JP2002203734A - コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
コンデンサ、多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法Info
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Abstract
際に、ヒートサイクル条件下等で接着剤や層間樹脂絶縁
層にクラックや剥離が発生しないコンデンサを提供す
る。 【解決手段】 多層プリント配線板に収納または内蔵さ
せるコンデンサであって、その表面の少なくとも一部に
ポリイミド膜が形成されていることを特徴とするコンデ
ンサ。
Description
板に内蔵させるコンデンサ、ならびに、該コンデンサを
内蔵した多層プリント配線板およびその製造方法に関す
る。
板では、電源からICチップの電源/アースまでのルー
プインダクタンスを低減するために、チップコンデンサ
を表面実装していた。即ち、伝送損失となるループイン
ダクタンスは、図14(a)に示すICチップ190の
電源端子192Pからプリント配線板300内の電源線
を介して電源までの配線長および電源からプリント配線
板300内のアース線を介してICチップ190のアー
ス端子192E間での配線長に比例する。このため、図
14(b)に示すように、プリント配線板300にチッ
プコンデンサ200を表面実装し、電源とICチップの
電源端子/アース端子との間にチップコンデンサを介在
させることで、ループインダクタンスを決定するループ
長を図中の実線で示すように、短縮することができる。
アクタンス分は周波数に依存するため、ICチップの駆
動周波数が増加するのに伴って、上述の多層プリント配
線板の表面にチップコンデンサを実装させても、ループ
インダクタンスを充分に低減することができなくなって
きた。
電源からICチップの電源/アースまでのループインダ
クタンスをより低減させるために、鋭意研究を行った結
果、多層プリント配線板にコンデンサを内蔵させれば良
いことを知見し、先に、コンデンサが内蔵または収納
(以下、両者をあわせて単に内蔵ともいう)されている
基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成さ
れ、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回
路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリント
配線板を提案した。このような多層プリント配線板で
は、ICチップとコンデンサとの間の距離が、コンデン
サを表面実装する場合に比べて短く、高周波数で駆動す
るICチップを実装した場合でも、ループインダクタン
スが充分に低い。
にザクリ(凹部)、貫通孔等のコンデンサを内蔵するた
めのキャビティが設けられ、該キャビティ内に接着剤を
介してコンデンサが取り付けられており、さらに、この
コンデンサが内蔵された基板の両面には、層間樹脂絶縁
層と導体回路とが形成され、コンデンサの接続端子と上
層の導体回路、及び、層間樹脂絶縁層を介した上下の導
体回路間は、バイアホールを介して接続されている。
実装用コンデンサは、表面実装を目的に製造されたもの
で、通常、コンデンサの一面のみが多層プリント配線板
表面に接触するものであり、コンデンサを基板に内蔵す
る使用形態が想定されたものではなかった。従って、コ
ンデンサの表面状態は均一ではなく、また、コンデンサ
の表面は、通常、金属からなる電極やセラミックからな
る誘電膜が剥き出しであるため樹脂との親和性が低くか
った。そのため、該コンデンサを基板に内蔵した際に
は、その表面状態が不均一であることや樹脂(層間樹脂
絶縁層や接着剤)との親和性が低いことに起因して、コ
ンデンサと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生
したり、該層間樹脂絶縁層等にクラックが発生したりす
るという問題があった。この場合、コンデンサの端子と
バイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間樹脂絶
縁層に膨れが生じたりし、これが、多層プリント配線板
の電気的接続性、信頼性を低下させる原因になってい
た。
め込む従来技術として、特開平6−326472号公
報、特開平7−263619号公報、特開平11−45
9555号公報、特開平11−126978号公報、特
開平1−312868号公報等がある。
スエポキシからなる樹脂基板にコンデンサを埋め込んだ
発明が記載されており、このように基板にコンデンサを
埋設することにより、電源のノイズが低減され、かつ、
チップコンデンサを実装するスペースが不要となり、基
板のサイズを小さくすることができるという効果が得ら
れることが記載されている。
は、セラミック、アルミナなどの基板にコンデンサを埋
め込み、このコンデンサを電源層と接地層との間で接続
した発明が記載されており、このように構成すること
で、配線の長さを短くすることができ、インダクタンス
を低減させることができるという効果が得られることが
記載されている。
コンデンサが埋設された基板においても、例えば、ヒー
トサイクルを1000回繰り返す信頼性試験を行うと、
電気特性の低下、基板や層間樹脂絶縁層におけるクラッ
クの発生、コンデンサと基板や層間樹脂絶縁層との間で
の剥離の発生等が起こるという問題があった。
鋭意研究を重ねた結果、コンデンサ表面にポリイミド膜
を形成することにより、コンデンサ表面と層間樹脂絶縁
層や接着剤との密着性(親和性)が向上し、該コンデン
サと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生した
り、層間樹脂絶縁層等にクラックが発生したりしにくく
なることを見出し本発明を完成した。
ト配線板に内蔵または収納させるコンデンサであって、
その表面の少なくとも一部にポリイミド膜が形成されて
いることを特徴とする。
膜とが交互に積層された積層体の両端面を含む部分に外
部電極が形成されたコンデンサであって、上記外部電極
は少なくとも銅からなることが望ましい。
膜とが交互に積層された積層体の両端面を含む部分に外
部電極が形成されたコンデンサであって、上記外部電極
は少なくとも2層で構成され、最内層は導電性ペースト
層であり、最外層はめっき層であることも望ましい。こ
の場合、上記めっき層は、銅めっき層であることが望ま
しい。
膜とが交互に積層された積層体に外部電極が形成された
コンデンサであって、上記外部電極はマトリックス状に
形成されていることも望ましい。
外部電極の表面の少なくとも一部には、金属被覆層が形
成されていることが望ましい。
ンデンサが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶
縁層と導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導
体回路、および、上下の導体回路がバイアホールを介し
て接続されてなる多層プリント配線板であって、上記コ
ンデンサは、本発明のコンデンサであることを特徴とす
る。
の製造方法は、コンデンサが内蔵または収納された基板
上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上
記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバ
イアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板
の製造方法であって、少なくとも下記(A)〜(D)の
工程を含むことを特徴とする。 (A)樹脂フィルムに本発明のコンデンサを取り付ける
コンデンサ取り付け工程、(B)凹部または貫通孔が形
成された基板の上記凹部または上記貫通孔にコンデンサ
を収納するとともに、上記樹脂フィルムを上記基板に圧
着する樹脂フィルム圧着工程、(C)上記樹脂フィルム
にバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする
層間樹脂絶縁層形成工程、および、(D)上記バイアホ
ール用開口の壁面を含む層間樹脂絶縁層表面に導体回路
を形成する導体回路形成工程。
の製造方法は、コンデンサが内蔵または収納された基板
上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、上
記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバ
イアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板
の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜(e)の
工程を含むことを特徴とする。 (a)本発明のコンデンサを基板Aに取り付けるコンデ
ンサ取り付け工程、(b)貫通孔が形成された基板Bの
上記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、上記コン
デンサを取り付けた基板Aに上記貫通孔が形成された基
板Bを積層する基板積層工程、(c)上記貫通孔が形成
された基板Bのコンデンサが露出している側に樹脂フィ
ルムを圧着する樹脂フィルム圧着工程、(d)上記樹脂
フィルムにバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁
層とする層間樹脂絶縁層形成工程、および、(e)上記
バイアホール用開口の壁面を含む層間樹脂絶縁層表面に
導体回路を形成する導体回路形成工程。
て説明する。本発明のコンデンサは、多層プリント配線
板に内蔵または収納されるコンデンサであって、その表
面の少なくとも一部にポリイミド膜が形成されているこ
とを特徴とする。
とも一部にポリイミド膜が形成されており、該ポリイミ
ド膜は、セラミックからなる誘電膜や金属からなる外部
電極との密着性が、多層プリント配線板を構成する接着
剤層や層間樹脂絶縁層に通常用いられるエポキシ樹脂や
フェノール樹脂等と比べて高く、また、他の樹脂と比べ
て耐熱性にも優れ、ヒートサイクル試験でも劣化しない
ため、多層プリント配線板に内蔵した際に、コンデンサ
と層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生したり、
層間樹脂絶縁層や接着剤にクラックが発生したりしにく
い。従って、本発明のコンデンサは、多層プリント配線
板の内蔵用として適したものである。
とも一部にポリイミド膜が形成されている。なお、本発
明において、ポリイミドとはイミド結合を含む高分子を
いい、環状イミドと芳香族核とからなるものは勿論、ポ
リアミドイミドやポリアミノビスマレイミドも含むもの
とする。上記ポリイミド膜としては、従来公知のポリイ
ミドからなるものが挙げられ、具体的には、例えば、下
記化学式(1)〜(4)に示すポリイミド等が挙げられ
る。
ミノビスマレイミド等からなるものも、本発明のコンデ
ンサの表面に形成されるポリイミド膜として用いること
ができる。
からなるものも、本発明のコンデンサの表面に形成され
るポリイミド膜として用いることができる。
は、下記化学式(7)または(8)で表される2価の官
能基である。)
の密着性により優れ、外部電極と接着剤や層間樹脂絶縁
層との密着性を高めることができる。
て、図面を参照しながら説明する。本発明のコンデンサ
としては、例えば、内部電極と誘電膜とが交互に積層さ
れた積層体の両端面を含む部分に外部電極が形成された
コンデンサが挙げられ、具体的には、例えば、図1
(a)〜(d)に示す形状のコンデンサ等が挙げられ
る。図1(a)〜(d)は、本発明のコンデンサの一例
を模式的に示す断面図である。なお、図1(b)に示す
コンデンサは、後述する第三の実施形態の多層プリント
配線板に好適に用いることができ、図1(c)および
(d)に示す多層プリント配線板は、それぞれ第二およ
び第一の実施形態の多層プリント配線板に好適に用いる
ことができる。これについては、後に詳述する。
ンサ120、320、220、20は、第1電極21と
第2電極22とからなる外部電極と、第1電極21、第
2電極22に挟まれた誘電体(積層体)23とからな
り、誘電体23には、第1電極21側に接続された第1
導電膜(内部電極)24と、第2電極22側に接続され
た第2導電膜(内部電極)25とが複数枚対向配置され
ている。
は、図1(a)に示すように、1層から構成されていて
もよいし、図1(b)に示すように2層から構成されて
いてもよい。なお、図示していないが3層以上から構成
されていてもよい。
は、少なくとも銅からなるものが望ましい。多層プリン
ト配線板を構成する導体回路の材質としては、銅が好適
に用いられているためコンデンサの外部電極に銅からな
