JP2002333442A - 血漿成分分離装置および血漿成分分離方法 - Google Patents

血漿成分分離装置および血漿成分分離方法

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JP2002333442A
JP2002333442A JP2001138114A JP2001138114A JP2002333442A JP 2002333442 A JP2002333442 A JP 2002333442A JP 2001138114 A JP2001138114 A JP 2001138114A JP 2001138114 A JP2001138114 A JP 2001138114A JP 2002333442 A JP2002333442 A JP 2002333442A
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Japan
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blood
plasma component
container
diluted
plasma
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Application number
JP2001138114A
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English (en)
Inventor
Hiromi Nanba
宏己 難波
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CHAWANDANI SATOSHI
Original Assignee
CHAWANDANI SATOSHI
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微量で高Htの血液から血漿成分を分離・採
取することができる分離装置および分離方法を提供する
ことにある。 【解決手段】 希釈血液を収容する血液収容容器11
と、希釈血液から希釈血漿成分を分離する分離手段20
と、分離した希釈血漿成分を収容する血漿成分採取容器
31とを有し、分離手段20は、血液収容容器11に連
通する分離容器21内に、前記希釈血液と外周面で接触
するよう中空糸22を束状に備えてなり、当該中空糸2
2は、血漿成分および希釈剤の通過を許容し、血球の通
過を阻止するサイズの貫通孔が管壁に多数形成され、そ
の内腔が前記血漿成分採取容器31に連通し、さらに、
前記血漿成分採取容器31および前記中空糸22の内腔
を減圧することのできるピストン機構40を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血漿成分分離装置
および血漿成分分離方法に関し、さらに詳しくは、採血
後直ちに、血漿成分を分離することができる血漿成分分
離装置および血漿成分分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、採血には、医師などの一定の資
格を有する者が注射器を用いて静脈から血液を採取する
一般採血と、検査対象者自ら手指などに採血針を刺して
血液を採取する自己採血とがある。
【0003】一般採血により採取された血液は、採取容
器に収容されて密閉され、この状態で検査可能な場所ま
で搬送され、そこで遠心分離器により血球成分と血漿成
分とを分離した後、所定の検査に供されている。他方、
自己採血により採取された血液は、濾紙に含浸され、乾
燥された状態で検査可能な場所まで搬送される。そし
て、血液が含浸された濾紙のうち白色の領域(血漿成
分)を切り取り、これを溶剤に溶解して所定の検査(分
析)に供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般採
血により採取された血液からの血漿成分を分析する場合
に、採取された血液を遠心分離した後、上澄である血漿
をスポイトで吸い取り、血漿分析機用の特殊容器に移す
操作が必要であり、血液を血球成分と血漿成分とに分離
するのに手間がかかってコスト高になるとともに、血漿
成分を特殊容器に移す際に、取り違えるなどのミスが起
こるおそれがあった。
【0005】また、血液中における血球成分は経時的に
溶血するため、常温環境下での血液の精度保証期間はせ
いぜい1日程度である。このため、当該期間を経過した
後に検査を行った場合には、ナトリウム、カリウム、ク
ロムなどの電解質の測定値に影響を及ぼしたり、GO
T、GPTなどの酵素系の測定ができなくなったりし、
診断・診療などの指針として信頼性のある数値を得るこ
とができないという問題がある。
【0006】また、遠心分離機により血液を分離して所
定の検査を行うためには、1回に5〜10ミリリットル
