JP2003089706A - 酢酸ビニル系重合体及びそのケン化物の製造法 - Google Patents
酢酸ビニル系重合体及びそのケン化物の製造法Info
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Abstract
気が抑制され、更には、リサイクル使用時においても成
形時のフィッシュアイや着色の抑制された酢酸ビニル系
重合体及びそのケン化物の製造法を提供すること。 【解決手段】 酢酸ビニル単独又は酢酸ビニルと他の不
飽和単量体を重合した後、得られた酢酸ビニル系重合体
を蒸留塔に導入して未反応の酢酸ビニルを除去するに当
たり、酢酸ビニルに対する重合禁止剤、好ましくはN,
N−ジアルキルヒドロキシルアミン、スチレン誘導体、
ハイドロキノン誘導体、キノン誘導体、ピペリジン誘導
体、共役ポリエン化合物の少なくとも一種を蒸留塔に供
給する。
Description
体の製造法に関し、更に詳しくは、成形時のフィッシュ
アイの発生が少なく、着色も抑制され、更には臭気も抑
制された酢酸ビニル系重合体、特にビニルアルコール系
重合体の製造法に関する。
やエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等のビニルア
ルコール系重合体は、溶融成形が可能で、かかる成形に
よって各種用途に供されている。特に、フィルムやシー
ト等に成形されて、食料品や衣料品等の包装用途に多用
されている。このような用途に用いられるときの要求性
能としては、成形時のフィッシュアイの抑制、着色の抑
制、臭気の抑制等を挙げることができる。かかる要求性
能を満足させるためには、得られたビニルアルコール系
重合体に塩や酸等を添加することが試みられているが、
重合時に使用される重合触媒や重合度の調整剤、酢酸ビ
ニルに対する重合禁止剤の使用等についても検討されて
いる。例えば、特開平9−71620号公報では、酢酸
ビニルを含む1種以上の単量体を重合した後、沸点20
℃以上の共役ポリエン化合物を添加する酢酸ビニル系重
合体の製法が開示されており、本出願人も特開昭61−
197603号公報で、特定のフェニル基含有オレフィ
ン誘導体を所定の重合率に達したビニルエステル共重合
体溶液に添加することを提案した。
者が上記方法について詳細に検討した結果、前者の方法
ではビニルアルコール系重合体の成形物のフィッシュア
イや着色の抑制が十分ではなく、特に該成形物をリサイ
クル使用した場合にかかる問題がおこりがちであり、ま
た、後者の方法においても成形物の微小のフィッシュア
イの抑制という点では十分ではなく、更に、昨今の臭気
抑制に対する厳しい要求に対しても改善の余地が残るこ
とが判明した。そして、本出願人は上記公知方法ではい
ずれも重合禁止剤を酢酸ビニルの重合後、直ちに重合体
溶液に添加している事実から、上記の原因が重合禁止剤
の種類によるだけではなく、酢酸ビニル重合後の該禁止
剤の添加時期にも左右されるのではないかとの想定を
し、かかる問題の解決に取り組んだ。
の現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、酢酸ビニル単独
又は酢酸ビニルと他の不飽和単量体を重合した後、得ら
れた酢酸ビニル系重合体を蒸留塔に導入して未反応の酢
酸ビニルを除去するに当たり、酢酸ビニルに対する重合
禁止剤を蒸留塔に供給する場合、かかる問題が解決で
き、特に重合禁止剤としてN,N−ジアルキルヒドロキ
シルアミン、スチレン誘導体、ハイドロキノン誘導体、
キノン誘導体、ピペリジン誘導体、共役ポリエン化合物
の少なくとも一種を使用するとその効果が顕著であるこ
と、更にはかかる重合時に重合触媒として有機過酸化物
を用い、かつヒドロキシラクトン系化合物またはヒドロ
キシカルボン酸を共存させることにより、本発明の上記
効果を顕著に発揮できることを見いだして本発明を完成
するに至った。
本発明の酢酸ビニル系重合体の製造法は、上記の如く酢
酸ビニル単独または酢酸ビニルと他の不飽和単量体を重
合した後に、得られた酢酸ビニル系重合体を蒸留塔に導
入して未反応の酢酸ビニル単量体を除去する際に、酢酸
ビニルに対する重合禁止剤を蒸留塔に供給する、特に重
合禁止剤としてN,N−ジアルキルヒドロキシルアミ
ン、スチレン誘導体、ハイドロキノン誘導体、キノン誘
導体、ピペリジン誘導体、共役ポリエン化合物の少なく
とも一種を添加することを特徴とする。
してはN,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,N−
ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジプロピルヒド
ロキシルアミン、N,N−ジブチルヒドロキシルアミン
等が挙げられ、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンが
好適に使用される。
桂皮酸及びその誘導体から選ばれる少なくとも一種が挙
げられ、桂皮アルコール及び桂皮酸以外に、桂皮酸エス
テル(桂皮酸エチル、桂皮酸メチル等)、桂皮酸塩化物
(塩化シンナモイル等)、桂皮酸アミド、桂皮酸ニトリ
ル、桂皮酸塩(桂皮酸ナトリウム、桂皮酸カルシウム
等)などを挙げることができ、好適には桂皮アルコール
及び桂皮酸が用いられる。その他、2,4−ジフェニル
−4−メチル−1−ペンテン、1,3−ジフェニル−1
−ブテン等の特開昭61−197603号公報記載のフ
ェニル基含有オレフィン誘導体も挙げられる。
ノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ジペンチル
ハイドロキノン、p−ブトキシフェノール、p−ペント
キシフェノール、モノベンゾン等が例示され、ハイドロ
キノンモノメチルエーテルが好適に使用される。キノン
誘導体としてはo−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、
ジフェノキノン、1,4−ナフトキノン、アントラキノ
ン等が挙げられ、p−ベンゾキノンが有用である。ピペ
リジン誘導体としては4−ヒドロキシル−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、ヘキサヒ
ドロジピコリン酸、ヘキサヒドロキノリン酸、ヘキサヒ
ドロシンコメロン酸等が挙げられ、4−ヒドロキシル−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシ
ルが好適に使用される。共役ポリエン化合物としては、
ソルビン酸等の特開平9−71620号公報記載のもの
が使用可能である。
に特徴があり、酢酸ビニルを重合して後、重合体溶液か
ら未反応の酢酸ビニル単量体を除去するために該液を蒸
