JP2003055272A - 置換シクロペンタジエンの製造方法 - Google Patents

置換シクロペンタジエンの製造方法

Info

Publication number
JP2003055272A
JP2003055272A JP2001249240A JP2001249240A JP2003055272A JP 2003055272 A JP2003055272 A JP 2003055272A JP 2001249240 A JP2001249240 A JP 2001249240A JP 2001249240 A JP2001249240 A JP 2001249240A JP 2003055272 A JP2003055272 A JP 2003055272A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyclopentadiene
electrophile
substituted cyclopentadiene
producing
cyclopentadienyl anion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001249240A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5036111B2 (ja
Inventor
Katsuya Shimizu
克也 清水
Yuji Hayashi
裕司 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2001249240A priority Critical patent/JP5036111B2/ja
Publication of JP2003055272A publication Critical patent/JP2003055272A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5036111B2 publication Critical patent/JP5036111B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工業的規模において5−および/または1−
置換シクロペンタジエンを高選択的に且つ簡便に製造す
る技術を提供すること。 【解決手段】 シクロペンタジエンと求電子剤の共存す
る溶液から、5−および/または1−置換シクロペンタ
ジエンを製造する方法であって、シクロペンタジエンと
求電子剤の共存下でシクロペンタジエニルアニオンを発
生させることを特徴とする置換シクロペンタジエンの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、置換シクロペンタ
ジエンの製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、ファインケミカル中間体、医農薬中間体の合成前駆
体として、また、メタロセン触媒のようなオレフィン重
合用触媒の合成前駆体として有用である5−および/ま
たは1−置換シクロペンタジエンを、工業的規模で高選
択的に且つ簡便に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、置換シクロペンタジエンには、
置換基の位置により、3種の異性体の存在が知られてい
る。5−、1−、および2−置換シクロペンタジエンで
ある。熱力学的に安定な平衡状態では、1−体と2−体
がほぼ等量と少量の5−体からなる異性体混合物である
(式(1))。
【0003】
【化1】
【0004】置換シクロペンタジエンを製造する一般的
な方法は、シクロペンタジエンの活性水素を塩基で引き
抜いて得られるシクロペンタジエニルアニオンと、ハロ
ゲン化アルキル等の求電子剤を反応させる方法である。
例えば、液体アンモニア中で金属ナトリウムとシクロペ
ンタジエンを反応させて得られるシクロペンタジエニル
アニオン(シクロペンタジエニル金属)溶液に、等量の
ハロゲン化アルキルを滴下する方法(Izv.Vyss
h.Vchebn.Zaved.,Khim.Khi
m.Technol.,19(10),1511頁(1
970))があげられる。しかし、この方法のように、
シクロペンタジエニルアニオンに対して求電子剤を添加
する方法では、本発明が目的とする5−および/または
1−置換シクロペンタジエンを高選択的に得ることは困
難で、平衡混合物(1−体と2−体がほぼ等量)の置換
シクロペンタジエンしか得られない。その原因は以下の
ように考察される。
【0005】置換シクロペンタジエンには二重結合と置
換基の位置の違いにより、1−体、2−体および5−体
の3種の異性体が存在することは前述のとおりである。
シクロペンタジエンと塩基からシクロペンタジエニルア
ニオンを得、これと求電子剤を反応させると先ず5−体
が一旦生成したあと、1−体と2−体に異性化し、平衡
状態では少量の5−体とともに1−体と2−体がほぼ等
量で存在していることが知られている(式(2))。
【0006】
【化2】
【0007】V.A.Mironovらは、シクロペン
タジエニル金属への置換は、まず5−体が生成し、5−