程度の採血が必要であり、このような量の採血を検査対
象者自ら実施することは困難である。このため、医師な
どの一定の資格を有する者が採血することになり、検査
対象者が病院などに行くか、有資格者などが検査対象者
の居所に出向く必要があり、採血するまでに手間がかか
っていた。
【0007】他方、自己採血により採取された血液を検
査(分析)に供するためには、血液を濾紙に含浸させて
乾燥した後、血漿成分が含浸された白色の領域を溶剤に
溶解するという処理が必要であり、検査項目によって
は、このような処理が測定値に影響を与えるおそれがあ
る。従って、自己採血された血液で信頼性のある数値を
得ることのできる検査項目は限定されている。
【0008】本発明は、以上のような事情に基いてなさ
れたものである。本発明の目的は、微量の血液(例えば
30μL程度)であっても、簡単な操作で、当該血液中
の血漿成分を分離・採取することができる分離装置およ
び分離方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、ヘマトクリット値の高い血液(例えば50%以上)
であっても、簡単な操作で、当該血液中の血漿成分を高
い効率で分離・採取することができる分離装置および分
離方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、種々の検査に対応可能な血漿成分を微量の血液から
採取することができる分離装置および分離方法を提供す
ることにある。本発明のさらに他の目的は、微量の血液
から信頼性の高い数値(検査結果)を得ることができる
分離装置および分離方法を提供することにある。本発明
のさらに他の目的は、血漿成分の保存安定性に優れた分
離装置および分離方法を提供することにある。本発明の
さらに他の目的は、血液検査のコストの低減を図ること
ができる分離装置および分離方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の血漿成
分分離装置は、希釈剤によって希釈された血液を一時的
に収容する血液収容容器と、当該希釈血液から希釈血漿
成分を分離する分離手段と、前記分離手段によって分離
した希釈血漿成分を収容する血漿成分採取容器とを有す
る血漿成分分離装置であって、前記分離手段は、前記血
液収容容器に連通する分離容器内に、前記希釈血液と外
周面において接触するよう中空糸を束状に備えてなり、
当該中空糸は、血漿成分および希釈剤の通過を許容し、
血球の通過を阻止するサイズの貫通孔が管壁に多数形成
され、その内腔が前記血漿成分採取容器に連通してお
り、さらに、この血漿成分分離装置は、前記血漿成分採
取容器および前記中空糸の内腔を減圧することのできる
ピストン機構を有し、当該ピストン機構によって、前記
血漿成分採取容器および前記中空糸の内腔を減圧するこ
とにより、前記血液収容容器に収容されている前記希釈
血液が前記分離容器に導入されるとともに、当該希釈血
液中の希釈血漿成分が、前記中空糸の貫通孔から内腔に
浸入し、当該内腔を流通して前記血漿成分採取容器に収
容されるよう構成されていることを特徴とする。
【0010】ここに、「希釈血液」とは、希釈剤により
希釈されている状態の血液をいい、実質的に、血球成分
と血漿成分と希釈剤とにより構成される。また、「希釈
血漿成分」とは、希釈剤により希釈されている状態の血
漿成分をいい、実質的に、血漿成分と希釈剤とにより構
成される。
【0011】請求項2に記載の血漿成分分離装置は、請
求項1に記載の血漿成分分離装置において、前記分離容
器は、前記血漿成分採取容器からの流体の流入を許容す
る逆止弁を介して、当該血漿成分採取容器に連通してお
り、前記ピストン機構は、前記血漿成分採取容器を加圧
することができ、当該ピストン機構によって前記血漿成
分採取容器を加圧することにより、当該血漿成分採取容
器に採取された希釈血漿成分の一部または全部が前記分
離容器および前記血液収容容器に導入されるよう構成さ
れていることを特徴とする。
【0012】請求項1または請求項2に記載の血漿成分
分離装置において、前記ピストン機構は、前記血漿成分
採取容器に連通するシリンダーと、当該シリンダー内で
上下に摺動するピストンと、当該ピストンを押し上げる
よう付勢するスプリングとを備えてなり、前記ピストン
を、スプリングによる付勢力に抗して押し下げることに
よって前記血漿成分採取容器を加圧し、当該ピストンの
押し下げ力を解除して前記スプリングを復元させること
により、前記血漿成分採取容器および前記中空糸の内腔
を減圧するよう構成されていることが好ましい。
【0013】また、前記中空糸の管壁に形成された貫通
孔の径が0.4〜0.6μmであることが好ましい。
【0014】請求項5に記載の血漿成分分離方法は、血
漿成分および希釈剤の通過を許容し、血球の通過を阻止
するサイズの貫通孔が管壁に多数形成されてなる中空糸
