JP2003055272A - 置換シクロペンタジエンの製造方法 - Google Patents
置換シクロペンタジエンの製造方法Info
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Abstract
置換シクロペンタジエンを高選択的に且つ簡便に製造す
る技術を提供すること。 【解決手段】 シクロペンタジエンと求電子剤の共存す
る溶液から、5−および/または1−置換シクロペンタ
ジエンを製造する方法であって、シクロペンタジエンと
求電子剤の共存下でシクロペンタジエニルアニオンを発
生させることを特徴とする置換シクロペンタジエンの製
造方法。
Description
ジエンの製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、ファインケミカル中間体、医農薬中間体の合成前駆
体として、また、メタロセン触媒のようなオレフィン重
合用触媒の合成前駆体として有用である5−および/ま
たは1−置換シクロペンタジエンを、工業的規模で高選
択的に且つ簡便に製造する方法に関する。
置換基の位置により、3種の異性体の存在が知られてい
る。5−、1−、および2−置換シクロペンタジエンで
ある。熱力学的に安定な平衡状態では、1−体と2−体
がほぼ等量と少量の5−体からなる異性体混合物である
(式(1))。
な方法は、シクロペンタジエンの活性水素を塩基で引き
抜いて得られるシクロペンタジエニルアニオンと、ハロ
ゲン化アルキル等の求電子剤を反応させる方法である。
例えば、液体アンモニア中で金属ナトリウムとシクロペ
ンタジエンを反応させて得られるシクロペンタジエニル
アニオン(シクロペンタジエニル金属)溶液に、等量の
ハロゲン化アルキルを滴下する方法(Izv.Vyss
h.Vchebn.Zaved.,Khim.Khi
m.Technol.,19(10),1511頁(1
970))があげられる。しかし、この方法のように、
シクロペンタジエニルアニオンに対して求電子剤を添加
する方法では、本発明が目的とする5−および/または
1−置換シクロペンタジエンを高選択的に得ることは困
難で、平衡混合物(1−体と2−体がほぼ等量)の置換
シクロペンタジエンしか得られない。その原因は以下の
ように考察される。
換基の位置の違いにより、1−体、2−体および5−体
の3種の異性体が存在することは前述のとおりである。
シクロペンタジエンと塩基からシクロペンタジエニルア
ニオンを得、これと求電子剤を反応させると先ず5−体
が一旦生成したあと、1−体と2−体に異性化し、平衡
状態では少量の5−体とともに1−体と2−体がほぼ等
量で存在していることが知られている(式(2))。
タジエニル金属への置換は、まず5−体が生成し、5−
体の置換基の付いている炭素上の水素が隣接する炭素に
1,2−水素移動して1−体に異性化、さらに1−体の
メチレンプロトンが同じように隣の炭素に1,2−水素
移動して2−体に異性化することを明らかにした。さら
に5−体から1−体への異性化はより低温でも進むが、
1−体から2−体への異性化はより高温が必要であるこ
とも示した(Tetrahedron,vol.19,
1939頁(1963))(式(3))。
より進むものであれば、2−体の生成を最小限にして5
−体および/または1−体を生成することは可能であ
る。一方、S.McLeanらは、上記の1,2−水素
移動による異性化は強塩基が存在しないときに有効であ
り、塩基が存在すると5−体からの活性水素引き抜きが
起こり置換シクロペンタジエニルアニオンが生成し、こ
れを経由して異性化が進行し、平衡混合物が生成すると
述べている(Tetrahedron、vol.21,
2313頁、2329頁(1965))(式(4))。
び/または1−体を選択的に合成することはできず、1
−体と2−体がほぼ等量の平衡混合物が生成することを
意味している。従って、言い換えれば、5−体および/
または1−体を選択的に合成するには、一旦生成した置
換シクロペンタジエンと塩基を接触させないことが必須
条件と言える。ここで言う塩基としては、反応に必要な
シクロペンタジエニルアニオンも含まれる。したがっ
て、シクロペンタジエニルアニオンの溶液に、求電子剤
を滴下する方法では、反応系中にシクロペンタジエニル
アニオン(塩基)が存在する状態で反応を実施するた
め、一旦生成した5−体の活性水素の引き抜きが起こり
やすく、5−体および/または1−体を選択的に合成す
ることは困難である。
剤に対しシクロペンタジエニルアニオンを滴下する方法
が知られている。例えば、ジメトキシエタンやジグライ