るものを用いることにより、電気特性の不都合が発生し
にくくなるからである。加えて、後述するように、めっ
きを用いて電極とバイアホールとを接続する場合、第1
電極および第2電極が銅からなるものであると、銅めっ
きとの密着性に優れるからである。
成されている場合や3層以上から構成されている場合に
は、導電性ペースト層とめっき層とを含む少なくとも2
層からなるものであることが望ましい。また、複数の導
電性ペースト層から構成されていてもよい。図1(a)
〜(d)に示すようなコンデンサは、通常、誘電膜と導
電膜(内部電極)とを交互に積層した後、両端面を含む
部分に外部電極を形成することにより製造する。ここ
で、外部電極の形成は、導電性ペーストを塗布すること
により行うことが、安価で、かつ、容易に電極を形成す
ることができる点から有利である。
成された電極は、銅等の金属成分以外に接着剤等が含ま
れており、金属のみから形成される電極に比べて、導電
性に劣り、また、導電性ペーストのみを用いて形成され
た電極は、表面の凹凸が大きく、ピンホール等も発生し
やすい。そのため、本発明のコンデンサの電極は、導電
性ペースト層の上にめっき層にが形成された構成である
ことが望ましい。なお、この理由については、後で、本
発明の多層プリント配線板の製造方法について説明する
際に詳述する。また、上記めっき層は銅めっき層である
ことが望ましい。
サ220の第1電極21および第2電極22の表面の一
部(側面および底面)や、図1(d)に示すように、コ
ンデンサ20の第1電極21および第2電極22の表面
全体には、Sn等からなる金属被覆層226、26が形
成されていてもよい。このように、金属被覆層226、
26を形成することにより、防錆性、半田付き性等を向
上させることができる。なお、上記金属被覆層の形成部
分は、図1(c)および(d)に示した部分に限定され
ず、任意の部分に形成されていてよく、例えば、側面の
みに形成されていたり、底面のみに形成されていたりし
てもよい。
電極がマトリックス状に形成されたコンデンサであって
もよい。具体的には、例えば、図15または図16に示
す形状のコンデンサ等が挙げられる。図15(a)は、
多数個取り用の裁断前のコンデンサを示し、(b)は、
(a)を裁断した後のコンデンサの1個を示す。なお、
図15(a)において、一点鎖線は、裁断線を示す。図
15に示すコンデンサ420は、その側縁に第1電極2
1および第2電極22が形成されている。
コンデンサを示し、(b)は、(a)を裁断した後のコ
ンデンサの1個を示す。なお、図16(a)において、
一点鎖線は、裁断線を示す。図16に示すコンデンサ5
20は、その側縁の内側に第1電極21および第2電極
22が形成されている。コンデンサ420およびコンデ
ンサ520は、その外縁の内側に第1電極および第2電
極が形成されているため、容量が大きい。
成されたコンデンサは、コンデンサ420やコンデンサ
520のように、小さく切断されたものではなく、図1
7に示すような大容量の大判のコンデンサ620であっ
てもよい。図17は、本発明のコンデンサの一例を模式
式に示す平面図である。コンデンサ620は、第1電極
21と第2電極22と、誘電体と、第1電極側へ接続さ
れた第1導電膜と第2電極側に接続された第2導電膜
と、第1導電膜および第2導電膜へ接続されていないコ
ンデンサ620を介した基板の上下面の接続用の電極2
7とからなる。後述する本発明の多層プリント配線板に
おいて、この大判のコンデンサ620を内層させる場
合、その容量が大きく、また、ヒートサイクル条件下に
おいても、よりプリント配線板等に反り等が発生しにく
い。
成されたコンデンサは、図18に示すような大容量の大
判のコンデンサ720であってもよい。図18(a)
は、多数個取り用の裁断前のコンデンサを示し、(b)
は、(a)を裁断した後の本発明の多層プリント配線板
に内蔵または収納するコンデンサを示す。なお、図18
(a)において、一点鎖線は、裁断線を示す。コンデン
サ720は、図18(a)の多数個取り用のコンデンサ
を裁断線で裁断した後、複数個(図中の例では3個)連
結させたものである。このようなコンデンサ720もま
た、大判でその容量が大きく、コンデンサ720を内蔵
した多層プリント配線板では、ヒートサイクル条件下に
おいても反り等が発生しにくい。
されたコンデンサにおいても、その外部電極は、1層か
ら構成されていてもよいし、2層以上から構成されてい
てもよい。さらに、このマトリックス状の外部電極は、
少なくとも銅からなるものであることが望ましく、ま
た、上記マトリックス状の外部電極が2層以上からなる
場合には、該外部電極は、複数の導電性ペースト層から
なるものや、導電性ペースト層である最内層とめっき層
である最外層とを含むものであるとこが望ましい。この
場合、上記めっき層は、銅めっき層であることが望まし
い。さらに、上記マトリックス状の外部電極は、その表
面の一部に金属被覆層が形成されていることが望まし
い。このような外部電極がマトリックス状に形成された
コンデンサは、後述する本発明の多層プリント配線板に
内蔵するコンデンサとして好適に用いることができる。
コンデンサにおいて、その表面の少なくとも一部にポリ
イミド膜が形成されているため、接着剤や層間樹脂絶縁
層との密着性(親和性)に優れる。従って、上記コンデ
ンサは、必要とされる接着剤等との密着性を考慮して、
コンデンサ表面の少なくとも一部にポリイミド膜を形成
すればよいが、コンデンサの全表面にポリイミド膜が形
成されていることが望ましい。
特に限定されず、ポリイミドの種類に応じて適宜選択す
ればよい。具体的には、例えば、ポリイミド(ポリアミ
ドイミド、ポリアミノビスマレイミド)を含む20〜5
0℃の溶液中にコンデンサを浸漬する方法等を用いるこ
とができる。上記溶液の温度が20℃未満では、ポリイ
ミドがコンデンサの表面に付着しにくく、一方、50℃
を超えると、分解、劣化することがある。より好ましい
温度は25〜35℃である。また、ポリイミドを含む溶
液中にコンデンサを浸漬する方法に代えて、該溶液をコ
ンデンサ表面にスプレーしたり、塗布したりする方法等
も用いることができる。
ば、芳香族酸二無水物および芳香族ジアミン等)を溶媒
に溶かして、これをコンデンサに塗布し、コンデンサ表
面で重合させることによりポリイミド膜を形成してもよ
い。具体的には、例えば、上記一般式(1)で表される
ポリイミド膜を形成する場合には、無水ピロメリト酸と
ジアミノジフェニルエーテルとをジメチルアセトアミド
中、室温下で混合することによりポリアミド酸溶液を
得、これをコンデンサ表面に塗布したり、このポリアミ
ド酸溶液中にコンデンサを浸漬したりした後、300℃
程度まで昇温しながら、30分〜2時間加熱することに
よりコンデンサ表面にポリイミド膜を形成してもよい。
また、ポリイミドからなるフィルムを形成し、該フィル
ムをコンデンサ表面に圧着した後、加熱処理を施すこと
によりポリイミド膜を形成してもよい。
成される部分には、予め、プラズマ処理、洗浄処理、酸
処理等の前処理が施されていることが望ましい。このよ
うな前処理を施すことにより、コンデンサの表面状態が
均一になり、ポリイミド膜を形成するのに適した状態と
なるからである。
素、窒素、炭酸ガス、四塩化炭素等を用いる方法等が挙
げられる。これらのなかでは、酸素を用いる方法が望ま
しい。コンデンサを損傷することがなく、また、安価に
処理することができるからである。
放射量としては200〜1000Wが望ましく、処理時
間としては真空下で1〜20分間が望ましい。処理時間
が1分未満では、コンデンサの表面状態を充分に改善す
ることができないことがあり、一方、20分を超えても
表面状態の改善効果はほとんど変わらないからである。
また、上記処理は減圧下で行うことが望ましい。
洗浄、酸洗浄、中性洗浄等が挙げられる。上記洗浄処理
では、主に、脱脂作用や酸化膜等の異物の除去作用によ
りコンデンサの表面状態を所望の状態にすることができ
る。
面活性剤と非イオン界面活性剤とにカセイソーダや、ア
ルカリ性のケイ酸、炭酸、リン酸、縮合リン酸等の塩を
添加した溶液をスプレーしたり、該溶液中にコンデンサ
を浸漬したりすることにより行うことができる。また、
界面活性剤を添加した電解洗浄法により行うこともでき
る。
に、陽イオン界面活性剤を添加した溶液をスプレーした
り、該溶液中にコンデンサを浸漬したりすることにより
行うことができる。
酸、硫酸、フッ酸およびリン酸からなる群より選択され
る少なくとも一種の酸を含む溶液に浸漬する方法等が挙
げられる。これらのなかでは、硫酸および/またはフッ
酸を用いて行う処理が望ましい。短時間で接触角を上記
範囲に改善することができるとともに、処理後、コンデ
ンサ表面に残渣が残ることもないからである。
10重量%以上であることが望ましい。上記酸の濃度が
10重量%未満では、コンデンサの表面状態を所望の状
態にするのに長時間を要し、その結果、コンデンサに変
質、変形等が発生してしまうことがあるからである。
用する酸の種類、および、その濃度を考慮して適宜選択
すればよいが、通常、1〜15分間が望ましい。上記浸
漬時間が、1分未満では、コンデンサの表面状態を充分
に改善することができないことがあり、一方、15分を
超えても、コンデンサの表面状態はほとんど変化しない
からである。酸からなる溶液への浸漬時間は、2〜10
分がより望ましい。コンデンサの表面状態が改善される
とともに金属等へのダメージが少ないからである。ま
た、上記酸からなる溶液の液温度は、20〜40℃が望
ましい。上記温度が40℃を超えると、コンデンサに変
質、変形等が発生してしまうことがあるからである。
いし、複数の処理方法を組み合わせて用いてもよい。従
って、外部電極表面、金属被覆層表面、誘電体表面のそ
れぞれを異なる方法で処理してもよい。
て説明する。本発明の多層プリント配線板は、コンデン
サが内蔵または収納された基板上に、層間樹脂絶縁層と
導体回路とが順次形成され、上記コンデンサと導体回
路、および、上下の導体回路がバイアホールを介して接
続されてなる多層プリント配線板であって、上記コンデ
ンサは、本発明のコンデンサであることを特徴とする。
のコンデンサが基板に内蔵されているため、コンデンサ
と層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生したり、
該層間樹脂絶縁層や接着剤にクラックが発生したりする
ことがない。そのため、上記多層プリント配線板は、コ
ンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮断され
たり、層間樹脂絶縁層にクラックや膨れが生じたりする
ことがなく、電気的接続性、信頼性に優れる。
ま内蔵した場合、金属やセラミックと樹脂との密着性
(親和性)が低いことに起因して、コンデンサとその周
辺樹脂(接着材や層間樹脂絶縁層)との間で剥離が発生
したり、周辺樹脂にクラックが発生したりするが、本発
明のコンデンサは、その表面にポリイミド膜が形成され
ているため、周辺樹脂との密着性に優れる。従って、本
発明の多層プリント配線板では、周辺樹脂(層間樹脂絶
縁層や接着剤)にクラックやコンデンサからの剥離が発
生せず、コンデンサのずれも発生しない。
て図面を参照しながら説明する。まず、本発明の多層プ
リント配線板の第一の実施形態について説明する。図2
は、本発明の多層プリント配線板の一例を模式的に示す
断面図であり、図3は、図2に示す多層プリント配線板
にICチップを実装し、ドータボードに取り付けた状態
を模式的に示す断面図である。
には、コンデンサ20と、コンデンサ20を内蔵する基
板30と、層間樹脂絶縁層40、60とが形成されてい
る。層間樹脂絶縁層40には、バイアホール46および
導体回路48が形成され、層間樹脂絶縁層60には、バ
イアホール66および導体回路68が形成されている。
また、基板30を介した上下の導体回路間を接続するた
めに、スルーホール36が形成されている。
ーレジスト層70が配設されており、ソルダーレジスト
層70の開口部71下の導体回路68(バイアーホール
66を含む)には、ドータボード、マザーボード等の外
部基板と接続するための半田バンプ76がニッケルめっ
き層および金めっき層を介して設けられている。
コンデンサ20が接着剤32を介して内蔵されており、
コンデンサ20は、本発明のコンデンサである。このた
め、コンデンサ20と接着剤32との密着性が高く、ヒ
ートサイクル条件下においても、コンデンサ20と接着
剤32との接触面で剥離が発生したり、接着剤にクラッ
クが発生したりすることがない。従って、コンデンサの
端子とバイアホールとの間の接続が遮断されたり、層間
樹脂絶縁層にクラックや膨れが生じたりすることがな
く、多層プリント配線板10は、電気的接続性、信頼性
に優れる。
が実装され、ドータボードへ取り付けられた多層プリン
ト配線板では、上側のソルダーレジスト層70の開口部
71内に形成されたバンプ76と、ICチップ90のパ