の外周面に希釈血液を接触させ、当該中空糸の内腔を減
圧することにより、前記希釈血液中の希釈血漿成分を、
当該中空糸の貫通孔から内腔に浸入させて分離する工程
を含むことを特徴とする。
【0015】請求項6に記載の血漿成分分離方法は、請
求項1に記載の血漿成分分離装置を使用して行う血漿成
分分離方法において、前記血液収容容器に希釈剤を入れ
た後、採取した血液を前記希釈剤中に滴下して当該血液
を希釈する工程Aと、前記ピストン機構によって、前記
血漿成分採取容器および前記中空糸の内腔を減圧するこ
とにより、前記血液収容容器に収容されている希釈血液
を前記分離容器に導入させるとともに、当該希釈血液中
の希釈血漿成分を、前記中空糸の貫通孔から内腔に浸入
させ、当該内腔を流通させて前記血漿成分採取容器に収
容する工程Bとを含むことを特徴とする。
【0016】請求項7に記載の血漿成分分離方法は、請
求項2に記載の血漿成分分離装置を使用して行う血漿成
分分離方法において、前記血液収容容器に希釈剤を入れ
た後、採取した血液を前記希釈剤中に滴下して当該血液
を希釈する工程Aと、前記ピストン機構によって、前記
血漿成分採取容器および前記中空糸の内腔を減圧するこ
とにより、前記血液収容容器に収容されている希釈血液
を前記分離容器に導入させるとともに、当該希釈血液中
の希釈血漿成分を、前記中空糸の貫通孔から内腔に浸入
させ、当該内腔を流通させて前記血漿成分採取容器に収
容する工程Bと、前記ピストン機構によって前記血漿成
分採取容器を加圧することにより、当該血漿成分採取容
器に採取された希釈血漿成分の一部または全部を前記分
離容器および前記血液収容容器に導入する工程Cと、前
記ピストン機構によって、前記血漿成分採取容器および
前記中空糸の内腔を再度減圧することにより、前記血液
収容容器および/または前記分離容器に残留している血
液中の血漿成分、並びに前記血液収容容器に導入した希
釈血漿成分を、前記中空糸の貫通孔から内腔に浸入さ
せ、当該内腔を流通させて前記血漿成分採取容器に収容
する工程Dとを含むことを特徴とする。
【0017】請求項6または請求項7に記載の血漿成分
分離方法において、前記血液収容容器に入れる希釈剤中
に一定量の添加剤を含有せしめ、当該希釈剤中における
添加剤の濃度〔C0 〕を算出または測定し、さらに、前
記血漿成分採取容器に採取された希釈血漿成分中におけ
る当該添加剤の濃度〔C〕を測定し、下記の式(i)に
従って血漿成分の希釈倍率を求める工程を含むことが好
ましい。また、前記添加剤として、抗菌性を有する血液
の保存安定剤を含有せしめることが好ましい。
【0018】
【数2】
【0019】〔式中、Vd は希釈血漿成分中の希釈剤の
体積、Vp は希釈血漿成分中の血漿成分の体積、(Vd
+Vp )/Vp は希釈倍率である。〕
【0020】
【作用】〔1〕中空糸による血漿成分の分離操作を行う
前に、希釈剤による血液の希釈化が行われる。このよう
にして得られる希釈血液は、血球成分の割合が低下して
流動性が向上している。この結果、採取された血液が微
量である場合でも、また、採取した血液のヘマトクリッ
ト値が高い場合であっても、当該血液中の血漿成分を確
実に分離・採取することができる。
【0021】〔2〕請求項1に係る装置を使用して行う
分離方法(請求項6に係る分離方法)において、血液収
容容器内で採取した血液を希釈した後、ピストン機構に
よって、血漿成分採取容器および中空糸の内腔を減圧す
ることにより、血液収容容器(常圧)に収容されている
希釈血液は、中空糸の束状体(中空糸モジュール)を備
えた分離容器に導入され、当該中空糸の外周面と接触す
る。そして、中空糸の外周面(常圧)と、当該中空糸の
内腔(負圧)との間の圧力差によって、希釈血液中の希
釈血漿成分(希釈剤および血漿成分)は、中空糸の管壁
に形成された貫通孔から内腔に浸入し、血球成分は、当
該中空糸の外周面に残留する。これにより、希釈血漿成
分と、血球成分とが分離される。中空糸の内腔に浸入し
た流動性の高い希釈血漿成分は、当該内腔を流通して血
漿成分採取容器に収容される。
【0022】〔3〕請求項2に係る装置を使用して行う
分離方法(請求項7に係る分離方法)において、上記と
同様にして、希釈血漿成分を血漿成分採取容器に収容し
た後、ピストン機構によって血漿成分採取容器を加圧す
ることにより、当該血漿成分採取容器に採取された希釈
血漿成分の一部または全部が、分離容器および血液収容
容器(常圧)に導入される。このとき、分離容器に導入
された希釈血漿成分により、中空糸の外周面が洗浄され
る。これにより、最初の操作で分離されず血液収容容器
および/または分離容器内に残留している血液(血球成
分および血漿成分)と、血液収容容器に導入された当該
希釈血漿成分(希釈剤および血漿成分)とが混合され
る。次いで、ピストン機構によって、血漿成分採取容器
および中空糸の内腔を再度減圧すると、当該混合液(血