留塔に供給するときに、重合禁止剤を同時に蒸留塔に導
入することが必要である。必要であれば、蒸留塔に導入
する重合体溶液中にも、該重合禁止剤を添加しておくこ
とも可能である。蒸留塔は任意のものが使用され、塔上
部より酢酸ビニル重合生成液及び重合禁止剤溶液が、塔
下部からメタノールがそれぞれ導入され、両者を塔内で
向流接触させ、頂部から未反応の酢酸ビニルモノマーを
回収し塔底部から精製重合体溶液を得る。
法について具体的に説明する。酢酸ビニル単独または他
の不飽和単量体を重合するに当たっては、例えば、酢酸
ビニル単独または酢酸ビニルと他の不飽和単量体を、重
合触媒及び溶媒と共に重合缶等の反応系に仕込んで重合
を行えばよい。
エチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、
α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその
塩あるいはモノ又はジアルキルエステル等、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、アクリル
アミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスル
ホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等の
オレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニル
エーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチルアン
モニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムク
ロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピ
ロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオキシエ
チレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン
(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン
(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)
アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレ
ート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、
ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキ
シプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシア
ルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン
(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロ
ピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、
ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミ
ン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロ
ピレンビニルアミン等を挙げることができる。
れば特に制限なく用いられるが、好ましくは、2,2′
−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2′−アゾビス−(2,4,4−トリメチルバレロ
ニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、ジメチル2,2′−アゾビスイソ
ブチレート等のアゾ化合物、t−ブチルパーオキシネオ
デカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、α,
α’ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピル
ベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,
1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカ
ノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパー
オキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオ
デカノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、
t−ヘキシルパーオキシピバレート等のパーオキシエス
テル類、ジ−n−ブチルパーオキシジカーボネート、ビ
ス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカ
ーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ビス(2−エチルヘキシル)ジ−sec−ブチルパ
ーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−iso−プロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネ
ート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシ
ジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボ
ネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキ
シ)ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、
ジベンゾイルパーオキシド、ジステアロイルパーオキシ
ド、ジラウロイルパーオキシド、ジオクタノイルパーオ
キシド、ジデカノイルパーオキシド、3,3,5−トリ
メチルヘキサノイルパーオキシド、ジイソブチリルパー
オキシド、ジプロピルパーオキシド、ジアセチルパーオ
キシド等のジアシルパーオキシド類などが挙げられる。
50時間である有機過酸化物が用いられ、具体的には、
t−ブチルパーオキシネオデカノエート[半減期1.8
時間]、t−ブチルパーオキシピバレート[半減期5.