ッド92S1、92S2、92P1、92P2とが接続
されている。また、下側のソルダーレジスト層70の開
口部71内に形成されたバンプ76は、ドータボード9
4のパッド96S1、96S2、96P1、96P2へ
接続されている。
用のパッド92S2は、バンプ76−導体回路68−バ
イアホール66−スルーホール36−バイアホール66
−バンプ76を介して、ドータボード94の信号用のパ
ッド96S2に接続されている。一方、ICチップ90
の信号用のパッド92S1は、バンプ76−バイアホー
ル66−スルーホール36−バイアホール66−バンプ
76を介して、ドータボード94の信号用のパッド96
S1に接続されている。
は、バンプ76−バイアホール66−導体回路48−バ
イアホール46を介してチップコンデンサ20の第1電
極21へ接続されている。一方、ドータボード94の電
源用パッド96P1は、バンプ76−バイアホール66
−スルーホール36−導体回路48−バイアホール46
を介してチップコンデンサ20の第1電極21へ接続さ
れている。
は、バンプ76−バイアホール66−導体回路48−バ
イアホール46を介してチップコンデンサ20の第2電
極22へ接続されている。一方、ドータボード94の電
源用パッド96P2は、バンプ76−バイアホール66
−スルーホール36−導体回路48−バイアホール46
を介してチップコンデンサ20の第2電極22へ接続さ
れている。
は、図14(c)に示すように、コンデンサ20を基板
に内蔵することにより、ICチップ90の直下にコンデ
ンサ20が配置されることとなり、コンデンサを介した
電源とICチップ90の電源端子92E/アース端子9
2Pとの間の距離、即ち、ループインダクタンスを決定
するループ長が図14(c)中の実線で示すように、さ
らに短縮されている。その結果、高周波数で駆動するI
Cチップ90を実装した場合でも、ループインダクタン
スが充分に低く、また、電力を瞬時的にICチップ側へ
供給することが可能である。
ホール36を設けることにより、コンデンサを信号線が
通過しない構成にすることができる。そのため、コンデ
ンサを信号線が通過する構成にした場合に発生する高誘
電体によるインピーダンス不連続による反射、および、
高誘電体通過による信号伝搬遅延を防ぐことができる。
の実施形態について説明する。図4は、本発明の多層プ
リント配線板の一例を模式的に示す断面図である。図4
に示した第二の実施形態の多層プリント配線板110
は、第一の実施形態の多層プリント配線板10とほぼ同
様である。ただし、多層プリント配線板110では、コ
ンデンサの内蔵方法が異なる。即ち、第一の実施形態で
は、コンデンサの第1電極21、第2電極22とバイア
ホール46との間は、半田や導電性ペースト等の接着材
料34を用いて電気的に接続していた(図2参照)が、
第二の実施形態の多層プリント配線板では、第1電極2
1、第2電極22にめっきを施すことにより、バイアホ
ールとの間を電気的に接続する。そのため、それぞれの
内蔵方法に適したコンデンサを使用している。
るコンデンサについて説明する。第一の実施形態で用い
るコンデンサ20は、図1(d)に示すように、第1電
極21および第2電極22の外周にSn等からなる金属
層26が形成されている。これは、Sn等からなる金属
層26を有する場合、半田付け性が向上するとともに、
防錆効果を有するからである。なお、半田や導電性ペー
スト等の接着材料を用いて電極とバイアホールとを接続
する場合に用いるコンデンサは、接着材料の接触部分に
ポリイミド膜が形成されていないことが望ましい。
220は、図1(c)に示すように、第1電極および第
2電極の上面が露出するように金属層226が形成され
ている。これはめっき層が露出しているほうが、めっき
を用いて電極とバイアホールとを接続するのに適してお
り、めっきにより、電極とバイアホールとを接続した場
合には、接続抵抗を低減させることができるからであ
る。
の実施形態について説明する。図5は、本発明の多層プ
リント配線板の一例を模式的に示す断面図である。図5
に示した第三の実施形態の多層プリント配線板210
は、第二の実施形態の多層プリント配線板とほぼ同様で
ある。ただし、多層プリント配線板210では、コンデ
ンサの内蔵方法が異なる。即ち、第二の実施形態では、
第1電極21および第2電極22のICチップ側(上
側)のみ、電気的に接続していた(図4参照)が、本実
施形態では、第1電極21および第2電極22のICチ
ップ側(上側)およびドータボード側(下側)の両側を
それぞれ電気的に接続している。また、本実施形態で
は、外部電極とバイアホールとをめっきにより接続して
いるため、図1(b)に示すように外部電極の外周に金
属被覆層が形成されていないコンデンサを用いている。
このような構成の多層プリント配線板では、コンデンサ
320の外部電極21、22がいわゆるスルーホールの
機能を備えており、パッケージ構造を簡単にすることが
できるので、高周波のICチップに対応することができ
る。なお、本発明の多層プリント配線板の実施形態は、
上記第一〜第三の実施形態に限定されず、例えば、多数
のコンデンサが1つのキャビティに並列に内蔵された形
態であってもよい。このような実施形態の多層プリント
配線板では、電源電圧の不足分を補うことができ、IC
の誤作動をなくすことができる。従って、このような多
層プリント配線板は、フリップチップ用として好適に用
いることができる。また、本発明の多層プリント配線板
の実施形態は、図15〜図18に示した、外部電極がマ
トリックス状に形成されたコンデンサが内蔵された形態
であってもよい。
にコンデンサが内蔵されているため、ICチップを実装
した際に、該ICチップとコンデンサとの距離が短く、
高周波数で駆動するICチップを実装した場合でも、ル
ープインダクタンスが充分に低い。また、基板に内蔵さ
れているコンデンサは、本発明のコンデンサであり、そ
の表面にポリイミド膜が形成されているため、コンデン
サと周辺樹脂との密着性が高く、ヒートサイクル条件下
においても、コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層との
接触面で剥離が発生したり、接着剤や層間樹脂絶縁層に
クラックが発生したりすることがない。従って、コンデ
ンサの外部電極とバイアホールとの間の接続が遮断され
たり、層間樹脂絶縁層に膨れが生じたりすることがな
く、電気的接続性、信頼性に優れる。
するコンデンサ以外の部材について説明する。上記多層
プリント配線板は、コンデンサが内蔵または収納されて
いる基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成
されている。
板で使用されるものであれば特に限定されず、例えば、
エポキシ樹脂、ビスマレイミド・トリアジン(BT)樹
脂、フェノール樹脂等にガラスクロス等の補強材や心材
を含浸させた樹脂からなる基板や、エポキシ樹脂を含浸
させたプリプレグを積層した基板等が挙げられる。ま
た、補強材や心材を含浸しない樹脂を用いることもでき
る。なお、両面銅張積層板、片面板、金属膜を有さない
樹脂板、樹脂フィルム等を用いてもよい。
は収納されているが、ここで、上記コンデンサは、接着
剤を介して内蔵または収納されていることが望ましい。
コンデンサのズレ等がより発生しにくくなるからであ
る。上記接着剤としては特に限定されず、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
は、例えば、エポキシ樹脂、BT樹脂、ポリイミド樹
脂、オレフィン樹脂等の熱硬化性樹脂や、熱硬化性樹脂
と熱可塑性樹脂との樹脂複合体からなるもの等が挙げら
れる。また、感光性樹脂を用いることもできる。
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソ
ブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シクロオ
レフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙げられ
る。上記ポリオレフィン系樹脂の市販品としては、例え
ば、住友スリーエム社製の商品名:1592等が挙げら
れる。また、融点が200℃以上の熱可塑型ポリオレフ
ィン系樹脂の市販品としては、例えば、三井石油化学工
業社製の商品名:TPX(融点240℃)、出光石油化
学社製の商品名:SPS(融点270℃)等が挙げられ
る。
脂が望ましい。シクロオレフィン系樹脂は、誘電率が低
く、GHz帯域の高周波信号を用いた場合でも信号遅延
や信号エラーが起きにくいことに加え、機械的特性、特
に、剛性が高いため、しっかりとした層間樹脂絶縁層を
形成することができ、その結果、多層プリント配線板の
接続信頼性を充分に確保することができる。
体回路との密着性にも優れるため、層間樹脂絶縁層が導
体回路から剥離することを防止することができ、剥離に
起因する層間樹脂絶縁層でのクラックの発生等も防止す
ることができる。さらに、上記シクロオレフィン系樹脂
は、吸水率が小さいため、導体回路間の電気絶縁性が高
くなり、信頼性も向上する。
−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンま
たはこれらの誘導体からなる単量体の単独重合体または
共重合体であることが望ましい。上記誘導体としては、
2−ノルボルネン等のシクロオレフィンに、架橋を形成
するためのアミノ基や無水マレイン酸残基あるいはマレ
イン酸変性したもの等が結合したもの等が挙げられる。
上記共重合体を合成する場合の単量体としては、例え
ば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
樹脂の2種以上の混合物であってもよく、シクロオレフ
ィン系樹脂以外の樹脂を含むものであってもよい。ま
た、上記シクロオレフィン系樹脂が共重合体である場合
には、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重
合体であってもよい。
硬化性シクロオレフィン系樹脂であることが望ましい。
加熱を行って架橋を形成させることにより、より剛性が
高くなり、機械的特性が向上するからである。上記シク
ロオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、13
0〜200℃であることが望ましい。
等を含まないものであってもよく、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、リン酸エステル等の難燃剤を
含むものであってもよい。
熱硬化性樹脂とを含むものである。上記熱可塑性樹脂と
しては、例えば、ポリスルフォン(PSF)、ポリエー
テルスルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフォン
(PPS)、ポリフェニレンサルファイド(PPE
S)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテ
ルイミド(PI)、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙
げられる。これらのなかでは、ポリスルフォン(PS
F)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテ
ルイミド(PI)および/またはフェノキシ樹脂が望ま
しい。耐熱性、絶縁性に優れるとともに、高い靱性値を
有するため、耐クラック性、形状保持性に優れる層間樹
脂絶縁層を形成するのに特に適しているからである。
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げら
れる。また、上記熱硬化性樹脂は、感光化した樹脂であ
ってもよく、具体的には、例えば、メタクリル酸やアク
リル酸等と熱硬化基とをアクリル化反応させたもの等が
挙げられる。特に、エポキシ樹脂をアクリレート化した
ものが望ましい。これらのなかでは、1分子中に、2個
以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂がより望まし
い。
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基
を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、
トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れる
ものとなる。
硬化性樹脂との混合割合は、熱硬化性樹脂/熱可塑性樹
脂=95/5〜50/50が望ましい。耐熱性を損なう
ことなく、高い靱性値を確保することができるからであ
る。
ば、酸または酸化剤に可溶性の粒子(以下、可溶性粒子
という)が酸または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、難溶