球成分、血漿成分、希釈剤)中の希釈血漿成分(希釈剤
および血漿成分)が、中空糸に形成された貫通孔から内
腔に浸入し、当該内腔を流通して血漿成分採取容器に収
容される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の一実施形態について詳細に説明する。図1は、本発
明の血漿成分分離装置の一例を示す平面図、図2は、当
該血漿成分分離装置の断面図(図1におけるA−A断面
図)、図3は、当該血漿成分分離装置の分離手段の構成
を模式的に示す説明図、図4は、当該血漿成分分離装置
の原理(流体のフロー)を示す説明図である。
【0024】図1乃至図4に示す血漿成分分離装置は、
希釈血液(希釈剤、血球成分および血漿成分)から希釈
血漿成分(希釈剤および血漿成分)を分離する装置であ
って、希釈血液を一時的に収容する血液収容容器11
と、希釈血液から希釈血漿成分を分離する分離手段20
と、分離した希釈血漿成分を収容する血漿成分採取容器
31と、ピストン機構40と、保護容器50とを有して
なり、合成樹脂の成型品を主体とする構成部品を組み立
てることにより構成されている。
【0025】〔血液収容容器〕本発明の分離装置を構成
する血液収容容器11は、採取した血液を希釈剤によっ
て希釈して得られる希釈血液を一時的に収容するための
容器であり、当該希釈血液の保存性を確保(異物混入や
乾燥を防止)する観点から蓋部12が装着されている。
【0026】本発明の分離装置を構成する分離手段20
は、血液収容容器11に連通する分離容器21内に、中
空糸22の束状体(中空糸モジュール)を備えてなる。
図2に示すように、分離容器21は、T字型の断面空間
を有し、その上部には、血液収容容器11と連通するた
めの開口211が形成されている。なお、分離容器21
の一端側(図2の左側)に形成された開口は、蓋部21
2により封止されている。また、分離容器21の他端側
(図2の右側)に形成された開口は、中空糸の接続部2
3によって封止されている。分離容器21の下部空間に
は、希釈血液のデッドボリュームを少なくするための内
管213が装着されている。分離容器21の下側には、
ノズル24が一体的に設けられ、このノズル24の基端
部には、血漿成分採取容器31から分離容器21への流
体の流通を許容し、分離容器21から血漿成分採取容器
31への流体の流通を許容しない逆止弁25が装着され
ている。
【0027】分離容器21内において束状体を構成する
中空糸22の各々は、内腔を有する細管からなり、その
管壁には、外周面から内腔に至る貫通孔であって、血漿
成分および希釈剤の通過を許容し、血球の通過を阻止す
るサイズの貫通孔が多数形成されている。ここに、中空
糸21の内径(内腔の直径)としては、例えば100〜
300μmとされ、好ましくは150〜300μmとさ
れる。また、希釈血漿成分と血球成分とを分離するため
に好適な貫通孔の径としては0.4〜0.6μmとさ
れ、最も好ましくは0.5μmとされる。中空糸21の
構成材料としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース、セル
ロース系誘導体、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢
酸ビニル共重合体およびエチレンビニルアルコールなど
を挙げることができ、これらのうち、親水性を有するポ
リエーテルスルホンが好ましい。
【0028】分離容器21内における中空糸21の長さ
(本数)は、その長さ(有効長さ)から求められる有効
表面積が、以下のようにして算出される血球被覆表面積
(CA)より大きくなるよう設定することが必要であ
り、当該血球被覆表面積(CA)の1.5倍以上となる
よう設定することが好ましい。
【0029】〔血球被覆表面積(CA)の算出方法〕採
血量をV(μL=10-93 )、ヘマトクリット値をH
t(%)、血球の平均径をd(μm=10-6m)とする
と、当該血液中に存在する血球の個数(n)は、下記の
式により概算される。
【0030】
【数3】
【0031】次に、1個の血球が中空糸の外周面に付着
したときに、当該血球によって被覆される中空糸外周面
の面積は、下記のようにして概算される。図5は、中空
糸の外周面に付着するときの血球の形状変化を示す断面
図(血球の中心を通る断面図)であり、21は中空糸、
CおよびC’は、それぞれ、中空糸21の表面に付着す
る前後における血球を示している。図5に示した断面視
において、血球Cは、直径dの円形であって、その面積
(断面積)は、π(d/2)2 である。他方、断面視に
おける血球C’は、半楕円形状であって、その高さは、
血球Cの直径dのほぼ0.2倍であり、その面積(断面
積)は、長軸を2aとすると、0.1πadである。そ
して、血球Cおよび血球C’の面積(断面積)は等しい
〔π(d/2)2 =0.1πad〕ことから、a=2.