体の置換基の付いている炭素上の水素が隣接する炭素に
1,2−水素移動して1−体に異性化、さらに1−体の
メチレンプロトンが同じように隣の炭素に1,2−水素
移動して2−体に異性化することを明らかにした。さら
に5−体から1−体への異性化はより低温でも進むが、
1−体から2−体への異性化はより高温が必要であるこ
とも示した(Tetrahedron,vol.19,
1939頁(1963))(式(3))。
【0008】
【化3】
【0009】したがって、異性化が1,2−水素移動に
より進むものであれば、2−体の生成を最小限にして5
−体および/または1−体を生成することは可能であ
る。一方、S.McLeanらは、上記の1,2−水素
移動による異性化は強塩基が存在しないときに有効であ
り、塩基が存在すると5−体からの活性水素引き抜きが
起こり置換シクロペンタジエニルアニオンが生成し、こ
れを経由して異性化が進行し、平衡混合物が生成すると
述べている(Tetrahedron、vol.21,
2313頁、2329頁(1965))(式(4))。
【0010】
【化4】
【0011】すなわち、塩基が存在すると、5−体およ
び/または1−体を選択的に合成することはできず、1
−体と2−体がほぼ等量の平衡混合物が生成することを
意味している。従って、言い換えれば、5−体および/
または1−体を選択的に合成するには、一旦生成した置
換シクロペンタジエンと塩基を接触させないことが必須
条件と言える。ここで言う塩基としては、反応に必要な
シクロペンタジエニルアニオンも含まれる。したがっ
て、シクロペンタジエニルアニオンの溶液に、求電子剤
を滴下する方法では、反応系中にシクロペンタジエニル
アニオン(塩基)が存在する状態で反応を実施するた
め、一旦生成した5−体の活性水素の引き抜きが起こり
やすく、5−体および/または1−体を選択的に合成す
ることは困難である。
【0012】上記の問題を解決する方法として、求電子
剤に対しシクロペンタジエニルアニオンを滴下する方法
が知られている。例えば、ジメトキシエタンやジグライ
ムなどの有機溶媒中、金属ナトリウムとシクロペンタジ
エンからシクロペンタジエニルアニオンの溶液を得、こ
れをアルキル化剤(求電子剤)に滴下する方法(Tet
rahedron,vol.21,2313頁(196
5))が知られている。これは、過剰の求電子剤に対し
シクロペンタジエニルアニオンを少量ずつ滴下すること
で、シクロペンタジエニルアニオンを瞬時に反応させ、
系中のシクロペンタジエニルアニオン濃度を低く抑える
という考え方であり、実際に5−体および/または1−
体を選択的に合成することが可能な方法である。しか
し、この方法は、反応性の高い求電子剤(1級ハロゲン
化アルキルなど)に対してのみ有効な方法であって、反
応性の低い求電子剤(2級や3級のハロゲン化アルキル
など)に対しては無効である。なぜならば、反応性の低
い求電子剤の場合、滴下したシクロペンタジエニルアニ
オンが瞬時には反応しないため、系中にシクロペンタジ
エニルアニオン(塩基)が蓄積するからである。また、
この方法は、特に工業的規模での実施において重大な問
題があった。すなわち、この方法では、シクロペンタジ
エンに塩基を作用させてシクロペンタジエニルアニオン
を一つの反応器で製造し、得られたシクロペンタジエニ
ルアニオンを、予め求電子剤を仕込んだもう一つの反応
器に滴下するという形態をとるため、2つの反応器を要
するという不利益があった。しかも、シクロペンタジエ
ニルアニオン溶液は水分や酸素を極度に嫌うため、それ
を滴下するためのポンプ等の装置は特殊な仕様のものを
必要とするという不利益もあった。
【0013】WO99/50215公報には、生成物の
置換シクロペンタジエンと二液相を形成する溶媒中で反
応を実施することにより、置換シクロペンタジエンと塩
基(シクロペンタジエニルアニオン)との接触を防ぎ、
5−体および/または1−体を選択的に合成する技術が
記載されている。この技術によれば、シクロペンタジエ
ニルアニオンに対し求電子剤を滴下するという手順で
も、高選択率で目的の異性体を製造することが可能であ
るが、本発明者らの実験の結果、この技術で高選択率を
得るには限界があることがわかった。この技術の原理
は、置換シクロペンタジエンと未反応のシクロペンタジ
エニルアニオン(塩基)との接触を相分離現象を利用し
て防ぐことである。すなわち、置換シクロペンタジエン
と塩基との接触は二相の界面に限られるので、均一系に
比較して接触の機会は劇的に減少する。
【0014】しかし、塩基との接触は皆無ではないの
で、反応時間が長期に及んだ場合には、このような相分
離現象のみでは異性化を抑制しきれず、得られる置換シ
クロペンタジエンの組成が平衡混合物に漸近してしまう
という問題があった。シクロペンタジエニルアニオンと
求電子剤の反応はかなり大きな発熱反応であるため、特
に工業的規模での実施においては反応熱の除去に時間を
要する。そのため、反応熱の除去が求電子剤滴下の律速
過程となり、反応時間が長期に及ぶ場合が多い。したが
って、反応時間の延長に伴って異性化が進行してしまう
という上記の問題は、工業的規模での実施における重大
な問題であった。以上述べたように、工業的規模におい
て5−および/または1−置換シクロペンタジエンを高