性樹脂という)中に分散した粗化面形成用樹脂組成物等
が挙げられる。なお、上記「難溶性」および「可溶性」
という語は、同一の粗化液に同一時間浸漬した場合に、
相対的に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」とい
い、相対的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と
呼ぶ。
は酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、可溶性樹脂粒
子)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以下、可溶
性無機粒子)、酸または酸化剤に可溶性の金属粒子(以
下、可溶性金属粒子)等が挙げられる。これらの可溶性
粒子は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよ
い。
球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の
形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さ
の凹凸を有する粗化面を形成することができるからであ
る。
1〜10μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、2
種類以上の異なる粒径のものを含有してもよい。即ち、
平均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均粒径
が1〜3μmの可溶性粒子とを含有する等である。これ
により、より複雑な粗化面を形成することができ、導体
回路との密着性にも優れる。なお、本明細書において、
可溶性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分の長
さである。
酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹脂
よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されず、そ
の具体例としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、アミノ樹脂
(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂)等からな
るものが挙げられ、これらの樹脂の一種からなるもので
あってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるもの
であってもよい。
からなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとし
ては、例えば、ポリブタジエンゴム、エポキシ変性、ウ
レタン変性、(メタ)アクリロニトリル変性等の各種変
性ポリブタジエンゴム、カルボキシル基を含有した(メ
タ)アクリロニトリル・ブタジエンゴム等が挙げられ
る。これらのゴムを使用することにより、可溶性樹脂粒
子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、酸
を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外の
酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹脂
粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガン
酸でも溶解することができる。また、クロム酸を用いた
場合でも、低濃度で溶解することができる。そのため、
酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述する
ように、粗化面形成後、塩化パラジウム等の触媒を付与
する際に、触媒が付与されなかったり、触媒が酸化され
たりすることがない。
ルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合
物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群
より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げら
れる。
ば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記
カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、
水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物と
しては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグ
ネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマ
イト、塩基性炭酸マグネシウム等が挙げられ、上記ケイ
素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライト等が挙
げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併
用してもよい。
銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、
マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より
選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられ
る。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保す
るために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
る場合、混合する2種の可溶性粒子の組み合わせとして
は、樹脂粒子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両
者とも導電性が低くいため上下の導体回路間の絶縁性を
確保することができるとともに、難溶性樹脂との間で熱
膨張の調整が図りやすく、層間樹脂絶縁層にクラックが
発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥離が発
生しないからである。
に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化
面の形状を保持できるものであればよく、上記熱可塑性
樹脂と上記熱硬化性樹脂との混合物を用いることができ
る。
組成物を用いる場合、上記可溶性粒子は、上記難溶性樹
脂中にほぼ均一に分散されていることが望ましい。均一
な粗さの凹凸を有する粗化面を形成することができ、バ
イアホールを含む導体回路との密着性を確保することが
できるからである。また、粗化面を形成する表層部だけ
に可溶性粒子を含有するフィルムを用いてもよい。この
場合、フィルムの表層部以外は、酸または酸化剤にさら
されることがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回
路間の絶縁性が確実に保たれる。
脂の固形分に対して5〜50重量%が望ましく、10〜
40重量%がさらに望ましい。可溶性粒子の混合重量比
が5重量%未満では、充分な粗さの粗化面を形成するこ
とができない場合があり、50重量%を超えると、酸ま
たは酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解して粗化面を形成
する際に、層間樹脂絶縁層の深部まで溶解してしまい、
樹脂絶縁層を介した上下の導体回路間の絶縁性を確保す
ることができず、短絡の原因となる場合がある。
塑性樹脂および上記熱硬化性樹脂以外に、硬化剤、その
他の成分等を含有していることが望ましい。上記硬化剤
としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、アミン系硬
化剤、グアニジン系硬化剤、これらの硬化剤のエポキシ
アダクトやこれらの硬化剤をマイクロカプセル化したも
の、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォ
ニウム・テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系
化合物等が挙げられる。
組成物に対して、0.05〜10重量%であることが望
ましい。0.05重量%未満では、層間樹脂絶縁層を形
成する際に、樹脂複合体が充分に硬化せず、酸や酸化剤
を用いて層間樹脂絶縁層表面に粗化面を形成し、酸等が
樹脂フィルムに侵入する度合いが大きくなり、層間樹脂
絶縁層の絶縁性が損なわれることがある。一方、10重
量%を超えると過剰な硬化剤成分が樹脂の組成を変成さ
せることがあり、信頼性の低下を招いてしまうことがあ
る。
面の形成に影響しない無機化合物や樹脂等のフィラーが
挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、シリ
カ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂とし
ては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹脂、ポ
リアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラニン樹
脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらのフィラ
ーを含有させることにより、熱膨張係数の整合や耐熱
性、耐薬品性の向上等を図り、多層プリント配線板の性
能をより向上させることができる。
剤を含有していてもよい。上記溶剤としては、例えば、
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテ
ートやトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げ
られる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併
用してもよい。
ば、スズ、亜鉛、銅、ニッケル、コバルト、タリウム、
鉛等が挙げられる。これらのなかでは、電気特性、経済
性等に優れる点から銅や銅およびニッケルからなるもの
が望ましい。また、上記導体回路は、単層であってもよ
いし、2層以上からなるものであってもよく、無電解銅
めっき層と電解銅めっき層の2層からなるものが望まし
い。
コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路は、バ
イアホールを介して接続されている。上記バイアホール
の材質としては、上記導体回路の材質と同様のもの等が
挙げられる。また、上記バイアホールは、単層であって
もよいし、2層以上からなるものであってもよい。この
ような構成からなる本発明の多層プリント配線板は、例
えば、後述する第一または第二の本発明の多層プリント
配線板の製造方法等を用いて製造することができる。
の製造方法について説明する。第一の本発明の多層プリ
ント配線板の製造方法は、コンデンサが内蔵または収納
された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形
成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導
体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリ
ント配線板の製造方法であって、少なくとも下記(A)
〜(D)の工程を含むことを特徴とする。 (A)樹脂フィルムに本発明のコンデンサを取り付ける
コンデンサ取り付け工程、(B)凹部または貫通孔が形
成された基板の上記凹部または上記貫通孔にコンデンサ
を収納するとともに、上記樹脂フィルムを上記基板に圧
着する樹脂フィルム圧着工程、(C)上記樹脂フィルム
にバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする
層間樹脂絶縁層形成工程、および、(D)上記バイアホ
ール用開口の壁面を含む層間樹脂絶縁層表面に導体回路
を形成する導体回路形成工程。
方法では、本発明の多層プリント配線板、即ち、コンデ
ンサと接着剤や層間樹脂絶縁層との間で剥離が発生した
り、接着剤や層間樹脂絶縁層にクラックが発生したりす
ることがない多層プリント配線板を製造することができ