5dとなる。従って、1個の血球C’によって被覆され
る中空糸外周面の面積(m2 )は、πa2 =π(2.5
d・10-62 となる。次に、n個の血球が、中空糸の
外周面に付着したとすると、当該血球によって被覆され
る中空糸外周面の面積〔血球被覆表面積(CA)〕は
〔π(2.5d・10-62 〕・nとなり、これに上記
の式で求めたnを代入すると、CA=3.75×10-4
(V・Ht/d)となる。しかして、n個の血球が中空
糸の外周面に付着している場合(中空糸の貫通孔がn個
の血球により封鎖されている場合)であっても、血漿成
分および希釈剤を中空糸の内腔へ浸入させるためには、
当該中空糸の有効表面積を、血球被覆表面積(CA)よ
り大きくなるように設定することが必要となる。
【0032】図3にも示すように、分離容器21の内部
空間(S1 )における束状体(中空糸モジュール)を構
成する中空糸22の各々は、その両端部が接続部23を
貫通して、血漿成分採取容器31に連通する外部空間
(S2 )において開口している。これにより、分離容器
21の内部空間(S1 )は、中空糸22の内腔を介して
のみ、外部空間(S2 )と連通することになる。従っ
て、分離容器21の内部空間(S1 )に導入される希釈
血液のうち、中空糸22の管壁に形成された貫通孔を通
過する希釈血漿成分(希釈剤および血漿成分)のみが、
当該外部空間(S2)に到達することができる。
【0033】図2において、符号26で示す構成部材
は、中空糸22の内腔から血漿成分採取容器31へ至る
流体の流通を許容する逆止弁である。従って、中空糸2
2の内腔を流通して、図3に示した外部空間(S2 )に
到達した希釈血漿成分(希釈剤および血漿成分)は、こ
の逆止弁26を通過することにより血漿成分採取容器3
1に収容される。
【0034】〔血漿成分採取容器〕血漿成分採取容器3
1は、分離手段20により分離された希釈血漿成分、す
なわち、中空糸21に形成された貫通孔から内腔に浸入
し、当該内腔を流通し、逆止弁26を通過した希釈血漿
成分を収容するための容器である。符号32で示す構成
部材は、血漿成分採取容器31内の気密性・液密性を確
保するためのパッキンである。
【0035】〔ピストン機構〕ピストン機構40は、血
漿成分採取容器31に連通するシリンダー41と、この
シリンダー41内で上下に摺動するピストン42と、こ
のピストン42を押し上げるよう付勢するスプリング4
3とを備えてなる。
【0036】このピストン42を、スプリング43によ
る付勢力に抗して押し下げることによって、シリンダー
41に連通する血漿成分採取容器31内に圧縮空気が送
られる。この圧縮空気は、逆止弁25を通過し、分離容
器21および血液収容容器11を通って大気中に放出さ
れる。血液収容容器11内に希釈血液が収容されている
状態において、ピストン42の押し下げ力を解除して前
記スプリング43を復元させることにより、シリンダー
41に連通する血漿成分採取容器31内の空気が吸引さ
れて減圧されるとともに、逆止弁26が開いて、中空糸
21の内腔が減圧される。この結果、中空糸21の内腔
と、外側(分離容器21の内部空間)との間に圧力差を
発生させることができる。
【0037】以下、上記の分離装置を使用して行う血漿
成分分離方法(本発明の分離方法)について説明する。
【0038】〔A〕希釈工程:血液収容容器11に希釈
剤を入れた後、採取した血液を前記希釈剤中に滴下して
当該血液を希釈する。ここに、血液の滴下量としては、
25〜50μL(マイクロリットル)であることが好ま
しく、このような微量の血液であっても、検査に必要な
量の血漿成分を確実に分離・採取することができる。
【0039】本発明の分離方法は、採取した血液から、
直接的に血漿成分を分離するのではなく、希釈剤により
当該血液を希釈してから血漿成分を分離・採取する点に
特徴を有する。このように、血漿成分の分離操作を行う
前処理として、血液の希釈化を行うことにより、血球成
分の割合が低く、流動性が高くて、中空糸22の内腔に
浸入しやすい希釈血液が得られる。従って、採取された
血液が微量(例えば30μL程度)である場合であって
も、また、採取した血液のヘマトクリット値が高い場合
(例えば50%以上)であっても、当該血液中の血漿成
分を確実に分離・採取することができる。
【0040】本発明の分離方法に使用する希釈剤として
は、血球破壊などを防止するために生理食塩水を挙げる
ことができ、当該生理食塩水をベースとして、定量の添
加剤が含有されているものを好適に使用することができ
る。
【0041】希釈剤中に含有される添加剤は、最終的に
採取される希釈血漿成分の希釈倍率を測定するための指
標となる。ここに、希釈剤中における添加剤の濃度を
〔C0 〕、希釈血漿成分中における添加剤の濃度を
〔C〕とすると、希釈倍率は、〔C0 /(C0 −C)〕
で求めることができる。
【0042】すなわち、体積(Vd )の希釈剤により、
体積(Vp )の血漿成分を希釈する場合に、その希釈倍
率は、(Vd +Vp )/Vp となる。また、体積
(Vd )の希釈剤中における添加剤の質量を(w)とす
ると、濃度〔C0 〕=(w/Vd )であり、濃度〔C〕
=〔w/(Vd +Vp )であるので、これらの式を変形
すると、上記の式(i)『〔(Vd +Vp )/Vp 〕=
