JP2002260720A - ニッケル・水素二次電池 - Google Patents
ニッケル・水素二次電池Info
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Abstract
優れ、そして低価格で製造することができるニッケル・
水素二次電池を提供する。 【解決手段】 水酸化ニッケルを主体とする正極合剤が
集電体に坦持されている正極1Cと、水素吸蔵合金を主
体とする負極合剤が集電体に坦持されている負極1A
と、正極と負極の間に配置されたセパレータ1Bとから
成る電極群1が、アルカリ電解液とともに電池缶2の中
に封入されているニッケル・水素二次電池において、正
極1Cの集電体は、水溶性カップリング剤で表面処理さ
れているニッケル・水素二次電池。
Description
電池に関し、更に詳しくは、組み込まれている正極が高
い集電効率を示すので、優れた高レート放電特性を有
し、同時に安価に製造することもできるニッケル・水素
二次電池に関する。
正極には、大別して、焼結式のものとペースト式のもの
がある。このうち、ペースト式の正極は、正極活物質で
ある水酸化ニッケルの粉末とカルボキシメチルセルロー
スのような結着剤とを適量の水とともに混練して正極合
剤のペーストを調製し、そのペーストを集電体に充填ま
たは塗布したのち乾燥、加圧成形を順次行い、前記集電
体に正極合剤を坦持させることにより製造されている。
ル粉末(正極活物質)と集電体の間で充分な電気的な接
触状態を形成することが、活物質の利用率の向上、更に
は高レート放電特性を実現するためには必要とされてい
る。このような観点から、現在のペースト式正極は、例
えば特公昭57−39317号公報に開示されているよ
うに、ニッケル発泡体のような3次元網状構造の多孔基
板を集電体として用い、これに、水酸化ニッケル粉末と
結着剤の外に更に金属コバルトや各種のコバルト化合物
の粉末を導電剤として添加して成る正極合剤のペースト
を充填したものが主流になっている。
網状構造になっているので、2次元基板を用いた正極の
場合に比べて集電効率が優れており、しかも正極活物質
の充填密度を高めることができるので、活物質の利用率
向上と正極の高容量化にとって有利である。また、金属
コバルトやコバルト化合物は、電池内のアルカリ電解液
と接触して一旦錯イオンになって当該アルカリ電解液に
溶解し、更に正極合剤内の水酸化ニッケル粉末の間に広
がっていき、そして初充電時に酸化されてコバルトの高
次酸化物に転化する。このコバルト高次酸化物は、水酸
化ニッケルより高い電子導電性を有しているので、正極
合剤内の水酸化ニッケル相互の間には、いわば導電性マ
トリックスが形成された状態になり、正極合剤における
集電効率は向上し、その結果として活物質の利用率が向
上する。
電動工具や電気自動車や電動アシスト自転車などの駆動
電源、すなわち大電流放電が必要である駆動電源として
の用途が拡大している。このような用途分野では、駆動
電源であるニッケル・水素二次電池に激しい振動の加わ
ることもあるので、組み込まれている正極には、その正
極合剤と集電体との間や正極合剤内の水酸化ニッケル粉
末相互の間で互いが強固に結合していることが要求され
る。そして同時に、電池それ自体の低価格化が強く求め
られている。
極で用いる従来の集電体(ニッケル発泡体)は、3次元
網状構造であるがゆえに正極合剤の保持能力の点や集電
効率の点で好適といえるが、他方ではその製造コストは
高いという問題がある。このようなことから、例えば特
開平7−335208号公報では、波形状に穿孔したバ
リ付きの金属多孔板を正極用の集電体とするアルカリ二
次電池が提案されている。この先行技術の場合、集電体
は従来のニッケル発泡体に比べて低価格化するが、他方
では、正極合剤が当該集電体から剥離しやすく、集電効
率が低下するので、高レート放電を期待することは困難
である。
は、粉末圧延法で金属シートを製造し、それに複数の開
口とバリ部を形成した2次元基板を集電体として用いた
アルカリ二次電池が提案されている。この集電体は、従
来のニッケル発泡体に比べて低価格であり、また特開平
7−335208号公報に開示されている前記集電体に
比べて正極合剤の保持能力に優れ、集電効率も良好であ
るが、それを用いて製造したニッケル・水素二次電池の