る。ここでは、まず、上記(A)〜(D)の工程につい
て説明し、この(A)〜(D)の工程を含む多層プリン
ト配線板の全製造工程については、後に詳述する。
付け工程では、樹脂フィルムに本発明のコンデンサを取
り付ける。ここでは、樹脂フィルムの表面の一部に予め
導体層を形成しておき、この導体層に半田ペースト等の
接着材料を介してコンデンサを取り付ける。また、半田
ペースト等を介してコンデンサを取り付けるため、コン
デンサとしてはSnからなる金属被覆層が形成されたコ
ンデンサを用いることが望ましい。また、樹脂フィルム
に導体層を形成することなく、コンデンサは樹脂フィル
ムに直接取り付けてもよい。この場合は、エポキシ樹脂
やフェノール樹脂等の接着剤を介してコンデンサを取り
付けることが望ましい。
する方法としては、例えば、無電解めっきやスパッタリ
ング等を施したり、金属箔を張り付けたりすることによ
り、樹脂フィルムの表面全体に導体膜を形成した後、パ
ターンエッチングを施す方法等を用いることができる。
また、無電解めっき等により樹脂フィルムの表面全体に
導体膜を形成した後、電解めっきを行い、導体膜の厚さ
を調整してもよい。なお、この工程でコンデンサを取り
付ける樹脂フィルムが、本発明で製造する多層プリント
配線板の層間樹脂絶縁層となる。
着工程では、凹部または貫通孔が形成された基板の上記
凹部または上記貫通孔にコンデンサを収納するととも
に、上記樹脂フィルムを上記基板に圧着する。従って、
この工程では、コンデンサを取り付けた樹脂フィルムと
は別に、凹部または貫通孔が形成された基板を用意す
る。上記凹部が形成された基板は、例えば、貫通孔や凹
部を形成したプリプレグと貫通孔等を有しないプリプレ
グとを接合したり、射出成形等により形成することがで
きる。また、上記貫通孔が形成された基板は、基板にド
リル等で貫通孔を形成したり、射出成形等により得るこ
とができる。
よび/またはコンデンサ表面に接着剤を塗布しておくこ
とにより、コンデンサを凹部や貫通孔の内壁面に接着剤
を介して接着させることができる。ここで用いるコンデ
ンサは、本発明のコンデンサであり、その表面にポリイ
ミド膜が形成されているため接着剤との密着性に優れ
る。ポリイミド膜は、コンデンサと接着剤の両者と親和
性を有するからである。なお、このとき、基板のコンデ
ンサを取り付けた樹脂フィルムを圧着する面と反対側の
面にも、樹脂フィルムを圧着してもよい。基板の両面に
層間樹脂絶縁層が形成されることとなるからである。特
に、貫通孔が形成された基板に樹脂フィルムを圧着する
場合には、基板の両面に樹脂フィルムを圧着することが
望ましい。また、この後、必要に応じて、加熱硬化させ
ることにより、樹脂フィルムの硬化層を形成する。具体
的には、熱硬化性樹脂や樹脂複合体からなる樹脂フィル
ムを用いた場合には、加熱硬化を行い、樹脂フィルムの
硬化層を形成する。なお、本明細書においては、以下、
熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを圧着して形成した
樹脂フィルムの層も樹脂フィルムの硬化層という。
孔が形成された基板を用いた場合には、コンデンサの外
部電極がいわゆるスルーホールとしての機能を備えた多
層プリント配線板を好適に製造することができる。
脂絶縁層形成工程を行い、樹脂フィルムにバイアホール
用開口を形成して層間樹脂絶縁層とする。バイアホール
用開口の形成は、例えば、レーザ処理を用いて行うこと
ができる。このとき、使用するレーザとしては、例え
ば、炭酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ等
が挙げられる。これらのなかでは、エキシマレーザや短
パルスの炭酸ガスレーザが望ましい。
バイアーホール用開口を形成する部分に貫通孔が形成さ
れたマスク等を用いることにより、一度に多数のバイア
ホール用開口を形成することができ、また、短パルスの
炭酸ガスレーザは、バイアホール用開口内の樹脂残りが
少なく、レーザ照射部位の周囲の樹脂に対するダメージ
が特に少ないからである。
場合、上記(A)の工程で導体層を介することなくコン
デンサを直接取り付けた樹脂フィルムを用いていると、
バイアホール用開口の底面にコンデンサの外部電極が露
出することとなる。ここで、コンデンサの外部電極が導
電性ペーストのみで構成されている場合、導電性ペース
トが柔らかいことに起因して以下のような不都合が発生
することとなる。
を照射した場合、該樹脂フィルムの硬化層の下に存在す
る導電性ペーストが柔らかいため、樹脂フィルムの硬化
層が導電性ペースト層中に押し込まれてしまい、その結
果、レーザ処理終了時に導電性ペースト層に樹脂残りが
発生することがある。このような樹脂残りは、バイアホ
ールを形成した際の接続不良の原因となり、多層プリン
ト配線板の信頼性の低下に繋がる。
部電極が少なくとも2層から構成され、最内層が導電性
ペースト層であり、最外層がめっき層であるコンデンサ
を用いた場合には、バイアホール用開口の底面に露出す
るのはめっき層であり、該めっき層は、導電性ペースト
層に比べて固いため、上述した不都合が発生しにくく、
より信頼性に優れる多層プリント配線板を製造すること
ができる。なお、場合によっては、外部電極が導電性ペ
ーストのみから構成されていてもよく、この場合、該導
電性ペーストは、Ni、Cu、Ag、Pdを含むもので
あることが望ましく、Cuを含むものであることがより
望ましい。これは、通常、バイアホールが銅を用いて形
成されているため、電気特性の低下が少なく、バイアホ
ールと外部電極との間で剥離が発生しにくいからであ
る。なお、ヒートサイクル条件下においても同様に剥離
が発生しにくい。
口を形成する場合には、ホログラム方式のエキシマレー
ザを用いることが望ましい。ホログラム方式とは、レー
ザ光をホログラム、集光レンズ、レーザマスク、転写レ
ンズ等を介して目的物に照射する方式であり、この方式
を用いることにより、一度の照射で樹脂フィルム層に多
数の開口を効率的に形成することができる。
パルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望まし
い。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間
は、10〜500μ秒であることが望ましい。また、バ
イアホール用開口を形成する部分に貫通孔が形成された
マスクの貫通孔は、レーザ光のスポット形状を真円にす
るために、真円である必要があり、上記貫通孔の径は、
0.1〜2mm程度が望ましい。
レーザ光を照射することにより、一度に多数のバイアホ
ール用開口を形成することができる。光学系レンズとマ
スクとを介することにより、同一強度で、かつ、照射強
度が同一のレーザ光を複数の部分に照射することができ
るからである。
場合には、露光、現像処理を用いてバイアホール用開口
を形成してもよい。なお、この場合は、樹脂フィルムを
基板に積層して、プレスした後、加熱硬化する前に、露
光・現像処理を施すことが望ましい。完全に硬化した層
は、露光・現像処理により開口を形成するのに適さず、
所望の形状の開口を形成することができないからであ
る。
ル用開口を形成する場合においても、バイアホール用開
口の底面にコンデンサの外部電極が露出する場合には、
コンデンサは、その外部電極が少なくとも2層から構成
され、最内層が導電性ペースト層であり、最外層がめっ
き層であるものが望ましい。導電性ペーストは、通常、
球状や破砕状等の導電性粒子を含んでおり、この導電性
粒子同士の間には隙間が存在している。そのため、樹脂
フィルムを基板に積層してプレスした際に、該樹脂フィ
ルムが導電性粒子間の隙間にも入り込むこととなる。こ
のように、導電性粒子間の隙間に入り込んだ樹脂フィル
ムは、露光現像処理により除去することが難しく、その
結果、バイアホール用開口を形成した際に導電性ペース
ト層に樹脂残りが発生することがある。しかしながら、
導電性ペーストに比べて硬いメッキ層では、このような
不都合が発生しにくい。
用開口を形成した際に、該バイアホール用開口の底面に
外部電極が露出する場合は、この外部電極の露出面に、
ポリイミド膜が形成されていないコンデンサを用いるこ
とが望ましい。露光現像処理では、ポリイミド膜を除去
することができず、ポリイミド膜が存在したままバイア
ホールを形成すると、外部電極とバイアホールとの間で
導通不良が発生したり、両者の間で剥離が発生したりす
ることがあるからである。ただし、レーザ処理によりバ
イアホール用開口を形成する場合は、外部電極の露出面
にポリイミド膜が形成されたコンデンサを用いてもよ
い。レーザ処理時にポリイミド膜も除去することができ
るからである。
必要に応じて、デスミア処理を行う。上記デスミア処理
は、クロム酸、過マンガン酸塩等の水溶液からなる酸化
剤を使用して行うことができる。また、酸素プラズマ、
CF4 と酸素との混合プラズマやコロナ放電等で処理し
てもよい。また、低圧水銀ランプを用いて紫外線照射す
ることにより、表面改質することもできる。
面(バイアホール用開口の内壁面を含む)に粗化面を形
成してもよい。粗化面を形成することにより、後工程で
層間樹脂絶縁層上に形成する導体回路(バイアホールを
含む)との密着性がより優れたものとなる。上記粗化面
を形成する方法としては、例えば、層間樹脂絶縁層の材
料として、上記ポリオレフィン系樹脂を用いた場合に
は、プラズマ処理により粗化面を形成することができ、
上記粗化面形成用樹脂組成物を用いた場合には、酸や酸
化剤を用いて粗化面を形成することができる。
了後、その両面に層間樹脂絶縁層を形成した基板にスル
ーホール用貫通孔を形成し、下記する導体回路形成工程
を行う際に、同時にスルーホール用貫通孔壁面にも導体
層を形成し、スルーホールとしてもよい。上記スルーホ
ール用貫通孔は、ドリル加工やレーザ処理等により形成
することができる。なお、補強材や心材を含浸させた樹
脂からなる基板を用いている場合には、ドリル加工を用
いることが望ましい。また、上記スルーホール用貫通孔
の径は、50〜500μmが望ましい。なお、スルーホ
ール用貫通孔を形成した場合には、該スルーホール用貫
通孔の壁面に導体層を形成する前に、デスミア処理や粗
化面形成処理を施してもよい。
路形成工程を行い、上記バイアホール用開口の壁面を含
む樹脂フィルムの表面に導体回路を形成する。この工程
を経ることにより、層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成
することができるとともに、この導体回路とコンデンサ
とを電気的に接続するためのバイアホールを形成するこ
とができる。
に説明する。まず、無電解めっき、スパッタリング等に
より層間樹脂絶縁層表面(バイアホール用開口およびス
ルーホール用貫通孔の内壁面を含む)に薄膜導体層を形
成する。薄膜導体層は、単層であってもよいし、2層以
上からなるものであってもよい。薄膜導体層は、例え
ば、無電解めっきやスパッタリング等により形成するこ
とができる。なお、無電解めっきにより薄膜導体層を形
成する場合には、予め、層間樹脂絶縁層表面にパラジウ
ム触媒等の触媒核を付与しておくことが望ましい。
めっきにより薄膜導体層を形成する場合には、0.6〜
1.2μmが望ましく、スパッタリングにより形成する
場合には、0.1〜1.0μmが望ましい。
層上の一部にドライフィルムを用いてめっきレジストを
形成し、その後、薄膜導体層をめっきリードとして電解
めっきを行い、上記めっきレジスト非形成部に電解めっ
き層を析出させる。また、このとき、バイアホール用開
口を電解めっきにより充填してフィールドビア構造とし
てもよく、バイアホール用開口に導電性ペーストを充填
した後、その上に蓋めっき層を形成してフィールドビア
構造としてもよい。フィールドビア構造を形成すること
により、バイアホールの直上にバイアホールを設けるこ
とができる。
めっきレジスト下に存在する薄膜導体層をエッチングに
て溶解除去し、薄膜導体層と電解めっき層とからなる導
体回路(バイアホールおよびスルーホールを含む)を形
成する。なお、触媒を付着させた後、無電解めっきによ
り薄膜導体層を形成した場合は、酸、または、酸化剤を
用いて層間樹脂絶縁層上の触媒を除去してもよい。触媒
を除去することにより、電気特性の低減を防止すること
ができる。
っきレジストを形成し、さらに、電解めっき処理とエッ
チング処理とを施すことにより導体回路を形成する方法
に代えて、以下の方法を用いて導体回路を形成してもよ
い。
用いて薄膜導体層を形成する。次いで、この薄膜導体層
をめっきリードとして、薄膜導体層上全面に電解めっき
層を形成し、さらに、電解めっき層上にドライフィルム
を用いてエッチングレジストを形成し、エッチングレジ
スト非形成部下の電解めっき層と無電解めっき層とをエ
ッチング除去することにより導体回路を形成してもよ
い。このような(A)〜(D)の工程を経ることによ
り、コンデンサを収納した基板上に層間樹脂絶縁層と導
