クリートブロックでの施工方法が一般的になってきてい
るが、近年水辺ビオトープの創出が意識されるようにな
ってきているためこの工法が問い直されはじめている。
それに代わって自然環境を維持および回復する上で有効
な工法としては、コンクリートブロック工法が使用され
る以前から行われている伝統的な工法が注目されはじめ
ている。これらの伝統的な工法としては法覆工として芝
付工、柳枝工、ふとんかご工、石積工、法留工としては
柵工、詰杭工、枠工、根固め工法としては捨石工、荒朶
沈床、荒朶単床、木工沈床、水制工としては杭打ち水
工、沈床水制工、牛水制工、枠水制工、ふとんかご水制
工などが挙げられ、これらの工法が必要に応じて組み合
わされて施工される。
【0003】これらの工法の中で河川護岸などの治水事
業ではふとんかごを使用する工法がよく使用される。ふ
とんかご工法では予め所定の場所に設置されたかご内に
多数の石を密に詰め込み施工される。しかし、この詰め
込み作業は現場で作業者が仕切り網や側網などを歪ませ
ることなく詰め込むため作業性が悪いだけでなく、非常
に時間を要し、またコストがかかるという問題点があっ
た。例えば、特開2000−290957号公報にはか
ごマット式法面構築方法として2段階でふとんかごを作
製し多数の石を詰め込む方法が開示されている。しかし
該工法では平坦性を確保できるが、最終的には作業者が
石を詰め込む作業が残り、上記のような問題点が残って
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来土木工
事、特に護岸工事で行われていた効率の悪い作業を改善
することを意図したもので、特に伝統的な河川工法にお
いて、多数の詰め石を詰め込む作業を含む工事での作業
性を改善する目的でなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、生分解性樹脂
を接着剤として詰め石を接着一体化した護岸工事用中詰
め材に関する。詳しくは、本発明は、土木工事用かご材
の内部形状と略同じ形状に接着一体化された上記の中詰
め材に関する。また、本発明は、金属材料製または合成
樹脂材料製の箱体または袋体からなる土木工事用かご材
の中に上記の土木工事用中詰め材が収納されてなる土木
工事用部材に関する。更に、本発明は、上記の土木工事
用中詰め材を土木工事現場にて直接土木工事用かご材に
収納することを特徴とする施工方法に関する。特に、本
発明は、土木工事用かご材がふとんかごである上記施工
方法に関する。上記本発明において、「ふとんかご」と
は河川工法において従来から用いられてきたもので、主
として、竹、柳、鉄線等を網目に編んだ定形のかごのこ
とで、この中に多数の詰め石を詰めた状態で河岸や河床
に設置して護岸や水制を行うものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の土木工事用中詰め材は、
詰め石を生分解性樹脂を用いて接着一体化したもので、
これを施工現場でふとんかごと等の土木工事用かご材に
詰めることによって河川護岸など治水事業の施工を容易
にすることに貢献するものである。本発明で生分解樹脂
とは、生分解性試験(OECD 301C, JIS K 6950, JIS K 69
51, JIS K 6953)において単一成分からなる物質が60
%以上の最高分解率を示すものを言う。生分解性樹脂の
具体的な例を挙げると、ポリ乳酸、ポリカプロラクト
ン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネ
ート、ポリグリコール酸などの脂肪族ポリエステル、該
脂肪族系ポリエステルと芳香族系ポリエステルの共重合
体、ポリビニルアルコール、ポリアミノ酸類、ポリアミ
ド類、セルロース及びその誘導体、澱粉、酢酸セルロー
スなどが挙げられ、またこれらの複合物などが含まれ
る。しかし、これらに限定されるものではなく、上記定
義に適合するものであればいずれも本発明で使用するこ
とができる。生分解性を有さない樹脂で詰め石を接着す
ると接着剤が施工後ふとんかご等の内部で分解せず、半
永久的に樹脂が残留し環境に優しい工法を提供すること
にならない。
【0007】生分解性樹脂接着剤は、詰め石に対して好
ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは1〜10
質量%使用する。0.5質量%より少ないと石が十分に
接着せず、施工途中で、接着一体化された詰め石ブロッ
クが壊れることが起こり得る。逆に15質量%より多い
と石間が充填されすぎて、植物が根付かないなど自然に
優しい伝統工法の特徴が発揮されなくなるとともに、樹
脂によるコスト上昇をもたらす。
【0008】本発明で使用する詰め石とは、従来から使
用されているものが使用でき、おおむね15〜25cm
程度のもので、かごの網目より大きいものを使用するも
のとする。比較的大きさの揃っているものを使用するの
が好ましいが、特に限定されるものではない。詰め石と
しては、例えば玉石、割栗石、現場発生した砕石および
コンクリート塊などが使用されるが、特にこれに限定さ
れるものではない。
【0009】多数の石と生分解性樹脂とを接着させる方
法は、その接着力や必要とされる物性に応じて任意に選
択することができる。具体的には生分解性物質を溶媒に
溶解させ接着媒体とする方法や、熱可塑性の生分解性樹
脂の場合は熱により生分解樹脂を融解させ接着媒体とす
る方法などが挙げられる。溶媒に溶解させる方法では該
溶媒が残存する可能性があるため、熱により融解させる
方法がより好ましい。また石−石間の隙間に均等に充填
されるという点では繊維状にした生分解性樹脂を使用す
ることがより好ましく、チップ状のものを使用すると該
隙間に均等に保持されないで下部にのみ充填される可能
性がある。生分解性樹脂を繊維形態で使用する場合は、
風送する際に見掛け比重を軽くするために中空繊維状
に、また加熱不足による接着不良を防ぐために芯部と鞘
部に別々のポリマーを有する芯鞘構造を有する繊維状に
しても良く、特に制限するものではない。
【0010】本発明の土木工事用中詰め材には、上記生
分解性樹脂とは別にまたは生分解性樹脂に混ぜて、第3
成分として天然界に存在する物質もしくは生分解を有す
る物質を同時に含有させることもできる。このような成
分としては、具体的には河川の浄化を目的とした活性炭
やフライアッシュの混合物、植物の肥料となるリン、チ
ッソ及びカリウムなどを含む化合物などが挙げられる。
【0011】詰め石を生分解性樹脂で接着一体化した土
木工事用中詰め材は、それを充填する土木工事用かご材
と略同じ形状に形成することにより、より便利に使用す
ることができる。また、土木工事用かご材が大きいもの
である場合などには、上記略同じ形状をいくつかに分割
したような形状に形成することも便利である。ここで、
土木工事用かご材とは、護岸工事等の土木工事において
石等を詰め込んで護岸や水制等に用いる透水性の箱体ま
たは袋体からなるものであり、具体的には、ふとんかご
や蛇篭を挙げることができる。土木工事用かご材として
は、金属材料または合成樹脂材料製のものが好ましい。
また、合成樹脂材料としては、合成繊維を用いた網、キ
ャンバス、メッシュシートおよびこれにアスファルトを
含浸したアスファルトシート、更には合成樹脂シートに
孔をあけたパンチングシート、およびこれを延伸して得
られるネット等が挙げられる。
【0012】本発明の土木工事用中詰め材は、施工現場
において、すでに設置されているそれと略同じ形状の土
木工事用かご材中へ、建設機械、例えばクレーンによっ
て直接収納することによって、人手による石の充填作業
を要することなく、土木工事用かご材の破損や変形の恐
れが少なく、簡単且つ安全に工事を行うことができる。
本発明はこのような施工方法を提供する。
【0013】
【実施例】次に本発明を実施例を用いてより詳細に且つ
具体的に説明する。実施例 1 20回/分の回転数で回転する加熱可能なミキサー内
に、直径10〜15cmの多数の割栗石100kgを投
入し、該割栗石の表面温度が約300℃になった時点で
ポリ乳酸繊維綿4.4dtex×51mmを2kg投入し
た。2分間攪拌して石の表面に溶融したポリ乳酸を被覆
し、これを長さ99cm×幅49cm×高さ50cmの
箱内に投入した。石を密に充填させるために振動板によ
り振動させ、室温で24時間放置し、ポリ乳酸樹脂で接
着一体化された多数の石のブロック、すなわち本発明の
土木工事用中詰め材を得た。こうして得られた20個の
割栗石ブロックを、予め京都府宇治川支流岸に組み立て