0/(C0 −C)』が得られる。そして、このように
して求められる希釈倍率を、希釈血漿成分から測定され
た数値に乗じることにより、血漿成分としての数値(補
正値)が得られる。
【0043】希釈剤に含有される添加剤としてとして
は、血液に対して悪影響を及ぼさない物質であって、濃
度の測定を容易に行うことのできる物質であれば特に限
定されるものではない。具体的には、メチレンブルー、
マラカイトグリーンなどの色素;タリビット、ソルビン
酸などの抗菌性を有する血液の保存安定剤などを挙げる
ことができ、血液の保存安定剤を使用することが好まし
い。
【0044】〔B〕希釈血漿成分の分離工程:ピストン
機構40を構成するピストン42を、スプリング43に
よる付勢力に抗して押し下げた後、ピストン42の押し
下げ力を解除して前記スプリング43を復元させる。こ
れにより、前記血漿成分採取容器31が減圧され、ま
た、逆止弁26が開いて、中空糸21の内腔が減圧され
る。この結果、中空糸21の内腔と、当該中空糸22の
外周面(分離容器21の内部空間)との間に圧力差が発
生する。
【0045】この圧力差によって、血液収容容器11に
収容されている希釈血液が分離容器21の内部空間に導
入されるとともに、図6に示すように、導入された希釈
血液(希釈剤D、血球成分Cおよび血漿成分P)のう
ち、希釈血漿成分(希釈剤Dおよび血漿成分P)が、中
空糸22の貫通孔221から内腔に浸入し、血球成分C
は、中空糸22の外周近傍に残留する。これにより、希
釈血漿成分(D,P)と、血球成分Cとが分離される。
中空糸22の内腔に浸入した流動性の高い希釈血漿成分
(D,P)は、当該内腔を流通して血漿成分採取容器に
収容される。
【0046】中空糸21の外側(常圧)と内腔(負圧)
との圧力差としては、血球成分と、希釈血漿成分とを分
離することが可能であって、かつ、血球の破壊を発生さ
せない程度であることが必要であり、具体的には0.1
〜0.3気圧の範囲内であることが好ましい。かかる圧
力差が過小である場合には、血漿成分の分離を効率的に
行うことができない。他方、圧力差が過大となる場合に
は、血球成分の破壊を招く。
【0047】〔C〕希釈血漿成分の再導入工程:以下の
工程は、上記の工程終了後、血液収容容器11および/
または分離容器21内に血液が残留している場合に行わ
れる。ピストン機構40を構成するピストン42を再度
押し下げることによって血漿成分採取容器31を加圧す
る。これにより、血漿成分採取容器31に収容された希
釈血漿成分の一部または全部が、逆止弁25を通過し、
分離容器21および血液収容容器11に導入される。こ
のとき、分離容器21に導入された希釈血漿成分によ
り、中空糸22の外周面を洗浄することができる。これ
により、最初の操作で分離されずに血液収容容器11お
よび/または分離容器21内に残留している血液(血球
成分および血漿成分)と、血液収容容器11に導入され
た当該希釈血漿成分(希釈剤および血漿成分)とが混合
される。
【0048】〔D〕再分離工程:ピストン42の押し下
げ力を解除してスプリング43を復元させることによ
り、血漿成分採取容器31が再度減圧され、また、逆止
弁26が開いて、中空糸21の内腔が再度減圧され、中
空糸21の内腔と、外側との間に圧力差が発生する。こ
の圧力差によって、残留血液と希釈血漿成分との混合液
(血球成分、血漿成分、希釈剤)中の希釈血漿成分(希
釈剤および血漿成分)が、中空糸22に形成された貫通
孔から内腔に浸入し、当該内腔を流通して血漿成分採取
容器に収容される。
【0049】上記のようにして、血液収容容器11およ
び分離容器21への希釈血漿成分の再導入工程(工程
C)と、希釈血漿成分の再分離工程(工程D)とを行う
ことにより、1回の分離操作では、収容することのでき
なかった血漿成分を分離・収容することができ、血漿成
分の収率の向上を図ることができる。
【0050】
【実施例】図1乃至図3に示したような構成の血漿成分
分離装置を使用し、ヘマトクリット値が50%の血液か
ら血漿成分を分離した。
【0051】ここに、分離容器(21)内に備えた中空
糸(22)の束状体(中空糸モジュール)の仕様は以下
のとおりである。 ・材質:ポリエーテルスルホン ・中空糸の内径(内腔の直径):150μm, ・中空糸厚:70μm, ・中空糸の管壁に形成された貫通孔の平均孔径0.5μ
m, ・有効表面積:0.06m2 (血球被覆表面積(CA)
=3.75×10-4(V・Ht/d)の約1.5倍)
【0052】また、血液収容容器(11)には、添加剤
としてタリビット(抗菌剤)を含有せしめた生理食塩水
〔添加剤の濃度(C0 )=35mg/mL〕からなる希
釈剤100mLを入れ、この希釈剤中に、前記血液30
μLを滴下して当該血液を希釈した。次いで、ピストン
機構(40)を構成するピストン(42)を押し下げた
後、押し下げ力を解除してスプリング(43)を復元さ
せることにより、血漿成分採取容器(31)内に希釈血
漿成分〔添加剤の濃度(C)=30mg/mL〕80μ
Lを収容することができた。この操作中に、血球成分の
溶血などは発生しなかった。添加剤の濃度から算出され
た希釈倍率は7であった。
【0053】
【発明の効果】本発明の分離装置および分離方法によれ