体回路とを形成することができる。
発明の多層プリント配線板の製造方法の全製造工程、即
ち、上記(A)〜(D)の工程を経た後、多層プリント
配線板を完成するまでの全製造工程について、工程順に
説明する。
後、必要に応じて、導体回路、バイアホールおよびスル
ーホールの表面に粗化面を形成する。該粗化面は、エッ
チング処理、黒化還元処理、めっき処理等により形成す
ることができる。
第二銅錯体とを含むエッチング液を用いて行うことがで
きる。上記有機酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、ク
ロトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、リン
ゴ酸、スルファミン酸等が挙げられる。これらは、単独
で用いてもよく、2種以上併用してもよい。上記混合溶
液において、上記有機酸の含有量は、0.1〜30重量
%が望ましい。酸化された銅の溶解性を維持し、かつ、
触媒安定性を確保することができるからである。
二銅錯体が望ましい。このアゾール類の第二銅錯体は、
金属銅等を酸化する酸化剤として作用する。アゾール類
としては、例えば、ジアゾール、トリアゾール、テトラ
ゾール等が挙げられる。これらのなかでは、イミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾールが望まし
い。上記エッチング液において、上記第二銅錯体の含有
量は、1〜15重量%が望ましい。溶解性および安定性
に優れ、また、触媒核を構成するPd等の貴金属をも溶
解させることができるからである。
は、NaOH(10g/l)、NaClO2 (40g/
l)、Na3 PO4 (6g/l)、を含む水溶液を黒化
浴とする黒化処理、および、NaOH(10g/l)、
NaBH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還
元処理を行う方法等が挙げられる。
硫酸銅(1〜40g/l)、硫酸ニッケル(0.1〜
6.0g/l)、クエン酸(10〜20g/l)、次亜
リン酸ナトリウム(10〜100g/l)、ホウ酸(1
0〜40g/l)および界面活性剤(日信化学工業社
製、サーフィノール465)(0.01〜10g/l)
を含むpH=9の無電解めっき浴にて無電解めっきを施
す方法等が挙げられる。
ールを形成した場合には、スルーホール内を樹脂充填材
を用いて充填し、さらに、導体回路を形成した基板の両
面に樹脂フィルムを張り付ける。上記樹脂充填材として
は、エポキシ樹脂等の樹脂を主成分とする導電性を有さ
ない樹脂や、銅等の金属ペーストを含有させた導電性樹
脂等を用いることができる。また、熱硬化性エポキシ樹
脂に、シリカ等の無機フィラーを配合して熱膨張率を層
間樹脂絶縁層や基板と整合させた樹脂充填材を用いても
よい。また、樹脂フィルムとしては、樹脂フィルムと同
様のものを用いることができる。
を硬化させた後、上記(c)および(d)の工程と、上
記(1)および(2)の工程を繰り返すことにより、更
に上層の層間樹脂絶縁層および導体回路(バイアホール
を含む)を形成する。なお、この工程では、スルーホー
ル用貫通孔の形成を行ってもよいし、行わなくてもよ
い。
面に開口部を有するソルダーレジスト層を形成する。上
記ソルダーレジスト層としては、例えば、ポリフェニレ
ンエーテル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹
脂、熱可塑性エラストマー、ソルダーレジスト樹脂組成
物等からなるものが挙げられる。上記ソルダーレジスト
層は、未硬化の樹脂(ソルダーレジスト樹脂組成物)を
ロールコータ法等により塗布したり、未硬化の樹脂フィ
ルムを熱圧着したりした後、レーザ処理、露光・現像処
理等により開口処理を行い、さらに、硬化処理等を行う
ことにより形成する。
は、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アク
リレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メタ)アク
リル酸エステルモノマー、分子量500〜5000程度
の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多価アクリ
ル系モノマー等の感光性モノマー、グリコールエーテル
系溶剤などを含むペースト状の流動体等が挙げられ、そ
の粘度は25℃で1〜10Pa・sに調製されているこ
とが望ましい。
アクリレートとしては、例えば、フェノールノボラック
やクレゾールノボラックのグリシジルエーテルをアクリ
ル酸やメタクリル酸等と反応させたエポキシ樹脂等が挙
げられる。また、上記2官能性(メタ)アクリル酸エス
テルモノマーとしては特に限定されず、例えば、各種ジ
オール類やアクリル酸やメタクリル酸のエステル等が挙
げられる。また、開口部は、露光、現像処理、レーザ処
理等により形成する。
部内の導体回路上にニッケルめっき層、金めっき層等を
形成することにより、半田パッドを設け、該半田パッド
上に、はんだペーストを印刷して、200℃でリフロー
することにより、半田バンプを形成する。これにより、
ICチップが基板に内蔵され、半田バンプを有する多層
プリント配線板を得ることができる。また、上記ソルダ
ーレジスト層の開口部に、はんだペーストを印刷した
後、開口部に導電性ピンを載置し、230℃でリフロー
することにより、外部端子と接続するためのPGA(Pin
Grid Array)が配設された多層プリント配線板としても
よい。
の製造方法について説明する。第二の本発明の多層プリ
ント配線板の製造方法は、コンデンサが内蔵または収納
された基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形
成され、上記コンデンサと導体回路、および、上下の導
体回路がバイアホールを介して接続されてなる多層プリ
ント配線板の製造方法であって、少なくとも下記(a)
〜(e)の工程を含むことを特徴とする。 (a)本発明のコンデンサを基板Aに取り付けるコンデ
ンサ取り付け工程、(b)貫通孔が形成された基板Bの
上記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、上記コン
デンサを取り付けた基板Aに上記貫通孔が形成された基
板Bを積層する基板積層工程、(c)上記貫通孔が形成
された基板Bのコンデンサが露出している側に樹脂フィ
ルムを圧着する樹脂フィルム圧着工程、(d)上記樹脂
フィルムにバイアホール用開口を形成して層間樹脂絶縁
層とする層間樹脂絶縁層形成工程、および、(e)上記
バイアホール用開口の壁面を含む樹脂フィルムの表面に
導体回路を形成する導体回路形成工程。
方法では、本発明の多層プリント配線板、即ち、コンデ
ンサと接着剤や層間樹脂絶縁層との間で剥離が発生した
り、接着剤や層間樹脂絶縁層にクラックが発生したりす
ることがない多層プリント配線板を製造することができ
る。
方法は、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法
と比べて、(a)〜(e)の工程、即ち、基板にコンデ
ンサを収納し、さらに、層間樹脂絶縁層と導体回路とを
形成する工程が異なるのみであるため、ここでは、
(a)〜(e)の工程についてのみ説明することとし、
第二の本発明の製造方法の全製造工程についての説明
は、省略することとする。
付け工程では、本発明のコンデンサを基板Aに取り付け
る。この工程では、通常、接着剤を介して、基板Aにコ
ンデンサを取り付ける。ここで用いるコンデンサは、本
発明のコンデンサであり、その表面にポリイミド膜が形
成されているため接着剤との密着性に優れる。ポリイミ
ド膜は、コンデンサと接着剤の両者と親和性を有するか
らである。
は、貫通孔が形成された基板Bの上記貫通孔にコンデン
サを収納するとともに、コンデンサを取り付けた基板A
に上記貫通孔が形成された基板Bを積層する。従って、
この工程では貫通孔の形成された基板Bを別に用意す
る。上記貫通孔の形成は、例えば、レーザ処理やドリル
加工を用いて行うことが望ましく、基板Bとしてガラス
クロス等の強化材を含む基板を用いる場合には、ドリル
加工を用いて行うことが望ましい。また、上記貫通孔の
形成された基板Bの材質は特に限定されず、上記(a)
の工程でコンデンサを取り付けた基板Aの材質と同じで
あってもよいし、異なっていてもよい。
基板Aに上記貫通孔が形成された基板Bを積層する際に
は、予め、上記コンデンサを取り付けた基板Aのコンデ
ンサ取り付けた面や、上記貫通孔が形成された基板Bの
貫通孔壁面や基板Aに対向する面に接着剤を塗布してお
くことが望ましい。基板同士を強固に接着することがで
きるとともに、その表面にポリイミド膜が形成されたコ
ンデンサを、接着剤を介して貫通孔内にしっかりと固定
することができるからである。接着剤を塗布する場合に
は、上記コンデンサを取り付けた基板Aのコンデンサ取
り付けた面に接着剤を塗布する方法を選択することが望
ましい。貫通孔壁面に接着剤を塗布する方法に比べて操
作が容易であり、コンデンサ取り付けた面に充分な量の
接着剤を塗布しておいた場合、該接着剤が流動性を有す
るため、基板Aに基板Bを積層する際に接着剤がコンデ
ンサと貫通孔壁面との間にも入り込みコンデンサをしっ
かりと固定することができるからである。このような
(a)および(b)の工程を経ることによりコンデンサ
内蔵基板を形成することができる。
ム圧着工程では、上記貫通孔が形成された基板Bのコン
デンサが露出している側に樹脂フィルムを圧着する。こ
の工程では、樹脂フィルムを圧着した後、必要に応じ
て、加熱硬化を施すことにより樹脂フィルムの硬化層を
形成することができる。なお、加熱硬化を施す場合、加
熱硬化は下記(d)の工程でバイアホール用開口を形成
した後に行ってもよい。この工程で圧着する樹脂フィル
ムが本発明の製造方法で製造する多層プリント配線板の
層間樹脂絶縁層となる。なお、樹脂フィルムを圧着する
際には、コンデンサを取り付けた基板Aのコンデンサを
取り付けた面と反対側の面にも樹脂フィルムを圧着して
もよい。
形成工程では、上記樹脂フィルムにバイアホール用開口
を形成し、層間樹脂絶縁層とする。この工程では、樹脂
フィルムにバイアホール用開口を形成することにより層
間樹脂絶縁層を形成することができる。バイアホール用
開口の形成は、例えば、レーザ処理を用いて行うことが
できる。このとき、使用するレーザとしては、第一の本
発明の製造方法で用いるレーザと同様のもの等が挙げら
れる。また、上記(c)の工程で、樹脂フィルムとして
感光性樹脂からなるものを用いた場合には、露光、現像
処理によりバイアホール用開口を形成してもよい。
光現像処理を用いてバイアホール用開口を形成した際
に、該バイアホール用開口の底面に外部電極が露出する
場合は、この外部電極の露出面に、ポリイミド膜が形成
されていないコンデンサを用いることが望ましい。ただ
し、レーザ処理によりバイアホール用開口を形成する場
合は、外部電極の露出面にポリイミド膜が形成されたコ
ンデンサを用いてもよい。
て、デスミア処理を行ってもよい。上記デスミア処理
は、クロム酸、過マンガン酸塩等の水溶液からなる酸化
剤を使用して行うことができる。また、酸素プラズマ、
CF4 と酸素との混合プラズマやコロナ放電等で処理し
てもよい。また、低圧水銀ランプを用いて紫外線照射す
ることにより、表面改質することもできる。また、必要
に応じて、層間樹脂絶縁層表面(バイアホール用開口の
内壁面を含む)に粗化面を形成してもよい。
路形成工程を行い、上記バイアホール用開口の壁面を含
む樹脂フィルムの表面に導体層を形成する。この工程を
経ることにより、層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成す
ることができるとともに、この導体回路とコンデンサと
を電気的に接続するためのバイアホールを形成すること
ができる。
層を形成した基板にスルーホール用貫通孔を形成してお
き、上記導体回路形成工程を行う際に、同時に貫通孔壁
面に導体層を形成し、スルーホールとしてもよい。
としては、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方
法で行う具体的な方法、即ち、薄膜導体層を成形した
後、めっきレジストを設け、電解めっきとエッチング処
理を行うことにより導体回路を形成する方法や、薄膜導
体層を成形した後、電解めっきを行い、エッチングレジ
ストを設けてエッチング処理を行うことにより導体回路
を形成する方法等が挙げられる。このような(a)〜
(e)の工程を経ることにより、コンデンサを収納した
基板上に層間樹脂絶縁層と導体回路とを形成することが
できる。
プリント配線板の製造方法を用いることにより、本発明
の多層プリント配線板を好適に製造することができる。
なお、本発明の多層プリント配線板は、第一または第二