選択的に且つ簡便に製造する技術は未だ開示されていな
い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的規模
において5−および/または1−置換シクロペンタジエ
ンを高選択的に且つ簡便に製造する技術を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討を重ねた結果、求電子剤の存在下でシ
クロペンタジエニルアニオンを発生させると、反応時間
が長期に及ぶ場合であっても、高選択的に5−および/
または1−置換シクロペンタジエンが得られることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のと
おりである。 1.シクロペンタジエンと求電子剤の共存する溶液か
ら、5−および/または1−置換シクロペンタジエンを
製造する方法であって、求電子剤の存在下でシクロペン
タジエニルアニオンを発生させることを特徴とする置換
シクロペンタジエンの製造方法。 2.シクロペンタジエンと求電子剤の共存する溶液に対
し、塩基を添加することによりシクロペンタジエニルア
ニオンを発生させることを特徴とする、1.記載の置換
シクロペンタジエンの製造方法。
【0017】3.ジメチルスルホキシドの存在下で実施
することを特徴とする、1.または2.記載の置換シク
ロペンタジエンの製造方法。 4.塩基が水酸化カリウムである1.から3.のいずれ
かに記載の置換シクロペンタジエンの製造方法。 5.反応系中の水分率が10wt%以下であることを特
徴とする、1.から4.のいずれかに記載の置換シクロ
ペンタジエンの製造方法。 6.不活性ガス雰囲気下で行うことを特徴とする、1.
から5.のいずれかに記載の置換シクロペンタジエンの
製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明においては、求電子剤の存在下でシクロ
ペンタジエニルアニオンを発生させることが必須要件で
ある。求電子剤の存在下でシクロペンタジエニルアニオ
ンを発生させることにより高選択率で5−および/また
は1−置換シクロペンタジエンが得られることは本発明
者らが見出した驚くべき事実である。本発明の必須要件
を満足することで5−および/または1−置換シクロペ
ンタジエンが高選択率で得られる機構は、発生したシク
ロペンタジエニルアニオン(塩基)が速やかに求電子剤
と反応するため、生成物(5−置換シクロペンタジエ
ン)と塩基との接触が効果的に抑制されることであると
推察される。本発明の方法によれば、反応時間が10〜
20時間といった長時間に及ぶ場合においても、高選択
率が得られる。本発明の必須要件を満足しない場合、例
えば、求電子剤の存在しない状態で別途調製したシクロ
ペンタジエニルアニオンに対し求電子剤を滴下する方法
では、一旦生成した5−置換シクロペンタジエンが、反
応系中に予め存在するシクロペンタジエニルアニオン
(塩基)により異性化してしまうという本質的問題があ
り、仮に相分離現象を利用してそれらの接触を極力抑え
たとしても、反応時間が長期化した場合には異性化が無
視できない程度に進行してしまう。
【0019】一方、求電子剤の存在しない状態で別途調
製したシクロペンタジエニルアニオンを求電子剤に対し
て滴下する方法では、反応性の低い求電子剤(2級ハロ
ゲン化アルキルなど)の場合には異性化を抑制しきれな
い。しかもこの方法の場合、別途調製したシクロペンタ
ジエニルアニオン溶液を、予め求電子剤を仕込んだ別の
反応器に滴下するという形態をとるため、2つの反応器
を要し、しかも、シクロペンタジエニルアニオン溶液は
水分や酸素を極度に嫌うため、それを滴下するためのポ
ンプ等の装置は特殊な仕様のものを必要とするという経
済的不利益や煩雑さが生じる。
【0020】シクロペンタジエンと求電子剤の共存下で
シクロペンタジエニルアニオンを発生させる方法は制限
はなく、この条件を満足する一般的な方法を採用すれば
よい。例えば、シクロペンタジエンと求電子剤を溶解し
た溶液を攪拌しておき、そこに固体や液体の塩基を徐々
に添加する方法や、シクロペンタジエン、求電子剤およ
び固体塩基の三者を予め混合した溶液中で、固体塩基の
溶解に伴ってシクロペンタジエニルアニオンを徐々に発
生させる方法など、極めて簡便な方法があげられる。
【0021】本発明で用いる塩基は、シクロペンタジエ
ンの活性水素を引き抜く能力のあるものであれば制限は
ない。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アル
カリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属
やアルカリ土類金属のアルコキシド(メトキシド、エト
キシド、t−ブトキシドなど)、アルキルリチウム(メ
チルリチウム、ブチルリチウム、t−ブチルリチウムな
ど)、アルキル金属アミド、アルキルマグネシウムハラ
イド(グリニャール試薬)などがあげられるが、好まし
くは、アルカリ金属の水酸化物であり、さらに好ましく
は水酸化カリウムである。塩基の性状は特に制限はな
く、反応規模や装置に応じ適宜選定すればよい。たとえ
ば、フレーク状、粒状、粉末状、溶液状などがあげられ