高レート放電特性は、従来のニッケル発泡体を用いたニ
ッケル・水素二次電池の高レート放電特性に及ばないと
いう問題がある。
て穿孔加工が施された2次元基板を用いると、ニッケル
発泡体を用いた場合に比べて低価格化を実現することは
可能であるが、その反面、正極の集電効率は低下し、し
たがって、高レート放電特性が低下するという問題があ
る。
電体として穿孔加工が施された2次元基板を用いた場合
であっても、その正極においては、坦持されている正極
合剤と当該集電体、また活物質相互が強固に結合してい
るので、正極としての集電効率が高く、活物質の利用率
が高く、したがって高レート放電特性も優れているニッ
ケル・水素二次電池の提供を目的とする。
ために、本発明においては、水酸化ニッケルを主体とす
る正極合剤が集電体に坦持されている正極と、水素吸蔵
合金を主体とする負極合剤が集電体に坦持されている負
極と、前記正極と前記負極の間に配置されたセパレータ
とから成る電極群が、アルカリ電解液とともに電池缶の
中に封入されているニッケル・水素二次電池において、
前記正極の集電体は、水溶性カップリング剤で表面処理
されていることを特徴とするニッケル・水素二次電池が
提供される。
が、シラン系カップリング剤または/およびチタネート
系カップリング剤であり、前記水溶性カップリング剤の
単分子当たりの分子量が500以下のものであり、前記
正極の集電体が、表面に複数の開口とバリ部が形成され
ている粉末圧延シートであり、前記正極の集電体に対す
る前記水溶性カップリング剤の表面処理量は、前記集電
体の単位面積(m2)当たり0.001〜0.01gであ
るニッケル・水素二次電池が提供される。
水素二次電池の1例を図1に示す。この電池では、負極
1Aとセパレータ1Bと後述するようにして製造された
正極1Cを積層したシートを渦巻状に巻回して成る電極
群1が有底円筒形状の電池缶2の中に収容されている。
ここで、負極1Aは電極群1の最外周に配置されて電池
缶2の内壁と接触しており、下端部は電池缶2の内部底
面に溶接されている集電板3に溶接固定されている。そ
して、アルカリ電解液(図示しない)が電池缶2の中に
収容されている。
aが形成されている第1の封口板4がリング形状の絶縁
性ガスケット5を介して配置され、前記上部開口部を内
側に縮径する加締め加工により、気密構造が形成されて
いる。そして、正極リード6が第1の封口板4の下面に
溶接されている。小孔4aの上には、ゴム製の安全弁7
が配置され、更に安全弁7を覆って帽子形状の正極端子
8が配置されていて、前記小孔4aが安全弁7で閉鎖さ
れている。そして、第1の封口板4の上には、中央に孔
を有する電気絶縁性の押さえ円板9が、その孔から前記
正極端子8を突出させた状態で配置されている。
2の外側面と底部周縁を被覆して電気絶縁性の外装チュ
ーブが配置されて本発明のニッケル・水素二次電池が組
み立てられる。本発明の電池で用いる正極は、活物質で
ある水酸化ニッケル粒子と結着剤とを適量の水で混練し
て成る正極合剤のスラリーを集電体に充填・塗布したの
ち乾燥、加圧成形を順次行い、前記集電体に前記正極合
剤を坦持せしめたものであることは従来の正極と変わる
ものではない。
集電体が予め後述する水溶性カップリング剤で表面処理
されていることを最大の特徴とする。この表面処理が行
われていることにより、正極合剤と集電体とが強固に結
合されていて、正極としての集電効率の向上、したがっ
て高レート放電が可能な正極になっている。また、本発
明においては、集電体として、好ましくは後述する粉末
圧延法で製造した焼結体シートにバリ部を形成したもの
を用いることにより、正極の集電効率の向上とともに電
池の低価格化を実現することができる。
て、好ましくは後述する方法で製造したものを用いるこ
とにより、活物質の利用率が高く、高レート放電が可能
な電池を得ることができる。まず、水溶性カップリング
剤に関して説明する。この水溶性カップリング剤は、そ
の分子中に、例えばエトキシ基,メトキシ基のように無
機材料と結合する官能基(無機官能基)、およびアミノ
基,エポキシ基,ビニル基のように有機材料と親和する
官能基(有機官能基)を有する材料である。
うな金属から成る集電体に塗布すると、前記した無機官
能基は集電体の表面や、無機材料である活物質の表面と
化学結合する。その状態で、水を含有する正極合剤のス