ムなどの有機溶媒中、金属ナトリウムとシクロペンタジ
エンからシクロペンタジエニルアニオンの溶液を得、こ
れをアルキル化剤(求電子剤)に滴下する方法(Tet
rahedron,vol.21,2313頁(196
5))が知られている。これは、過剰の求電子剤に対し
シクロペンタジエニルアニオンを少量ずつ滴下すること
で、シクロペンタジエニルアニオンを瞬時に反応させ、
系中のシクロペンタジエニルアニオン濃度を低く抑える
という考え方であり、実際に5−体および/または1−
体を選択的に合成することが可能な方法である。しか
し、この方法は、反応性の高い求電子剤(1級ハロゲン
化アルキルなど)に対してのみ有効な方法であって、反
応性の低い求電子剤(2級や3級のハロゲン化アルキル
など)に対しては無効である。なぜならば、反応性の低
い求電子剤の場合、滴下したシクロペンタジエニルアニ
オンが瞬時には反応しないため、系中にシクロペンタジ
エニルアニオン(塩基)が蓄積するからである。また、
この方法は、特に工業的規模での実施において重大な問
題があった。すなわち、この方法では、シクロペンタジ
エンに塩基を作用させてシクロペンタジエニルアニオン
を一つの反応器で製造し、得られたシクロペンタジエニ
ルアニオンを、予め求電子剤を仕込んだもう一つの反応
器に滴下するという形態をとるため、2つの反応器を要
するという不利益があった。しかも、シクロペンタジエ
ニルアニオン溶液は水分や酸素を極度に嫌うため、それ
を滴下するためのポンプ等の装置は特殊な仕様のものを
必要とするという不利益もあった。
置換シクロペンタジエンと二液相を形成する溶媒中で反
応を実施することにより、置換シクロペンタジエンと塩
基(シクロペンタジエニルアニオン)との接触を防ぎ、
5−体および/または1−体を選択的に合成する技術が
記載されている。この技術によれば、シクロペンタジエ
ニルアニオンに対し求電子剤を滴下するという手順で
も、高選択率で目的の異性体を製造することが可能であ
るが、本発明者らの実験の結果、この技術で高選択率を
得るには限界があることがわかった。この技術の原理
は、置換シクロペンタジエンと未反応のシクロペンタジ
エニルアニオン(塩基)との接触を相分離現象を利用し
て防ぐことである。すなわち、置換シクロペンタジエン
と塩基との接触は二相の界面に限られるので、均一系に
比較して接触の機会は劇的に減少する。
で、反応時間が長期に及んだ場合には、このような相分
離現象のみでは異性化を抑制しきれず、得られる置換シ
クロペンタジエンの組成が平衡混合物に漸近してしまう
という問題があった。シクロペンタジエニルアニオンと
求電子剤の反応はかなり大きな発熱反応であるため、特
に工業的規模での実施においては反応熱の除去に時間を
要する。そのため、反応熱の除去が求電子剤滴下の律速
過程となり、反応時間が長期に及ぶ場合が多い。したが
って、反応時間の延長に伴って異性化が進行してしまう
という上記の問題は、工業的規模での実施における重大
な問題であった。以上述べたように、工業的規模におい
て5−および/または1−置換シクロペンタジエンを高
選択的に且つ簡便に製造する技術は未だ開示されていな
い。
において5−および/または1−置換シクロペンタジエ
ンを高選択的に且つ簡便に製造する技術を提供すること
を目的とする。
について鋭意検討を重ねた結果、求電子剤の存在下でシ
クロペンタジエニルアニオンを発生させると、反応時間
が長期に及ぶ場合であっても、高選択的に5−および/
または1−置換シクロペンタジエンが得られることを見
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のと
おりである。 1.シクロペンタジエンと求電子剤の共存する溶液か
ら、5−および/または1−置換シクロペンタジエンを
製造する方法であって、求電子剤の存在下でシクロペン
タジエニルアニオンを発生させることを特徴とする置換
シクロペンタジエンの製造方法。 2.シクロペンタジエンと求電子剤の共存する溶液に対
し、塩基を添加することによりシクロペンタジエニルア
ニオンを発生させることを特徴とする、1.記載の置換
シクロペンタジエンの製造方法。
することを特徴とする、1.または2.記載の置換シク
ロペンタジエンの製造方法。 4.塩基が水酸化カリウムである1.から3.のいずれ
かに記載の置換シクロペンタジエンの製造方法。 5.反応系中の水分率が10wt%以下であることを特
徴とする、1.から4.のいずれかに記載の置換シクロ
ペンタジエンの製造方法。 6.不活性ガス雰囲気下で行うことを特徴とする、1.