0時間]、α,α’ビス(ネオデカノイルパーオキシ)
ジイソプロピルベンゼン[半減期0.5時間]、クミル
パーオキシネオデカノエート[半減期0.5時間]、
1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオ
デカノエート[半減期0.7時間]、1−シクロヘキシ
ル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート[半
減期0.8時間]、t−ヘキシルパーオキシネオデカノ
エート[半減期1.4時間]、t−ヘキシルパーオキシ
ピバレート[半減期4.2時間]等のパーオキシエステ
ル類、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート[半
減期0.7時間]、ジ−iso−プロピルパーオキシジ
カーボネート[半減期0.6時間]、ジ−sec−ブチ
ルパーオキシジカーボネート[半減期0.7時間]、ビ
ス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカー
ボネート[半減期0.7時間]、ジ−2−エトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート[半減期0.9時間]、ジ
(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート[半
減期0.9時間]、ジメトキシブチルパーオキシジカー
ボネート[半減期1.6時間]、ジ(3−メチル−3−
メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート[半減期
1.9時間]等のパーオキシジカーボネート類、3,
3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド[半減期
9.2時間]、ジイソブチリルパーオキシド[半減期
0.3時間]、ラウロイルパーオキシド[半減期12時
間]等のジアシルパーオキシド類などを挙げることがで
きる。尚、ここで言う半減期とは、60℃のベンゼン等
の中で測定されるものである。
酸ビニル100重量部に対して、0.002〜0.5重
量部(更には0.005〜0.1重量部、特には0.0
07〜0.08重量部)が好ましく、0.002重量部
未満では、触媒効率が悪く重合時間が長くなったり、重
合が進まない場合があり、0.5重量部を越えると、重
合の制御が困難となったり、重合終了後も触媒が残存し
て後重合を起こすことがあり好ましくない。連続式の場
合、酢酸ビニル100重量部に対して、0.002〜
0.1重量部(更には0.005〜0.07重量部、特
には0.01〜0.05重量部)が好ましく、0.00
2重量部未満では、触媒効率が悪く重合時間が長くなっ
たり、重合が進まない場合があり、0.1重量部を越え
ると、重合の制御が困難となったり、重合終了後も触媒
が残存して後重合を起こすことがあり好ましくない。こ
れらの触媒は、取り扱い時の安全性の面から、適当な溶
媒で希釈してから重合系に仕込むことが好ましく、かか
る溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂
肪族エステル又はこれらの混合溶媒を用いることが好ま
しい。目的に応じては、酢酸ビニルを希釈溶媒として用
いることも可能であるが、重合の危険性を避けるために
他の溶媒と混合して酢酸ビニルの濃度を40重量%以下
にすることが望ましい。また、これらの触媒は、水性エ
マルジョンの形態で重合系に導くことも可能である。
ラクトン系化合物またはヒドロキシカルボン酸を共存さ
せることも好ましく、該ヒドロキシラクトン系化合物と
しては、分子内にラクトン環と水酸基を有する化合物で
あれば特に限定されず、例えば、L−アスコルビン酸、
エリソルビン酸、グルコノデルタラクトン等を挙げるこ
とができ、好適にはL−アスコルビン酸、エリソルビン
酸が用いられ、また、ヒドロキシカルボン酸としては、
グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石
酸、クエン酸、サリチル酸等を挙げることができ、好適
にはクエン酸が用いられる。
ヒドロキシカルボン酸の使用量は、回分式及び連続式い
ずれの場合でも、酢酸ビニル100重量部に対して0.