ば、以下のような顕著な効果が奏される。 〔1〕従来の分離装置では血漿成分の採取が不可能であ
った微量の血液であっても、簡単な操作で、当該微量の
血液から血漿成分を分離・採取することができる。 〔2〕ヘマトクリット値の高い血液であっても、簡単な
操作で、当該血液中の血漿成分を高い効率で分離・採取
することができる。 〔3〕種々の検査に対応可能な血漿成分を微量の血液か
ら採取することができる。 〔4〕微量の血液から信頼性の高い数値(検査結果)を
得ることができる。 〔5〕血漿成分の保存安定性を向上させることができ
る。 〔6〕血液検査のコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の血漿成分分離装置の一例を示す平面図
である。
【図2】本発明の血漿成分分離装置の一例を示す断面図
である。
【図3】本発明の血漿成分分離装置の一例の分離手段の
構成を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の血漿成分分離装置の原理を示す説明図
である。
【図5】中空糸の外周面に付着するときの血球の形状変
化を示す断面図である。
【図6】中空糸によって希釈血液から希釈血漿成分が分
離される状態を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
11 血液収容容器 12 蓋部 20 分離手段 21 分離容器 22 中空糸 221 貫通孔 23 接続部 24 ノズル 25 逆止弁 26 逆止弁 211 開口 212 蓋部 213 内管 31 血漿成分採取容器 40 ピストン機構 41 シリンダー 42 ピストン 43 スプリング 50 保護容器 C 血球成分 P 血漿成分 D 希釈剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 501186092 酒井 昌哉 東京都新宿区中落合1丁目7番3−207号 (72)発明者 難波 宏己 東京都中野区本町1丁目2−11 シャルム 202 Fターム(参考) 2G045 BA08 BA10 BB31 BB41 CA25 FA04 HA06 HA14 JA01 JA07 2G052 AA30 AD06 AD26 CA13 CA35 DA01 EA08 FD01 HC25 JA09 4C038 TA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希釈剤によって希釈された血液を一時的
    に収容する血液収容容器(11)と、当該希釈血液から
    希釈血漿成分を分離する分離手段(20)と、前記分離
    手段(20)によって分離した希釈血漿成分を収容する
    血漿成分採取容器(31)とを有する血漿成分分離装置
    であって、 前記分離手段(20)は、前記血液収容容器(11)に
    連通する分離容器(21)内に、前記希釈血液と外周面
    において接触するよう中空糸(22)を束状に備えてな
    り、当該中空糸(22)は、血漿成分および希釈剤の通
    過を許容し、血球の通過を阻止するサイズの貫通孔が管
    壁に多数形成され、その内腔が前記血漿成分採取容器
    (31)に連通しており、 さらに、前記血漿成分採取容器(31)および前記中空
    糸(22)の内腔を減圧することのできるピストン機構
    (40)を有し、 当該ピストン機構(40)によって、前記血漿成分採取
    容器(31)および前記中空糸(22)の内腔を減圧す
    ることにより、前記血液収容容器(11)に収容されて
    いる前記希釈血液が前記分離容器(21)に導入される
    とともに、当該希釈血液中の希釈血漿成分が、前記中空
    糸(22)の貫通孔から内腔に浸入し、当該内腔を流通
    して前記血漿成分採取容器(31)に収容されるよう構
    成されていることを特徴とする血漿成分分離装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の血漿成分分離装置にお
    いて、 前記分離容器(21)は、前記血漿成分採取容器(3
    1)からの流体の流入を許容する逆止弁(25)を介し
    て、当該血漿成分採取容器(31)に連通しており、 前記ピストン機構(40)は、前記血漿成分採取容器
    (31)を加圧することができ、 当該ピストン機構(40)によって前記血漿成分採取容
    器(31)を加圧することにより、当該血漿成分採取容
    器(31)に採取された希釈血漿成分の一部または全部
    が前記分離容器(21)および前記血液収容容器(1
    1)に導入されるよう構成されていることを特徴とする
    血漿成分分離装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の血漿成
    分分離装置において、 前記ピストン機構(40)は、前記血漿成分採取容器
    (31)に連通するシリンダー(41)と、当該シリン
    ダー(41)内で上下に摺動するピストン(42)と、
    当該ピストン(42)を押し上げるよう付勢するスプリ
    ング(43)とを備えてなり、 前記ピストン(42)を、スプリング(43)による付
    勢力に抗して押し下げることによって前記血漿成分採取