から5.のいずれかに記載の置換シクロペンタジエンの
製造方法。
明する。本発明においては、求電子剤の存在下でシクロ
ペンタジエニルアニオンを発生させることが必須要件で
ある。求電子剤の存在下でシクロペンタジエニルアニオ
ンを発生させることにより高選択率で5−および/また
は1−置換シクロペンタジエンが得られることは本発明
者らが見出した驚くべき事実である。本発明の必須要件
を満足することで5−および/または1−置換シクロペ
ンタジエンが高選択率で得られる機構は、発生したシク
ロペンタジエニルアニオン(塩基)が速やかに求電子剤
と反応するため、生成物(5−置換シクロペンタジエ
ン)と塩基との接触が効果的に抑制されることであると
推察される。本発明の方法によれば、反応時間が10〜
20時間といった長時間に及ぶ場合においても、高選択
率が得られる。本発明の必須要件を満足しない場合、例
えば、求電子剤の存在しない状態で別途調製したシクロ
ペンタジエニルアニオンに対し求電子剤を滴下する方法
では、一旦生成した5−置換シクロペンタジエンが、反
応系中に予め存在するシクロペンタジエニルアニオン
(塩基)により異性化してしまうという本質的問題があ
り、仮に相分離現象を利用してそれらの接触を極力抑え
たとしても、反応時間が長期化した場合には異性化が無
視できない程度に進行してしまう。
製したシクロペンタジエニルアニオンを求電子剤に対し
て滴下する方法では、反応性の低い求電子剤(2級ハロ
ゲン化アルキルなど)の場合には異性化を抑制しきれな
い。しかもこの方法の場合、別途調製したシクロペンタ
ジエニルアニオン溶液を、予め求電子剤を仕込んだ別の
反応器に滴下するという形態をとるため、2つの反応器
を要し、しかも、シクロペンタジエニルアニオン溶液は
水分や酸素を極度に嫌うため、それを滴下するためのポ
ンプ等の装置は特殊な仕様のものを必要とするという経
済的不利益や煩雑さが生じる。
シクロペンタジエニルアニオンを発生させる方法は制限
はなく、この条件を満足する一般的な方法を採用すれば
よい。例えば、シクロペンタジエンと求電子剤を溶解し
た溶液を攪拌しておき、そこに固体や液体の塩基を徐々
に添加する方法や、シクロペンタジエン、求電子剤およ
び固体塩基の三者を予め混合した溶液中で、固体塩基の
溶解に伴ってシクロペンタジエニルアニオンを徐々に発
生させる方法など、極めて簡便な方法があげられる。
ンの活性水素を引き抜く能力のあるものであれば制限は
ない。例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アル
カリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属
やアルカリ土類金属のアルコキシド(メトキシド、エト
キシド、t−ブトキシドなど)、アルキルリチウム(メ
チルリチウム、ブチルリチウム、t−ブチルリチウムな
ど)、アルキル金属アミド、アルキルマグネシウムハラ
イド(グリニャール試薬)などがあげられるが、好まし
くは、アルカリ金属の水酸化物であり、さらに好ましく
は水酸化カリウムである。塩基の性状は特に制限はな
く、反応規模や装置に応じ適宜選定すればよい。たとえ
ば、フレーク状、粒状、粉末状、溶液状などがあげられ
るが、工業的実施においては、フレーク状、粒状もしく
は溶液状が好ましい。さらに好ましくはフレーク状もし
くは粒状である。
く、汎用の溶媒を用いればよい。例えば、ジエチルエー
テル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチル
スルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルム
アミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N
−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホロトリアミド
などがあげられるが、非プロトン性極性溶媒が好まし
い。もっとも好ましいのはジメチルスルホキシドであ
る。また、これらの溶媒と、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒との混合溶
媒を用いてもよい。
はないが、目的とする5−および/または1−置換シク
ロペンタジエンの選択率を維持する意味で10wt%以
下が好ましい。さらに好ましくは5wt%以下である。
本発明の反応を実施する場合の雰囲気ガスの種類は特に
制限はないが、目的とする5−および/または1−置換
シクロペンタジエンの選択率維持、および純度確保の点
から不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。不活性ガ
スとしては例えば、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン
などがあげられるが、実用的観点から窒素が好ましい。
との量比は、特に限定されるものではないが、シクロペ
ンタジエニルを有効にアニオンに変換させられる点から
0.1以上、また目的とする5−および/または1−置
換シクロペンタジエンの選択率を維持させられる点から
10以下にすることが好ましい。より好ましくは0.5
から2.0の範囲であり、さらに好ましくは0.8から
1.5の範囲である。本発明におけるシクロペンタジエ
ンと求電子剤との量比は、特に限定されるものではない
が、実用的な反応速度が確保できる点から0.1以上、
また求電子剤が有効に利用され得る点から10以下にす
ることが好ましい。より好ましくは、0.5から3.0
の範囲であり、さらに好ましくは0.8から2.0の範
囲である。
用的な反応速度が確保できる点から−30℃以上、また
生成した5−および/または1−置換シクロペンタジエ
ンが2−置換シクロペンタジエンまで異性化してしまう
ことが抑制できる点から100℃以下にすることが好ま
しい。より好ましくは−10℃から80℃、さらに好ま