0001〜0.1重量部(更には0.0005〜0.0
5重量部、特には0.001〜0.03重量部)が好ま
しく、かかる使用量が0.0001重量部未満では本発
明の効果が得られないことがあり、逆に0.1重量部を
越えると酢酸ビニルの重合を阻害する結果となって好ま
しくない。かかる化合物を重合系に仕込むにあたって
は、特に限定はされないが、通常は低級脂肪族アルコー
ルや酢酸ビニルを含む脂肪族エステルや水等の溶媒又は
これらの混合溶媒で希釈されて重合反応系に仕込まれ
る。
炭素数4以下のアルコール又は炭素数4以下のアルコー
ルを主とする混合溶媒が好適に用いられ、該アルコール
としては、メタノール、エタノール、プロパノール等が
挙げられるが、中でもメタノールが好適に用いられ、該
溶媒の量としては、酢酸ビニル100重量部に対して、
1〜100重量部(更には1〜80重量部、特には1〜
60重量部)が好ましく、かかる溶媒の量が1重量部未
満では、重合液粘度が高く除熱が難しくなって重合の制
御が困難となり、逆に100重量部を越えると、得られ
る酢酸ビニル系重合体の重合度が低く、物性的に脆くな
って好ましくない。
単独または酢酸ビニルと他の不飽和単量体、重合触媒
(必要に応じてヒドロキシラクトン系化合物またはヒド
ロキシカルボン酸併用)及び重合溶媒を(重合)反応缶
に仕込むのであるが、これらの仕込み方法としては任意
の手段が採用され、代表的には、酢酸ビニル単独また
は酢酸ビニルと他の不飽和単量体、重合触媒、溶媒の全
てを事前に混合した後、一括して仕込む方法、(少量
の)溶媒に溶解した重合触媒、酢酸ビニル単独または酢
酸ビニルと他の不飽和単量体、溶媒を別々に仕込む方
法、酢酸ビニル単独または酢酸ビニルと他の不飽和単
量体、重合触媒と溶媒の混合液を別々に仕込む方法、
酢酸ビニル単独または酢酸ビニルと他の不飽和単量体と
溶媒の混合液、重合触媒と溶媒の混合液を別々に仕込む
方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
尚、かかる他の不飽和単量体がエチレンのようなガス状
物の時には、バブリング又は密閉下に圧力調整して仕込
むことが好ましい。
は酢酸ビニルと他の不飽和単量体、重合触媒及び溶媒が
仕込まれて重合が始まるわけであるが、重合温度は特に
限定されないが、通常は50〜70℃(更には55〜8
0℃)が好ましく、かかる温度が40℃未満では重合に
長時間を要し、生産性の面で問題であり、重合触媒が多
く残存して後重合を起こしやすく、逆に80℃を越える
と重合制御が困難となり好ましくない。また、重合終了
まで一定温度で重合する必要はなく、触媒の追加仕込と
ともに変更してもかまわない。
0時間(更には6〜12時間)が好ましく、該重合時間
が4時間未満では高生産性(高重合率)を得ようとする
と重合制御が難しくなり、逆に20時間を越えると生産
性の面で問題があり好ましくない。連続式の場合、重合
缶内での平均滞留時間は2〜10時間(更には2〜8時
間)が好ましく、該滞留時間が2時間未満では高生産性
(高重合率)を得ようとすると重合制御が難しくなり、
10時間を越えると生産性の面で問題があり好ましくな
い。
面から重合制御が可能な範囲でできるだけ高く設定さ
れ、好ましくは20〜80%である。該重合率が20%
未満では、生産性も面や未重合の酢酸ビニルが多量に存
在する等の問題があり、逆に80%を越えると分子量分
布が広くなる傾向にあり好ましくない。
合体溶液が生成するのであるが、本発明においては、該
酢酸ビニル系重合体溶液を蒸留塔に導入して、未反応の
酢酸ビニル単量体を除去する際に、蒸留塔に同時に重合
禁止剤を供給することを最大の特徴とするものである。
もし重合体溶液中にエチレン等の共重合に使用した未反
応の共重合単量体が存在する時は、蒸留塔導入前に除去
しておくこともできる。又、必要であればかかる蒸留塔
導入前の重合体溶液に本発明で使用する重合禁止剤を添
加しても差し支えない。該重合禁止剤の添加量は特に限
定はされないが、通常は0.005〜10重量%(更に
は0.005〜5重量%、特には0.005〜2重量
%)のアルコール(重合時の溶媒)溶液等にして、未反
応酢酸ビニル100重量部に対して0.0001〜0.