    容器(31)を加圧し、 当該ピストン(42)の押し下げ力を解除して前記スプ
    リング(43)を復元させることにより、前記血漿成分
    採取容器(31)および前記中空糸(22)の内腔を減
    圧するよう構成されていることを特徴とする血漿成分分
    離装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
    血漿成分分離装置において、前記中空糸(22)の管壁
    に形成された貫通孔の径が0.4〜0.6μmであるこ
    とを特徴とする血漿成分分離装置。
  5. 【請求項5】 血漿成分および希釈剤の通過を許容し、
    血球の通過を阻止するサイズの貫通孔が管壁に多数形成
    されてなる中空糸の外周面に希釈血液を接触させ、当該
    中空糸の内腔を減圧することにより、前記希釈血液中の
    希釈血漿成分を、当該中空糸の貫通孔から内腔に浸入さ
    せて分離する工程を含むことを特徴とする血漿成分分離
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の血漿成分分離装置を使
    用して行う血漿成分分離方法において、 前記血液収容容器(11)に希釈剤を入れた後、採取し
    た血液を前記希釈剤中に滴下して当該血液を希釈する工
    程Aと、 前記ピストン機構(40)によって、前記血漿成分採取
    容器(31)および前記中空糸(22)の内腔を減圧す
    ることにより、前記血液収容容器(11)に収容されて
    いる希釈血液を前記分離容器(21)に導入させるとと
    もに、当該希釈血液中の希釈血漿成分を、前記中空糸
    (22)の貫通孔から内腔に浸入させ、当該内腔を流通
    させて前記血漿成分採取容器(31)に収容する工程B
    とを含むことを特徴とする血漿成分分離方法。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の血漿成分分離装置を使
    用して行う血漿成分分離方法において、 前記血液収容容器(11)に希釈剤を入れた後、採取し
    た血液を前記希釈剤中に滴下して当該血液を希釈する工
    程Aと、 前記ピストン機構(40)によって、前記血漿成分採取
    容器(31)および前記中空糸(22)の内腔を減圧す
    ることにより、前記血液収容容器(11)に収容されて
    いる希釈血液を前記分離容器(21)に導入させるとと
    もに、当該希釈血液中の希釈血漿成分を、前記中空糸
    (22)の貫通孔から内腔に浸入させ、当該内腔を流通
    させて前記血漿成分採取容器(31)に収容する工程B
    と、 前記ピストン機構(40)によって前記血漿成分採取容
    器(31)を加圧することにより、当該血漿成分採取容
    器(31)に採取された希釈血漿成分の一部または全部
    を前記分離容器(21)および前記血液収容容器(1
    1)に導入する工程Cと、 前記ピストン機構(40)によって、前記血漿成分採取
    容器(31)および前記中空糸(22)の内腔を再度減
    圧することにより、前記血液収容容器(11)および/
    または前記分離容器(21)に残留している血液中の血
    漿成分、並びに前記血液収容容器(11)に導入した希
    釈血漿成分を、前記中空糸(22)の貫通孔から内腔に
    浸入させ、当該内腔を流通させて前記血漿成分採取容器
    (31)に収容する工程Dとを含むことを特徴とする血
    漿成分分離方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載の血漿成
    分分離方法において、前記血液収容容器(11)に入れ
    る希釈剤中に一定量の添加剤を含有せしめ、当該希釈剤
    中における添加剤の濃度〔C0 〕を算出または測定し、
    さらに、前記血漿成分採取容器(31)に採取された希
    釈血漿成分中における当該添加剤の濃度〔C〕を測定
    し、下記の式(i)に従って血漿成分の希釈倍率を求め
    る工程を含むことを特徴とする血漿成分分離方法。 【数1】 〔式中、Vd は希釈血漿成分中の希釈剤の体積、Vp
    希釈血漿成分中の血漿成分の体積、(Vd +Vp )/V
    p は希釈倍率である。〕
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の血漿成分分離方法にお
    いて、前記添加剤として、抗菌性を有する血液の保存安
    定剤を含有せしめることを特徴とする血漿成分分離方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006208167A (ja) * 2005-01-27 2006-08-10 Enplas Corp 液体混合装置
JP2012098036A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Sony Corp 試料流入装置、試料流入チップ及び試料流入方法

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