るが、工業的実施においては、フレーク状、粒状もしく
は溶液状が好ましい。さらに好ましくはフレーク状もし
くは粒状である。
【0022】本発明で用いる反応溶媒は特に制限はな
く、汎用の溶媒を用いればよい。例えば、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチル
スルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルム
アミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N
−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリアミド
などがあげられるが、非プロトン性極性溶媒が好まし
い。もっとも好ましいのはジメチルスルホキシドであ
る。また、これらの溶媒と、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒との混合溶
媒を用いてもよい。
【0023】本発明の反応系における水分率は特に制限
はないが、目的とする5−および/または1−置換シク
ロペンタジエンの選択率を維持する意味で10wt%以
下が好ましい。さらに好ましくは5wt%以下である。
本発明の反応を実施する場合の雰囲気ガスの種類は特に
制限はないが、目的とする5−および/または1−置換
シクロペンタジエンの選択率維持、および純度確保の点
から不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。不活性ガ
スとしては例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン
などがあげられるが、実用的観点から窒素が好ましい。
【0024】本発明におけるシクロペンタジエンと塩基
との量比は、特に限定されるものではないが、シクロペ
ンタジエニルを有効にアニオンに変換させられる点から
0.1以上、また目的とする5−および/または1−置
換シクロペンタジエンの選択率を維持させられる点から
10以下にすることが好ましい。より好ましくは0.5
から2.0の範囲であり、さらに好ましくは0.8から
1.5の範囲である。本発明におけるシクロペンタジエ
ンと求電子剤との量比は、特に限定されるものではない
が、実用的な反応速度が確保できる点から0.1以上、
また求電子剤が有効に利用され得る点から10以下にす
ることが好ましい。より好ましくは、0.5から3.0
の範囲であり、さらに好ましくは0.8から2.0の範
囲である。
【0025】本発明の反応温度は特に制限はないが、実
用的な反応速度が確保できる点から−30℃以上、また
生成した5−および/または1−置換シクロペンタジエ
ンが2−置換シクロペンタジエンまで異性化してしまう
ことが抑制できる点から100℃以下にすることが好ま
しい。より好ましくは−10℃から80℃、さらに好ま
しくは−5℃から50℃である。圧力は常圧もしくは加
圧下で実施できる。シクロペンタジエンの常圧での沸点
は約40℃なので、常圧−開放系で行う場合には、シク
ロペンタジエンのロスを防ぐために還流冷却器を備えた
反応器で実施する方が好ましい。またシクロペンタジエ
ンと塩基との反応、および求電子剤との反応は発熱反応
であるため、除熱機構を備えた反応器を用いるのが好ま
しい。
【0026】本発明でいう求電子剤とは、シクロペンタ
ジエニルアニオンに対する求電子反応を起こすものであ
れば制限はなく、例えば一般式R−Xで表される。ここ
でRは、水素、または直鎖または分岐のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基を表し、
直鎖状または分岐状を問わない。また不飽和結合が含ま
れていてもかまわない。また酸素、窒素、ケイ素、ハロ
ゲンなどのヘテロ原子が含まれていてもかまわない。
【0027】アルキル基としては例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec
−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチ
ルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,
1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチ
ルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチ
ル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オク
チル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−
ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニ
ル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられ
る。
【0028】アルケニル基としては一般式−CH=CR
12で表され、アルキニル基としては一般式−CH=C