ラリー(水溶性スラリー)を塗布すると、前記した有機
官能基は正極合剤中の有機材料である結着剤と結合また
は相溶化する。すなわち、集電体と正極合剤の間、また
正極合剤中の活物質相互の間は、この水溶性カップリン
グ剤を媒介にして強固に結合する。
りの分子量は500以下であることが好ましい。一般に
カップリング剤の分子量は主として有機官能基の大きさ
に依存しており、その分子量が大きくなればなるほど有
機材料との相溶性は高まるが、他方では疎水性が強くな
るため水溶液として取り扱うことが困難となり、集電体
への塗布に難が生ずるからである。仮に、集電体に塗布
した場合であっても、その後に塗布される正極合剤のペ
ーストとの結合または相溶化が進まず、結果として、集
電体と正極合剤との結合は弱くなるからである。
は、例えばシラン系カップリング剤,チタネート系カッ
プリング剤が好適である。具体的には、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン,γ−グリシドプロピルトリメ
トキシシランや、N−β(アミノエチル)γ−アミノエ
チルイソプロピレートチタニウムをあげることができ
る。
は、集電体の表面に単分子程度の皮膜が形成されている
場合に有効に発揮される。すなわち、水溶性カップリン
グ剤の最適処理量は集電体の表面積に依存する。このよ
うなことから、上記したシラン系カップリング剤やチタ
ネート系カップリング剤の場合、集電体に対する表面処
理量は、当該集電体の単位面積(単位:m2)当たり0.
001〜0.01gであることが好ましい。
場合は、集電体の表面を充分に被覆できないので上記し
た効果が得られず、活物質の集電効率の向上は期待でき
ない。また、0.01g/m2より多くなると、集電体表
面を被覆する水溶性カップリング剤の厚みが厚くなっ
て、活物質の集電効率は低下する。より好ましい表面処
理量は0.002〜0.006g/m2である。
る金属発泡体シートであってもよいが、低価格化を意図
することからして2次元基板を用いることが好ましい。
とりわけ、粉末圧延法で製造した金属粉の焼結体シート
は、小規模な設備を用いて製造することができ、1度の
圧延−焼結の工程だけで製造することができ、理論密度
に近く、したがって緻密で柔軟性に富むシートであり、
従来の金属発泡体シートに比べて製造コストを大幅に低
減することができるので好適である。
結体シートは、具体的には、所定粒径の金属粉(例えば
ニッケル粉)を一対の圧延ロールに供給量を調節しなが
ら供給して当該ロールで所定厚みの圧延シートを連続的
に製造し、更にその圧延シートを所定温度に調節されて
いる不活性ガス雰囲気の焼成炉に導入して金属粉を焼結
することによって製造されたシートである。なお、焼結
後のシートを更に一対の圧延ロールの間に通し熱間圧延
を行ったものであってもよい。
集電体として用いてもよいが、更にこのシートの両面に
穿孔加工を行って、表面に開口とバリ部を形成すると、
正極合剤の保持能力を高めることができて好適である。
正極を製造するに際し、前記した水溶性カップリング剤
で表面処理された集電体に塗布する正極合剤のペースト
は、水酸化ニッケル粒子と結着剤を適量の水で混練して
調製される。
カルボキシメチルセルロース,メチルセルロース,ポリ
アクリル酸ナトリウム,ポリテトラフルオロエチレンな
どをあげることができる。そして、活物質である水酸化
ニッケルとしては格別限定されるものではないが、次の
ようにして製造されるものは、活物質としての利用率が
高く、電池の大電流放電を可能にするので好適である。
て、以下に詳細に説明する。まず、出発素材として次の
ようなものを用意する。すなわち、 A:pH11〜13に制御したアルカリ水溶液の中に水
酸化ニッケルを主体とする粒子を投入し、そこに硫酸コ
バルト水溶液を徐々に加えるなどの方法により、水酸化
コバルトのような2価のコバルト化合物で前記水酸化コ
バルト粒子の表面が被覆されている粉粒体、または、 B:水酸化ニッケルを主成分とする粒子に、金属コバル
トや、水酸化コバルト,三酸化コバルト,四酸化コバル
ト,一酸化コバルト、もしくはそれらの2種以上の混合
物のようなコバルト化合物の粒子を配合したものであ
る。
ルトやコバルト化合物は、後述する過程で導電性のコバ
ルト高次酸化物に転化して導電性マトリックスを形成す
る成分であり、その配合量は0.5〜20質量%である