1重量部(更には0.0001〜0.05重量部、特に
は0.0001〜0.03重量部)となるように添加す
ることが好ましく、かかる添加量が0.0001重量部
未満では、本発明の作用効果が得難く、逆に0.1重量
部を越えると臭気の原因になることがあり好ましくな
い。蒸留塔としては段塔式、充填塔式、噴霧式、流下有
薄膜式、撹拌液膜式等任意の構造のものが使用できる
が、圧力損失が小さいものが望ましく通常は、充填塔式
や段塔式が実用的である。
けであるが、かかる酢酸ビニル系重合体としては、具体
的にポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
を挙げることができ、これらは、接着剤、粘着剤、塗
料、繊維・織物の加工剤、紙・皮革の加工剤、各種材料
のバインダー、セメント・モルタルの混和液等に利用さ
れ、特にポリビニルアルコールやエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物の原料としても有用であり、かかるエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の製造法について
以下説明する。
物の原料に用いる場合のエチレン−酢酸ビニル共重合体
のエチレン含有量は、5〜60モル%(更には20〜5
5モル%)が好ましく、かかる含有量が10モル%未満
では、得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化
物を溶融成形する場合、溶融成形性が低下すると共に、
溶融成形物の高湿時のガスバリア性が大きく低下し、逆
に60モル%を越えると、該ケン化物を溶融成形した場
合、得られる成形物の機械的強度及びガスバリア性が充
分でなく好ましくない。かかるエチレン含量は、本発明
の製造法において、重合缶内のエチレン圧等によりコン
トロールすればよい。
ビニル共重合体はケン化され、エチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物になるのであるが、かかるケン化反応
は、ケン化触媒の共存下に実施される。ケン化に当たっ
ては、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体を、アルコー
ル(通常メタノールが用いられる)又はアルコール含有
媒体中に通常30〜60重量%程度の濃度になる如く溶
解し、アルカリ触媒(通常水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどのアルカリ金属水酸化物が用いられる)を添
加して40〜140℃の温度でケン化反応せしめる。
共重合体ケン化物の酢酸ビニル成分のケン化度は80〜
100モル%(更に90〜100モル%、特に95〜1
00モル%)とすることが好ましく、かかるケン化度が
80モル%未満の場合、該エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物を用いて溶融成形する場合の熱安定性が悪く
なるとともに、該ケン化物の機械的強度やガスバリア性
が大きく低下してしまい好ましくない。
ル共重合体ケン化物のアルコール溶液は、そのままでも
よいが、好ましくは、直接水を加えるか、水を加えてか
ら該ケン化物のアルコール溶液を適宜濃度調整して、ア
ルコール/水溶液としてストランド製造用の溶液とした
後、水又は水/アルコール(混合)溶液等の凝固浴中に
ストランド状に押し出して析出させるのである。
されてペレット状となり、次いで水洗される。かかる水
洗したペレットは酸及び/又はそれらの塩類等の薬剤の
水溶液中に浸漬させる等の方法で化学処理されることが
好ましく、かかる薬剤としては、ギ酸、酢酸、アジピン
酸、リン酸、ホウ酸あるいはそれらの塩類等が挙げら
れ、より好ましくは酢酸が用いられる。
所望する成形物に成形されるのであるが、溶融成形に際
しての温度条件としては160〜260℃程度とするの
が望ましい。成形に際しては必要に応じガラス繊維、炭
素繊維などの補強材、フィラー、着色剤、ハイドロタル
サイトなどの安定剤、発泡剤、乾燥剤などの公知の添加
剤を適当配合することもある。又、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物には改質用の熱可塑性樹脂を適当量
配合することもできる。
法、押出成形法など任意の成形法が採用できる。このう
ち押出成形法としてはT−ダイ法、中空成形法、パイプ
押出法、線条押出法、異形ダイ押出法、インフレーショ
ン法などが挙げられるが、エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物単独の成形物(フィルム、シート、テープ、
ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物など)
のみならず、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物層
と他の熱可塑性樹脂層との共押出成形も可能である。