−R1で表される。R1、R2は水素または炭化水素基で
あり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1
−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペ
ンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチ
ル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デ
シル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5
−ヘキセニルなどが挙げられる。
【0029】シクロアルキル基としては例えば、シクロ
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロ
ペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、
シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、1−シクロヘ
キセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3
−シクロヘキセン−1−イル、1,3−シクロヘキサジ
エン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イ
ル、シクロヘプチル、1−シクロヘプテン−1−イル、
2−シクロヘプテン−1−イル、3−シクロヘプテン−
1−イル、4−シクロヘプテン−1−イル、シクロオク
チル、1−シクロオクテン−1−イル、2−シクロオク
テン−1−イル、シクロノニル、シクロデシルなどが挙
げられる。
【0030】また酸素が含まれるものとしては、今まで
述べた基に一般式−OR3や一般式−COOR4で表され
る置換基が付いたものが挙げられる。R3やR4は水素ま
たは炭化水素基であり例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、
2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチ
ルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチ
ル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1
−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−
ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、
2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘ
キセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。また今ま
で述べた基にケイ素やフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のよ
うなハロゲンが含まれていてもかまわない。Xはハロゲ
ン原子、パラトルエンスルホネート基またはアルキルス
ルホネート基を表す。
【0031】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるもの
ではない。なお、実施例等における生成物のガスクロマ
トグラフィーによる分析条件は下記のとおりである。 装置:島津製作所GC−14A、島津製作所クロマトパ
ックCR−4A カラム:J&Wサイエンティフィック社キャピラリーカ
ラムDB−1(長さ30m×内径0.25mm、液相膜
厚0.25μm) 温度条件:カラム40℃×5分→250℃(10℃/
分)注入口60℃、検出器250℃(FID)
【0032】
【実施例1】ジメチルスルホキシド578.3kg
(7.401kmol)、シクロペンタジエン101.
2kg(純度97.0%、1.485kmol)、イソ
プロピルブロマイド302.3kg(2.458kmo
l)からなる溶液をジャケット付反応器に仕込み、窒素
置換した。該溶液温度を5℃に維持しつつ、攪拌しなが
ら、窒素気流下で水酸化カリウム72.0kg(純度9
6%、1.232kmol)を8時間かけて添加した。
水酸化カリウム添加終了後、5℃でさらに4時間攪拌し
た後、反応液温度を5℃に保ちつつ、攪拌しながら、3
5%塩酸6.03kgと水432.8kgの混合物を加
えた。攪拌を止めて15分間静置した後分液を行い、イ
ソプロピルシクロペンタジエン(5−体:48.23k
g、1−体:72.07kg、2−体:8.40kg)
を含有する有機層を得た。5−および/または1−イソ
プロピルシクロペンタジエンの選択率(得られた全イソ
プロピルシクロペンタジエンに対する5−および/また
は1−イソプロピルシクロペンタジエンの比率)は9
3.5%であった。
【0033】
【実施例2】ジメチルスルホキシド605.2kg
(7.746kmol)、シクロペンタジエン106.
1kg(純度96.5%、1.549kmol)、n−
プロピルブロマイド317.6kg(2.582kmo