ことが好ましい。配合量が0.5質量%より少ない場合
は、上記した導電性マトリックスが充分に形成されず、
そのため活物質の利用率は高くならない。また、20質
量%より多くすると、水酸化ニッケル粒子の相対的な割
合が減少して電池の放電容量の低下を招くようになるか
らである。
雰囲気下においてアルカリ水溶液中で機械的に攪拌さ
れ、アルカリ水溶液と素材とが均一混合される。この攪
拌は、室温下で行えばよいが、温度35〜110℃程度
の加熱環境下で行ってもよい。この過程で、素材の表面
にはアルカリ水溶液が均一に付着したり、また素材内部
にまで浸透し、その結果、素材表面に存在している金属
コバルトやコバルト化合物の一部が溶解して錯イオンに
なる。
水酸化ナトリウム水溶液,水酸化カリウム水溶液または
それらの混合水溶液、更には水酸化リチウム水溶液を混
合したものをあげることができる。アルカリ水溶液の濃
度は1〜14Nであることが好ましい。1Nより低い濃
度である場合は、金属コバルトやコバルト化合物に対す
る溶解能力が低下し、そのため前記した導電性マトリッ
クスの充分な形成が進まなくなる。また14Nより高い
濃度である場合は、当該アルカリ水溶液の粘度が高くな
って素材の内部にまで充分に浸透せず、そのため、金属
コバルトやコバルト化合物の充分な溶解が進まなくなる
からである。
を含酸素雰囲気下で継続して上記素材とアルカリ水溶液
を更に均一に混合しながら、その混合物に対して加熱処
理を行う。この過程で、前記したコバルトの溶解成分
は、酸素によって酸化され、用いたアルカリ水溶液のア
ルカリ金属イオンを含有する導電性のオキシ水酸化コバ
ルトに転化し、これが水酸化ニッケル粒子の表面や内部
に被着して、少なくとも水酸化ニッケルの表面には導電
性が付与される。
トロンからのマイクロウェーブの照射が好適である。こ
のマイクロウェーブは、それを照射することにより、前
記混合物に含有されかつ各水酸化ニッケル粒子を取り囲
んでいる水分子を振動させ、もって混合物が均一に加熱
されるからである。また、このマイクロウェーブの照射
は、その投入されたエネルギーにより、水酸化ニッケル
粒子の結晶構造に欠陥を生じさせたり、また細孔状態も
変化させたりして、処理後の表面活性を大きくするよう
な働きをするのではないかとも考えられる。このような
マイクロウェーブ照射による混合物の加熱処理は、概
ね、10分程度行えばよい。
あることが好ましい。熱処理温度が35℃より低い場合
は、金属コバルトやコバルト化合物のアルカリ水溶液へ
の溶解量が少なくなるので、結局、前記した導電性マト
リックスの形成が不充分となるため、活物質の利用率は
あまり高くならない。また160℃より高い場合は、水
酸化ニッケル粒子それ自体に構造変化が起こりはじめて
活物質として劣化するようになるからである。
ブ照射に限定されるものではなく、例えば混合物に熱風
を供給して行ってもよい。ただし、その場合には、コバ
ルトの溶解成分の過剰な酸化が起こりやすく、逆に活物
質としての特性劣化を招く可能性もあるので、混合物の
攪拌・混合条件や温度を精密に管理することが必要にな
ってくる。
た処理物を1回〜数回程度水洗することにより、本発明
で用いて好適な正極活物質になる。本発明のニッケル・
水素二次電池に組み込まれる負極は水素吸蔵合金電極で
あり、例えば、水素吸蔵合金粉末と結着剤と導電材とを
適量の水とともに混練した負極合剤のペーストを集電体
に充填・塗布したのち、乾燥、加工成形を順次行って製
造される。
れるものではなく、電池のアルカリ電解液中で電気化学
的に発生させた水素を吸蔵し、かつ放電時にその吸蔵水
素を放出するものであればよい。例えば、LaNi5,
MmNi5(Mmはミッシュメタル),LmNi5(Lm
はランタン富化ミッシュメタル)、またはこれらの一部
をAl,Mn,Co,Ti,Cu,Zn,Zr,Cr,
Bなどの元素で置換したもの、TiNi系,TiFe系
またはMgNi系のものをあげることができる。
(ただし、AはAlまたは/およびCoを表し、x,
y,zは原子比を表し、4.8≦x+y+z≦5.4の関
係を満たす数である)の水素吸蔵合金は好適である。こ
の水素吸蔵合金を用いると、電池の充放電サイクルの進
行に伴う負極合剤における水素吸蔵合金の微粉化が起こ
りづらく、水素吸蔵合金の負極からの脱落が抑制され、
その結果、電池の充放電サイクル寿命特性が向上するの