の本発明の製造方法以外の方法を用いても製造すること
ができる。
プリント配線板の製造方法における(a)および(b)
の工程、即ち、コンデンサを取り付けた樹脂フィルム
を、予め貫通孔等を形成しておいた基板に圧着し、コン
デンサ内蔵基板と樹脂フィルムの硬化層とを形成する工
程に代えて、下記(1)および(2)の工程を行い、そ
の他の工程を第一の本発明の製造方法と同様の方法で行
うことによっても、本発明の多層プリント配線板を製造
することができる。
貫通孔は、例えば、ドリル加工やレーザ処理等により形
成する。さらに、上記基板の貫通孔内に本発明のコンデ
ンサを内蔵する。ここでは、貫通孔の内壁面および/ま
たはコンデンサの側面に、予め、接着剤を塗布してお
き、貫通孔内にコンデンサを収納する。
両面に、樹脂フィルムを圧着し、その後、必要に応じ
て、加熱硬化を施すことによりコンデンサ内蔵基板と樹
脂フィルムの硬化層とを形成する。このような工程を経
る多層プリント配線板の製造方法でも、本発明の多層プ
リント配線板を製造することができる。
樹脂フィルム40αを出発材料とする(図6(a)参
照)。まず、金属膜41をパターンエッチングすること
により、所定の回路パターン42を形成した(図6
(b)参照)。
た回路パターン42に、半田34を介してコンデンサ2
0を取り付けた(図6(c)参照)。コンデンサ20と
しては、市販のチップコンデンサ(村田製作所社製、L
L0612)の表面全体に、以下の方法でポリイミド膜
が形成されたコンデンサを使用した。なお、コンデンサ
としては、外部電極の表面全体が銅で形成されたものを
使用した(図1(d)参照)。
して行った。即ち、40重量%のポリアミドイミドを含
む35℃の溶液中にチップコンデンサを浸漬し、ポリイ
ミド膜を形成した。
蔵するための凹部31を穿設した基板30αを用意す
る。次に、凹部31の内壁に接着剤を塗布した後、コン
デンサ20を取り付けた樹脂フィルム40αと、凹部3
1を穿設した基板30αと、もう1枚の樹脂フィルム4
0αとを積層してプレスした(図6(c)および(d)
参照)。なお、接着剤としては、エポキシ系樹脂を用い
た。
ンサ20を内蔵する基板30と、樹脂フィルムの硬化層
40βを形成した(図7(a)参照)。なお、図7
(a)において、32は接着剤層である。続いて、樹脂
フィルムの硬化層40β上に、貫通孔が形成されたマス
クを介して、波長10.4μmのCO2 ガスレーザに
て、ビーム径4.0mm、トップハットモード、パルス
幅8.0μ秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、2ショ
ットの条件で樹脂フィルムの硬化層40βに、直径60
μmのバイアホール用開口43を形成し、層間樹脂絶縁
層40とした(図7(b)参照)。この後、酸素プラズ
マを用いてデスミア処理を行った。
た基板30に、ドリル加工により、直径100μmのス
ルーホール用貫通孔33を形成した(図7(c)参
照)。さらに、層間樹脂絶縁層40の表面(バイアホー
ル用開口43およびスルーホール用貫通孔33の内壁面
を含む)に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与
することにより、層間樹脂絶縁層40の表面に触媒核を
付着させた。
水溶液中に基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層40および
スルーホール用貫通孔33の表面全体に厚さ0.6〜
0.9μmの薄膜導体層(無電解銅めっき層)44を形
成した(図8(a)参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 40 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕 35℃の液温度で40分
を無電解銅めっき44に張り付け、マスクを載置して、
100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム
水溶液で現像処理することにより、めっきレジスト51
を設けた。さらに、基板を50℃の水で洗浄して脱脂
し、25℃の水で水洗後、硫酸で洗浄してから、以下の
条件で電解銅めっきを施し、めっきレジスト非形成部に
電解銅めっき層45を形成した(図8(b)参照)。
OHで剥離除去した後、そのめっきレジスト51下の無
電解めっき層44を硫酸と過酸化水素との混合液でエッ
チングして除去し、層間樹脂絶縁層40には導体回路4
8とバイアホール46を形成し、基板30にはスルーホ
ール36を形成した(図8(c)参照)。
46およびスルーホール36の表面を、有機酸塩と第二
銅錯体とからなるエッチング液を用いて、エッチング処
理することにより、該表面に粗化面(図示せず)を形成
した。さらに、導体回路48等を形成した基板を、80
0g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に3分間浸漬し
て、導体回路非形成部分に位置する導体回路間の層間樹
脂絶縁層40の表面を1μmエッチングし、その表面に
残存するパラジウム触媒を除去した。
いて樹脂充填剤を充填し、100℃で20分間乾燥させ
ることにより、樹脂充填剤層38を形成した。なお、樹
脂充填剤としては、ビスフェノールF型エポキシモノマ
ー(油化シェル社製、分子量:310、YL983U)
100重量部、表面にシランカップリング剤がコーティ
ングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子の粒径が
15μm以下のSiO2 球状粒子(アドテック社製、C
RS 1101−CE)72重量部およびレベリング剤
(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5重量部を容
器にとり、攪拌混合することにより、その粘度を23±
1℃で30〜60Pa・sに調製したものを使用した。
ここで、硬化剤としては、イミダゾール硬化剤(四国化
成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用いた。
を張り付けた(図9(a)参照)。なお、樹脂フィルム
60αとしては、エポキシ樹脂からなる樹脂フィルムを
用いた。
ーホール用貫通孔を形成する工程を除く)を繰り返すこ
とにより、さらに上層の導体回路68(バイアホール6
6を含む)を形成し、その後、導体回路66の表面をエ
ッチング処理し、粗化面(図示せず)を形成することに
より、最外層に導体回路の形成された多層配線板を得た
(図9(b)〜図10(b)参照)。
チルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよ
うに溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量4000)46.67
重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%の
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、商
品名:エピコート1001)15重量部、イミダゾール
硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−CN)
1.6重量部、感光性モノマーである多官能アクリルモ
ノマー(共栄化学社製、商品名:R604)3重量部、
同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商品名:
DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サンノプコ
社製、商品名:S−65)0.71重量部を容器にと
り、攪拌、混合して混合組成物を調整し、この混合組成
物に対して光重量開始剤としてベンゾフェノン(関東化
学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケト
ン(関東化学社製)0.2重量部を加えて、粘度を25
℃で2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物
を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社
製、DVL−B型)で60rpmの場合はローターN
o.4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
ーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、70℃で
20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理を行った
後、ソルダーレジストレジスト開口部のパターンが描画
された厚さ5mmのフォトマスクをソルダーレジスト層
70に密着させて1000mJ/cm2 の紫外線で露光
し、DMTG溶液で現像処理し、200μmの直径の開
口71を形成した(図10(c)参照)。
形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1mol
/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1mol
/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mol/
l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に2
0分間浸漬して、開口部71に厚さ5μmのニッケルめ
っき層(図示せず)を形成した。さらに、その基板を、
シアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩
化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン
酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン
酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電
解めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッ
ケルめっき層上に厚さ0.03μmの金めっき層(図示
せず)を形成することで、導体回路68およびに半田パ
ッドを形成した。
の開口部71に、はんだペーストを印刷して、200℃
でリフローすることにより、半田バンプ76を形成し
た。これにより、コンデンサ20を内蔵し、半田バンプ
76を有する多層プリント配線板10を得た(図2参
照)。
積層した積層板30βを出発材料とした。まず、この積
層板30βに接着剤(熱硬化性樹脂)を介在させてコン
デンサ220を取り付けた(図11(a)参照)。
コンデンサ(村田製作所社製、LL0612)の表面全
体に、以下の方法でポリイミド膜が形成されたコンデン
サを使用した。なお、コンデンサとしては、外部電極の
上面が銅めっき層であるものを使用した(図1(c)参
照)。
して行った。即ち、45重量%のポリアミドイミドを含
む38℃の溶液中にチップコンデンサを10分間浸漬し
た後、45℃まで昇温しながら1時間加熱することによ
りポリイミド膜を形成した。
枚積層し、コンデンサを収納するための貫通孔37を形
成した積層板30αを用意し、この積層板30αとコン
デンサ220を取り付けた積層板30βとを積層して張
り付け、コンデンサ220を内蔵する基板30を得た
(図11(b)参照)。なお、このとき、積層板30β
のコンデンサを取り付けた側の面に予め接着剤を塗布し
ておいた。その結果、積層板30αと積層板30βとを
張り付けた際に接着剤が流動し、コンデンサ220の壁
面と貫通孔37の壁面との間に接着剤層が形成された。
基板30の上下に樹脂フィルム40αを積層してプレス
し、その後、加熱硬化処理を施し、コンデンサ220を
内蔵した基板の両面に樹脂フィルムの硬化層40βを形
成した(図11(c)および(d)参照)。なお、樹脂
フィルム40αとしては、熱硬化性シクロオレフィン系
樹脂からなる樹脂フィルムを使用した。
を形成した基板30に、ドリル加工により、直径100
μmのスルーホール用貫通孔33を形成した(図12
(a)参照)。
に、貫通孔が形成されたマスクを介して、波長10.4
μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0mm、ド
ップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マスクの貫通
孔の径1.0mm、2ショットの条件で樹脂フィルムの
硬化層40βに、直径60μmのバイアホール用開口4
3を形成し、層間樹脂絶縁層40とした(図12(b)
参照)。この後、酸素プラズマを用いてデスミア処理を