l)からなる溶液をジャケット付反応器に仕込み、窒素
置換した。該溶液温度を5℃に維持しつつ、攪拌しなが
ら、窒素気流下で水酸化カリウム75.5kg(純度9
6%、1.291kmol)を8時間かけて添加した。
水酸化カリウム添加終了後、5℃でさらに4時間攪拌し
た後、反応液温度を5℃に保ちつつ、攪拌しながら、3
5%塩酸6.31kgと水453.0kgの混合物を加
えた。攪拌を止めて15分間静置した後分液を行い、n
−プロピルシクロペンタジエン(5−体:48.48k
g、1−体:75.76kg、2−体:10.12k
g)を含有する有機層を得た。5−および/または1−
n−プロピルシクロペンタジエンの選択率(得られた全
イソプロピルシクロペンタジエンに対する5−および/
または1−n−プロピルシクロペンタジエンの比率)は
92.5%であった。
【0034】
【比較例1】ジメチルスルホキシド805.1kg(1
0.305kmol)、シクロペンタジエン142.8
kg(純度96.3%、2.081kmol)、水酸化
カリウム100.4kg(純度96%、1.718km
ol)を、ジャケット付反応器に加え、窒素気流下、室
温で3時間撹拌することによってシクロペンタジエニル
カリウム(シクロペンタジエニルアニオン)溶液を得
た。
【0035】該シクロペンタジエニルカリウム溶液の温
度を5℃に保ちつつ、撹拌しながら、イソプロピルブロ
マイド422.4kg(3.434kmol)を滴下し
た。ジャケットに冷媒(−30℃)を流通し反応熱を除
去しつつ反応を実施したが、反応熱の除去がイソプロピ
ルブロマイド滴下の律速過程となり、液温度を5℃に維
持するには8時間という長時間をかけてイソプロピルブ
ロマイドを滴下する必要があった。滴下終了後、反応液
温度を5℃に保ちつつ、攪拌しながら、35%塩酸8.
65kgと水602.5kgの混合物を加えた。攪拌を
止めて15分間静置した後分液を行い、イソプロピルシ
クロペンタジエン(5−体:35.51kg、1−体:
82.26kg、2−体:64.06kg)を含有する
有機層を得た。5−および/または1−イソプロピルシ
クロペンタジエンの選択率(得られた全イソプロピルシ
クロペンタジエンに対する5−および/または1−イソ
プロピルシクロペンタジエンの比率)は64.8%であ
った。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、反応時間が長期に及ぶ
場合であっても、目的とする5−および/または1−置
換シクロペンタジエンを高選択的に且つ簡便に製造する
ことができ、工業的規模における実施も可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シクロペンタジエンと求電子剤の共存す
    る溶液から、5−および/または1−置換シクロペンタ
    ジエンを製造する方法であって、求電子剤の存在下でシ
    クロペンタジエニルアニオンを発生させることを特徴と
    する置換シクロペンタジエンの製造方法。
  2. 【請求項2】 シクロペンタジエンと求電子剤の共存す
    る溶液に対し、塩基を添加することによりシクロペンタ
    ジエニルアニオンを発生させることを特徴とする、請求
    項1記載の置換シクロペンタジエンの製造方法。
  3. 【請求項3】 ジメチルスルホキシドの存在下で実施す
    ることを特徴とする、請求項1または2記載の置換シク
    ロペンタジエンの製造方法。
  4. 【請求項4】 塩基が水酸化カリウムであることを特徴
    とする、請求項1から3のいずれかに記載の置換シクロ
    ペンタジエンの製造方法。
  5. 【請求項5】 反応系中の水分率が10wt%以下であ
    ることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載
    の置換シクロペンタジエンの製造方法。
  6. 【請求項6】 不活性ガス雰囲気下で行うことを特徴と
    する、請求項1から5のいずれかに記載の置換シクロペ
    ンタジエンの製造方法。
JP2001249240A 2001-08-20 2001-08-20 置換シクロペンタジエンの製造方法 Expired - Lifetime JP5036111B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001249240A JP5036111B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 置換シクロペンタジエンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001249240A JP5036111B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 置換シクロペンタジエンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003055272A true JP2003055272A (ja) 2003-02-26
JP5036111B2 JP5036111B2 (ja) 2012-09-26