で好適である。
同様の結着剤を用いればよく、また導電材としては例え
ばカーボンブラックなどを用いればよい。そして、用い
る集電体としては、例えば、パンチドメタル,エキスパ
ンデッドメタル,穿孔鋼板,ニッケルネットなどの2次
元基板や、フェルト状金属多孔体,スポンジ状金属基板
などの3次元網状構造の基板をあげることができる。
レータとしては、例えばポリプロピレン不織布,ナイロ
ン不織布,ポリプロピレン繊維とナイロン繊維を混繊し
た不織布などをあげることができる。とくに、表面が親
水化処理されているポリプロピレン不織布は好適であ
る。電池に注入されるアルカリ電解液としては、例えば
水酸化カリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液と水
酸化リチウム水溶液の混合水溶液を用いればよい。
O3,H2WO4,K2WO4,Li2WO4,Na2WO4・
2H2Oのようなタングステン化合物を適量含有させて
おくと、高温環境下における充電効率や自己放電特性を
向上させることができる。なお、図1で示したニッケル
・水素二次電池の場合、正極1Cと負極1Aとの間にセ
パレータ1Bを配置して渦巻状に巻回して電極群1と
し、これを有底円筒形状の電池缶2の中に収容したもの
であるが、本発明のニッケル・水素二次電池はこの構造
に限定されるものではなく、例えば、正極と負極を交互
にセパレータを介して積み重ね、その積層体を四角形状
の有底缶の中に収容して角形ニッケル・水素二次電池に
してもよい。
行速度10m/分で回転するベルトコンベア12の上
に、ホッパ13内に収容されている平均粒径0.5μm
のニッケル粉末14を連続的に供給して下流側に搬送
し、下流側に配置したドクターブレード15で厚み30
0μmの粉末層にしたのち、一対の圧延ロール16の間
に通して上下方向から圧29.4×107Paで圧延して圧
延シートにした。
入し、温度950°で5分間加熱して焼結体シートに
し、それをベルトコンベア12から剥離して連続的に巻
き取った。得られたシートの厚みは平均値で30μmで
あった。このシートの両面からプレス機で穿孔加工を行
い、図3で示したように、一辺の長さが0.7mmで相互
の間隔が0.5mmである四角形状をした開口18aと、
高さが1.2mmのバリ部18bを形成し、集電基板18
を製造した。
率を30%,比表面積を4.3×10-3m2/gにした。
なお、比較例のために、平均孔径500μmの連通孔を
有し、空隙率が96%であるニッケル発泡体シート(厚
み1.3mm)の集電基板を用意した。一方、a:γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン(分子量221.4)
の0.05質量%水溶液,b:γ−グリシドプロピルト
リメトキシシラン(分子量236.3)の0.05質量%
水溶液,c:N−β(アミノエチル)γ−アミノエチル
イソプロピレートチタニウム(分子量328)の0.0
5質量%水溶液,d:HO(C8H17O)2PTi(OCH
3)3(分子量531.3)の0.05質量%エタノール溶
液を用意した。
ち乾燥(温度80℃で30分間)する操作を1回または
数回にわたって行って集電基板を表面処理した。処理量
を表1に示す。 (2)正極の製造 平均粒径が10μmで、コバルトと亜鉛が固溶している
水酸化ニッケル粒子100質量部に対し平均粒径1μm
の一酸化コバルト5.3質量部を混合した。
の12N水酸化ナトリウム水溶液とともに混合撹拌装置
に投入したのち、全体を攪拌・混合しながら、ここに、
4kWで作動するマグネトロンからのマイクロウェーブを
10分間照射した。得られた処理物を水洗し、乾燥して
活物質の水酸化ニッケル粒子とした。この活物質100
質量部に対し、カルボキシメチルセルロース0.1質量
部,ポリアクリル酸ナトリウム0.1質量部,ポリテト
ラフルオロエチレン0.95質量部、更に適量の水を添
加して全体を混練し、正極合剤のペーストを調製した。
電基板に充填または塗布し、乾燥、加圧成形を順次行
い、更に裁断して、縦35.5mm(有効部33.3mm),
横206mm,厚み0.345mmの正極にした。これら正
極における活物質の容量密度はいずれも20mAh/cm2に
なっている。 (3)電池の組立 まず、組成式がLmNi4.0Co0.4Mn0.3Al0.3(L