コールを得るにあたっては、ポリ酢酸ビニルをケン化す
れば良く、ケン化に当たっては、ポリ酢酸ビニルをアル
コールに溶解しアルカリ触媒の存在下に行なわれる。ア
ルコールとしてはメタノール、エタノール、ブタノール
等が挙げられる。
0重量%の範囲から選ばれる。ケン化触媒としては水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラー
ト、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート等のア
ルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触
媒を用いることが必要である。かかる触媒の使用量は酢
酸ビニルに対して1〜100ミリモル当量にすることが
必要である。
が、通常は10〜70℃、更には30〜50℃の範囲か
ら選ぶのが好ましい。反応は通常0.5〜3時間にわた
って行なわれ、好ましいケン化度は10〜100モル%
で、特に好ましくは50〜100モル%、殊に好ましく
は70〜100モル%の範囲から選択される。
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断り
のない限り重量基準を示す。
き重合缶を用いて以下の条件でエチレン−酢酸ビニル共
重合体を連続重合した。 酢酸ビニル供給量 1300g/hr メタノール供給量 200g/hr ラウロイルパーオキシド(触媒)供給量 480mg/hr L−アスコルビン酸供給量 65mg/hr (酢酸ビニル100重量部に対して0.005重量部) 重合温度 67℃ エチレン圧力 4.5MPa 平均滞留時間 4hr
ら排出しエチレンを除去した後、充填塔式蒸留塔の上部
から重合体溶液を1350g/hr、又0.01%の
N,N−ジエチルヒドロキシルアミンのメタノール溶液
を6.5g/hrの速度(未反応酢酸ビニル100gに
対して8.1mgの割合)でそれぞれ連続的に導入し
た。一方、塔下部からメタノールを2300g/hrの
速度で仕込み、未反応の酢酸ビニル単量体を除去した。
塔底部からエチレン含量35モル%、酢酸ビニルの重合
率38%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を得た。次い
で、常法によりアルカリケン化を行ってエチレン含量3
5モル%、ケン化度99.5モル%のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物のメタノール溶液を得た。この溶
液に水を加えエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の
メタノール/水(混合比6/4)溶液を調製し、これを
孔径4mmのノズルを通して5℃の水槽にストランド状
に押し出した。該ストランドを十分に凝固させた後、カ
ッターで切断して直径4mm、長さ4mmのペレットを
得た。該ペレットを酢酸水溶液で洗浄後、ホウ酸/酢酸
/酢酸ナトリウム水溶液に投入して、処理、乾燥後、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物100部に対して
ホウ酸0.03部(ホウ素換算)、酢酸0.009部、
酢酸ナトリウム0.1部(ナトリウム換算)を含有する
ペレットを得た。得られたエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物ペレットについて、下記の要領で、成形性、
着色性、臭気の評価を行った。
共重合体ケン化物ペレットを単軸押出機用いて、下記の
条件で、厚さ50μmのフィルムの成形を行って、フィ
ッシュアイの発生状態を以下の通り評価した。
のフィルム(10cm×10cm)について、直径が
0.01mm以上のフィッシュアイの発生状況を目視で
観察して、以下の通り評価した。 ◎・・・ 0〜 9個 ○・・・10〜39個 △・・・40〜79個 ×・・・ 80個以上
件で厚み3mmのプレートの成形を行って、得られたプ
レートの色調(ΔE値)を測定した。
(日本電色工業社製「SZ−Σ80」)を用いてΔE値
を測定し、以下の通り評価した。 ○・・・15以下 △・・・16〜20 ×・・・21以上
0℃雰囲気中で5時間放置後の臭気の有無を確認した。 ○・・・何れの場合も臭気はなかった △・・・何れかにおいて僅かに臭気があった ×・・・何れの場合も著しい臭気があった
合体ケン化物ペレットを単軸押出機を用いて、リペレッ
トし、成形性及び着色性の評価を上記と同様の要領で行
った。尚、リペレットの条件は下記の通りである。
酸を52mg/hrの割合で仕込みエチレンと酢酸ビニ
ルとの共重合を行った。そして得られたエチレン−酢酸
ビニル共重合体溶液を蒸留塔に導入して未反応の酢酸ビ
ニル単量体を除去する際に、重合禁止剤としてN,N−
ジエチルヒドロキシルアミンに変えて0.02%の桂皮
酸メタノール溶液を6.5g/hrの速度(未反応酢酸
ビニル100gに対して桂皮酸16.1mgの割合)で
連続的に添加して、エチレン含量35モル%、酢酸ビニ