Family

ID=19078274

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001249240A Expired - Lifetime JP5036111B2 (ja) 2001-08-20 2001-08-20 置換シクロペンタジエンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5036111B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010248137A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Kotobuki Seiyaku Kk γ−ツヤプリシンの製造方法
JP2012176915A (ja) * 2011-02-28 2012-09-13 Ube Industries Ltd アルキルシクロペンタジエン化合物及びその製造方法
JP2013530134A (ja) * 2010-04-28 2013-07-25 ユニベーション・テクノロジーズ・エルエルシー アルキルシクロペンタジエン化合物の合成
WO2024015384A1 (en) * 2022-07-15 2024-01-18 Entegris, Inc. Monoalkylation of cyclopentadiene

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3560583A (en) * 1969-05-15 1971-02-02 Du Pont Process of preparing substituted cyclopentadienes
JPS53112813A (en) * 1977-03-15 1978-10-02 Labaz Process for preparing diinnpropylacetonitrile
JPH06239779A (ja) * 1993-02-19 1994-08-30 Teijin Ltd 光学活性シクロペンテンジオールの製造方法
JPH1059875A (ja) * 1986-09-19 1998-03-03 Pennzoil Prod Co ヒドロカルビル置換シクロペンタジエンの製造方法
WO1999050215A1 (fr) * 1998-03-30 1999-10-07 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Procede de production d'hinokitiol
JP2001097896A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Asahi Kasei Corp アルキルシクロペンタジエン化合物の製造方法
JP2001097895A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Asahi Kasei Corp アルキルシクロペンタジエンの製造法
JP2001097916A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Asahi Kasei Corp ヒノキチオールの製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3560583A (en) * 1969-05-15 1971-02-02 Du Pont Process of preparing substituted cyclopentadienes
JPS53112813A (en) * 1977-03-15 1978-10-02 Labaz Process for preparing diinnpropylacetonitrile
JPH1059875A (ja) * 1986-09-19 1998-03-03 Pennzoil Prod Co ヒドロカルビル置換シクロペンタジエンの製造方法
JPH06239779A (ja) * 1993-02-19 1994-08-30 Teijin Ltd 光学活性シクロペンテンジオールの製造方法
WO1999050215A1 (fr) * 1998-03-30 1999-10-07 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Procede de production d'hinokitiol
JP2001097896A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Asahi Kasei Corp アルキルシクロペンタジエン化合物の製造方法
JP2001097895A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Asahi Kasei Corp アルキルシクロペンタジエンの製造法
JP2001097916A (ja) * 1999-09-28 2001-04-10 Asahi Kasei Corp ヒノキチオールの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010248137A (ja) * 2009-04-16 2010-11-04 Kotobuki Seiyaku Kk γ−ツヤプリシンの製造方法
JP2013530134A (ja) * 2010-04-28 2013-07-25 ユニベーション・テクノロジーズ・エルエルシー アルキルシクロペンタジエン化合物の合成
JP2012176915A (ja) * 2011-02-28 2012-09-13 Ube Industries Ltd アルキルシクロペンタジエン化合物及びその製造方法
WO2024015384A1 (en) * 2022-07-15 2024-01-18 Entegris, Inc. Monoalkylation of cyclopentadiene

Also Published As

Publication number Publication date
JP5036111B2 (ja) 2012-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW577871B (en) Process for producing hinokitiol
EP0721443B1 (en) Process for the preparation of methylenecyclopropane
JP2003055272A (ja) 置換シクロペンタジエンの製造方法
JP4320197B2 (ja) 1−イソプロピルシクロペンタジエン及びヒノキチオールの製造方法
JP2001097896A (ja) アルキルシクロペンタジエン化合物の製造方法
JP4521901B2 (ja) アルキルシクロペンタジエンの製造法
JP2001097916A (ja) ヒノキチオールの製造方法
JP4390424B2 (ja) ヒドロキシアミノ化合物及び/又はアミノオキシ化合物の製造方法
Joczyk et al. Direct chlorovinylation and ethynylation of some CH acids under conditions of phase transfer catalysis
US5490951A (en) Highly reactive form of copper and reagents thereof
JPS5929042B2 (ja) パ−ハロゲン化アルカンとオレフイン類との付加反応方法
JP2864985B2 (ja) トリ(第2級アルキル)シラン化合物の製造方法
EP0005280B1 (en) A process for the reduction of carboxylic acid halides to corresponding aldehydes
JPS584733A (ja) アルキニル化合物の製造方法
JPS63162674A (ja) 1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オンの製造方法
JPS62215562A (ja) クロルメチルチオシアナ−トの製造方法
JPH09227573A (ja) 有機銅錯体の製造方法
JPH0753476A (ja) 2,6−ジフルオロベンジルアミンの製造法
JPH115759A (ja) ポリプレノール類の製造方法
JPH04173793A (ja) 混合リチウムアミド及び試薬組成物
EP1345878A1 (en) Process for the synthesis of 1-(3,5-bis(trifluoromethyl)-phenyl)ethan-1-one
JP2000281596A (ja) 末端アセチレン化合物の製造方法
JPH05306244A (ja) mーエチルフェノールの製造法
JPH0873470A (ja) エチニルマグネシウムハライドの製造方法
JPH10168059A (ja) 1−アルキル−2−メチルインドールの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080813

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090511

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111017

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20111017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120703

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150713

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5036111

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term