ておいたふとんかご(100cm×幅50cm×高さ5
0cm)20個に、バックホウで吊り上げて各1個ずつ
収納した。割栗石ブロックは、ふとんかご容器を破損す
ることなく、極めて簡単に且つ短時間に収納でき、施工
が完了した。
【0014】比較例 1 20回/分の回転数で回転する加熱可能なミキサー内
に、直径10〜15cmの多数の割栗石100kgを投
入し、該割栗石の表面温度が約300℃になった時点で
ポリエチレンテレフタレート繊維綿4.4dtex×51m
mを2kg投入した。2分間攪拌したものを長さ99c
m×幅49cm×高さ50cmの箱内に投入し、石を密
に充填させるために振動板により振動させ、室温で24
時間放置し、ふとんかご内に投入する多数の石の塊を得
た。硬化した多数の石の塊を20個作成し、予め京都府
宇治川支流岸に組み立てておいたふとんかご(100c
m×幅50cm×高さ50cm)20個に、バックホウ
で吊り上げて各1個ずつ収納した。割栗石ブロックは、
ふとんかご容器を破損することなく、極めて簡単に且つ
短時間に収納でき、施工が完了した。
【0015】比較例 2 直径10〜15cmの多数の割栗石を予め京都府宇治川
支流岸に組み立てておいたふとんかご(100cm×幅
50cm×高さ50cm)20個に、バックホウを用い
てそれぞれ100kgずつ投入し、更に手作業で整えて
収納した。
【0016】実施例1、比較例1および2の施工時の歩
掛かりおよび3年間放置後の状況を表1に示す。表1に
おいて、実施例1と比較例1を比較すると、実施例1は
3年後に生分解性樹脂が分解し、比較例2のブロックを
形成しないばら石を入れて施工したふとんかごとほとん
ど同じ状況であった。これに較べて比較例1のふとんか
ごはポリエチレンテレフタレート樹脂が分解せず石の隙
間などに樹脂が残存しており植物などの生育に支障をき
たしていた。また、実施例1および比較例1は施工性が
良好である結果が得られたのに対して、比較例2では投
入されたばら石を作業者が手作業で整えて収納する必要
があって歩掛かりが悪かった。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明の土木工事用中詰め材を使用して
ふとんかご等の土木工事を施工すると、従来の人手によ
り石を詰め込んでいた場合に較べて施工性が良好で、ふ
とんかご等の環境に優しい伝統的な護岸工法を効率よく
行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 伸洋 大阪府大阪市中央区備後町四丁目1番3号 ユニチカファイバー株式会社内 (72)発明者 迫部 唯行 大阪府大阪市中央区備後町四丁目1番3号 ユニチカファイバー株式会社内 (72)発明者 新永 隆一 熊本県鹿本郡植木町岩野1375 株式会社九 建内 (72)発明者 臼木 博貴 熊本県鹿本郡植木町岩野1375 株式会社九 建内 Fターム(参考) 2D018 CA01 CA02 2D044 DB43

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性樹脂を接着剤として詰め石を接
    着一体化した土木工事用中詰め材。
  2. 【請求項2】 土木工事用かご材の内部形状と略同じ形
    状に接着一体化された請求項1に記載の土木工事用中詰
    め材。
  3. 【請求項3】 金属材料製または合成樹脂材料製の箱体
    または袋体からなる土木工事用かご材の中に請求項1ま
    たは2に記載の土木工事用中詰め材が収納されてなる土
    木工事用部材。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の土木工事用中
    詰め材を土木工事現場にて直接土木工事用かご材に収納
    することを特徴とする施工方法。
  5. 【請求項5】 土木工事用かご材がふとんかごである請
    求項4に記載の施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012202077A (ja) * 2011-03-24 2012-10-22 Unitika Ltd 土嚢用中詰め材および土嚢

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