ルの重合率38%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を得
た以外は同様の操作を行ってエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物(ケン化度99.5モル%)ペレットを得
て、同様に評価を行った。
ヒドロキシルアミンに変えて4−ヒドロキシル−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルの
メタノール溶液を使用して、エチレン含量35モル%、
酢酸ビニルの重合率37%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体を得た以外は同様の操作を行ってエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(ケン化度99.5モル%)ペレ
ットを得て、同様に評価を行った。
込みを行って、下記の条件で重合を行った。 酢酸ビニルの仕込み量 4000g 重合溶媒(メタノール)の仕込み量 320g ラウロイルパーオキシドの仕込み量 220mg L−アスコルビン酸の仕込み量 160mg (酢酸ビニル100重量部に対して0.004重量部) 重合温度 60℃ エチレン圧 3.9MPa 重合時間 7hr
し、重合缶から取り出し充填塔式蒸留塔の上部から該重
合体溶液を1190g/hr、又0.01%のソルビン
酸のメタノール溶液を5.1g/hrの速度(未反応酢
酸ビニル100gに対して9.8mgの割合)でそれぞ
れ連続的に導入し、エチレン含量33モル%、酢酸ビニ
ルの重合率49%のエチレン−酢酸ビニル共重合体を得
た後、実施例1と同様な方法によりケン化を行って、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(ケン化度99.
5モル%)ペレットを得た。得られたエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物ペレットについて、実施例1と同
様に評価を行った。
ンと共に、0.01%の桂皮アルコールメタノール溶液
を(実施例5)6.5g/hr、ハイドロキノンモノメ
チルエーテルのメタノール溶液を(実施例6)6.5g
/hr、p−ベンゾキノンのメタノール溶液を(実施例
7)0.5g/hr使用して同様の実験を行いエチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物(ケン化度99.5モル
%)ペレットを得て、同様に評価を行った。
ンを使用しなかった以外は、同様に実験を行ってエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(ケン化度99.5モ
ル%)ペレットを得て、同様に評価を行った。実施例及
び比較例の評価結果を表1に示す。
ッシュアイが少なく、着色や臭気が抑制され、更には、
リサイクル使用時においても成形時のフィッシュアイや
着色の抑制された酢酸ビニル系重合体及びそのケン化物
を得ることができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 酢酸ビニル単独又は酢酸ビニルと他の不
飽和単量体を重合した後、得られた酢酸ビニル系重合体
を蒸留塔に導入して未反応の酢酸ビニルを除去して酢酸
ビニル系重合体を製造するに当たり、酢酸ビニルに対す
る重合禁止剤を蒸留塔に供給することを特徴とする酢酸
ビニル系重合体の製造法。 - 【請求項2】 重合禁止剤としてN,N−ジアルキルヒ
ドロキシルアミン、スチレン誘導体、ハイドロキノン誘
導体、キノン誘導体、ピペリジン誘導体、共役ポリエン
化合物の少なくとも一種を使用することを特徴とする請
求項1記載の酢酸ビニル系重合体の製造法。 - 【請求項3】 蒸留塔に導入する酢酸ビニル系重合体に
も、予め酢酸ビニルに対する重合禁止剤を添加しておく
ことを特徴とする請求項1〜2いずれか記載の酢酸ビニ
ル系重合体の製造法。 - 【請求項4】 重合時に重合触媒として有機過酸化物を
用い、かつヒドロキシラクトン系化合物またはヒドロキ
シカルボン酸を共存させることを特徴とする請求項1〜
3いずれか記載の酢酸ビニル系重合体の製造法。 - 【請求項5】 重合時に重合触媒としてアゾ化合物を用
い、かつヒドロキシラクトン系化合物またはヒドロキシ
カルボン酸を共存させることを特徴とする請求項1〜3
いずれか記載の酢酸ビニル系重合体の製造法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかで製造された酢
酸ビニル系重合体をケン化してなることを特徴とする酢
酸ビニル系重合体ケン化物の製造法。 - 【請求項7】 他の不飽和単量体がオレフィン系単量体
であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の酢
酸ビニル系重合体またはそのケン化物の製造法。
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