行った。
V−4540を用いてプラズマ処理を行い、層間樹脂絶
縁層40の表面に粗化面(図示せず)を形成した。この
際、不活性ガスとしては、アルゴンガスを使用し、電力
200W、ガス圧0.6Pa、温度70℃の条件で2分
間プラズマ処理を実施した。
ンガスを使用した後、Ni−Cu合金をターゲットにし
たスパッタリングを、気圧0.6Pa、温度80℃、電
力200W、時間5分間の条件で行い、Ni−Cu合金
からなる厚さ0.2μmの薄膜導体層44を層間樹脂絶
縁層40および貫通孔33の表面に形成した(図12
(c)参照)。
を無電解銅めっき44に張り付け、マスクを載置して、
100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム
水溶液で現像処理することにより、めっきレジスト51
を設けた(図13(a)参照)。さらに、基板を50℃
の水で洗浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、硫酸で洗
浄してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、めっき
レジスト非形成部に電解銅めっき層45を形成した(図
13(b)参照)。
OHで剥離除去した後、そのめっきレジスト51下の無
電解めっき層44を硫酸と過酸化水素との混合液でエッ
チングして除去し、層間樹脂絶縁層40に導体回路48
とバイアホール46を、基板30にスルーホール36を
形成した(図13(c)参照)。
46およびスルーホール36の表面を、有機酸塩と第二
銅錯体とからなるエッチング液を用いて、エッチング処
理することにより、該表面に粗化面(図示せず)を形成
した。さらに、導体回路48等を形成した基板を、80
0g/lのクロム酸を含む70℃の溶液に3分間浸漬し
て、導体回路非形成部分に位置する導体回路間の層間樹
脂絶縁層40の表面を1μmエッチングし、その表面に
残存するパラジウム触媒を除去した。
いて樹脂充填剤を充填し、100℃で20分間乾燥させ
ることにより、樹脂充填剤層を形成した。なお、樹脂充
填剤としては、実施例1で用いた樹脂充填剤と同様のも
のを用いた。
を張り付けた。なお、樹脂フィルム60αとしては、樹
脂フィルム40αと同様のものを用いた。
返すことにより、さらに上層の導体回路68(バイアホ
ール66を含む)を形成し、その後、導体回路66の表
面をエッチング処理することにより、粗化面を形成する
ことにより、最外層に導体回路の形成された多層配線板
を得た。
同様にして、コンデンサ120を内蔵し、半田バンプ7
6を有する多層プリント配線板110を得た(図4参
照)。
ップコンデンサ(村田製作所社製、LL0612)の表
面全体に、実施例2と同様の方法でポリイミド膜が形成
されたコンデンサを使用し、さらに、実施例2の(6)
の工程に代えて、下記(1)〜(2)の工程を行った以
外は、実施例2と同様にして多層プリント配線板を製造
した。なお、コンデンサとしては、金属被覆層が形成さ
れておらず、外部電極の表面全体が銅めっき層であるも
のを使用した(図1(b)参照)。なお、コンデンサと
しては、金属被覆層から銅が露出したものを用いてもよ
い。
ル用開口およびスルーホール用貫通孔の内壁面を含む)
にパラジウム触媒(アトテック社製)を付与することに
より、層間樹脂絶縁層40の表面に触媒核を付着させ
た。
水溶液中に基板を浸漬して、層間樹脂絶縁層40および
スルーホール用貫通孔33の表面全体に厚さ0.6〜
0.9μmの薄膜導体層(無電解銅めっき層)44を形
成した(図8(a)参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 40 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕 35℃の液温度で40分
外部電極がマトリックス状に形成されており、該外部電
極の表面全体が銅で形成されたコンデンサを用いた以外
は、実施例1と同様にして多層プリント配線板を製造し
た。
その周囲にポリイミド膜を形成していないコンデンサを
用いた以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線
板を製造した。
その周囲にポリイミド膜を形成していないコンデンサを
用いた以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線
板を製造した。
られた多層プリント配線板について、下記の条件でヒー
トサイクル試験を行った後、下記の評価方法により、コ
ンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層と間での剥離の発生
の有無、接着剤や層間樹脂絶縁層中でのクラックの発生
の有無、短絡または断線の発生の有無、層間樹脂絶縁層
の膨れの有無を評価した。結果を表1に示した。
3分間維持した後、−65℃の雰囲気下に3分間維持す
るサイクルを、1000回および2000回繰り返し
た。
剥離の発生の有無 多層プリント配線板をカッターで切断し、切断した断面
を顕微鏡で観察した。なお、ここでは、コンデンサを切
断するように、多層プリント配線板を切断した。その結
果を下記の表1に示した。
ックの発生の有無 上記(1)と同様にして多層プリント配線板を切断し、
その断面を顕微鏡で観察した。その結果を下記の表1に
示した。
験を行い、モニターに表示される結果から導通状態を評
価した。その結果を下記の表1に示した。 (4)層間樹脂絶縁層の膨れの有無 上記(1)と同様にして多層プリント配線板を切断し、
その断面を顕微鏡で観察した。その結果を下記の表1に
示した。
測定 ピコアンメータを用い、上記信頼性試験の前後におい
て、コンデンサの静電容量を測定した。その結果を下記
の表2に示した。
れた多層プリント配線板について、1000サイクルお
よび2000サイクルのヒートサイクル試験を行った場
合、コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層と間での剥離
は発生しておらず、接着剤や層間樹脂絶縁層中にもクラ
ックは発生していなかった。また、短絡や断線、層間樹
脂絶縁層の膨れも発生していなかった。
ト配線板では、コンデンサと樹脂(接着剤層や層間樹脂
絶縁層)との接触面を起点にクラックや剥離が発生して
いた。
4で基板に埋設したコンデンサは、信頼性試験の前後で
静電容量に変化が少なく、導体回路−コンデンサの間に
おいても、電気的接続による影響が殆どない。一方、比
較例1、2で得られた多層プリント配線板では、信頼性
試験後の静電容量を測定することができず、断線が発生
していることが明らかとなった。
サは、その表面の少なくとも一部にポリイミド膜が形成
されているため、セラミックからなる誘電膜や金属から
なる外部電極と接着剤や層間樹脂絶縁層との親和性が高
く、コンデンサと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離
が発生したり、層間樹脂絶縁層や接着剤にクラックが発
生したりすることがない。従って、本発明のコンデンサ
は、多層プリント配線板の内蔵用として適したものであ
る。
発明のコンデンサが基板に内蔵されているため、コンデ
ンサと層間樹脂絶縁層や接着剤との間で剥離が発生した
り、該層間樹脂絶縁層や接着剤にクラックが発生したり
することがない。そのため、上記多層プリント配線板
は、コンデンサの端子とバイアホールとの間の接続が遮
断されたり、層間樹脂絶縁層にクラックや膨れが生じた
りすることがなく、電気的接続性、信頼性に優れる。
板の製造方法では、本発明の多層プリント配線板、即
ち、コンデンサと接着剤や層間樹脂絶縁層との間で剥離
が発生したり、接着剤や層間樹脂絶縁層にクラックが発
生したりすることがない多層プリント配線板を製造する
ことができる。
を模式的に示す断面部である。
示す断面図である。
実装し、ドータボードに取り付けた状態を模式的に示す
断面図である。
示す断面図である。
示す断面図である。
板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
線板の製造方法の一部を模式的に示す断面図である。
板のループインダクタンスの説明図であり、(c)は、
本発明の多層プリント配線板のループインダクタンスの
説明図である。
サを示し、(b)は、(a)を裁断した後の本発明のコ
ンデンサの1個を示す。
サを示し、(b)は、(a)を裁断した後の本発明のコ
ンデンサの1個を示す。
面図である。
サを示し、(b)は、(a)を裁断した後の本発明のコ
ンデンサの1個を示す。
Claims (9)
- 【請求項1】 多層プリント配線板に内蔵または収納さ
せるコンデンサであって、その表面の少なくとも一部に
ポリイミド膜が形成されていることを特徴とするコンデ
ンサ。 - 【請求項2】 前記コンデンサは、内部電極と誘電膜と
が交互に積層された積層体の両端面を含む部分に外部電
極が形成されたコンデンサであって、前記外部電極は少
なくとも銅からなる請求項1に記載のコンデンサ。 - 【請求項3】 前記コンデンサは、内部電極と誘電膜と
が交互に積層された積層体の両端面を含む部分に外部電
極が形成されたコンデンサであって、前記外部電極は少
なくとも2層で構成され、最内層は導電性ペースト層で
あり、最外層はめっき層である請求項1に記載のコンデ
ンサ。 - 【請求項4】 前記めっき層は、銅めっき層である請求
項3に記載のコンデンサ。 - 【請求項5】 前記コンデンサは、内部電極と誘電膜と
が交互に積層された積層体に外部電極が形成されたコン
デンサであって、前記外部電極はマトリックス状に形成
されている請求項1に記載のコンデンサ。 - 【請求項6】 前記外部電極の表面の少なくとも一部に
金属被覆層が形成されている請求項3〜5のいずれか1
に記載のコンデンサ。 - 【請求項7】 コンデンサが内蔵または収納された基板
上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、前
記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバ
イアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板
であって、前記コンデンサは、請求項1〜6のいずれか
1に記載のコンデンサであることを特徴とする多層プリ
ント配線板。 - 【請求項8】 コンデンサが内蔵または収納された基板
上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、前
記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバ
イアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板
の製造方法であって、少なくとも下記(A)〜(D)の
工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造
方法。 (A)樹脂フィルムに請求項1〜6のいずれか1に記載
のコンデンサを取り付けるコンデンサ取り付け工程、
(B)凹部または貫通孔が形成された基板の前記凹部ま
たは前記貫通孔にコンデンサを収納するとともに、前記
樹脂フィルムを前記基板に圧着する樹脂フィルム圧着工
程、(C)前記樹脂フィルムにバイアホール用開口を形
成して層間樹脂絶縁層とする層間樹脂絶縁層形成工程、
および、(D)前記バイアホール用開口の壁面を含む層
間樹脂絶縁層表面に導体回路を形成する導体回路形成工
程。 - 【請求項9】 コンデンサが内蔵または収納された基板
上に、層間樹脂絶縁層と導体回路とが順次形成され、前
記コンデンサと導体回路、および、上下の導体回路がバ
イアホールを介して接続されてなる多層プリント配線板
の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜(e)の
工程を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造
方法。 (a)請求項1〜6のいずれか1に記載のコンデンサを
基板Aに取り付けるコンデンサ取り付け工程、(b)貫
通孔が形成された基板Bの前記貫通孔にコンデンサを収
納するとともに、前記コンデンサを取り付けた基板Aに
前記貫通孔が形成された基板Bを積層する基板積層工
程、(c)前記貫通孔が形成された基板Bのコンデンサ
が露出している側に樹脂フィルムを圧着する樹脂フィル
ム圧着工程、(d)前記樹脂フィルムにバイアホール用
開口を形成して層間樹脂絶縁層とする層間樹脂絶縁層形
成工程、および、(e)前記バイアホール用開口の壁面
を含む層間樹脂絶縁層表面に導体回路を形成する導体回
路形成工程。
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