しくは−5℃から50℃である。圧力は常圧もしくは加
圧下で実施できる。シクロペンタジエンの常圧での沸点
は約40℃なので、常圧−開放系で行う場合には、シク
ロペンタジエンのロスを防ぐために還流冷却器を備えた
反応器で実施する方が好ましい。またシクロペンタジエ
ンと塩基との反応、および求電子剤との反応は発熱反応
であるため、除熱機構を備えた反応器を用いるのが好ま
しい。
ジエニルアニオンに対する求電子反応を起こすものであ
れば制限はなく、例えば一般式R−Xで表される。ここ
でRは、水素、または直鎖または分岐のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基を表し、
直鎖状または分岐状を問わない。また不飽和結合が含ま
れていてもかまわない。また酸素、窒素、ケイ素、ハロ
ゲンなどのヘテロ原子が含まれていてもかまわない。
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec
−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチ
ルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,
1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチ
ルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチ
ル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オク
チル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−
ドデシル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニ
ル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられ
る。
1R2で表され、アルキニル基としては一般式−CH=C
−R1で表される。R1、R2は水素または炭化水素基で
あり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1
−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペ
ンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチ
ル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デ
シル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニ
ル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5
−ヘキセニルなどが挙げられる。
プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロ
ペンテン−1−イル、2−シクロペンテン−1−イル、
シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、1−シクロヘ
キセン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3
−シクロヘキセン−1−イル、1,3−シクロヘキサジ
エン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イ
ル、シクロヘプチル、1−シクロヘプテン−1−イル、
2−シクロヘプテン−1−イル、3−シクロヘプテン−
1−イル、4−シクロヘプテン−1−イル、シクロオク
チル、1−シクロオクテン−1−イル、2−シクロオク
テン−1−イル、シクロノニル、シクロデシルなどが挙
げられる。
述べた基に一般式−OR3や一般式−COOR4で表され
る置換基が付いたものが挙げられる。R3やR4は水素ま
たは炭化水素基であり例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、
2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチ
ルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチ
ル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1
−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−
ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、
2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘ
キセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。また今ま
で述べた基にケイ素やフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のよ
うなハロゲンが含まれていてもかまわない。Xはハロゲ
ン原子、パラトルエンスルホネート基またはアルキルス
ルホネート基を表す。
説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるもの
ではない。なお、実施例等における生成物のガスクロマ
トグラフィーによる分析条件は下記のとおりである。 装置:島津製作所GC−14A、島津製作所クロマトパ
ックCR−4A カラム:J&Wサイエンティフィック社キャピラリーカ
ラムDB−1(長さ30m×内径0.25mm、液相膜
厚0.25μm) 温度条件:カラム40℃×5分→250℃(10℃/
分)注入口60℃、検出器250℃(FID)
(7.401kmol)、シクロペンタジエン101.