mはランタン富化ミッシュメタル)で、200メッシュ
通過の水素吸蔵合金粉末100質量部に対し、ポリアク
リル酸ナトリウム0.5質量部,カルボキシメチルセル
ロース0.125質量部,カーボンブラック1.0質量
部,PTFEディスパージョン(比重1.5,固形分含
量60質量%)2.5質量部を混合し、全体を50質量
部の水で混練して負極合剤のペーストを調製した。
ル(開口率45%)に塗布したのち、乾燥,加圧成形を
順次行って水素吸蔵合金電極(負極)を得た。ついで、
上記した正極と負極の間に、ポリプロピレン繊維を主体
とする不織布にアクリル酸をグラフト重合させたセパレ
ータを配置した状態で全体を渦巻状に巻回して電極群を
製造し、これを電池缶の中に収納し、濃度6.5Nの水
酸化カリウム水溶液と濃度0.5Nの水酸化ナトリウム
水溶液と濃度1Nの水酸化リチウム水溶液の混合水溶液
2.8mLを注液したのち全体を封口し、図1で示した構
造であって、4/5Aサイズ,1700mAhのニッケル
・水素二次電池を組み立てた。
時間かけて150%充電を行ったのち、0.2Cで電池
電圧が1Vになるまでの放電を行った。その後、再び室
温下において、1Cの電流値で電池の理論容量に対する
120%充電−1Cの電流値で電池電圧1Vになるまで
の放電を1サイクルとする充放電を3サイクル行い、つ
いで、1Cの電流値で120%充電を行ったのち、10
Cの電流値で電池電圧が1Vになるまでの放電を行っ
た。
用率(%)を次式: 求めるレートでの放電容量×100/担持させた活物質
の理論容量 に基づいて算出した。集電基板が粉末圧延法で製造した
ものである場合の結果を表1に、集電基板がニッケル発
泡体シートである場合の結果を表2に示した。
次元基板を用いた比較例1の高レート放電特性は、ニッ
ケル発泡体を用いた比較例2に比べて劣化している。し
かしながら、実施例1〜9のグループと実施例17〜2
5のグループを対比して明らかなように、両者における
活物質の利用率は略同等である。
によってもたらされた効果である。 2.しかしながら、カップリング剤を用いた場合であっ
ても、分子量が500を超えるカップリング剤(d)を
用いた場合には、利用率はそれほど向上していない。こ
のようなことから、カップリング剤を用いる場合は、カ
ップリング剤(a,b,c)のように分子量が500以
下であるものが好適である。
すぎても高レート放電特性は向上していない。このよう
なことから、表面処理量は0.001〜0.01g/m2
の範囲に設定することの有効性が明らかである。
ニッケル・水素二次電池は、集電基板として好適には粉
末圧延法で製造したものを用いているので、従来のニッ
ケル発泡体を用いた場合に比べて低価格化を実現してお
り、また、正極においては水溶性カップリング剤を用い
て集電基板と正極合剤とを強固に結合しているので、集
電効率は高く、活物質の利用率は高くなり、もって高レ
ート放電特性を有する電池になっている。
切欠断面図である。
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 水酸化ニッケルを主体とする正極合剤が
集電体に坦持されている正極と、水素吸蔵合金を主体と
する負極合剤が集電体に坦持されている負極と、前記正
極と前記負極の間に配置されたセパレータとから成る電
極群が、アルカリ電解液とともに電池缶の中に封入され
ているニッケル・水素二次電池において、 前記正極の集電体は、水溶性カップリング剤で表面処理
されていることを特徴とするニッケル・水素二次電池。 - 【請求項2】 前記水溶性カップリング剤が、シラン系
カップリング剤または/およびチタネート系カップリン
グ剤である請求項1のニッケル・水素二次電池。 - 【請求項3】 前記水溶性カップリング剤の単分子当た
りの分子量が500以下のものである請求項1または2
のニッケル・水素二次電池。 - 【請求項4】 前記正極の集電体が、表面に複数の開口
とバリ部が形成されている粉末圧延シートである請求項
1のニッケル・水素二次電池。 - 【請求項5】 前記正極の集電体に対する前記水溶性カ
ップリング剤の表面処理量は、前記集電体の単位面積
(m2)当たり0.001〜0.01gである請求項1の
ニッケル・水素二次電池。
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