2kg(純度97.0%、1.485kmol)、イソ
プロピルブロマイド302.3kg(2.458kmo
l)からなる溶液をジャケット付反応器に仕込み、窒素
置換した。該溶液温度を5℃に維持しつつ、攪拌しなが
ら、窒素気流下で水酸化カリウム72.0kg(純度9
6%、1.232kmol)を8時間かけて添加した。
水酸化カリウム添加終了後、5℃でさらに4時間攪拌し
た後、反応液温度を5℃に保ちつつ、攪拌しながら、3
5%塩酸6.03kgと水432.8kgの混合物を加
えた。攪拌を止めて15分間静置した後分液を行い、イ
ソプロピルシクロペンタジエン(5−体:48.23k
g、1−体:72.07kg、2−体:8.40kg)
を含有する有機層を得た。5−および/または1−イソ
プロピルシクロペンタジエンの選択率(得られた全イソ
プロピルシクロペンタジエンに対する5−および/また
は1−イソプロピルシクロペンタジエンの比率)は9
3.5%であった。
(7.746kmol)、シクロペンタジエン106.
1kg(純度96.5%、1.549kmol)、n−
プロピルブロマイド317.6kg(2.582kmo
l)からなる溶液をジャケット付反応器に仕込み、窒素
置換した。該溶液温度を5℃に維持しつつ、攪拌しなが
ら、窒素気流下で水酸化カリウム75.5kg(純度9
6%、1.291kmol)を8時間かけて添加した。
水酸化カリウム添加終了後、5℃でさらに4時間攪拌し
た後、反応液温度を5℃に保ちつつ、攪拌しながら、3
5%塩酸6.31kgと水453.0kgの混合物を加
えた。攪拌を止めて15分間静置した後分液を行い、n
−プロピルシクロペンタジエン(5−体:48.48k
g、1−体:75.76kg、2−体:10.12k
g)を含有する有機層を得た。5−および/または1−
n−プロピルシクロペンタジエンの選択率(得られた全
イソプロピルシクロペンタジエンに対する5−および/
または1−n−プロピルシクロペンタジエンの比率)は
92.5%であった。
0.305kmol)、シクロペンタジエン142.8
kg(純度96.3%、2.081kmol)、水酸化
カリウム100.4kg(純度96%、1.718km
ol)を、ジャケット付反応器に加え、窒素気流下、室
温で3時間撹拌することによってシクロペンタジエニル
カリウム(シクロペンタジエニルアニオン)溶液を得
た。
度を5℃に保ちつつ、撹拌しながら、イソプロピルブロ
マイド422.4kg(3.434kmol)を滴下し
た。ジャケットに冷媒(−30℃)を流通し反応熱を除
去しつつ反応を実施したが、反応熱の除去がイソプロピ
ルブロマイド滴下の律速過程となり、液温度を5℃に維
持するには8時間という長時間をかけてイソプロピルブ
ロマイドを滴下する必要があった。滴下終了後、反応液
温度を5℃に保ちつつ、攪拌しながら、35%塩酸8.
65kgと水602.5kgの混合物を加えた。攪拌を
止めて15分間静置した後分液を行い、イソプロピルシ
クロペンタジエン(5−体:35.51kg、1−体:
82.26kg、2−体:64.06kg)を含有する
有機層を得た。5−および/または1−イソプロピルシ
クロペンタジエンの選択率(得られた全イソプロピルシ
クロペンタジエンに対する5−および/または1−イソ
プロピルシクロペンタジエンの比率)は64.8%であ
った。
場合であっても、目的とする5−および/または1−置
換シクロペンタジエンを高選択的に且つ簡便に製造する
ことができ、工業的規模における実施も可能となる。
Claims (6)
- 【請求項1】 シクロペンタジエンと求電子剤の共存す
る溶液から、5−および/または1−置換シクロペンタ
ジエンを製造する方法であって、求電子剤の存在下でシ
クロペンタジエニルアニオンを発生させることを特徴と
する置換シクロペンタジエンの製造方法。 - 【請求項2】 シクロペンタジエンと求電子剤の共存す
る溶液に対し、塩基を添加することによりシクロペンタ
ジエニルアニオンを発生させることを特徴とする、請求
項1記載の置換シクロペンタジエンの製造方法。 - 【請求項3】 ジメチルスルホキシドの存在下で実施す
ることを特徴とする、請求項1または2記載の置換シク
ロペンタジエンの製造方法。 - 【請求項4】 塩基が水酸化カリウムであることを特徴
とする、請求項1から3のいずれかに記載の置換シクロ
ペンタジエンの製造方法。 - 【請求項5】 反応系中の水分率が10wt%以下であ
ることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載
の置換シクロペンタジエンの製造方法。 - 【請求項6】 不活性ガス雰囲気下で行うことを特徴と
する、請求項1から5のいずれかに記載の置換シクロペ
ンタジエンの製造方法。
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